文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「限りある地球資源を有効活用し、業を通じて社会に貢献する」を企業理念の根本に据え、限りある資源である貴金属をリサイクルして有効活用を図る「貴金属事業」と、きれいな環境を次世代に引き継ぐ「環境事業」、並びに、地球の豊かな恵みである食資源を安定的に供給する「食品事業」の3事業を柱として事業展開を図っております。
当社グループは、「顧客重視」「株主重視」を経営の基本方針としております。顧客ニーズを的確に把握し、顧客との共存共栄を目指すところに、当社の発展の道がみえてくると考えております。資源リサイクル事業を通じた資源確保への寄与、貴金属加工販売を通じた先端産業発展への寄与、環境事業を通じた環境保全への寄与、食品事業を通じた食生活・食文化への貢献を目指し、不断の営業努力によって、業容の拡大と適正利潤の獲得に努めてまいります。
① 経営環境
当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の経済が大きく下振れし、縮小する状況になりましたが、年度の後半からは中国を始めとして景気は徐々に回復基調となり、国内においても製造業などで企業収益の改善が見られる状況となりました。一方で、新型コロナウイルス感染症の再拡大懸念や米中通商問題における混迷の深まりなどから、経済の先行きは依然として不透明な状況が続くものと思われます。
また、持続可能な社会の実現に対する意識の高まりが世界的な広がりを見せていることは、中長期的な企業の存在価値や社会的責任のあり方などに通じる重要な経営環境の変化として捉えております。
② 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、前連結会計年度(2020年3月期)を開始年度とした中期経営計画(2019-2021年度)において、「社会変化に適応し、進化し続ける〝強い″会社へ!」を当社グループの目指す姿に掲げ、貴金属関連事業及び食品関連事業の両事業を成長の牽引役とし、製商品の拡充、技術開発、国内外の拠点整備及び機能拡充等の事業拡大に必要な成長投資を積極的に行うことを方針としております。また、貴金属関連事業においては「東アジアで資源循環を創造するリーディングカンパニー」、食品関連事業においては「お客様の商品開発のベストパートナー」を各セグメントのビジョンとし、以下に記載の経営戦略を掲げ、収益拡大を目指し取り組んでおります。
(セグメント別の経営戦略)
また、会社を支える経営基盤の強化として、①ITを活用した管理機能強化と自動化・省力化を推進し生産性を向上、②成長を牽引する経営人材の創出、③適材適所で多様な人材が活躍できる働きがいと働きやすい職場環境づくり、④ガバナンス強化と多岐にわたるリスク管理の徹底を掲げ、事業拡大とともに事業を通じて社会に貢献することで持続的な企業価値の向上を目指しております。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大や、気候変動問題に対する脱炭素課題への取り組みなどを背景に急速な変化が見込まれる経営環境にも的確に対応しつつ、中期経営計画(2019-2021年度)を引き続き推進し、経営目標の達成及び企業価値の向上を目指してまいります。
① 貴金属関連事業
貴金属関連事業においては、「東アジアで資源循環を創造するリーディングカンパニー」をビジョンに掲げ、貴金属事業と環境事業の各施策に取り組んでまいります。
貴金属事業では、高機能電子材料や化成品等の販売及び貴金属リサイクル原料回収の拡大を図り、基幹事業の基盤強化を進めると共に、自動車関連市場/化学関連市場/海外市場の拡大や、E-スクラップ等の事業領域の拡大にも取り組みます。その中で、省金化等の事業環境の変化にも対応し、貴金属回収技術の向上を進めると共に、エレクトロニクス等の顧客ニーズに応えた製品の開発や、自動化・省力化による効率改善などの研究開発も積極的に行い、事業の差別化を進めてまいります。
環境事業では、当社グループが所有する廃酸・廃アルカリ処理設備や全国の許認可網及び物流ネットワークを活用しつつ、顧客ニーズに対応したサービスの拡大による付加価値の向上に努め、基幹事業の基盤強化を図ると共に、自動車関連市場/化学関連市場の拡大に取り組みます。更に資源循環ビジネスを始めとする顧客価値提案強化と営業体制整備を進め、LiBリサイクル等の将来に向けた事業領域の拡大にも取り組んでまいります。
② 食品関連事業
食品関連事業においては、「お客様の商品開発のベストパートナー」をビジョンに掲げ、当社グループがこれまでに培った品質保証に関するノウハウを活かし、安全・安心且つ高品質で安定的な食品原料の供給によって差別化を図ると共に、強い商品作りの為の開発/品質保証/生産管理支援機能の強化を進めて基幹事業の基盤強化を進めてまいります。また、顧客ニーズに応じた商品ラインナップの拡充に取り組み、国内に加えてグローバル展開を加速してまいります。その中で、為替変動などのリスクに適切に対処すると共に、差別化や効率化などによる収益性の改善にも努めてまいります。
③ 経営全般
持続可能な社会実現に向けた課題への対処や、新型コロナウイルス感染症拡大の影響も加わり、より一層変化する経営環境に的確に対応し、貴金属関連事業及び食品関連事業ともに、顧客ニーズに対応した高い付加価値を提供し続けることで競争優位性を高め、事業拡大並びに事業を通じた社会貢献により持続的な成長サイクルを回し、企業価値の向上を目指してまいります。
また、収益基盤の強化によって創出した資金は、資本政策の基本方針である「成長性を捉えた事業機会への最適資源配分」・「財務健全性の確保」・「株主還元」のバランスを考慮することを前提に、将来に向けた成長投資へ優先的に振り向けるとともに、安定且つ持続的な配当の実施などを通じた株主還元の充実を検討してまいります。
当社グループは、中期経営計画(2019-2021年度)において、計画の最終年度となる2021年度(2022年3月期)の業績目標を連結売上高2,200億円、連結営業利益55億円、連結営業利益率2.5%、連結自己資本利益率(ROE)6.0%としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、このようなリスクの認識に基づき、TRM(トータルリスクマネージメント)委員会を中心に必要なリスク管理体制を構築し、リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に努めております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの貴金属関連事業が取り扱う製品の生産に用いられる主要原材料は、主に金、銀、白金、パラジウム等の貴金属元素を含有するリサイクル原材料であり、その仕入価格及び販売価格は原則として貴金属地金の市場価格に基づいており、国際商品市況及び為替相場の変動による影響を受けます。当社グループは、価格変動に伴う相場リスクを回避する目的で商品先物取引を行っておりますが、全量に対する回避は困難であるため、製造及び在庫期間における貴金属価格の動向によっては、価格変動が業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの食品関連事業が取り扱う商品である水産品、畜産品、農産品等の食品加工原材料は、取扱品の大部分が外国産品であり、その価格は、仕入・販売いずれも商品市況、為替相場の変動による影響を受けます。当社グループは、先物為替予約を行い、販売価格への転嫁によりこれらの変動に対応しておりますが、商品の需給バランスなどにより販売価格が下落した場合は、たな卸資産の評価損等の損失が発生する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの食品関連事業は、すりみ、エビ、イカ、カニ、タコ等を中心とした水産品加工原料、生鮮野菜、乾燥野菜、冷凍野菜等を中心とした農産品加工原料、鶏肉、豚肉、牛肉等の各種素材肉、鶏卵を中心とした畜産品加工原料を輸入し、水産練製品、冷凍食品、食肉加工、惣菜、製菓等の食品メーカーなどへ販売しております。当社グループでは、法令に基づく食品表示の徹底はもとより、海外産地の品質管理指導や異物混入対策の強化などに万全を尽くしておりますが、食品の安全性等に係る問題が発生し、輸入禁止措置等がとられた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
環境問題についての社会的関心の高まりから、環境関連の法的規制は強化される方向にあります。当社グループの貴金属関連事業に関連する法的規制が強化された場合においては、それに対処するために、追加の設備投資負担が必要になることがあります。また、当社及び当社グループの一部は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく事業者として、産業廃棄物の収集運搬、処理等の事業を行っており、各種法令の遵守が事業継続の大前提となっております。当社グループでは、事業活動及びその他の社会的活動における最高位の社内基準として「松田産業グループ グローバル行動規範」を制定するとともに、コンプライアンスの実現のための取扱いを定めた「コンプライアンス規程」を制定し、経営活動全般にわたるコンプライアンスの実現に取り組んでおります。
当社グループでは、製造過程において毒物や劇物を使用しており、廃液や大気への排出物に対して、環境に配慮した適切な処理を行っております。しかしながら、工場の事故等により、これらの管理に何らかの問題が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、貴金属関連事業・食品関連事業ともに、海外の様々な国や地域において事業活動を行っており、これらの国や地域の政治・経済・社会情勢等の環境変化に起因し予期せぬ事態が生じた場合には、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業活動を行う国や地域において、地震・洪水等の自然災害が発生した場合には、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。当社グループでは、大規模災害の発生に備え、安否確認システムの導入、防災訓練の実施及び事業継続のための各種対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動等による異常気象が発生した場合には、当社グループの食品関連事業が取り扱う商品の生産等に影響する可能性があり、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、未知の感染症などが拡大した場合には、生産活動等の中断により事業に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、感染症等の大流行に備え在宅勤務等のテレワーク、時差出勤及びシフト勤務などにより社員等の感染予防に努めるとともに、製商品及び役務の供給体制整備を図っておりますが、社内外での感染拡大に伴う調達や事業活動の停滞・停止により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ9,756百万円増加し、104,265百万円となりました。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,677百万円増加し、38,659百万円となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,078百万円増加し、65,605百万円となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、個人消費の低迷や非製造業などにおける企業収益の減少など厳しい状況が続きました。政府による経済対策により国内の経済活動には持ち直しの動きが見られましたが、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う経済活動の度重なる自粛や米中貿易摩擦などから、先行きにつきましては依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の中で、当社グループは新型コロナウイルス感染症に対し従業員並びに関係する全ての皆様の安全を最優先として感染防止に努めると共に、社会的責任でもある持続的成長と企業価値の向上に向け事業の拡大に取り組み、貴金属関連事業においては、営業展開の強化と国内外の生産拠点活用により、貴金属原料の確保、化成品等の製商品販売及び産業廃棄物処理受託の拡大に取り組みました。また、食品関連事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響によりサプライチェーンが混乱する懸念がある中で、安定供給責任を果たすと共に顧客ニーズを捉えた商品の開拓と提供に鋭意取り組み販売量の拡大に努めました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は231,559百万円(前連結会計年度比9.8%増)、営業利益は8,038百万円(前連結会計年度比28.8%増)となりました。持分法利益などの営業外損益を加えた経常利益は8,369百万円(前連結会計年度比31.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,098百万円(前連結会計年度比50.7%増)となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりであります。
(貴金属関連事業)
当事業の主力顧客であるエレクトロニクス業界は、新型コロナウイルス感染症による影響を受けながらも、自動車市場の回復、リモート需要の拡大に伴うPCやサーバーの好調、5Gの進展に伴うインフラ整備の拡大などを背景に、下期にかけて電子部品・デバイス分野の生産活動には活発化の傾向が見られる結果となりました。このような状況の中で、当社グループの貴金属関連事業では、産業廃棄物の処理受託は減少したものの、貴金属リサイクルの取扱量は増加し、金製品等の販売量増加に加え貴金属相場の上昇もあり、売上高及び営業利益は前連結会計年度に比べ増加しました。
これらの結果、当該事業の売上高は153,087百万円(前連結会計年度比17.1%増)、営業利益は6,833百万円(前連結会計年度比38.5%増)となりました。
(食品関連事業)
当事業の主力顧客である食品製造業界は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、巣ごもり需要などにより個人消費に一時的な回復は見られたものの、外食産業や土産物販売の低迷に伴う業務用食品の需要低下やインバウンド需要の縮小などから、年間を通じて全体的に厳しい状況となりました。このような状況の中で、当社グループの食品関連事業では、農産品は販売量及び売上高共に増加し、畜産品では販売量は減少したものの売上高は増加しましたが、水産品は販売量は増加したものの売上高は減少し、全体の売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
これらの結果、当該事業の売上高は78,550百万円(前連結会計年度比2.2%減)、営業利益は1,204百万円(前連結会計年度比7.9%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は8,803百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,848百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により増加した資金は185百万円となりました。これは主として税金等調整前当期純利益、減価償却費及び仕入債務の増加による資金の増加と、売上債権、たな卸資産の増加及び法人税等の支払いによる資金の減少の差引によるものです。なお、前連結会計年度の422百万円の資金の減少に比べ607百万円資金が増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動に使用した資金は3,181百万円となりました。これは主として工場設備の新設及び更新等の有形固定資産取得による支出と有形固定資産の売却による収入の差し引きによるものです。なお、前連結会計年度の2,674百万円の支出に比べ507百万円の支出増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により増加した資金は261百万円となりました。これは主として借入金の増加による資金の増加と、自己株式の取得及び配当金の支払による資金の減少との差し引きによるものです。なお、前連結会計年度の6,848百万円の資金の増加に比べ6,586百万円の減少となりました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 1 自己資本比率:自己資本/総資産
2 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
4 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに算出しております。
※キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※2018年3月期及び2020年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
※「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第70期の期首から適用しており、第69期以前の指標についても、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
④ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 当社グループにおける生産活動は、貴金属関連事業においてのみ行われております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(仕入実績)
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(受注実績)
見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第一部[企業情報] 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] [注記事項] (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に退職給付会計、賞与引当金、税効果会計、貸倒引当金、減損会計、たな卸資産の評価であり、継続して評価を行っております。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第一部 [企業情報] 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等][注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、見積り及び判断・評価につきましては、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 財政状態の分析
(資産の部)
流動資産は、現金及び預金が2,848百万円減少し、受取手形及び売掛金が3,965百万円、たな卸資産が6,761百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ8,083百万円増加しました。固定資産は、工場設備の新設及び更新などにより有形固定資産が1,330百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,672百万円増加しました。これらの結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ9,756百万円増加し、104,265百万円となりました。
(負債の部)
流動負債は、買掛金が1,846百万円、短期借入金が1,984百万円、未払法人税等が309百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ5,175百万円増加しました。固定負債は、長期借入金が213百万円、リース債務が166百万円、退職給付に係る負債が164百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ498百万円減少しました。これらの結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,677百万円増加し、38,659百万円となりました。
(純資産の部)
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益6,098百万円と配当金の支払い919百万円の差引による利益剰余金の増加5,179百万円と、退職給付に係る調整累計額の320百万円の増加、自己株式の取得による400百万円の減少等により、前連結会計年度末に比べ5,078百万円増加し、65,605百万円となりました。
ロ 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は231,559百万円(前連結会計年度比9.8%増)となり、前連結会計年度に比べ20,583百万円増加しました。セグメント別の売上高につきましては、「第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は24,471百万円(前連結会計年度比10.4%増)となり、前連結会計年度に比べ2,297百万円増加しました。売上総利益率は10.6%となり前連結会計年度比0.1ポイント上昇しましたが、この主な要因は、貴金属相場高騰などに伴う貴金属関連事業における売上対原価比率の低下によるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は8,038百万円(前連結会計年度比28.8%増)となり、前連結会計年度に比べ1,796百万円増加しました。営業利益率は3.5%となり前連結会計年度比0.5ポイント上昇しましたが、この主な要因は、貴金属関連事業における売上対原価比率の低下による売上総利益率の改善によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
イ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、貴金属関連事業におけるリサイクル原材料及び食品関連事業における食品加工原材料の仕入れ等の事業運営上必要となる資金の確保に加え、急激な環境変化にも備え流動性を維持する考えの下で、運転資金については営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの短期借入を、設備投資については営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当社は資金調達の機動性を高めるため、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとする計4行の金融機関との間に3,000百万円の借入枠(コミットメントライン)を設定しております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は17,296百万円となりましたが、資金調達コストの低減に努め、金利変動リスクに対してもヘッジ手段として金利スワップ等を活用しております。「第一部[企業情報]第3[設備の状況] 3[設備の新設、除却等の計画] (1)重要な設備の新設等」に記載の設備投資につきまして、必要資金は営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入により賄う予定であります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第一部[企業情報]第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、中期経営計画(2019-2021年度)では、計画の最終年度となる2021年度(2022年3月期)の業績目標を連結売上高2,200億円、連結営業利益55億円、連結営業利益率2.5%、連結自己資本利益率(ROE)6.0%としております。
なお、当連結会計年度において、中期経営計画(2019-2021年度)の最終年度における目標としました連結売上高、連結営業利益、連結営業利益率及び連結自己資本当期純利益率につきましては、1年前倒しにて全て達成しておりますが、貴金属相場高騰に伴う業績への追い風や新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済の不透明性などから、経営上の指標とする業績目標は変更しておりません。
当社グループにおける研究開発活動は、永年培ってきた貴金属製錬技術・産業廃棄物処理技術・精密洗浄技術・めっき薬品製造技術を基礎に「資源の有効活用」・「環境保全」・「高純度」・「高性能」をテーマとし、広く社会に貢献することを理念として、長期的視野に立った活動を推進しております。従いまして、当社グループにおける研究開発活動は、当社の貴金属関連事業を中心に行われております。
a 半導体・電子部品業界や宝飾品業界など幅広い分野より発生する貴金属含有スクラップに対し、濃縮・分離といった操作により効率良く貴金属を回収し、随伴する非鉄金属等も可能な限り有効活用する技術開発、環境規制が強化されている硝酸を用いない手法の開発など地球環境に配慮した貴金属製錬技術開発、高純度製品製造技術開発などに注力しております。
b 製品性能の向上に伴い複雑化する半導体製造工程で使用される特殊合金の洗浄・剥離技術開発を行い新規設備の導入を行っております。
c 電子・半導体部品の製造に寄与する貴金属含有めっき薬品や有機物合成用に用いられる触媒用の貴金属化合物などの貴金属化成品の製品開発を行っております。また、真空蒸着やスパッタリングに用いられる高純度貴金属加工品の開発を進めております。
d 「資源循環」に主眼を置き、廃棄物中の有用物を資源として再利用する技術、並びに変化する廃棄物の処理難易度や厳格化する環境規制に対応した無害化処理技術の開発に鋭意取り組んでおります。
その他サンプリング技術及び分析の精度向上を探求しております。
研究テーマ:
1 貴金属リサイクル技術の研究
2 貴金属含有めっき薬品及び貴金属化成品製造技術の研究
3 貴金属高純度加工品製造技術の研究
4 半導体製造装置の洗浄及びメンテナンス技術の研究
5 産業廃棄物のリサイクル技術の研究
6 産業廃棄物の無害化処理技術の研究
7 上記の研究を支える分析技術の向上
また、これらの研究開発活動は一部社外の研究機関と共同で行い、早期に成果に結び付けられるよう推進しております。
当連結会計年度の主な研究開発成果:
貴金属回収技術の開発・改善を行い、効率向上と環境負荷低減に寄与いたしました。
顧客ニーズに対応した貴金属含有めっき薬品の開発を進め、一部導入されました。
産業廃棄物のリサイクル技術として、将来排出増加が見込まれるリチウムイオン電池のリサイクル技術の開
発を推進しました。
なお、当連結会計年度の研究開発費は