(1)業績
当連結会計年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日)の世界経済は、米国における景気拡大が欧州・アジア経済にも好影響を及ぼし、緩やかな回復基調が続きました。一方、米国新政権の施策発表に為替相場が敏感に反応し、為替変動リスクが年度後半にかけてにわかに高まりました。また、我が国経済では個人消費の回復は依然弱いものの、海外景気拡大や円安為替相場を受けて企業業績の改善が進み、全体として景気は緩やかな回復基調が続きました。
当社グループの属するアパレル業界におきましては、夏の厳しい残暑、暖冬、遅い春の訪れ等、天候面での逆風が続き、店頭消化不振、在庫増が深刻な状況となっております。反面、低価格を訴求する業態やパターンメイドスーツに代表される個人のニーズにこたえる付加価値商材は好調に推移しており、商品面での二極化がますます進行しております。
このような環境の下、当社グループにおいては、前年度上半期に享受したCHOYA事業譲り受け初期の既製品投入や大手お取引先のスポット商材の発注等が今期は発生せず、また店頭販売不振による在庫過多の影響により季節商材の先行受注の減少等によって前期と比較し大きく売上が減少しました。しかしながら、当社企画提案による機能素材を用いた新製品は確実にシェアを拡大し、バングラデシュ生産の強みを生かした低価格商材も新たにお取り上げいただけるなど、環境変化に対応し、市場ニーズにこたえた商材販路の拡大を図りました。
この結果、当社グループの当連結会計年度における連結売上高は176億45百万円(前年同期比6.9%減)、営業利益は1億90百万円(前年同期比54.4%減)と前年同期を大きく下回る成績となりました。経常利益については、前期に発生した外貨建て資産に起因する為替差損が減少したことや前受金取崩益が発生したこと等により、前期比32.7%減の2億円、法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は1億29百万円となり、前期と比べ53.8%の減少となりました。
事業セグメントごとの業績は次のとおりであります。なお各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
①国内販売
国内販売セグメントは上述の要因により、売上高158億25百万円(前年同期比6.9%減)、セグメント利益2億57百万円(同44.6%減)となりました。
②製造
製造セグメントにおいては、平成27年12月当社子会社の㈱ジーアンド・ビーを当社に吸収合併したこと等により、売上高は41億円(同15.7%減)、セグメント損失64百万円(前年同期は66百万円の損失)となりました。
③海外販売
中国における原材料販売の減少等により、売上高は1億76百万円(前年同期比13.8%減)、セグメント損失13百万円(前年同期は19百万円のセグメント損失)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度に営業活動により得た資金は、4億11百万円となりました(前年同期比53.0%の減少)。これは税金等調整当期純利益が減少したこと、たな卸資産が増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は1億15百万円となりました(前年同期は1億10百万円の支出)。これは主に有形無形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は2億7百万円となりました(前年同期は12億81百万円の支出)。これは主に配当金の支払や借入金の返済によるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
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国内販売(千円) |
10,455,320 |
90.2 |
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製造(千円) |
1,531,329 |
108.5 |
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海外販売(千円) |
20,102 |
40.9 |
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合計(千円) |
12,006,752 |
92.0 |
(注)1 国内販売及び海外販売については製品仕入金額、製造は実際製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
原則として、受注生産は行っておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
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国内販売(千円) |
15,806,085 |
93.1 |
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製造(千円) |
1,714,610 |
94.0 |
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海外販売(千円) |
124,595 |
84.8 |
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合計(千円) |
17,645,290 |
93.1 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合については、前連結会計年度、当連結会計年度ともに当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、創業以来「最大の企業たらんより最良の企業たれ」を社是とし、豊かな感性と大胆な発想によって時代の変化に対応した様々なシャツファッションを提案し、生活文化の向上に寄与することを基本理念としております。
また、「株主・顧客・社員・取引先から信頼される企業」を行動指針とし、収益の向上とともに共存共栄を図ってまいります。
(2)中長期的なグループ経営戦略
・シャツアイテムへの経営資源の集中
・カジュアルウエアトータル展開の見直しと、不採算カジュアルコンセからの撤退
・不採算直営店の閉店
・WEB販売、ドレスコンセ拡充による直販チャネル強化
・海外におけるOEM受注の強化
・縫製仕様の統一等による国内製造拠点間の受注の均一化。
(3)経営環境
国内衣料品をめぐる環境は個人消費の伸び悩みや消費の二極化等により厳しい環境が継続しています。消費者の購買行動や購買チャネルの著しい変化に対応が必要となっております。一方海外においては、中国・アセアン地区をはじめとする新興国の個人消費はますます旺盛で、高額品の需要も今後高まるものと期待されます。欧米においては衣料品市場は成熟しているものの、IT技術の発達や縫製工場の衰退に起因する商機があるものと考えております。
(4)目標とする経営指標
当社グループは、高収益体質の実現に向けて中期経営計画を策定しており、株主資本の効率化を追究した経営を重視する観点から、株主資本利益率(ROE)5%以上を目標としております。
(5)対処すべき課題
①近年の急激な原材料価格の上昇、円安ドル高、アジア生産拠点における人件費の上昇により、製品製造原価が上昇傾向にあります。この対策として、低コスト生産拠点の生産能力を増強するとともに、当社子会社工場と日本山喜商品事業部との連携により、グループ利益の最大化を図ります。
②上述の原価の上昇要因を受け、製品販売価格の上昇を図る必要があります。
この対策として、付加価値の高いデザイン商品等のラインナップを強化するとともに、素材メーカーとの協働により、付加価値素材の提案を強化してまいります。
③小売店の競争環境の変化に伴い、中堅量販店を中心に、衣料品からの撤退が今後も進む可能性があります。
この対策として、SHIRT HOUSEなど直接販売形態での販売を行うオリジナル商材の品揃えを強化するとともに、インターネット販売を含む直接販売形態での販売を増やしてまいります。
④これらの対策により国内市場におけるシェアを拡大することに加え、海外での販売強化を図ります。
この対策として、バングラデシュにおける当社の提携企業との連携により、共同出資にてシンガポールに合弁会社を設立いたします。この合弁会社を窓口として海外販売を進め、海外における販売力の強化を図ります。
⑤国内生産拠点や管理拠点の施設の経年により、維持管理費の増大が懸念されております。この対策として、維持管理費の低減につながる設備の更新を積極的に推進するとともに、計画的な設備更新投資を実施し、更なる施設の効率化や快適な職場環境の維持を図ります。
有価証券報告書に記載した事業の概要、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)消費者嗜好の変化のリスク
当社の主力商材であるドレスシャツは実用衣料に近く、比較的ファッションのトレンドに需要が左右されることの少ない商材ですが、近年増加しているデザイン性の高いドレスシャツは細部の仕様等のトレンド変化により売上が減少するリスクがあります。またカジュアルシャツ、レディースシャツにつきましては、ニット製品、カットソー等の代替商材との間のトレンド変化により売上が低下するリスクがあります。
(2)天候・自然災害等によるリスク
ドレスシャツの中心需要期は新年度前後から盛夏前の数ヶ月間であり、この間の天候により、特に半そでシャツについては売上は低迷するリスクがあります。また、台風や地震等の自然災害により当社の販売先小売店売上が低迷したり、消費全般が低迷するリスクがあります。
また、海外工場立地国や日本輸送途上において、台風等の自然災害により、生産の遅延や輸送の遅延が発生するリスクがあります。
(3)品質に関するリスク
当社は品質重視の企業ポリシーのもと、海外生産においても厳しい品質管理基準や体制を敷いて品質の維持に努めておりますは、万が一、大量の不良品や製造物責任にかかる事故が発生した場合には、企業イメージの低下等のダメージを被るリスクがあります。
(4)海外生産に関するカントリーリスク
当社の日本国内販売商品の90%は海外生産となっており、生産国における政変や大規模災害等が発生した場合、商品の供給が滞るリスクがあります。
(5)取引先に関するリスク
取引にあたっては、取引先の信用調査等を行い取引の可否や取引条件の決定等を行っておりますが、取引先の倒産や予期せぬ経営破たんが生じた場合には、貸倒の発生や商品供給の遅延などを被るリスクがあります。
(6)為替変動に関するリスク
海外工場との取引においては外貨建て支払い条件となっている場合が大半であり、為替レートの変動による原価の変動を抑制するため、仕入に係る為替予約を実施し、リスクの最小化に努めておりますが、原価の上昇自体を完全にコントロールすることは不可能なため、原価の上昇による利益幅の縮小等のリスクがあります。
(7)ライセンスブランドに関するリスク
百貨店向け販売商品を中心として、ライセンスを受けた商標による商品展開を行っておりますが、ライセンス契約の中止や打ち切りにより、当該商標による商品の展開が休止に追い込まれ、売上が減少するリスクがあります。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産、負債、収益及び費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する会計方針は、『第5[経理の状況]の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」』に記載しておりますが、「たな卸資産の評価に関する会計基準」の適用、貸倒引当金の設定、返品調整引当金の設定、退職給付債務の計算の基礎に関する事項については、連結財務諸表作成において特に重要と考えられる見積りを行っております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
平成29年3月期においては、売上高で前年同期比6.9%減の176億45百万円、営業利益で同54.4%減の1億90百万円、経常利益で同32.7%減の2億円、親会社株主に帰属する当期純利益で同53.8%減の1億29百万円と前期を大きく下回る成績となりました。
前年同期は、CHOYAからの事業譲り受けに伴い百貨店向け既製品の初回の投入が数字を押し上げた反面、平成29年3月期はその初回投入効果がなくなったことに加え、下記のような減少の要因が挙げられます。
①百貨店様における店頭売上不振
②大手GMS様の在庫過剰に起因する当社向け先物発注の減少
③カジュアル専門店様向け別注商材の減少
反面、紳士服専門店様向け、大手ディスカウンター様向け等の販売等は増加しており、顧客ニーズに対応した販路商材の機動的な提案・販売を行っております。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末から1億円減少の150億67百万円となりました。これはたな卸資産の増加等はあったものの、固定資産の償却が進んだこと等によるものです。当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末から3億70百万円減少の80億65百万円となりました。これは為替予約の時価評価差額がプラスに転じたこと等によるものです。
当連結会計年度末の純資産は、繰延ヘッジ損益の大幅な改善により70億2百万円(前連結会計年度末比2億70百万円増)となりました。
(4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、税金等調整前当期純利益の減少、たな卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ、営業キャッシュ・フローは減少しましたが、借入金の返済が少なかったため、前連結会計年度末に比べ、78百万円増加しました。