第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「会社の堅実な運営発展」と「社員の豊かな生活増進」を会社経営の二つの柱としております。「企業の社会的使命を自覚し社会の人々の幸福と利益のために働かなければならない」を「正直」に「誠実」に考え、お客様の商売と向き合い、業務用食品業界の発展に貢献することを経営理念としております。

また、長期目標「豊かな食づくりを通して世界に貢献する」とした思い(目標)は私たちが最も大切しているものであり、事業の目的と位置づけております。食シーンの魅力や、食に携わる人を豊かにしたい、地域密着の企業として、この地域の産業の活性化に貢献してまいりたいと思っております。

「豊かな食」とは、より便利で、安全で、安くて、美味しくて、美しくそれが常に変化成長を続けている状態です。一番難しいのは、おいしさを変化・成長させることです。そのために専門分野ごとにチームをつくり、豊かな食づくりをやり続けることを私たちの使命といたします。

 

(2) 経営戦略等

コロナ禍を経て、社会情勢の変化もあり当社を取り巻く経営環境(事業を行う市場セグメントの状況、顧客基盤の優位性、競合他社との競争優位性など)も大きく変化しております。

当社グループでは、2030年を見据え「食をコアとしたマーケティング・ソリューションカンパニー~豊かな食文化の地方創生に貢献する企業へ~」をスローガンとして、事業基盤としている東北を中心とした地域のステークホルダーとの密着連携で新たな価値を生み出してまいります。東北の市場占有を圧倒的に高めるべく、営業力の強化を行い、更なる市場の深耕拡大をしていくため、お客様の課題を解決するためにニーズに合った付加価値のある商品開発力の強化を行い、潜在的な需要を引き出し市場の占有率を高めてまいります。

 

具体的には、以下の5点を重点項目として掲げております。

 

① 競合他社との優位性

当社グループは製菓業種、給食業種、惣菜業種、C&C(小売り)など業種・業態バランスのよい事業構成となっていることから競合他社に比べて市場セグメントの優位性を有しております。コロナ禍以降は、従前から新生活様式への変化があり、加えて人口減少に伴う少子高齢化、それに伴うマーケットの減少など顕在的な課題も含め「選択と集中」にて、伸びしろ分野へのリソースの投入・顧客ロイヤリティの向上に努めてまいります。

 

② 営業力の強化

当社の事業は、業務用食材の提供だけに留まらず「食のプロ」として、顧客の課題に向き合った提供価値化の強化と創造を行うべく、仕入・販売それぞれのお客様と連携して商品の開発、メニュー作り、店作りなど総合的に取り組む「ソリューション型の営業スタイル」を強化、拡大し競合他社との差別化を図り、市場占有を圧倒的に高めてまいります。併せて、得意先様との深耕を図るとともに新規得意先への販路開拓などについても積極的に取り組むとともに、業種業態別の専門性を磨き、チャネル別の顧客に適したサービスを提供し、業種×エリアの強力な営業戦略を立案、実行できるマネジメント人材の強化にも注力してまいります。

 

③ 商品開発の推進

当社の最大の武器である商品づくりを徹底強化してまいります。商品開発のサイクルの土台を進化させ営業部門でのマーケットニーズの早期把握、開発スペックの練り上げ、プライベートブランドや当社独自の商品開発の早期化を目指し、発売と同時に販売開始というサイクルの強化をしてまいります。

 

当社のプライベートブランドである「JFSA」の高付加価値商品の開発を進めると同時に販売構成率を向上させ、市場占有率と競争力の相乗効果を図ってまいります。また、高齢化や生産年齢人口の減少による人手不足など社会環境の変化やお客様ニーズに沿った新商品の開発や地元生産者・加工業者と顧客を繋ぐ商品開発を推進してまいります。

また、地域ならではの食材やメニューを打ち出したオリジナリティの需要が高まっていることに適応するため、これまで以上に東北各地域の原材料を使用した地産地消商品の開発を更に進めてまいります。他にも、環境変化や多様化するニーズに対応していくため、高齢者向け配食サービス及び完全調理品の開発・販売拡大や、メニュー開発、売り場づくりのご提案、調理技術の支援など、お客様と共に市場環境への対応に取り組んでまいります。

 

④ 小売事業の拡大

業務用食品の小売事業につきましては、既存店の収益力向上を図るべく計画的にリニューアルを実行していくと同時に新店舗の開業についても、費用対効果を見極めながら機会を捉えて更に検討を進めてまいります。また、顧客のニーズにフィットした定番商品の改良や核となる商品づくりによる品揃えの充実化を行ってまいります。ローコストオペレーションの仕組みを再構築し、営業販促活動の強化などによる集客数増加に向けた取り組みを進め、食の専門化による店舗の魅力最大化を目指します。

 

⑤ 組織と人材育成

長期的に戦える組織体制を整えるため、まずは、機能を分解し、商品開発の人材育成、マーケティング機能を付加した業種×エリア別の戦略明確にすることでその役割について強化してまいります。当社は複数の業種の顧客を保有しているため、市場の情報収集によって業種別戦略の立案と実行力を高め、最適な事業部体制に変革し、業種別の専門チームを率いて一定裁量のもと事業推進を牽引できる人材を育成していく必要があります。そのためには、従業員の成長が会社の持続的な成長に繋がるものと考え、次世代を担う人材育成を最重要課題と捉え、人材育成プログラムとして継続的な業務別研修を実施してまいります。経営理念や経営方針の着実な実現に向けて従業員一人ひとりの成長・スキルアップが組織や企業全体の成長には不可欠です。従業員が同じ方向を見据えて働く意欲を高く持って業務を遂行していくため、各部門の牽引役を担う管理職や次期管理職候補を中心としたマネジメント能力を養成する教育訓練については、社員自ら学べる場の提供や従業員のステージに応じた自己啓発の支援制度の充実化を図り社内外の環境の変化に対応できる人材の育成に積極的に取り組んでまいります。

また、事業部門の特性に合わせた専門スキルを高めるための職種別教育などのOff-JTと日常的なOJTや1on1ミーティングの実施を通じて社員一人ひとりの個の力と組織力を高める施策を実施しております。昇格・昇進基準は年功的な要素を排除し個人の業務遂行能力や評価を反映させる仕組みに改定し、自律的な挑戦と成長の促進を図ってまいります。

 

(3) 経営環境

今後の見通しにつきましては、継続する物価高騰に伴い、生活防衛意識は高いまま推移すると予想され、米国発の通商政策の不確実性などもあり、先行きは一層不透明感を増していくものと予想されます。企業業績の好調を背景に賃上げや価格転嫁が進み、経済の好循環により、景気は緩やかな回復基調が続き、インバウンド需要も堅調と思われますが、エネルギー価格、商品調達価格の上昇や人手不足等を原因とする人件費の継続的な上昇が懸念され、消費者のライフスタイルや価値観の変化など、依然として厳しい経営環境が続くものと思われます。また、当社グループのお客様であります、外食業種、製菓業種、弁当業種及び小売業部門におきましても各種経済対策の効果で雇用、所得環境が改善し経済活動の活発化により個人消費は増加しているものの労働力の不足や人件費の上昇、原材料価格やエネルギーコストの高騰は継続するものと考えられ、依然として厳しいものと思われます。

このような状況のもと、当社グループは2030年を見据え「食をコアとしたマーケティング・ソリューションカンパニー~豊かな食文化の地方創生に貢献する企業へ~」をスローガンとして、攻めの営業でさらなる市場の深耕拡大をしていくためにお客様の課題を解決するためニーズに合った付加価値のある商品開発力の強化を行い、潜在的な需要を引き出し、市場の占有率を高めてまいります。

直近における2026年3月期の連結業績見通しにつきましては、売上高500億円(2025年3月期491億37百万円)、営業利益15億20百万円(2025年3月期16億67百万円)、経常利益17億70百万円(2025年3月期19億45百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益12億円(2025年3月期13億15百万円)を見込んでおります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の国内経済におきましては、継続する物価高騰に伴い、生活防衛意識は高いまま推移すると予想され、米国発の通商政策の不確実性などもあり、先行きは一層不透明感を増していくものと予想されます。企業業績の好調を背景に賃上げや価格転嫁が進み、経済の好循環により、景気は緩やかな回復基調が続き、インバウンド需要も堅調と思われますが、エネルギー価格、商品調達価格の上昇や人手不足等を原因とする人件費の継続的な上昇が懸念され、消費者のライフスタイルや価値観の変化など、依然として厳しい経営環境が続くものと思われます。また、当社グループのお客様であります、外食業種、製菓業種、弁当業種及び小売業部門におきましても各種経済対策の効果で雇用、所得環境が改善し経済活動の活発化により個人消費は増加しているものの労働力の不足や人件費の上昇、原材料価格やエネルギーコストの高騰は継続するものと考えられ、依然として厳しいものと思われます。

このような状況のもと、当社グループは2030年を見据え「食をコアとしたマーケティング・ソリューションカンパニー~豊かな食文化の地方創生に貢献する企業へ~」をスローガンとして、攻めの営業でさらなる市場の深耕拡大をしていくためにお客様の課題を解決するためニーズに合った付加価値のある商品開発力の強化を行い、潜在的な需要を引き出し、市場の占有率を高めてまいります。また、引き続きお客様と一緒になって考え創り出す喜びと、感動をお届けするため、お客様は勿論、仕入先(地域の生産者含む)、物流関連事業者などを始めとするステークホルダーと共に環境変化に向き合い、業種・職種の枠を超えた総合力でお客様の期待に応えてまいります。

このような経営環境を踏まえて、当社グループは以下の点に取り組んでまいります。

①  市場環境への対応につきましては、引続きお客様と同じ目線で共に考え、商品開発や新たな調達先の開拓に努めてまいります。特に、これまでも一定の成果をあげてきた商品開発におきましてはお客様の現場の課題解決につながる「JFSA」ブランドを中心とする高付加価値のオリジナル商品に更なる磨きをかけてまいります。また、地域ならではの食材やメニューを打ち出したオリジナリティの需要が高まっていることに適応するため、これまで以上に東北各地域の原材料を使用した地産地消商品の開発や、環境変化や多様化するニーズに対応していくため、高齢者向け配食サービス及び完全調理品の開発・販売拡大や、メニュー開発、売場づくりのご提案、調理技術の支援など、お客様と共に市場環境への対応に取組んでまいります。さらには、循環型社会に貢献する取り組みとしてサステナブルフードの普及促進を進めてまいります。

 

② 業務用食品の小売事業につきましては、既存店の収益力向上を図るべく計画的にリニューアルを実行していくと同時に新店舗の開業についても、費用対効果を見極めながら機会を捉えて更に検討を進めてまいります。また、顧客のニーズにフィットした定番商品の改良や核となる商品づくりによる品ぞろえの充実化を行ってまいります。ローコストオペレーションの仕組みを再構築し、営業販促活動の強化などによる集客数増加に向けた取り組みを進め、食の専門化による店舗の魅力最大化を目指します。

 

③ 商品調達につきましては、食材の一定量を海外の商社やメーカー経由にて調達しており、昨今の世界情勢を勘案し、為替の変動による調達価格の上昇、天候など農作物の作況等の情勢により食材の市況が変動や輸入規制措置が発令された場合等、食品の需給動向に大きな変化が生じる場合には、海外の社会情勢や業界の変化に常に注意し情報収集を行うとともに、可能な限り複数の仕入先を通じた調達原産国の複数化による持続可能な調達に努めております。また、販売実績及び将来の販売予想を慎重に分析し、十分なバッファを設けて商品の在庫を準備する等、継続的な供給を保証できる対策を講じてまいります。

 

④ 人財の育成及び確保の対応につきましては、従業員の成長が会社の持続的な成長に繋がるものと考え、次世代を担う人財育成を最重要課題と捉えております。経営理念や経営方針の着実な実現に向けて従業員一人ひとりの成長・スキルアップが組織や企業全体の成長には不可欠です。従業員が同じ方向を見据えて働く意欲を高く持って業務を遂行していくために、各部門の牽引役を担う管理職や次期管理職候補を中心としたマネジメント能力を養成する教育訓練については、社員が自ら学べる場の提供や従業員のステージに応じた自己啓発の支援制度の充実化を図り、社内外の環境の変化に対応できる人材の育成に積極的に取り組んでまいります。また、事業部門の特性に合わせた専門スキルを高めるための職種別教育などのOff-JTと日常的なOJTや1on1ミーティングの実施を通じて社員一人ひとりの個の力と組織力を高める施策を実施してまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、成長性・収益性については売上高、営業利益及び売上高経常利益率を、資本効率についてはROA(総資産経常利益率)を経営の重点指標としており、これらの改善及び向上を行うことを目標としております。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) ガバナンス

当社グループでは、事業活動を通じてサステナビリティに関する取り組みを推進するにあたり、マテリアリティとして特定した課題に取り組むために2023年12月に「サステナビリティ推進プロジェクト」を発足しました。代表取締役社長をプロジェクトリーダーとし、プロジェクトのロードマップを策定し、マテリアリティの特定、取り組み項目などの整理検討を行っております。また、従前より当社グループにおける自然災害等重要な気候関連リスク、機会を特定し、適切にマネジメントすることを目的として、四半期毎に「リスク検討会議」を開催しております。会議参加メンバーは代表取締役社長を座長とし、内部監査室が統括事務局となり、管理担当役員、各事業部門の責任者など、全社横断で関係者を含め取組を推進しております。リスク検討会議では、気候変動対応を含むサステナビリティに関連する重要なリスク・機会を特定し、重点課題に関するグループ全体の取組を推進・サポートし、対応方針の立案と関連部署への働きかけをしております。サステナビリティ関連のリスク及び機会の監視、及び管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続につきましては、自然災害等の気候変動に係るリスクについては食品を取り扱っている当社グループの事業におきましても、リスク及び収益機会が当社の事業活動や収益等に与える影響が大きいものと認識しております。

(2) 戦略

短期、中期及び長期にわたり当社グループの経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処するための取り組みのうち、気候変動に伴うリスクは重要なものと認識しております。なお、サステナビリティに関する戦略につきまして、現時点において具体的なものはありませんので、今後サステナビリティ推進プロジェクトにて検討してまいります。

(サステナブルフードの普及推進)

近年、日本各地で異常気象に伴う自然災害が頻発する等、地球規模の気候変動の影響が顕在化しており、食の在り方を考える上でも環境問題を避けることはできないものになっています。また、持続可能な世界の実現を目指すため、SDGs への関心が世界的に高まり、持続可能性の観点から食育も重視されており、SDGs の視点で食育に取り組む必要性が出てきています。

食材を扱う当社としましては、持続可能な食への取り組みとして、当社の販売業種の1つである小中学校の給食食材を提供する「学校給食業種」については、学校給食法に定められている7つの目標に対して、手助け、貢献することを念頭に営業活動を行っております。

当社ではその取り組みとして、毎年の展示会では、地産地消商品、国産米、有機農業認定商品など当社が定義づけしているサステナブルフードの専用ブースを設置し、来場いただいた得意先様に対してもサステナブルフードを積極的に取り入れていただけるよう意義と価値の優位性について紹介しております。また、食育支援の推進活動として、小学校への出前授業をアレンジし、生産者に商品を小学生の前で実際に加工してもらうことで自然の恵みを享受できることの重要性や食べ物の循環を子供たちへ理解を促しております。今後は、サステナブルフードの具体的な販売目標や、商品アイテムの選別などを進め、サステナブルフードの普及推進を行ってまいります。

 

(債券投資)

当社グループでは、余剰資金を活用し秋田県が発行した、2050年のカーボンニュートラルを目指し地球温暖化防止に向けた取組を着実に推進するためのグリーンボンド債(ESG債)に投資しております。再生可能エネルギー源や二酸化炭素を吸収する森林資源の宝庫である東北のポテンシャルを最大限活かした脱炭素化や、気候変動による自然災害の影響を軽減する防災・減災の取組の一助となり環境課題の解決により一層取り組みが推進されるよう債券投資という形で協力しております。

 

(人的資本)

人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について当社グループでは、2030年のあるべき姿である「地域とともに豊かな食を創造する」の実現に向けて、社員を最も重要な資本と考え、お客様のビジネスを支える付加価値を創出・提供できる社員を育成・成長する仕組みづくりを推進しております。

 

・人材育成

経営理念や経営方針の着実な実現に向けて従業員一人ひとりの成長・スキルアップが組織や企業全体の成長には不可欠です。従業員が同じ方向を見据えて働く意欲を高く持って業務を遂行していくために、各部門の牽引役を担う管理職や次期管理職候補を中心としたマネジメント能力を養成する教育訓練については、社員自らが学べる場の提供や従業員のステージに応じた自己啓発の支援制度の充実化などのOff-JTと日常的なOJTや1on1ミーティングの実施を通じて社員一人ひとりの個の力と組織力を高める施策を実施しております。昇格・昇進基準は年功的な要素を排除し個人の業務遂行能力や評価を反映させる仕組みに改定し、自律的な挑戦と成長の促進を図っております。

・福利厚生の充実

従業員が安心して長く働いてもらえる環境作りの一環として、従業員を対象とした団体がん保障保険やGLTD(団体長期障害所得補償保険)制度を導入しております。万が一の疾病により従業員が一時的に就業不能となった場合の経済的負担に対する不安を軽減する体制を整備しております。今後も従業員やその家族の生活を支援する取り組みの充実化を図ってまいります。

・シニアの継続的な活躍

当社では、希望者の全員が60歳の定年後も継続して働くことができる定年契約社員制度を設けております。身体的負担を軽減する作業環境の整備や後進の指導・育成、営業スキル伝承の役割を担ってもらうなど、働くことへのモチベーションを維持できるよう労使で協議したうえで処遇の改善・見直しを進めています。また60歳の定年後であっても必要であれば部門責任者や管理職を継続できるものとし、65歳現役社会の実現に向けた取り組みを積極的に推進しております。

(3) リスク管理

サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別、評価及び管理するための過程につきましては、当社グループは食品を扱う事業であることから、気候変動に係るリスク及び収益機会が当社グループの事業活動や収益等に与える影響が大きいものと考えております。リスクの識別、評価、管理の過程などにつきましては、今後の状況に応じて、社内のリスク管理の強化を検討してまいります。なお、当社グループでは、定期的に「リスク検討会議」を開催し、自然災害等気候変動を含めた事業等に係るリスクについての状況把握や、今後の取り組みについて協議しております。今後も引き続き、サステナビリティ推進プロジェクトにてその結果や協議内容を取締役会に諮り、重要な経営、事業戦略としての方針、決定する仕組み、体制を構築してまいります。

(4) 指標及び目標

当社グループでは、気候変動に係るリスクが重要であると認識しております。サステナビリティ推進プロジェクトにて気候変動のリスク及び機会に関する実績を長期的に評価、管理及び監視するために用いられる情報につきましては、今後、情報収集し、当社においてどのような目標管理をしていくべきか検討してまいります。

・多様性に対する取り組み

①女性活躍推進

当社グループでは、全社従業員の36.9%を占める女性従業員が各拠点で活躍しております。今後さらに女性の活躍を推進する必要があると考えており、管理職候補となる女性係長職を対象としたキャリアップに関する教育訓練の実施と併せて指導役となる管理職に対するマネジメント能力向上を目的とした教育施策を実施して女性管理職候補の育成を推進しております。

また、今後につきましては、管理職候補者における女性比率を2027年3月31日までに20%以上とすることで管理職の女性比率を引き上げていくことを目標としております。

具体的な行動・取組としましては、

イ)係長級を対象とした、キャリアアップに関する教育訓練を実施し、経過期間内の年度ごとに研修を実施し、次期管理職候補の育成強化を行います。

ロ)係長級への教育・マインドセットを強化するため、その上司である課長職以上のマネジメント能力向上を図ってまいります。

項目

2025年3月31日現在

(提出会社)

(連結会社)

女性従業員比率(注)1

37.4

36.9

女性管理職比率(注)2

6.8

6.3

女性管理職候補比率(注)3

11.0

9.4

 

 

(注) 1.正社員や契約社員などの臨時従業員の合計人数に占める女性正社員及び女性臨時従業員の合計人数の比率であります。

2.管理職は厚生労働省の「状況把握、情報公表、認定基準における解釈事項について」(雇用環境・均等局雇用機会均等課(令和4年9月15日)の基準に基づく管理職(課長職以上)であります。

3.管理職候補は管理職(課長職以上)に向けて育成している係長職等であります。

 

②男性育児休業等取得率

2025年3月末時点における当社の男性従業員の育児休業等取得率は75.0%となりました。

今後の具体的な行動・取組としましては、

イ)分娩休暇(特別休暇)を該当社員へ案内するとともに、取得を促してまいります。

ロ)全社員に向けた、産前産後・分娩・育児に関しての各種制度、サポート体制の定期案内、及び会社として取得促進を促すメッセージを配信してまいります。

ハ)該当社員の上司へ、休暇取得のための職場環境の整備、及びサポート体制整備を促すとともに、会社全体の制度活用に向けた企業風土作りを実施してまいります。

項目

2025年3月31日現在

(提出会社)

(連結会社)

男性育児休業等取得者数(注)

9

9

取得率

75.0%

69.2%

 

(注) 算定期間は2024年4月1日から2025年3月31日であります。

 

③障がい者雇用

障がい者の雇用については新規雇用および既存従業員への定着支援を実施しており、2025年3月末時点における当社の障がい者実雇用率は2.8%で(前期2.6%)あり、当社の法定雇用率(2.5%)を達成しており、今後も積極的な新規雇用を継続して参ります。

 

なお、サステナビリティに関する指標及び目標につきまして、現時点において具体的なものはありませんので、今後も引き続き社内にて検討してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 自然災害等のリスク

東日本大震災の被災経験を踏まえ、また、直近では台風の大型化や集中豪雨の頻発といった地球温暖化に伴う気候変動や地震等の大規模な自然災害の発生が断続的に発生しております。また、気象変動による水害もあり、長期に及ぶライフラインの停滞、物流網の寸断など、予想を上回る事態が発生する可能性があります。

当社グループでは、その他の不測の事態に備えるため、自家発電装置に加え燃料給油設備を設置し、備蓄を行っております。また、非常事態において各拠点間との相互の連携が十分取り合うことができる体制を構築しておりますが、自然災害等の影響が長期間にわたる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

特に気候変動につきましては、政策・規制面、あるいは顧客の嗜好の変化など多方面での影響が懸念されます。当社グループでは、こうした気候変動による影響を経営上の重大リスクとして認識するとともに、それに適切に対応することで事業成長の機会に繋がると捉えています。気候変動への取組みにつきましては今後検討してまいります。

 

② 減損会計

当社グループは、本社事務所に加え21店舗、9営業所の事務所設備、土地を保有しております。新規出店した店舗が当初の計画通り収益を計上できない場合や外的要因などによる業績の悪化や損失が発生した際に、経営努力による売上拡大や販管費の削減に努めても回復が図れない場合など、将来の事業計画などを考慮して、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて回収可能価額まで減損処理を行う可能性があります。

当社グループでは、日々予実報告がなされており、毎月の定例会議においても部門別の予実差異分析を行うとともに、適宜見直しを行っておりますが、有形固定資産の減損損失や、事業撤退損を計上することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、有価証券を余剰資金の有効活用するため保有すると同時に投資有価証券として債券、株式を保有しており、市場環境や投資先の経営・財務状況が悪化することにより有価証券の減損処理を行う可能性があります。当社グループでは、定期的に取締役会にて時価の推移、格付け状況のモニタリングを実施しております。しかしながら、それらに関する格付けなどの変化による当該債券の評価損の計上、並びに上場株式の株価下落などによる当該株式の評価損を計上することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 為替の変動及び商品市況について

当社グループは、食材の一定量を海外の商社やメーカー経由にて調達しております。為替の変動により調達価格が変動することから、海外通貨に対し円安方向に進行した場合、調達価格が上昇し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、為替だけでなく、天候など農作物の作況等の情勢により食材の市況が変動した場合や、輸入規制措置が発令された場合等、食品の需給動向に大きな変化が生じた場合には、同様に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、海外の社会情勢や業界の変化に常に注意し情報収集を行うとともに、可能な限り複数の仕入先を通じた調達原産国の複数化による持続可能な調達に努めております。また、販売実績及び将来の販売予想を慎重に分析し、十分なバッファを設けて商品の在庫を準備する等、継続的な供給を保証するための対策を講じております。

 

④ 物流コスト

当社グループの主要な業務である卸売業部門では、お客様への配送業務が日々伴うため、配送委託会社への重要性が増してきており、物流業界の2024年問題では、人件費・燃料費等の物流コスト上昇により委託契約の見直しを行いました。2025年には、改正物流二法といわれる「物資の流通の効率化に関する法律」、「貨物自動運送事業法」の改正も受けて物流の効率化の義務化や配送業者委託する際の取引規制なども新たに加わり、更なるコスト上昇により委託契約の見直しを受けた場合や自社配送においても人手不足などにより人員確保ができない場合があります。

当社グループでは、自社車両の配車システム導入により無駄のない物流網の構築を可能とし効率化を図りコスト負担の抑制、並びにドライブレコーダーを全車両に装備し法定速度の遵守や「急」が付く運転行為など、運転マナーの向上にも合わせて努めておりますが、想定以上にコストが増加した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 信用リスク

当社グループの取引先は多岐にわたっており、取引先の倒産や大口取引先の急激な財務内容の悪化があった場合、それら取引先に対する信用リスクが発生します。

当社グループでは、売掛債権について取引先の経営状況に応じて債権保証サービスを導入するなどの管理をしており、不良債権の防止に努めております。また、売掛債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権及び破産更生債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、債権保証の強化や貸倒引当金の積み増しが必要となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 情報セキュリティ

当社グループでは多くの取引先と消費者であるお客様を保有しており、事業を通じて取得した顧客情報及びお客様の個人情報について万一当社の人的オペレーションのミス、その他不測の事態等により情報漏洩が発生した場合には、当社が損害賠償責任等を負う可能性や顧客からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があります。

当社グループでは、個人情報保護法の趣旨に沿った社内規定やシステム関連の情報の取り扱いについては、システム管理規程を整備し適切な運用に努めております。情報の取り扱いについては、情報管理責任者を選任し社内規定に基づき管理・運用しておりますが、情報漏洩やサイバー攻撃によるシステム障害等の事態が発生した場合、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに、当社グループの業績に影響を与え、また、社会的信用の低下を招く可能性があります。

 

⑦ コンプライアンス

企業におけるコンプライアンス違反事例が発覚した場合、長年培ってきた顧客との信頼は一気に冷え込み、規範抵触による雇用問題やハラスメントおよび人権侵害が発生する可能性があります。

当社グループではコンプライアンスの実践を行動規範の一つとし、体制の整備や維持に努めております。また、「コンプライアンス規程」に基づき、毎月1回、社長を委員長とする「コンプライアンス委員会」を開催し、当社の事業活動において法令、定款及び社内規定に反していないか、社会一般の規範に抵触していないかなど、多岐にわたり協議しております。同時に、通報者保護の観点から「内部通報者保護規程」を定め、情報の収集に努めておりますが、諸問題が発生した場合は当社グループの企業イメージは大きく低下し、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 食品の安全性

当社グループは、食に携わる事業を行っておりますので、賞味期限切れや食品アレルギー問題、また異物混入のような食品の安全などでトラブルが発生しその対応に不備がある場合や、食品の安全性において予期せぬ事態が発生する可能性があります。

当社グループでは、食品の衛生管理を徹底し、商品の安全対策を強化するために品質管理室を設置して、原料規格書の整備・基準マニュアルの作成及び現場指導によるチェック機能の改善に努めております。また、多温度管理など、安心・安全・健康を意識した商品管理に努め、万全の注意を払っておりますが、諸問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼすだけでなく、商品の調達面や信頼性にも影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 重大な事故の発生リスク

当社グループの事業は、トラック、フォークリフトの操作をはじめとして、危険を伴う作業が含まれております。当社グループでは、当該状況を踏まえて安全衛生管理を重要課題として捉え、労務管理及び安全管理の徹底を図り、事故を未然に防ぐため業務遂行に際して細心の注意を払う様に努めております。しかしながら、何らかの不測の事由から労働災害や事故等が発生する可能性があります。

これらの事故等について、起訴問題や重大事故等に起因した行政処分に発展した場合には、損害賠償請求が生じる可能性があるほか、当社グループの社会的な信用及び顧客の信頼を失うことにも繋がり、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 法的規制

当社グループの行っている事業は、我が国の食品安全基本法、食品衛生法、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)、容器包装リサイクル法、関税法、製造物責任法(PL法)、食品営業許可、酒税法といった法的規制の適用を受けており、特に食品衛生法の食品規格基準における不適合商品の取り扱いにより、営業停止などの処分を受けることがあります。

当社グループでは、これらの法令等を遵守し業務を行うための業務マニュアルを作成し社員教育を行い法的手続きによる権利の保全にも万全を期しており、法的な制度変更が発生した場合には、速やかに法的手続きなどに対応しておりますが、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における我が国経済は、社会経済活動の正常化が進む中で、雇用や所得環境の改善が行われている一方、継続した物価の高騰により国内における事業を取り巻く環境は消費者の節約志向の高まりもあり、依然として厳しいものとなっております。また、長期化する不安定な世界情勢、金融資本市場の変動リスクなどもあり、先行き不透明な状況が続いております。食品卸業界では、原材料や労働コストの上昇に伴う商品価格の値上げや慢性的な人手不足が継続するなかで、消費者の多様化するニーズへの対応も求められております。

このような経営環境のもと当社グループは、2030年を見据え「食をコアとしたマーケティング・ソリューションカンパニー~豊かな食文化と地方創生に貢献する企業へ~」をスローガンとし、「攻めの営業で深耕拡大」を2024年度の経営方針として掲げ、顧客に対して、営業活動を充実させて潜在的需要を引き出し、課題解決に繋がる取り組みを進めてまいりました。また、業種別×地域共創に取り組み新たな価値を生み出すことで営業力、商品開発力の強化も行ってまいりました。

この結果、売上高491億37百万円(前期比3.2%増)、営業利益は16億67百万円(同9.2%増)、経常利益は19億45百万円(同10.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億15百万円(同7.1%増)となりました。

売上高経常利益率は4.0%と前期よりも0.3ポイント増加しました。また、総資産経常利益率(ROA)についても5.4%と前期と比べ0.4ポイント増加しました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ43億61百万円減少し、72億21百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は2億30百万円(前期 35億29百万円の獲得)となりました。これは主に、前連結会計年度の末日が銀行休業日であったことに伴う仕入債務の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は37億80百万円(前期 18億71百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産並びに投資有価証券の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は3億50百万円(前期 3億円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

ア.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比(%)

卸売業部門

 

 

 調理冷食  (千円)

10,700,239

103.5

 製菓材料  (千円)

5,580,523

102.9

 水産品   (千円)

3,215,493

100.1

 農産品   (千円)

4,594,529

110.6

 畜産品   (千円)

2,215,945

103.3

 調味料その他(千円)

7,576,230

108.3

     計  (千円)

33,882,961

105.0

小売業部門  (千円)

4,679,050

98.3

     合計 (千円)

38,562,011

104.1

 

 

イ.受注実績

該当事項はありません。

 

ウ.販売実績

a.当連結会計年度の販売実績を商品別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比(%)

卸売業部門

 

 

 調理冷食  (千円)

13,710,025

101.9

 製菓材料  (千円)

6,808,264

103.1

 水産品   (千円)

4,215,854

100.7

 農産品   (千円)

5,979,543

107.7

 畜産品   (千円)

2,719,905

102.8

 調味料その他(千円)

9,064,936

107.3

     計  (千円)

42,498,529

103.9

小売業部門  (千円)

6,638,661

99.0

     合計 (千円)

49,137,191

103.2

 

 

 

b.当連結会計年度の販売実績を業種別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比(%)

卸売業部門

 

 

 製菓業種     (千円)

7,888,604

102.5

 弁当給食業種   (千円)

4,397,063

103.1

 事業所給食業種  (千円)

3,609,412

101.2

 メディカル給食業種(千円)

5,938,885

107.3

 学校給食業種   (千円)

4,078,152

102.1

 外食業種     (千円)

7,695,851

103.7

 惣菜業種     (千円)

7,727,291

106.1

 その他      (千円)

1,163,268

102.4

     計     (千円)

42,498,529

103.9

小売業部門     (千円)

6,638,661

99.0

     合計    (千円)

49,137,191

103.2

 

(注) 小売業部門の業種別は該当ありません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績

売上高は、卸売業部門は増加、小売業部門は減少しましたが結果、491億37百万円(前期比3.2%増)となりました。

営業利益は、売上総利益が売上高の増加に伴い増加した一方で販売費及び一般管理費は人件費等の増加もあり、16億67百万円(同9.2%増)、1億40百万円の増加となりました。

経常利益については、運用債券の増加に伴う有価証券利息の増加などで営業外収益が63百万円増加したことにより19億45百万円(同10.7%増)、1億88百万円の増加となりました。

結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、13億15百万円(同7.1%増)で、87百万円の増加となりました。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

卸売業部門におきましては、営業人員の強化を図り、顧客のニーズを汲んだ商品開発と営業活動により売上高は伸長しました。引き続き食材価格の高騰、人手不足とそれに伴う人件費コストの上昇傾向など当社の顧客を取り巻く経営環境は厳しい状況が続くものと思われます。そのような中、調理の省力化につながる食材や厨房設備等の提案、顧客に選ばれる高付加価値食材の提案などを中心に業種、地域毎に展示会を開催し、新たな取り組みとしてサステナブルフードと食育をテーマに特設ブースを設けるなど、来場者の関心と需要に応えることができ、高評価をいただきました。また、業種別では、調理現場の人手不足が顕著なメディカル業種などで省力化対応商品の導入が進み、惣菜業種においても物価上昇の影響による節約志向の高まりからいわゆる中食機会が増加したことやメニュー提案により顧客における販売単価アップを図る事が出来たことから、好調に推移いたしました。

この結果、売上高424億98百万円(前期比3.9%増)、セグメント利益(営業利益)は22億5百万円(同8.9%増)となりました。

 

小売業部門におきましては、物価上昇の影響からお客様の節約志向や買い控えの傾向がさらに高まり、業種・業態を超えた企業間競争も激しさを増しております。このような厳しい状況の中で、主要顧客である中小飲食店向けには、全店舗にて課題解決提案会を開催し、食材価格の高騰に伴い既存の商品から代替商品へ切り替えを提案することで、材料コストの低減や人手不足に対応した省力化が可能となる商品を直接手に取り、実際に試食してもらうなど顧客の多様化するニーズや課題解決に向けた提案を実施いたしました。また、来店促進につなげるための情報発信としては毎月LINE会員向けに、スタッフおすすめの商品を紹介し、対象商品の売上数増加に貢献しております。

店舗改装の際には、冷凍ケースや空調設備の更新を行い、CO2排出量削減など地球環境に配慮した取り組みを継続しております。しかしながら、人件費、物流費等の店舗維持コストの増加を吸収できず、セグメント利益(営業利益)は減少いたしました。

この結果、売上高66億38百万円(前期比1.0%減)、セグメント利益(営業利益)は2億60百万円(同17.9%減)となりました。

 

b.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ14億77百万円減少し、355億97百万円となりました。これは主に、前連結会計年度の末日が銀行休業日となり、決済が月ずれとなったことに伴う現金及び預金の減少によるものであります。

当社グループの当連結会計年度に実施いたしました設備投資の総額は、8億86百万円であります。その主なものは、新山形営業所の新設工事費用(建設仮勘定5億86百万円)及びパソコン購入費用(72百万円)等であります。

今後も企業体質強化のためにも生産性・効率性向上のための設備投資を行っていく考えであります。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

卸売業部門の当連結会計年度末におけるセグメント資産は、119億37百万円(前期比4.8%増)となり、5億48百万円増加いたしました。これは主に、有形固定資産並びに投資有価証券の取得によるものであります。

小売業部門の当連結会計年度末におけるセグメント資産は、19億85百万円(前期比9.4%減)となり、2億6百万円減少いたしました。これは主に、前連結会計年度の末日が銀行休業日となり、決済が月ずれとなったことに伴う現金及び預金残高の減少によるものであります。

 

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ24億32百万円減少し、93億28百万円となりました。これは主に、前連結会計年度の末日が銀行休業日となり、決済が月ずれとなったことに伴う支払手形及び買掛金の減少によるものであります。

純資産は、前連結会計年度末と比べ9億54百万円増加し、262億68百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものであります。

この結果、自己資本利益率は5.1%(前連結会計年度末は4.9%)、自己資本比率は73.8%(前連結会計年度末は68.3%)となり、健全な財政状態であると認識しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ43億61百万円減少し、72億21百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は2億30百万円(前期 35億29百万円の獲得)となりました。これは主に、前連結会計年度の末日が銀行休業日であったことに伴う仕入債務の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は37億80百万円(前期 18億71百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産並びに投資有価証券の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は3億50百万円(前期 3億円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払によるものであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。

運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入代金のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。この連結財務諸表の作成に当たっては、期末日の資産・負債の計上および会計期間の収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや仮定を行う必要があります。連結財務諸表に影響を与え、より重要な経営判断や見積りを必要とする会計方針は以下のとおりであります。

a.貸倒引当金

当社グループは売掛債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。相手先の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合、追加の引当金を計上する可能性があります。

 

b.固定資産の減損

当社グループは、市場価格、営業活動から生ずる損益等から減損の兆候が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。将来の市況悪化等により事業計画が修正される場合、減損処理を行う可能性があります。

 

c.有価証券及び投資有価証券

当社グループは、満期保有目的の債券とその他有価証券を所有しております。

その他有価証券のうち市場価格のない株式等以外のものは、決算日の市場価格等に基づき時価評価を行い、税効果調整後の評価差額を純資産の部のその他有価証券評価差額金に計上しております。

また、期末における時価等が取得原価に比べ50%以上下落した場合には原則減損処理を行い、30%~50%未満下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行うこととしております。一方、市場価格のない株式等は、実質価額が取得原価に比べ50%程度以上下落した場合には、回復可能性等を考慮して減損処理を行うこととしております。

なお、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現在の帳簿価額に反映されていない損失が生じ、減損処理を行う可能性があります。

 

d.繰延税金資産

当社グループは、財務諸表と税務上の資産または負債の額に相違が発生する場合、将来減算一時差異に係る税効果について、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、将来の課税所得を合理的に見積り判断しており、その前提となる条件に変更が生じた場合には、繰延税金資産の取崩が発生し、税金費用が計上される可能性があります。

 

e.退職給付に係る資産及び負債

当社グループは、年金数理計算に基づいて退職給付に係る資産及び負債並びに退職給付費用を計上しております。年金数理計算は割引率、年金資産の長期期待運用収益率、昇給率等の前提条件に基づいて行われており、これらの前提条件の変更は連結財務諸表に影響を与えます。割引率の低下や年金資産運用における期待運用収益と実際運用収益の差異は、翌期以降の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【重要な契約等】

特記事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。