第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、「限りある地球資源を有効活用し、業を通じて社会に貢献する」を企業理念の根本に据え、限りある資源である貴金属をリサイクルして有効活用を図る「貴金属事業」と、きれいな環境を次世代に引き継ぐ「環境事業」、並びに、地球の豊かな恵みである食資源を安定的に供給する「食品事業」の3事業を柱として事業展開を図っております。

当社グループは、「顧客重視」「株主重視」を経営の基本方針としております。顧客ニーズを的確に把握し、顧客との共存共栄を目指すところに、当社の発展の道がみえてくると考えております。資源リサイクル事業を通じた資源確保への寄与、貴金属加工販売を通じた先端産業発展への寄与、環境事業を通じた環境保全への寄与、食品事業を通じた食生活・食文化への貢献を目指し、不断の営業努力によって、業容の拡大と適正利潤の獲得に努めてまいります。

 

(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

① 経営環境

当連結会計年度における経済環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が現れる以前では、日本経済は、雇用情勢及び所得環境の改善など全体的には緩やかな回復基調で推移しましたが、長引く米中の通商問題等により輸出や生産において弱さが見られる状況となりました。海外経済は、通商問題の動向や中国経済の減速などアジア及びヨーロッパにおいて景気に弱含みの状況が見られたものの、堅調なアメリカ経済にも支えられ全体的には緩やかな回復基調となりました。一方、今年に入り国内外における新型コロナウイルス感染症拡大の影響により動向は一変し、経済活動の停滞により世界経済は急速に悪化しており、先行きについても、金融資本市場の変動等の影響や通商問題の動向などの引き続きの課題に加え、新型コロナウイルス感染症の影響から更に下振れリスクが増大しており、より一層不透明な状況が続くものと思われます。

当社グループの貴金属関連事業の主力顧客であるエレクトロニクス業界は、米中貿易摩擦の影響などにより厳しい環境ではありましたが、電子部品・デバイス分野の生産状況には回復の兆しが見られる状況となりました。今年に入り国内外における新型コロナウイルス感染症拡大の影響により今後の状況は不透明でありますが、中長期的には、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが急速に進み、IoT並びに次世代通信技術である5Gの普及拡大、車載関連の更なる成長など、市場の拡大成長が期待されます。

当社グループの食品関連事業の主力顧客である食品製造業界は、依然として国内の個人消費に力強さを欠く中で、今年に入り国内外における新型コロナウイルス感染症拡大に伴う自粛の影響から、食品の消費には個々に浮き沈みも見られましたが、加工食品需要の高まりから生産活動は総じて堅調に推移しました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響から需要動向に変化が見られるなど今後の状況は不透明でありますが、中長期的には、高齢化や女性の社会進出の増大などにより、加工食品の需要拡大は更に高まるものと予想され、また、新興国等の人口増加に伴う海外の需要拡大が期待されます。

 

② 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、当連結会計年度(2020年3月期)を開始年度とした中期経営計画(2019-2021年度)において、「社会変化に適応し、進化し続ける〝強い″会社へ!」を当社グループの目指す姿に掲げ、貴金属関連事業及び食品関連事業の両事業を成長の牽引役とし、製商品の拡充、技術開発、国内外の拠点整備及び機能拡充等の事業拡大に必要な成長投資を積極的に行うことを方針としております。また、貴金属関連事業においては「東アジアで資源循環を創造するリーディングカンパニー」、食品関連事業においては「お客様の商品開発のベストパートナー」を各セグメントのビジョンとし、以下に記載の経営戦略を掲げ、収益拡大を目指し取り組んでおります。

 

(セグメント別の経営戦略)

貴金属関連事業

食品関連事業

・基幹事業の基盤強化

・基幹事業の基盤強化

・資源循環ビジネスを始めとする顧客価値提供強化と営業体制整備

・強い商品作りの為の、開発/品質保証/生産管理支援機能強化

・自動車関連市場/化学関連市場/海外市場の拡大

・顧客ニーズに応じた商品ラインナップ拡充

・E-スクラップ、高機能電子材料、LiBリサイクル等の事業領域拡大

・国内に加え、グローバル展開を加速

(国内外拠点展開)

 

 

また、会社を支える経営基盤の強化として、①ITを活用した管理機能強化と自動化・省力化を推進し生産性を向上、②成長を牽引する経営人材の創出、③適材適所で多様な人材が活躍できる働きがいと働きやすい職場環境づくり、④ガバナンス強化と多岐にわたるリスク管理の徹底を掲げ、事業拡大とともに事業を通じて社会に貢献することで持続的な企業価値の向上を目指しております。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、中期経営計画(2019-2021年度)において掲げた方針のもと経営戦略に取り組み企業価値の向上を目指した結果、連結売上高210,976百万円、連結営業利益6,241百万円、連結営業利益率3.0%、連結自己資本利益率(ROE)6.8%となり、中期経営計画(2019-2021年度)の最終年度である2022年3月期に掲げた数値目標を概ね達成することができました。

しかしながら、貴金属関連事業では、販売価格の上昇などから収益は拡大したものの、主要顧客である半導体・電子デバイス分野の生産状況に回復の兆しが見られた中で貴金属リサイクルの取扱量が伸び悩むなど、基幹事業の基盤強化や事業領域の拡大には課題を残す結果となりました。また、食品関連事業では、顧客ニーズに応じた商品ラインナップの拡充や、強い商品作りの為の開発/品質保証/生産管理支援機能の強化を進め販売数量は拡大したものの、物流コストの上昇などから収益性が低下するなど、基幹事業の基盤強化には課題を残す結果となりました。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響も加わり、経済の先行きはより一層不透明な状況が続く中で、貴金属関連事業及び食品関連事業ともに、顧客ニーズに対応した高い付加価値を提供し続けることで競争優位性を高め、事業拡大並びに事業を通じた社会貢献により持続的な成長サイクルを回し、企業価値の向上を目指してまいります。

また、収益基盤の強化によって創出した資金は、資本政策の基本方針である「成長性を捉えた事業機会への最適資源配分」・「財務健全性の確保」・「株主還元」のバランスを考慮することを前提に、将来に向けた成長投資へ優先的に振り向けるとともに、安定且つ持続的な配当の実施などを通じ、更なる株主還元の充実を検討してまいります。

 

セグメント別の対処すべき課題は、以下のとおりであります。

① 貴金属関連事業

貴金属関連事業においては、「東アジアで資源循環を創造するリーディングカンパニー」をビジョンに掲げ、経営戦略である「基幹事業の基盤強化」・「資源循環ビジネスを始めとする顧客価値提案強化と営業体制整備」・「自動車関連市場/化学関連市場/海外市場の拡大」・「E-スクラップ、高機能電子材料、LiBリサイクル等の事業領域の拡大」に取り組み、貴金属事業では、電子部材、化成品等の販売や貴金属リサイクル原料回収の拡大を図ってまいります。その中で、省金化等の事業環境の変化にも対応し、貴金属回収技術の向上を進めるとともに、エレクトロニクス等の顧客ニーズに応えた化成品の開発や、自動化・省力化による効率改善などの研究開発にも積極的に取り組み、事業の差別化による拡大を進めてまいります。また、環境事業においては、当社グループが所有する廃酸・廃アルカリ処理設備や全国の許認可網及び物流ネットワークを活用しつつ、顧客ニーズに対応してサービスを拡大し付加価値の向上に努め、産業廃棄物処理受託の拡大を図ってまいります。

 

② 食品関連事業

食品関連事業においては、「お客様の商品開発のベストパートナー」をビジョンに掲げ、経営戦略である「基幹事業の基盤強化」・「強い商品作りの為の開発/品質保証/生産管理支援機能強化」・「顧客ニーズに応じた商品ラインナップ拡充」・「国内に加え、グローバル展開を加速」に取り組み、当社グループがこれまでに培った品質保証に関するノウハウを活かし、安全・安心且つ高品質で安定的な食品原料の供給によって差別化を図り、変化する顧客ニーズを的確に捉えて事業の拡大を目指してまいります。この中で、為替変動などのリスクにも適切に対処するとともに、収益性の改善にも努めてまいります。また、各海外拠点を活用し、良質な供給ソースの確保とともに、新規顧客の開拓を進めてまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、中期経営計画(2019-2021年度)において、計画の最終年度となる2021年度(2022年3月期)の業績目標を連結売上高2,200億円、連結営業利益55億円、連結営業利益率2.5%、連結自己資本利益率(ROE)6.0%としております。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、このようなリスクの認識に基づき、TRM(トータルリスクマネージメント)委員会を中心に必要なリスク管理体制を構築し、リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に努めております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)主要製品・商品の価格変動について

当社グループの貴金属関連事業が取り扱う製品の生産に用いられる主要原材料は、主に金、銀、白金、パラジウム等の貴金属元素を含有するリサイクル原材料であり、その仕入価格及び販売価格は原則として貴金属地金の市場価格に基づいており、国際商品市況及び為替相場の変動による影響を受けます。当社グループは、価格変動に伴う相場リスクを回避する目的で商品先物取引を行っておりますが、全量に対する回避は困難であるため、製造及び在庫期間における貴金属価格の動向によっては、価格変動が業績に影響を与える可能性があります。

当社グループの食品関連事業が取り扱う商品である水産品、畜産品、農産品等の食品加工原材料は、取扱品の大部分が外国産品であり、その価格は、仕入・販売いずれも商品市況、為替相場の変動による影響を受けます。当社グループは、先物為替予約を行い、販売価格への転嫁によりこれらの変動に対応しておりますが、商品の需給バランスなどにより販売価格が下落した場合は、たな卸資産の評価損等の損失が発生する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)食品関連事業に関わる品質問題等について

当社グループの食品関連事業は、すりみ、エビ、イカ、カニ、タコ等を中心とした水産品加工原料、生鮮野菜、乾燥野菜、冷凍野菜等を中心とした農産品加工原料、鶏肉、豚肉、牛肉等の各種素材肉、鶏卵を中心とした畜産品加工原料を輸入し、水産練製品、冷凍食品、食肉加工、惣菜、製菓等の食品メーカーへの卸売りを行っております。当社グループでは、法令に基づく食品表示の徹底はもとより、海外産地の品質管理指導や異物混入対策の強化などに万全を尽くしておりますが、食品の安全性等に係る問題が発生し、輸入禁止措置等がとられた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3)法的規制について

環境問題についての社会的関心の高まりから、環境関連の法的規制は強化される方向にあります。当社グループの貴金属関連事業に関連する法的規制が強化された場合においては、それに対処するために、追加の設備投資負担が必要になることがあります。また、当社及び当社グループの一部は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく事業者として、産業廃棄物の収集運搬、処理等の事業を行っており、各種法令の遵守が事業継続の大前提となっております。当社グループでは、企業倫理と法令遵守を明文化した「企業倫理規程」を制定するとともに、コンプライアンスの実現のための取扱いを定めた「コンプライアンス規程」を制定し、経営活動全般にわたるコンプライアンスの実現に取り組んでおります。

 

(4)廃棄物等の管理について

当社グループでは、製造過程において毒物や劇物を使用しており、廃液や大気への排出物に対して、環境に配慮した適切な処理を行っております。しかしながら、工場の事故等により、これらの管理に何らかの問題が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)カントリーリスクについて

当社グループは、貴金属関連事業・食品関連事業ともに、海外の様々な国や地域において事業活動を行っており、これらの国や地域の政治・経済・社会情勢等の環境変化に起因し予期せぬ事態が生じた場合には、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)自然災害・気候変動及び感染症拡大等について

当社グループが事業活動を行う国や地域において、地震・洪水等の自然災害が発生した場合には、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。当社グループでは、大規模災害の発生に備え、安否確認システムの導入、防災訓練の実施及び事業継続のための各種対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動等による異常気象が発生した場合には、当社グループの食品関連事業が取り扱う商品の生産等に影響する可能性があり、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、未知の感染症などが拡大した場合には、生産活動等の中断により事業に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、感染症等の大流行に備え在宅勤務等のテレワーク、時差出勤及びシフト勤務などにより社員等の感染予防に努めるとともに、製商品及び役務の供給体制整備を図っておりますが、社内外での感染拡大に伴う調達や事業活動の停滞・停止により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

 当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ13,593百万円増加し、94,509百万円となりました。

 当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ12,035百万円増加し、33,982百万円となりました。

 当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,558百万円増加し、60,527百万円となりました。
 

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、雇用情勢及び所得環境の改善など全体的には緩やかな回復基調で推移しましたが、長引く米中の通商問題等により輸出や生産においては弱さが見られる状況となりました。また、今年に入り国内外における新型コロナウイルス感染症拡大の影響により世界的に経済活動が急速に落ち込み、更なる下振れが懸念されるなど、景気の先行きにつきましては一層不透明な状況になっております。

このような状況の中、当社グループの貴金属関連事業においては、営業展開の強化と国内外の生産拠点活用により、貴金属原料の確保、化成品等の製商品販売及び産業廃棄物処理受託の拡大に取り組みました。また、食品関連事業においては、顧客ニーズを捉えた商品の開拓と提供に鋭意取り組み、国内はもとより、海外展開の拡大も含めた積極的な営業活動を推進し、販売量の拡大に努めました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は210,976百万円(前連結会計年度比1.3%増)、営業利益は6,241百万円(前連結会計年度比26.1%増)となりました。持分法利益などの営業外損益を加えた経常利益は6,384百万円(前連結会計年度比25.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,046百万円(前連結会計年度比19.3%増)となりました。
 

セグメント別の状況は以下のとおりであります。

(貴金属関連事業)

 当事業の主力顧客であるエレクトロニクス業界は、米中貿易摩擦の影響などにより厳しい環境ではありましたが、電子部品・デバイス分野の生産状況には回復の兆しが見られる状況となりました。このような状況の中で当社グループの貴金属関連事業では、貴金属リサイクル及び産業廃棄物処理受託の取扱量は概ね横這いで推移しましたが、貴金属地金の買取り数量縮小により貴金属製品の販売量は減少し、販売価格は上昇したものの全体としての売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。一方で、金・パラジウムなどの貴金属相場高騰に伴う販売価格の上昇や原価低減などにより、販売費及び一般管理費の増加はあったものの営業利益は前連結会計年度に比べ増加しました。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による当連結会計年度の業績への影響は軽微なものとなりました。

 これらの結果、当該事業の売上高は130,726百万円(前連結会計年度比1.5%減)となり、営業利益は4,933百万円(前連結会計年度比43.2%増)となりました。

 

(食品関連事業)

 当事業の主力顧客である食品製造業界は、依然として国内の個人消費に力強さを欠く中で、今年に入り国内外における新型コロナウイルス感染症拡大に伴う自粛の影響から食品の消費には個々に浮き沈みも見られましたが、加工食品需要の高まりから生産活動は総じて堅調に推移しました。このような状況の中で当社グループの食品関連事業では、水産品、畜産品及び農産品の販売数量が増加し、販売価格の上昇もあり売上高は前連結会計年度に比べ増加しましたが、運送費及び保管料の増加などにより営業利益は前連結会計年度に比べ減少しました。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による当連結会計年度の業績への影響は軽微なものとなりました。

 これらの結果、当該事業の売上高は80,325百万円(前連結会計年度比6.2%増)となり、営業利益は1,307百万円(前連結会計年度比13.0%減)となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は11,652百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,835百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動により減少した資金は422百万円となりました。これは主として税金等調整前当期純利益、減価償却費及び売上債権の減少による資金の増加と、たな卸資産の増加及び法人税等の支払いによる資金の減少の差引によるものです。なお、前連結会計年度の6,178百万円の資金の増加に比べ6,600百万円資金が減少しました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動に使用した資金は2,674百万円となりました。これは主として工場設備の新設及び更新等の有形固定資産取得によるものです。なお、前連結会計年度の2,166百万円の支出に比べ508百万円の支出増加となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動により増加した資金は6,848百万円となりました。これは主として借入金の増加によるものです。なお、前連結会計年度の3,708百万円の資金の減少に比べ10,556百万円の増加となりました。

 

参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

回次

 

第67期

第68期

第69期

第70期

第71期

決算年月

 

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

自己資本比率 (注)1

(%)

74.5

73.8

70.5

72.8

63.9

時価ベースの自己資本比率

 (注)2

(%)

44.3

54.3

64.2

45.3

35.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (注)3

(%)

0.6

6.2

1.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ (注)4

(倍)

215.9

24.4

111.2

 

(注) 1 自己資本比率:自己資本/総資産

2 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

4 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに算出しております。

※キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

※2018年3月期及び2020年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

※「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第70期の期首から適用しており、第69期以前の指標についても、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

(生産実績)

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

貴金属関連事業

 

 

 製品

122,540

105.5

 処理

7,957

106.1

 

(注) 1 当社グループにおける生産活動は、貴金属関連事業においてのみ行われております。

2 金額は、販売価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(仕入実績)

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

貴金属関連事業

26,971

142.9

食品関連事業

73,772

105.3

合計

100,744

113.3

 

(注) 1 金額は、仕入価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(受注実績)

見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(販売実績)

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

貴金属関連事業

130,726

98.5

食品関連事業

80,250

106.2

合計

210,976

101.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成され ております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第一部[企業情報] 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] [注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に退職給付会計、賞与引当金、税効果会計、貸倒引当金、減損会計、たな卸資産の評価であり、継続して評価を行っております。

 なお、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の影響について、貴金属関連事業、食品関連事業ともに当連結会計年度における業績への影響は軽微であったことを踏まえ、2021年3月期においても引き続き影響は軽微なものと仮定し会計の見積りを行っております。見積り及び判断・評価につきましては、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 財政状態の分析

(資産の部)

流動資産は、現金及び預金が3,835百万円、たな卸資産が7,434百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ11,436百万円増加しました。なお、たな卸資産の増加は顧客への供給責任に応えるべく新型コロナウイルス感染症拡大に備えた一過的増加であります。固定資産は、工場設備の新設及び更新などにより有形固定資産が1,780百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,157百万円増加しました。これらの結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ13,593百万円増加し、94,509百万円となりました。

(負債の部)

流動負債は、短期借入金が3,941百万円、1年内返済長期借入金513百万円及び未払法人税等が484百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ6,353百万円増加しました。固定負債は、長期借入金が3,560百万円、退職給付に係る負債が2,116百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ5,681百万円増加しました。これらの結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ12,035百万円増加し、33,982百万円となりました。

(純資産の部)

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益4,046百万円と配当金の支払い842百万円の差引による利益剰余金3,203百万円の増加に対し、退職給付に係る調整累計額が1,432百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,558百万円増加し、60,527百万円となりました。

 

ロ 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は210,976百万円(前連結会計年度比1.3%増)となり、前連結会計年度に比べ2,638百万円増加しました。セグメント別の売上高につきましては、「第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は22,173百万円(前連結会計年度比11.8%増)となり、前連結会計年度に比べ2,346百万円増加しました。売上総利益率は10.5%となり前連結会計年度比1.0ポイント上昇しましたが、この主な要因は、貴金属相場高騰などに伴う貴金属関連事業における売上対原価比率の低下によるものであります。
(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は6,241百万円(前連結会計年度比26.1%増)となり、前連結会計年度に比べ1,293百万円増加しました。営業利益率は3.0%となり前連結会計年度比0.6ポイント上昇しましたが、この主な要因は、貴金属関連事業における売上対原価比率の低下による売上総利益率の改善と、人件費等の増加による売上対販売費及び一般管理費比率の上昇によるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析

イ キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ロ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、貴金属関連事業におけるリサイクル原材料及び食品関連事業における食品加工原材料の仕入れ等の事業運営上必要となる資金の確保に加え、急激な環境変化にも備え流動性を維持する考えの下で、運転資金については営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの短期借入を、設備投資については営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本としております。その中で、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大といった急激な環境変化に伴い発生するリスクを回避するために、一層の流動性の維持に努めました。なお、当社は資金調達の機動性を高めるため、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとする計4行の金融機関との間に3,000百万円の借入枠(コミットメントライン)を設定しております。

当連結会計年度末における有利子負債の残高は15,429百万円となりましたが、資金調達コストの低減に努め、金利変動リスクに対してもヘッジ手段として金利スワップ等を活用しております。「第一部[企業情報]第3[設備の状況] 3[設備の新設、除却等の計画] (1)重要な設備の新設等」に記載しています設備投資につきまして、未支払額である必要資金1,486百万円を営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入により賄う予定であります。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第一部[企業情報]第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、中期経営計画(2019-2021年度)では、計画の最終年度となる2021年度(2022年3月期)の業績目標を連結売上高2,200億円、連結営業利益55億円、連結営業利益率2.5%、連結自己資本利益率(ROE)6.0%としております。

なお、中期経営計画(2019-2021年度)の初年度である当連結会計年度において、連結売上高を除き目標を達成しておりますが、貴金属相場高騰に伴う業績への追い風や新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済の不透明性などから、経営上の指標とする業績目標は変更しておりません。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 仕入の提携

契約会社

相手先名

提携内容

契約期限

松田産業株式会社

日鉄マイクロメタル株式会社

ボンディングワイヤ及びマイクロボールの販売代理店契約

2021年3月31日
(以後1年毎自動更新)

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、永年培ってきた貴金属製錬技術・産業廃棄物処理技術・精密洗浄技術・めっき薬品製造技術を基礎に「資源の有効活用」・「環境保全」・「高純度」・「高性能」をテーマとし、広く社会に貢献することを理念として、長期的視野に立った活動を推進しております。従いまして、当社グループにおける研究開発活動は、当社の貴金属関連事業を中心に行われております。

 

a 半導体・電子部品業界や宝飾品業界など幅広い分野より発生する貴金属含有スクラップに対し、濃縮・分離といった操作により効率良く貴金属を回収し、随伴する非鉄金属等も可能な限り有効活用する技術開発、環境規制が強化されている硝酸を用いない手法の開発など地球環境に配慮した貴金属製錬技術開発、高純度製品製造技術開発などに注力しております。

b 製品性能の向上に伴い複雑化する半導体製造工程で使用される特殊合金の洗浄・剥離技術開発を行い新規設備の導入を行っております。

c 電子・半導体部品の製造に寄与する貴金属含有めっき薬品や有機物合成用に用いられる触媒用の貴金属化合物などの貴金属化成品の製品開発を行っております。また、真空蒸着やスパッタリングに用いられる高純度貴金属加工品の開発を進めております。

d 「資源循環」に主眼を置き、廃棄物中の有用物を資源として再利用する技術、並びに変化する廃棄物の処理難易度や厳格化する環境規制に対応した無害化処理技術の開発に鋭意取り組んでおります。

 その他サンプリング技術及び分析の精度向上を探求しております。

 

 研究テーマ:

 1 貴金属リサイクル技術の研究
   2 主に貴金属含有めっき薬品及び貴金属化成品製造技術の研究

 3 貴金属高純度加工品製造技術の研究
   4 半導体製造装置の洗浄及びメンテナンス技術の研究
   5 産業廃棄物のリサイクル技術の研究
   6 産業廃棄物の無害化処理技術の研究
   7 上記の研究を支える分析技術の向上

また、これらの研究開発活動は一部社外の研究機関と共同で行い、早期に成果に結び付けられるよう推進しております。

 

当連結会計年度の主な研究開発成果:

貴金属回収技術の開発・改善を行い、効率向上と環境負荷低減に寄与いたしました。

顧客ニーズに対応した貴金属含有めっき薬品の開発を進め、事業拡大に貢献いたしました。

産業廃棄物の無害化処理技術の研究を行い、今後の規制強化に対応可能な排水処理技術の開発を進めてきました。

なお、当連結会計年度の研究開発費は295百万円であります。