第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは創業以来、貿易商社(Global)、技術商社(Technology)、製造商社(Manufacturing)の事業経営3路線を基本に、エレクトロニクスを通して、「安全」「安心」「快適」な社会の実現を目指しております。

今後も拡がり続けるエレクトロニクス産業において、事業の持続的成長と経営効率の改善を図ることで、ステークホルダーへの還元ならびに社会貢献を果たすべく、より一層の企業価値向上に努めてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、「営業利益額」と「自己資本当期純利益率(ROE)」を重要な経営指標と位置づけ、収益力の強化に努め、併せて持続的成長に向け財務基盤の安定性を維持しつつ資本効率を高めてまいります。

「中期経営計画2023」の最終年度である2023年度中期経営計画値につきましては、2021年度連結業績実績を勘案し、「売上高1,400億円」、「営業利益26億円」、「自己資本当期純利益率(ROE)6.4%」に上方修正いたします。
 

(3) 経営環境および対処すべき課題

当社グループが属するエレクトロニクス業界は、通信、電子部品市場の拡大や車載市場の回復はあるものの、短期的には半導体を中心とした供給不足による売上懸念があります。
 中長期的には技術革新によるグローバルな成長が期待されます。DX/IoT技術、第5世代移動通信システム、産業ロボット、ビッグデータや人工知能などの活用による市場での更なる浸透や新たなビジネスモデルの創出に期待が高まっております。
 このような経営環境の中、事業ポートフォリオ最適化による収益性の向上とグローバルネットワークの拡大、サステナビリティ経営推進を図ることにより、持続的な成長に向けた経営を推進してまいります。
 
 「中期経営計画2023」では、収益力強化と企業価値向上に向け、以下の課題に取り組んでまいります。
 
 1.事業ポートフォリオの最適化による収益性向上
   1)産業インフラ事業
   2)エンタープライズ事業
   3)モビリティ事業
   4)グローバル事業
 
 2.ビジネス・デベロップメント機能による国内外の新規事業開発とM&A推進
 
 3.サステナビリティ推進体制
   1)社会課題解決
     SDGs対象商材売上増を目指す
   2)社会責任活動
     社内CO₂排出量削減
     ダイバーシティ推進(女性リーダー比率および外国人社員比率向上)

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している重要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 最終製品の販売動向等について

当社グループの取扱商品等は、主として電子機器関連メーカーに販売し、デジタルカメラ、AV機器、携帯端末、パソコン等の製品に使用されておりますが、これら最終製品の販売動向は、流行、競合製品の状況等により大きく変動する傾向を有しております。従って、当社グループの経営成績および財務状況は、最終製品の販売動向等による取扱商品等の需要動向、価格動向の影響を受ける可能性があります。

 

(2) 特定の仕入先への依存について

仕入先とは販売店契約を締結し、緊密な関係を維持しておりますが、契約内容が変更となる場合や各社製品の需要動向、供給状況によって当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
 また、仕入先の販売店政策の見直しやM&Aによる再編、商権の変更が生じた場合も、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

  

(3) 自社製品の品質等に関するリスクについて

当社グループは、品質・安全に配慮した製品の開発・製造・販売に最善の努力を図っております。製品の品質管理については品質保証の部署を設置し、取引先に対して品質保証が維持できるよう努めております。しかしながら、すべての製品について不具合・欠陥がなく、将来において製品回収などの事態が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。よって、大規模な製品の回収や製造物責任賠償につながるような不具合・欠陥が発生した場合には、当社グループの社会的信頼性に重大な影響を与え、多額の費用又は損失の発生や売上高の減少により、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 在庫リスクについて

当社グループは、顧客からの所要状況や仕入先の供給状況および市場動向を総合的に勘案し、適正な在庫水準の維持と滞留在庫の発生を防ぐ努力をしております。ただし仕入先の取扱製品の生産終了(EOL)や自然災害発生時のサプライチェーン継続に伴い、在庫が増加する可能性があります。

当社グループは適正な在庫価値評価を行い、評価減を計上しておりますが、市況変動など当初見込んでいた顧客の所要に変化があった場合には当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 技術革新・顧客ニーズへの対応について

当社グループが属するエレクトロニクス業界は、技術革新や事業環境の変化が極めて速く、顧客が当社グループに求める機能も年々、多様化・複雑化しております。当社グループでは、顧客ニーズを把握し、グループの持つ商社機能に自社技術を融合させ付加価値の高い開発ソリューションを提供できるように努めているほか、国内外で新たな仕入先の開拓を行い、取扱商品の拡大を図っております。しかしながら、当社グループが想定していないような新技術・新商品の出現等により事業環境が変化した場合、必ずしも迅速には対応できない恐れはあります。従って、このような場合には当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) キャッシュ・フローの状況について

当社グループは、業績の拡大とともに売上債権および棚卸資産が増加する傾向にあります。売上債権流動化を実施することにより、売上債権の増加を抑制しておりますが、その増加を全面的に回避できるものではありません。従って、売上債権および棚卸資産の推移によっては、当社グループの財務状況および営業キャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、当社は資金調達の機動性と安定性を図るため、取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。

 

 

(7) 為替レートおよび金利の変動について

当社グループが事業を展開する日本国外の各地域における売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。これらの項目は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
  現在、外貨建ての輸出入取引や国内取引であっても外貨建てとする取引が発生しております。取引発生時と決済時の為替変動リスクに関しては、外貨建売上に伴う回収代金を外貨建仕入代金の支払いに充てる方法(マリー)や為替予約(カバー)によってリスク回避に努めております。為替変動による仕入価格の変動に関しては、仕入価格の動向を勘案して販売価格を改定する等の方策を採っておりますが、急激な為替変動により、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、運転資金の一部を金融機関からの借入れにより調達しており、資金調達手段の多様化等により金利変動リスクを軽減するよう努めておりますが、急激な金利変動により、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 売上債権等の貸倒れの影響について

当社グループでは、国内外の多くの取引先と製品販売、サービス提供を行っており、十分な与信管理を行うとともに、売上債権等に対して一定の貸倒引当金を計上する等、信用リスク管理に努めております。しかしながら、与信先の信用不安等により、貸倒損失の発生や貸倒引当金を追加で計上する場合は、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 投資有価証券の価格変動について

当社グループは、中長期的な企業価値の向上に向けて、取引関係の維持および強化を図るため、他社の株式を取得および保有しております。毎年、中長期的な視点を踏まえて継続保有の合理性・必要性を確認しておりますが、経済情勢や株式相場の動向等により、株価に著しい変動が生じる場合には、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 固定資産の減損処理について

当社グループでは、固定資産を保有しておりますが、固定資産の減損に係る会計基準の対象となる資産又は資産グループについて減損損失を認識すべきであると判定した場合には、当該資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として当該期の損失とすることとなり、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) M&A、業務・資本提携について

当社グループでは、M&Aおよび業務・資本提携を既存事業の補完・強化のため、また、業務規模の拡大、新規事業への進出を図る成長戦略のための有効な手段の一つであると位置づけております。これらの実施に当たっては、対象となる企業の財務・税務・法務・事業内容・リスク等に関する詳細なデューデリジェンスを行い、意思決定のために必要かつ十分な情報を収集し、各種リスクの低減を図っておりますが、市場および競争環境に著しい変化が生じた場合や事前に認識していなかった問題が顕在化した場合等、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 事業環境変化および人材の確保による影響について

当社グループの属するエレクトロニクス業界は、技術革新および事業環境の変化のスピードが速く、高度な開発力、技術力、サポート力が必要とされます。当社グループにおいても、このような環境変化に対応すべく、社内の技術力を高め、販売活動・技術サポート・設計開発ビジネス・保守サービス等における付加価値の向上によって競争力の強化に努めております。しかしながら、想定していた人材の獲得が困難になった場合や人材が流出した場合、商品やサービスを事業計画どおりに提供することが困難となり、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(13) その他の事項について

①法的規制等および訴訟等のリスクについて

当社グループは、国内外において事業を展開しており、各国の法的規制の適用を受けております。予想外の規制の変更、法令適用や政府の政策運用の変更等により、当社グループの事業、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、事業活動の遂行にあたり、訴訟その他の法的手続の対象となるリスクがあり、その結果、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
  

②情報漏洩・流出による影響について

当社グループは、顧客や取引先に関する機密情報および個人情報を有しております。これらの情報を守ることを重大な社会的責務と認識し、情報の適切な取扱い・管理・保護・維持に努めております。しかしながら、万が一情報漏洩等の問題が発生した場合には、社会的信用の失墜や損害賠償責任のために多額の費用負担が発生する可能性があり、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③自然災害による影響について

当社グループは、地震等の災害に備え、事業継続計画の策定や防災訓練等の対策に取り組んでおりますが、想定外の大規模地震や洪水等の自然災害が発生した場合、業務の全部又は一部の停止、若しくは仕入先・販売先の生産機能および物流機能不全等により、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④カントリーリスクについて

当社グループが進出した国・地域または国内において、経済状況、政治、社会体制等の著しい変化や法律・税制の改正、テロ・戦争、疫病の発生・蔓延などの事象が生じた場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤新型コロナウイルスについて

当社グループは新型コロナウイルス感染拡大を受けて、従業員の安全確保のため、リモートワークや時差通勤の実施、社屋や各フロア入口での消毒、不急の出張・外出、接待等宴席の自粛、電話会議やWeb会議での対応、朝晩の検温、マスクの着用の推進など感染拡大防止に向けた取り組みを実行しながら、取引先への安定した商品・サービスの提供の維持に努めております。

新型コロナウイルス感染症が経済に与える影響および感染拡大の範囲や収束時期が不透明な状況のなかで、現時点では業績に与える影響を合理的に算定することが困難でありますが、その影響が継続した場合、当社商品が組み込まれている最終製品の需要や設備投資の動向、取引先の生産調整など、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥情報セキュリティに係るリスクについて

当社グループでは、リモートワークによる外部からのアクセスの増加など、情報システムの利用とその重要性は増大しております。そのため、情報システムや情報通信ネットワークの安定的運用とセキュリティ強化に努めておりますが、サイバー攻撃、コンピュータウイルスの侵入等によるシステム停止やデータの破壊、改ざん等によるオペレーションの混乱、停止が生じた場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦半導体の需給逼迫リスクについて

主要取扱商品である半導体の需給が逼迫する状況にあります。半導体の需給が逼迫した状況が続くと、得意先の納期までに商品を調達できないリスクや得意先であるセットメーカーが必要な部品を調達することができず減産を行うリスクにより、売上高や利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。

また、半導体の需給逼迫がパソコンやサーバー、ネットワーク機器といった電子機器の調達に影響し、納期の遅延や注文のキャンセルにより、売上高や利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を経過的な取扱いに従って適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症対策により一部回復の動きが見られるものの、半導体製品等の供給制約や原材料価格の高騰、円安の進展、インフレ懸念など不安定な状況にあります。

このような環境の中、当連結会計年度の業績につきましては、次のとおりであります。

 

(イ)財政状態

総資産は、前連結会計年度末に比べて112億76百万円増加し、744億92百万円となりました。

負債は、前連結会計年度末に比べて91億90百万円増加し、420億35百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末に比べて20億85百万円増加し、324億57百万円となりました。

 

(ロ)経営成績

売上高は新型コロナウイルス感染拡大の影響はあったものの、主に半導体・電子部品市場の拡大により、1,258億50百万円(前年度比18.9%増)となりました。利益面につきましては、営業利益は売上高の増加に伴う荷造運搬費や販売促進費、人件費などの販売費及び一般管理費の増加はあったものの、売上高の増加や粗利率改善に伴う売上総利益の増加および円安効果により、26億2百万円(前年度比189.3%増)、経常利益は為替差損の増加はあったものの、商流移管による受取補償金の計上等により26億1百万円(前年度比128.3%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は減損損失15億85百万円等の特別損失の計上はあったものの、固定資産売却益10億90百万円、グループ通算制度適用による法人税等調整額の減少等により、19億8百万円(前年度比266.6%増)となりました。

  

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、79億96百万円(前連結会計年度末は94億3百万円)となり、14億7百万円減少しました。

 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は14億13百万円(前連結会計年度は45億55百万円の獲得)となりました。

これは主に税引前当期純利益の計上による資金の増加はあったものの、売上債権の増加、棚卸資産の増加により資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は5億2百万円(前連結会計年度は1億58百万円の使用)となりました。

これは主に投資有価証券の取得による資金の減少はあったものの、有形固定資産の売却による収入により資金が増加したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は8億55百万円(前年度比70.1%減)となりました。

これは主に配当金の支払により資金が減少したことによるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の状況

(生産実績)

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

 デバイスソリューション事業

3,946

146.5

 システムソリューション事業

2,017

130.0

合計

5,963

140.5

 

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

(仕入実績)

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前期比(%)

 デバイスソリューション事業

95,081

124.9

 システムソリューション事業

18,556

113.9

合計

113,638

123.0

 

 

(受注状況)

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

 デバイスソリューション事業

135,736

130.3

65,080

199.5

 システムソリューション事業

26,693

126.4

8,670

190.4

合計

162,429

129.7

73,751

198.4

 

 

(販売実績)

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

 デバイスソリューション事業

103,273

120.6

 システムソリューション事業

22,577

111.6

合計

125,850

118.9

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(イ)財政状態

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、744億92百万円(前連結会計年度末は632億16百万円)となり、112億76百万円増加いたしました。これは主に固定資産の減少(16億93百万円)はあったものの、受取手形及び売掛金の増加(31億15百万円)、商品及び製品の増加(85億47百万円)によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債は、420億35百万円(前連結会計年度末は328億44百万円)となり、91億90百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金の増加(48億52百万円)、預り金の増加(38億74百万円)によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、324億57百万円(前連結会計年度末は303億72百万円)となり、20億85百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加(12億82百万円)、円安による為替換算調整勘定の増加(11億52百万円)によるものであります。なお、自己資本比率は、前連結会計年度の47.8%から43.3%となりました。

 

(ロ)経営成績

(売上高)

新型コロナウイルス感染拡大の影響はあったものの、主に半導体・電子部品市場の拡大により、1,258億50百万円(前年度比18.9%増)となりました。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度は、主に荷造運搬費の増加(1億23百万円)や、給与手当の増加(3億35百万円)により、前連結会計年度と比べ8億80百万円増加90億85百万円となりました。

(営業利益)

当連結会計年度は、主に販売費及び一般管理費の増加(8億80百万円)による減少はあったものの、売上高の増加に伴う売上総利益の増加(25億83百万円)により、前連結会計年度と比べ17億2百万円増加26億2百万円となりました。

(経常利益)

当連結会計年度は、主に円安に伴う為替差損の増加(3億63百万円)による減少はあったものの、営業利益の増加(17億2百万円)により、前連結会計年度と比べ14億62百万円増加26億1百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度は、主に減損損失の増加(15億83百万円)による減少はあったものの、経常利益の増加(14億62百万円)、固定資産売却益の増加(10億89百万円)、翌連結会計年度にグループ通算制度を適用する影響などで法人税等調整額が減少(3億4百万円)したことにより、前連結会計年度と比べ13億87百万円増加19億8百万円となりました。

 

これらの結果として、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ1.2ポイント増加し2.1%となりました。

デバイスソリューション事業では、新たなコア商材の創出と育成、通信、エナジー等成長市場への注力、事業領域拡大に向けた海外ビジネスの強化を図っております。システムソリューション事業では、注力市場としてファクトリー、モビリティ、メディカル、社会インフラへの集中、ならびにセンサ、無線、絶縁監視技術の活用による自社製品を核としたソリューションの提供等により収益性の向上を図っております。

 

 

②経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

当社は、「コンプライアンス・リスク委員会」を半期に一度開催し、当社グループにとって重要なリスクについて、その影響度を踏まえ、対応策等の検討ならびに情報共有を図っております。また、企業活動に重大な影響を及ぼす恐れがある緊急事態が発生した場合には、「リスク管理規則」に則って対応しております。なお、自然災害等により生じる損害の拡大防止および損失の最小化を目的として当社が定めているBCP(事業継続計画)について、その実効性を高めるため、継続的に内容の見直しを実施しております。

 

③キャッシュ・フロー状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況)

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(資金需要)

当社グループは、資金需要が生じる事象は主に商品の購入のほか、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費であります。

なお、重要な資本的支出の予定はありません。

 

(財務政策)

当社グループは、金融機関等からの借入れおよび売上債権流動化により資金調達を行うことを基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金、社債およびリース債務を含む有利子負債の残高は154億82百万円となっております。

また、資金調達の機動性と安定性を図るため、取引先金融機関3行とコミットメントライン契約を締結しております。契約極度額は90億円であり、当連結会計年度末現在において、本契約に基づく借入金残高は12億円であります。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは2023年度を最終年度とする「中期経営計画2023」を策定し、対処すべき課題に取り組んだ結果、初年度である2021年度の連結業績は、売上高1,258億円(前年度比18.9%増)、営業利益26億円(前年度比189.3%増)、経常利益26億円(前年度比128.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益19億円(前年度比266.6%増)の大幅改善を実現することができました。
 2022年度より、エレクトロニクスの力で社会課題を解決する「顧客価値創造会社」への変革を目指し、「産業インフラ事業」「エンタープライズ事業」「モビリティ事業」「グローバル事業」「全社及び消去」のセグメントにて開示してまいります。
 加えて「攻めの経営」を促し、企業の持続的な成長のためのインセンティブプランとしての「役員株式報酬制度」導入を株主総会に上程しております。
 2022年度の連結業績見通しにつきましては、売上高1,350億円(前年度比7.3%増)、営業利益23億円(前年度比11.6%減)、経常利益25億円(前年度比3.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益20億円(前年度比4.8%増)を見込んでおります。2021年度にあった円安効果を2022年度は見込まないことから営業利益は減益になりますが、親会社株主に帰属する当期純利益は増益を見込んでおります。
 「中期経営計画2023」の最終年度である2023年度中期経営計画値につきましても、2021年度連結業績実績を勘案し、売上高1,400億円、営業利益26億円に上方修正いたします。

 

 

⑤セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(デバイスソリューション事業)

事務機器用半導体の販売減はあったものの、リモートワーク需要の拡大によるノートPC用電子部品の販売増、調達マネジメントサービスの拡大により、売上高は1,032億73百万円(前年度比20.6%増)、セグメント利益は27億60百万円(前年度比153.1%増)となりました。

(システムソリューション事業)

半導体製造装置用制御機器等の販売増など産業インフラ向け事業の拡大により、売上高は225億77百万円(前年度比11.6%増)、セグメント損失は中長期的な事業拡大に向けた先行投資継続により1億57百万円(前年度は1億96百万円の損失)となりました。

 

⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

2022年5月31日現在における販売等の提携は、次のとおりであります。

契約会社名

提携先

契約内容

契約期間

佐鳥電機株式会社

日本電気株式会社

販売特約店契約

2009年6月から1か年

(1年毎の自動更新)

株式会社トーキン

販売特約店契約

2002年4月から1か年

(1年毎の自動更新)

住友電気工業株式会社

特約販売契約

1999年8月から1か年

(1年毎の自動更新)

Western Digital Technologies Inc.

販売店契約

2018年4月から3か年

(1年毎の自動更新)

佐鳥電機株式会社及び佐鳥SPテクノロジ株式会社

パナソニック株式会社

業務提携契約

2018年7月から3か年

(1年毎の自動更新)

株式会社スター・エレクトロニクス

MELEXIS N.V.

販売代理店契約

2007年3月から1か年

(1年毎の自動更新)

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは長年のLSI及びソフトウエアの開発により蓄積された技術力をベースに、無線通信分野を中心に他社製品との差別化を図ったオリジナルバリュー製品を提供できるよう、研究開発活動を展開しております。

当連結会計年度における研究開発費は22百万円であり、主な研究開発活動につきましては次のとおりであります。

 

 <システムソリューション事業>

(絶縁監視装置ソリューション)

一般財団法人 関東電気保安協会と共同研究を行い、漏洩電流検出の課題であったIoc不平衡対策技術について論文発表し、一般社団法人 日本電気協会より澁澤賞を受賞し、同技術を特定用途向け簡易型絶縁監視装置(LeakeleDH-Ⅱ)に搭載しました。

絶縁監視装置(Leakele)は新たな機能拡張として、一部の非接地電路での漏洩電流検出が可能となり、データセンター等のニーズにも応え、2021年度は新市場として交通インフラへの採用が決定いたしました。

特定用途向け簡易型監視装置(LeakeleDH-Ⅱ)の商品化が完了し、一般財団法人 関東電気保安協会での量産納入が進んでおりますが、他エリアへの展開として、一般財団法人 中国電気保安協会向けのソフト開発を行い、2021年1月より量産納入を開始いたしました。

今後は絶縁監視装置(Leakele)少チャンネル版の開発を開始し、2022年度に販売を開始する予定です。

 

(特長)

・発火感電の要因であるIgrを正確に検知

・高調波ノイズ等による誤作動を防止

・年次点検における絶縁試験として運用可能

・電路/負荷機器の劣化予兆監視が可能

 

(LPWA対応傾斜センサ・ソリューション)

LPWA対応傾斜センサは東日本旅客鉄道株式会社フロンティアサービス研究所と共同研究開発した落石傾斜センサをベースに、落石/土砂崩れなど斜面災害の発生検知及び予兆監視だけでなく、測定角度の高精度化により電柱や鉄塔、橋梁など建造物の傾斜監視への対応、センサを増設できる4-20mAやA/Dなどのインターフェースを追加し、ひずみや距離、伸縮/水位/雨量計など複数のセンサを追加できる拡張性、無線通信方式はSigfox/NB-IoT/LTE(Cat.M1)/LoRa/ELTRES等の様々な無線通信に対応することで、設置する環境に応じた通信方式を選択可能となり、また専用電池を使用することで最長10年間の連続動作などの特長があります。

これらの特長を活かし、高精度な傾斜角度が必要な電柱や鉄塔、橋梁など建造物の傾斜監視が可能となるほか、センサ増設により、電線や架線の伸縮監視や河川の水位監視、法面や橋梁などのコンクリートひび割れ監視の開発をしてまいりました。

さらに2021年度より、複数のセンサのデータが必要なトンネル内老朽化監視を加え、2022年度量産開始予定で様々な公共インフラ監視用途向けに開発を進めております。

 

(特長)

・最長10年間の連続動作可能(電池交換不要)

・高精度な傾斜角度の測定

・センサを拡張することで、様々な監視に対応可能

・使用環境に応じた無線方式を採用することで、トンネルの中やマンホール内など様々な環境で使用可能