(1)経営の基本方針
当社グループは、「お客様との絆(=信頼関係)を事業基盤とし、業界を究め、新領域に常にチャレンジし、価値創造企業集団としてお客様にご期待以上の満足をお届けすることで、社会貢献する」を経営理念としております。
(2)経営環境
我が国経済は、不安定な国際情勢等に起因するエネルギーや原材料価格の上昇、円安等により物価高騰等の影響が続く状況ではあったものの、インバウンド需要の拡大や雇用・所得環境の改善等により、概ね緩やかな回復基調となりました。一方、海外においては、ロシア・ウクライナ情勢および中東情勢の長期化、中国経済の減速等の下振れリスクを抱え、先行き不透明な状況で推移しました。
当社グループはこのような経営環境のもと、経営理念である「お客様にご期待以上の満足をお届けする」をキーワードに、これまでに培った「お客様との絆」を事業基盤とし、ものづくりや社会インフラサービスを支えることを通じて社会問題を解決してまいります。また、当社グループは、マテリアリティ(重要課題)の解決に引き続き取り組み、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。
<マテリアリティ(重要課題)>
SDGs(持続可能な開発目標)への貢献
当社グループは、事業活動を通じて豊かな社会づくりに貢献することで安定した経営基盤を構築し、事業活動の持続的成長を実現してまいります。当社グループは、具体的なマテリアリティ(重要課題)として、技術革新の取り組み、脱炭素社会への貢献、ガバナンス体制の強化、働きがいのある職場環境への取り組み、環境や社会に配慮した調達・供給の5項目を特定しております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2021年1月に新たな中期経営計画(2021年11月期~2025年11月期)を策定いたしましたが、次の基本方針に基づき、計画達成に向けて成果をあげていくことが当面の課題と考えております。
<中期経営計画の基本方針>
1)既存事業の付加価値の創出・最適化
・既存商権の深化
・戦略商権の発掘
2)新規事業の育成
・社内資源の有効活用
・外部資源の活用による事業化の推進
3)経営基盤の強化
・営業部門間の連携強化および事業部主導の機能別管理体制の構築
・間接業務やマーケティング戦略の最適化
・CSR・SDGs経営への取り組みおよびガバナンスの強化
上記の基本方針に基づき、以下の課題に取り組んでまいります。
① 商社事業・・・・・・・小型電気バス「e-JEST」、次世代ハイブリッド会議ソリューション関連商品をはじめとする新規商権での新たな売上高を確保するとともに、既存商権においても安定した収益を拡大することに努めてまいります。
② プリフォーム事業・・・需要動向に応じた適切な販売・在庫対策を推進するとともに、再生ペレット・再生フレーク関連ビジネスの収益性を早期に改善することで、業績の回復に注力してまいります。
これらに加え、株主還元にも取り組み、1株当たりの利益の最大化を図ってまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、中期経営計画(2021年11月期~2025年11月期)の最終年度(2025年11月期)の目標(連結)を売上高20,000百万円、営業利益1,000百万円、営業利益率5.0%以上、自己資本利益率(ROE)8.0%以上としております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方(サステナビリティの基本方針)
当社グループの企業理念は、お客様との絆を深め、業界について幅広く深い知見を構築し、新しい技術情報を見出してお客様の課題解決にチャレンジするというものです。当社グループは、商社事業およびプリフォーム事業を車の両輪とし、サステナビリティを重視した経営に積極的に取り組み、様々な課題を解決することでステークホルダーとともに持続可能な社会の実現を目指します。
(2)具体的な取組み
① ガバナンス
当社は、2022年9月1日にサステナビリティ推進委員会を設置いたしました。
本委員会は、代表取締役社長の指示のもと、当社グループのサステナビリティ経営における基本方針や戦略の策定、施策の立案、目標に関する進捗管理および重要課題(マテリアリティ)の特定等について審議し、取締役会に報告しております。
本委員会は、当社の代表取締役社長、取締役、執行役員および当社グループ会社の社長等から構成されております。当社の代表取締役社長が委員長を、当社の取締役が副委員長を務め、オブザーバーとして常勤監査役が常時、社外取締役および社外監査役が適宜、本委員会に参加しております。
② 戦略
a.リスク及び機会に対処する取組み
当社グループは、気候変動リスクが人類が直面している大きな事象であることを踏まえ、「脱炭素社会への貢献」と「環境や社会に配慮した調達・供給」を5つのサステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)のうちの2つとして掲げております。当社グループは、商社事業とプリフォーム事業を営んでおりますが、それぞれの事業活動に影響を与えうるリスクと機会について、次のように分析し対応いたします。
(移行のリスクと機会について)
商社事業においては、海外から調達する産業機械等について、現地の環境規制や炭素税の賦課等に起因する仕入価格の高騰や、技術移行の過渡期における調達の遅れがリスクとして考えられますが、直接的な影響は小さく、他分野の幅広い商品を取り扱うことによってリスクの分散ができていると認識しております。さらに、注力する脱炭素社会に向けた新技術を利用した商品や資源の再利用を促進する商品への注目が高まることで、これらに対する需要が拡大することが期待されます。
プリフォーム事業においては、生産するプリフォームがペットボトルとして使用された後、不適切な方法で廃棄されることによって生じる環境汚染の問題や焼却処理に伴って生じる二酸化炭素排出等の問題が依然としてあります。これらの問題に対し、国内連結子会社ではリサイクルPET樹脂でプリフォームを製造するボトルtoボトルの流れを確立しつつあり、現在はお客様のニーズに合わせた製品の開発に注力しております。当社グループはお客様とともに環境負荷軽減に取り組んでまいります。また、同国内連結子会社および一部の海外連結子会社の製造工場に太陽光発電設備を設置し、クリーンエネルギーの活用を促進しております。
(物理リスクと機会について)
商社事業・プリフォーム事業ともに、異常気象による大規模な自然災害が原因で商品もしくは製品の製造がストップしたり、物流ルートが遮断されたりする等のリスクが考えられます。商社事業では、商品の完成遅延や納入遅延、メーカー技術者の渡航不能による納入・検収作業の遅延を予想しておりますが、複数の輸送手段・輸送経路を確保することやトレーニングを受講した当社技術者を中心に納入・検収作業を行うことにより、影響を最小限に抑えてまいります。またプリフォーム事業では、国内で大規模な自然災害等が発生した場合は国内の製造拠点が一か所であるためその影響は大きいものと推測しますが、当社グループの国外製造拠点と連携して一時的に国内の客先向け製品を製造、供給する等の対応をしてまいります。
b.人材育成方針
当社グループは、「お客様との絆(=信頼関係)を事業基盤とし、業界を究め、新領域に常にチャレンジし、価値創造企業集団としてお客様にご期待以上の満足をお届けすることで、社会貢献する」ことを経営理念としており、この理念を実現する人材を育成することを最重要課題の1つとして掲げております。
上記の人材を育成するためには、各職種の専門的な知見だけでなく、ビジネスパーソンとして有するべき知識を取得することも重要であることから、全ての職種においてコンプライアンス、会計、情報セキュリティ、サステナビリティ等に関する社内研修を受講させております。また、次のとおり、それぞれの職種に求める能力に応じて特別な研修やトレーニングを実施しております。
営業職には、各産業分野の動向を把握して時代の先を行く技術を追い求める姿勢と海外メーカーとの高度な交渉力が求められるため、入社後の早い段階から、海外メーカーにおける研修や展示会視察等の実地訓練を積ませ、個別の取引・商権を担当させております。
技術職には、産業機械専門商社のエンジニアとして取扱機械に習熟し、海外メーカーとともに、または時には独力で納入・検収作業およびトラブル対応等を行うことが求められるため、現地における海外メーカーによるトレーニングや、若手を中心に海外講師によるオンラインの英会話研修を受講する機会を与えております。
事務職には、安定した経営管理と営業・技術部門の迅速な支援を行う能力が求められるため、業務にとって有用な外部セミナーの受講を推奨しております。また、各種情報媒体によって新しい法令や業界基準に関する情報を適時に取得し、社内通知および必要な取組みの企画・実行に活かせるようにしております。
なお次世代の経営層候補については、外部講師による役員向けトレーニングに参加させ、役員と同じ視座で経営について考える機会を与えております。また、このトレーニングには、国内外の主要なグループ会社の経営層も参加させており、グループ全体の経営力の向上を図っております。
c.社内環境整備方針
当社グループは、「働きがいのある職場環境整備」をサステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)の1つとして掲げております。働きがいのある職場環境を整備するためには、従業員の基本的人権や多様性が尊重されつつ適材適所で実力を発揮することができる職場環境を整え、また、その基礎となる各従業員の健康管理体制を構築することが重要であると認識しております。さらに、効率的かつ生産的なITシステムを導入する等の業務改善も推進しております。
③ リスク管理
サステナビリティに関するリスク管理については、「
すなわち、当社は、「リスク管理規程」に基づき、当社グループの事業遂行上のサステナビリティに関するリスクにつき、サステナビリティ推進委員会と協力し、リスクの識別・分類・分析・評価を行うことにより、損失発生の未然防止に努めます。また、リスク管理の統括主管部門は、リスクの分析・評価結果を踏まえて、経営会議および取締役会にリスク管理状況およびリスク管理体制を報告・付議し、承認を得ます。危機が発生した場合には、「危機管理規程」に基づいて危機対策本部を設置し、迅速かつ適切な対応を図ります。
④ 指標及び目標
a.環境
当社グループでは、2022年に国際的環境イニシアチブ(SBT)の認定を取得し、気候変動に関連するリスクと機会を評価する指標として、当社グループ全拠点の温室効果ガス排出量(Scope1、Scope2)を採用しております。今後も再生可能エネルギーの活用、省エネ技術の導入、生産プロセスの効率化、資源の有効活用その他脱炭素に向けた各種取組みを実施することで、2030年には2019年度比で46%の温室効果ガス排出量の削減を目指します。
※Scope1:自ら排出した温室効果ガスの直接排出量と定義されており、当社グループ全拠点のエネルギー使用量(ガソリン、軽油、都市ガス、LPG)から算出されます。
※Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出量と定義されており、当社グループ全拠点の電気使用量から算出されます。
b.社内環境整備
社内環境整備方針に関しての指標、目標および実績は次のとおりであります。
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目標 |
実績(当連結会計年度) |
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※提出会社および国内連結子会社の指標、目標および実績となっております。海外連結子会社については、各国の労働法制および運用に違いから除外しております。
※有給休暇取得日数について目標とする期限は、すでに女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画において公表しておりますとおり2026年3月末日までであります。また、男性育児休業取得率について目標とする期限は、2028年11月末日までであります。なお、当連結会計年度において、男性育児休業取得の対象者はおりませんでした。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避、および発生した場合に受けると予想される影響の極小化に最大限努める所存であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)カントリーリスクについて
当社グループは、中国、タイ、インドネシア、ベトナムにおいて商社事業やプリフォーム事業を営んでおります。また、広くアジア、アメリカ、ヨーロッパの国々から商品や原料を調達しております。これらの国々において、政治・経済・法制度・社会情勢が大きく変化した場合や事業活動・投資・輸出入等への規制の強化・変更がなされた場合には、事業活動を計画どおりに遂行できず当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性があります。
なお、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエス・パレスチナ武装勢力間の軍事衝突等により、世界経済の先行きは極めて不透明な状況となっております。これらの情勢の悪化・長期化に起因する原材料価格の高止まりやサプライチェーンの混乱等が続いた場合は、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性があります。
(2)固定資産の減損リスクについて
当社グループは、不動産、機械装置、金型、事務設備備品等の固定資産およびリース資産を有しており、これらは潜在的に収益性の低下による減損リスクに晒されております。当社グループでは、対象となる資産について減損会計ルールに基づき適切な処理を行い、当連結会計年度末時点において必要な減損処理を行っております。しかしながら、今後資産価値がさらに低下した場合は、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性があります。
(3)為替の変動について
当社グループは、海外取引先との輸出入取引を行うほか、海外事業を営んでいるため、外国為替市場の変動によるリスクに晒されております。当社グループの連結財務諸表は日本円建で表示しておりますが、外国為替市場の変動は、外貨建の資産、負債、収益、費用および在外連結子会社の外貨建財務諸表の円貨換算額に影響を与えます。当社グループは、これらの外国為替変動リスクを回避するために為替予約取引を中心としたデリバティブ取引を活用しておりますが、これらはリスクの完全な回避、低減を保証するものではありません。その結果、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性があります。
(4)特定取引先への依存度について
当社グループが生産するペットボトル用プリフォームは主に大口取引先宛に販売しております。当社グループは高品質な製品を安定的に供給できる体制を構築することにより、これら大口取引先との間で長期安定的な取引関係を維持しております。ペットボトル用プリフォームの売上全体に占める大口取引先への売上比率は、今後も高水準で推移することが見込まれることから、これら大口取引先の飲料製品の販売不振、販売計画の変更、経営状況の悪化等による注文の減少に代替販売先等の速やかな確保ができない場合には、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性があります。
(5)自然災害・感染症等のリスクについて
当社グループは日本国内をはじめ中国、タイ、インドネシア、ベトナムにおいて商社事業やプリフォーム事業を営んでおりますが、これらの国々において、大地震や豪雨、竜巻等の大規模な自然災害が発生した場合や新型インフルエンザ等の感染症が流行した場合は、通常の事業活動が困難になるおそれがあります。当社グループでは、事務所として賃借しているビルの耐震構造の確認、定期点検・防災訓練への参加等の対策を講じておりますが、想定を超える自然災害等が発生した場合、設備の損壊、電力等の供給停止、交通や通信の停止、サプライチェーンの被害、人の往来の制限等により、取引先への商品・製品の出荷遅延や停止等に陥り、当社グループの事業活動の継続に影響をおよぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、不安定な国際情勢等に起因するエネルギーや原材料価格の上昇、円安等により物価高騰等の影響が続く状況ではあったものの、インバウンド需要の拡大や雇用・所得環境の改善等により、概ね緩やかな回復基調となりました。一方、海外においては、ロシア・ウクライナ情勢および中東情勢の長期化、中国経済の減速等の下振れリスクを抱え、先行き不透明な状況で推移しました。
このような市場環境の下、当社グループは、2021年1月に策定した中期経営計画の基本方針に基づき、商社事業においては、既存商権で安定した収益を確保したうえでの周辺機器への商権拡大と提案力の向上、無人化や非接触等の社会課題の解決に貢献する商品・サービスの提供に取組んでまいりました。プリフォーム事業においては、生産効率改善の推進、樹脂使用量の削減と再生素材の使用による環境負荷の低減に取組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は18,233百万円(前期比2.2%増)と前期に比べ増収となりましたが、プリフォーム事業において厳しい経営状況が続いたことで営業損失148百万円(前期は営業損失275百万円)、経常損失253百万円(前期は経常損失963百万円)となりました。連結子会社である愛而泰可新材料(蘇州)有限公司の第4・5工場の売却に伴う固定資産売却益、政策保有株式の一部売却に伴う投資有価証券売却益を特別利益として計上したものの、プリフォーム事業の新規事業である再生フレーク事業の事業構造改革に伴う事業構造改善費用を特別損失として計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失98百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失1,026百万円)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(商社事業)
商社事業につきましては、フレキソ印刷機、廃棄プラスチック再生処理機械、医療器具製造装置等の大型機械の検収が完了し、長野県伊那市および栃木県那須塩原市に対して新規商権の小型電気バス「e-JEST」を納車したほか、新規商権の次世代ハイブリッド会議ソリューション関連商品の販売が好調に推移いたしましたが、一部の案件に検収遅延が生じている影響等により、売上高は8,764百万円(前期比15.1%減)となりました。減収とはなったものの、コストコントロールの徹底に努めたこと等により、セグメント利益は628百万円(前期比14.7%増)となりました。
(プリフォーム事業)
プリフォーム事業につきましては、飲料用プリフォームの販売数量が増加したほか、前連結会計年度に連結子会社化した六盤水愛而泰可環保科技有限公司の再生フレークの販売が増収に寄与したこと等により、売上高は9,522百万円(前期比17.3%増)となりました。一部の飲料用プリフォーム製造工場での歩留まり改善を目的とした生産設備のオーバーホールの実施や新規事業である再生ペレット・再生フレーク事業の一時的な初期投資負担の発生の影響を受けつつも、収益性改善に向けた取組みの効果が発現し始めたことで赤字幅が縮小し、セグメント損失は530百万円(前期はセグメント損失606百万円)となりました。
(注)「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」のセグメントの業績に記載している売上高は、セグメント間の内部取引を含んだ金額を記載しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は12,377百万円となり、前連結会計年度末に比べ363百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金、原材料及び貯蔵品が増加したものの、売掛金、前渡金、短期貸付金が減少したことによるものであります。固定資産は7,114百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,690百万円減少いたしました。これは主に、連結子会社である愛而泰可新材料(蘇州)有限公司の第4・5工場の売却に伴い有形固定資産が減少したことによるものであります。
その結果、総資産は19,492百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,053百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は6,993百万円となり、前連結会計年度に比べ1,143百万円減少いたしました。これは主に、リース債務が増加したものの、支払手形及び買掛金、短期借入金、前受金が減少したことによるものであります。固定負債は1,335百万円となり、前連結会計年度に比べ252百万円減少いたしました。これは主に、リース債務が増加したものの、長期借入金が減少したことによるものであります。
その結果、負債合計は8,328百万円となり、前連結会計年度に比べ1,396百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は11,163百万円となり、前連結会計年度末に比べ656百万円減少いたしました。これは主に、配当金の支払いと親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が減少したほか、非支配株主持分が変動した影響によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は58.4%と前連結会計年度比4.2ポイント増加いたしました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて953百万円増加し、4,042百万円(前連結会計年度比30.9%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は454百万円(前期は937百万円の使用)となりました。これは主に、非資金項目の税金等調整前当期純損失241百万円に加え、仕入債務の減少245百万円、前受金の減少381百万円等があったものの、非資金項目の減価償却費816百万円の調整に加え、売上債権の減少295百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は972百万円(前期は2,436百万円の使用)となりました。これは主に、プリフォーム事業の工場設備を主とする設備投資支出689百万円等があったものの、連結子会社である愛而泰可新材料(蘇州)有限公司の第4・5工場等の固定資産の売却による収入1,860百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は445百万円(前期は2,367百万円の獲得)となりました。これは主に、セール・アンド・リースバックによる収入639百万円があったものの、短期借入金の純減額597百万円、長期借入金の返済による支出146百万円、リース債務の返済による支出241百万円等があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年12月1日 至 2024年11月30日) |
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金額(千円) |
前期比(%) |
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プリフォーム事業 |
8,705,956 |
14.9 |
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合計 |
8,705,956 |
14.9 |
(注)1.上記の金額は製造原価によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.商社事業においては、生産活動を行っていないため生産実績を記載しておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年12月1日 至 2024年11月30日) |
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受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
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商社事業 |
9,116,514 |
14.6 |
4,825,823 |
8.4 |
|
プリフォーム事業 |
9,490,338 |
17.4 |
- |
- |
|
合計 |
18,606,852 |
16.0 |
4,823,823 |
8.4 |
(注)1.上記の金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.プリフォーム事業においては、得意先との間で製品の継続的な販売契約を締結しておりますが、販売数量等を確定させていないため受注残高を記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年12月1日 至 2024年11月30日) |
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金額(千円) |
前期比(%) |
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商社事業 |
8,742,864 |
△10.3 |
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プリフォーム事業 |
9,490,338 |
17.4 |
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合計 |
18,233,202 |
2.2 |
(注)セグメント間取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品や原材料等の仕入費用および生産子会社の製造費用、ならびに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主にプリフォーム事業においての生産設備に対する投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な運転資金および設備投資資金については、自己資金で賄うことを基本方針としつつ、不足分は金融機関からの借入またはリースにより調達しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、決算日における財政状態および経営成績に影響を与えるような経営者の会計上の見積りを必要とします。
当社は、会計上の見積りについて、過去の実績、現在の状況等を勘案し合理的かつ慎重に判断しております。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら会計上の見積りと異なる場合があります。また、連結財務諸表の作成に当たり採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、永続的に発展・存続し社会貢献できる企業となるべく、営業利益率および自己資本利益率(ROE)を重要な指標として位置付けております。
2021年1月に策定した中期経営計画(2021年11月期~2025年11月期)では、最終年度(2025年11月期)における営業利益率を5.0%以上、自己資本利益率(ROE)を8.0%以上とすることを目標として定めており、当連結会計年度における営業利益率は△0.8%、自己資本利益率(ROE)は△0.9%であります。
当該指標の達成に向けて、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しました課題に取り組んでまいります。
<最近5年間の営業利益率および自己資本利益率(ROE)の推移>
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第45期 |
第46期 |
第47期 |
第48期 |
第49期 |
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2020年11月期 |
2021年11月期 |
2022年11月期 |
2023年11月期 |
2024年11月期 |
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営業利益率 |
5.0% |
4.4% |
2.7% |
△1.5% |
△0.8% |
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自己資本利益率(ROE) |
5.9% |
5.0% |
3.4% |
△8.4% |
△0.9% |
(注)連結ベースの財務数値により計算しております。
経営上重要な契約はありません。
特記すべき事項はありません。