第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における我が国経済は、円安などを背景とする企業業績の向上やそれに伴う雇用状況・賃金の改善等により、緩やかな景気回復傾向が見られるものの、食料品を中心とする輸入物価の上昇により個人消費に関しては大きな改善がなく推移しております。また、新興国の経済成長の鈍化などに起因する世界経済の減速懸念が強まり、景気の先行きに関しては不透明な状況が続いております。

 当社の属するアパレル業界では、高価格商品の販売は引き続き好調に推移したものの、中価格商品については、原価上昇の販売価格への転嫁が進んだ結果、販売が振るわず、一方で低価格商品への消費者志向の回帰が進んでおります。また、年度前半は夏の好天や早い秋の気温低下等により販売が好調に推移したものの、暖冬によりアウターを中心とする冬物衣料の販売は奮わず、小売店における在庫過多が、次シーズンにおける仕入に悪影響が及ぶ懸念を生じております。

 

  このような経営環境のもと、当社グループにおいては、国内販売において昨年度のCHOYA㈱からの一部事業譲り受けにより、百貨店チャネル向け販売が前年を大きく上回って推移したほか、それ以外の大手小売店向け販売も、別注商材の受注拡大などにより、おおむね好調に推移しました。最終第4四半期(平成28年1月1日から3月31日)においても、春物商材のほか、前年から持ち越しの夏物商材の投入が進むなど、在庫の削減が進みました。

 

  この結果、当社グループの当連結会計年度(平成27年4月1日から平成28年3月31日まで)の連結売上高は189億50百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は4億18百万円(前年同期比103.4%増)と前年同期を大きく上回る成績となりました。経常利益については、年明け以降に進んだ円高ドル安により外貨建て資産に為替差損が生じたこと等により、前年同期比5.0%減の2億98百万円、法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に計上した負ののれん発生益等の特別利益2億33百万円が当期は無いことから2億81百万円となり、前年同期と比べ19.2%の減少となりました。

 

事業セグメントごとの業績は次のとおりであります。なお各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。

①国内販売

 国内販売セグメントは上述の要因により、売上高170億2百万円(前年同期比8.5%増)、セグメント利益4億64百万円(同34.7%増)となりました。

②製造

 製造セグメントにおいては、高山CHOYAソーイング㈱の当社子会社化等により、売上高は48億60百万円(同4.9%増)、セグメント損失66百万円(前年同期は1億1百万円の損失)となりました。

③海外販売

 カジュアルウエア生産の中国から第3国への移転に伴い、グループ内販売が減少したこと等により、売上高は2億4百万円(前年同期比37.2%減)、セグメント損失19百万円(前年同期は15百万円の損失)となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は親会社株主に帰属する当期純利益の計上、たな卸資産の減少等の増加要因があったものの、借入金の返済、買掛債務の減少等の減少要因により、前連結会計年度末に比べ、5億38百万円減少し、11億49百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得た資金は8億74百万円(前連結会計年度は10億2百万円の支出)となりました。これは仕入債務の減少や未収入金の増加による支出はあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や、たな卸資産の減少による収入があったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は、1億10百万円(前連結会計年度比3億4百万円減)となりました。これは主に有形固定資産等の取得によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は、12億81百万円(前連結会計年度は12億52百万円の収入)となりました。これは配当金の支払や借入金等の返済を行なったことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

  至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

国内販売(千円)

11,592,667

100.1

製造(千円)

1,410,824

96.8

海外販売(千円)

49,202

109.3

合計(千円)

13,052,694

99.8

 (注)1 国内販売及び海外販売については製品仕入金額、製造は実際製造原価によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 原則として、受注生産は行っておりません。

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

  至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

国内販売(千円)

16,979,449

108.6

製造(千円)

1,824,103

111.7

海外販売(千円)

146,890

84.4

合計(千円)

18,950,443

108.7

 (注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合については、前連結会計年度、当連結会計年度ともに当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

3【対処すべき課題】

 ①近年の急激な原材料価格の上昇、円安ドル高、アジア生産拠点における人件費の上昇により、製品製造原価が上昇傾向にあります。この対策として、低コスト生産拠点の生産能力を増強するとともに、当社子会社工場と日本山喜商品事業部との連携により、グループ利益の最大化を図ります。

 ②上述の原価の上昇要因を受け、製品販売価格の上昇を図る必要があります。
この対策として、付加価値の高いデザイン商品等のラインナップを強化するとともに、素材メーカーとの協働により、付加価値素材の提案を強化してまいります。

 ③小売店の競争環境の変化に伴い、中堅量販店を中心に、衣料品からの撤退が今後も進む可能性があります。この対応策として、POLO、SHIRT HOUSEなど直接販売を行うオリジナル商材の品揃えを強化するとともに、インターネット販売を含む直接販売形態での販売を増やして参ります。

 ④国内生産拠点や管理拠点の施設の経年により、維持管理費の増大が懸念されております。この対策として、維持管理費の低減につながる設備の更新を積極的に推進するとともに、計画的な設備更新投資を実施し、更なる施設の効率化や快適な職場環境の維持を図ります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の概要、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)消費者嗜好の変化のリスク

当社の主力商材であるドレスシャツは実用衣料に近く、比較的ファッションのトレンドに需要が左右されることの少ない商材ですが、近年増加しているデザイン性の高いドレスシャツは細部の仕様等のトレンド変化により売上が減少するリスクがあります。またカジュアルシャツ、レディースシャツにつきましては、ニット製品、カットソー等の代替商材との間のトレンド変化により売上が低下するリスクがあります。

(2)天候・自然災害等によるリスク

ドレスシャツの中心需要期は新年度前後から盛夏前の数ヶ月間であり、この間の天候により、特に半そでシャツについては売上は低迷するリスクがあります。また、台風や地震等の自然災害により当社の販売先小売店売上が低迷したり、消費全般が低迷するリスクがあります。

また、海外工場立地国や日本輸送途上において、台風等の自然災害により、生産の遅延や輸送の遅延が発生するリスクがあります。

(3)品質に関するリスク

当社は品質重視の企業ポリシーのもと、海外生産においても厳しい品質管理基準や体制を敷いて品質の維持に努めておりますは、万が一、大量の不良品や製造物責任にかかる事故が発生した場合には、企業イメージの低下等のダメージを被るリスクがあります。

(4)海外生産に関するカントリーリスク

当社の日本国内販売商品の90%は海外生産となっており、生産国における政変や大規模災害等が発生した場合、商品の供給が滞るリスクがあります。

(5)取引先に関するリスク

取引にあたっては、取引先の信用調査等を行い取引の可否や取引条件の決定等を行っておりますが、取引先の倒産や予期せぬ経営破たんが生じた場合には、貸倒の発生や商品供給の遅延などを被るリスクがあります。

(6)為替変動に関するリスク

海外工場との取引においては外貨建て支払い条件となっている場合が大半であり、為替レートの変動による原価の変動を抑制するため、仕入に係る為替予約を実施し、リスクの最小化に努めておりますが、原価の上昇自体を完全にコントロールすることは不可能なため、原価の上昇による利益幅の縮小等のリスクがあります。

(7)ライセンスブランドに関するリスク

百貨店向け販売商品を中心として、ライセンスを受けた商標による商品展開を行っておりますが、ライセンス契約の中止や打ち切りにより、当該商標による商品の展開が休止に追い込まれ、売上が減少するリスクがあります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 共通支配下の取引等

 当社は、平成27年9月30日の取締役会決議に基づき、平成27年12月1日を効力発生日として当社の完全子会社である株式会社ジーアンド・ビーを吸収合併いたしました。

1.取引の概要

 (1)結合当事企業の名称及びその事業の内容

   結合当事企業の名称:株式会社ジーアンド・ビー

   事業の内容:百貨店向けオーダーシャツの製造・販売

 (2)企業結合を行った主な理由

   当社グループ経営の効率化と採算性の向上を図ることを目的として、株式会社ジーアンド・ビーを吸収合併することといたしました。

 (3)企業結合日

   平成27年12月1日

 (4)企業結合の法的形式

   当社を存続会社、株式会社ジーアンド・ビーを消滅会社とする吸収合併方式

 (5)結合後企業の名称

   山喜株式会社

 

2.実施した会計処理の概要

 「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 平成25年9月13日)に基づき、共通支配下の取引として会計処理を行っております。

 

6【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産、負債、収益及び費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表において採用する会計方針は、『第5[経理の状況]の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」』に記載しておりますが、「たな卸資産の評価に関する会計基準」の適用、貸倒引当金の設定、返品調整引当金の設定、退職給付債務の計算の基礎に関する事項については、連結財務諸表作成において特に重要と考えられる見積りを行っております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 平成28年3月期においては、国内販売において昨年度のCHOYA㈱からの一部事業譲り受けにより、百貨店チャネル向け販売が前年を大きく上回って推移したほか、それ以外の大手小売店向け販売における、別注商材の受注拡大、また、春物商材や、前年から持ち越しの夏物商材の在庫の削減が進んだことにより、連結売上高は前連結会計年度と比べ大きく増加しました。また、百貨店向け商材の増加により売上総利益率も前連結会計年度より2.4%改善し、売上総利益が前連結会計年度より8億円強増加しました。販売・一般管理費も営業・企画社員・販売員数の増加や賞与の増加による人件費の増加等もあり、前年を上回りましたが、売上総利益の増加が販売・一般管理費の増加を上回った結果、営業利益は前連結会計年度を大きく上回る成績となりました。

 経常利益については、前連結会計年度は期初から期末にかけて17.25円の円安ドル高となったことにより、外貨建てで有している資産(売掛金や貸付金など)について2億34百万円の為替差益を生じておりましたが、当連結会計年度につきましては、特に第4四半期において急激に円高ドル安が進んだ結果、前連結会計年度とは逆に89百万円の為替差損を被ることとなりました。

 これにより、営業利益では前連結会計年度を大きく上回ったものの、経常利益は前連結会計年度をやや下回り、また親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度に発生した特別利益(CHOYAからの事業譲り受けによる負ののれん2億30百万円を計上)が当連結会計年度は無いことなどにより、前連結会計年度を下回る結果となりました。

 

(3)当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は151億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ、13億96百万円減少いたしました。これは、販売によりたな卸資産が減少したことや借入金返済により現金及び預金が減少したことなどによるものであります。当連結会計年度末の負債は、84億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億34百万円減少いたしました。この主な要因は、借入金の返済や買掛債務の減少等であります。

 当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加の反面、繰延ヘッジ損益の減少等により、67億32百万円(前連結会計年度末比2億62百万円減)となりました。

 

(4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、たな卸資産が前連結会計年度末から大きく減少、売上債権も減少したことから、営業キャッシュ・フローが前連結会計年度のキャッシュアウトから大幅なキャッシュインに改善しました。これらのキャッシュインに加え、前連結会計年度末に有していた手元預金を借入金返済に充てた結果、前連結会計年度末に比べ、5億38百万円減少しました。