第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、各種政策を背景に企業収益や雇用法制の改善が続き、緩やかな景気の回復基調が続いております。個人消費につきましても緩やかな持ち直しの動きが見られるものの、生活関連商品における節約志向や選別消費の傾向が継続し、依然として厳しい事業環境となっております。

海外経済は全体としては緩やかな回復を見せるものの、英国のEU離脱に伴う不透明感、アメリカの今後の政策の動向及びその影響、さらに中国及びアジア新興国の政策の不確実性による影響や金融資本市場の変動の影響等、先を見通すことが非常に困難な情勢となっております。また、原油価格は2017年11月のOPEC総会での減産の延長合意により上昇の動きが見られ、さらに円安の影響により経営環境は厳しい状況で推移しております。

自動車業界におきましては、小型・ハイブリッドの低燃費車並びに軽自動車が消費者からの根強い支持を集めており、新車販売台数に関しましては前年実績のほぼ横ばいという結果になりました。

このような市場環境の下、自動車用潤滑油の販売面では、当社の強みであり消費者の関心も高い環境配慮型の低粘度・省燃費のプレミアムエンジンオイル、トランスミッションオイルの積極的な拡販に引き続き焦点を当てました。当社の旗艦製品である「カストロールエッジ」ブランドにおいては、高品質・高性能面の訴求に加え、小売販売網において消費者に向けたキャンペーンを展開し、さらなる販売促進に取り組みました。カーディーラー向け販売網においては、エンジンオイル、トランスミッションオイル製品を対象に、引き続き「CO₂ニュートラル」コンセプトを通じ、環境保全への取り組みなども紹介しながら製品付加価値の訴求に取り組みました。さらに、オイル交換時に手軽にエンジン内部を洗浄できるという特長を持つエンジンシャンプーを中心としたエンジンオイル関連製品の拡販にも、継続して注力いたしました。

これらの結果、当事業年度における当社の売上高は12,641百万円前年同期比1.3%減)、営業利益は2,988百万円前年同期比6.5%減)、経常利益は2,994百万円前年同期比6.4%減)、当期純利益は2,035百万円前年同期比2.3%減)となりました。

なお、当社の事業は、潤滑油の販売並びにこれらに付帯する事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,706百万円となり前事業年度末より1,162百万円減少いたしました。当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度末において営業活動の結果得られた資金は、1,689百万円(前年同期比1,163百万円の減少)となりました。これは、主に税引前当期純利益が2,995百万円、減価償却費の計上が112百万円であり、また未払金の増加63百万円により資金が増加した一方、前払年金費用の増加110百万円、その他の負債の減少97百万円及び法人税等の支払額1,295百万円により資金が減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、558百万円(前年同期比498百万円の増加)となりました。これは、主に貸付けによる支出9,000百万円、貸付金の回収による収入8,500百万円及び有形固定資産の取得による支出58百万円によるものであります。

なお、貸付金の内容は、BPグループのインハウス・バンクを運営しているビーピー・インターナショナル・リミテッドに対するものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、2,292百万円(前年同期比711百万円の増加)となりました。これは、主に配当金の支払い2,292百万円によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 商品仕入実績

当社は潤滑油の販売並びにこれらに付帯する事業のみの単一セグメントであり、当事業年度における商品仕入実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度
自  平成29年1月1日

至  平成29年12月31日

前年同期比(%)

金額(千円)

潤滑油の販売並びにこれらに付帯する事業

5,935,521

99.1

合計

5,935,521

99.1

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 販売実績

(受注実績は販売実績とほぼ同様であります。)

当社は潤滑油の販売並びにこれらに付帯する事業のみの単一セグメントであり、当事業年度における販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

自   平成29年1月1日

至   平成29年12月31日

前年同期比(%)

金額(千円)

構成比(%)

潤滑油の販売並びにこれらに付帯する事業

12,641,584

100.0

98.7

合計

12,641,584

100.0

98.7

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

     2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

自  平成28年1月1日

至  平成28年12月31日

当事業年度

自  平成29年1月1日

至  平成29年12月31日

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

  株式会社オートバックスセブン

4,330,359

29.9

4,153,573

29.0

 

(注) 相手先別に売上割戻を集計することが困難なため、売上割戻金控除前の金額及び割合を使用しております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社のミッションは、「消費者・カスタマーのニーズを第一に考慮し、差別化された潤滑油製品および関連製品・サービスを提供する、安全かつ刺激的な職場環境を社員に提供する、そして、業界をリードする利益を株主に提供する。」ことであります。

また、私たちは企業価値の極大化を目指しながら、BPグループの一員として、「HSSE(健康・安全・セキュリティ・環境)と行動規範」を順守いたします。高潔さへの私たちの決意において、「素晴らしい企業は信頼の上に成り立つこと、信頼は品位と行動そして物事への配慮を常に高い水準に保ち続けることで得られること、素晴らしい企業は、個人および集団的な行動に関する普遍的な基準を持ち、それを世界中どこででもそしてすべての活動に適用すること」を日々実践いたします。

 

(2)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略

平成30年に策定いたしました新中期5ヵ年計画においては、基本的には前計画の戦略を継承しつつ、新たな数値目標を定め、成熟した市場環境の中において当社の市場占有率を高めながらビジネスを成長させていきます。そして、長期的な信頼と価値を築き、継続的に業績を上げていけるベストブランド・マーケターを目指します。5年間を通じて達成すべき数値目標として、2022年度における売上高13,645百万円、経常利益2,883百万円、自動車用潤滑油市場(70万KL)占有率5%を掲げました。この数値目標を達成するために、全社員が今まで以上にひとつのチームとなり、安全で効率の良い業務(オペレーショナルエクセレンス)を常に追求してまいります。

 

(3)会社の対処すべき課題

日本の経済環境は、政府の各種政策により長く続いたデフレからの脱却が進み、緩やかな景気回復基調が続いております。また、IT、技術革新による新たなビジネスも創出されつつあり、経済の活性化も進行している一方で、消費者による節約志向や選別消費傾向が継続しております。

自動車用潤滑油市場は、自動車業界を取り巻く環境変化に大きく影響を受けますが、国内の自動車販売台数は、若者の車離れ、平均使用年数の長期化、カーシェアリングの活用などから、総じて減少傾向にあります。また、自動車保有台数の増加も鈍化し、今後は横ばいないし減少に転じていくものと予想されます。この成熟化した市場において、当社は以下の7つの戦略をもって市場占有率を高め、事業を成長させていくことにチャレンジします。

①カストロールブランドを更に強化する

②プレミアム・オイルを中心としたマーケティングおよび販売戦略を継続する

③市場の変化に即応し付加価値のある差別化された製品及び付帯サービスを提供する

④ブランド資産が生かせる近隣製品カテゴリーへ競争力ある製品とともに参入する

⑤カーショップ、カーディーラーチャネルに焦点を当て、経営資源を集中する

⑥業務効率(オペレーショナルエクセレンス)の更なる向上を図る

⑦個々の社員のキャリアプランに応じた人材育成・能力開発プログラムの拡充を図る

 また、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資することを目的とし、経営ビジョン実現のためコーポレートガバナンスに関する基本方針を制定いたしました。コンプライアンスと共に全役員及び全社員一人一人が当社の事業活動の基盤である「BP行動規範」を順守し、それに違反することが無いように周知徹底し、「真のエクセレント・カンパニー」を目指します。

 

4 【事業等のリスク】

当社を取り巻く市場環境及び事業の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりであります。なお、以下の各事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が把握している情報等から判断可能なものについて記載したものであります。

①経済情勢による影響

当社は、ほぼ100%、日本国内において事業展開を行っているため、国内の経済情勢や景気動向の影響を受けております。従って、これら情勢の変動によっては、当社製品に対する需要動向が変化して当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

②自動車業界を取り巻く環境変化

当社が主力商品として販売する潤滑油は、2輪車及び4輪自動車のエンジン並びにトランスミッション(変速機)のメンテナンスを目的としています。従って、自動車業界を取り巻く環境変化に大きく影響を受ける製品カテゴリーといえます。ガソリン価格の乱高下、新車販売動向とそれを支援する政府の施策、高速道路料金の見直し、地球温暖化ガス削減に伴う各種規制の強化などに関連して、予測を超える急激な環境変化が起きた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、将来的には、ガソリンエンジン車よりEV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)等の次世代自動車が普及することによる登録台数構成比の変化がみられた場合、当社の事業も影響を受けることが予想されますが、現時点では短期的に、かつ急激に構成比が変化するとは考えておりません。

③競合などによる影響

当社が主力商品として販売する自動車用潤滑油には、国際石油資本を親会社に持つ海外潤滑油ブランド、国内自動車メーカーが独自に展開する純正潤滑油ブランド、量販店チェーンが独自に展開するプライベートブランド等、多数の競合商品が存在しております。従って、これら競合他社による新製品、広告、販売促進、価格施策等によっては、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

④原油価格並びに為替レート等の変動による影響

当社の主力商品である自動車用潤滑油の商品原価は、原材料のベースオイルや各種添加剤等資材価格の大本となる原油価格、並びに為替レートの変動により大きく左右されます。これら指標に関しアジア新興国を含む世界のエネルギー需要、中東の産油国を取り巻く地政学的リスク、産油国による生産量調整などの要因から原油価格が高騰した場合、もしくは、急激に為替レートが円安方向へ変動した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

⑤製造委託先の経営悪化、品質事故等

当社は製品の製造を主に2社に委託しておりますが、それぞれの企業の特性などを考慮し、当社製品の処方の機密性の高さに応じて、各社への製造委託品目を決めております。各社に対しては、当社にて品質検査、HSSE(健康、安全、セキュリティ、環境)監査、経営状態の確認などを実施しております。仮に委託先の経営悪化、品質事故などが発生した場合、委託先の変更は可能ではありますが、新たな生産体制が再構築されるまでの期間、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

⑥移転価格税制

当社は親会社グループとロイヤリティの支払、製品の輸入などの海外取引が発生いたします。当該取引は、独立した第三者間で通常行われる取引価格に準じて取引価格を決定しておりますが、税務当局との見解に相違が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

⑦個人情報

当社では製品開発、マーケット情報の分析、販売促進活動をとおして多少の個人情報を取得しております。社内体制といたしましては、個人情報保護管理規程による管理体制の構築、情報保護委員会活動によるモニタリング体制の構築を行なっておりますが、万が一個人情報が漏洩した場合、当社の企業イメージの悪化、業績に影響を与える可能性があります。

⑧地震などの自然災害

当社は製造委託先の製造拠点、製品の主要保管倉庫を全国8箇所に分散しております。また地震などの災害について事業継続計画に準拠して非常事態に対応する体制を構築しております。今後も地震等の自然災害が発生した場合、その規模及び地域によって経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑨親会社等と締結する契約

(1)親会社等の商号等

親会社等

属  性

親会社等の議決権

所有割合(%)

親会社等が発行する株式が上場されている証券取引所等

ビーピー・ピーエルシー

親会社

64.9(64.9)

ロンドン証券取引所(イギリス)

ニューヨーク証券取引所(アメリカ)

バーマ・カストロール・ピーエルシー

親会社

64.9(64.9)

なし

カストロール・リミテッド

親会社

64.9(11.6)

なし

ティー・ジェイ株式会社

親会社の子会社

11.6

なし

 

(注)  親会社等の議決権所有割合欄の(  )内は、間接被所有割合で内数であります。

 

(2)親会社等のうち当社に与える影響が最も大きいと認められる会社の商号とその理由

商号

ビーピー・ピーエルシー

理由

ビーピー・ピーエルシーは、実質的に持ち株会社であり、BPグループ全体としての意思決定は全てビーピー・ピーエルシーにより行われているため。

 

 

(3)親会社等の企業グループと当社との関係

当社はビーピー・ピーエルシーとBPブランド製品商標権に関する「Intellectual Property License Agreement」を、カストロール・リミテッドとBP及びCastrolブランド製品商標及び製造・販売に関する「Intellectual Property and Technology License Agreement(ライセンス契約)」(以下、ライセンス契約等という)を締結しており、カストロール・リミテッドに対して契約に定めたロイヤリティを支払っております。

当社は、ライセンス契約等に基づき、日本の自動車用潤滑油市場においてBPグループのブランド製品の普及浸透を一手に引き受けており、日本市場並びに日本の消費者を熟知していることから、同グループのイコール・パートナーとして、また、独立した上場企業として事業を展開しております。

ライセンス契約等には、BPグループの名誉を傷つける行為・民事再生の申請・支払遅延・契約違反等による契約解除条項が定められております。当社とBPグループとの間のライセンス契約等が万一解除され、又は契約内容が変更された場合、当社の事業展開に一時的に支障をきたす恐れがあり、当社の業績に影響が及ぶ可能性があります。

この他、当社はビーピー・ピーエルシーのグループ会社2社との間で、企業倫理、健康・安全等に関するノウハウを主軸とした包括的サービス契約(Management Service Agreement)及びITサポート、品質管理ノウハウ、市場調査等に関するサービス契約(Service Agreement)を締結しており、両社に対して契約に定めた業務委託料を支払っております。

なお、現時点では前述の重要な契約の継続に支障をきたす恐れがある原因の発生は無いと認識しております。

 


                   (注)  上図中の数字は、株式所有比率であります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 販売(代理店)契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

ビーピー・

カストロール

株式会社

(当社)

ビーピー・ピーエルシー

イギリス

BPの輸入潤滑油

及び国産潤滑油

1  日本の工業・自動車市場における独占販売権

2  日本の沿岸船舶・航空市場における非独占的販売権

昭和53年12月8日からいずれかの当事者が15ヶ月の予告により契約を解除するまで

 

 

(2) 商標・製造ライセンス契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

ビーピー・

カストロール

株式会社

(当社)

ビーピー・ピーエルシー

イギリス

BPブランドの潤滑油

BPの商標を使用することに関する許諾

平成25年1月1日からいずれかの当事者が3ヶ月の予告により契約を解除するまで

ビーピー・

カストロール

株式会社

(当社)

カストロール・リミテッド

イギリス

BP及びCastrolブランドの潤滑油

製品に関する一切のノウハウ、経験、データその他の情報の開示、提供を受け、日本において製品を組成、ブレンド、製造し、BP及びCastrolの商標で販売することに関する許諾

平成24年1月1日からいずれかの当事者が3ヶ月の予告により契約を解除するまで

 

(注)  上記については、契約に応じたロイヤリティを支払っております。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末における流動資産の残高は、13,656百万円(前事業年度末は14,342百万円)となり、686百万円減少いたしました。これは、主に短期貸付金(633百万円の減少)及び繰延税金資産(63百万円の減少)によるものです。(なお、貸付金の内容は、BPグループのインハウス・バンクを運営しているビーピー・インターナショナル・リミテッドに対するものであります。)

(固定資産)

当事業年度末における固定資産の残高は、794百万円(前事業年度末は730百万円)となり64百万円増加いたしました。これは、主に工具、器具及び備品(純額)(25百万円の減少)、ソフトウエア(26百万円の減少)、投資有価証券(15百万円の増加)及び前払年金費用(110百万円の増加)によるものです。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債の残高は、2,791百万円(前事業年度末は3,198百万円)となり、406百万円減少いたしました。これは、主に買掛金(37百万円の増加)、未払金(62百万円の増加)、未払費用(110百万円の減少)、未払法人税等(418百万円の減少)及び賞与引当金(23百万円の増加)によるものです。

(固定負債)

当事業年度末における固定負債の残高は、157百万円(前事業年度末は120百万円)となり、36百万円増加いたしました。これは、主に繰延税金負債(36百万円の増加)によるものです。

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、11,501百万円(前事業年度末は11,753百万円)となり、251百万円減少いたしました。これは、主に利益剰余金が当期純利益により2,035百万円増加し、剰余金の配当により2,295百万円減少したことによるものです。

 

(2) 経営成績の分析

「第一部企業情報  第2  事業の状況  1 業績等の概要  (1) 業績」をご参照願います。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

「第一部企業情報  第2  事業の状況  1 業績等の概要  (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照願います。