文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、創業以来「最大の企業たらんより最良の企業たれ」を社是とし、豊かな感性と大胆な発想によって時代の変化に対応した様々なシャツファッションを提案し、生活文化の向上に寄与することを基本理念としております。
また、「株主・顧客・社員・取引先から信頼される企業」を行動指針とし、収益の向上とともに共存共栄を図ってまいります。
(2)中長期的なグループ経営戦略
当社グループは次なる成長戦略に向け2019年度から2021年度までの新中期3ヵ年計画を策定し、経済環境やライフスタイル、国内小売市場が変化する中、「進化しなければ未来はない」という基本方針の下、小売型の販売管理体制へのシフト、更なるメーカー機能(企画・業務・生産)の強化、海外販売強化体制の構築により、さらなる企業価値向上を目指してまいります。Chance(好機)と捉え、Challenge(挑戦)して、Change(変化)していくというスローガンのもと、次なる成長戦略への体制にシフトする3年間としていきます。
・消費者直接対応の小売型販売管理体制へシフト
より消費者に近い目線・消費者との接点からの発想など、消費者直接対応の小売型販売管理体制にシフトしていきます。消費者直接対応の小売型販売管理体制の具体的な強化策としては、当社オリジナルブランドCHOYA SHIRTの直営店を羽田空港内の複合商業施設内にオープンするとともに、百貨店のシャツ売り場にCHOYAブランドのコーナーを設け、店頭の売上管理、在庫管理などの管理体制も構築していきます。
また、量販店では当社オリジナルブランドSHIRT HOUSE(シャツハウス)のショップを展開しており、現在68店舗から、将来は150店舗まで店舗を拡大する目標で進めています。
実店舗と同様にインターネット販売も強化するため、山喜公式サイトの再構築を行い、インターネットで発注しやすいシンプルな画面の設計、ネット販売専用のオリジナルブランドの商品開発を強化し、売上・利益の拡大を図ってまいります。
・更なるメーカー機能強化(企画・業務・生産)体制へのシフト
ビジネススタイルのオフィスカジュアル化により、スーツからジャケットやシャツが主役となるスタイルに変化していますので、カジュアル化に対応したシャツ・ジャケット・カットソーアイテムの企画・生産・業務の強化を図ってまいります。コスト削減生産体制へのシフトとしては、国内生産4工場におきましては、長崎工場、郡山工場(福島)、鹿児島工場、信州工場(長野)の連携を強化しながら、既製品・オーダーシャツの裁断・縫製ラインの見直しを行い、収益を改善すると同時に、当社の技術力を活かした新型コロナウイルス感染防止の医療用ガウンやシャツ生地を使用したマスクなどの生産にもチャレンジしていきます。
海外生産工場につきましては、バングラデシュの協力工場とも連携して低価格の商品に対応していくと同時に、上海、塩城(中国)、タイ、ラオスの自社工場の特色を活かし、より付加価値の高い生産工場へシフトしていきます。
また、持続可能な社会の形成としてドレスシャツのプラスチック製付属品を2030年までに全廃する取り組みを始めており、環境省の「脱プラスチック・プラスチックスマート」運動にも参画してまいります。
・新規事業領域へのチャレンジ
新型コロナウイルスの感染拡大で不足している医療用ガウンやマスク等の生産により、当社自社工場の生産機能を更に強化し、長年シャツビジネスで培った紡績や合繊メーカーとの素材開発機能を生かし、医療用ユニフォームや法人向けユニフォームの企画・生産・販売の事業領域における、新しいビジネスモデルの構築に向けて、事業領域を拡げていきます。
・海外販売強化体制へのシフト
中国では上海の生産管理子会社を、販売会社にシフトし、中国国内でのオーダーシャツ及びOEM・ODMの受注強化と、CHOYAブランドの海外販売の足掛かりにしていきます。また、アセアン・オセアニア地区では、タイとラオスの工場を中心に、販売体制の強化を更に図ってまいります。欧米での販売につきましては、イタリア素材メーカーとの連携によるOEM・ODMの受注強化と、当社ブランドのCHOYA SHIRTでの販売を強化していきます。
(3)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
国内衣料品をめぐる環境は、消費税増税の影響に伴う個人消費の伸び悩みが見られたうえに、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による需要の減少により、厳しさが継続しております。働き方改革に伴う社会構造の変化やライフスタイルの変化、衣料品に対する消費者の購買行動の多様化など、価値観の変化から低価格志向への対応が求められており、企業間競争は激しさを増しております。特に新型コロナウイルス感染症の拡大後は、感染防止の観点からテレワークやオンラインによる会議の機会が増加し、通勤や外出の機会が減少する可能性があります。多様な働き方を中心にしたライフスタイルの変化に伴い、ビジネスウェアもより快適・機能的かつクールなニュー・ビジネス・スタイルに変わってきています。このような変化に対応すべく、新たな商品アイテムの企画開発を強化してまいります。
国内の小売市場も、今後ますます市場の変化が進むと考えています。小売店の競争環境の変化に伴い、地方百貨店の閉鎖、専門店の寡占化、中堅量販店の業態転換など、衣料品売場の縮小が今後も進むと思われます。この対策として、百貨店販路はCHOYAブランド、量販店販路はSHIRT HOUSEブランドを中心に、オリジナル商品の企画開発を強化し、商品を消費者に直接販売する売場の拡大を図ってまいります。
原材料価格の上昇や生産拠点における人件費の高騰、国内におきましても労働需給の逼迫による人件費、物流費上昇などにより、製造原価や販売・流通コストは上昇傾向にあり、引き続き厳しい経営環境が続くと思われます。特に、上海工場の人件費高騰が著しく、中国国内での付加価値の高いオーダーシャツの受注を強化し、オーダーシャツ工場へシフトすることにより収益を改善してまいります。
また、新型コロナウイルスの感染拡大による影響から、国内外の経済活動が停滞するリスクがあり、感染症の影響が長期化した場合は、収益が減少する可能性があります。そのような状況下におきましても、コストダウンや経費削減等の対策を継続し、収益減少を最小限に抑えるよう努めてまいります。
消費者に直接販売する事で、CHOYAブランドやSHIRT HOUSEブランドのオリジナル商品の認知度を上げ、オムニチャネル化の一環として、消費者を当社インターネットのサイトに勧誘し、EC売上を早急に拡大する事で、収益を改善してまいります。インターネット卸売業は新興勢力が参入し、低価格商品の乱立が見られます。当社は品質に最大の注意を払い、セット販売により低価格ゾーンも充実させ、デフレ傾向の需要にも対応してまいります。
また、当社の主力販路である百貨店チャネル・紳士服専門店チャネル・量販店チャネル以外の領域にも、大手紡績メーカーの素材開発機能や当社グループの生産縫製機能を駆使して、ユニフォームや医療用ガウンなどの新しいビジネスモデルにおける収益構造の確立にもチャレンジしてまいります。
財務基盤を強化するため、在庫削減による有利子負債の圧縮と株主資本利益率(ROE)の向上を、新中期3ヵ年計画の指標とし、財務上の課題として認識しております。
(4)目標とする経営指標
当社グループは、高収益体質の実現に向けて2019年度から2021年度までの新中期経営計画を策定しており、次なる成長戦略への体制にシフトする3年間とし、最終年度の2021年度経営数値目標を連結売上高170億円、連結純利益1.5億円、株主資本利益率(ROE)2.31%、連結有利子負債43億円を目標としていますが、長期的には株主資本の効率化を追究した経営を重視する観点から、株主資本利益率(ROE)5%以上を目標としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)消費者嗜好の変化のリスク
当社の主力商材であるドレスシャツは実用衣料に近く、比較的ファッションのトレンドに需要が左右されることの少ない商材ですが、近年ワークスタイルの変化からスーツ離れが進み、ドレスシャツとカジュアルシャツの区分けがなくなりつつあります。また、ドレスシャツに替わりニット素材のカットソーやTシャツなどの代替商材もビジネスに取り入れられ、よりトレンド変化の影響を受けるリスクが高まっています。当該リスクをチャンスと捉え、大手紡績メーカーと協力して新しい素材の開発や商品企画の立案を行い、積極的にニュービジネススタイルの商品企画を行っています。
(2)天候・自然災害等によるリスク
最近の気候変動、地球温暖化の影響による異常気象により、売上が低迷するリスクがあります。ドレスシャツの中心需要期は新年度の4月前後から盛夏前の期間であり、この間の冷夏や長雨、局地的な暴風雨や洪水などの自然災害により、当社の販売先である小売店の売上や、消費全般が低迷するリスクがあります。当該リスクの対策としては、春夏に需要のピークを迎えるドレスシャツ以外のカジュアルアイテムの販売にも注力し、商品の季節波動の平準化に努めています。
また、当社の海外自社工場の立地国や日本輸送途上において、地震・台風等の自然災害により、生産現場や生産設備が被災し、生産の遅延や輸送の遅延が発生するリスクがあります。当該リスクの対策としては、一定在庫を確保する事で、納期に間に合わない場合の代替品を提供し、お客様の店頭に常に品揃えができる体制を整えています。
(3)品質に関するリスク
当社は品質重視の企業ポリシーのもと、海外生産においても厳しい品質管理基準や体制を敷いて、品質の維持に努めておりますが、大量の不良品や製造物責任にかかる事故が発生した場合には、企業イメージの低下等のダメージを被るリスクがあります。当該リスクを回避するため、当社独自の品質管理マニュアルを作成し、品質の安定に努めると同時に、定期的な巡回指導と品質確認を行い、不良品の発生防止に努めています。
(4)海外生産に関するカントリーリスク
当社の日本国内販売商品の90%は海外生産となっており、生産国における政情不安や紛争・テロ・治安の悪化や大規模災害等が発生した場合、商品の供給が滞るリスクがあります。このようなリスクを回避するため、海外の生産地域を分散し、カントリーリスクが1か所に集中しない様にしています。国別では、日本国内に4工場、海外では中国の上海と塩城、タイとラオスに自社工場があり、その他バングラデシュ、インドネシア、ベトナムなどに協力工場があります。
(5)取引先に関するリスク
取引にあたっては、取引先の信用調査等を行い、取引の可否や取引条件の決定等を行っておりますが、取引先の倒産や予期せぬ経営破たんが生じた場合には、貸倒れの発生や商品供給の遅延などを被るリスクがあります。このようなリスクを回避するため、得意先の与信情報については、与信管理サービスの活用による情報収集を定期的に行っています。また保証会社による得意先のポートフォリオ分析を毎年度行い、一定の基準を設けて包括的なバルク特約付保証取引契約を締結することで、売掛金の貸倒れの発生に備えています。
(6)為替変動に関するリスク
海外工場との取引においては外貨建て支払い条件となっている場合が大半であり、為替レートの変動による原
価の変動を抑制するため、仕入に係る為替予約を実施し、リスクの最小化に努めております。しかし、原価の上昇自体を完全にコントロールすることは不可能なため、円安ドル高による原価上昇により、利益幅の縮小等のリスクがあります。また、期末時点の為替レートにより、外貨建て資産の換算額から為替差損益が発生するリスクがあります。当該リスクに対しては、外貨建ての短期借入を行うことで、為替リスクを抑制しています。
(7)ライセンスブランドに関するリスク
百貨店向け販売商品を中心として、ライセンスを受けた商標による商品展開を行っておりますが、ライセンス契約の中止や打ち切りにより、当該商標による商品の展開が休止に追い込まれ、売上が減少するリスクがあります。
当該リスクに対しては、欧米のライセンスブランドからオリジナルブランドへのシフトを行っています。特にCHOYAブランドについては百貨店売場のブランドコーナー展開や、イタリアのピッティウオモへの出展などによる海外発信など日本製ブランドの拘りを海外にも遡及し、ブランド価値を高めることにより、ライセンスブランドに頼らない商品政策を行っています。
(8)新型コロナウイルス感染症によるリスク
当社グループは、世界的規模で拡大している新型コロナウイルス感染症のリスクに対して、2020年2月に社長の白﨑雅郎を室長とするコロナウイルス感染症パンデミック対策室を設置し、事業部長以上が毎週参加し、不測の事態に備えて迅速な経営判断ができる対応策を議論しています。
政府による緊急事態宣言発令後の当社グループの対応としましては、感染予防や拡大防止に向けた対策を実施し、グループ全体の状況把握に努め、交替で週2日ずつ特別休暇を取得するとともに、部署ごとに在宅勤務と時差出勤を実施しております。当社グループの直営店舗も緊急事態宣言の解除日まで休業し、感染及び拡散の防止を最優先に対応いたしました。今後コロナウイルス感染症長期化のリスク対策は、以下の通りです。
①新型コロナ感染症の長期化によるリスク
新型コロナウイルス感染症の終息は現時点では不透明であり、第2波による政府の緊急事態宣言が発令された場合、大型ショッピングセンターや百貨店などの主要取引先の店舗や施設の休業が当社に及ぼす影響は甚大であります。現状、国内販売セグメントにおけるコロナウイルス感染症の影響は、2021年3月期の第1四半期までには概ね収束し、第2四半期以降は回復軌道に乗るという前提に基づいて当期の業績や今後の業績見通しを試算しておりますが、感染症の影響が長期化した場合は、収益が減少する可能性があります。これらの対策として、生活応援セールなど販売促進強化により、更なるインターネット販売の売上拡大を図り、手元流動性預金を増やすと同時に、調整可能経費の削減を実施していきます。
また、影響が長期化した場合には、銀行の借入融資枠の確保が必要となり、資金繰りに影響がでる可能性があります。これらの対策といたしましては、2020年3月末時点において、手元流動性の現金及び預金の確保や新たに3億円のコミットメント型の融資枠を設定しておりますので、この先短期間での手元流動性に問題は生じないと考えております。
②従業員の感染リスクと事業継続について
従業員が新型コロナウイルスに感染し、社員の間に感染が拡大した場合には、工場における生産業務や物流センターの出荷業務に支障をきたし、操業を停止する可能性があります。これらの対策として当社グループにおいては、社内外への感染防止と従業員及びその家族の健康と安全を確保するため、在宅勤務と時差出勤を実施しております。従業員の感染については、細心の注意を払い本人やその家族に発熱等の症状が出た場合、上記パンデミック対策室で情報を共有し、一定期間出勤を控えるなど速やかに対応しています。
③サプライチェーンの途絶のリスクについて
製造セグメントは、生産拠点や原材料調達地域の分散化を進めてまいりましたが、一部原材料は特定の地域や取引先に依存しており、供給が困難になる可能性があります。当社としては、一定在庫を確保する事で、リスクの低減に努めてまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)における我が国経済は、消費税増税の影響に伴う内需の減少が見られたうえに、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による需要の減少や、米中貿易摩擦の長期化による世界経済の減速等から、国内景気の先行きは厳しい状況となっております。
当社が属するアパレル業界におきましては、働き方改革に伴う社会構造の変化や衣料品に対する消費者の購買行動の多様化と、低価格志向への対応が求められており、企業間競争は激しさを増しております。
このような経営環境のもと、当社グループにおきましては、夏物商戦の前半は冷夏等の影響により苦戦したものの、ビジネススタイルのカジュアル化により、シャツがトップスになる機会が増え、ニット素材の超形態安定シャツやレディースシャツが好調に推移しました。一方下半期は、消費税増税による消費マインドの落ち込みや、相次いで上陸した台風などの自然災害や暖冬の影響で秋冬物商戦が低調に推移するなど、衣料品販売にとっては非常に厳しい状況が続きましたが、コストダウンや経費削減の効果も表れ、春夏物商品の投入も3月の気温が暖かかったこともあり、比較的スムーズに推移しました。新型コロナウイルス感染拡大により、一部の店舗で催事の延期や中止等の影響を受けましたが、当連結会計年度に与える影響は軽微となっております。
この結果、当社グループの当連結会計年度における連結売上高は153億55百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益は94百万円(前年同期は3億68百万円の損失)、経常利益は1億41百万円(前年同期は2億53百万円の損失)となりました。当期の業績及び今後の業績見通しが不透明なことを踏まえて繰延税金資産の回収可能性を検討し、法人税等調整額66百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は76百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失3億8百万円)となりました。
事業セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
1.国内販売
国内販売セグメントは上述の要因により、売上高140億1百万円(前年同期比1.2%増)、セグメント利益53百万円(前年同期は4億21百万円の損失)とセグメント利益の額は大きく改善しました。
2.製造
製造セグメントにおいては、中国(上海)工場の生産効率の悪化により、売上高は34億80百万円(前年同期比2.6%減)、セグメント利益49百万円(前年同期比20.1%減)と減収減益となりました。
3.海外販売
海外販売セグメントにおいては、カジュアル商品の受注減から売上高は2億7百万円(前年同期比25.5%減)、セグメント損失7百万円(前年同期は2百万円の利益)と減収減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ63百万円増加し、10億3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度に営業活動の結果支出した資金は、3億89百万円となりました(前年同期は1億8百万円の収入)。これは主にたな卸資産が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、1億95百万円となりました(前年同期比21.8%の減少)。これは主に有形固定資産の取得による支出や、一部定期預金の預入期間を1年に変更したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得た資金は、6億33百万円となりました(前年同期は51百万円の支出)。これは主に借入金が増加したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内販売(千円) |
9,069,841 |
102.4 |
|
製造(千円) |
1,268,789 |
100.2 |
|
海外販売(千円) |
50,756 |
115.1 |
|
合計(千円) |
10,389,387 |
102.1 |
(注)1 国内販売及び海外販売については製品仕入金額、製造は実際製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
原則として、受注生産は行っておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内販売(千円) |
13,990,427 |
101.2 |
|
製造(千円) |
1,254,126 |
86.2 |
|
海外販売(千円) |
111,438 |
90.4 |
|
合計(千円) |
15,355,992 |
99.7 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記の金額には、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合については、前連結会計年度、当連結会計年度ともに当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、連結売上高は153億55百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益は94百万円(前年同期は3億68百万円の損失)、経常利益は1億41百万円(前年同期は2億53百万円の損失)となりました。当期の業績及び今後の業績見通しが不透明なことを踏まえて繰延税金資産の回収可能性を検討し、法人税等調整額66百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は76百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失3億8百万円)となりました。
業績回復の要因としては、以下の通りです。
・百貨店のオーダーシャツ事業の中で一社化を進め、より単価が高く粗利率の高い百貨店チャネルの売上が拡大したこと。
・オフィスカジュアル化が進み、ニット素材の超形態安定シャツが好調に推移したこと。
・紳士服専門店向けに提案している、レディースシャツの売上が増加したこと。
・統制可能経費の抑制やコストの見直しなど経費削減の効果が表れたこと。
・3月の気温が比較的暖かく、新型コロナウイルス感染拡大前に春夏物の初回投入がスムーズに推移したこと。
・新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、不要不急の外出や出張を禁止し、旅費交通費等の経費が減少したこと。
当社グループは株主資本利益率(ROE)5%以上を達成することを経営目標としておりますが、当連結会計年度では1.2%に留まっております。
業績回復を阻害した要因としては、以下の通りです。
・冷夏と長雨の影響で、夏物の実需期の6月、7月に店頭の売上が落ち込み、夏物が在庫過剰になったこと。
・10月の消費税増税の影響と台風などの自然災害が相次ぎ、10月の売上が前年同期の約70%台まで落ち込んだこと。
・11月、12月は暖冬となり、コートやスーツなどと同様に秋冬物のシャツ販売が低調に推移したこと。
・3月は新型コロナ感染症拡大の影響で、一部の大型催事やセールが中止となったこと。
・運送業者や店頭販売員の人手不足等により、運賃や人材派遣費など一部経費の増加が見られたこと。
主なセグメントの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次の通りであります。
国内販売セグメントにおきましては、売上高140億1百万円(前年同期比1.2%増)、セグメント利益53百万円(前年同期は4億21百万円の損失)と改善いたしました。アイテム別では、主に冷夏や暖冬の影響でドレスシャツやカジュアルシャツの売上が減少いたしましたが、オーダーシャツとレディースシャツは、一部百貨店のオーダー事業の一社化によるシェア拡大や汗染み防止・透け防止等の機能素材を使用したレディースシャツの受注が増加し、売上が前年を上回っております。
アイテム別の売上高と構成比は次の通りであります。
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
売上高 前年同期比(%) |
||
|
売上高(千円) |
構成比(%) |
売上高(千円) |
構成比(%) |
||
|
ドレスシャツ |
10,077,740 |
65.4 |
9,859,185 |
64.2 |
97.8% |
|
オーダーシャツ |
2,483,053 |
16.1 |
2,585,246 |
16.8 |
104.1% |
|
カジュアルシャツ |
2,369,775 |
15.4 |
2,282,001 |
14.9 |
96.3% |
|
レディースシャツ |
381,606 |
2.5 |
527,076 |
3.4 |
138.1% |
|
賃貸料収入 |
97,410 |
0.6 |
102,482 |
0.7 |
105.2% |
|
合計 |
15,409,586 |
100.0 |
15,355,992 |
100.0 |
99.7% |
販売先のチャネル別では百貨店、メンズ専門店、レディース専門店、ネット販売等のチャネルの売上は増収となりましたが、量販店やカジュアル専門店のチャネルの売上が減収となりました。
チャネル別の売上高と構成比は次の通りであります。
|
チャネル名 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
|
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
|
売上高 前年同期比(%) |
||
|
売上高(千円) |
構成比(%) |
売上高(千円) |
構成比(%) |
||
|
百貨店 |
3,822,063 |
24.8% |
4,021,840 |
26.2% |
105.2% |
|
メンズ専門店 |
3,353,675 |
21.8% |
3,405,708 |
22.2% |
101.6% |
|
量販店 |
3,601,552 |
23.4% |
3,288,460 |
21.4% |
91.3% |
|
ネット販売・直営店 |
548,907 |
3.6% |
585,407 |
3.8% |
106.6% |
|
レディース専門店 |
353,795 |
2.3% |
471,676 |
3.1% |
133.3% |
|
カジュアル専門店 |
485,820 |
3.2% |
382,963 |
2.5% |
78.8% |
|
国内その他 |
2,221,457 |
14.3% |
2,312,771 |
15.0% |
104.1% |
|
海外その他 |
924,901 |
6.0% |
784,681 |
5.1% |
84.8% |
|
賃貸料収入 |
97,410 |
0.6% |
102,482 |
0.7% |
105.2% |
|
合計 |
15,409,586 |
100.0% |
15,355,992 |
100.0% |
99.7% |
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、運転資金及び設備等の資金需要については、自己資金を充当することを基本方針とし、営業活動によるキャッシュ・フローの他、一部金融機関からの借入金等により調達しております。自己資金については、当社及び国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、資金効率の向上を図っております。金融機関からの借入金については、資金の効率的かつ安定的な調達を図るため、取引金融機関数行との間でシンジケート型のコミットメントライン契約や当座貸越契約を締結しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、63百万円増加し、10億3百万円となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大に備え、手元流動性預金を増やすため短期借入を実行したため、前期末と比較して現金及び現金同等物が増加しました。 営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加やたな卸資産の増加により3億89百万円の支出となりました。一方、財務活動によるキャッシュ・フローは短期借入金、長期借入金の増加により6億33百万円の収入となりました。たな卸資産の増加は営業活動によるキャッシュ・フローの収入を減少させるだけでなく、有利子負債の増加に直結するため、財務基盤を強化するための重点経営課題として認識し、店頭の消化状況に応じた生産管理を行い、有利子負債の圧縮に努めます。
当社が事業活動により得た利益は、新しい分野への設備投資や株主様に対する利益還元を経営の重要政策と位置付けており、今後も安定的な利益還元を継続していくことを基本方針としております。
しかし、新型コロナウイルス感染症による、得意先様の営業自粛に伴う店舗や施設の休業が当社に及ぼす影響は甚大であり、現時点では、その終息時期が見通せない状況にあります。このような厳しい経営環境の下では、当社の企業体力の維持を最優先と考え、手元流動性の現金及び預金を確保し財務体質を強化することが急務であると判断し、2020年3月期の配当は無配としております。
また、2.事業等のリスクの(8)に記載の通り、新型コロナウイルス感染症の長期化の対応策として、手元流動性の現金及び預金の確保やコミットメント型の融資枠や当座貸越の枠を新たに設定しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産、負債、収益及び費用の計上金額に影響を与えております。会計上の見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に行なっておりますが、前提条件や事業環境などに変化が生じた場合には、見積りと実際の結果が異なる場合があります。特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(たな卸資産)
当社グループの販売目的で保有する棚卸資産について、主として総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)によっており、取得原価と連結会計年度末における正味売却価額のいずれか低い方の金額で切放し法に基づき評価しておりますが、営業循環過程から外れた滞留在庫については、収益性の低下の事実を反映するように、一定の回転期間を超える場合に規則的に帳簿価額を切り下げる方法を採用しております。
日本国内におけるドレスシャツ、カジュアルウエア、レディースシャツの販売事業における製品の「商品コード」単位での標準的ライフサイクルから導いた回転月数指標に基づいて、滞留在庫の識別と一定率による簿価切り下げの方法を採用しておりますが、直近の販売実績やデザイン登録年度又は客先プライベートブランド製品への該当の有無に照らして営業循環過程にあると判断した製品は、その全部または一部を簿価切り下げの対象から除外しております。
日本国内におけるドレスシャツ、カジュアルウエア、レディースシャツの販売事業においては、製品のライフサイクルに急激な変動を及ぼす技術革新は観察されていないものの、需要動向はコントロール不能な天候等の外部環境要因によって大きく変動する可能性があるため、その予測には高い不確実性を伴います。そのため将来における実際の需要動向が見積りより悪化した場合は、追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号)等を適用しております。将来、企業収益が大幅に低下する場合、経済環境の著しい悪化および市場価格の著しい下落等により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは繰延税金資産について、将来の課税所得の十分性やタックスプランニングをもとに、回収可能性があると判断される金額を計上しております。繰延税金資産の評価は、将来の課税所得の見積りと、税務上の実現可能と見込まれる計画に依拠します。市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(返品調整引当金)
当社グループは製品の返品に伴う損失に備えるため、返品調整引当金を計上しております。この返品調整引当金は、過年度の返品実績率及び売上総利益率に基づき計算された返品損失額のうち、当連結会計年度の負担額を計上しています。なお、返品損失額の算定に当たっては、返品実績率及び売上総利益率の発生態様が異なる百貨店チャネルと百貨店チャネル以外に区分し計算しています。返品動向は製品の将来需要等の外部環境要因によって大きく変動する可能性があるため、その予測には高い不確実性を伴います。そのため実際の将来需要が見積りより悪化した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
(退職給付費用及び債務)
当社グループ従業員の退職給付費用及び債務は、簡便法を採用している一部の連結子会社を除き、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に費用化されるため、一般的には将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。