第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府による経済対策や日本銀行による金融緩和政策の継続により、企業収益や雇用に改善がみられ、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、中国経済の減速、英国のEU離脱により不安定感が増した欧州、混迷する中東情勢など景気の先行きについては、不透明な状況で推移いたしました

 医療・介護業界におきましては、診療報酬の改定が今年4月に実施され、0.84%のマイナス改定となりました。社会保障費全体の伸びを抑制する観点から全体はマイナス改定とはなったものの、診療報酬本体部分は0.49%プラスと地域包括ケアシステムの構築に向けプラス改定されたことは評価されるところであります。

 このような状況のもと、当社グループ(当社及び連結子会社)は、主力のヘルスケアウェア及びドクターウェアの堅調な増収に加え、患者ウェアが引き続き好調に推移、また西日本地域での拡販が貢献し、計画をクリアするとともに過去最高の売上高を達成いたしました。

 生産に関しましては、原材料価格・加工賃の上昇は続く一方、円安は多少修正されたものの原価の上昇に歯止めがかからず、2月より商品の価格改定を一部行っております。また、海外生産シフト効果並びに新商品群の販売も好調に推移した結果、売上総利益率は改善し46.8%となりました。

 営業外収支といたしましては、外貨預金等の為替差損70百万円を計上し、13百万円の損失となりました。

 このような状況のもと、当連結会計年度の売上高につきましては165億37百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は49億50百万円(同2.9%増)、経常利益は49億37百万円(同3.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は32億62百万円(同1.1%増)を計上いたしました。

 なお、当社グループは、メディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントでありますので、セグメント情報の記載は省略しております。

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は67億4百万円となり、前連結会計年度末より17億87百万円減少(前連結会計年度は1億79百万円の減少)いたしました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は35億65百万円(前連結会計年度は27億27百万円)となりました。

 主な増加要因は、税金等調整前当期純利益49億34百万円(同51億15百万円)、減価償却費3億31百万円(同3億60百万円)、仕入債務の増加1億62百万円(前連結会計年度は1億18百万円の減少)、減少要因は、売上債権の増加1億80百万円(同55百万円)、たな卸資産の増加1億48百万円(同3億64百万円)、法人税等の支払16億64百万円(同20億22百万円)であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は19億97百万円(前連結会計年度は1億43百万円の獲得)となりました。

 主な増加要因は、貸付金の回収による収入1億27百万円(同1億33百万円)、減少要因は、定期預金の払戻に対する預入の超過支出20億円(同預入に対する払戻の超過収入2億円)、有形固定資産の取得による支出1億51百万円(同2億4百万円)であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は33億24百万円(同32億11百万円)となりました。

 主な要因は、配当金の支払額33億24百万円(同17億11百万円)であります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

① 生産実績

 当社グループは、メディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントであるため、品目別情報を記載しております。

品目別

当連結会計年度
(自 平成27年9月1日
 至 平成28年8月31日)

前年同期比(%)

メディカルウェア(千円)

6,971,540

100.1

シューズ(千円)

合計(千円)

6,971,540

100.1

(注)1. 生産金額は、製品製造原価によっております。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 商品仕入実績

 当社グループは、メディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントであるため、品目別情報を記載しております。

品目別

当連結会計年度
(自 平成27年9月1日
 至 平成28年8月31日)

前年同期比(%)

メディカルウェア(千円)

1,877,484

104.1

シューズ(千円)

125,098

88.6

合計(千円)

2,002,583

103.0

(注)1. 商品仕入金額は、実際仕入価格によっております。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 受注状況

 当社グループは、見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。

 

④ 販売実績

 当社グループは、メディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントであるため、品目別情報を記載しております

品目別

当連結会計年度
(自 平成27年9月1日
 至 平成28年8月31日)

 

 前年同期比(%)

 

メディカルウェア(千円)

16,332,836

102.5

 (ヘルスケアウェア)

(9,674,463)

(102.6)

 (ドクターウェア)

(2,654,832)

(102.0)

 (ユーティリティウェア)

(601,631)

(89.7)

 (患者ウェア)

(1,613,211)

(111.1)

 (手術ウェア)

(1,574,973)

(100.9)

 (その他)

(213,723)

(96.1)

シューズ(千円)

204,764

96.9

合計(千円)

16,537,600

102.4

 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度
(自 平成26年9月1日
 至 平成27年8月31日)

当連結会計年度
(自 平成27年9月1日
 至 平成28年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ワタキューセイモア㈱

3,323,902

20.6

3,295,559

19.9

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

 次期の見通しにつきましては、中国経済の減速、不安定な欧州と中東情勢の影響等により、国内経済の先行きの不透明感は継続するものと見られ、楽観できない状況で推移するものと思われます。

 当社グループといたしましては、各市場への高機能・高感性の付加価値新商品群の投入により市場活性化とともにシェアアップを図り、各地域ともに増収を計画、連続して過去最高の売上達成を目指してまいります。

 生産に関しましては、国内の人手不足に対応すべく賃上げを実施し優良人材確保を行うことで、QR体制の強化と小ロット多品種生産への対応力の強化を図ってまいります。また引き続き海外への生産シフトの推進及びインドネシア中部ジャワに移管した新規海外生産拠点の生産性の向上と品質の安定化を図ってまいります

 資本政策といたしましては、当社グループの強固な財務体質の強みを生かし、株主価値向上のため、配当性向を当社単体の純利益の5割程度とする方針を維持するとともに、必要に応じて自己株式の取得等を積極的に実施してまいります

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態に影響を与えうるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

① カントリーリスク

 当社グループでは、一部の商品については海外で縫製しております。海外の生産拠点において、政治・経済情勢の悪化、政変、治安の悪化、テロ・戦争の発生により生産活動に問題が生じた場合には、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 為替リスク

 当社グループでは、輸入決済を外貨建てとしております。長期先物予約により為替リスクを軽減するための手段を講じておりますが、急激な為替レートの変動は財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 天災リスク

 当社グループでは、生産・販売・物流のネットワークシステム及び生産ラインの中断による潜在的なリスクを回避するため、データのバックアップ及び災害防止検査と設備点検を実施しておりますが、天災等により売上の低下、コストの増加を招き、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

技術援助契約

 当社グループ(契約の締結者は当社)が締結している主な技術援助契約は次のとおりであります。

相手先

契約品目及び内容

契約発効日

契約期間

東レ株式会社

アツロウタヤマ・デザインの使用にかかわる医療従事者・患者・福祉従事者・要介護者等が使用する商品各種の製造・販売に関する権利の許諾に関する契約

平成11年11月1日

自 平成11年11月1日

至 平成14年8月31日

(注)2

クラレトレーディング株式会社

カンサイ・オリジナルデザインの使用にかかわるホスピタルユニフォームの製造・販売に関する権利の許諾と、やまもと寛斎の氏名及び株式会社やまもと寛斎の所有する許諾商標をホスピタルユニフォームの分野において使用することの許諾に関する契約

昭和55年3月24日

自 昭和55年3月24日

至 昭和57年8月31日

(注)3

 

ケイタ マルヤマ・オリジナルデザインの使用にかかわる医療従事者向け衣料品及び小物の製造、販売に関する契約

平成17年4月1日

自 平成17年4月1日

至 平成19年8月31日

(注)4

ユニチカトレーディング株式会社

花井幸子のデザイン及び情報により医療用ユニフォームの製造・販売または許諾商標を付した製品販売の独占実施権の許諾に関する契約

昭和57年12月1日

自 昭和57年12月1日

至 昭和59年8月31日

(注)5

 

クレージュのデザイン及び商標を使用した「ホスピタル用ユニフォーム」を国内において独占的に製造、販売する権利の許諾に関する契約

平成8年2月1日

自 平成8年2月1日

至 平成11年8月31日

(注)6

 

ユニチカトレーディング株式会社がプロモスティル・ジャパン株式会社と共同で企画した「デザイン及び商標を使用したヘルスケア・ユニフォーム」を商品化する権利の許諾に関する契約

平成18年6月30日

自 平成18年6月30日

至 平成21年12月31日

(注)7

STANDARD TEXTILE

CO.,INC (米国)

サージカルテキスタイル製品の製造・販売の技術と知識供与並びに許諾商標の使用権利に関する契約

平成22年9月1日

自 平成22年9月1日

至 平成27年8月31日

(注)8

株式会社ディック・ブルーナ・ジャパン

「ミッフィー他 ディック・ブルーナ創作のイラストレーションを使用したヘルスケアユニフォーム」を商品化する権利に関するライセンス契約

平成25年8月1日

自 平成25年8月1日

至 平成27年12月31日

(注)9

(注)1.上記についてはロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。

2.平成27年9月1日以降1年毎の契約を自動更新しております

3.平成26年3月1日以降1年毎の契約を自動更新しております。

4.平成27年9月1日以降1年毎の契約を自動更新しております。

5.平成6年8月31日以降1年毎の契約を自動更新しております。

6.3年毎に更新し、現在は平成26年9月1日から平成29年8月31日までの契約を締結しております。

7.2年毎に更新し、現在は平成27年5月24日から平成29年5月23日までの契約を締結しております。

8.5年毎に更新し、現在は平成27年9月1日から平成32年8月31日までの契約を締結しております。

9.毎年更新し、現在は平成28年1月1日から平成28年12月31日までの契約を締結しております。

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動の方針は、ユーザー第一主義に基づき、ユーザーを良く知り、ユーザーに喜んでいただける商品を提供することであります。医療・介護供給体制の変化、ファッションの多様化、医療の高度化等、市場の変化に応じて要求される高感覚、高機能、高品質商品の開発を目的に、商品企画室において①営業本部、マーケティング室と連動したマーケティング活動、②素材の共同開発、③新商品企画を実施しております。

①マーケティング活動

 マーケティングリサーチにより、医療・介護行政、業界の動向、施策を把握し、現場を中心としたユーザーニーズを融合させることで、市場開発、商品開発テーマの絞り込みが行われます。

 当連結会計年度におきましては、機能分化により細分化が進む医療機関に相応しいメディカルウェアの開発に向け、市場調査及び分析に取り組んでまいりました。特に医療現場において求められる機能性、感性を中心に、医療従事者及び患者の立場に立った視点を重視したマーケットリサーチを行いました。

②素材開発

 マーケティング活動により策定されたテーマを具現化するため、素材メーカー及び仕入先メーカーと素材の共同開発を行っております。

 当連結会計年度におきましては、着用者が安心感を持って快適に仕事に取り組めるユニフォームを具現化するため、肌に触れ接触冷感があり、着用時衣服内に熱がこもらない涼感素材の開発をバリエーションアップいたしました。

③新商品企画

 開発素材をベースに商品試作が行われます。素材特長を活かし、ファッショントレンドを反映したデザイン作成、人間工学に基づいた機能性を追及したパターン作成を行い、商品サンプルが作られます。サンプルは、使用状況を考慮した幾度もの厳しい物性試験、モニター活動によるユーザー評価による改良を繰り返し、最終的な新商品となります。

 新商品は、ナガイレーベン㈱のCADシステム(コンピューターによるデザインシステム)とナガイ白衣工業㈱のアパレルCAD・CAM(コンピューターによるデザイン及び自動裁断システム)をオンライン化することで、迅速かつ正確に商品仕様を生産部門に伝達することが可能となっております。

 当連結会計年度の新商品実績として、今までのクリニックのイメージではない新たなデンタル・クリニック分野に向けてデビューさせました「Beeds Berry」が、従来にはなかったネービー・チャコール等の濃色の採用と、今まで以上にデザイン性豊かな商品として好評を得ており、さらにデザインバリエーションを増やして快調な売上げとなっております。研ぎ澄まされた上質クオリティが好まれているドクターコートの頂点商品「4D+」にエントリーモデルも誕生して、さらにパーソナルユースを中心に新たな売上のポジションを造り出しています。

病院分野では、「チーム医療」コンセプトとして好評を得ている「ビタミンシリーズ」と「ニューソングシリーズ」において、チュニックタイプとスクラブを融合させた新デザイン商品が、行動力を引き出す機能性としての伸縮素材・着心地の良さを追求した涼感素材とデザインがマッチしたシリーズとして好調な売行きを継続しています。プロ意識を追求したカラフルな色展開、チームとして仲間としての絆意識をいっそう高めることができ、医療スタッフが最適イメージでコーディネートすることが可能となっております。手術市場における「コンペルパック」はメンテナンス事業者の増加、活動に伴い、着実に採用される病院が増え、新規大手ユーザーとの取組みも拡大し、環境意識の高まりと共に計画通りの実績が上がってきております。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は、173,941千円となっております。

 なお、当社グループは、メディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載はしておりません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりです。

① 売上高

 売上高につきましては、165億37百万円(前年同期比2.4%増)となりました。市場は比較的安定しており、主力のヘルスケアウェア及びドクターウェアの堅調な増収に加え、患者ウェアが引き続き好調に推移、また西日本地域での拡販が貢献し、過去最高の売上高を達成いたしました

② 売上総利益

 売上総利益につきましては、77億35百万円(前年同期比2.7%増)となりました。原材料値上げ、海外加工賃の上昇による原価の増加要因があったものの、2月より商品の価格改定を一部行い、また、海外への生産シフト並びに新商品群の販売も好調に推移したことにより、売上高総利益率は改善いたしました。

③ 販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費につきましては、27億84百万円(前年同期比2.4%増)となりました。主な増加要因は、創業100周年記念費用、外形標準課税費用であります

④ 営業利益

 以上の結果、営業利益につきましては、49億50百万円(前年同期比2.9%増)となりました

⑤ 営業外損益

 営業外損益につきましては、営業外収益として94百万円、営業外費用として1億8百万円を計上し、差し引き13百万円の損失(前年同期は2億75百万円の利益)となりました。主な要因は、外貨預金の期末評価等による為替差損70百万円であります。なお、前年同期は為替差益2億26百万円を計上しております

⑥ 経常利益

 以上の結果、経常利益につきましては、49億37百万円(前年同期比3.0%減)となりました。

⑦ 特別損益

 特別損益につきましては、特別利益として1百万円、特別損失として3百万円を計上し、差し引き百万円の損失(前年同期は26百万円の利益)となりました。主な要因は、固定資産除売却損2百万円であります。なお、前年同期は固定資産売却益30百万円を計上しております

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、32億62百万円(前年同期比1.1%増)となりました。

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

(4) 資本の財源及び資金の流動性の分析

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ、17億87百万円減少し、当連結会計年度末は67億4百万円となりました。

 詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

(5) 経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。