当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間(2025年3月1日~2025年8月31日)の経営成績は、売上収益が1,369億16百万円(前年同期比24.3%増)、コア営業利益が83億3百万円(同3.4%増)、営業利益が93億17百万円(同18.1%増)、税引前中間利益が84億1百万円(同14.3%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益は56億40百万円(同20.8%増)と増収増益でした。
当連結会計年度は、2023年5月8日に公表した中期経営計画「PLAN-W」の最終年度3年目としての総仕上げと同時に、「次なる挑戦」となる次期中期経営計画に向けた準備を進めております。
この度の決算は、当社が推進する事業ポートフォリオ改革の成果と、次なる成長に向けた課題が明確になった半期であったと総括しております。具体的には、ブランド事業において、一部アパレルブランドの春夏商戦での販売苦戦が響いたうえ、前年の反省を受けて準備して臨んだ暑秋において夏物からの商品切り替えの遅延も招くこととなり、本業の稼ぐ力であるコア営業利益が計画未達となりました。これは、気候変動への対応やMD設計の精度、生販コントロールに質・量両面で課題を残したものと真摯に受け止めております。
一方で、プラットフォーム事業が2025年2月末に連結加入したエムシーファッション㈱の貢献等により大幅な増益を達成したほか、デジタル事業も安定的に収益へ貢献しました。この結果、アパレルブランド事業の不振をライフスタイルブランドも加えた非アパレル事業が力強く補い、グループ全体としてコア営業利益段階以下全ての損益段階で前年同期比での増益を確保いたしました。これは、特定の事業環境の変化に左右されにくい、強靭な収益構造への転換が進んでいることの証左であると認識しております。
また、共同支配企業の子会社である㈱ライトオンの順調な再建等を背景にオプション価値の評価益を一時収益として計上したことなどから、営業利益以下の利益段階全てが前年同期比2桁増となって計画も達成しました。加えて、株式交換の手法でナルミヤ・インターナショナル㈱を2025年10月1日付で完全子会社化し、非支配持分への利益流出の停止効果を見込める状態になりました。そして財務面では、株主資本コスト(COE)の低減という財務・資本戦略上の重要な目標を達成し、今後の成長投資を加速させるための基盤が整いました。
結果として、当中間連結会計期間は、中期経営計画「PLAN-W」の最終年度として、通期計画の達成に向けた課題に取り組むとともに、「次なる挑戦」である次期中期経営計画の策定を本格化させる重要な期間となりました。
セグメント別の状況は次のとおりです。
① ブランド事業
ブランド事業においては、あるべきブランドポートフォリオ戦略の完遂にむけて、ブランド事業セグメント全体最適の視点で成長性と収益性のバランスが取れた持続的成長を追求しております。
百貨店を中心に展開するミドルアッパーブランドは、ブランドらしく差別化された高付加価値な商品開発を行うほか、世界的な物価上昇や急激な為替変動に左右されないよう、自社工場体制を垂直統合して国産回帰を図っております。また、お客様との強いつながりを構築するため、マルチチャネル化やOMO (Online Merges with Offline) 戦略を進め、様々なプロトタイプ開発・出店を通じて新たな成長の創造に取り組んでおります。
ショッピングセンターを中心に展開するミドルロワーブランドにおいては、前連結会計年度の期首に商品調達部隊の垂直統合を行い、更なる直貿化の推進による原価率低減や価格競争力の強化に努めております。また、ミドルロワーブランド事業子会社の一社統合のスケール活用やノウハウ共有によって、店舗運営の改良や店舗開発などの強化にも取り組んでおります。
ライフスタイルブランドでは、暮らしに寄り添った衣・食・住を生活雑貨や服飾雑貨で提案し、引き続きお客様の支持拡大に努めております。前連結会計年度の期首に行ったミドルロワー系のライフスタイルブランド事業の一社統合によるリソースの融通、ノウハウの共有等での収益構造の抜本的な改革効果も発現しております。また、新規ライフスタイルブランドの開発にも引き続き取り組んでおります。
一方、投資グループにおいては、プラットフォーム導入によるシナジー追求や収益構造の向上・確立をテーマに掲げております。投資会社の㈱W&Dインベストメントデザインが再生投資事業の大型案件として取り組む㈱ライトオンの事業再生についても、収益改善に向けた抜本的な構造改革が進んでおり、すでに当初の想定を上回る進捗となっております。
また、海外事業の開発・拡張も積極的に進めております。タイ国内では、2025年1月にサハ・グループと合弁で設立したWorld Saha (Thailand) Co.,Ltd.でバンコクに「RAGTAG」の海外1号店を2025年7月16日に出店したほか、2号店を2025年9月12日に出店しました。台湾においては㈱ナルミヤ・インターナショナルと共同で2025年3月27日に「プティマイン」の海外1号店を出店したほか、2025年9月4日に海外2号店を香港に出店しました。
当中間連結会計期間では、春夏商戦において一部のアパレルブランドのMD設計が量・質の両面で顧客ニーズを充分に捉えきれなかったこと及び暑秋への切り替え課題による苦戦が、ライフスタイルブランドの好調さを打ち消す形となりました。この点につきましては、2025年3月に新設したブランド事業本部が、ミドルアッパーとミドルロワーそれぞれの課題ブランドへの改革・改善活動を始動しております。
この結果、ブランド事業の経営成績は、売上収益が956億61百万円(前年同期比1.0%減(うち外部収益は926億81百万円(同0.3%減)))、コア営業利益(セグメント利益)が42億57百万円(同16.3%減)と減収減益になりました。
② デジタル事業
デジタル事業は「B2Bソリューション」と「B2Cネオエコノミー」から成り立っており、B2Bはこれまでの積極投資を外販収益で回収できるよう、B2Cは「サーキュラー」を成長加速できるよう目指しております。
B2Bソリューションでは、ECの運営受託サービスにおいて、自社ブランドを中心に販売する直営ファッション通販サイト「ワールドオンラインストア (WOS)」をはじめ、他社公式ECの開発・運営を受託しております。自社サイト運営においては、アプリの機能改善やOMO活動に対する投資を進め、直営店舗とのシームレスなサービス改善をブランド事業と一体で推進しております。また、ソリューションサービスでは、自社グループの物流コスト抑制の取組みや基幹システムの更新に留まらず、他社への在庫コントロールシステムの導入・運用サービスの提供を進めており、売上拡大に向けた営業活動を強化してまいります。また、案件収支の見える化と損益改善の打ち手を進めており、他社公式EC受託でも売上サポートを前提とした一部改善効果が出ております。
B2Cネオエコノミーにおいては、様々なテーマで実験した事業の「選択と集中」を行った結果、「サーキュラー」に焦点を当てて成長戦略を追求しております。ユーズドセレクトショップ「RAGTAG」を運営する㈱ティンパンアレイは店舗とECの相互活用による仕入・販売両面のOMO戦略で成長を追求しつつ、今後の成長に向けてカジュアル業態「usebowl」の実験を継続中で、海外展開においては現地でのPOP-UP出店からの学びを活かしたタイ国内での店舗展開にチャレンジしております。また、オフプライスストア「& Bridge」を運営する㈱アンドブリッジにおいては、㈱ティンパンアレイとの事業連携を推進しており、店舗収支の改善やECの大幅伸長といったシナジー効果も出ております。
当中間連結会計期間のセグメント利益は、上場に伴うラクサス・テクノロジーズ㈱の連結子会社から持分法適用関連会社への連結範囲の変更がマイナスに影響した点を除くと、B2BソリューションでEC受託事業の収支改善を実現した㈱ファッション・コ・ラボなどが牽引して期初計画に対して強含みの好調な推移です。
この結果、デジタル事業の経営成績は、売上収益は149億61百万円(前年同期比11.8%減(うち外部収益は55億17百万円(同21.5%減)))、コア営業利益(セグメント利益)が9億49百万円(同22.1%減)と減収減益になりました。
③ プラットフォーム事業
プラットフォーム事業では、ワールドグループが培ってきた様々なノウハウと仕組みを活用したプラットフォームの外部企業へのオープン化を推進し、業界の枠組みを超えた新たな事業領域の拡大に取り組んでおります。
中間持株会社の㈱ワールドプラットフォームサービスは、プラットフォーム事業の収益モデルを整える事業マネジメント機能と外部顧客の法人企業へのマーケティング機能を有します。各プラットフォームのノウハウ・仕組みを横断的に組み合わせ、クライアントのニーズに最適なサービスをワンストップで提案・提供しております。
生産プラットフォームの㈱ワールドプロダクションパートナーズは、自らの商社機能を発揮して直接貿易スキームの構築や、製造子会社群の生産性改善の指導・支援をするほか、外販主体の専門商社である㈱イディオムや縫製工場の㈱ラ・モードでは、他社アパレルの商品開発及び製造 (OEM・ODM事業) を受託しております。
販売プラットフォームの㈱ワールドストアパートナーズでは、商品在庫の最終的な換金に不可欠なアウトレット「NEXT DOOR」や他社ブランドの出店も年々増やしてきたファミリーセール等の催事を運営するほか、様々な業種業態の販売代行業務といった外販サービスも着実に拡充してきております。
こうしたアパレル起点の生産・販売プラットフォーム以外では、㈱アスプルンドに代表される子会社群が、空間創造や什器・備品の製造販売(建装)、家具や雑貨の卸からコントラクトに至るライフスタイル領域も手掛けており、プラットフォーム事業のサービスラインやクライアント層の幅を拡張することに寄与しております。
このほか、M&Aも活用しながらプラットフォーム機能の強化を図ることでB2B事業基盤の拡充を進めてきており、ファッションの多様性と永続性の実現への貢献を目指した「ワールド・ファッション・エコシステム」の構築に向けて更なる事業基盤の拡充を図ってまいります。
具体的な事例としては、2025年2月28日付で子会社化したエムシーファッション㈱、2025年3月1日付で子会社化した㈱ワールドソーイングの連結加入により、生産プラットフォームのリソースは大きく拡充されており、当社グループを挙げてシナジー効果も追求しながら一層の事業拡大を推進しております。
当中間連結会計期間においては、取引条件の変更による粗利確保や案件単位の採算性も吟味した外販受注などを継続的に進めており、為替変動に対する抵抗力を増すことや複数サービスを顧客に提供するクロスセルなどで徐々に成果を得つつあります。また、前年同期との比較では、エムシーファッション㈱の連結加入に伴うB2B外販の収益拡大がセグメント利益の増加へ大きく寄与しました。
この結果、プラットフォーム事業の経営成績は、売上収益は643億70百万円(前年同期比82.1%増(うち外部収益は386億43百万円(同282.6%増)))、コア営業利益(セグメント利益)が23億50百万円(同185.7%増)と増収増益になりました。
④ 共通部門
事業セグメントに属さない共通部門においては、子会社からの配当や経営指導料等を収入として計上し、当社(ホールディングス)のコーポレートスタッフ等の費用を賄うことを基本的な収益構造としておりますが、子会社からの配当は予めセグメント利益から除いております。
共通部門は、コーポレートスタッフの「グループ経営本部」に加えて、グループの商品鮮度向上とソフト開発を監修する「クリエイティブ・マネジメント・センター」、次世代OMOストアの開発、運営やDCXを推進する「デジタルリテール推進室」を束ねる「ブランド事業本部」、グループの情報・物流システムを開発・運用する「デジタルソリューション事業本部」などで成り立っており、2025年9月には「企業戦略室」を新設し、グループ共通の重要戦略の実現に向けた活動を推進しております。
ホールディングスは重点分野への集中投資という自らの役割を果たすため、子会社からホールディングスのスタッフ等の実費を上回る経営指導料等で回収することを原則としておりますが、機能集約化などを不断に進めて自らの生産性の改善に努めております。
当中間連結会計期間においては、前連結会計年度より本格稼働した海外事業開発室の活動費のほか、会社・部署横断で取り組む新規事業等に対する戦略的投資や成長投資にかかる先行費用の増加、従業員処遇の改善に伴う人件費の増加などの影響を受けました。
この結果、共通部門の経営成績は、売上収益は37億52百万円(前年同期比1.9%減(うち外部収益は75百万円(同12.1%増)))、コア営業利益(セグメント利益)が7億74百万円(同0.2%増)と減収増益になりました。
<サステナビリティ(持続可能性)への取り組みについて>
当社グループは、『価値創造企業グループ』として長期的・持続的に価値を創造し、提供し続けるためには「持続可能な社会の実現」への貢献が不可欠であり、環境負荷及び社会活動に関する取り組みを企業経営における重要課題の一つと位置づけております。そして、分散構造故に見える化が進んでいないファッション業界において、環境負荷の見える化を進めるとともに「ワールド・ファッション・エコシステム」を通じて、ファッション産業の多様性と持続性の両立を目指し、産業全体の構造的課題の解消に向けて積極的に取り組んでおります。
「ワールド・ファッション・エコシステム」の構築を一段と高次元なものに昇華させることで、新たな成長機会の創出や社会が共感できる価値を創造すべく、ワールドグループならではの持続可能な社会に向けた戦略指針を具体化し、2022年6月にTCFD提言への賛同表明と共に、脱炭素社会の実現に向けて当社グループ独自の「ワールド・サステナビリティ・プラン&レポート※1」を公表しました。目標達成に向けたKPIを設定し、各施策を実施しております。また、実現に向けた基盤として、人的資本経営フレームワークの構築やダイバーシティの推進に注力しております。
当中間連結会計期間に取り組んだ主なサステナビリティ活動は次のとおりです。
■Environment(環境)
・温室効果ガス排出量削減のため、シーズン毎にサステナブル素材使用の計画策定と実績管理をしており、2023年秋冬よりサステナブル素材ブランド「サーキュリック※2」を活用した商品の販売を開始しております。2025年1月には「サーキュリック」の中でも、残った在庫を廃棄せずに原料として再利用(循環素材)した初の取り組みとして、「212キッチンストア」でオリジナルエプロンを発売しました。また、グループのアパレル製品のサステナブル素材の使用割合は、2024年春夏で15.9%、2024年秋冬では18.4%、2025春夏では17.2%の実績となっております。
さらに、一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会が2024年3月に公表した「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量の算定方法基本ガイドラインに関する業種別解説(ファッション産業)※3」および同協会が2025年2月に公表した、同ガイドラインの「温室効果ガス削減の考え方と概算方法」の策定に参画しました。ガイドラインにはワールドグループの温室効果ガス削減取り組みの事例が掲載されております。
・水の使用による環境負荷低減に向けては、使用量を可視化し、自社工場での節水や汚染防止の推進を図ると共に、アパレル商品の染色や原料選定工程において負荷低減施策を推進しております。
・商品以外の分野においても、リサイクル原料などの利用を積極的に推進しており、自社の使用済み段ボールのクローズドリサイクルによるお客様への紙袋提供も推進しております。
・お客様から不要な衣料品等を引き取り、リユースにつなぐ「ワールド エコロモ キャンペーン※4」を、従来の百貨店やショッピングセンターなどでの年2回の開催に加え、2025年1月には自社のファッション通販サイト「ワールド オンラインストア」でも「エコロモ キャンペーン」を開始しました。また、神戸市経済観光局様と協力し、神戸市営地下鉄13駅にて「ワールド エコロモ キャンペーン×神戸市SDGs」として衣料品回収を実施しました。社員や社員の家族から着用しなくなった衣料品の提供や取引先様と協業した衣料品引き取り活動も継続しております。衣料品等の回収点数は年々増加しており、この活動を開始した2009年からの累計で2,065万点となりました。
■Social(社会)
・「ワールド エコロモ キャンペーン」や「グループ社員によるエコロモへの参加」の収益金を子供達の未来のために寄付しており、これまでの寄付総額は1億22百万円になります。このうち、令和6年に発生した能登半島災害の義援金として総額460万円を寄付しました。
・自社工場の残布や残糸等を活用したワークショップを、全国のワールドグループの店舗および地方自治体が運営する施設などで開催し、当中間連結会計期間は5,211名に参加頂き、累計参加者は32,786名になります。
■Governance(ガバナンス)
・取締役の多様性を高め、透明性・公平性・客観性・独立性を担保すると共に、自由闊達な議論、建設的な意見交換を通じた、ガバナンス向上を追求しております。2025年5月に社外取締役1名を交代すると同時に、コーポレートガバナンスの更なる高度化に向けて、社外取締役が取締役会議長を務めております。
・サステナビリティに関する取り組みは、代表取締役 社長執行役員のもと組織されるサステナブル委員会の下に担当役員及び担当部署を設置し、推進しております。また、独立社外取締役が過半以上の取締役会では、社長及びサステナブル委員から定期的に報告を受け、その進捗の監視・監督を行っております。
■人的資本経営
・ESGそれぞれの施策と連動した「人材開発、ワークライフ、多様性、処遇改善など、ヒトが中心の各種施策」を進めております。また、推進テーマを「知識の利用可能性向上(ナレッジ共有の進化)」「ワークフォースの最適化(生産性の向上)」「多様性向上」「エンゲージメント(組織力向上)」と定め、これらのテーマでKPIを設定し達成を目指しております。
・エンゲージメントサーベイとして毎年実施している「組織力アンケート」を通じて、組織課題を抽出し、各社の改善アクションプランを策定し、実行の成果や課題をチェックする体制を整備しております。
・ダイバーシティ&インクルージョン推進に向けた具体的な施策として、「アンコンシャス・バイアス研修」、「女性活躍推進座談会」「管理職のDE&Iオンライン研修」を実施しております。またダイバーシティの推進に向けて、従業員への意識調査を行い、ロードマップを策定して推進しております。
・階層別、職種別の研修プログラムを事業戦略に連動して策定し、「誰もが学び続けられる育成プログラム」を推進し、E-Learningのコンテンツの充実、執行役員による管理職向け研修、AI活用研修などを行っております。
・全ての社員の育成計画を定め、キャリア面談、定期ローテーション、グループ公募制度などの運用を通して、社員の成長やチャレンジを促しております。
・人材の発掘・育成・登用の仕組みを進化させる取り組みとして、人材開発委員会を定期的に実施しております。
※1 ワールド・サステナビリティ・プラン&レポート:https://corp.world.co.jp/csr/world_sustainabilityreport.pdf
※2 サーキュリック:https://store.world.co.jp/s/brand/circric/
※3 サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量の算定方法基本ガイドラインに関する業種別解説 (ファッション産業):
https://form.run/@jafic--UoRMcDscq6qNlafub8r8
※4 エコロモキャンペーン:https://corp.world.co.jp/csr/pdf/world_ecoromo.pdf
(2)財政状態の分析
①資産、負債及び資本の状況
(資産)
資産合計は2,638億45百万円と前連結会計年度末に比べて99億81百万円減少しました。
この主な要因は、現金及び現金同等物が約84億円、長期使用目的で賃借していた物件の延長オプションを行使しない意思決定をしたことから使用権資産が約52億円それぞれ減少した一方、期末日が休日だったことで入金が翌月にずれたため、売上債権及びその他の債権が約31億円増加したことによるものです。
(負債)
負債合計は1,738億15百万円と前連結会計年度末に比べて135億60百万円減少しました。
この主な要因は、仕入債務及びその他の債務が約30億円、借入金が約50億円、リース負債が約56億円それぞれ減少したことによるものです。
(資本)
資本合計は900億30百万円と前連結会計年度末に比べて35億79百万円増加しました。
この主な要因は、主に親会社の所有者に帰属する中間利益を約56億円計上した一方、配当金を約15億円支出したことで、利益剰余金が約42億円増加したことによるものです。
(ネットD/Eレシオ)
当社グループでは、債務返済の能力及び事業の収益性・成長性を持続的に向上できるよう、有利子負債と株主資本の最適な資本構成を検討する目的から、ネットD/Eレシオを財務体質の健全化指標とし、中長期的にネットD/Eレシオ0.5倍を目指してまいります。
当中間連結会計期間末のネット有利子負債は727億92百万円と前連結会計年度末より約29億円増加した一方、親会社所有者に帰属する持分合計については約37億円増加しました。その結果、当中間連結会計期間末のネットD/Eレシオは前連結会計年度末と同じ0.86倍となりました。
(ROE)
当社グループでは、中期経営計画「PLAN-W」策定時において、株主資本コスト(COE)を超過する株主資本当期利益率(ROE)として10%超の実現を目標に掲げておりましたが、現在ではこれまでの業績等の進捗状況も踏まえて、「PLAN-W」最終年度である当連結会計年度末に12%以上となるよう努めております。
当中間連結会計期間の実績を反映した12ヶ月換算のROEは、前連結会計年度の13.5%から1.0ポイント増加の14.5%となりました。前連結会計年度に一時的に計上した収益による影響も含まれておりますが、こうした一過性の影響を除いた実質ベースで持続的な目標値の超過を目指してまいります。
(ROIC)
当社グループでは、次期の中期経営計画で本格的な成長戦略を追求できるよう、価値創造的な状態を「PLAN-W」で創り上げることが重要と認識しております。具体的には、「PLAN-W」において、最適資本構成の下でROEがCOEを超過する状態や、投下資本利益率(ROIC)が加重平均資本コスト(WACC)を上回る状態を目指しております。
このため、これまでのROA(コア営業利益ベース)に替えてROICを経営指標に設定しており、当中期経営計画「PLAN-W」の最終年度である当連結会計年度末には目標値8.5%を射程圏に捉えられる水準を目指しております。また、格付けがA格でWACCが最も低位の状態を最適資本構成と定義したうえで、WACCを目標値5.0%以下でコントロールできるよう努めます。
当中間連結会計期間の実績を反映した12ヶ月換算のROICは、前連結会計年度の8.5%から0.8ポイント増加の9.3%でした。
各指標に関しては、下記の定義の通り算出しております。
なお、ネット有利子負債及び親会社所有者に帰属する持分合計は前年同期末と当期末の平均で算出しております。
・ネットD/Eレシオ
期末のネット有利子負債 ÷ 期末の親会社所有者に帰属する持分合計
・ネット有利子負債
借入金 + 日本基準におけるファイナンスリース負債 - 現金及び現金同等物
・ROE
過去一年間の親会社所有者に帰属する当期 (中間) 利益 ÷ 親会社所有者に帰属する持分合計
・ROIC
(過去一年間の営業利益 - 法人所得税 - 非支配株主持分に帰属する当期 (中間) 利益) ÷(ネット有利子負債 + 親会社所有者に帰属する持分合計)
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
97億41百万円の収入(前年同期比60億4百万円 収入減)となりました。
この主な要因は、税引前中間利益は約11億円増加した一方、主としてエムシーファッション㈱の連結加入を背景に、売上債権及びその他の債権と棚卸資産が増加し、期末休日による回収の月ずれもあり、運転資本が増加したことがキャッシュ・フロー上約64億円のマイナス要因となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
34億25百万円の支出(前年同期比16億59百万円 支出増)となりました。
この主な要因は、有形固定資産の取得による支出約15億円がキャッシュ・フロー上、マイナス要因となっていることによるものです。これは今後の金利上昇を見据え、店舗の出店・改装に係る投資をリースから自社取得に切り替えたものになります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
148億44百万円の支出(前年同期比6億33百万円 支出減)となりました。
この主な要因は、短期借入金の純増減額約60億円がキャッシュ・フロー上マイナス要因となった一方、前中間連結会計期間に計上したその他資本性金融商品の償還による支出50億円及び長期借入れによる収入約30億円がそれぞれキャッシュ・フロー上プラス要因となったことによるものです。
これらの結果、現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末残高は、前連結会計年度末より84億40百万円減少して、133億8百万円となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資本の財源及び資金の流動性に係る情報について、前連結会計年度の有価証券報告書「資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載した内容から重要な変更はありません。
(5)販売実績
当中間連結会計期間における販売実績は次のとおりであります。
|
セグメント |
区分 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
ブランド事業 |
|
ミドルアッパー |
25,369 |
△3.5 |
|
ミドルロワー |
47,335 |
1.5 |
||
|
国内アパレルブランド |
72,705 |
△0.3 |
||
|
国内ライフスタイルブランド |
14,139 |
4.7 |
||
|
海外 |
804 |
7.0 |
||
|
投資 |
5,034 |
△12.4 |
||
|
小計 |
92,681 |
△0.3 |
||
|
デジタル事業 |
B2Bソリューション |
1,161 |
△30.8 |
|
|
B2Cネオエコノミー |
4,357 |
△18.6 |
||
|
小計 |
5,517 |
△21.5 |
||
|
プラット フォーム事業 |
生産プラットフォーム |
30,182 |
2,111.4 |
|
|
販売プラットフォーム |
3,426 |
8.0 |
||
|
シェアードサービスプラットフォーム |
94 |
40.1 |
||
|
ライフスタイルプラットフォーム |
4,941 |
△10.1 |
||
|
小計 |
38,643 |
282.6 |
||
|
共通部門 |
75 |
12.1 |
||
|
売上収益 |
136,916 |
24.3 |
||
(参考)
当社グループのEC化率は以下のとおりであります。
|
EC化率 |
金額(百万円) |
% |
前年同期差 |
||||
|
|
|
16.60 |
△4.55 |
(注)EC化率とは商品の取扱高を分母にし、そのうちECの取扱高を分子にしたものであります。
(6)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(7)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(㈱ナルミヤ・インターナショナルとの株式交換契約)
当社は、2025年7月3日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社とし、当社の連結子会社である㈱ナルミヤ・インターナショナル(以下「ナルミヤ」といいます。当社とナルミヤを併せ、以下「両社」といいます)を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます)を行うことを決議し、同日、当社とナルミヤの間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」といいます)を締結いたしました。
1.株式交換の内容
当社を株式交換完全親会社、ナルミヤを株式交換完全子会社とする株式交換です。
2.株式交換の効力発生日
2025年10月1日
3.株式交換の方法
本株式交換は、当社を株式交換完全親会社、ナルミヤを株式交換完全子会社とする株式交換です。なお、当社については、会社法第796条第2項本文の規定に基づく簡易株式交換の手続により、株主総会の決議による承認を受けずに、ナルミヤについては、2025年8月28日開催の臨時株主総会において本株式交換契約の承認を受けており、2025年10月1日を効力発生日として本株式交換を実施いたしました。
4.株式交換比率
|
|
当社 (株式交換完全親会社) |
ナルミヤ (株式交換完全子会社) |
|
株式交換に係る割当比率 |
1 |
0.58 |
5.株式交換比率の算定根拠
当社及びナルミヤは、本株式交換比率その他本株式交換の公正性・妥当性を確保するため、それぞれ個別に、両社から独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼すること、また、両社から独立したリーガル・アドバイザーから法的助言を受けることとしました。そして、当社は、両社から独立したみずほ証券㈱を、ナルミヤは、両社から独立したマクサス・コーポレートアドバイザリー㈱を、それぞれのファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選定し、また、当社は、両社から独立した西村あさひ法律事務所・外国法共同事業を、ナルミヤは、両社から独立した弁護士法人大江橋法律事務所を、それぞれリーガル・アドバイザーとして選定いたしました。
両社は、それぞれ、自らが選定した第三者算定機関による本株式交換に用いられる株式交換比率の算定結果や、リーガル・アドバイザーからの助言を参考に、かつ相手方に対して実施したデューディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に検討し、それぞれの財務の状況、資産の状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案した上で、両社の間で、株式交換比率について複数回にわたり慎重に協議・交渉を重ねてまいりました。その結果、当社は、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
6.本株式交換後の株式交換完全親会社となる会社の概要
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商号 |
株式会社ワールド |
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本店の所在地 |
兵庫県神戸市中央区港島中町六丁目8番1 |
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代表者の氏名 |
代表取締役 社長執行役員 鈴木 信輝 |
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資本金の額 |
6,000百万円(2025年10月1日予定) |
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純資産の額 |
現時点では確定しておりません。 |
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総資産の額 |
現時点では確定しておりません。 |
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事業の内容 |
事業持株会社として、傘下のブランド事業、デジタル事業、プラットフォーム事業を営むグループ全体の経営管理、及びそれに付帯する業務を行う |