当連結会計年度における我が国経済は、企業業績の改善を受けて雇用情勢は良好な状態が維持され賃金も持ち直してきました。さらにエネルギー価格の下落により企業、家計のコスト負担も減少しました。しかし、設備投資は緩やかな増加基調にとどまり、節約志向の強まりや暖冬の影響もあり個人消費には弱い動きがみられ、景気は横ばいで推移しました。
また、海外経済は、緩やかに回復しているものの新興国を中心に減速感が強まっている状況にありました。
建設業界におきましては、国内での建築着工が伸び悩み、公共投資も減少に転じるなど需要が厳しい状況で推移致しました。
このような事業環境下におきまして、当社グループでは、省エネ・節電需要に対応した空調機器類の販売と自動制御工事、各種保守・メンテナンスの各事業とソリューション事業を推進してまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は77,360百万円(前年同期比0.6%増)となりました。収益につきましては、経常利益が3,557百万円(前年同期比11.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,288百万円(前年同期比40.0%増)となりました。
商品販売事業におきましては、空調機器、制御機器、省エネ機器を中心とした設備機器の販売を行っております。売上高は54,172百万円(前年同期比2.1%減)となりました。
工事事業におきましては、計装工事の設計・施工及び空調その他機器のメンテナンス・アフターサービスを行っております。東京地区での大型工事が続いたことなどにより、売上高は23,118百万円(前年同期比8.2%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて245百万円増加し5,336百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は2,594百万円(前年同期は1,191百万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益3,603百万円及び減価償却費258百万円の計上及び棚卸資産の310百万円の減少により資金が増加したことに対し、法人税等の支払額1,330百万円により資金が減少したことが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は1,970百万円(前年同期は479百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,285百万円及び投資有価証券の取得による支出563百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は376百万円(前年同期は37百万円の支出)となりました。この主な要因は、借入金と社債を合わせた純借入額107百万円に対し、配当金の支払322百万円及びファイナンス・リース債務の返済による支出161百万円があったことによるものです。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | 前年同期比(%) |
商品販売事業(百万円) | - | - |
工事事業(百万円) | 23,128 | 108.7 |
その他の事業(百万円) | 23 | 35.5 |
合計(百万円) | 23,152 | 108.5 |
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | 前年同期比(%) |
商品販売事業(百万円) | 44,434 | 95.8 |
工事事業(百万円) | - | - |
その他の事業(百万円) | - | - |
合計(百万円) | 44,434 | 95.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
商品販売事業 | - | - | - | - |
工事事業 | 23,224 | 97.8 | 10,358 | 101.1 |
その他の事業 | - | - | - | - |
合計 | 23,224 | 97.8 | 10,358 | 101.1 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | 前年同期比(%) |
商品販売事業(百万円) | 54,172 | 97.9 |
工事事業(百万円) | 23,118 | 108.2 |
その他の事業(百万円) | 69 | 36.1 |
合計(百万円) | 77,360 | 100.6 |
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループでは受注の拡大と利益の確保を課題として掲げ、成長持続を堅持するため次の諸施策を推進してまいります。
1. 当社グループとしては機器販売から工事・保守・メンテナンスまでをトータル提案していける強みを発揮して、ソリューション営業を一層強化してまいります。
2. エネルギー分野におけるソリューションビジネスの拡大に向け、太陽光発電システムに加えて、バイオマス発電システム、コージェネレーションシステムやリチウムイオン蓄電池などの取扱いを継続して推進するとともに、ESP事業にも取り組んでまいります。
3. グループ内の連携を強化して、機器納入先・施工先の保守・メンテナンスを拡大し、収益基盤の拡充を図ってまいります。
4. 平成26年3月に判明した一部社員による不正行為及び不適切な会計処理を厳粛かつ真摯に受け止め、コンプライアンス意識の向上と企業風土の改善、モニタリング機能の充実及び仕入プロセスの適正化に取り組んでまいりました。こうした取り組みを形骸化させることなく、引き続き確実に実施してまいります。
株式会社の支配に関する基本方針について
当社は、昭和30年7月の創業以来、冷熱機器を中心とした設備関連機器とそれらの制御技術を提供する専門商社として、事業規模を拡大してまいりました。多様化するユーザーニーズに最適な製品を最適なサービスで提供することをモットーに、当社グループでは、あらゆる種類の空調設備機器や機電装置品の取扱いだけでなく、システムオートメーションの複合技術も兼ね備えた組織特性を発揮するとともに、保守・メンテナンス業務を充実させ、総合的なサービスを提供できる体制としております。
このような組織体制の維持・拡充を図っていくことが当社の企業価値及び利益の源泉であると言えます。この事を実践するには、専門的な業務知識や営業ノウハウを備えた者が取締役に選任され、法令や定款などの定めを遵守して重要な経営方針の決定にあたっていくことが不可欠であります。このことをもって会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としての基本的な在り方としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは業務用空調機器の販売を主とした「商品販売事業」及び計装工事を主とした「工事事業」を二つの柱としており、当社グループが属する業界はいわゆる建築設備業界であるため、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のものがあります。
建築設備業界は景気の変動及び政府の経済政策等の影響を強く受けやすい業界であり、民間設備投資や公共投資が想定以上に低迷する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
建築設備業界における「商品販売事業」及び「工事事業」の同業他社との競争は厳しいものとなっております。営業力・技術力を高め、競争力の強化に取り組んでいるところですが、今後、価格競争の激化や競合他社の攻勢等により、予期せぬ競争関係の変化があった場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
建築設備業界は、業界の慣行等も併せて売上債権の管理及び回収が極めて重要となります。当社グループは債権の回収・管理を徹底させ、業界及び市場の動向にも絶えず注視しております。しかし、多額の不良債権が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、上述のように商社機能を中核としながら「工事事業」も行っております。このため、当社グループの企業成長のためには有能な人材の確保が極めて重要であります。高い技術力を持った人材の育成に努めておりますが、もしこのような人材を確保・育成できなかった場合には、当社グループの企業成長に多大なマイナス影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、計装工事を中心とした「工事事業」を行っており、工事等に伴う人的・物的事故及び災害の危険は常にあります。このため当社グループでは、労働災害保険等の保険の加入はもとより、「安全衛生管理室」を設け、詳細な「安全衛生管理規程」により協力会社の参加を得て「安全衛生協力会」を中央及び地区別に結成して定期的な安全衛生大会、安全衛生教育等を実施し、万全を期しておりますが、このような事故等が発生した場合には多大な社会的信用失墜のリスクがあります。
当社グループは「商品販売事業」及び「工事事業」に関連して、訴訟等法律手続の対象となるリスクがあります。これらの法的リスクについては、当社グループの経営管理本部が一括して管理しており、必要に応じて取締役会及び監査役会に報告し、また顧問弁護士とも協議する管理体制となっております。当連結会計年度末において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは主要仕入先と販売代理店・特約店契約を締結し、業務用空調機器及び空調自動制御機器等を仕入れ、「商品販売事業」及び「工事事業」を行っております。特にダイキン工業株式会社からの仕入金額が当社グループの仕入金額全体に占める割合が高くなっています(平成28年3月期は26.4%(商社を経由した仕入金額を含む))。主要仕入先の品質・生産力等に予期せぬ変化があった場合又は当社グループとの関係に変化があった場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは「工事事業」を行っており、質の高い協力会社の確保が極めて重要であります。高い技術力を持った協力会社の確保・育成に努めておりますが、今後、優良な協力会社の確保・育成ができなくなった場合には、当社グループの「工事事業」に支障を来たし、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは事業の課程で入手した取引先・個人の情報や建物の設備情報を保有しています。当社グループでは、これらの情報の取扱い及び管理の強化に取り組んでおりますが、予測できない事態によってこれらの情報が流出した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、建設業法、労働安全衛生法等による法的規制を受けており、法的規制の改廃・新設、適用基準等の変更があった場合、また、当社グループはコンプライアンス態勢の充実に努めておりますが、法令違反があった場合もしくは法的規制による行政処分等を受けた場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主力事業の一つである工事事業において建設業法、電気通信事業法等の関連法規制のほかに事業を営む上で必要な下記の許認可を取得しております。
(当社グループの許認可の状況)
事業名 | 許認可の名称 | 監督官庁 | 有効期限 |
工事事業 | 特定建設業許可 | 国土交通省 | 平成32年7月28日 |
工事事業 | 一般建設業許可 | 国土交通省 | 平成32年7月28日 |
工事事業 | 電気工事業許可 | 経済産業省 | 期限なし |
なお、上記の事業の停止や許認可の取り消しとなる事由は、建設業法並びに電気工事業の業務の適正化に関する法律に定められております。本書提出日現在において、当社グループが認識している限り、当社グループにはこれら事業停止及び許認可の取り消しとなる事由に該当する事実はありません。
当社グループが行っている「商品販売事業」及び「工事事業」は建築工事の完工や検収時期によって収益が偏る傾向があり、上半期より下半期に、また、各期ともに期末に売上高が増えるという季節的変動があります。
(1) 主な代理店契約等
相手先 | 主要取扱商品 | 契約の種類 | 契約期間 |
ダイキン工業株式会社 | パッケージエアコン等冷凍空調機器 | 取引基本契約 | 平成27年12月1日 |
アズビル株式会社 | 自動制御機器、中央監視装置 | 特約店契約 | 平成27年4月1日 |
昭和鉄工株式会社 | ボイラー、ヒーター、放熱機等 | 売買基本契約 | 平成27年4月1日 |
東京ガス株式会社 | GHP(ガスヒートポンプ) | 特約店契約 | 平成27年4月1日 |
ヤンマーエネルギーシステム株式会社 | 非常用発電装置 | 特約店契約 | 平成28年3月21日 |
(注) 平成28年4月1日より1年間契約を更新しております。
(2) 株式会社ディー・エス・テックとの合併
当社は、平成28年1月29日開催の取締役会において、株式会社ディー・エス・テック(以下、「ディー・エス・テック」といいます。)の株式を取得し完全子会社とすること及びディー・エス・テックを消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、平成28年4月1日付でダイキン工業株式会社と株式売買契約を締結するとともに、同日付でディー・エス・テックと合併契約を締結いたしました。
平成28年4月1日に株式の取得及び当社への吸収合併をいたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
特記事項はありません。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
(資産の状況)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて3,323百万円増加し56,931百万円となりました。これは当連結会計年度末に新たに朝日テクノス㈱(平成28年4月に東テク北海道㈱に商号変更)を連結の範囲に含めたこと等により流動資産が1,260百万円増加したことに加え、新本社社屋の建設着工等により有形固定資産が1,436百万円増加したこと、及び、新規取得等により投資有価証券が385百万円増加したことが主な要因です。
(負債の状況)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,931百万円増加し38,226百万円となりました。これは長期借入金が1,423百万円増加したことに加え、割引率の引き下げ等により退職給付に係る負債が705百万円増加したことが主な要因です。
(純資産の状況)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,392百万円増加し18,705百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益2,288百万円の計上に対し、配当金の支払323百万円、保有有価証券の時価下落に伴うその他有価証券評価差額金の減少84百万円及び退職給付に係る調整累計額の減少480百万円があったことが主な要因です。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は32.8%となり、前連結会計年度末に比べ0.5%増加しました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は前連結会計年度に比べ435百万円増の77,360百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。この内、商品販売事業につきましては、空調機器、太陽光発電機器、省エネ機器を中心とした設備機器の販売とそのアフターサービスを行っております。代替エネルギー・省エネ・節電の需要増により関連機器の受注は順調に推移しておりますが、建築着工の遅れの影響から、売上高は前連結会計年度に比べ1,189百万円減の54,172百万円(同比2.1%減)となりました。また、工事事業は主に計装工事の設計・施工・保守、その他機器設備のメンテナンスを行っております。大型工事の取込や節電・省エネ対応システム変換需要等により、売上高は1,748百万円増の23,118百万円(同比8.2%増)となりました。
利益面につきましては、工事事業の売上高の増加に伴いまして売上総利益は前連結会計年度に比べ920百万円増の15,376百万円(同比6.4%増)となりました。営業利益は同390百万円増の3,443百万円(同比12.8%増)となり、経常利益は同378百万円増の3,557百万円(同比11.9%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は同653百万円増の2,288百万円(同比40.0%増)となりました。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、1 業績等の概要に記載しております。
当社グループの経営陣は、現在の企業環境及び入手可能な情報等に基づいて、最善の経営戦略・経営方針を立案すべく努めておりますが、建築設備業界におきましては、企業間競争の激化は依然続くものと思われます。このような経営環境の中で、当社グループの「経営方針」は、下記のとおりであります。
当社グループは、空調・省エネ・エネルギー関連・環境関連・自動制御関連などの機器取扱に加え、空調・自動制御の設計・施工・エンジニアリング・メンテナンスまでの一貫体制でユーザーニーズにお応えしてまいります。また、目標であります「トータルソリューションプランナー」を目指してグループ総合力の強化を図ることで、よりよい環境創造に貢献してまいります。
当社は、業績拡大に向けて企業体質の強化を図ると共に株主の皆様に安定的かつ適切な成果の還元を行うことを経営の重要課題としております。
内部留保金につきましては、厳しい経営環境に対応できる競争力を強化し、収益力の向上と財務体質の充実に有効活用することにより、長期的な健全経営の維持に役立ててまいります。
当社は「トータルソリューションプランナー」を目指して、空調機電設備機器の販売と、自動制御システムの設計・施工、保守・メンテナンスを含めた総合的サービスを提供してまいりましたが、さらに、グループ一丸となって市場状況に応じた戦略的・機動的な営業対応に努めて、収益構造の改革に全社を挙げて推進してまいります。