文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
アフターコロナを見据え国内の建設投資は堅調で受注環境は良好であるものの、資源高や人材不足を起因とする供給面での制約は一層強まっており、当社グループを取り巻く経営環境も、当面の間は不透明な状況が続くと見込まれます。
かかる見通しの下、当社グループは、引き続きコア事業である商品販売事業と工事事業に注力することを基本戦略に据えた上で、カーボンニュートラル社会への貢献を通じた既存事業の強化、保守事業の拡大による底堅い収益基盤の構築、加えて東南アジア地域を中心とした海外事業の展開にも積極的に取り組んでまいります。
当社グループは、収益構造の改革を重点課題と捉え、経営効率及び生産性向上の視点から、売上高・経常利益の絶対額の確保と経常利益率の向上に取り組んでまいります。2026年3月期を最終年度とする中期経営計画において、2026年3月期での売上高1,500億円、経常利益100億円を数値目標としている他、各年度において効率性と財務安定性の両立を目指し、ROE10%以上と自己資本比率50%前後の達成を経営指標の目標としております。
当社グループは、経済性や利便性だけでなく、その先にあるこころの豊かさを求めていくことが私たちの使命であると考え、その存在意義を「東テクグループはこころ豊かな快適環境を創造します。」と定めております。
そして、企業経営にあたっては「価値の高いサービスでお客様の満足度を高める」こと、「地球にやさしい環境づくりで社会に貢献する」こと、「出会いを大切にしこころ豊かな企業体質を実現する」ことをもって、その存在意義を果たしていくものであります。
2030年をターゲットとした長期ビジョンでは「ここちよいを、その先へ。」と掲げ、人に、社会に、地球にここちよい、新しい時代の「ここちよさ」を技術革新や社会構造の変化を捉え追求する、一歩先の未来の快適環境を創造できるグループを目指すこととしました。この達成に向け、2025年度を最終年度とする第一次中期経営計画においては「人にここちよい」をテーマとし、①人財への投資②ESG経営③コア事業の強化④海外事業の拡大、以上4つの戦略骨子を掲げ、社会的価値および経済的価値の創造を戦略的に進めてまいります。
当社は、業績拡大に向けて企業体質の強化を図ると共に株主の皆様に安定的かつ適切な成果の還元を行うことを経営の重要課題としております。その具体的な指標として連結配当性向40%を目安におき、業績に応じた継続的かつ安定的な配当を実施することとしております。
内部留保金につきましては、厳しい経営環境に対応できる競争力を強化し、収益力の向上と財務体質の充実に有効活用することにより、長期的な健全経営の維持に役立ててまいります。
当社グループでは規模の拡大と利益の確保を課題として、(1)及び(3)に記載の経営方針、経営戦略を実行していく上で、次の諸施策を推進してまいります。
① 人財への投資
人財は、当社グループによる社会的価値及び経済的価値の創造を支える重要な基盤であり、継続的に強化・投資を行います。当社グループでは、「自ら考え、自発的に行動し、新しい価値を生み出せる人財」を求める人物像と設定し、人財の強化を図っています。教育・研修制度の充実、誰もが意欲をもって働ける環境づくり、エンゲージメントサーベイに基づく改善活動に取り組み、一人ひとりの成長を支援してまいります。
② ESG経営
当社グループは、全てのステークホルダーのために、環境・社会・ガバナンスの各視点で、具体的なアクションプランを推進していきます。カーボンニュートラル社会を見据えたグループ全体のGHG排出量の算定と削減活動、再生冷媒への取組みや省工事の推進等、事業活動を通じた環境課題への貢献を進めるとともに、男性育休取得率や障がい者雇用率等の非財務指標の向上を通じ、働きやすい職場環境の構築に取り組みます。また、より高度なガバナンス体制の構築を目指し、機関設計の見直し、コンプライアンス活動の推進、内部統制の充実・強化を図ってまいります。
③ コア事業の強化
当社グループは、空調機器を中心とした設備機器の販売および計装工事等の電気・管工事の施工から、納入・施工後の保守・リニューアルまで、建物設備のライフサイクルに合わせた商品・サービスを提供しております。今後も大型案件・高収益案件へ注力するとともに、既存顧客の深耕、新規顧客の開拓を進め、売り上げ拡大と利益体質の強化を図ってまいります。また、空調、計装、エネルギー分野に亘る幅広いソリューションをトータルで提供できる当社グループの総合力を活かし、収益力・成長力を高めていきます。
④ 海外事業の拡大
当社グループの持続的な成長のために、人財・体制の強化を進めながら、ソリューション・顧客層・エリアを広げることで、海外事業を拡大していきます。特に、市場が拡大する東南アジア地域において、現地拠点の事業拡大を目指すとともに、積極的にM&Aも活用し、業容の拡大を図ります。日本国内において評価されているトータルソリューション力を海外市場においても提供し、顧客のニーズに応えてまいります。
なお、2023年6月29日に適時開示しました「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」に記載のとおり、当社子会社において、不正な架空取引が行われている事実が認められました。当社は、今回の事態に至ったことを重く受け止め、特別調査委員会による調査結果や提言に沿って再発防止策を策定し、徹底した再発防止に努めてまいります。
当社グループでは、「こころ豊かな快適環境を創造します」という存在意義のもと、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組み、社会と共に持続的成長をするため「地球にここちよい」「社会にここちよい」「人にここちよい」「健全な経営基盤の強化」の4つの重要課題(マテリアリティ)を特定し、活動を展開しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応
気候変動問題が深刻化する一方で、空調をはじめとした設備機器が消費する電力は膨大なものです。当社では、気候変動への対応を経営課題と認識し、省エネルギー化、再生エネルギーの普及、冷媒の適切な回収・処理などを通じ、温室効果ガスの排出を抑制することで持続可能な脱炭素社会の実現に貢献すべく、各取組みを推進しております。さらに、企業としてより主体的に参画するため、2022年にTCFD提言に基づいたシナリオ分析を実施し、事業におけるリスクと機会の特定などに着手しました。あわせて、2023年5月にはTCFD提言への賛同を表明しております。今後も気候変動問題に真摯に向き合い、事業に影響するリスクと機会への理解を深化させ、TCFD提言に基づく気候変動関連の積極的な情報開示に努めてまいります。
① ガバナンス
当社では、サステナビリティ委員会がリスク管理委員会と連携し、社内各部門の分掌に沿って気候変動関連のリスクと機会、業務執行への影響について協議、決定、進捗管理、モニタリングを実施し、取締役会へ報告を行います。取締役会は、原則として半年に一度これらサステナビリティ推進に関する取組み施策の進捗の報告を受け、論議、監督を行っています。また、サステナビリティ委員会で審議された対応策を実際に履行する部署としてコーポレート・コミュニケーション室サステナビリティ推進グループ(以下、サステナビリティ推進G)を設け、気候変動関連のリスクへの対応に取り組んでいます。

② 戦略
当社では、TCFD提言に基づき、気候変動関連のリスクと機会の把握を目的にシナリオ分析を実施しました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)等の科学的根拠等に基づき 1.5℃シナリオと4℃シナリオを定義し2030年時点で事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価しました。これらのリスクと機会について、今後社内での議論を深め、適時適切に開示してまいります。
リスク機会一覧
気候変動に関連する様々なリスクと機会について、関係各部署の協力を得てリストアップし、検討してまいりました。認識したリスク・機会のうち、事業への影響度が「中」以上のものを主に記載しております。
影響度
大:当社への影響が非常に大きい (売上高の 12%以上)
中:当社への影響はあるが限定的 (売上高の 6%~12%未満)
小:当社への影響はほとんどない (売上高の 6%未満)
リスク一覧
機会一覧
③ リスク管理
気候変動関連のリスクと機会は、サステナビリティ委員会がサステナビリティ推進Gと連携しながら特定し、抽出します。抽出されたリスクはサステナビリティ委員会及びサステナビリティ推進Gによって影響度が評価され、対応が必要と判断されたリスクは、サステナビリティ委員会が対策を管理しながら各事業部門によって対応が行われます。また、気候変動関連のリスクに関する対応状況は取締役会へ報告されます。取締役会ではサステナビリティ委員会より気候変動に関するリスク管理の状況と対応について報告を受け、論議、監督します。

④ 指標と目標
当社は、気候変動関連のリスクと機会の評価指標として、温室効果ガス排出量の算定を行なっております。2021年度におけるScope1にあたる「燃料の使用(CO2)」、Scope2にあたる「他人から供給された電気の使用(CO2)」、 Scope3に当たる「Scope1、Scope2以外の事業者の活動に関連する他社の温室効果ガスの排出量(CO2)」の実績は下記となります。
なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する実績については、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
各指標における目標設定については、将来的な開示に向けて検討を進めています。
今後、当社ではより具体的なリスクと機会への対応策を議論してまいります。また、現時点でリストアップしている項目以外のリスクと機会についても継続的に検証してまいります。これらの活動については、適時適切に開示してまいります。これらの活動及び開示を通じたステークホルダーとの対話を通じて、気候関連のリスクの低減やマーケットの変化に応じた事業機会の獲得に努め、企業の持続的成長につなげてまいります。
(2) 人的資本に関する取り組み
① 戦略
当社グループにおける、人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
人財育成方針
東テクグループは、「自ら考え、自発的に行動し、新しい価値を生み出せる人財」を求める人物像として設定し、人財の強化を図っています。
東テクグループが持続的に成長をするためには、「人」こそが最も重要な経営資本と認識し、社員が自律的に成長しその価値を最大限発揮できるよう、社員一人ひとりの成長への支援と人事制度や人財育成施策の改善を行います。
社内環境整備方針
東テクグループは、あらゆる人財がその力を最大限発揮できるよう良好なコミュニケーションを図り、心身の健康の保持増進、育児や介護と仕事の両立など、多様で柔軟に働きやすく働きがいのある職場環境づくりに取り組み、社員のエンゲージメントの向上を実現します。
また、社員の一人ひとりの成長とより良い職場環境を実現するため、以下の取組みを行っています。
ⅰ多様な人財の活躍
急速に変化する事業環境と技術革新の進展を捉えるには、前例にとらわれない柔軟な発想や取組みが必要です。そしてその実現には、様々な能力・個性・知見を備えた人財が前提条件であり、多様性を尊重し確保することは、当社グループにとっても非常に重要な経営戦略の一つであります。年齢、性別、国籍等の属性によらず多様な人財の活躍を推進することで、企業の競争力強化につなげるとともに、多様な人財が活躍できる環境を整備することで、新しい価値の創造、生産性の向上などにつなげてまいります。
当社では、女性の活躍を推進すべく新卒採用及び中途採用における女性の積極的な採用、職種転換制度の活用などに取り組み、その結果、女性社員の比率、女性管理職の人数が徐々に高まっています。また、ライフワークバランスの推進に向け、労働時間管理の徹底、長時間労働の削減、年次有給休暇取得推奨、フレックスタイム制度の導入、男性社員の育児休業制度の取得推奨などに努めております。
ⅱ健康経営の推進
当社グループの持続的な成長を実現するためには、社員が心身ともに健康であることが重要であると認識し、社員とその家族の健康保持・増進を健康経営の基盤と位置づけ、健康づくりに向けた制度・体制の充実に取り組んでおります。
当社では、2020年に健康保険組合連合会東京連合会より、健康優良企業に認定され「銀の認定」を取得しました。また、健康保持・増進に取り組むため、健康診断の受診項目の拡充、被扶養者健診の費用補助、全社員を対象としたストレスチェックの実施、インフルエンザ予防接種、ウォーキングイベントなどを実施しております。
ⅲエンゲージメントの向上
当社グループでは、エンゲージメントを会社と社員が互いに信頼し、共に成長し合う関係と定め、社員が働きがいを抱き、安心して働き続けられる環境を整備することを目的に、2022年度より国内の全社員(約2,200名)を対象にエンゲージメント調査を実施しました。
同調査では、社員が抱く会社や組織に対する思い入れや期待すること、実際の体験に基づく実感値とそのギャップから組織状態を表す「EXスコア」が算出されます。エンゲージメント調査の結果については、経営層への報告に加え各組織へのフィードバックを実施し、調査で見えてきた現状や課題に対して改善に取り組むことで、より良い組織・職場環境づくりに活用してまいります。
② 指標及び目標
なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、上記指標に関する実績については、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。また、上記の指標も含めた各指標及び目標設定については、将来的な開示に向けて検討を進めています
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは業務用空調機器の販売を主とした「商品販売事業」及び計装工事を主とした「工事事業」の二つをコア事業としており、当社グループが属する業界はいわゆる建築設備業界であるため、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のものがあります。
① 景気及び市場の動向
建築設備業界は景気の変動及び政府の経済政策等の影響を強く受けやすい業界であり、民間設備投資や公共投資が想定以上に低迷する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
② 競争の激化
建築設備業界における「商品販売事業」及び「工事事業」の同業他社との競争は厳しいものとなっております。営業力・技術力を高め、競争力の強化に取り組んでいるところですが、今後、価格競争の激化や競合他社の攻勢等により、予期せぬ競争関係の変化があった場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 債権回収
建築設備業界は、業界の慣行等も併せて売上債権の管理及び回収が極めて重要となります。当社グループは債権の回収・管理を徹底させ、業界及び市場の動向にも絶えず注視しております。しかし、多額の不良債権が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの企業成長のためには有能な人材の確保が極めて重要であります。新卒採用に関してはインターンシップを東京、大阪、福岡で開催するなど積極的な採用活動を行っており、毎年多くの新入社員をグループ全体で採用しております(2023年4月入社は103名)。加えて、中途採用においても、全国にて技術職を中心に積極的に採用をしております。さらに、人材育成に関して、2017年に開設した東テクグループテクニカルセンターでは設備機器の実機を備え、座学に限らない本格的な技術研修を年間を通じて開催しております。こうして高い技術力を持った人材の育成に努めておりますが、もしこのような人材を確保・育成できなかった場合には、当社グループの企業成長に多大なマイナス影響を及ぼす可能性があります。
社員の勤怠管理や時間外勤務につきましては、労働基準法の規制が適用されます。当社グループでは、現場作業などによる時間外勤務や長時間労働を起因とした健康問題や生産性低下に対処するため、個人別に就業時間管理・指導を行うほか、長時間の時間外勤務を必要としないワークスタイル作りに努めております。しかしながら、取引先との関係や予期せぬトラブルの発生等により、時間外勤務の増加や納期遅延等が発生し、社員の健康管理や当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、計装工事を中心とした「工事事業」を行っており、工事等に伴う人的・物的事故及び災害の危険は常にあります。このため当社グループでは、労働災害保険等の保険の加入はもとより、「安全衛生管理室」を設け、詳細な「安全衛生管理規程」により協力会社の参加を得て「安全衛生協力会」を中央及び地区別に結成して定期的な安全衛生大会、安全衛生教育等を実施し、万全を期しておりますが、このような事故等が発生した場合には多大な社会的信用失墜のリスクがあります。
当社グループは「商品販売事業」及び「工事事業」に関連して、訴訟等法律手続の対象となるリスクがあります。これらの法的リスクについては、当社のリスク管理委員会にて一括して管理しており、必要に応じて取締役会及び監査役会に報告し、また顧問弁護士とも協議する管理体制となっております。当連結会計年度末において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは主要仕入先と販売代理店・特約店契約を締結し、業務用空調機器及び空調自動制御機器等を仕入れ、「商品販売事業」及び「工事事業」を行っております。特にダイキン工業株式会社からの仕入金額が当社グループの仕入金額全体に占める割合が高くなっています(2023年3月期は27.3%(商社を経由した仕入金額を含む))。主要仕入先の品質・生産力等に予期せぬ変化があった場合または当社グループとの関係に変化があった場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは「工事事業」を行っており、質の高い協力会社の確保が極めて重要であります。東テクグループテクニカルセンターにて協力会社の社員にも質の高い研修を実施するなど、高い技術力を持った協力会社の確保・育成に努めておりますが、今後、優良な協力会社の確保・育成ができなくなった場合には、当社グループの「工事事業」に支障を来たし、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは事業の過程で入手した取引先・個人の情報や建物の設備情報を保有しています。当社グループでは、これらの情報の取扱い及び管理の強化に取り組んでおりますが、予測できない事態によってこれらの情報が流出した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、建設業法、労働安全衛生法等による法的規制を受けており、法的規制の改廃・新設、適用基準等の変更があった場合、また、当社グループはコンプライアンス体制の充実に努めておりますが、法令違反があった場合もしくは法的規制による行政処分等を受けた場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの中核事業の一つである工事事業において建設業法、電気通信事業法等の関連法規制のほかに事業を営む上で必要な下記の許認可を取得しております。
(当社グループの許認可の状況)
なお、上記の事業の停止や許認可の取り消しとなる事由は、建設業法並びに電気工事業の業務の適正化に関する法律に定められております。
当社グループでは、シンガポール、インドネシア及びベトナム等の海外子会社において事業活動を行っております。海外での事業活動には、予期せぬ法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、人材の採用・確保の困難など、経済的に不利な要因の存在または発生、テロ・戦争・その他の要因による社会的または政治的混乱などのリスクが存在します。
こうしたリスクが顕在化することによって、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主として金融機関からの借入金によって資金を調達しております。2023年3月期末における外部金融機関からの連結有利子負債残高(短期、長期借入金の合計)は12,328百万円であります。また、連結総資産に対する有利子負債依存度は13.4%となっています。このため、将来、金利が上昇した場合や、当社の信用力が低下した場合等、将来の資金調達に係る経営環境が変化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは土地、株式等を保有しており、今後時価が著しく下落した場合には減損の対象となり当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが行っている「商品販売事業」及び「工事事業」は建築工事の完工や検収時期によって収益が偏る傾向があり、上半期より下半期に、また、各期ともに期末に売上高が増えるという季節的変動があります。
想定外の大規模地震・津波・洪水等の自然災害や火災等の事故災害、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱等が発生したことにより、当社グループや主要取引先の事業活動の停止または事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、コンプライアンス、内部統制を経営上の重要課題と位置付けており、委員会活動等の実効性を高め、牽制機能の強化を図っております。業務運営において役員・社員の不正及び不法行為の防止に万全を期すべく取り組んでおりますが、有効なリスク管理体制を構築している状況においても、従業員等の悪意、重大な過失に基づく行動等、様々な要因により、万一、重大な不正行為が発生した場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、当社子会社において不正な架空取引が行われている事実が認められました。本件に関し設置した特別調査委員会による調査報告書に記載の提言を踏まえ、実効性のある再発防止策に取り組み、財務報告における内部統制や内部管理体制の改善に努めてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和され社会経済活動の正常化が進みましたが、一方で、急激な外国為替相場の変動、ウクライナ情勢に端を発する資源価格の高騰、世界的な金融引き締め政策による景気鈍化の影響などにより、依然として先行きは不透明な状況が続きました。
当社グループを取り巻く建設業界におきましては、アフターコロナを見据え公共投資・民間投資とも堅調で受注環境は良好であるものの、建設資材の価格高騰や納期遅延等の影響が長引き、供給面で引き続き厳しい経営環境が続いております。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は以下のとおりとなりました。
良好な受注環境を背景に特に工事セグメントにて順調に売上が伸長し、売上高は126,696百万円(前連結会計年度比15.1%増)となりました。利益面につきましては、人件費等の販売費及び一般管理費は増加したものの、売上高の増加に比例し順調に売上総利益が計上されたことにより、営業利益は7,730百万円(前連結会計年度比22.8%増)の大幅増益となりました。経常利益につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおり当社連結子会社従業員による不正行為の発覚に伴い不正関連損失を営業外費用に計上した他、前期において営業外収益に一過性の為替差益や有価証券売却益を計上したため前連結会計年度比14.8%増にとどまりましたが12期連続増益の8,172百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、同じく不正行為に伴う過年度法人税等を計上したこと等の影響もあり、5,230百万円(前連結会計年度比10.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<商品販売事業>
商品販売事業におきましては、空調機器、制御機器、省エネ機器を中心とした設備機器の仕入・販売及びこれに関する据付け工事、アフターサービス等を行っております。当連結会計年度は、半導体供給環境の悪化で一部の空調機器販売製品の確保に苦慮したことはあったものの、特に都市部における再開発案件が旺盛で受注環境は良好であったことから、売上高は81,084百万円(前連結会計年度比11.3%増)となりました。利益面では相対的に利益率の高い空調機器の保守メンテナンス案件が伸長したことにより売上総利益は16,704百万円(前連結会計年度比12.7%増)となりました。
<工事事業>
工事事業におきましては、計装工事のほか各種工事の設計・施工及び保守を行っております。当連結会計年度は、世界的なカーボンニュートラルに向けた取組みの推進やエネルギー価格の上昇を背景に、引き続きエネルギー効率の上昇が求められる環境下で、当社グループの供給する計装システムの需要がさらに伸長するとともに、エネルギー事業における電気工事も拡大しました。また海外の新規連結子会社の寄与もあり、売上高は47,837百万円(前連結会計年度比23.4%増)、売上総利益は14,896百万円(前連結会計年度比18.8%増)となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて7,364百万円増加し92,058百万円となりました。これは、現金及び預金の減少1,783百万円があった一方で、営業債権や棚卸資産の純増6,318百万円、建物及び構築物や建設仮勘定の増加により有形固定資産が3,110百万円増加したことが主な要因です。
なお、商品販売事業の当連結会計年度末におけるセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて1,092百万円増加し54,080百万円となりました。一方、工事事業の当連結会計年度末におけるセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて5,191百万円増加し35,715百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて3,541百万円増加し46,565百万円となりました。これは支払手形及び買掛金や電子記録債務の増加2,923百万円及び未払法人税等が691百万円増加したことが主な要因です。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて3,823百万円増加し45,492百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上から配当金の支払を差し引いた利益剰余金の純増2,887百万円、為替レートの変動による為替換算調整勘定の増加653百万円及び保有有価証券の時価上昇によりその他有価証券評価差額金が451百万円増加したことが主な要因です。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は49.4%となり、前連結会計年度末から0.2%上昇しました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて2,722百万円減少し4,938百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末の営業活動の結果得られた資金は4,758百万円(前連結会計年度は11,010百万円の収入)となりました。これは、売上債権の増加5,756百万円に加え、法人税等の支払額2,329百万円により資金が減少したものの、資金の増加要因として、好調な業績を背景に税金等調整前当期純利益8,130百万円を計上した他、仕入債務の増加2,843百万円及び減価償却費1,335百万円があったことが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末の投資活動の結果使用した資金は5,032百万円(前連結会計年度は5,127百万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産取得による支出4,304百万円と定期預金の預入による支出1,070百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末の財務活動の結果使用した資金は2,649百万円(前連結会計年度は3,296百万円の支出)となりました。これは、主に配当金の支払額2,340百万円によるものであります。なお、借入金等有利子負債の純増額は41百万円であります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 当連結会計年度において工事事業における受注高及び受注残高が前連結会計年度に比べそれぞれ33.8%及び33.9%増加いたしました。これはエネルギー効率の上昇が求められる環境下で、特に国内で当社グループの供給する計装システムの需要がさらに伸長したことが主な要因です。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
ⅰ 売上総利益及び営業利益
当連結会計年度の売上総利益は31,610百万円(前連結会計年度比15.4%増)となりました。売上について当社グループが提供する主力の空調機器販売や計装工事施工は良好な受注環境の下で順調に推移し、セグメント別連結売上高は前連結会計年度比で商品販売事業は11.3%、工事事業は23.4%の増収となっております。相対的に利益率の高い工事事業が大きく伸長したことで売上総利益は大幅増益の結果となりました。
一方で販売費及び一般管理費は、需要に対するサービス供給の確保のために、当社グループ全体での人員採用の強化や社員への報酬増などによる人件費の増加がありました。また前連結会計年度の3月に取得した海外子会社株式にかかるのれん及び顧客関連資産の償却を開始したこと等により前連結会計年度比13.2%増の23,879百万円となりました。
この結果、営業利益は7,730百万円(前連結会計年度比22.8%増)となりました。
ⅱ 経常利益
当連結会計年度の経常利益は8,172百万円(前連結会計年度比14.8%増)となりました。当連結会計年度において発覚した当社子会社による不適切取引に起因する不正関連損失156百万円の発生と、前連結会計年度において海外子会社株式の取得に関係する為替差益193百万円や純投資目的株式の売却による投資有価証券売却益119百万円と一過性の収益を営業外収益に計上したため、営業外損益の収支としては前連結会計年度に対し悪化する結果となりました。
ⅲ 税金等調整前当期純利益
前連結会計年度は特別利益・特別損失いずれも計上しておりませんが、当連結会計年度は固定資産売却益15百万円及び減損損失56百万円をそれぞれ特別利益・特別損失に計上したことから、特別損益の収支は前連結会計年度に比べ悪化しました。
この結果、税金等調整前当期純利益は8,130百万円(前連結会計年度比14.2%増)となりました。
ⅳ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度は前述の当社子会社による不適切取引による過年度法人税等202百万円を計上しており、親会社株主に帰属する当期純利益は5,230百万円(前連結会計年度比10.7%増)となりました。
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照下さい。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの主要な資金需要は商品販売の為の商品仕入、受注工事施工の為の材料費・外注費・労務費、販売費及び一般管理費の為の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。また今後、当社グループの新たな収益の源泉となる新規事業等につきましては、M&Aを含めた投資の検討を行ってまいります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。取引のある大手金融機関とは良好な関係を築いており、突発的な資金需要がある際でも迅速かつ確実に資金調達できる体制となっております。
当連結会計年度末における設備の新設、改修等に係る投資予定金額とその資金調達の方法については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、当連結会計年度に与える影響が限定的であったことから、当社グループにおける会計上の見積りに与える影響の重要性は乏しいと判断しております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(のれんの減損)
当社グループは、のれんについて5~8年間の定額法により償却を行っております。その資産性については子会社等の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益等が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
当社における主な代理店契約等
(注) 2023年4月1日より1年間契約を更新しております。
当社グループは、既存の空調機器納品先や保守契約先に対する更なる省エネ支援のため、空調設備等の運転状況の見える化を目的にIoT技術を駆使した各種取扱い商材の連携に関する研究に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度における当該研究開発費は発生しておりません。