第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1) 中期経営計画における施策

当社グループは、前中期経営計画期間(2018~2020年度)を『ジェコスグループ10年VISION』の第一段階と位置づけ、既存事業の収益力強化、事業拡大分野の体制整備、生産性と働きやすさ向上のための投資といった、基盤確立の施策を推進してまいりました。
 これに続く第二段階として、2021年4月に策定いたしました中期経営計画では、重仮設事業の競争力をさらに高めて業界トップシェアのポジションを盤石化するとともに、周辺事業の規模拡大を加速させ、事業規模・利益水準ともに拡大を目指します。
 堅調な需要は想定されるものの、温暖化・自然災害・感染症等、その影響が想定し難い環境変化も予想される中、さまざまな変動要因に柔軟かつスピード感をもって対応し、『10年VISION』で掲げる「安心、安全な社会の建設に貢献し、働きがいの向上を追求する企業」の実現に向け、企業価値向上を進めてまいります。

 

[事業環境認識]

 

中期経営計画対象期間(2021~2024年度)における当社グループを取り巻く事業環境として、建設需要は長期的には、再開発案件、老朽化インフラの更新、災害対策等により、堅調に推移するものと想定されます。また、首都圏以外でもリニア、大阪万博、北海道新幹線といったプロジェクトに関連する案件が控えています。
 

 

[主な取り組み]

 

① 重仮設事業のコスト競争力向上とシェア拡大

主力事業である重仮設の賃貸、工事については、直接的なコストの削減のみならず、管理業務関連を中心とした生産性アップ、技術レベル向上による顧客指向提案力の強化等、総合的なコスト競争力を磨き、売上規模・利益水準の拡大に注力いたします。

 

② 加工事業の規模拡大

もう一つの柱である加工事業については、専用工場を有するという特色を活かしてシナジーを最大限に発揮するとともに、全国各地域での営業強化、対応可能製品の拡充を進め、事業規模の拡大を図ります。

 

③ 地下工事一式受注、仮設橋梁事業、インフラメンテナンス事業の成長加速

地下工事一式受注は、前中期経営計画期間に水処理、地盤改良、本杭工事等で実績を積み重ねてまいりましたが、さらに技術レベルの向上を進め、「地下工事のプラットフォーマー」としてのポジション確立を目指します。
  仮設橋梁事業、インフラメンテナンス事業では、受注活動の強化、競争力のある新商品開発を進め、特色ある事業として市場で存在感を持つ規模まで育成してまいります。
  これらの事業については、JFEグループとの連携強化、M&Aを含めたパートナー企業選定を進め、成長を加速させます。

 

④ 建機事業の収益力向上

堅調な需要が見込まれる土木分野をはじめ、新たな需要を掘り起こし、これに合わせた体制強化、新商品投入を進めます。併せて、自社及び提携等による事業エリア拡大にも、引き続き取り組みます。さらに、建機関連システムのリフレッシュ等により管理業務の生産性を改善し、収益力を向上させます。

 

⑤ 海外展開における事業モデル再構築

ベトナム事業については、進出当初に想定していたODA案件対応だけではなく、現地パートナーとの提携、ジェコスの技術力を生かした事業の展開等により、収益を上げられる構造に転換することを目指します。

 

⑥ ICT推進、人材育成

上記の施策を遂行するにあたり、昨年来のコロナ対策として従来以上に進めてきたペーパーレス・押印廃止等の執務環境整備をICTによりさらに推進します。あわせて社内のチャレンジ・マインドを高め、意思決定をスピードアップするために、キャリアや年齢、性別を問わず、すべての社員が生き生きと活躍できるよう、各階層でレベルアップした人材育成に向けた取り組みを進めます。

 

なお、主要財務指標の、最終年度(2024年度)における数値目標は以下の通りです。

 

 

中期経営計画

(2024年度目標)

参考

2021年度実績

2022年度実績

収益目標

(連結)

売上高 

1,400億円

1,140億円

1,205億円

経常利益 

100億円

52億円

49億円

ROS 

7%

4.6%

4.1%

財務目標

(連結)

ROE 

10%程度

5.7%

5.8%

自己資本比率 

60%程度

55.2%

54.2%

D/Eレシオ 

実質無借金継続 

3.6%

(実質無借金)

3.8%

(実質無借金)

配当性向(連結) 

30%程度

38.3%

36.8%

 

 

[SDGsへの取り組み]

  当社が掲げる「安心、安全な社会の建設への貢献」というコンセプト及び鋼材をリースし再利用するという事業モデルそのものが、SDGsに合致するものと考えております。
  その上で、個別には再生可能エネルギーやゼロカーボン投資に関連する案件を通じた持続可能な社会の実現、ベトナムはじめASEANでの活動による発展支援も行っています。また社員との関係では、安全と健康の確保を最優先とすることはもちろん、性別を問わず活躍の場を用意し、働きがいの向上に資する施策を進めています。
  中期経営計画期間においてもこれらの取り組みを継続してまいります。 

 

(2) 次期の経営環境と課題

2023年度の事業環境は、足下は厳しい状況が続くものの、大型物件の立ち上がりが徐々に本格化し、需要は上向くと見ています。一方、諸物価の高騰は当面続くものと見込まれます。

そのような中、重仮設事業ではコストアップを反映した価格適正化に最重点を置き、LRBの追加導入や㈱オトワコーエイとの連携強化による工事採算性アップ、敷鉄板供給拠点の新設、工場への多品種水洗機導入等による生産性向上も進めます。加工分野においては、対応品種を拡大すること等により受注増加に注力します。また仮設橋梁を自社品化し、東西にヤードを新設して事業拡大を図ります。海外については本格的展開の第一歩として、シンガポールのFUCHI Pte. Ltd.へ資本参加を行います。これらの施策を実施するものの、売上高は引合物件の形態構成差により微減、経常利益も人的資本への投資等による販管費の増加があり微減の計画としております。

 

建設機械事業では、ジェコスとの協業や拠点間の連携を強化し、賃貸用資産の機動的配置や構成見直しを行うとともに、BROKK(無人施工ロボット)の拡販を強化すること等により、増収増益を計画しています。

以上により、2023年度の連結業績見通しにつきましては、売上高120,000百万円、営業利益4,650百万円、経常利益5,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3,300百万円を見込んでおります。なお、セグメント別の業績見通しは下表の通りです。

(単位:百万円)

 

2023年3月期 実績

(2022/4~2023/3)

2024年3月期 予想

(2023/4~2024/3)

前年同期比

第2四半期(累計)

通期

第2四半期(累計)

通期

第2四半期(累計)

通期

増減額

増減率(%)

増減額

増減率(%)

売上高

54,575

120,521

56,500

120,000

1,925

3.5

△521

△0.4

 

重仮設事業

48,754

108,744

50,300

106,700

1,546

3.2

△2,044

△1.9

 

建設機械事業

6,925

14,254

7,100

15,000

175

2.5

746

5.2

 

調整額 ※

△1,104

△2,477

△900

△1,700

204

 

777

 

経常利益

1,817

4,903

2,000

5,000

183

10.1

97

2.0

 

重仮設事業

1,767

4,844

2,000

4,700

233

13.2

△144

△3.0

 

建設機械事業

202

206

100

450

△102

△50.4

244

118.9

 

調整額 ※

△151

△146

△100

△150

51

 

△4

 

 

 

※ セグメント売上高の調整額はセグメント間の内部売上高又は振替高の消去額であり、セグメント利益の調整額は連結調整であります。
 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ課題全般への取り組み

①ガバナンス

持続可能な環境、社会の実現と企業価値の向上に向けての当社グループの取り組みの方針として、2022年6月に「サステナビリティ課題への取り組みの基本方針」を取締役会で決定しました。

上記方針においては、必要なガバナンス体制を構築し、特に下記の重点課題に取り組むことにより、ステークホルダーへの社会的責任を果たし、持続可能な社会の発展に貢献する、こととしております。

 

・鋼材のリユースを中心とした事業モデルを常に進展させ、資源循環型経済の実現に取り組む

・サプライチェーン全体の温室効果ガスの排出削減に取り組む

・災害復旧に貢献するとともに、防災、減災、国土強靭化の実現に取り組む

・関係するすべての人の人権を尊重するとともに、その安全と健康の確保に取り組む

・従業員の働きがいの向上と、多様な人材の活躍の場の提供に取り組む

・社会との協調を図り、積極的に社会貢献活動に取り組む

 

上記課題への取り組みについては、サステナビリティ委員会(2023年4月にCSR推進委員会から名称変更)や技術・事業開発委員会において検討・審議し、その内容を社長へ答申した上で、状況に応じて取締役会に報告することとしております。

 

リスク管理

サステナビリティ委員会内に設置する、人事労働部会、安全・防災・環境・BCP部会、内部統制・コンプライアンス部会、グループ環境部会、意識・活動定着部会の各部会において、上記サステナビリティ課題への具体的取り組みを検討・推進するとともに、それぞれの課題に関わるリスクを把握・評価し、その内容についても委員会にて検討・審議しております。また、内部統制・コンプライアンス部会においては全社横断的なリスクの把握・評価も行っており、委員会活動の中での連携を図っています。

 


 

(2)人的資本への取組み

人材の多様性の確保や各々の業務領域の拡大の観点から、人材育成方針とそれに基づく充実した教育カリキュラムを策定し、計画的なOJTと階層等に応じた各種研修を行っております。

 

*人材育成方針

挑戦意欲が高く、環境変化へ柔軟に対応できる人材を目指し、多様な人材がそれぞれの力を最大限に発揮できる場を提供し、成長できる仕組みを構築していきます。社員一人一人の成長と働きがいの追求により、企業価値向上につなげ安心・安全な社会の建設へ貢献し続ける企業を目指します。

 

対象層

各層の目指すべき姿

マネジメント層

中長期的な目標達成に向けて、当事者意識・チャレンジ精神を持ち環境変化に柔軟な発想を備え行動する

中堅層

次期マネージャー候補の育成として早期にマネジメント基礎を習得させ、後輩育成とともに視野を広げていく

若手層

当社事業内容や製品知識の習得を行い、OJTマニュアルを通じ各部署での業務レベルアップを図る

 

 

研修制度


 

 

また、併せて、当社は社員の働きがいの向上や労働環境の改善、健康の確保等に向けての社内環境整備方針を策定し、それに基づくさまざまな取り組みを進めるとともに、その具体的目標と実施状況の開示も行っております。

 

*社内環境整備方針

社員一人一人の働きがい向上に向けて、労働環境改善や柔軟な働き方の制度整備を進め、仕事と育児・介護の両立可能な社内環境を目指します。また、生活習慣病・メンタルヘルス・食生活改善等の健康経営にも注力し、数値目標を掲げています。

 

取組み事例

・フレックスタイム制

 


・在宅勤務

・年休70%取得目標

・女性活躍リーディングカンパニー認証(大阪市)

・特定保健指導

 

 

 


 

 

(3)気候変動への取り組み

重仮設事業では賃貸用鋼材の90%をリユースし、また最終的にはスクラップとしてリサイクルしており、事業自体が循環型社会構築への貢献、温室効果ガス削減に大きな役割を果たしていると考えています。気候変動への取り組みは、極めて重要な課題と認識しており、「鋼材のリユースを中心とした事業モデルを常に進展させ、資源循環型経済の実現に取り組む」、「サプライチェーン全体の温室効果ガスの排出削減に取り組む」をマテリアリティとして設定しています。

当社では、気候変動に関するグループの取り組みを主導するため、2022年5月にサステナビリティ委員会の下にグループ環境部会を新たに設置し検討を進めてきました。グループ環境部会は、技術部門と経営企画部門の担当執行役員が共同で部会長を務め、全社横断で取り組みを推進しています。グループ環境部会での検討内容は、代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会で協議し、取り組み内容の決定、進捗確認を行っています。また議論の内容は、取締役会へ報告され、取締役会は重要な経営・事業戦略として議論し方針を決定するのに加え、気候変動課題への実行計画等について監督を行っていきます。

2022年度は、グループ環境部会において温室効果ガス排出量の削減目標並びに取組内容について検討し、サステナビリティ委員会で議論、決定のうえ2023年3月に取締役会において方針決議しました。当社は、2050年までに当社グループの温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指して、2030年に向けた温室効果ガス排出量の削減目標を策定しました。

また、当社は2023年4月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に賛同を表明しました。今後グループ環境部会において、将来の気候変動が事業活動に与えるリスク、機会及び財務影響について、シナリオ分析の手法を用いて評価し、2024年3月までに、TCFDのフレームワークに沿った内容での情報開示を当社ホームページにて行ってまいります。

 

当社単体の温室効果ガス削減目標

対象Scope

目標(2021年度比)

2021年度実績(t-CO2e)

Scope1及びScope2

2030年度までに2021年度の温室効果ガスの排出量を30%削減

15,850

Scope3

(カテゴリ1※1,4,5)※2

2030年度までに2021年度の温室効果ガスの排出量を20%削減

362,990

 

※1 購入した鋼材、セメントが対象

※2 Scope3総排出量の75%を占め自社の削減努力を反映できる品目が対象

 

2021年度の当社単体の温室効果ガス排出量のScope別並びにカテゴリ別の内訳については、当社ホームページに開示しております。なお2022年度の排出量については、算定完了後速やかに当社ホームページに開示いたします。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項及びリスク対策は以下の通りであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 建設業界に対する依存度について

当社グループの主たる取引先は建設会社であり、事業環境としては建設業界の事業環境と一体であります。したがって民間建設投資及び公共建設投資の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 与信管理について

当社グループでは取引先の信用度合による与信限度枠を設定し、不良債権の発生防止に努めておりますが、取引先の倒産により貸倒損失が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 事故等による影響について

当社グループでは作業に従事する建設作業所や資機材の補修及び修理工場において、安全・防災・環境管理部のもと社員や協力会社の作業員に対して安全衛生管理の徹底、啓蒙活動を行っておりますが、予期せぬ事故による納入遅延や工期の遅れ等により、損失補償の責任を負う可能性があり、その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 価格変動の影響について

当社グループの取扱商品であるH形鋼、鋼矢板、鋼製山留、覆工板及び鋼板等の販売価格は市況価格や原材料である鋼材価格の変動の影響を受けます。コスト削減策や販売価格への転嫁等の取り組みを行っておりますが、販売価格が低迷した場合、鋼材価格が高騰した場合及びこれらの施策が想定通りに進まなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 金利変動の影響について

当社グループにおける事業活動への投資資金の一部は金融機関からの借入金を原資としており、金利の変動がある場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 株価の変動について

当社グループが保有している上場株式の株価が変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 固定資産の価値下落について

当社グループが所有する固定資産について、収益性の低下や時価の下落に伴う資産価値の低下により、固定資産の減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 退職給付債務について

当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合には、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 自然災害による影響について

地震や台風などによる大規模な自然災害や、その他の予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) カントリーリスクについて

海外への投資、海外顧客との取引については、対象国の政治・経済情勢等が大きく変動する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(11) 為替レートの変動について

外国通貨での取引については、為替レートが変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 経済環境の激変による影響について

金融恐慌、新型コロナウイルス等の感染症の拡大等、世界規模で経済環境が大きく変動する事象が発生した場合には、建設投資需要が大幅に落ち込む等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)情報セキュリティについて

当社グループの有する顧客、取引先及び当社グループの機密情報や個人情報は、情報管理の諸規定を制定することによりグループ全体で徹底した管理を実行しておりますが、過失や盗難、外部からの攻撃等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)親会社との関係について

JFEホールディングス㈱及びJFEスチール㈱は当社の親会社であります。当社が取扱う建設仮設材の一部は、JFEホールディングス㈱の傘下のグループ会社で構成されるJFEグループから調達しております。従って、同グループの当社グループに対する事業戦略等に変更が生じた場合には、取引の増減等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)法的規制について

当社グループの事業のうち、重仮設事業は、建設業法に定められた一般建設業や特定建設業の許可を受けており、取引を行う場合には必須事項となっております。これらの許可の取消や停止事由が発生した場合、又は当該法規制の改廃や新たな法規制が設けられた場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)企業買収、組織再編等について

当社グループは、自社の成長をより加速するため、また当社グループの既存並びに新規の事業を補完・強化するために、必要に応じて企業や事業の買収、組織再編等を行っております。

当該行為に際しては、入念な調査、分析、検討を行っておりますが、買収、組織再編時点では想定できなかった収益性の低下等の不測の事態が生じる場合や、グループ会社間におけるシナジーが当初想定したほど発揮されない場合等には、のれんに係る減損損失の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

これらのリスクに対するリスク管理体制を「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載の通り整備し、リスクマネジメント活動を行っているほか、リスク発生の可能性を認識した時点で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1)当期の財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産については、㈱オトワコーエイの株式取得等により固定資産が3,468百万円増加したことに加え、棚卸資産が1,783百万円増加、電子記録債権が1,670百万円増加したことに対し、預け金を5,800百万円取り崩したこと等により前連結会計年度末に比べ1,233百万円(1.1%)増加し、108,980百万円となりました。負債は、仕入債務が1,014百万円増加したこと等により前連結会計年度末に比べ1,558百万円(3.2%)増加し、49,876百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益3,428百万円を計上した一方で、自己株式の取得2,291百万円を実施したことと、剰余金の配当1,274百万円(1株あたり前期末配当20円、中間配当15円)の支払いを実施したこと等により前連結会計年度末に比べ325百万円(0.5%)減少し、59,104百万円となりました。

 

セグメント別の概況は以下のとおりです。

 

重仮設事業の当連結会計年度末におけるセグメント資産は、㈱オトワコーエイの株式取得等により固定資産が3,513百万円増加したことに加え、棚卸資産が1,775百万円増加、電子記録債権が1,447百万円増加したことに対し、預け金を5,800百万円取り崩したこと等により前連結会計年度末に比べ789百万円(0.8%)増加し、99,109百万円となりました。建設機械事業の当連結会計年度末におけるセグメント資産は、預け金が410百万円増加したこと等により前連結会計年度末に比べ736百万円(6.8%)増加し、11,586百万円となりました。
  

(2)経営成績の状況

①事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況

当連結会計年度(2022年度)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症からの経済社会活動正常化が進み、緩やかに持ち直したものの、諸物価高騰が収束する見込みは立っておらず、また世界経済は欧米、中国ともに景気後退懸念が払拭されていないことから、今後も景気の先行きは不透明であると考えます。

当社グループの属する建設業界におきましては、公共投資や大型再開発物件は底堅く推移したものの、民間建築分野では資材価格高騰等による着工先送りや採算悪化の傾向が続き、厳しい状況となりました。

このような経営環境の中、当社グループでは採算性改善を最重点課題に掲げ、価格適正化をはじめ総合的付加価値向上に取り組み、収益の確保に注力いたしました。しかし当連結会計年度におきましては、売上高は120,521百万円(前年同期比5.7%増)となったものの、営業利益4,503百万円(前年同期比4.3%減)、経常利益4,903百万円(前年同期比6.4%減)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として政策保有株式の一部を売却したことによる投資有価証券売却益を計上したこと等から、3,428百万円(前年同期比3.1%増)となりました。

 

セグメント別の概況は以下のとおりです。

 

(重仮設事業)

重仮設事業におきましては、コストアップ分の価格転嫁と、材料と工事の一括受注を基本とする総合的付加価値向上に重点を置きました。特に工事においては、生産性向上とGHGガス削減に効果を有する新機種(LRB)の導入、子会社化したオトワコーエイとの連携等により、事業領域を拡大しました。また、橋梁インフラメンテナンス事業の中核商品となるH型鋼橋梁GHBを開発・商品化し、今後の展開に道筋をつけました。

以上の施策等により、売上高は108,744百万円(前年同期比4.0%増)となったものの、価格適正化が十分に進まなかったことと、活動水準の回復による販管費の増加、子会社取得に伴う一時的費用増等により、経常利益は4,844百万円(前年同期比5.0%減と減益になりました。

 

(建設機械事業)

建設機械事業におきましては、2022年4月に旧子会社5社を統合した新会社を発足させ、統合効果の早期発現に向けた取り組みを進めました。その結果、売上高は14,254百万円(前年同期比4.1%増)となったものの、競争激化に加え、退職給付会計の適用基準変更等により、経常利益は206百万円(前年同期比40.7%減)となりました。

 

②生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

重仮設事業における工場の主たる業務である、建設仮設材の復元修理作業ならびに鋼製山留材等の建設仮設材及び各種製品の製作加工について記載しております。

なお、建設機械事業は、生産に該当する事項はありません。

当連結会計年度の製作加工及び修理実績を販売価格により示せば次のとおりであります。

 

区分

当連結会計年度

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

前年同期比(%)

製作・加工

建設仮設材(百万円)

1,724

18.1

製品(百万円)

9,266

6.2

小計(百万円)

10,990

7.9

修理

建設仮設材(百万円)

1,580

△4.1

合計(百万円)

12,569

6.2

 

 

b. 受注状況

当社グループが取り扱う主要な商製品等については、出荷直前に取引契約の締結を行うという業界の慣習、取引形態の特殊性により、受注高の集計を行っておりません。

 

c. 売上実績

当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

前年同期比(%)

重仮設(百万円)

108,744

4.0

建設機械(百万円)

14,254

4.1

  計(百万円)

122,998

4.1

  調整額(百万円)(注)1

△2,477

 

合計(百万円)

120,521

5.7

 

(注)1  調整額は、セグメント間の内部売上高又は振替高の消去額であります。

2  前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の売上実績は、当該売上実績の総売上実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度と比べ5,519百万円(53.7%)減少し、4,767百万円となりました。

なお、各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動では、税金等調整前当期純利益が5,102百万円、減価償却費が3,193百万円となった一方、棚卸資産増加による支出が1,796百万円、法人税等の支払額が1,163百万円及び売上債権増加による支出が1,128百万円となったこと等により、2,952百万円の収入(前年同期9,097百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動では、㈱オトワコーエイ株式取得による支出が2,049百万円、賃貸用建設機械の取得による支出が1,440百万円及び工場の機械装置等の取得による支出が1,164百万円となったこと等により、4,750百万円の支出(前年同期2,610百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動では、自己株式の取得による支出が2,294百万円、前期末及び当期中間配当金の支払額が1,274百万円となったこと等により、3,728百万円の支出(前年同期3,234百万円の支出)となりました。

 

資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの主要な資金需要は、建設仮設材及び賃貸用建設機械の仕入費用、仮設工事の外注費、各種製品の製作加工費等営業活動に伴う支出ならびに設備投資に伴う支出であります。また、2021年4月に策定した中期経営計画に基づき、事業領域の拡大及び先端技術の導入等に対する投資を推進しています。

必要資金の大半は営業収入により確保し、事業拡大のために増額する投資資金及び一時的に不足する運転資金については金融機関からの借入により調達しています。また、当社及び連結子会社において資金の融通を行い、効率的な資金活用を進めるとともに、資金回収にも十分に留意しています。

 

⑤重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

詳細につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。

また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関する会計上の見積りについて、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 追加情報」に記載の通りです。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

顧客ニーズに対応したソリューション開発を推進し、『ジェコスグループ10年VISION』の達成に向けた業界トップレベルの技術基盤の確立を目指し、積極的に研究開発を行っております。研究開発の基本方針は以下に掲げるとおりであります。

 

1.重仮設技術の更なる進化

大規模化、高度化、複雑化する重仮設計画に適合するため、業界トップレベルの商品ラインナップを整えるとともに、様々な環境に適応可能な施工技術開発を進め、地下工事一式受注に向けた体制を強化します。

また、リユース商品の拡充等により、資源循環型経済の実現への貢献を目指します。

2.持続可能な事業体制への変革

人口減少社会に適合するため、製品の製造プロセスを中心とした機械化・自動化、ICT活用を進め、サステナブルな事業推進体制を強化します。

3.新たな挑戦

本格的なインフラ更新時代に適合するため、従来の重仮設の枠組みを超えた技術開発を進め、インフラメンテナンスサービスに向けた体制を強化します。

 

上記方針の下、当連結会計年度において取り組んだ技術開発テーマは4件であり、研究開発費の総額は43百万円となりました。

 

なお、当連結会計年度における研究開発活動の主な取り組み及び成果は以下のとおりであります。

 

●本設H形橋梁「GHB」を発表、中小規模橋梁の架け替えニーズに対応

・主桁及び横桁に大型圧延H形鋼を採用したシンプルな構造

・軽量化による、既設下部工への負担軽減、耐震性能向上

・設計標準化による、迅速な設計への対応、工期・費用の縮減

●回転杭を用いた仮桟橋構造の開発による環境負荷低減(使用鋼材量低減、施工実績2現場)