当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「いのちの力になりたい」を理念に掲げ、メディカルウェアの企画・生産・販売を通じて、人の生命と健康に貢献する企業を目指しております。
生命と健康との関わりが最も深い医療・介護従事者と患者・高齢者の間にあって、医療とは何か、看護とは何か、介護とは何かを奥深く理解することを原動力とし、より優れた製品を世に送り出す喜びを共感することを基本理念としております。加えて、より多くの投資家へ向けたIR活動を積極的に行い、株主への利益還元の充実を経営の重要課題のひとつと認識し、成長機会へのキャッシュの再投資、自社株買い及び配当によるキャッシュの還元の充実により、企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社グループとしては、売上高営業利益率及び株主資本利益率(ROE)の長期的な向上を重要な経営指標と考えております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
① コア市場の深耕
当社のコア市場であるヘルスケアウェア、ドクターウェアにおいて、高感覚のハイエンド商品群、高機能の高付加価値商品群を商品企画開発の柱として商品ラインナップの充実を図るとともに、販促活動及びプロモーション活動を強化し、市場での買い替え需要を喚起いたします。
また、時代の流れに即した新しい販売チャネルの構築に向けても経営資源を投入してまいります。
② 周辺市場のシェア拡大
手術ウェアにおいては、医療廃棄物削減が医療機関の大きな環境課題と捉え、米国スタンダードテキスタイル社との技術提携による再利用可能な環境対策医療資材商品「コンペルパック」の市場浸透に注力し、手術ウェアにおけるシェア拡大を図ります。
患者ウェアにおいては、利用者の視点に立った高感度、高機能商品の開発、市場投入を行い、市場の成長を享受すべく努力を引き続き行ってまいります。
③ 海外ビジネスの開拓
海外市場においては、東アジアを中心として販売活動を行っておりますが、着実に市場での当社認知度は高まってきており、国内で培ったノウハウを活かしたビジネスモデルの海外展開により、業容拡大を目指してまいります。
④ 感染対策商品の開発
メディカルウェアの専門メーカーとして、当社が培ってきたノウハウを活かした感染対策商品の開発に積極的に取り組み、医療現場支援に向け努力してまいります。
⑤ 国内・海外での生産施策
国内生産においては、少子高齢化の流れを見据え、連結子会社のナガイ白衣工業㈱との連携を強化し、グループ全体の経営効率化を図り、多品種小ロット生産に対応する効率的な生産体制と、高品質・高付加価値・短納期の商品供給体制を強化します。
国外生産においては、為替の変動や東南アジア諸国の発展に伴う人件費の上昇やカントリーリスクを見据え機動的な為替先物予約や適地生産を柔軟に行うことで安定供給を強固にし、原価の維持、低減を図ってまいります。
⑥ 企画・生産・販売の一貫体制による高利益率の持続的な向上
当社グループといたしましては、企画・生産・販売の連携をより一層強化し、高利益率な経営体質の継続的な向上に取り組んでまいります。
(4)経営環境
2026年8月期の医療、介護業界を取り巻く環境につきましては、インフレの進行に対応した診療報酬のプラス改定により、医療機関等の経営環境に一定の経営環境の改善が期待されるものの、依然として厳しい経営環境状況が続くものと予測されます。
また、インフレ等による原材料価格のさらなる値上げに加え、物流費および人件費の上昇と厳しい市場環境が続く中、当社グループでは安定した商品の供給を継続するため、価格改定を実施する予定であります。
売上高に関しましては、前年同期比6.0%増の18,000百万円を目標としております。コア市場では、前期から繰り越された大型案件に加え、高付加価値の新商品群および低価格市場の海外一貫戦略商品の市場浸透を図ってまいります。周辺市場では、患者ウェアの高付加価値商品への移行を推進し、市場の活性化を図るとともに、手術ウェアにおいてはコンペルパック新規展開およびウェアのリース化提案を含めた販促活動を強化いたします。また、海外市場においては、台湾での洗濯アウトソーシングの普及とEC直販モデルの確立を通じて事業基盤の拡充を進めるとともに、韓国ではソウル支店の設立による直接参入を推進し、収益の一層の拡大を図ってまいります。
生産に関しまして、インフレ環境下における原材料価格の高止まりや最低賃金見直しによる人件費上昇が想定されますが、海外素材の導入と海外生産への移行の推進、生産性向上のための生産設備の導入により、効率的な原価低減を図り、さらに、価格改定の浸透を進めることで、中長期的な事業成長に資する収益構造の強化に努めてまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、厳しい経済環境のなか、遵法精神に基づいた顧客サービスの向上を経営上の課題ととらえ、以下の諸施策を推進することにより市場での競争優位性の確保と更なるシェアアップを目指しております。
① 営業 コア市場の深耕によるシェアアップ、周辺市場での業容拡大、海外市場の開拓及び時代に即した新販売チャネルの構築、広告宣伝活動の強化
② 企画 高機能性、高感性、高品質、環境保護を追求した高付加価値商品の企画開発
③ 物流 QR体制促進のための物流効率の見直し、コスト低減及び出荷精度の向上
④ 生産 製品の品質向上並びに短納期体制の確立及びコスト削減を重視した生産効率の見直し
⑤ 管理 企業価値の向上のための経営環境の変化に対応した意思決定のスピードアップ、事務効率の向上及び情報の有効活用と情報管理の徹底のための環境整備
また、当社グループは、ISOマネジメントシステムを利用し、品質についてはISO9001の運用を徹底し、継続的な顧客サービスと顧客ニーズを把握した商品提供を進めており、環境面においては、ISO14001の運用に取り組んでまいります。また、情報の有効活用と情報管理の徹底のために、社内ルールの作成・更新に取り組んでおります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する基本的な考え方
当社は、「いのちの力になりたい。」を理念に掲げ、人の「和」を社是としております。
人と、企業利益(企業成長)と、社会貢献、それぞれがバランス良く熟成してこそ、社会に求められる企業集団になると考えております。さらに、「ナガイズム」ともいえる4つの行動指針があります。人を信じること、原理原則を探求し、ぶれないこと、永続する成長ビジネスモデルをつくりあげること、そして、周囲への感謝を忘れないこと。「ナガイズム」とは、これらの人材を作り続ける集団力。当社はこれらの理念・指針に基づき、もっと人に、深く、広く、健康一般へ、人と健康のあらゆる分野へ、活動の場を広げていくことで当社の持続的成長につながるものと考えております。
① ガバナンス
当社グループのサステナビリティに関する経営課題への取り組みについては、年1回開催される中長期経営会議において、中長期的な企業価値向上の視点で協議を行っております。
当社グループは、企業の持続的成長におけるコーポレート・ガバナンスの重要性を認識しており、取引の公正・適正の確保に努めるとともに、経営の透明性、健全性を高めつつ、事業環境の変化に対応できる体制の構築に努めております。
各取り組みの対応状況は、原則毎週開催される経営会議で確認を行い、必要に応じて取締役会に報告しております。
② リスク管理
当社グループは、事業全般の各リスクについて、各取締役がリスク管理責任者となり、業務上発生しうるリスクの予防措置、発生したリスクの初動対応について管理・執行をし、経営会議等にて報告する体制をとっております。また、新たに生じたリスクについては取締役会において速やかに対応責任者となる取締役を定めております。取締役及び従業員は、具体的リスクを積極的に予見し、リスクの種類、想定されるシナリオ、発生頻度及び損害の程度を適切に評価するとともに、当社グループにとって最小のコストで最良の結果が得られるよう、その回避、低減及び移転その他必要な措置を事前に講じることとしております。なお、組織横断的リスク状況の監視及び全社的対応は当社総務部が行うものとしております。
(2)サステナビリティに関する取組の状況
① 気候変動
当社グループは、気候変動への対応は経営上の重要課題に一つとしてとらえており、国際的な枠組みである気候変動問題に関するパリ協定目標達成と2050年のカーボンニュートラル社会実現に貢献するため、事業を通してCO2削減に向けた取組を進めております。
当社の商品の多くは枯渇性資源に由来する素材を使用しており、繰り返し・永く使用できる商品として企画・製造・販売することで、限りある資源の有効活用、環境負荷の低減につながるものと考えております。
当社の商品のほとんどは使い捨てではなく何回も利用できるリユース商品であり、おおよそ3年から4年のサイクルで買替が発生するユニフォームであることから、さらなる長寿命化や環境配慮設計(快適機能性繊維製品による冷暖房使用抑制や汚れの落ち易さによる節水・洗濯時間短縮、リサイクルのしやすい製品設計等)に成功すれば、気候変動課題解決に貢献できるものと考えております。また、現在手術室で多用されている使い捨てのガウン等が、当社の商品である50~80回程度繰り返し洗濯・滅菌し使用できるリユースのガウン等に置き換わることで、気候変動課題解決に貢献するとともに、収益拡大にも寄与するものと考えております。
たとえば、当社の商品の一つ「COMPELPAK」では、使い捨て材料の多く使われる手術現場に、繰り返し洗濯・滅菌して使用できるウェアを提供することで、医療廃棄物の削減にもつながるものとなります。
当社グループは、医療現場におけるより持続可能な製品開発を目指して、2025年9月から国立大学法人秋田大学との共同研究を開始し、当社商品の「生産」「使用」「廃棄」「リサイクル」といった各工程を含むライフサイクルを分析し、それぞれの環境負荷を定量的に比較・評価することといたしました。
(a) ガバナンス
気候変動に関する課題については、環境推進室を設置し、グループ全体の環境問題対策に係る新規事業の調査・検討及び企画立案を推進しております。
各取り組みの対応状況は、原則毎週開催される経営会議で確認を行い、必要に応じて取締役会に報告しております。
(b) 戦略
気候変動により平均気温が4℃上昇することは、社会に非常に大きな影響を及ぼすことから、パリ協定が示す「平均気温上昇を1.5℃に抑えた世界」を目指すことに意味ある貢献をすることが、重要であると認識しておりま。
当社グループの事業活動に影響を与える可能性がある気候関連のリスクと機会を、シナリオ分析によって特定し影響度の検討を進めています。
(c) リスク管理
当社はグループの気候変動に関するリスクと機会の分析の結果としまして、現時点では事業活動に対して気候変動問題が重大な影響を及ぼす可能性は低いと判断をしております。
急性の物理リスクである異常気象の激甚化に対しては、ハザードマップにて各拠点の洪水想定浸水を確認し、必要に応じた対策を進めております。
また、本社を対象にISO14001を2005年に取得し、環境マネジメントシステムの構築・推進を通じて、社内での環境意識の浸透に努めております。
(d) 指標と目標
現在、気候変動に関する検討を進めている段階で、明確な目標を掲げておりませんが、より効率的なエネルギー使用や環境に配慮した製品づくりで削減に向けた取組を進めております。
その一環として、国立大学法人秋田大学との共同研究により、当社商品の「生産」「使用」「廃棄」「リサイクル」といった各工程を含むライフサイクルを分析し、それぞれの環境負荷を定量的に比較・評価することで、サプライチェーン全体の排出量の算定にも取り組んでまいりたいと考えております。
② 人的資本
(a) 戦略(人材育成方針・社内環境整備方針)
当社グループは、会社にとって最大の資産は「人」と考え、全社会議等の様々な機会を通じ、社員一人ひとりに企業理念の浸透、経営への参画意識を高める取組みを推進しております。また、性別、年齢、国籍で差別せず、経験・技能・属性に応じた階層別(新入社員、管理職等)研修及び職能別研修を定期的に実施し、OJTと合わせ人材育成強化に努めるとともに、管理本部総務部総務課が主体となり、従業員エンゲージメント向上のための継続的な昇給(継続的ベースアップ、賞与アップ)や永年勤続表彰制度、若年層生活支援など、社内体制整備にも継続的に取り組む方針であります。
また、労働市場環境の変化に伴い、優秀な人材を継続して採用・維持するためには、これまでの社内環境の良い部分は維持しつつ、雇用制度の見直しが必要な部分については対応を進めてまいります。
(b) 指標と目標
当社は、性別、年齢別、国籍別で差別せず、経験・技能・属性を反映した多様な人財を確保し、会社の持続的な成長が図れるよう努めております。また障害者雇用も積極的に行っております。具体的には、生産現場において、多くの女性が縫製作業に携わっており、女性の割合はグループ全体で65%を占めております。女性の管理職は現在1名であります。
また、当社単体での新卒採用においても女性採用を積極的に行っており、過去10年の新卒採用においても44%以上が女性であります。引き続き女性の採用を継続していくことで、女性比率の向上と管理職登用も将来的に見込まれるものと考えております。
中途採用者につきましては、全体の65%を占めており、管理職における中途採用者の割合は55%を超えております。現状、外国人管理職の登用は1名でありますが、外国籍を保有している従業員も複数在籍しております。引き続き優秀な人材については性別、国籍等の属性に依ることなく積極的に採用していく方針です。
なお、当社は、女性の管理職への登用につきましては、現状以上とすることを目標とし、社員の育成に努めております。また、中途採用者及び外国人の管理職への登用につきましては、基本的に国籍、年齢に関係なく必要とされる経験や能力に基づく登用を行っているため、目標を設定しておりません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。
① カントリーリスク
当社グループでは、一部の商品については海外で縫製しております。海外の生産拠点において、政治・経済情勢の悪化、政変、治安の悪化、テロ・戦争の発生により生産活動に問題が生じた場合には、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 為替リスク
当社グループでは、輸入決済を外貨建てとしております。先物予約により為替リスクを軽減するための手段を講じておりますが、急激な為替レートの変動は財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 天災リスク
当社グループでは、生産・販売・物流のネットワークシステム及び生産ラインの中断による潜在的なリスクを回避するため、データのバックアップ及び災害防止検査と設備点検を実施しておりますが、天災等により売上の低下、コストの増加を招き、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 有事リスク
火災、停電、戦争、感染症の伝染等が発生した場合、当社グループの事業運営及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらリスクに備え、事業継続のための対策チームの設置など、従業員の安全の確保を行うとともに、医療現場で必要とされる当社グループ製品の安全供給のための体制を整備し、リスクの低減に努めております。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策により、景気は緩やかな持ち直しの動きがみられるものの、インフレや円安の継続による消費者物価上昇の影響は大きく、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクなど、依然として先行きは不透明な状況にあります。
医療・介護を取り巻く環境としましては、前年に医療・介護報酬がプラス改定されたものの、医療機関等の経営環境は依然として厳しい状況が続いております。物価高騰や人件費の上昇に伴う経費の増加に加え、患者数の減少や新型コロナウイルス感染症対策補助金の終了による収入減などが重なり、その結果、赤字経営に陥る医療機関の割合が増加し、医業収支の悪化が顕著となりました。さらに、諸物価の高騰や人件費の上昇は、医療・介護機関のみならず業界のサプライヤーにも大きな影響を及ぼしており、市場全体として厳しい状況が続いています。
このような厳しい市場環境下においても、メディカルウェアは消耗品かつ実用品であることから、当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の売上高は前年同期比3.5%の増収となりました。主力のコア市場では、高機能商品群を中心に第3四半期までは順調に推移しました。しかし、第4四半期に納入を予定していた大型案件が受注については、受注は決定したものの納入が翌期へのずれ込んだため、第4四半期の売上は計画を下回りました。その結果、通期の売上高は3.1%の増収にとどまり、増加率はやや鈍化いたしました。周辺市場においては、患者ウェアが高付加価値商品への移行を順調に進めたほか、手術ウェアも新規案件の獲得が進展したことにより5.7%の増収となりました。海外市場では、売上規模が小さいこともあり、第4四半期に予定していた案件の入札遅延の発生が大きく影響し、15.1%の減収となりました。
生産面におきまして、前年同様、度重なる資材類の価格改定を受けて、原材料価格の高騰の影響を大きく受けました。さらに、国内生産においては、最低賃金の度重なる引き上げに伴い、人件費の上昇の影響を受けました。一方、海外生産においては、委託工場の一部において加工賃の引き上げがあり、また工場移転による操業中断の遅れを補うため航空便を活用した結果、物流費が増加しました。為替に関しましては、前期と比べ原価為替レートにおいて円安が継続したため、原価上昇の影響がありました。その結果、売上総利益率は、海外生産シフトおよび価格改定等の利益率改善施策を進めたものの、原価上昇を抑えることができず、前年同期比3.3ポイントダウンの39.5%となりました。
販売費及び一般管理費におきましては、賃金引き上げや採用活動の強化等による人件費の増加等により、前年同期比3.5%増となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高につきましては16,983百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益は3,583百万円(同10.5%減)、経常利益は3,706百万円(同9.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,573百万円(同8.8%減)を計上いたしました。
なお、当社グループは、メディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(財政状態)
a. 資産
当連結会計年度末の総資産は44,692百万円となり、前期比2,035百万円の減少となりました。
流動資産は36,200百万円となり、前期比2,085百万円の減少となりました。これは主に、現金及び預金の減少2,103百万円、受取手形及び売掛金の減少426百万円、棚卸資産の増加459百万円、電子記録債権の増加103百万円等によるものであります。
固定資産は8,492百万円となり、前期比50百万円の増加となりました。
有形固定資産は7,255百万円となり、前期比57百万円の減少となりました。
無形固定資産は167百万円となり、前期比94百万円の増加となりました。
投資その他の資産は1,069百万円となり、前期比13百万円の増加となりました。
b. 負債
負債の合計額は3,373百万円となり、前期比656百万円の減少となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少531百万円、未払法人税等の減少109百万円、その他流動負債の増加40百万円等によるものであります。
c. 純資産
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を2,573百万円計上した一方、自己株式の取得による2,177百万円の減少、株主還元としての配当金1,889百万円の実施等により41,318百万円となり、前期比1,379百万円の減少となりました。
以上により、自己資本比率は、前連結会計年度末の91.4%から92.5%になりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は4,746百万円となり、前連結会計年度末より603百万円減少(前連結会計年度は2,409百万円の減少)いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は2,180百万円(前連結会計年度は2,286百万円)となりました。
主な増加要因は、税金等調整前当期純利益3,706百万円(同4,074百万円)、減価償却費279百万円(同266百万円)、売上債権の減少389百万円(同36百万円)、減少要因は、仕入債務の減少531百万円(同308百万円)、棚卸資産の増加459百万円(同531百万円)、法人税等の支払1,230百万円(同1,345百万円)等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は1,109百万円(前連結会計年度は1,769百万円の使用)となりました。
主な減少要因は、定期預金の預入に対する払戻の超過収入1,500百万円(前連結会計年度は払戻に対する預入の超過支出1,600百万円)、有形固定資産の取得による支出291百万円(同142百万円)等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3,894百万円(同2,929百万円)となりました。
主な要因は、配当金の支払額1,888百万円(同1,925百万円)、自己株式の取得による支出額2,181百万円(同1,453百万円)であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、メディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントであります。
|
セグメントの名称(千円) |
当連結会計年度 (自 2024年9月1日 至 2025年8月31日) |
前年同期比(%) |
|
メディカルウェア等の製造・販売事業(千円) |
8,248,653 |
104.5 |
(注)生産金額は、製品製造原価によっております。
b. 商品仕入実績
当社グループは、メディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントであります。
|
セグメントの名称(千円) |
当連結会計年度 (自 2024年9月1日 至 2025年8月31日) |
前年同期比(%) |
|
メディカルウェア等の製造・販売事業(千円) |
2,276,216 |
100.8 |
(注)商品仕入金額は、実際仕入価格によっております。
c. 受注実績
当社グループは、見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。
d. 販売実績
当社グループは、メディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントであるため、市場別情報を記載しております。
|
市場別(千円) |
当連結会計年度 (自 2024年9月1日 至 2025年8月31日) |
前年同期比(%)
|
|
コア市場 |
11,996,804 |
103.1 |
|
周辺市場 |
4,763,069 |
105.7 |
|
海外市場 |
223,964 |
84.9 |
|
合計(千円) |
16,983,838 |
103.5 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年9月1日 至 2024年8月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年9月1日 至 2025年8月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
ワタキューセイモア㈱ |
3,410,208 |
20.8 |
3,287,598 |
19.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
a. 売上高
売上高につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況(経営成績)」に記載のとおりであります。
b. 売上総利益
売上総利益につきましては、6,712百万円(前年同期比4.5%減)となりました。生産面におきまして、前年同様、度重なる資材類の価格改定を受けて、原材料価格の高騰の影響を大きく受けました。さらに、国内生産においては、最低賃金の度重なる引き上げに伴い、人件費の上昇の影響を受けました。一方、海外生産においては、委託工場の一部において加工賃の引き上げがあり、また工場移転による操業中断の遅れを補うため航空便を活用した結果、物流費が増加しました。為替に関しましては、前期と比べ原価為替レートにおいて円安が継続したため、原価上昇の影響がありました。その結果、売上総利益率は、海外生産シフトおよび価格改定等の利益率改善施策を進めたものの、原価上昇を抑えることができず、前年同期比3.3ポイントダウンの39.5%となりました。
c. 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費につきましては、賃金引き上げや採用活動の強化等による人件費の増加等により、3,128百万円(前年同期比3.5%増)となりました。
以上の結果、営業利益につきましては、3,583百万円(前年同期比10.5%減)となりました。
d. 営業外損益
営業外収益は177百万円(前年同期は122百万円)、営業外費用は55百万円(前年同期は52百万円)となりました。
以上の結果、経常利益につきましては、3,706百万円(前年同期比9.0%減)となりました。
e. 特別損益
特別損失は0百万円(前年同期は0百万円)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、2,573百万円(前年同期比8.8%減)となりました。
(財政状態)
財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況(財政状態)」に記載のとおりであります。
(経営成績に重要な影響を与える要因)
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、企業体質の強化を図りながら持続的な企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。
当社グループの資本の財源は、主に営業活動によるキャッシュ・フローで生み出した資金を源泉とし、運転資金及び設備資金は自己資金で賄っており、当連結会計年度の設備投資につきましては、主にIT設備や物流設備への投資を行いました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
なお、重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの2026年8月期は売上高180億円、営業利益40億25百万円、中期経営計画として2028年8月期は売上高195億円、営業利益47億円を目標としております。
その達成のため、市場戦略としてコア市場の深耕、周辺市場のシェア拡大、海外市場の開拓、商品戦略としてハイエンド/高付加価値商品の展開、海外素材を活用した低価格戦略商品の開発、生産戦略として生産の海外シフト化による原価低減、また顧客満足度を高めるため国内・海外生産QR/多品種小ロット追求といった取り組みを進めてまいります。
(1)技術援助契約
当社グループ(契約の締結者は当社)が締結している主な技術援助契約は次のとおりであります。
|
相手先 |
契約品目及び内容 |
契約発効日 |
契約期間 |
|
東レ株式会社 |
アツロウタヤマ・デザインの使用にかかわる医療従事者・患者・福祉従事者・要介護者等が使用する商品各種の製造・販売に関する権利の許諾に関する契約 |
2013年2月1日 |
自 2013年2月1日 至 2015年8月31日 (注)2 |
|
スタンダードテキスタイル社 (米国) |
サージカルテキスタイル製品の製造・販売の技術と知識供与並びに許諾商標の使用権利に関する契約 |
2025年9月1日 |
自 2025年9月1日 至 2030年8月31日 (注)3 |
|
株式会社ディック・ブルーナ・ジャパン |
「ミッフィー他 ディック・ブルーナ創作のイラストレーションを使用したヘルスケアユニフォーム」を商品化する権利に関するライセンス契約 |
2025年1月1日 |
自 2025年1月1日 至 2027年12月31日 (注)4 |
|
八木通商株式会社 株式会社マッキントッシュジャパン |
「MACKINTOSH PHILOSOPHY」ブランド商品の医療・介護用ユニフォーム等の製造及び販売に関する権利の承諾に関する契約 |
2023年6月1日 |
自 2023年6月1日 至 2027年12月31日 (注)5 |
(注)1.上記についてはロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。
2.2015年9月1日以降1年毎の契約を自動更新しております。
3.5年毎に更新し、現在は2025年9月1日から2030年8月31日までの契約を締結しております。
4.3年毎に更新し、現在は2025年1月1日から2027年12月31日までの契約を締結しております。
5.5年毎に更新し、現在は2023年6月1日から2027年12月31日までの契約を締結しております。
当社グループの研究開発活動の方針は、ユーザー第一主義に基づき、ユーザーを良く知り、ユーザーに喜んでいただける商品を提供することであります。医療・介護供給体制の変化、ファッションの多様化、医療の高度化等、市場の変化に応じて要求される高感覚、高機能、高品質商品の開発を目的に、商品企画室において①営業本部、マーケティング室と連動したマーケティング活動、②素材の共同開発、③新商品企画を実施しております。
①マーケティング活動
マーケティングリサーチにより、医療・介護行政、業界の動向、施策を把握し、現場を中心としたユーザーニーズを融合させることで、市場開発、商品開発テーマの絞り込みが行われます。
当連結会計年度におきましては、急激なインフレによる物価上昇が、医療・介護施設の経営に与える影響と、それに対する行政の施策について調査を実施しました。併せて、今後注力予定の海外市場である台湾・韓国における医療市場の動向についても調査を行っております。医療、介護業界ではニーズの多様化が進んでおり、今後はよりきめ細かい市場調査を推進してまいります。
②素材開発
マーケティング活動により策定されたテーマを具現化するため、素材メーカー及び仕入先メーカーと素材の共同開発を行っております。
当連結会計年度におきましては、EPA,FTAの優遇税制を活用した海外素材開発を行い、海外素材と海外縫製を組み合わせた、ボリュームゾーンへ戦略新商品を投入致しました。
③新商品企画
開発素材をベースに商品試作が行われます。素材特長を活かし、ファッショントレンドを反映したデザイン作成、人間工学に基づいた機能性を追求したパターン作成を行い、商品サンプルが作られます。サンプルは、使用状況を考慮した幾度もの厳しい物性試験、モニター活動によるユーザー評価による改良を繰り返し、最終的な新商品となります。
新商品は、ナガイレーベン㈱のCADシステム(コンピューターによるデザインシステム)とナガイ白衣工業㈱のアパレルCAD・CAM(コンピューターによるデザイン及び自動裁断システム)をオンライン化することで、迅速かつ正確に商品仕様を生産部門に伝達することが可能となっております。
当連結会計年度の新商品実績としては、前年度に導入致しました「MACKINTOSH PHILOSOPHY」が販売当初から予想を大きく上回る販売実績を上げており、今年度も新商品の投入を行いました。医療・介護機関は患者・利用者が緊張感を和らげリラックスして過ごせる環境、高い安心感を得られる環境を作ることが求められており、そのために上質で落ち着いたホテルライクな空間によって満足度を高める施設が増加してきています。そのような空間に相応しいメディカルウェアのニーズに対応したハイエンドブランドとして、英国を代表するMACKINTOSHのモノづくり精神とクラシックで時代性のあるスタイルを受け継いだ「MACKINTOSH PHILOSOPHY」ブランドを導入致しました。アイテムはスクラブ・パンツ・コート&ジャケット・介護ウェアと医療・介護従事者のメインアイテムの構成となっています。素材はワープニット 制菌・制電・吸水・防汚等のメディカル分野で求められる機能や医療従事者の動きに順応したストレッチ性能にて医服内環境に適応している快適素材を使用しております。
また売上が引続き好調に推移しています「EARTH SONG」(アースソング)にラインナップの充実を図るべくボリュームゾーンの価格帯にストレッチ織物を使用した新商品の投入を行いました。当シリーズは、SDGsが叫ばれ自然回帰への流れが高まる中、自然の力を敬い、自然環境に寄り添い、医療従事者の心と体を癒す“ヒューマンサスティナブル”をコンセプトとした商品群です。自然を彷彿させるナチュラルなカラーリングと、医療従事者が必要とするハイスペックな機能が、高機能素材と高度なパターン設計により提供される快適な着心地とマッチし、市場では大いに評価を受けております。
機能の中でも高齢者社会に向けて、リハビリ環境における医療従事者の役割が年々高い専門性が求められている今、医療従事者の衣服内の快適環境を医服内環境と捉え、医服内環境がより快適であるために開発された「プロファンクション」トップスは医療現場の声を広くリサーチを行い、人工気象室等にて機能性実証試験を行って、モニタリングを繰り返すことにより、「エアーアームカット」は腕上げ動作において肩周りのストレスフリーな着心地を実現させました。商品バリエーションが広がった「プロファンクション」パンツは衣服圧を軽減するパターン設計・仕様にすることによって太ももから膝にかけてのツッパリ感が解消され、動作時のストレスを解消させてくれます。かがんでもずり下がりにくい機能を生み出すウェストの高伸縮素材の採用とともにリハビリ職だけでなくナースやヘルパーの方々にも着用いただいて引続き好調な販売を推移しています。これらの機能商品は特許取得済みであります。また酷暑対策にも注力しており、高通気素材を使用したアイテムが幅広い医療従事者から支持を集めております。
クリニック分野において発売初年度から好調な販売を続けてきた「Beads Berry」はクリニックのみならず、新たに病院の医療事務職への採用が拡大することで人気商品シリーズに成長してまいりました。当ブランドの持つ高級感、おもてなしを意識し落ち着いた雰囲気のある施設の内装などにマッチするデザイン、快適な着心地が得られる高機能素材等が評価されたものと考えております。世界中の子供から大人まで幅広く愛され続けている「Miffy」Seriesは可愛いミッフィーのモチーフをデザインし、キャラクターの世界観と機能性が合わさったスクラブがクリニックや小児病棟の医療従事者を中心に好評をいただき好調な売れ行きとなっております。
高品位のドクターコートの信頼高級ブランド「4D+」。そのエントリーモデルとして誕生した「4DBlueBlanc」、高級感あるデザインであり、かつ着心地はそのままに洗濯の仕上がりの美しさも兼ね備え着実に売り上げを伸長させております。
周辺市場である患者衣・検診衣については拡大基調にあります。入院時や検診時に患者さんに安心感を与え、かつ高級感があるデザインテイストに、心地よい着心地との相乗効果により市場で高い評価を得ており、特に動きやすさと快適さにより評判が高く売上が好調なニット素材の商品群において、デザインやカラーバリエーションなどでラインナップを拡充することで、さらに売上の拡大を見込んでおります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、
なお、当社グループは、メディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載はしておりません。