文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは平成29年11月に、『ジェコスグループ10年VISION』を策定し、目指す企業の姿として以下の3点を掲げました。
●「重仮設リース・施工の企業」から
「地下とインフラのトータル・ソリューション企業」への脱皮
●当社が中心となり、提携・協力企業とのシナジーを発揮する、
ネットワーク・コーディネーション
●先端技術を積極的に導入した、先進的オペレーションの追求
今回策定いたしました中期経営計画は、これらの実現に向けた第一段階と位置づけており、事業領域拡大と一式受注推進のための取り組みに着手するとともに、生産性アップ、働きやすさ向上のための投資を進めてまいります。加えて、既存事業の収益性改善にも注力いたします。
中期経営計画対象期間(平成30~32年度)における当社グループを取り巻く事業環境として、建設需要は引き続き堅調に推移し、老朽化インフラの更新が増加していくものと想定されます。また地域ごとには、東北の震災復興需要が漸減する一方、都市部では大型プロジェクト等をはじめ需要増加が見込まれます。一方、労働人口減少と高齢化が進展して人手不足はさらに深刻化する中、働きやすさの向上により一層真摯に取り組む必要があるものと考えております。
主な取り組みは、以下の通りです。
① 地下工事一式受注、橋梁関連インフラ・メンテナンス事業の推進
地下工事においては、杭打ちや架設解体のみならず、周辺分野にも対応範囲を拡大し、それらをワンストップで受注するための取り組みに着手いたします。
インフラ・メンテナンスにおいても、橋梁関連を中心に対応工種、商品を拡大し、今後増加する老朽インフラ更新需要に幅広く対応できる体制を整備してまいります。
また、これらを早期に実現するために人材育成を強化し、技術力、管理レベルのさらなる向上を進めます。
② 建機事業の拡大
建機子会社が拠点を有していない地域への出店を進め、事業エリアの拡大を進めます。
また、地下工事、インフラ・メンテナンスの事業領域拡大に合わせて機種のラインナップも拡充し、対応分野の拡大も図ります。
③ 既存事業の収益性改善
重仮設事業は、今後需要の増加が見込まれる首都圏をはじめとする都市部へ材料、人員をシフトし、経営資源の効率性を高めるとともに、今後さらに需給が逼迫化する物流、工事要員の確保に注力します。
加工事業では、長沼工場の製造体制を強化し稼働率を高めるとともに、大阪工場を西日本における加工製品製造拠点とすべく、体制を強化いたします。
また、いずれの事業についても、品質の向上を進めながら、鋼材価格や物流費、労務費のコストアップに応じた価格の適正化に取り組み、収益基盤を強化してまいります。
④ 海外展開の拡大検討
ベトナムにおける重仮設事業を収益化するとともに、ASEAN地域での展開、および建機事業の海外展開について、検討を進めてまいります。
⑤ 生産性と働きやすさ向上のための投資強化
鋼材の自動整備機械の導入をはじめとする、工場業務の安全性向上、効率化のための設備投資を推進いたします。管理部門においても、RPA、AI等の先進技術を積極的に導入し、事務作業の生産性向上を図ります。
⑥ 株主還元の強化
配当性向を30%程度にまで高め、株主の皆様への還元を強化してまいります。
なお、主要財務指標の、最終年度(平成32年度)における数値目標は以下の通りです。
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中期経営計画 (平成32年度目標) |
参考 平成29年度実績 |
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収益目標 (連結) |
売上高 |
1,200億円 |
1,048億円 |
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経常利益 |
85億円 |
63億円 |
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ROS |
7% |
6.0% |
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財務目標 (連結) |
ROE |
10%程度 |
9.2% |
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自己資本比率 |
50%程度 |
50.0% |
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D/Eレシオ |
20%程度 |
13.2% |
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配当性向(連結) |
30%程度 |
24.6% |
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次期の建設業界は、都市部では大型プロジェクトの出件が継続しており、公共投資も平成29年度補正予算の執行もあって底堅く、東北地方の復興需要の減少は見込まれるものの、需要は引き続き堅調に推移するものと想定しております。一方、労働力不足、物流の逼迫化はさらに進展し、これに伴うコストアップの影響が増すものと懸念されます。
このような経営環境において当社グループは、材料と工事の一括受注の拡大、品質向上、コスト削減を引き続き推進するとともに、コストアップ要因の抑制に一層注力し、価格の改善に努め、収益力の向上を目指してまいります。
また、平成29年11月に策定した『ジェコスグループ10年VISION』の実現に向け、事業領域拡大の取り組みに着手するとともに、新商品・新工法開発の推進等、技術力の向上を進め、生産性アップと働きやすさ向上のための自動化投資等にも取り組んでまいります。
さらに、ジェコス・ベトナムの受注活動強化にも取り組み、早期に収益に貢献することを目指してまいります。
以上の諸施策を実施する結果、次期の連結業績の見通しにつきましては、売上高105,000百万円、営業利益6,300百万円、経常利益6,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は4,500百万円を見込んでおります。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループの主たる取引先は建設会社であり、事業環境としては建設業界の事業環境と一体であります。したがって当社グループの経営成績は民間建設投資および公共建設投資の動向により影響を受ける可能性があります。
当社グループでは取引先の信用度合による与信限度枠を設定し、不良債権の発生防止に努めておりますが、取引先の倒産により貸倒損失が発生した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは作業に従事する建設作業所や資機材の補修および修理工場において、安全・防災・環境管理部のもと社員や協力会社の作業員に対して安全衛生管理の徹底、啓蒙活動を行っておりますが、予期せぬ事故による納入遅延や工期の遅れ等により、損失補償の責任を負う可能性があります。
当社グループの取扱商品の一部(H形鋼等)は市況商品であり、仕入価格、販売価格等の変動など、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおける事業活動への投資資金の一部は金融機関からの借入金を原資としており、金利の変動がある場合には、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが保有している上場株式の株価が変動した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが所有する固定資産について、収益性の低下や時価の下落に伴う資産価値の低下は、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
地震や台風などによる大規模な自然災害や、その他の予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
海外への投資、海外顧客との取引については、対象国の政治・経済情勢等が大きく変動する場合、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
外国通貨での取引については、為替レートが変動した場合、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度末における資産の部は、前連結会計年度末と比較して1,511百万円(1.5%)増加し、100,112百万円となりました。
これは主に、固定資産が1,454百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末における負債の部は、前連結会計年度末と比較して1,982百万円(3.8%)減少し、50,077百万円となりました。
これは主に、支払手形及び買掛金と電子記録債務を合わせた仕入債務が2,327百万円増加した一方、借入金が4,300百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末における純資産の部は、前連結会計年度末と比較して3,493百万円(7.5%)増加し、50,035百万円となりました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益4,434百万円を計上した一方で、剰余金の配当1,092百万円(前期末配当1株当たり18円、中間配当12円)の支払いを実施したことによるものです。
セグメント別の概況は以下のとおりです。
当連結会計年度末におけるセグメント資産は、前連結会計年度末と比較して906百万円(1.0%)増加し、92,296百万円となりました。
これは主に固定資産が1,064百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末におけるセグメント資産は、前連結会計年度末と比較して463百万円(5.1%)増加し、9,627百万円となりました。
これは主に固定資産が431百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度(当社第51期)におけるわが国経済は、底堅い内外需を背景に緩やかな回復基調が続いているものと見られます。しかし今後については、米国の通商政策見直しによる影響をはじめ、国内外ともに景気下振れが懸念されます。
当社グループの属する建設業界におきましては、首都圏での大型プロジェクトや公共投資を中心に需要は堅調に推移し、工事の進捗も概ね順調であったことから、当社の仮設鋼材や工事用機械の一部は高い稼働率となりましたが、一方で労働力不足、物流の逼迫化に伴うコストアップの傾向は拡大しました。
このような経営環境のなか、当社グループでは、従来以上に採算性を重視した受注活動とコスト削減の取り組みを継続するとともに、コストアップ影響の抑制に注力し、収益の確保に努めてまいりましたが、当連結会計年度におきましては、売上高は104,825百万円(前年同期比6.2%増)となったものの、利益につきましては、営業利益5,847百万円(前年同期比6.1%減)、経常利益6,312百万円(前年同期比4.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,434百万円(前年同期比1.4%減)となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりです。
仮設鋼材事業におきましては、首都圏を中心に堅調な需要を取り込むべく、材料と工事の一括受注の拡大を推進するとともに、調達コストの圧縮等により採算性向上に努めました。また、平成29年4月に工事本部を新設し、施工体制の整備と技術力のさらなる強化を進めております。
「Ecoラム工法」「GSS-SPA工法」といった独自技術による受注も順調に伸び、仮設橋梁事業も初の海外受注となるラオスの案件に採用されるなど、事業規模を拡大しました。
以上の施策等により、売上高95,942百万円(前年同期比7.1%増)、経常利益5,477百万円(前年同期比1.9%増)となりました。
建設機械事業におきましては、堅調な需要を背景に売上高は13,240百万円(前年同期比1.2%増)となったものの、東北地区の需要減少の影響等により、経常利益は1,424百万円(前年同期比14.7%減)となりました。
以下、「生産、受注及び販売の状況」に記載の金額には消費税等は含まれておりません。
仮設鋼材事業における工場の主たる業務である、建設仮設材の復元修理作業ならびに鋼製山留材等の建設仮設材および各種製品の製作加工について記載しております。
なお、建設機械事業は、生産に該当する事項はありません。
当連結会計年度の製作加工および修理実績を販売価格により示せば次のとおりであります。
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区分 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
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製作・加工 |
建設仮設材(百万円) |
1,321 |
104.8 |
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製品(百万円) |
8,815 |
10.2 |
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小計(百万円) |
10,136 |
17.3 |
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修理 |
建設仮設材(百万円) |
1,486 |
△0.4 |
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合計(百万円) |
11,621 |
14.7 |
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当社グループが取り扱う主要な商製品等については、出荷直前に取引契約の締結を行うという業界の慣習、取引形態の特殊性により、受注高の集計を行っておりません。
当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
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仮設鋼材(百万円) |
95,942 |
7.1 |
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建設機械(百万円) |
13,240 |
1.2 |
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計(百万円) |
109,182 |
6.3 |
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調整額(百万円)(注)1 |
△4,358 |
― |
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合計(百万円) |
104,825 |
6.2 |
(注)1 調整額は、セグメント間の内部売上高又は振替高の消去額であります。
2 前連結会計年度および当連結会計年度における主な相手先別の売上実績および当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。
なお、前連結会計年度の清水建設株式会社に対する売上実績は、総売上実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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|
清水建設株式会社 |
― |
― |
10,808 |
10.3 |
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度と比較して738百万円(52.0%)増加し、2,156百万円となりました。
なお、各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、8,912百万円(前年同期5,578百万円)となりました。
これは主に、減価償却前の税金等調整前当期純利益8,347百万円を計上したことによるものです。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、△2,771百万円(前年同期△1,652百万円)となりました。
これは主に、賃貸用建設機械の取得による支出が2,168百万円、工場の建屋、機械装置等の取得による支出が631百万円となったことによるものです。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、△5,404百万円(前年同期△3,996百万円)となりました。
これは主に、借入金の返済による支出が4,300百万円、前期末および当期中間配当金の支払額が1,092百万円となったことによるものです。
当社グループの主要な資金需要は、建設仮設材および賃貸用建設機械の仕入費用、仮設工事の外注費、各種製品の製作加工費等営業活動に伴う支出ならびに設備投資に伴う支出であります。また今後、平成30年4月に策定した中期経営計画に基づき、事業領域の拡大および先端技術の導入等に対する投資を推進してまいります。
必要資金の大半は営業収入により確保し、事業拡大のために増額する投資資金および一時的に不足する運転資金については金融機関からの借入により調達しています。また、当社および連結子会社において資金の融通を行い、効率的な資金活用を進めています。
該当事項はありません。
仮設鋼材事業において、環境問題対応、仮設工事とその周辺事業分野でのニーズ対応、安全性向上について、積極的に研究開発活動を行っております。研究開発の基本方針および目的は以下に掲げるとおりであります。
1.新商品・新工法の研究開発を通じ、得意先からの要望に応え、新たな需要を創出する。
2.既存の商品・工法・生産方法を改良、改善することにより、他社との差別化を図る。
3.既存製品の改良、改善および研究開発活動の成果に対する拡販活動を活発にする。
4.工場の作業に関して、安全治具・装置を改良、改善することにより、労働災害の撲滅を図るとともに、自動化を推進することにより、生産性向上を図る。
各担当役員を中心とした「技術・事業開発委員会」を通じて、営業、調達、設計、施工、加工の各分野を横断した検討やニーズの発掘により、当連結会計年度において取り組んだ技術開発テーマは6件、これらのテーマに関連した特許申請は2件であり、研究開発費の総額は28百万円となりました。
また、毎年技術力のレベルアップと新技術の発掘を目的とした「技術発表会」を開催しております。これは、日常業務での工夫やアイデアの共有化・蓄積を図り、自由な発想で新規事業や新工法・製品のアイデアを抽出し、将来の収益基盤となり得る開発テーマを探求することを目的とするもので、市場ニーズに合った研究開発活動を行うように努めております。
なお、当連結会計年度における研究開発活動の主な成果および概要は以下のとおりであります。
(1) コラム切梁システムに関する開発
近年、建設業界においては労働力の確保や仮設工事の省力化が課題となっております。当社では、仮設工事の省力化を可能とするコラム切梁システム「Ecoラム工法」を開発しました。この工法は、山留工事の経済性向上、工期短縮を可能にし、作業空間を広くすることで地下工事の施工性と安全性、構造物の躯体品質の向上に寄与するものであります。
「Ecoラム工法」は、平成26年8月の市場投入以来、平成30年3月で累計納入量が1万トンを突破しました。官公庁工事を含め、受注件数・重量ともに実績を積み上げ、国内の全営業拠点で納入実績を重ねております。今後は「Ecoラム工法」適用拡大に向けた製品の開発に取り組んでまいります。
(2) 鋼矢板を活用した合成地下壁構築技術の開発について
弊社はJFEスチール㈱、㈱大林組と3社共同で、地下壁の施工に際し、仮設土留め壁として利用した特殊な鋼矢板と鉄筋コンクリートを一体化させて本設の合成地下壁を構築する「J-WALLⅡ工法」を開発し、一般財団法人 国土技術研究センター(JICE)より、平成27年12月3日付で建設技術審査証明を取得しております。
この工法は合成構造用鋼矢板(製品名:ビートルパイル)を仮土留め壁として利用し、地盤掘削後の後打ち鉄筋コンクリート部と一体化させることにより、本設の合成地下壁を構築する技術であります。当連結会計年度では、建築の耐震補強工事に採用され、現在データの収集を行っております。