当連結会計年度における世界経済は、米国では雇用情勢や個人消費が底堅く推移したものの、中国経済の減速化等が強まり全般的には不透明感が拡大しました。国内経済は、緩やかな回復基調の中、海外経済減速の影響に加え、年明け以降の急速な円高進行もあり不確実性が高まりました。
このような環境の中、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は事務機器用ユニット製品の採用モデル拡大による販売増があったものの、モバイル端末用半導体および設備投資縮小による通信インフラ向け電子部品の販売減により1,129億99百万円(前期比12.9%減)となりました。利益面につきましては、売上高の減少に伴う売上総利益の減少により、営業利益は6億4百万円(前期比59.8%減)、経常利益は為替差損の計上により2億59百万円(前期比88.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は12百万円(前期比99.3%減)となりました。
事務機器用ユニット製品の採用モデル拡大や国内事務機器メーカの生産の国内回帰による販売増があったものの、モバイル端末用メモリの商流変更による販売減および通信インフラ向けで一部顧客の設備投資縮小、アミューズメント関連市場のリユース・リサイクルに伴う販売減により、売上高は747億93百万円(前期比10.2%減)、セグメント利益は7億1百万円(前期比42.3%減)となりました。
ノートPC用電子部品の販売増があったものの、PC周辺機器ならびにモバイル端末において採用モデルの終息および仕入先が一部製品を撤退したことにより販売減となりました。また、日系顧客の海外生産におきましては、事務機器向け等の電子部品の国内への生産回帰に伴う販売減により、売上高は382億6百万円(前期比17.8%減)、セグメント損失は1億9百万円(前期は2億61百万円の利益)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて97百万円減少し、65億32百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は13億79百万円(前期比202.7%増)となりました。
これは主に仕入債務の減少はあったものの、売上債権の減少により資金が増加したことによるものであります。
投資活動の結果使用した資金は1億66百万円(前期比73.1%減)となりました。
これは主に投資有価証券の取得による支出により資金が減少したことによるものであります。
財務活動の結果使用した資金は10億17百万円(前期比39.5%減)となりました。
これは主に短期借入金の純減少および配当金の支払により資金が減少したことによるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
国内事業 | 4,210 | 74.6 |
海外事業 | - | - |
合計 | 4,210 | 74.6 |
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前期比(%) |
国内事業 | 67,954 | 90.7 |
海外事業 | 31,201 | 76.6 |
合計 | 99,155 | 85.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
国内事業 | 73,864 | 89.6 | 6,999 | 88.3 |
海外事業 | 36,321 | 78.2 | 4,173 | 68.9 |
合計 | 110,186 | 85.5 | 11,173 | 79.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
国内事業 | 74,793 | 89.8 |
海外事業 | 38,206 | 82.2 |
合計 | 112,999 | 87.1 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、昨年7月に平成29年度(2017年度)を最終年度とする中期経営目標を開示致しましたが、為替変動等想定を上回る環境の変化と新ビジネスの遅延等により、あらたに平成30年度(2018年度)を最終年度とする新中期経営目標を策定することと致しました。
平成30年度(2018年度)目標 売上高:1,250億円 売上高営業利益率:1.5% |
本経営目標の達成に向け、以下の経営課題を着実に遂行し、事業基盤の強化を推し進めてまいります。
a)産業マーケットを主領域としたIoTビジネスへの取組強化
→ 高付加価値化によるソリューション型営業の展開
b)収益力向上のための自社製品事業の強化
→ センサ・通信機能を活用した新製品開発の拡充
c)連結売上高拡大のための海外事業比率の早期回復
→ ローカルビジネス深耕のための販売体制再整備
d)成長に向けた外部リソースとのアライアンス&コラボレーション強化
→ 成長投資も視野に入れた事業領域の拡大
e)事業効率の改善と経営資源の再配分
→ 採算性・成長性を軸とした個別ビジネスの“選択と集中”を加速
<中長期的な会社の経営戦略>
当社グループが取り扱っております電子部品・電子機器を中心としたエレクトロニクス業界は、情報通信関連、自動車、家電など社会を構成するさまざまなマーケットで、今後一層の成長が期待されております。また、あらたな産業革命とも言われているIoT時代の到来を迎え、あらゆるものがインターネットでつながり、アプリケーションの急速な拡大とビジネスの多様化が進展するものと思われます。
このような環境の中、当社グループは基幹事業であるデバイスソリューション事業においては、ワールドワイドベースでグロスの拡大を図り、またシステムソリューション事業においては、当社グループの機能価値活用により収益力を高めてまいります。併せてコンプライアンスの強化と透明性の高いコーポレートガバナンスの整備により、経営品質を高め、環境変化に対応した事業経営を推進してまいります。
<目標とする経営指標>
当社グループは、「売上高営業利益率」ならびに「自己資本当期純利益率(ROE)」を重要な経営指標と位置付け、収益力の強化に努め、併せて持続的成長の実現に向け「自己資本比率」を維持することで資本効率を高めてまいります。
なお、「売上高営業利益率」については早期に1.5%以上の回復に努め、また「自己資本当期純利益率(ROE)」につきましては持続的な改善を基本に5%以上の回復に向け取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの取扱商品等は、主として電子機器関連メーカーに販売し、デジタルカメラ、AV機器、携帯端末、パソコン等の製品に使用されておりますが、これら最終製品の販売動向は、流行、競合製品の状況等により大きく変動する傾向を有しております。従って、当社グループの経営成績は、最終製品の販売動向等による取扱商品等の需要動向、価格動向の影響を受ける可能性があります。
当社グループを取り巻くエレクトロニクス業界においては、事業環境への対応あるいは市場競争力を強化するために業界再編の動きが活発となっております。
今後主要仕入先において事業統合や経営統合が行われた場合、あるいは商流や事業方針の変更などにより、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは、ルネサスエレクトロニクスグループから半導体製品の仕入を行っており、その仕入高の構成比は、当連結会計年度において22%となっております。
当社グループが取扱う商品については、製造メーカーとの綿密な連携により、品質や信頼性の維持に努めております。しかしながら不測の事態により不良補償等の問題が発生した場合には当社グループの責任の範囲内において対策費用が発生し、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが取り扱っている電子部品、電子機器は、急速な技術革新、顧客ニーズの変化、新製品・サービスの頻繁な導入を特徴としております。当社グループでは、顧客ニーズを把握し、グループの持つ商社機能に自社技術を融合させ付加価値の高い開発ソリューションを提供できるように努めているほか、国内外で新たな仕入先の開拓を行い、取扱商品の拡大を図っております。しかし、当社グループが想定していないような新技術・新商品の出現等により事業環境が変化した場合、必ずしも迅速には対応出来ない恐れはあります。従って、このような場合には当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、業績の拡大とともに売上債権およびたな卸資産が増加する傾向にあります。売上債権流動化を実施することにより、売上債権の増加を抑制しておりますが、その増加を全面的に回避できるものではありません。従って、売上債権およびたな卸資産の推移によっては、当社グループの財務状況および営業キャッシュ・フローの状況が影響を受ける可能性があります。
なお、当社は資金調達の機動性と安定性を図るため、取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。
当社グループは、為替変動および金利リスクの影響を軽減するために、ヘッジ等を通じてこれらのリスクによる影響を最小限にとどめる措置を講じております。しかし、急激な為替および金利の変動は、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 法律・規制、その他に関するリスクについて
当社グループの事業は、日本をはじめアジアを中心として海外の各国で行われております。これらの市場での事業展開・進出には予期しない法的規制・紛争・テロ・自然災害・労働環境の変化等のようなリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
平成28年5月31日現在における販売等の提携は、次のとおりであります。
契約会社名 | 提携先 | 主な取扱製品 | 契約の種類 |
佐鳥電機株式会社 | 日本電気株式会社 |
| 販売特約店契約 |
ルネサスエレクトロニクス株式会社 | マイコン、システムLSI、アナログ&パワー半導体、メモリ | 特約店契約 | |
NECトーキン株式会社 |
キャパシタ、EMC/ノイズ対策部品
| 販売特約店契約 | |
住友電気工業株式会社 |
化合物半導体、光プロダクツ、光ケーブル、同軸ケーブル、フラットケーブル、FPC、他各種ケーブル
| 特約販売契約 | |
株式会社スター・エレクトロニクス | メレキシス社 |
ホール(磁気)センサ、電流センサ、モータードライバ、RF、IRセンサ、圧力センサ
| 販売代理店契約 |
当社グループは長年のLSI及びソフトウエアの開発により蓄積された技術力をベースに、無線通信分野を中心に他社製品との差別化を図ったオリジナルバリュー製品をご提供できるよう、研究開発活動を展開しております。
当連結会計年度における研究開発費は120百万円であり、主な研究開発活動につきましては、次のとおりであります。
<NFC(Near Field Communication)モジュールの開発>
平成32年東京オリンピックを控え、電子マネー、クレジット等の決済カードにEMV(EuroPay、MasterCard、Visa protcol)規格を含め電子マネー(FeliCa、Mifear等)マルチカードの要求が高まっており、平成26年より非接触カードの製品化を目標とし、各市場向けに3品種の研究開発活動を実施しております。
Type-A・・・接触型R/W-UNIT、電子ロック(鍵)を考慮したカードサイズ1/2の小型製品
Type-B・・・自動販売機、MFP等の産業用機器向けのカードサイズ製品
Type-EMV・・・ATM、POS等の次世代EMV非接触化+電子マネーのマルチR/W
上記3品種とも試作評価を実施し量産性能が確認出来た状況にあり、平成27年度上期より国内外メーカー向けに評価サンプル品を出荷し、平成28年11月量産開始に向け活動しております。
<絶縁監視装置ソリューション>
日本を含めた12か国で特許取得済みで画期的なTrueR技術(漏洩電流(Io)を危険な電流(Igr)とおとなしい電流(Igc)に分離測定できる技術)を保有したSoBrain社との協業により、漏電による火災、感電事故の抑制に大きく貢献できる絶縁監視ソリューションの製品化に向けた研究開発活動を実施しております。現在、絶縁監視装置(Leakele)の商品化が完了し、インバーターやモーター等の各種機器を監視できるモジュール開発、特定用途向け簡易型監視装置への展開を図って参ります。
(特長)
・発火感電の要因であるIgrを正確に検知
・高調波ノイズ等による誤作動を防止
・年次点検における絶縁試験として運用可能
・電路/負荷機器の劣化予兆監視が可能
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいております。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年8月25日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その具体的な内容につきましては、「第5 経理の状況」の「1. 連結財務諸表等」中、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成に当たりまして、過去の実績や法制度の変更など様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確定要素が内在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度末における総資産は、597億59百万円(前連結会計年度末674億20百万円)となり、76億60百万円減少いたしました。
イ) 流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は、502億47百万円(前連結会計年度末567億54百万円)となり、65億6百万円減少いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金の減少(51億42百万円)、商品及び製品の減少(11億60百万円)によるものであります。
ロ) 固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は、95億11百万円(前連結会計年度末106億66百万円)となり、11億54百万円減少いたしました。これは主に、投資有価証券の減少(9億55百万円)によるものであります。
当連結会計年度末における負債は、285億32百万円(前連結会計年度末339億10百万円)となり、53億78百万円減少いたしました。
イ) 流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は、221億63百万円(前連結会計年度末266億7百万円)となり、44億43百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少(38億84百万円)によるものであります。
ロ) 固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は、63億68百万円(前連結会計年度末73億3百万円)となり、9億34百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の減少(7億円)によるものであります。
当連結会計年度末における純資産の残高は、312億27百万円(前連結会計年度末335億9百万円)となり、22億82百万円減少いたしました。これは主に、利益剰余金の減少(5億64百万円)、その他有価証券評価差額金の減少(6億69百万円)、為替換算調整勘定の減少(10億37百万円)によるものであります。
また、自己資本比率は、52.3%(前期比2.6ポイント増加)となりました。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ167億46百万円減少し、1,129億99百万円(前期比12.9%減)となりました。
国内事業は、事務機器用ユニット製品の採用モデル拡大や国内事務機器メーカの生産の国内回帰による販売増があったものの、モバイル端末用メモリの商流変更による販売減および通信インフラ向けで一部顧客の設備投資縮小、アミューズメント関連市場のリユース・リサイクルに伴う販売減により、84億91百万円減となりました。
海外事業は、ノートPC用電子部品の販売増があったものの、PC周辺機器ならびにモバイル端末において採用モデルの終息および仕入先が一部製品を撤退したことにより販売減となりました。また、日系顧客の海外生産におきましては、事務機器向け等の電子部品の国内への生産回帰に伴う販売減により、82億54百万円減となりました。
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ8億99百万円減少し、6億4百万円(前期比59.8%減)となりました。これは主に、販売費及び一般管理費の減少(4億18百万円)による増加はあったものの、売上高の減少による売上総利益の減少(13億18百万円)によるものであります。
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ20億84百万円減少し、2億59百万円(前期比88.9%減)となりました。これは主に、営業利益の減少、為替差損の計上3億28百万円(前期は為替差益8億14百万円)によるものであります。
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ19億33百万円減少し、3億71百万円(前期比83.9%減)となりました。これは主に、投資有価証券売却益の計上(110百万円)はあったものの、経常利益の減少によるものであります。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ16億71百万円減少し、12百万円(前期比99.3%減)となりました。これは主に、法人税等の合計の減少(2億61百万円)による増加はあったものの、税金等調整前当期純利益の減少によるものであります。
「4 事業等のリスク」の項をご参照ください。
「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」の項をご参照ください。
当社グループの資金需要のうち主なものは、商品の購入のほか、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費であります。