第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは創業以来、貿易商社(Global)、技術商社(Technology)、製造商社(Manufacturing)の事業経営3路線を基本に、エレクトロニクスを通して、「安全」「安心」「快適」な社会の実現を目指しております。

今後も拡がり続けるエレクトロニクス産業において、事業の持続的成長と経営効率の改善を図ることで、ステークホルダーへの還元ならびに社会貢献を果たすべく、より一層の企業価値向上に努めてまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループでは、2021年度(2022年5月期)を最終年度とする「中期経営計画2021」を策定し、「営業利益24億円」、「自己資本当期純利益率(ROE)5%以上」の達成を目指しておりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響や、主要仕入先との特約店契約の解消等による事業環境の変化を受け、今般「中期経営計画2021」を凍結し、重要な経営指標の早期回復を目指した収益構造改革推進を決定いたしました。

本年度の見通しについては、事業環境・需要動向を検証し、合理的な算出が可能になった段階で速やかに開示いたします。

なお、新たな中期経営計画については、2021年7月を目処に策定してまいります。併せて、企業として社会に対する責任を果たすため、ガバナンス体制の更なる強化により、経営品質を高め、環境変化に対応した事業経営を推進してまいります。

 

(3) 経営環境および対処すべき課題

エレクトロニクス業界は、米中通商問題や新型コロナウイルス感染拡大などの影響により不透明な事業環境にあるものの、中長期的には技術革新によるグローバルな成長が期待されます。また、IoT技術、産業ロボット、ビッグデータや人工知能などの活用による新たなビジネスモデルは既に市場では浸透しており、当社グループにおいても、電子部品・電子機器といったハードウエアのみならず、ソフトウエアやサービスを含めた様々なソリューションを提供していくことで顧客価値を高め、新たな事業領域を拡大しております。

当社グループは、デバイスソリューションとシステムソリューションの二つの事業を両輪として経営を推進しております。デバイスソリューション事業では、主要仕入先との契約解消があり、新たなコア商材の創出による事業ポートフォリオの再構築を図ってまいります。また、システムソリューション事業では、自社製品を核としたソリューションを拡充すると共に、今後も成長が見込まれるファクトリー、モビリティ、メディカル/ヘルスケア市場における省人化、自動化等のDX化(デジタルトランスフォーメーション)実現に向けた活動を強化してまいります。

2020年度は以下の対処すべき課題に取り組み、経営パラダイムシフトを推進することで、収益構造改革を実行してまいります。
 

経営パラダイムシフトの推進

1.成長戦略の完遂

1)デバイスソリューション事業

①新たなコア商材創出による基盤再強化

②収益性向上に向けたグローバルネットワークの再構築

2)システムソリューション事業

①自社製品を核としたソリューションの拡充

②成長分野におけるDX化推進活動強化

3)パートナー企業とのアライアンス戦略強化

2.事業効率改善

1)成長戦略に基づいた組織・体制の最適化

2)本社管理機能等間接業務の効率化

3.ガバナンス体制の強化

・監査等委員会設置会社への移行

 

(4) 目標とする経営指標

 当社グループは、「営業利益額」と「自己資本当期純利益率(ROE)」を重要な経営指標と位置づけ、収益力の強化に努め、併せて持続的成長に向け財務基盤の安定性を維持しつつ資本効率を高めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している重要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 最終製品の販売動向等について

当社グループの取扱商品等は、主として電子機器関連メーカーに販売し、デジタルカメラ、AV機器、携帯端末、パソコン等の製品に使用されておりますが、これら最終製品の販売動向は、流行、競合製品の状況等により大きく変動する傾向を有しております。従って、当社グループの経営成績は、最終製品の販売動向等による取扱商品等の需要動向、価格動向の影響を受ける可能性があります。

 

(2) 特定の仕入先への依存について

仕入先とは販売店契約を締結し、緊密な関係を維持しておりますが、契約内容が変更となる場合や各社製品の需要動向、供給状況によって当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
 また、仕入先の販売店政策の見直しやM&Aによる再編、商権の変更が生じた場合も、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

  

(3) 自社製品の品質等に関するリスクについて

当社グループは、品質・安全に配慮した製品の開発・製造・販売に最善の努力を図っております。製品の品質管理については品質保証の部署を設置し、取引先に対して品質保証が維持できるよう努めております。しかしながら、すべての製品について不具合・欠陥がなく、将来において製品回収などの事態が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。よって、大規模な製品の回収や製造物責任賠償につながるような不具合・欠陥が発生した場合には、当社グループの社会的信頼性に重大な影響を与え、多額の費用又は損失の発生や売上高の減少により、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 在庫リスクについて

当社グループは、顧客からの所要状況や仕入先の供給状況および市場動向を総合的に勘案し、適正な在庫水準の維持と滞留在庫の発生を防ぐ努力をしております。ただし仕入先の取扱製品の生産終了(EOL)や自然災害発生時のサプライチェーン継続に伴い、在庫が増加する可能性があります。

当社グループは適正な在庫価値評価を行い、評価減を計上しておりますが、市況変動など当初見込んでいた顧客の所要に変化があった場合には当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 技術革新・顧客ニーズへの対応について

当社グループが属するエレクトロニクス業界は、技術革新や事業環境の変化が極めて速く、顧客が当社グループに求める機能も年々、多様化・複雑化しております。当社グループでは、顧客ニーズを把握し、グループの持つ商社機能に自社技術を融合させ付加価値の高い開発ソリューションを提供できるように努めているほか、国内外で新たな仕入先の開拓を行い、取扱商品の拡大を図っております。しかしながら、当社グループが想定していないような新技術・新商品の出現等により事業環境が変化した場合、必ずしも迅速には対応できない恐れはあります。従って、このような場合には当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) キャッシュ・フローの状況について

当社グループは、業績の拡大とともに売上債権およびたな卸資産が増加する傾向にあります。売上債権流動化を実施することにより、売上債権の増加を抑制しておりますが、その増加を全面的に回避できるものではありません。従って、売上債権およびたな卸資産の推移によっては、当社グループの財務状況および営業キャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、当社は資金調達の機動性と安定性を図るため、取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。

 

 

(7) 為替レートおよび金利の変動について

当社グループが事業を展開する日本国外の各地域における売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。これらの項目は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
  現在、外貨建ての輸出入取引や国内取引であっても外貨建てとする取引が発生しております。取引発生時と決済時の為替変動リスクに関しては、外貨売上に伴う回収代金を外貨仕入代金の支払いに充てる方法(マリー)や為替予約(カバー)によってリスク回避に努めております。為替変動による仕入価格の変動に関しては、仕入価格の動向を勘案して販売価格を改定する等の方策を採っておりますが、急激な為替変動により、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、運転資金の一部を金融機関からの借入れにより調達しており、資金調達手段の多様化等により金利変動リスクを軽減するよう努めておりますが、急激な金利変動により、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 売上債権等の貸倒れの影響について

当社グループでは、国内外の多くの取引先と製品販売、サービス提供を行っており、十分な与信管理を行うとともに、売上債権等に対して一定の貸倒引当金を計上する等、信用リスク管理に努めております。しかしながら、与信先の信用不安等により、貸倒損失の発生や貸倒引当金を追加で計上する場合は、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 投資有価証券の価格変動について

当社グループは、中長期的な企業価値の向上に向けて、取引関係の維持および強化を図るため、他社の株式を取得および保有しております。毎年、中長期的な視点を踏まえて継続保有の合理性・必要性を確認しておりますが、経済情勢や株式相場の動向等により、株価に著しい変動が生じる場合には、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 固定資産の減損処理について

当社グループでは、固定資産を保有しておりますが、固定資産の減損に係る会計基準の対象となる資産又は資産グループについて減損損失を認識すべきであると判定した場合には、当該資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として当該期の損失とすることとなり、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) M&A、業務・資本提携について

当社グループでは、M&Aおよび業務・資本提携を既存事業の補完・強化のため、また、業務規模の拡大、新規事業への進出を図る成長戦略のための有効な手段の一つであると位置づけております。これらの実施に当たっては、対象となる企業の財務・税務・法務・事業内容・リスク等に関する詳細なデューデリジェンスを行い、意思決定のために必要かつ十分な情報を収集し、各種リスクの低減を図っておりますが、市場および競争環境に著しい変化が生じた場合や事前に認識していなかった問題が顕在化した場合等、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 事業環境変化および人材の確保による影響について

当社グループの属するエレクトロニクス業界は、技術革新および事業環境の変化のスピードが速く、高度な開発力、技術力、サポート力が必要とされます。当社グループにおいても、このような環境変化に対応すべく、社内の技術力を高め、販売活動・技術サポート・設計開発ビジネス・保守サービス等における付加価値の向上によって競争力の強化に努めております。しかしながら、想定していた人材の獲得が困難になった場合や人材が流出した場合、商品やサービスを事業計画どおりに提供することが困難となり、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(13) その他の事項について

①法的規制等および訴訟等のリスクについて

当社グループは、国内外において事業を展開しており、各国の法的規制の適用を受けております。予想外の規制の変更、法令適用や政府の政策運用の変更等により、当社グループの事業、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、事業活動の遂行にあたり、訴訟その他の法的手続の対象となるリスクがあり、その結果、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
  

②情報漏洩・流出による影響について

当社グループは、顧客や取引先に関する機密情報および個人情報を有しております。これらの情報を守ることを重大な社会的責務と認識し、情報の適切な取扱い・管理・保護・維持に努めております。しかしながら、万が一情報漏洩等の問題が発生した場合には、社会的信用の失墜や損害賠償責任のために多額の費用負担が発生する可能性があり、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③自然災害による影響について

当社グループは、地震等の災害に備え、事業継続計画の策定や防災訓練等の対策に取り組んでおりますが、想定外の大規模地震や洪水等の自然災害が発生した場合、業務の全部又は一部の停止、若しくは仕入先・販売先の生産機能および物流機能不全等により、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④カントリーリスクについて

当社グループが進出した国・地域または国内において、経済状況、政治、社会体制等の著しい変化や法律・税制の改正、テロ・戦争、疫病の発生・蔓延などの事象が生じた場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤新型コロナウイルスについて

当社グループは新型コロナウイルス感染拡大を受けて、従業員の安全確保のため、在宅勤務や時差通勤の実施、社屋や各フロア入口での消毒、不急の出張・外出、接待等宴席の自粛、電話会議やWeb会議での対応、朝晩の検温、マスクの着用の推進など感染拡大防止に向けた取り組みを実行しながら、取引先への安定した商品・サービスの提供の維持に努めております。

新型コロナウイルス感染症が経済に与える影響および感染拡大の範囲や収束時期が不透明な状況のなかで、現時点では業績に与える影響を合理的に算定することが困難でありますが、その影響が継続した場合、当社商品が組み込まれている最終製品の需要や設備投資の動向、取引先の生産調整など、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、米中通商問題の影響による輸出や生産活動の停滞が続く中、年明け以降は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により急速に悪化しました。先行きについても当面、不透明な状況が続くと見込まれます。

このような環境の中、当連結会計年度の業績につきましては、次のとおりであります。

 

(イ)財政状態

総資産は、前連結会計年度末に比べて32億17百万円減少し、603億22百万円となりました。

負債は、前連結会計年度末に比べて27億80百万円減少し、309億13百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末に比べて4億36百万円減少し、294億9百万円となりました。

 

(ロ)経営成績

売上高は調達マネジメント事業の拡大や、新型コロナウイルスの感染拡大によるテレワーク需要の増加により、ノートPC用電子部品の販売が増加したものの、米中通商問題の影響による半導体製造装置や工作機械の生産低迷、中国、欧州での車載市場の減速等により半導体製品の販売が停滞する中、年明け以降は、新型コロナウイルスの感染拡大による顧客工場の稼働停止や生産調整等の影響を受け、既存事業の販売が減少したことにより1,071億30百万円(前期比8.2%減)となりました。利益面につきましては、販売費及び一般管理費の減少はあったものの、売上減に伴う売上総利益額の減少により、営業利益は5億12百万円(前期比21.9%減)、経常利益は4億99百万円(前期比17.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益の計上はあったものの、特別転進支援施策の実施に伴う特別退職金の計上や海外子会社における減損損失の計上、繰延税金資産取り崩しによる法人税等調整額の計上等により52百万円(前期比82.3%減)となりました。

  

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、77億27百万円(前連結会計年度末は75億93百万円)となり、1億33百万円増加しました。

 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は25億29百万円(前連結会計年度は1億83百万円の獲得)となりました。

これは主に仕入債務の減少による資金の減少はあったものの、売上債権の減少により資金が増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は73百万円(前期比41.6%減)となりました。

これは主に投資有価証券の売却による資金の増加はあったものの、投資有価証券および無形固定資産の取得による支出により資金が減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は22億62百万円(前連結会計年度は4億70百万円の獲得)となりました。

これは主に短期借入金の純減少、配当金の支払により資金が減少したことによるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の状況

(生産実績)

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

 デバイスソリューション事業

3,026

93.2

 システムソリューション事業

1,149

154.3

合計

4,175

104.6

 

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(仕入実績)

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前期比(%)

 デバイスソリューション事業

76,431

90.3

 システムソリューション事業

16,655

84.4

合計

93,086

89.2

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(受注状況)

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

 デバイスソリューション事業

85,883

89.0

14,087

96.9

 システムソリューション事業

20,599

89.4

3,674

95.0

合計

106,482

89.0

17,762

96.5

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(販売実績)

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

 デバイスソリューション事業

86,338

92.9

 システムソリューション事業

20,791

87.7

合計

107,130

91.8

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(イ)財政状態

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、603億22百万円(前連結会計年度末は635億39百万円)となり、32億17百万円減少いたしました。これは主に電子記録債権の増加(12億7百万円)はあったものの、受取手形及び売掛金の減少(45億77百万円)によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債は、309億13百万円(前連結会計年度末は336億94百万円)となり、27億80百万円減少いたしました。これは主に電子記録債務の増加(9億45百万円)はあったものの、支払手形及び買掛金の減少(26憶12百万円)、短期借入金の減少(15億45百万円)によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、294億9百万円(前連結会計年度末は298億45百万円)となり、4億36百万円減少いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金の増加(1億67百万円)はあったものの、利益剰余金の減少(5億72百万円)によるものであります。なお、自己資本比率は、前連結会計年度の46.8%から48.5%に増加しました。

 

(ロ)経営成績

(売上高)

調達マネジメント事業の拡大や、新型コロナウイルスの感染拡大によるテレワーク需要の増加により、ノートPC用電子部品の販売が増加したものの、米中通商問題の影響による半導体製造装置や工作機械の生産低迷、中国、欧州での車載市場の減速等により半導体製品の販売が停滞する中、年明け以降は、新型コロナウイルスの感染拡大による顧客工場の稼働停止や生産調整等の影響を受け、既存事業の販売が減少したことにより前連結会計年度と比べ95億64百万円減少の1,071億30百万円となりました。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度は、主に貸倒引当金繰入額の減少(2億65百万円)や、荷造運搬費の減少(1億11百万円)により、前連結会計年度と比べ5億66百万円減少89億41百万円となりました。

(営業利益)

当連結会計年度は、主に販売費及び一般管理費の減少(5億66百万円)による増加はあったものの、売上減に伴う売上総利益の減少(7億10百万円)により、前連結会計年度と比べ1億43百万円減少5億12百万円となりました。

(経常利益)

当連結会計年度は、主に営業利益の減少(1億43百万円)により、前連結会計年度と比べ1億8百万円減少4億99百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度は、主に投資有価証券売却益の増加(3億65百万円)はあったものの、経常利益の減少(1億8百万円)や、特別退職金の計上(2億94百万円)による減少、法人税、住民税及び事業税の減少(1億91百万円)により、前連結会計年度と比べ2億44百万円減少52百万円となりました。

 

これらの結果として、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ0.1ポイント減少し0.5%となりました。

デバイスソリューション事業では、主要仕入先との契約解消があり、新たなコア商材の創出による事業ポートフォリオの再構築を図っております。システムソリューション事業では、自社製品を核としたソリューションを拡充すると共に、今後も成長が見込まれるファクトリー、モビリティ、メディカル/ヘルスケア市場における省人化、自動化等のDX化(デジタルトランスフォーメーション)実現に向けた活動を強化しております。また、本社管理機能等間接業務の効率化、組織体制の最適化など、収益構造改革を推進し収益力の強化を図っております。

 

 

②経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

当社は、「コンプライアンス・リスク委員会」を半期に一度開催し、当社グループにとって重要なリスクについて、その影響度を踏まえ、対応策等の検討ならびに情報共有を図っております。また、企業活動に重大な影響を及ぼす恐れがある緊急事態が発生した場合には、「リスク管理規則」に則って対応しております。なお、自然災害等により生じる損害の拡大防止および損失の最小化を目的として当社が定めているBCP(事業継続計画)について、その実効性を高めるため、継続的に内容の見直しを実施しております。

 

③キャッシュ・フロー状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況)

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(資金需要)

当社グループは、資金需要が生じる事象は主に商品の購入のほか、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費であります。

なお、重要な資本的支出の予定はありません。

 

(財務政策)

当社グループは、金融機関等からの借入れおよび売上債権流動化により資金調達を行うことを基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金、社債およびリース債務を含む有利子負債の残高は117億4百万円となっております。

また、資金調達の機動性と安定性を図るため、取引先金融機関3行とコミットメントライン契約を締結しております。契約極度額は90億円であり、当連結会計年度末現在において、本契約に基づく借入金残高は30億70百万円であります。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、2021年度(2022年5月期)を最終年度とする「中期経営計画2021」を策定し、「売上高1,500億円」「営業利益24億円」「自己資本当期純利益率(ROE)5%以上」を定量目標として掲げておりました。
 しかしながら、米中通商問題の影響による半導体製造装置や工作機械の生産低迷、中国、欧州での車載市場の減速等により、半導体製品の販売が停滞する中、年明け以降は、新型コロナウイルスの感染拡大による顧客工場の稼働停止や生産調整等の影響を受けました。また、主要仕入先との特約店契約を解消することになり、前提としていた事業環境に大きな変化がみられていることから、現状の「中期経営計画2021」を凍結することといたしました。

 

⑤セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(デバイスソリューション事業)

調達マネジメント事業の拡大や、新型コロナウイルスの感染拡大によるテレワーク需要の増加により、ノートPC用電子部品の販売が増加したものの、デジタルカメラ用半導体や車載向け外資系半導体、事務機器用ハードディスク等の販売減により、売上高は863億38百万円(前期比7.1%減)、セグメント利益は2億81百万円(前期比6.7%増)となりました。

(システムソリューション事業)

自社製品である絶縁監視装置の販売増があったものの、工作機械用電子機器や、新聞製作システム用CTP装置等の販売減により、売上高は207億91百万円(前期比12.3%減)、セグメント利益は2億33百万円(前期比40.7%減)となりました。

 

⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」にて記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

(たな卸資産)

当社グループのたな卸資産の評価については、収益性の低下による簿価切り下げの方法により評価損を計上しております。将来の事業環境の変化により、たな卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(固定資産の減損損失)

当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。将来、業績の大幅な悪化や経営環境等の変化により、新たな減損損失の計上が必要となる可能性があります。

 

(繰延税金資産)

当社グループの繰延税金資産については、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断し計上しております。市場環境の変化等により課税所得の見積り額が変動した場合や、税制改正により実効税率が変更された場合には、繰延税金資産計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 追加情報」にて記載しております。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

2020年5月31日現在における販売等の提携は、次のとおりであります。

契約会社名

提携先

契約の種類

佐鳥電機株式会社

日本電気株式会社

販売特約店契約

ルネサスエレクトロニクス株式会社

特約店契約

株式会社トーキン

販売特約店契約

住友電気工業株式会社

特約販売契約

Western Digital Technologies Inc.

販売店契約

株式会社スター・エレクトロニクス

MELEXIS N.V.

販売代理店契約

 

 (注)2020年9月30日付でルネサスエレクトロニクス株式会社との特約店契約の解消を予定しておりますが、解消予定日以降も顧客事情に応じて、一定期間、同社製品を取扱う可能性があります。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは長年のLSI及びソフトウエアの開発により蓄積された技術力をベースに、無線通信分野を中心に他社製品との差別化を図ったオリジナルバリュー製品を提供できるよう、研究開発活動を展開しております。

当連結会計年度における研究開発費は46百万円であり、主な研究開発活動につきましては次のとおりであります。

 

 <システムソリューション事業>

(絶縁監視装置ソリューション)

 日本を含めた12か国で特許取得済みで画期的なTrueR技術(漏洩電流(Io)を危険な電流(Igr)とおとなしい電流(Igc)に分離測定できる技術)を保有した株式会社SoBrainとの協業により、漏電による火災、感電事故の抑制に大きく貢献できる絶縁監視ソリューションの製品化に向けた研究開発活動を実施しております。絶縁監視装置(Leakele)の商品化が完了し、全国の工場、ビル他に採用が進んでおります。特定用途向け絶縁監視装置につきましては、一般財団法人 関東電気保安協会との共同技術開発により小型絶縁監視装置(LeakeleDH)への展開を図り、2018年12月から一般財団法人 関東電気保安協会へ量産納入を開始しました。また、小型絶縁監視装置の次機種(LeakeleDH-Ⅱ)の開発を行い2019年6月より量産納入開始しました。さらに一般財団法人 中国電気保安協会に対し2020年12月より量産開始に向け開発中です。

(特長)

・発火感電の要因であるIgrを正確に検知

・高調波ノイズ等による誤作動を防止

・年次点検における絶縁試験として運用可能

・電路/負荷機器の劣化予兆監視が可能

 

(カーボンナノチューブ布状ヒータソリューション)

カーボンナノチューブ(以下CNT)布状ヒータは、CNTでコーティングしたポリエステル糸を布状に織り込み、さらに電極部に金属細線を縫い込み、これに平織金属線を縫い合わせ、導電性接着剤で接着して製造します。このCNT布状ヒータは、面状ヒータのひとつである電熱線ヒータに比べ均一な発熱、電力約3割減の省エネ(当社測定)、穴が開いても異常発熱の無い高い安全性を有しております。加えて、突入電流が無くデジタル制御による一層の省エネ化、布の特長であるさまざまな形状への対応、薄型・軽量を活かした屋根設置や地面埋込時の施工時間短縮などの特長を有しております。

これらの特長を活かし、融雪、融氷、食品保温、機器保温などの用途向けに製品化を進めております。例えば、駅舎のホームや屋根およびETCレーンに設営した融雪試験、新幹線の着雪・着氷を融雪するふさぎ板や台車カバーの試作、駐車場や店舗への道程および入り口の融雪を目的としたヒータの試作を行っております。また、食品の保温や成型物の製造精度向上のための金型保温用に試作品を提供し、効果確認および店舗のサービス向上や製造コスト低減を図った取り組みも行っております。

(特長)

・電熱線ヒータに比べ均一な発熱、電力約3割減の省エネ(当社測定)

・穴が開いても異常発熱の無い高い安全性

・突入電流が無くデジタル制御によるさらなる省エネ化

・布の特徴であるさまざまな形状への対応

・薄型・軽量を活かした屋根設置や地面埋込時の施工時間短縮