第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営環境及び経営方針

国内の建設投資は堅調で受注環境は良好であるものの、資源高や人材不足を起因とする供給面での制約は一層強まっており、当社グループを取り巻く経営環境も、当面の間は不透明な状況が続くと見込まれます。

かかる見通しの下、当社グループは、引き続きコア事業である商品販売事業と工事事業に注力することを基本戦略に据えた上で、カーボンニュートラル社会への貢献を通じた既存事業の強化、保守事業の拡大による底堅い収益基盤の構築、加えて東南アジア地域を中心とした海外事業の展開にも積極的に取り組んでまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、収益構造の改革を重点課題と捉え、経営効率及び生産性向上の視点から、売上高・経常利益の絶対額の確保と経常利益率の向上に取り組んでまいります。2026年3月期を最終年度とする中期経営計画において、2026年3月期での売上高1,550億円、経常利益120億円を数値目標としている他、各年度において効率性と財務安定性の両立を目指し、ROE12%以上と自己資本比率50%前後の達成を経営指標の目標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、経済性や利便性だけでなく、その先にあるこころの豊かさを求めていくことが私たちの使命であると考え、その存在意義を「東テクグループはこころ豊かな快適環境を創造します。」と定めております。
 そして、企業経営にあたっては「価値の高いサービスでお客様の満足度を高める」こと、「地球にやさしい環境づくりで社会に貢献する」こと、「出会いを大切にしこころ豊かな企業体質を実現する」ことをもって、その存在意義を果たしていくものであります。
 2030年をターゲットとした長期ビジョンでは「ここちよいを、その先へ。」と掲げ、人に、社会に、地球にここちよい、新しい時代の「ここちよさ」を技術革新や社会構造の変化を捉え追求する、一歩先の未来の快適環境を創造できるグループを目指すこととしました。この達成に向け、2025年度を最終年度とする第一次中期経営計画においては「人にここちよい」をテーマとし、①人財への投資②ESG経営③コア事業の強化④海外事業の拡大、以上4つの戦略骨子を掲げ、社会的価値および経済的価値の創造を戦略的に進めてまいります。
 

(4) 利益分配に関する基本方針

当社は、業績拡大に向けて企業体質の強化を図ると共に株主の皆様に安定的かつ適切な成果の還元を行うことを経営の重要課題としております。その具体的な指標として連結配当性向40%を目安におき、業績に応じた継続的かつ安定的な配当を実施することとしております。

内部留保金につきましては、厳しい経営環境に対応できる競争力を強化し、収益力の向上と財務体質の充実に有効活用することにより、長期的な健全経営の維持に役立ててまいります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループでは規模の拡大と利益の確保を課題として、(1)及び(3)に記載の経営方針、経営戦略を実行していく上で、次の諸施策を推進してまいります。

① 人財への投資
 人財は、当社グループによる社会的価値及び経済的価値の創造を支える重要な基盤であり、継続的に強化・投資を行います。当社グループでは、「自ら考え、自発的に行動し、新しい価値を生み出せる人財」を求める人物像と設定し、人財の強化を図っています。教育・研修制度の充実、誰もが意欲をもって働ける環境づくり、エンゲージメントサーベイに基づく改善活動に取り組み、一人ひとりの成長を支援してまいります。

② ESG経営

当社グループは、全てのステークホルダーのために、環境・社会・ガバナンスの各視点で、具体的なアクションプランを推進していきます。カーボンニュートラル社会を見据えたグループ全体のGHG排出量の算定と削減活動、再生冷媒への取組みや省工事の推進等、事業活動を通じた環境課題への貢献を進めるとともに、男性育休取得率や障がい者雇用率等の非財務指標の向上を通じ、働きやすい職場環境の構築に取り組みます。また、より高度なガバナンス体制の構築を目指し、機関設計の見直し、コンプライアンス活動の推進、内部統制の充実・強化を図ってまいります。

③ コア事業の強化

 当社グループは、空調機器を中心とした設備機器の販売および計装工事等の電気・管工事の施工から、納入・施工後の保守・リニューアルまで、建物設備のライフサイクルに合わせた商品・サービスを提供しております。今後も大型案件・高収益案件へ注力するとともに、既存顧客の深耕、新規顧客の開拓を進め、売り上げ拡大と利益体質の強化を図ってまいります。また、空調、計装、エネルギー分野に亘る幅広いソリューションをトータルで提供できる当社グループの総合力を活かし、収益力・成長力を高めていきます。

④ 海外事業の拡大
 当社グループの持続的な成長のために、人財・体制の強化を進めながら、ソリューション・顧客層・エリアを広げることで、海外事業を拡大していきます。特に、市場が拡大する東南アジア地域において、現地拠点の事業拡大を目指すとともに、積極的にM&Aも活用し、業容の拡大を図ります。日本国内において評価されているトータルソリューション力を海外市場においても提供し、顧客のニーズに応えてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループでは、「こころ豊かな快適環境を創造します」という存在意義のもと、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組み、社会と共に持続的成長をするため「地球にここちよい」「社会にここちよい」「人にここちよい」「健全な経営基盤の強化」の4つのマテリアリティを掲げ、活動を展開しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応

気候変動問題が深刻になる中で、空調をはじめとした設備機器が消費する電力は膨大なものとなります。当社では、気候変動への対応を重要課題と認識し、省エネルギー化、再生エネルギーの普及、冷媒の適切な回収、処理などの推進に取り組み、温室効果ガスの排出を抑制することで持続可能な脱炭素社会の実現に努めております。企業としてより主体的に参画するため、2022年度にTCFD提言に基づいたシナリオ分析を実施し、事業におけるリスクと機会の特定などに着手し、2023年5月にはTCFD提言への賛同を表明しております。今後も気候変動問題に真摯に向き合い、事業に影響するリスクと機会への理解を深化させ、TCFD提言に基づく気候変動関連の積極的な情報開示に努めてまいります。

① ガバナンス

 当社では、サステナビリティ委員会がリスク管理委員会と連携し、社内各部門の分掌に沿って気候変動関連のリスクと機会、業務執行への影響について協議、決定、進捗管理、モニタリングを実施し、取締役会へ報告を行っています。取締役会は、原則として半年に一度これらサステナビリティ推進に関する取組み施策の進捗の報告を受け、論議、監督を行っています。また、サステナビリティ委員会で審議された対応策を実際に履行する部署として経営戦略本部サステナビリティ推進グループ(以下、サステナビリティ推進G)を設け、気候変動関連のリスクへの対応に取り組んでいます。

 


 

 

組織・会議体

役割

取締役会

業務執行において論議・承認されたサステナビリティ課題に関する各種施策の進捗を監督

リスク管理委員会

環境問題を含む包括的なリスクを抽出し、対策を検討。決定事項は取締役会へ報告

サステナビリティ委員会

気候関連リスク等、サステナビリティ課題の評価と対策に責任を有する委員会。サステナブル課題に関しては活動方針の策定や各種取組の目標設定、KPIなどの進捗状況を確認。原則半年に一度は取締役会に報告

経営戦略本部

サステナビリティ推進グループ

サステナビリティ委員会で決議された事項を社内各部門と連携して対応

 

 

② 戦略

 当社では、TCFD 提言に基づき、気候変動関連のリスクと機会の把握を目的にシナリオ分析を開始しました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)等の科学的根拠等に基づき 1.5℃ シナリオと 4℃シナリオを定義し2030年時点で事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価しました。これらのリスクと機会について、今後社内での議論を深め、適時適切に開示してまいります。

 

リスク機会一覧

 気候変動に関連する様々なリスクと機会について、関係各部署の協力を得てリストアップし、検討してまいりました。認識したリスク・機会のうち、事業への影響度が「中」以上のものを主に記載しております。
 

影響度

大:当社への影響が非常に大きい (売上高の 12%以上)

中:当社への影響はあるが限定的 (売上高の 6%~12%未満)

小:当社への影響はほとんどない (売上高の 6%未満)

 

 

リスク一覧

リスクの種類

リスクの内容

定性評価

1.5℃

4℃

リスク

移行リスク

政策・法規制

省エネ基準の強化や廃棄物の再資源化により対応コスト増加

炭素税の導入により、仕入価格が高騰することによる、操業コストの増加

-

目標未達によって、ステークホルダーからの評価が低下することによる、売上機会の損失

-

新築ビルの建設に関する規制等への、対応不足による、売上機会の損失

-

高環境負荷に対する新築ビル規制が導入されることに伴い、新築ビル建設が減少し、需要が低下することによる売上機会の減少

-

技術

省エネ、再エネ、脱炭素関連技術への対応不足による売上機会の損失

-

市場

原材料の高騰に伴う製品価格の上昇により、売上機会の減少

-

原材料の高騰に伴う、製品価格の上昇や輸送コストの上昇による操業コストの増加

-

環境負荷の低い製品を好む顧客のニーズへ対応できないことによる、売上機会の損失

-

既存技術に依拠する製品に依存した際の顧客の離反に伴う、売上機会の損失

-

評判

環境対策を行わないことで株主や投資家からの評判が下がることにより、株価が減少するリスク

-

環境対策を行わないことで顧客からの評判が下がることにより、顧客の離反に伴う、売上減少のリスク

-

物理リスク

急性

自社及びサプライチェーンの被災による工事遅延、調達・納品遅延による、売上機会の損失

-

洪水等で、事業所が操業停止することによる、売上減少や復旧コストの増加

-

慢性

建設現場での労働環境の悪化による健康リスクの増加及び生産性の低下を補うためのコスト増加

-

建設現場における浸水被害による工事遅延、調達・納品遅延による、売上機会損失のリスク

-

 

 

機会一覧

機会の種類

機会の内容

定性評価

1.5℃

4℃

機会

市場

再エネ関連の需要拡大による売上機会の増加

-

環境負荷の低い製品を好む顧客のニーズへの対応による、売上機会の増加

-

自然災害の甚大化、省エネ・再エネ対応を見据えた、リニューアル市場の拡大による売上機会の増加

-

技術

省エネ、再エネ、脱炭素関連技術への対応による売上機会の増加

-

急性

BCP対策の設備需要拡大による売上機会の増加

-

慢性

空調設備の需要拡大による売上機会の増加

-

 

 

 

③ リスク管理

 気候変動関連のリスクと機会は、サステナビリティ委員会がサステナビリティ推進Gと連携しながら特定し、抽出します。抽出されたリスクはサステナビリティ委員会及びサステナビリティ推進Gによって影響度が評価され、対応が必要と判断されたリスクは、サステナビリティ委員会が対策を管理しながら各事業部門によって対応が行われます。また、気候変動関連のリスクに関する対応状況は取締役会へ報告されます。取締役会ではサステナビリティ委員会より気候変動に関するリスク管理の状況と対応について報告を受け、論議、監督します。      

 

 


 

④ 指標と目標

 当社は、気候変動関連のリスクと機会の評価指標として、温室効果ガス排出量の算定を行なっております。2021 年度及び2022年度におけるScope1 にあたる「燃料の使用(CO2)」、Scope2 にあたる「他人から供給された電気の使用(CO2)」、 Scope3 に当たる「 Scope1、Scope2 以外の事業者の活動に関連する他社の温室効果ガスの排出量(CO2)」の実績は下記となります。

 なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する実績については、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

 

 

カテゴリ

2022年度排出量

(t-CO2)

Scope1

-

689.943

Scope2

-

491.218

Scope3

カテゴリ1

484,238.735

カテゴリ2

2,354.344

カテゴリ3

290.067

カテゴリ4

1,712.302

カテゴリ5

213.104

カテゴリ6

559.105

カテゴリ7

271.075

カテゴリ8

該当なし

カテゴリ9

2,194.321

カテゴリ10

該当なし

カテゴリ11

23,229,413.966

カテゴリ12

1,957.340

カテゴリ13

該当なし

カテゴリ14

該当なし

カテゴリ15

該当なし

Scope3合計

 

23,723,198.358

 

 

 

 当社は、温室効果ガス排出量(Scope1,2)を、2021年度比で「2023年度38%削減」「2050年度100%削減」とした、カーボンニュートラルを目指すGHG削減目標を設定しました。これは日本政府からカーボンニュートラル宣言が公表され、国際的にも気候変動への対応強化が求められていることを踏まえ、国際的な水準である年次4.2%の削減を実現する内容としています。

 また、当社の第一次中期経営計画において、ESG経営を戦略骨子の1つとして進めており、GHG排出の削減に向けて、これまで事業所における省エネ活動による消費電力の削減や所有不動産のZEB Ready取得、社有車のEV転換などに取り組んできました。今後もこれらの施策強化に加え、再生可能電力の導入率のさらなる向上など、目標達成に向けて取り組んでまいります。

 

(2) 人的資本に関する取り組み

① 戦略

 当社グループにおける、人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

 

人財育成方針

 東テクグループは、「こころ豊かな快適環境を創造します。」を存在意義とし、「自ら考え、自発的に行動し、新しい価値を生み出せる人財」を求める人財像として定義しています。

東テクグループが持続的に成長をするためには、「人」こそが最も重要な経営資本と認識し、社員が自律的に成長しその価値を最大限発揮できるよう、社員一人ひとりの成長への支援と人事制度や人財育成施策の改善を行います。

 

社内環境整備方針

 東テクグループは、あらゆる人財が力を最大限発揮できるよう良好なコミュニケーションを図り、心身の健康の保持増進、育児や介護と仕事の両立など、多様で柔軟に働きやすく働きがいのある職場環境づくりに取組み、社員のエンゲージメントの向上を実現します。

 

 また、社員の一人ひとりの成長とより良い職場環境を実現するために以下の取組みを行っています。

ⅰ多様な人財の活躍

 当社グループは、年齢、性別、国籍等の属性によらず多様な人財の活躍を推進することで、企業の競争力強化につなげてまいります。また、多様な人財が活躍できる環境を整備することで新しい価値の創造、生産性の向上などにつながると考え取り組んでおります。

 当社では、女性の活躍を推進すべく、新卒採用及び中途採用において女性の積極的な採用、職種転換制度などに取組み女性社員の比率、女性管理職の人数が徐々に高まっています。また、ライフワークバランスの推進に向け、労働時間管理の徹底、長時間労働の削減、年次有給休暇取得推奨、フレックスタイム制度の導入、男性社員の育児休業制度の取得推奨などに努めております。

 

ⅱ健康経営の推進

 当社グループが、持続的な成長を実現するためには社員が心身ともに健康であることが重要であると認識し、社員とその家族の健康保持・増進を健康経営の基盤と位置づけ、健康づくりに向けた制度、体制の充実に取り組んでおります。

 当社では、2020年に健康保険組合連合会東京連合会より、健康優良企業に認定され「銀の認定」を取得しました。また、健康保持・増進に取り組むため、健康診断の受診項目の拡充、被扶養者健診の費用補助、全社員を対象としたストレスチェックの実施、インフルエンザ予防接種、ウォーキングイベント、禁煙サポートプログラムの導入などを実施しております。

 

ⅲエンゲージメントの向上

 当社グループでは、エンゲージメントを会社と社員が互いに信頼し、共に成長し合う関係と定め、社員が働きがいを抱き、安心して働き続けられる環境を整備することを目的に、エンゲージメント調査を実施しています。

 社員の会社や組織に対する思い入れや期待することや、実際の体験に基づく実感値とそのギャップから組織状態を表す「EXスコア」が算出されます。エンゲージメント調査の結果については、経営層への報告に加え各組織へのフィードバックを実施し、調査で見えてきた現状や課題に対して改善に取り組むことで、より良い組織・職場環境づくりに活用してまいります。

 

② 指標及び目標

指標

実績(2023年度)

女性管理職率

5.6%

男性育児休業取得率

40.7%

生活習慣病リスク者割合

68.9%

肥満リスク

(42.6%)

高血圧リスク

(26.4%)

糖尿病リスク

(38.2%)

脂質異常性リスク

(23.7%)

肝機能障害リスク

(36.7%)

EXスコア

74.7

 

 

 なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、上記指標に関する実績については、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。また、上記の指標も含めた各指標及び目標設定については、将来的な開示に向けて検討を進めています。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループの事業と業界及び市場の動向

当社グループは業務用空調機器の販売を主とした「商品販売事業」及び計装工事を主とした「工事事業」の二つをコア事業としており、当社グループが属する業界はいわゆる建築設備業界であるため、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のものがあります。

① 景気及び市場の動向

建築設備業界は景気の変動及び政府の経済政策等の影響を強く受けやすい業界であり、民間設備投資や公共投資が想定以上に低迷する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

② 競争の激化

建築設備業界における「商品販売事業」及び「工事事業」の同業他社との競争は厳しいものとなっております。営業力・技術力を高め、競争力の強化に取り組んでいるところですが、今後、価格競争の激化や競合他社の攻勢等により、予期せぬ競争関係の変化があった場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

③ 債権回収

建築設備業界は、業界の慣行等も併せて売上債権の管理及び回収が極めて重要となります。当社グループは債権の回収・管理を徹底させ、業界及び市場の動向にも絶えず注視しております。しかし、多額の不良債権が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 人材の採用と育成

当社グループの企業成長のためには有能な人材の確保が極めて重要であります。新卒採用に関してはインターンシップを開催するなど積極的な採用活動を行っており、毎年多くの新入社員をグループ全体で採用しております(2024年4月入社は87名)。加えて、中途採用においても、全国にて技術職を中心に積極的に採用をしております。さらに、人材育成に関して、2017年に開設した東テクグループテクニカルセンターでは設備機器の実機を備え、座学に限らない本格的な技術研修を年間を通じて開催しております。こうして高い技術力を持った人材の育成に努めておりますが、もしこのような人材を確保・育成できなかった場合には、当社グループの企業成長に多大なマイナス影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) 労務管理

社員の勤怠管理や時間外勤務につきましては、労働基準法の規制が適用されます。当社グループでは、現場作業などによる時間外勤務や長時間労働を起因とした健康問題や生産性低下に対処するため、個人別に就業時間管理・指導を行うほか、長時間の時間外勤務を必要としないワークスタイル作りに努めております。しかしながら、取引先との関係や予期せぬトラブルの発生等により、時間外勤務の増加や納期遅延等が発生し、社員の健康管理や当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 工事等に伴う人的・物的事故及び災害

当社グループは、計装工事を中心とした「工事事業」を行っており、工事等に伴う人的・物的事故及び災害の危険は常にあります。このため当社グループでは、労働災害保険等の保険の加入はもとより、「安全衛生管理室」を設け、詳細な「安全衛生管理規程」により協力会社の参加を得て「安全衛生協力会」を中央及び地区別に結成して定期的な安全衛生大会、安全衛生教育等を実施し、万全を期しておりますが、このような事故等が発生した場合には多大な社会的信用失墜のリスクがあります。

 

(5) 偶発事象(係争事件に係る賠償責任等)

当社グループは「商品販売事業」及び「工事事業」に関連して、訴訟等法律手続の対象となるリスクがあります。これらの法的リスクについては、当社のリスク管理委員会にて一括して管理しており、必要に応じて取締役会及び監査役会に報告し、また顧問弁護士とも協議する管理体制となっております。当連結会計年度末において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 仕入先の状況の変化

当社グループは主要仕入先と販売代理店・特約店契約を締結し、業務用空調機器及び空調自動制御機器等を仕入れ、「商品販売事業」及び「工事事業」を行っております。特にダイキン工業株式会社からの仕入金額が当社グループの仕入金額全体に占める割合が高くなっています(2024年3月期は26.6%(商社を経由した仕入金額を含む))。主要仕入先の品質・生産力等に予期せぬ変化があった場合または当社グループとの関係に変化があった場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 外注先の確保

当社グループは「工事事業」を行っており、質の高い協力会社の確保が極めて重要であります。東テクグループテクニカルセンターにて協力会社の社員にも質の高い研修を実施するなど、高い技術力を持った協力会社の確保・育成に努めておりますが、今後、優良な協力会社の確保・育成ができなくなった場合には、当社グループの「工事事業」に支障を来たし、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報の管理

当社グループは事業の過程で入手した取引先・個人の情報や建物の設備情報を保有しています。当社グループでは、これらの情報の取扱い及び管理の強化に取り組んでおりますが、予測できない事態によってこれらの情報が流出した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 法的規制

当社グループは、建設業法、労働安全衛生法等による法的規制を受けており、法的規制の改廃・新設、適用基準等の変更があった場合、また、当社グループはコンプライアンス体制の充実に努めておりますが、法令違反があった場合もしくは法的規制による行政処分等を受けた場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの中核事業の一つである工事事業において建設業法、電気通信事業法等の関連法規制のほかに事業を営む上で必要な下記の許認可を取得しております。

 

    (当社グループの許認可の状況)

事業名

許認可の名称

監督官庁

有効期限

工事事業

特定建設業許可

国土交通省

2025年7月28日

工事事業

一般建設業許可

国土交通省

2025年7月28日

工事事業

電気工事業許可

経済産業省

期限なし

 

なお、上記の事業の停止や許認可の取り消しとなる事由は、建設業法並びに電気工事業の業務の適正化に関する法律に定められております。

 

(10) 海外事業

当社グループでは、シンガポール、インドネシア及びベトナム等の海外子会社において事業活動を行っております。海外での事業活動には、予期せぬ法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、人材の採用・確保の困難など、経済的に不利な要因の存在または発生、テロ・戦争・その他の要因による社会的または政治的混乱などのリスクが存在します。

こうしたリスクが顕在化することによって、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
 

(11) 金利変動

当社グループは、主として金融機関からの借入金によって資金を調達しております。2024年3月期末における外部金融機関からの連結有利子負債残高(短期、長期借入金の合計)は9,002百万円であります。また、連結総資産に対する有利子負債依存度は9.0%となっています。このため、将来、金利が上昇した場合や、当社の信用力が低下した場合等、将来の資金調達に係る経営環境が変化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 保有資産の価格変動

当社グループは土地、株式等を保有しており、今後時価が著しく下落した場合には減損の対象となり当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 業績の季節的変動

当社グループが行っている「商品販売事業」及び「工事事業」は建築工事の完工や検収時期によって収益が偏る傾向があり、上半期より下半期に、また、各期ともに期末に売上高が増えるという季節的変動があります。

 

(14) 自然災害等

想定外の大規模地震・津波・洪水等の自然災害や火災等の事故災害、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱等が発生したことにより、当社グループや主要取引先の事業活動の停止または事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 役職員による法令及び社内規定の遵守違反

当社グループは、コンプライアンス、内部統制を経営上の重要課題と位置付けており、委員会活動等の実効性を高め、牽制機能の強化を図っております。業務運営において役員・社員の不正及び不法行為の防止に万全を期すべく取り組んでおりますが、有効なリスク管理体制を構築している状況においても、従業員等の悪意、重大な過失に基づく行動等、様々な要因により、万一、重大な不正行為が発生した場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、国内の物価上昇や不安定な国際情勢の影響はありましたが、雇用・所得環境が改善する中で回復の傾向にあります。

当社グループを取り巻く建設業界におきましては、公共投資・民間投資とも堅調で受注環境は良好であるものの、建設資材の価格高止まりや慢性的な技術者不足など供給面での課題は多く、依然として厳しい経営環境が続いております。

以上の結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は以下のとおりとなりました。

大都市を中心とした再開発の新築需要に加え、カーボンニュートラルを見据えたリニューアル需要、データセンター需要等の取り込みにより売上高は140,732百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりました。利益面につきましては、給与水準の引き上げ(ベースアップ)により人件費等の販売費及び一般管理費は増加したものの、売上高の増加に比例し順調に売上総利益が計上されたことから、営業利益は9,905百万円(同28.1%増)、経常利益は10,585百万円(同29.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,004百万円(同33.9%増)の大幅増益となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

<商品販売事業>

商品販売事業におきましては、空調機器、制御機器、省エネ機器を中心とした設備機器の仕入・販売及びこれに関する据付け工事、アフターサービス等を行っております。当連結会計年度は、特に都市部における再開発案件が旺盛で受注環境が良好であったことから、売上高は86,214百万円(前連結会計年度比6.3%増)となりました。

利益面では相対的に利益率の高い空調機器の保守メンテナンス案件が伸長したことにより売上総利益は17,810百万円(同6.6%増)となりました。

<工事事業>

工事事業におきましては、計装工事のほか各種工事の設計・施工及び保守を行っております。当連結会計年度は、世界的なカーボンニュートラルに向けた取組みの推進やデータセンターなど大型の設備需要の取り込みにより売上高は56,874百万円(前連結会計年度比18.9%増)、売上総利益は16,715百万円(同12.2%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて8,421百万円増加し100,479百万円となりました。これは、のれんやソフトウェアの償却により無形固定資産が1,008百万円減少した一方で、営業債権や棚卸資産の純増3,178百万円及び投資有価証券の時価上昇による投資有価証券の増加2,864百万円、現金及び預金の増加2,635百万円、さらに、退職給付に係る資産が813百万円増加したことが主な要因です。

なお、商品販売事業の当連結会計年度末におけるセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて3,667百万円増加し57,747百万円となりました。一方、工事事業の当連結会計年度末におけるセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて5,706百万円増加し41,422百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて476百万円増加し47,041百万円となりました。これは有利子負債が3,325百万円減少した一方で、支払手形及び買掛金や電子記録債務の増加1,378百万円、未払消費税等の増加等によるその他流動負債の増加1,215百万円に加えて繰延税金負債が1,292百万円増加したことが主な要因です。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて7,945百万円増加し53,437百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上から配当金の支払を差し引いた利益剰余金の純増4,605百万円、保有有価証券の時価上昇等によるその他有価証券評価差額金の増加2,083百万円及び年金資産の増加に伴う退職給付に係る調整累計額の増加753百万円の他、為替レートの変動により為替換算調整勘定が433百万円増加したことが主な要因です。

この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は53.2%となり、前連結会計年度末から3.8%上昇しました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて3,586百万円増加し8,524百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は9,939百万円(前連結会計年度は4,758百万円の収入)となりました。これは、法人税等の支払額3,267百万円に加え、売上債権の増加3,223百万円により資金が減少したものの、好調な業績を背景に税金等調整前当期純利益10,560百万円を計上した他、減価償却費1,444百万円、仕入債務の増加1,326百万円、未払消費税等の増加893百万円、未収入金の減少759百万円及び、固定資産売却損益626百万円により資金が増加したことが主な要因です。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は437百万円(前連結会計年度は5,032百万円の支出)となりました。これは、定期預金の純減額1,010百万円があった一方で、有形固定資産取得による支出1,410百万円があったことが主な要因です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は6,016百万円(前連結会計年度は2,649百万円の支出)となりました。これは、主に長短借入金の純減額3,325百万円及び配当金の支払額2,393百万円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

商品販売事業

工事事業

56,449

117.2

その他

43

134.8

合計

56,493

117.2

 

(注) 金額は販売価格によっております。

 

b. 商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

商品販売事業

68,475

105.6

工事事業

その他

合計

68,475

105.6

 

 

c. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

商品販売事業

86,121

101.7

43,640

105.4

工事事業

62,934

112.6

42,151

119.6

その他

合計

149,056

106.0

85,792

112.0

 

 

d. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

商品販売事業

83,880

106.3

工事事業

56,808

118.9

その他

43

134.8

合計

140,732

111.1

 

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

ⅰ 売上総利益及び営業利益

当連結会計年度の売上総利益は34,550百万円(前連結会計年度比9.3%増)となりました。売上について当社グループが提供する主力の空調機器販売や計装工事施工は良好な受注環境の下で順調に推移し、セグメント別連結売上高は前連結会計年度比で商品販売事業は6.3%、工事事業は18.9%の増収となっております。相対的に利益率の高い工事事業が大きく伸長したことで売上総利益は大幅増益の結果となりました。

一方で販売費及び一般管理費は、需要に対するサービス供給の確保のために、当社グループ全体での人員採用の強化や給与のベースアップを含む社員への報酬増などによる人件費の増加があったため前連結会計年度比3.2%増の24,645百万円となりました。

この結果、営業利益は9,905百万円(前連結会計年度比28.1%増)となりました。

ⅱ 経常利益
 当連結会計年度の経常利益は10,585百万円(前連結会計年度比29.5%増)となりました。前連結会計年度において不正関連損失156百万円の計上など一過性の営業外費用が発生していたことが主な要因で、営業外損益の収支としては前連結会計年度に対し237百万円改善する結果となりました。

ⅲ 税金等調整前当期純利益

当連結会計年度は特別利益に投資有価証券売却益656百万円及び固定資産売却益を63百万円、特別損失に固定資産売却損689百万円と関係会社出資金評価損55百万円をそれぞれに計上しております。

この結果、税金等調整前当期純利益は10,560百万円(前連結会計年度比29.9%増)となりました。

ⅳ 親会社株主に帰属する当期純利益

前連結会計年度は当社子会社による不適切取引による過年度法人税等202百万円を計上しております。当連結会計年度においては賃上げ促進税制の適用額が増加したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は7,004百万円(前連結会計年度比33.9%増)となりました。

 

当社グループの当連結会計年度の財政状態は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照下さい。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの主要な資金需要は商品販売の為の商品仕入、受注工事施工の為の材料費・外注費・労務費、販売費及び一般管理費の為の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。また今後、当社グループの新たな収益の源泉となる新規事業等につきましては、M&Aを含めた投資の検討を行ってまいります。

これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。取引のある大手金融機関とは良好な関係を築いており、突発的な資金需要がある際でも迅速かつ確実に資金調達できる体制となっております。

当連結会計年度末における設備の新設、改修等に係る投資予定金額とその資金調達の方法については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

(繰延税金資産)
 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいて課税所得が十分に確保できることを前提に、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(のれんの減損)
 当社グループは、のれんについて5~8年間の定額法により償却を行っております。その資産性については子会社等の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益等が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社における主な代理店契約等

 

相手先

主要取扱商品

契約の種類

契約期間

ダイキン工業株式会社

パッケージエアコン等冷凍空調機器

取引基本契約

2023年12月1日
 ~2024年11月30日  自動継続

アズビル株式会社

自動制御機器、中央監視装置

特約店契約

2023年4月1日
 ~2024年3月31日  (注)

昭和鉄工株式会社

ボイラー、ヒーター、放熱機等

売買基本契約

2023年4月1日
 ~2024年3月31日  自動継続

東京ガス株式会社

GHP(ガスヒートポンプ)

特約店契約

2023年4月1日
 ~2024年3月31日  自動継続

ヤンマーエネルギー

システム株式会社

GHP(ガスヒートポンプ)

特約店契約

2023年4月1日
 ~2024年3月31日 (注)

 

(注)  2024年4月1日より1年間契約を更新しております。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、既存の空調機器納品先や保守契約先に対する更なる省エネ支援のため、空調設備等の運転状況見える化を目的にIoT技術を駆使した各種取扱い商材の連携に関する研究に取り組んでおります。

なお、当連結会計年度における当該研究開発費は発生しておりません。