第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「創造全力、価値共有。つねに、その上をめざして。」をコーポレート・ステートメントとして設定しておりますが、これは、現在、そして未来にわたって自己変革し、進化し続けることによって、価値を創造し続ける強い意志を表しています。お客様へ価値を提供し続ける仕組みをつくり、それを実行することにより、お客様の共感をいただき、つねに新たな可能性に向けて自らを革新し続けていくことを目指しております。また、企業としての永続性を軸に、「社員の生活向上」と「生活文化への貢献と社会からの信頼」の共存を創業時からの変わらぬ理念としております。全ての発想の原点を「顧客満足」におき、顧客にとって常に最適なファッションを提案し続け、「事業価値」「財務価値」「企業価値」を同時に高めていく、「価値創造企業グループ」を目指しております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、1992年、顧客価値と生産性の最大化を目的に、消費者を起点に小売から生産までを一気通貫させ、ロス・無駄を価値に変える「スパークス(SPARCS)構想」を発表いたしました。ファッション産業において、これまで分断されていたビジネスモデルをつなぎ、在庫ロスと機会ロスを最小化すると同時に、当社グループにおいてコアとなる生産系、開発系、マーチャンダイジング系、店舗運営系のそれぞれの業務において再現性のある仕組みをプラットフォーム化することで競争優位性を高め、進化する顧客のニーズにスピーディーに応えることを可能にする「スパークス(SPARCS)モデル」の実現を目指しております。

また、当社グループの経営ミッションとして「ファッションビジネスにおいて、顧客満足の最大化を実現できる持続可能な産業モデルの構築」を掲げ、理想の産業生態系の構築に向けて「長期的・持続的な企業価値の最大化」を実現してまいります。

かかる経営ミッションの下、当社グループは、あらゆる場面でお客様に最適なファッションを提供する『ブランド事業』においてブランド価値の競争優位性の確立をさらに追求してまいります。さらに、既存ブランド事業の改善のみにとどまらず、『投資事業』において自社ブランドのバリューアップや外部資本との提携、他社ブランドへの投資などによる事業ポートフォリオ全体の最適化を目指してまいります。現在注力している重点領域として、お客様を中心に全ての情報を瞬時につなげる基盤で価値を生み出す『デジタル事業』の確立を積極的に推進してまいります。加えて、これまで自社ブランド事業の競争優位性を支えてきた生産や販売等の機能を他のファッション企業に求められるほど強い『プラットフォーム事業』に進化させることにより、収益源の多様化と安定化も目指しております。

これら4つの事業セグメントを高度な一枚岩で一体的に運営・推進していくことで、ファッション産業をリードし続ける存在として、次の価値創造に全力でチャレンジすることを中期の経営方針としております。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境は、人口減少や少子高齢化の進行にともなう数量減少に加えて、国内アパレル市場も成熟化して単価下落が進む一方、海外生産地での加工賃上昇や為替変動による仕入価格の上昇のほか、人手不足による人件費や物流費といった経費増加も生じるなど、引き続き厳しい状況が続くことが予想されます。また、デジタル化の進展を背景として消費者の購買行動は急速に変化しており、新たなビジネスチャンスが生まれているものの、新規参入企業の誘発などを通じて異業種や外資系も巻き込んだ競争激化が継続しております。

こうした国内アパレル市場や消費者の大きな変化の中で、永続的に成長を遂げ、勝ち続ける企業組織であるためには、これらの環境変化の認識のもと、更なる変革が必要であると認識しております。そして、自己変革を具現化するためにも、以下の点を対処すべき課題と認識し、解決に向けて重点的に取り組んでまいります。

 

①事業収益力の向上

当社グループは、2017年4月の事業持株会社体制への移行にともない、新たに事業セグメントを4分類とし、事業セグメント間の密接な連携や相互の活用で一枚岩を図りつつ、それぞれのセグメントで異なる外部顧客に向けた営業活動等に取り組んでおります。

それぞれの事業セグメントの具体的な課題や取り組みについては、以下のとおりであります。

 

(ブランド事業)

ブランド事業においては、強化すべきブランドと店舗への更なる選択と集中に取り組んでまいります。成熟した市場では、過去のようなブランド開発や新規出店だけに頼った収益成長が見込めないと判断しており、既存のブランドや店舗で経営資源を集中すべきところへ傾斜配分するなど、グループ全体最適の視点でポートフォリオマネジメントを強力に推進してまいります。

また、ブランドや店舗と同じく、商品面でも選択と集中を進めてまいります。強化品番である「Sランク商品」について、いかに精度高く開発し、必要な量を確保し、お客様にきちんとお伝えし、売上を確保していくか、というSランク「売り積み」業務が重要となりますが、これは開発、MD、生産、販促、店舗といったバリューチェーンの全ての業務がSランクの売り積みに向けて連鎖することで実現可能となります。

この他、主に地域密着が重要な近隣商圏型ショッピングセンター(NSC)を対象に、他人資本の活用で事業投資の効率性とスピードを可能にしたフランチャイズ事業も拡大してまいります。当社グループのアパレル企画開発力とストアの運営ノウハウを最大限に活用し、加盟店舗は2017年3月期末では29法人63店舗まで拡充しております。

 

(投資事業)

投資事業においては、当社が持株会社として担う事業ポートフォリオマネジメントや子会社群に対する経営管理・支援サービスに加えて、開発・改革事業のバリューアップ機能や投資ファンドの組成・運用機能といった、当社グループの事業ポートフォリオを弾力的にマネジメントする役割を果たしております。

開発・改革事業には、現在のところ、当社グループで未だ収益構造を確立できていないセレクトブランドや一部SCブランドが含まれております。開発・改革系ブランド群はマーケット視点で拡大余地が認められるものの、安定的な収益モデルで成立するに至らないものが多く、例えば、当社グループ内では投資対象として優先順位が高くない場合、外部資本の活用等も視野に入れた事業開発・改革を進めて収益構造の確立を目指してまいります。

一方、投資ファンドの組成・運用機能においては、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)との共同運営ファンドに代表される投資ビークルも活用し、当社グループから自立するカーブアウト案件やファッション産業を対象とした投資案件の価値向上に取り組んでまいります。共同ファンドでは「当社グループが有する事業運営ノウハウや多様なプラットフォーム機能の提供」と「DBJが培ってきたファイナンスノウハウや産業調査能力を活かしたリスクマネーの供与」といった両社の特長を梃子に投資対象の価値を引き上げることを狙っており、その役割は当社グループの事業ポートフォリオの入れ替えにとどまらず、業界再編や合従連衡の一翼を担うことでファッション産業の発展に貢献することも目指しております。

 

(デジタル事業)

デジタル事業では、ブランド事業との協業等も通じて、CRM((注)1.)活動の強化を推進しております。当社グループは、登録会員数が815万人(直近1年間の稼動会員数で680万人)にのぼるワールドプレミアムクラブ(WPC)という会員組織を有しており、このWPCはオフライン(店舗)とオンライン(EC)が統合されたO2O((注)2.)対応の優良な会員基盤を有しております。WPC会員の購買状況からは、店舗とECの両販路での併買客は年間購買金額が単独販路の購買客に比べて3倍以上と「顧客の囲い込み効果」がみられており、店舗購買客とEC購買客の相互送客によるO2Oの強化で顧客満足と顧客売上の両輪での向上を実現してまいります。

こうしたO2O強化を支える一例として、店舗販路とEC販路の双方向での在庫データ連携による、それぞれの販路間で発生している機会ロスと在庫ロスを低減する取り組みが挙げられます。ECサイトでのお客様の購買要望に対して、EC用物流センターに在庫がない場合でも、ある店舗に当該在庫が残っている場合、店舗在庫をEC販路で販売することができるようになっており、この逆のパターンで店頭での欠品に対してEC在庫を販売することも可能な仕組みを構築しております。

この他、公式ECサイトの運営受託は当社グループから他社ブランド(法人顧客)に広がっておりますが、法人顧客からのニーズはECを起点に店舗運営や物流管理までデジタル軸で拡大しており、こうしたデジタル軸でのソリューションをワンストップで提供することも推進しております。このデジタルソリューション事業では、前述したCRMシステムや在庫データ連携システムに加えて、当社グループで培ってきた店舗運営システムやアパレル本部運営システムにまで及ぶ業務領域が対象となり、情報システムなどの仕組みやノウハウの活用による課題解決をコンサルティングも付加することなどで取り組んでまいります。

 

(注)1.CRM…カスタマー・リレーション・マネジメントの略。企業と顧客との関係において、顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略・手法

(注)2.O2O…ONLINE TO OFFLINEの略で、ネット上(オンライン)から、ネット外の店舗などの実地(オフライン)での行動や購買へ促す施策のこと

 

プラットフォーム事業)

プラットフォーム事業では、生産系グループ企業の多岐に渡る生産・調達力を生かした、他社ブランド商品の製造受託であるOEM受託事業を強化します。これまでの当社グループの多業態・多ブランドの発展を支えてきた、国内から中国、アセアンにいたる幅広い生産基盤や商標資産、企画機能といった有形・無形のノウハウやアセットを外部企業に提供することでOEM受託事業を推進してまいります。

また、当社グループが多様な販売チャネルへの直営店の展開を通じて培ってきたノウハウやアセットも活用します。例えば、店舗設計や什器調達、VMD((注)3.)機能等をファッション関連企業に空間創造支援サービスとして提供するほか、競争優位性のある海外什器調達力を背景にホテルや飲食店の内装等にも事業範囲を拡大しております。この他、店舗開発や販売代行、在庫消化といった販売プラットフォームも多様な支援メニューを提供可能です。

さらに、当社の各種プラットフォームを組み合わせてバリューチェーン全体として提供することは、海外ブランド企業の日本進出支援に有効な手段となります。海外企業の日本初進出時には、店舗開発や店舗運営、経理等の本部機能やシステム構築、物流網の設置など、起業特有の多岐に渡る分野で幾つものハードルがあります。当社グループは、こうした一連の業務支援をパッケージとして、競争力ある価格でまとめて提供することが可能となっております。

 

(注)3.VMD…VMDとは、ヴィジュアル・マーチャンダイジングの略。ディスプレイ、インテリア、販売促進など商品MDを視覚面からサポートする専門機能

 

②財務体質の改善と優秀人材の確保

当社グループは、保有資産の有効活用による価値極大化も目指しており、資産に対するリターンである資産効率の向上に取り組んでおります。ここ2年程度は、ブランド事業の中核的なアセットである棚卸資産の圧縮で在庫回転率の改善を進めたほか、不動産の入れ替えなどで固定資産の収益力も引き上げました。

こうした資産の効率性及び収益力の向上を図るとともに、その対となる資金調達面において、負債・資本バランスといった財務体質の改善を進めてきております。MBO時の資金源として銀行借入やメザニンを利用した経緯もあり、資本に対する借入金の割合が大きいといった課題を抱えていますが、過去2年間で借入金のリファイナンスによる安定化を図っており、次は優先株式の償還に専念できる財務基盤を構築してまいりました。

また、当社グループの事業構造の非連続な変革に見合った優秀人材の確保も重要な経営課題と認識しており、事業の規模や内容に合わせた採用と研修の活動を行ってまいります。継続的に次世代リーダーを輩出していくため、2017年4月の分社化で子会社経営に参画する機会を創出したほか、グループ横断での定期的な組織力アンケート等も活用した各種の育成プログラムも整備・推進しております。

 

③コーポレート・ガバナンスの強化

当社はグループ企業価値を高めるため、事業持株会社としてグループ経営戦略を立案し、子会社間でのシナジー効果の追求や子会社に対する管理・監督機能を適正かつ有効に発揮すべく、今後もグループの業務や組織運営、事業ポートフォリオの最適化や保有資産の価値最大化に取り組んでまいります。

そして、企業の社会的責任(CSR)の高まりに継続的に応えていくため、今後も意思決定プロセスの透明性確保や企業経営の効率性向上に注力するとともに、コンプライアンス体制の強化と内部統制システムの充実を図ってまいります。

また、監督と執行の分離で迅速な意思決定を行うことにより、グループ企業価値の更なる向上を目指しております。同時に、社外取締役が過半数を占める取締役会の監督機能の強化なども図っており、コーポレート・ガバナンス体制の一層の強化に取り組んでおります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があるリスクには以下のようなものがあります。記載内容のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 尚、当社グループは、これらのリスクに関する網羅的な評価を実施し、発生の可能性及び影響度をできる限り認識し、発生の未然防止を図るとともに、発生した場合の早期解決及び構造的課題への対策に努める所存であります。

 

(1)消費者の嗜好の変化等に関するリスク

 当社グループでは、「スパークス(SPARCS)モデル」の構築及び推進により、急速に進化する消費者ニーズにスピーディーに対応すべく日々取り組みを行っております。しかし、当社グループが取り扱う衣料品、服飾・生活雑貨を中心としたファッション事業は、景気の変動による個人消費の低迷や他社との競合に伴う市場の変化といった要因に加えて、ファッショントレンドの移り変わりによる消費者嗜好が変化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)新規事業に関するリスク

 当社グループでは、長期的・持続的な企業価値の向上を目指すために、常に消費者ニーズの動向やマーケット・チャネルの変化を的確に捉えるべく、新たな価値を生み出すための業態開発やブランド開発に積極的に取り組み続けております。新規事業を開発、推進して行く過程において事業投資を行う際には、十分な調査・研究を行った上で最終的な判断を下すよう留意しておりますが、市場環境が急速に変化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)M&Aに関するリスク

 当社グループでは、持続的なグループ企業価値の最大化を目的に、投資ファンドも活用したM&Aによって設備や人材、技術・ノウハウ等を保有する企業をグループに迎えるなどして、事業の継続的拡大を推進しております。しかし、M&Aにおいては、個々の案件で当初期待した収益や効果が得られずに目的を達成できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)出店に関するリスク

 当社グループでは、アパレルと小売の機能を融合したSPA業態を開発し、百貨店、ショッピングセンター、駅ビル、ファッションビル等の多種多様なチャネルへ展開を広げています。しかし、出店における好立地の確保を巡る競争も激しいため、計画どおり出店が行えなかった場合や、マーケット・チャネルの変化により想定した売上を確保できなかった場合、さらには収益店舗が館閉鎖も含めて退店を余儀なくされる場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)商品・生産に関するリスク

 当社グループでは、事業の多様化にともない、衣料品・雑貨以外の食品や化粧品、インテリアといった品目にまで取り扱いが広がっておりますが、衣料品・雑貨・食品等の品質管理に関する社内規程・基準を設け、適切に対応しております。このように社内の管理体制を継続した強化により整えているにも関わらず、自社または仕入先等に起因した事由による商品の製造物責任に関わる事故が発生した場合には、企業・ブランドイメージ・社会的信用度の低下や多額の損害賠償の請求等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)法的規制に関するリスク

 当社グループの取り扱う商品・サービスの提供にあたっては、販売時や媒体掲載時の表示等について不当景品類及び不当表示防止法等による法的な定めがあります。商品の仕入にあたっては独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法等の規制により取引先との公正な取引が強く要請されております。

 当社グループでは、商品・生産に関するコンプライアンスの重要性について社員教育を徹底し、また、内部統制の取り組みを高めて行く活動によりリスクの発生を未然に防止する対策を講じておりますが、巧妙な違法行為や取引先等に起因する事由により、違反の効果的な防止が伴わない可能性もあり、これらの問題が発生した場合には、当社グループの活動が制限され、損害賠償の責任を負うこと等により、業績にも影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)仕入価格の上昇によるリスク

 当社グループは、製造国・地域の人件費増加、原材料費の増加、為替レートの変動等を要因とした仕入価格の上昇が発生するリスクがあります。仕入価格の上昇によるリスクが発生した場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(8)競合に関するリスク

 当社グループは、常に百貨店、専門店、量販店、ECサイト等の他社との厳しい企業間競争状態が継続しております。ブランド事業における事業ポートフォリオの再配置も含む機動的な市場変化対応により成長性を追求していくと同時に、収益構造の更なる効率化と最適化を図り競争力を強化しておりますが、消費者が消費行動の中で競合他社を選択した場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)システム障害によるリスク

 当社グループは、ECサイトや業務システムを構築しておりますが、ウイルスや外部から不正な手段の侵入によるシステム障害が発生するリスクがあります。その場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)情報に関するリスク

 当社グループは、直営店舗やWEBによる通信販売における顧客、従業員等の個人情報及び経営戦略上の優先施策、製品開発等に関する重要な機密情報を多数保有しております。

 これら個人情報及び機密情報の取り扱いについては、情報管理者を選任し、データベースへのアクセス環境、セキュリティシステム、紙情報の保管管理等の改善を常に図り、情報の利用・保管等に関する社内規程・基準を設け、情報の取り扱いに対する意識の向上を目的とした社員教育の徹底や、牽制システムの構築等、情報管理体制を整えておりますが、コンピュータシステムの予期せぬトラブルによる情報流出や犯罪行為による情報漏洩が発生する可能性があります。その場合、当社グループの社会的信用度を低下させ、業績にも影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)人材に関するリスク

 当社グループでは、人材は企業の競争力の源泉であり、企業は個人の自己実現の「媒体」であるという考えから、「人中心経営」の発展に日々努めております。人材価値の向上は非常に重要であり、継続して雇用管理体制を整備しておりますが、突発的な業務遂行時の交通事故等不可測の外的要因や地震・津波等自然災害に起因した労働災害の発生、或いは予期せぬ雇用環境の急激な変化により、必要な人材の確保・育成が想定どおりに進まなかった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)取引先に関するリスク

 当社グループでは、取引先の経営状況についての信用度を把握するための管理体制を整えております。しかし、取引先の信用不安により、予期せぬ貸倒れリスクや商品調達リスクが顕在化することや、出店先である大型商業施設の予期せぬ経営破綻等により、そこの収益店舗等の営業活動に支障が及ぶといったことにとどまらず、債権回収に遅滞が生じたり、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合があることから、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)知的財産権に関するリスク

 当社グループでは、特許権、商標権等の知的財産権を所有しており、法令の定め及び社内規程に則って管理体制を整えております。このように社内体制を整えているにも関わらず、第三者による当社グループの権利に対する侵害等により、企業・ブランドイメージの低下や商品開発への悪影響等を招いた場合や、当社グループが誤って第三者の権利を侵害したことにより、第三者に対する損害賠償責任等を負担した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)ハザードに関するリスク

 当社グループでは事業継続計画を作成するなどBCP(Business continuity planning)に関する取組みを行っております。しかし、異常気象や地球温暖化等の影響による天候不順、台風や集中豪雨等の予測できない気象状況の変化が起きた場合、また、地震及び地震に起因する津波、電力不足等・風水害・落雷等不測の自然災害や新型インフルエンザ等の感染拡大、突発的な事故や火災で事業の一部中断や取引先(仕入先等)に被害が生じた場合、売上が減少する可能性があることから、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)海外に関するリスク

 当社グループは、中国を中心に台湾、韓国、タイ等アジアマーケットでの販売事業と中国での生産管理及び貿易業務を行っております。当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は現時点では軽微ですが、海外で販売・生産の両面を進める上において、現地における自然災害や感染症、テロや戦争、政変や経済情勢の悪化、為替レートの変動、現地従業員との雇用問題、地政学的問題等の社会情勢、知的財産権訴訟、制度や法律の変更といったリスクが内在しております。

 海外現地でこうしたリスクが発生する場合には、海外店舗の売上低迷が生じたり、自社生産工場及び取引工場の操業が一時的に困難になる事により、日本国内への商品供給体制(仕入活動)に支障が出る等の問題が発生する可能性があることから、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)持株会社への移行に関するリスク

 当社グループは、2017年4月1日より、既存ブランド事業を業態や販売チャネル毎に分社化するなどして、持株会社体制へ移行いたしました。一層の権限委譲を進めて、より迅速な意思決定を行うことで市場最適化を図るとともに、既存ブランド事業の枠を超えて異なる事業モデルの開発を推進して競争力を強化することが重要と判断したからです。しかしながら、子会社収益の不安定化で配当が得られない可能性や、子会社経営の悪化でし、子会社株式の減損処理が必要となる可能性もあり、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)減損に関するリスク

 当社グループののれん(当連結会計年度末 55,662百万円)や子会社株式も含めて、当社の保有する固定資産について想定を大きく下回るような価値変動が発生した場合、帳簿価額と実際の価値の差を損失とする減損処理をしなければいけないケースが生じる可能性があり、そのような事態では当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)業績の季節変動に関するリスク

 当社グループが取り扱うファッション商品は、気象状況によって売上動向に影響するケースがあるため、短サイクルの生産体制を整える等の対応をしております。しかしながら、わが国においては気候の季節変化が明瞭であることから、当社グループも季節対応のMDを構成しているため、業績へ寄与する時期が第1四半期及び第3四半期に偏重する傾向にあります。したがって、当該業績へ寄与する時期において売上及び利益を確保できなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)優先株式の取得等に関するリスク

 当社は、A種優先株式(以下「優先株式」)を発行しております。当連結会計年度末における優先株主に対する累積未払優先配当金の額は3,476百万円になっております。

 また、優先株式には、金銭を対価とする取得請求権及び取得条項が付されております。優先株主による取得請求権の行使又は当社による優先株式の取得が行われる場合、後述「第4提出会社の状況 1株式等の状況 (1)株式の総数等」に記載の条件による取得額は、当連結会計年度末において19,719百万円であります。以上より、当社が優先配当を支払う場合又は優先株式の取得を行った場合、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)有利子負債の財務制限条項への抵触に関するリスク

 当社グループは、事業資金を金融機関からの借入により調達しており、当連結会計年度末における総資産に対する有利子負債の割合は50.5%となっております。当社グループは、金融機関と良好な関係を構築しており、引き続き自己資本の充実等の安定的な財務構造への改善を図って参りますが、金融機関の融資情勢や市場金利の上昇による調達金利が変動した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループが締結している借入契約の一部については、財務制限条項が付されているものがあります。かかる財務制限条項については、純資産維持及び利益維持に関する一般的な数値基準が設けられており、当該金融機関からの調達以降、当連結会計年度末迄において財務制限条項には一度も抵触しておりませんが、これに抵触し貸付人の請求がある場合は、当該契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となり、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)経営成績等の状況の概要

 ①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績や雇用環境の改善などを背景に、景気は緩やかな改善傾向にあるものの、海外における政治・経済及び安全保障に関する不安要素も加わり、先行き不透明な状況が続きました。

当ファッション業界におきましては、国内アパレル市場の成熟化が強まるなか、デジタル化の進展を背景に店舗販路からEC販路への顧客シフトが続いたほか、事業承継も相俟って業界再編が不可避な情勢となっています。

このような経営環境の中、当社グループでは、2016年3月期より3ヵ年に亘る中期経営計画において抜本的な構造改革に取り組みました。最終年度となる当連結会計年度は、マーケットや消費者の大きな変化の中で、勝ち続ける企業組織であるために、既存ブランド事業の市場最適化を図るとともに、これまでグループ内で活用されてきたプラットフォームの外販にも乗り出したほか、M&Aやデジタルの機軸にした異なる事業モデルの開発も推進しており、競争力の強化を目的にして2017年4月1日付で事業持株会社体制に移行し、永続性のある事業基盤の構築に取り組みました。

 

この結果、当連結会計年度の業績は、売上収益は2,458億29百万円(前年同期比1.7%減)となりましたが、粗利率の改善と経費の抑制により営業利益は132億25百万円(前年同期比9.6%増)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、金融費用、及び法人所得税の増加などにより、67億43百万円(前年同期比17.3%減)となりました。

 

セグメント別の状況は、次のとおりです。

なお、投資事業セグメントについては、当社グループの「事業ポートフォリオマネジメント」がミッションとなるため、ポートフォリオの入れ替えなどによって当該セグメントに属するグループ会社が頻繁に変わりうることから、当該セグメントの業績は前期との比較が困難となる可能性があります。

 

(a)ブランド事業

 ブランド事業においては、国内小売事業、国内卸売事業及び国際事業を行っています。国内小売事業では、それぞれのブランドの市場最適化を目的に、婦人服、紳士服、雑貨などの業態や百貨店、駅・ファッションビル、ショッピングセンターなどのチャネル毎に分社化を行いました。ブランドポートフォリオ管理により事業戦略を機動的に修正し、成長性と収益性のバランスを図り、商品面においてはブランドらしさや強みを明確に打ち出すため、原産地やものづくりの現場へと赴き、差別化された付加価値の高い商品開発に継続して取り組みました。

 国内卸売事業では、自社ブランドに加えて、取引先専門店のニーズに対応した、他社ブランド商材を当社の展示会の中で提案することに加えて、専門店の抱える様々な課題に対応する、総合ソリューション機能の充実を図っております。

 国際事業では、中国、台湾、韓国、タイにおいて、主に販売事業に取り組みました。国や地域の嗜好性や気候、チャネルに応じてブランド提案を行い、国内小売事業と同様に、収益性を重視した改善活動に注力しました。

 この結果、ブランド事業の業績は、売上収益2,089億72百万円(前年同期比1.6%減)、セグメント利益(注)99億80百万円(前年同期比4.9%増)となりました。

 

(b)投資事業

 投資事業においては、事業持株会社である当社及び㈱ワールドインベストメントネットワークを中心にM&A事業と事業のポートフォリオ管理を行っております。

 2017年6月には、㈱日本政策投資銀行とファンド運営会社 ㈱W&Dインベストメントデザインを設立し、ファッション特化型の共同運営ファンド「W&Dデザインファンド」を組成しました。同年12月には第一号案件として、セレクトショップ「ザ シークレットクロゼット」、ラグジュアリーブランド「シクラス」を手がける㈱ユアサンクチュアリーに投資し、「事業」と「金融」を両輪に投資先企業の成長を促してまいります。

 同年12月には、㈱ワールドインベストメントネットワークが、キッチン雑貨専門店「212キッチンストア」並びに、インテリアを中心とした生活提案型店舗「T.C/タイムレスコンフォート」を展開する㈱アスプルンドを子会社化し、既存事業との連携を高めてまいります。また、2018年3月には、アプリベースのサブスクリプション型(利用期間などに応じて料金を支払う方式)のファッションレンタルサービス「サスティナ」を展開する㈱オムニスと資本・業務提携を行い、若年層を中心に関心が高まるシェアリングエコノミー市場にも参入いたしました。

 この結果、投資事業の業績は、売上収益462億84百万円(前年同期比10.1%減)、セグメント利益(注)65億89百万円(前年同期比48.4%増)となりました。

 

(c)デジタル事業

 デジタル事業においては、直営ファッション通販サイト「ワールドオンラインストア」を中心としたEC事業の推進やデジタルソリューション支援事業を行っています。2016年秋冬から取り組みを開始したネットとリアル店舗を融合するオムニチャネル化の一環として、店舗とECの在庫連携を推進しております。

 また、他社ブランドのEC支援やファッションECモール「ファッションウォーカー」などを運営する㈱ファッション・コ・ラボは、デジタルソリューション支援事業へ業容を拡大しています。さらに、2017年10月にITコンサルティング企業 フューチャー㈱とのジョイントベンチャーにより設立した、㈱ファステック・アンド・ソリューションズと連携することで、ファッション関連企業の様々なニーズへの対応に着手いたしました。

 この結果、デジタル事業の業績は、売上収益189億72百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益(注)6億58百万円(前年同期比31.9%増)となりました。

 

(d)プラットフォーム事業

 プラットフォーム事業においては、ワールドグループが培ってきた様々なノウハウと仕組みを活用したプラットフォームの外部企業へのオープン化を推進しております。生産プラットフォームでは、㈱ワールドプロダクションパートナーズを中心に、生産、調達、貿易、ユニフォームの製造、他社アパレルのODM、OEMに取り組みました。店舗・販売プラットフォームでは、㈱ワールドストアパートナーズにおいて、販売代行、店舗開発、催事の企画・運営などを行っております。

 また、2017年4月に設立した㈱ワールドスペースソリューションズでは、自社ブランドの店舗デザインで培った空間設計プラットフォームを活用し、什器・家具の製造販売、空間・店舗デザインを行っており、マンションやショールーム、ホテルといったアパレル以外の他業界に向けた取り組みが拡大するなど新たな事業領域へ展開を広げました。

 この結果、プラットフォーム事業の業績は、売上収益1,262億85百万円(前年同期比16.6%減)、セグメント利益(注)12億55百万円(前年同期比18.7%減)となりました。

 

(注)セグメント利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除しております。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

205億28百万円の収入(前年同期比38億5百万円 収入増)となりました。

収入増加の主な要因は、税引前当期利益の増加5億86百万円、仕入債務及びその他の債務の減少による支出の減少27億97百万円、棚卸資産の減少による収入の増加14億13百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

59億8百万円の支出(前年同期比144億71百万円 支出減)となりました。

支出減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出の減少216億49百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

148億44百万円の支出(前年同期比115億60百万円 支出増)となりました。

支出増加の主な要因は、借入金の返済による支出(純額)の増加123億28百万円によるものであります。

 

この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より1億76百万円減少して、209億72百万円となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当連結会計年度より当社を事業持株会社とする持株会社体制へ移行したことにともない、報告セグメントを従来の衣料品販売事業の単一セグメントから、「ブランド事業」、「投資事業」、「デジタル事業」及び「プラットフォーム事業」の4区分に変更しております。

 

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

プラットフォーム事業

7,313

△15.0

合計

7,313

△15.0

(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2 上記金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。

 

b.仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

ブランド事業

89,575

投資事業

15,663

デジタル事業

1,084

プラットフォーム事業

94,916

小計

201,238

 IFRS調整(注)3

△3,122

合計

198,116

(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2 上記金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。

3 IFRS調整は、原材料売上・為替予約における調整金額を記載しております。

4 当連結会計年度よりセグメントを区分したことから、仕入実績については前年同期比を記載しておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

 販路別売上状況

地域

販路

屋号

金額(百万円)

前年同期比(%)

国内

 

直営店

シューラルー

18,817

+0.3

アンタイトル

16,478

△1.8

オペーク ドット クリップ

14,292

△3.2

ザ ショップ ティーケー

14,189

+3.1

インディヴィ

10,237

+0.4

ワンズテラス

10,069

+9.0

タケオキクチ

9,398

△4.2

ハッシュアッシュ

8,842

+0.5

イッツデモ

8,605

+6.0

インデックス

7,220

△14.8

その他(注)3

82,805

△8.8

直営店合計

200,953

△4.1

EC

24,758

+12.2

117,189

16.3

その他(注)4

57,302

8.7

海外

3,697

△20.0

小計

403,899

8.0

IFRS調整(注)6

△3,385

合計

400,514

7.7

(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

    2 上記金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。

    3 直営店のその他は約55屋号になります。

    4 グループ間の役務収益、原材料売上及びロイヤリティ収入等が該当します。

    5 業態変更があった屋号については、前年も修正して前年同期比を算出しております。

    6 IFRS調整は、ポイント付与及び原材料売上における調整金額を記載しております。

(参考)

 当社グループの主な販路であります国内直営店の地域別売上は以下のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

当連結会計年度

期末店舗数(店)

東京都

35,207

△5.5

17.5

328

大阪府

19,074

△9.5

9.5

211

神奈川県

14,815

△3.7

7.4

162

愛知県

13,339

△3.7

6.6

145

兵庫県

11,496

△6.6

5.7

125

埼玉県

10,337

△4.5

5.1

127

千葉県

10,139

△2.1

5.0

119

福岡県

8,136

△6.9

4.0

101

北海道

6,320

1.9

3.1

82

広島県

5,315

△2.7

2.6

74

その他

66,774

△1.9

33.2

937

合計

200,953

△4.1

100.0

2,411

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

尚、「受注実績」につきましては、該当事項はありません。

 

(参考)

当社グループのEC化率は以下のとおりであります。

EC化率

金額(百万円)

前年同期差

 

EC取扱高

連結取扱高

 

 

30,833

250,260

 

12.32

+1.29

(注)EC化率とは商品の取扱高を分母にし、そのうちECの取扱高を分子にしたものであります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①経営成績に重要な影響を与える要因について

当社経営陣が承知している限り、経営者及び内部統制上重要な権限を有している従業員による不正行為、法令・定款違反行為及び不当行為はありません。また、取締役の競業取引、取締役と会社間の利益相反取引、会社が行った無償の利益供与、子会社又は株主との通例的でない取引並びに自己株式の取得及び処分等について取締役の義務違反はありません。

 

②経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループでは、2016年3月期より3ヵ年に亘る中期経営計画において抜本的な構造改革に取り組みました。最終年度となる当連結会計年度は、マーケットや消費者の大きな変化の中で、勝ち続ける企業組織であるために、既存ブランド事業の市場最適化を図るとともに、これまでグループ内で活用されてきたプラットフォームの外販にも乗り出したほか、M&Aやデジタルの機軸にした異なる事業モデルの開発も推進しており、競争力の強化を目的にして2017年4月1日付で事業持株会社体制に移行し、永続性のある事業基盤の構築に取り組みました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上収益は僅かに減収となったものの、利益の出やすい体質への構造転換は着実に進み、営業利益は増益となりました。

しかし、今後につきましては、わが国の経済は、雇用や所得の改善などにより、回復基調で推移していくものと思われますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動、貿易問題等の影響により、先行き不透明なマーケット環境は継続すると予想しています。

また、当ファッション業界につきましても、個人消費の節約志向が定着しており、総じて厳しい状況が続くと思われます。

 

このような経営環境の中、当社グループは、2019年3月期を次なるトランスフォーメーション(変革)に向けた3ヵ年のスタートの年として、ブランド事業、投資事業、デジタル事業、プラットフォーム事業のそれぞれが、市場の変化を適確に捉え、相互に連携することで、“総合アパレル企業グループ”から ファッション業界における“総合サービス企業グループ”へ進化したいと考えております。

 

ブランド事業においては、引き続き、各事業会社がそれぞれのブランドの市場最適化を図り、商品力・販売力の向上に努め、既存ブランド・既存店舗の再成長を目指してまいります。

投資事業においては、2018年4月に子会社化した、高感度なリユースセレクトショップ「ラグタグ」などを展開する㈱ティンパンアレイを迎え入れ、既存事業とのシナジー効果を発揮してまいります。

デジタル事業においては、引き続き、直営ファッション通販サイト「ワールドオンラインストア」を中心としたEC事業を推進するとともに、ファッション関連企業へITを駆使したデジタルソリューション支援を強化してまいります。

プラットフォーム事業においては、BtoB事業の拡大に向けて体制を強化し、機会ロスの低減と新たな事業領域の創出に努めてまいります。

 

(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)

 IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

(のれんの償却に関する事項)

(のれんの償却に関する事項)

 日本基準において、のれんはその効果の発現する期間を個別に見積り、償却期間を決定した上で均等償却することとしておりましたが、IFRSにより作成した連結財務諸表においては、IFRS移行日以降の償却を停止しております。

 尚、この結果、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が4,167百万円減少しております。

 日本基準において、のれんはその効果の発現する期間を個別に見積り、償却期間を決定した上で均等償却することとしておりましたが、IFRSにより作成した連結財務諸表においては、IFRS移行日以降の償却を停止しております。

 尚、この結果、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が4,218百万円減少しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、2017年8月14日開催の取締役会において、固定資産の譲渡を決議し、2017年9月15日付で契約いたしました。

 

(1)譲渡の理由

  当社は、財務体質の強化を図るため、下記の固定資産について譲渡することといたしました。

 

(2)譲渡資産の内容

  現況:事務所ビル

  所在地:東京都港区西麻布3丁目5番5号  土地 901.6㎡

                       建物 1階 745.12㎡ 2階 590.30㎡ 3階 590.59㎡

                          4階 467.91㎡ 5階 41.53㎡

                          地下1階 801.60㎡ 地下2階 725.61㎡

 

(3)譲渡先

  国内の資本関係のない法人であります。

 

(4)当該事象の損益に与える影響額

  当該固定資産の譲渡による売却益については、損益計算書に特別利益として1,921百万円計上しており、連結損益計算書に与える影響は軽微であります。

 

 

5【研究開発活動】

 特記すべき重要な事項はありません。