文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「限りある地球資源を有効活用し、業を通じて社会に貢献する」を企業理念の根本に据え、限りある資源である貴金属をリサイクルして有効活用を図る貴金属事業、きれいな環境を次世代に引き継ぐ環境事業を総合した「貴金属関連事業」と、地球の豊かな恵みである食資源を安定的に供給し人の豊かさに繋げる「食品関連事業」の2事業を柱として事業展開を図っております。
当社グループは、「顧客重視」「株主重視」「人間尊重」を経営の基本方針としております。顧客ニーズを的確に把握し、顧客との共存共栄を目指すところに、当社の発展の道がみえてくると考えております。各事業の拡大を通じ社会に貢献することで持続的成長を果たし、企業価値の向上により株主をはじめとするステークホルダーの期待に応えてまいります。また、持続的成長を支える多様な人財が健康に活躍できる経営に取り組んでまいります。
① 経営環境
当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症のワクチンの普及により、欧米を中心に全体的な持ち直しの傾向と、国内における同感染症の影響の落ち着きが見られ、企業収益や生産活動並びに個人消費において緩やかな回復基調で推移する状況となりました。しかしながら、中国でのゼロコロナ政策によるサプライチェーンの混乱や、ウクライナ情勢等を背景としたエネルギーや原材料の価格上昇並びに急速な円安傾向の高まりから、先行きには不透明感が強まっております。
また、持続可能な社会の実現に対する意識の高まりが世界的な広がりを見せていることは、中長期的な企業の存在価値や社会的責任のあり方などに通じる重要な経営環境の変化として捉えております。
② 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、当連結会計年度(2022年3月期)を最終年度とした中期経営計画(2019-2021年度)に変わる新たな計画として、中期経営計画(2022-2025年度)を2022年5月13日開催の取締役会において決定しております。中期経営計画(2022-2025年度)では、貴金属関連事業及び食品関連事業の両事業を成長の牽引役に、目指す姿である「社会変化に適応し、進化し続ける、お客様・社会から常に必要とされる企業へ」の実現に向けて、積極投資の継続による収益基盤強化と新規収益源の創出、持続的成長を支え加速させる経営基盤の強化、ESG経営の推進による企業価値の向上を基本方針として成長戦略に取り組み、資源の有効活用と持続可能な資源確保を通じ、お客様や社会の課題解決に資する高い付加価値を提供してまいります。
(セグメント別の成長戦略)
(経営基盤強化)
・ITを活用した管理機能強化と自動化/省力化を推進し、生産性向上
-ERP刷新とトレンド技術の積極導入
・成長を牽引する経営人財の創出
・適材適所で多様な人財(女性/中途/シニア/外国人等)が活躍出来る働き甲斐と働きやすい職場環境作り
-挑戦機会の提供と計画的育成を推進
-キャリア開発支援の拡充
・ガバナンス強化と多岐にわたるリスク管理(安全/遵法/事業リスク)の徹底
-三線ディフェンスの強化
-デジタル社会の浸透に伴う情報セキュリティリスクへの対処
(投資計画)
財務健全性の確保、株主還元とのバランスを考慮しつつ、収益基盤強化、新規事業展開並びに経営基盤強化といった持続的成長のための経営資源配分として、4カ年累計で総額300億円規模の投資を計画し、積極的に進めてまいります。
(ESGへの取り組み)
持続可能な社会の実現と当社グループの事業成長の双方につなげるため、以下の重要課題に取り組んでまいります。
・環境負荷低減と事業成長の両立
-エネルギー消費及び温室効果ガスの排出、大気への排出、有害物質、固形廃棄物、汚染防止と資源削
減、水の管理、生物多様性
・お客様満足の向上と社会の信用確保
-製品/サービスの正確な情報の提供、商品の安全・安心の確保
・多様な人財活躍による成長加速
-適材適所、ダイバーシティ&イノベーション、ワークライフバランス
当社グループは、気候変動問題を始めとしたサステナビリティ課題への取り組みや、地政学リスク、インフレ圧力の高まり等の世界的拡大などを背景に、急速な変化が見込まれる経営環境にも柔軟かつ的確に対応しつつ、新・中期経営計画(2022-2025年度)のもとで、企業価値の向上を目指してまいります。
① 貴金属関連事業
貴金属関連事業においては、「資源循環(活用)を創造するリーディングカンパニー」をビジョンに掲げ、国内シェアの拡大と海外の新たな市場開拓に取り組んでまいります。当事業では、環境負荷低減型の製品・サービスの提供や、高機能電子材料の開発販売等を通じた資源リサイクルの総合力向上により、”高い環境価値”をお客様に提供し続けることで差別化し、電子デバイス業界への深耕と共に、化学・自動車業界や二次電池及びE‐スクラップ市場の開拓を図ってまいります。また、事業規模並びに領域の拡大に向けた技術開発や生産インフラの拡充に取り組むと同時に、品質管理体制をさらに強化してまいります。
② 食品関連事業
食品関連事業においては、「お客様の商品開発のベストパートナー」をビジョンに掲げ、国内外での販売拡大に取り組んでまいります。当事業では、食品原材料の調達網と商品ラインナップの拡充により、基幹事業である原料販売を強化すると共に、お客様のニーズを捉えた安全・安心で、サステナブルな商品の開発や商流の構築に取り組み、グローバル展開を加速させ販売領域の拡大を図ってまいります。更に、品質保証や技術支援などの機能強化により一貫した品質管理体制を構築し、これらを通じて、お客様への安全・安心な食材の提案と安定提供に取り組んでまいります。
当社グループは、企業理念である「限りある地球資源を有効活用し、業を通じて社会に貢献する」を創業より実践し、貴金属関連事業では、貴金属リサイクルや産業廃棄物の適正処理などを通じて、また、食品関連事業では、安全・安心な食資源の安定提供などを通じて、それぞれ社会に貢献してまいりましたが、持続可能な社会の実現と当社グループの事業成長の双方に繋がる新たな重要テーマとして、「環境負荷低減と事業成長の両立」・「お客様満足の向上と社会の信用確保」・「多様な人財活躍による成長加速」を新・中期経営計画(2022-2025年度)において方針化し、今後具体的な取り組みを推進してまいります。また、サステナビリティ委員会を設置し、取締役会の監督のもと、ESGへの適切な取り組みを経営レベルで加速させてまいります。
当社グループは、持続的成長を支える経営基盤の課題として「生産性の向上」・「DXの推進」・「経営人財の創出」・「多様な人財活躍」・「職場環境作り」・「ガバナンス・リスク管理強化」を認識し、具体的施策のもとで強化に取り組み、企業価値の向上を目指してまいります。
⑤ 株主還元
収益基盤の強化、新規収益源の創出などによって獲得した資金は、当社グループの資本政策における「成長性を捉えた事業機会への最適資源配分」・「財務健全性の確保」・「株主還元」のバランスを考慮し、持続的に企業価値を向上させるとする基本方針のもとで、成長投資への資源配分を積極的に行いつつ、株主還元については、配当方針の「安定かつ持続的な配当の実施」のもと株主資本配当率1.5%以上を目安とした配当の実施と、市場環境を勘案した機動的な自己株式取得などによる充実を検討してまいります。
当社グループは、中期経営計画(2022-2025年度)において、計画の最終年度となる2025年度(2026年3月期)の業績目標を連結売上高3,000億円、連結営業利益130億円、連結営業利益率4.3%、連結自己資本利益率(ROE)9.0%、連結総資産経常利益率10.0%としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、以下に記載のリスクマネジメント体制の下で、リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に努めております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は、当社グループの事業活動等に関する各種のリスクを管理し所管する組織として、TRM(トータルリスクマネジメント)委員会を設置し、リスク管理体制の構築・運用及び評価・教育及び訓練などを行い、その結果を取締役会に報告しております。TRM(トータルリスクマネジメント)委員会では、リスクの認識について発生頻度・経済的損失影響度・検知度の各要素をそれぞれ5段階で評価し、評価結果の乗数をリスク度評価として定量化し、重要なリスクを識別しております。
①主要製品・商品の価格変動
当社グループの貴金属関連事業が取り扱う製品の生産に用いられる主要原材料は、主に金、銀、白金、パラジウム等の貴金属元素を含有するリサイクル原材料であり、その仕入価格及び販売価格は原則として貴金属地金の市場価格に基づいており、国際商品市況及び為替相場の変動による影響を受けております。当社グループは、価格変動に伴う相場リスクを回避する目的で商品先渡取引を行っておりますが、全量に対する回避は困難であるため、製造及び在庫期間における貴金属価格の動向によっては、価格変動が業績に影響を与える可能性があります。当社グループの食品関連事業が取り扱う商品である水産品、畜産品、農産品等の食品加工原材料は、取扱品の大部分が外国産品であり、その価格は、仕入・販売いずれも商品市況、為替相場の変動による影響を受けます。当社グループは、先物為替予約を行い、販売価格への転嫁によりこれらの変動に対応しておりますが、商品の需給バランスなどにより販売価格が下落した場合は、棚卸資産の評価損等の損失が発生する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。
②食品関連事業に関わる品質問題等
当社グループの食品関連事業は、すりみ、エビ、イカ、カニ、タコ等を中心とした水産品加工原料、生鮮野菜、乾燥野菜、冷凍野菜等を中心とした農産品加工原料、鶏肉、豚肉、牛肉等の各種素材肉、鶏卵を中心とした畜産品加工原料を輸入し、水産練製品、冷凍食品、食肉加工、惣菜、製菓等の食品メーカーなどへ販売しております。当社グループでは、法令に基づく食品表示の徹底はもとより、海外産地の品質管理指導や異物混入対策の強化などに万全を尽くしておりますが、食品の安全性等に係る問題が発生し、輸入禁止措置等がとられた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③法的規制
環境問題についての社会的関心の高まりから、環境関連の法的規制は強化される方向にあります。当社グループの貴金属関連事業に関連する法的規制が強化された場合においては、それに対処するために、追加の設備投資負担が必要になることがあります。また、当社及び当社グループの一部は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく事業者として、産業廃棄物の収集運搬、処理等の事業を行っており、各種法令の遵守が事業継続の大前提となっております。当社グループでは、事業活動及びその他の社会的活動における最高位の社内基準として「松田産業グループ グローバル行動規範」を制定するとともに、コンプライアンスの実現のための取扱いを定めた「コンプライアンス規程」を制定し、経営活動全般にわたるコンプライアンスの実現に取り組んでおります。
④廃棄物等の管理
当社グループでは、製造過程において毒物や劇物を使用しており、廃液や大気への排出物に対して、環境に配慮した適切な処理を行っております。しかしながら、工場の事故等により、これらの管理に何らかの問題が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤カントリーリスク
当社グループは、貴金属関連事業・食品関連事業ともに、海外の様々な国や地域において事業活動を行っており、これらの国や地域の政治・経済・社会情勢等の環境変化に起因し予期せぬ事態が生じた場合には、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥自然災害・気候変動及び感染症拡大等
当社グループが事業活動を行う国や地域において、地震・洪水等の自然災害が発生した場合には、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。当社グループでは、大規模災害の発生に備え、安否確認システムの導入、防災訓練の実施及び事業継続のための各種対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動等による異常気象が発生した場合には、当社グループの食品関連事業が取り扱う商品の生産等に影響する可能性があり、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、未知の感染症などが拡大した場合には、生産活動等の中断により事業に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、感染症等の大流行に備え在宅勤務等のテレワーク、時差出勤及びシフト勤務などにより社員等の感染予防に努めるとともに、製商品及び役務の供給体制整備を図っておりますが、社内外での感染拡大に伴う調達や事業活動の停滞・停止により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦情報セキュリティ
当社グループが行う事業活動の多くは、コンピュータシステム及び通信ネットワークを利用しており、コンピュータシステム及び通信ネットワークに生じる障害や不具合・欠陥や、データセンターの機能停止などにより、事業活動に支障が出る可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客情報をはじめとする各種の個人情報がサイバー攻撃を含む不測の事態により遺漏が発生した場合は、社会的信頼の失墜や多額の費用負担が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ11,532百万円増加し、115,797百万円となりました。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,718百万円増加し、41,377百万円となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ8,814百万円増加し、74,420百万円となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチンの普及により、欧米を中心に全体的に持ち直しの傾向が見られました。我が国経済においても、同感染症の影響に落ち着きが見られ、企業収益や生産活動並びに個人消費において緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、中国でのゼロコロナ政策によるサプライチェーンの混乱や、ウクライナ情勢等を背景としたエネルギーや原材料の価格上昇並びに急速な円安傾向の高まりから、先行きには不透明感が強まっております。
このような状況の中で、当社グループは新型コロナウイルス感染症に対し従業員並びに関係する全ての皆様の安全を最優先として感染防止に努めながら、事業の継続及び拡大に取り組みました。
貴金属関連事業においては、半導体・電子デバイス分野の市場成長を捉えた営業展開と国内外における生産拠点の整備・拡充により、貴金属原料の確保、化成品等の製商品販売及び産業廃棄物処理受託の拡大に取り組みました。また、食品関連事業においては、物流コストの上昇やサプライチェーンの混乱に柔軟かつ適切に対処することで、顧客への安定供給責任を果たすと共に、顧客ニーズを捉えた商品の開拓と提供に鋭意取り組み販売量の拡大に努めました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は272,292百万円(前連結会計年度比17.6%増)、営業利益は12,681百万円(前連結会計年度比57.8%増)となりました。持分法利益などの営業外損益を加えた経常利益は13,734百万円(前連結会計年度比64.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,558百万円(前連結会計年度比56.7%増)となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりであります。
(貴金属関連事業)
当事業の主力顧客であるエレクトロニクス業界は、半導体不足に伴う自動車市場などの生産低下はあったものの、スマートフォン市場の回復や5Gの進展に伴う通信インフラの整備拡大などを背景に、半導体・電子デバイス分野の生産活動は回復傾向となりました。また、ウクライナ情勢等に関連した貴金属の供給不安やインフレ懸念などから貴金属相場は総じて上昇しました。
このような状況の中で、当社グループの貴金属関連事業では、貴金属リサイクルの取扱量及び産業廃棄物の処理受託は増加し貴金属製品等の販売量も全般的に増加したことに加え、貴金属相場の上昇も追い風となり、売上高及び営業利益は前連結会計年度に比べ増加しました。
これらの結果、当該事業の売上高は192,938百万円(前連結会計年度比26.0%増)、営業利益は10,350百万円(前連結会計年度比51.5%増)となりました。
(食品関連事業)
当事業の主力顧客である食品製造業界は、原材料価格や物流コストの上昇に円安傾向の高まりも加わり、総じて厳しい状況が続いております。また、世界的なサプライチェーンの混乱も拡大しており、食資源の安定的な供給において引き続き注意することが必要な状況となっております。
このような状況の中で、当社グループの食品関連事業では、顧客に寄り添いながらニーズに応えた商品を開拓すると共に、調達力を活かした安定提供などで差別化を図り、水産品、畜産品、農産品の販売量が増加したことに加え、一部の商品市況の高騰も影響し、売上高及び営業利益は前連結会計年度に比べ増加しました。
これらの結果、当該事業の売上高は79,431百万円(前連結会計年度比1.1%増)、営業利益は2,330百万円(前連結会計年度比93.5%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は11,379百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,575百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により増加した資金は7,032百万円となりました。これは主として税金等調整前当期純利益、減価償却費及び仕入債務の増加による資金の増加と、売上債権、棚卸資産の増加及び法人税等の支払いによる資金の減少の差引によるものであります。なお、前連結会計年度の185百万円の資金の増加に比べ6,847百万円資金が増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動に使用した資金は2,521百万円となりました。これは主として工場設備の新設及び更新等の有形固定資産及びソフトウエア等の無形固定資産取得による支出によるものであります。なお、前連結会計年度の3,181百万円の支出に比べ660百万円の支出減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により減少した資金は2,261百万円となりました。これは主として、長期借入金の返済及び配当金の支払による資金の減少によるものであります。なお、前連結会計年度の261百万円の資金の増加に比べ2,522百万円資金が減少しました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 1 自己資本比率:自己資本/総資産
2 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
4 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに算出しております。
※ キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用
しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※ 第69期及び第71期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
④ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 当社グループにおける生産活動は、貴金属関連事業においてのみ行われております。
2 金額は、販売価格によっております。
(仕入実績)
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、仕入価格によっております。
(受注実績)
見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第一部[企業情報] 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] [注記事項] (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に退職給付会計、賞与引当金、税効果会計、貸倒引当金、減損会計、棚卸資産の評価であり、継続して評価を行っております。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第一部 [企業情報] 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、見積り及び判断・評価につきましては、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 財政状態の分析
a 資産の部
流動資産は、現金及び預金が2,575百万円、受取手形及び売掛金が2,202百万円、棚卸資産が3,396百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ9,591百万円増加しました。固定資産は、工場設備の新設及び更新などにより有形固定資産が567百万円増加したことに加え、投資その他の資産が1,115百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,941百万円増加しました。これらの結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ11,532百万円増加し、115,797百万円となりました。
b 負債の部
流動負債は、買掛金が1,486百万円、短期借入金が717百万円、未払法人税等が1,420百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,248百万円増加しました。固定負債は、長期借入金が1,588百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,530百万円減少しました。これらの結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,718百万円増加し、41,377百万円となりました。
c 純資産の部
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益9,558百万円と配当金の支払1,095百万円の差引によって利益剰余金が8,692百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ8,814百万円増加し、74,420百万円となりました。なお、利益剰余金の増加には「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準という。)等の適用に伴う期首の調整229百万円が含まれております。
ロ 経営成績の分析
a 売上高
当連結会計年度における売上高は272,292百万円(前連結会計年度比17.6%増)となり、前連結会計年度に比べ40,732百万円増加しました。セグメント別の売上高につきましては、「第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりですが、主要な分析は以下のとおりであります。
(貴金属関連事業)
金製品の売上高は、前連結会計年度に比べ19,120百万円増加し、101,425百万円(前連結会計年度比23.2%増)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ5.1%上昇しました。
銀製品の売上高は、前連結会計年度に比べ3,782百万円増加し、15,696百万円(前連結会計年度比31.8%増)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ15.4%上昇しました。
白金族製品の売上高は、前連結会計年度に比べ15,322百万円増加し、53,267百万円(前連結会計年度比40.4%増)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ29.3%上昇しました。
(食品関連事業)
水産品の売上高は、前連結会計年度に比べ3,945百万円減少し、32,917百万円(前連結会計年度比10.7%減)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ18.3%下落しました。なお、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用しており、当該変更により、従来の方法に比べて食品関連事業の売上高は10,323百万円減少しましたが、この影響の大半が水産品であります。
畜産品の売上高は、前連結会計年度に比べ3,227百万円増加し、31,778百万円(前連結会計年度比11.3%増)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ11.1%上昇しました。
農産品の売上高は、前連結会計年度に比べ518百万円増加し、9,130百万円(前連結会計年度比6.0%増)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ2.2%下落しました。
b 売上総利益
当連結会計年度における売上総利益は29,953百万円(前連結会計年度比22.4%増)となり、前連結会計年度に比べ5,481百万円増加しました。売上総利益率は11.0%となり前連結会計年度比0.4ポイント上昇しましたが、この主な要因は、収益認識会計基準等の適用による売上高減少の影響を受けた食品関連事業の売上総利益率の上昇によるものです。
c 営業利益
当連結会計年度における営業利益は12,681百万円(前連結会計年度比57.8%増)となり、前連結会計年度に比べ4,642百万円増加しました。営業利益率は4.7%となり前連結会計年度比1.2ポイント上昇しましたが、この主な要因は、販売費及び一般管理費の増加838百万円を上回る売上総利益の増加によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
イ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、貴金属関連事業におけるリサイクル原材料及び食品関連事業における食品加工原材料の仕入れ等の事業運営上必要となる資金の確保に加え、急激な環境変化にも備え流動性を維持する考えの下で、運転資金については営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの短期借入を、設備投資については営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当社は資金調達の機動性を高めるため、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとする計4行の金融機関との間に3,000百万円の借入枠(コミットメントライン)を設定しております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は、前連結会計年度末に比べ906百万円減少し16,389百万円となりました。売上高の増加等に伴う資金の需要増大に対し流動性の確保を図ると共に、資金調達コストの低減にも努め、金利変動リスクに対してもヘッジ手段として金利スワップ等を活用しております。「第一部[企業情報]第3[設備の状況] 3[設備の新設、除却等の計画] (1)重要な設備の新設等」に記載の設備投資につきまして、必要資金は営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入により賄う予定であります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第一部[企業情報]第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、中期経営計画(2022-2025年度)では、計画の最終年度となる2025年度(2026年3月期)の業績目標を連結売上高3,000億円、連結営業利益130億円、連結営業利益率4.3%、連結自己資本利益率(ROE)9.0%、総資産経常利益率10.0%としております。
なお、当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画(2019-2021年度)においては、事業戦略の推進、経営基盤の強化等を進めた結果、貴金属関連事業・食品関連事業の両事業ともに総じて好調に推移し、目標としました経営指標である連結売上高、連結営業利益、連結営業利益率及び連結自己資本利益率(ROE)をいずれも達成することができました。
当社グループにおける研究開発活動は、永年培ってきた貴金属製錬技術・産業廃棄物処理技術・精密洗浄技術・めっき薬品製造技術を基礎に「資源の有効活用」・「環境保全」・「高純度」・「高性能」をテーマとし、広く社会に貢献することを理念として、長期的視野に立った活動を推進しております。従いまして、当社グループにおける研究開発活動は、当社の貴金属関連事業を中心に行われております。
a 半導体・電子部品業界や宝飾品業界など幅広い分野より発生する貴金属含有スクラップに対し、濃縮・分離といった操作により効率良く貴金属を回収し、随伴する非鉄金属等も可能な限り有効活用する技術開発、環境規制が強化されている硝酸を用いない手法の開発など地球環境に配慮した貴金属製錬技術開発、高純度製品製造技術開発などに注力しております。
b 製品性能の向上に伴い複雑化する半導体製造工程で使用される特殊合金の洗浄・剥離技術開発を行い新規設備の導入を行っております。
c 電子・半導体部品の製造に寄与する貴金属含有めっき薬品や有機物合成用に用いられる触媒用の貴金属化合物などの貴金属化成品の製品開発を行っております。また、真空蒸着やスパッタリングに用いられる高純度貴金属加工品の開発を進めております。
d 「資源循環」に主眼を置き、廃棄物中の有用物を資源として再利用する技術、並びに変化する廃棄物の処理難易度や厳格化する環境規制に対応した無害化処理技術の開発に鋭意取り組んでおります。
その他サンプリング技術及び分析の精度向上を探求しております。
研究テーマ:
1 貴金属リサイクル技術の研究
2 貴金属含有めっき薬品及び貴金属化成品製造技術の研究
3 貴金属高純度加工品製造技術の研究
4 半導体製造装置の洗浄及びメンテナンス技術の研究
5 産業廃棄物のリサイクル技術の研究
6 産業廃棄物の無害化処理技術の研究
7 上記の研究を支える分析技術の向上
また、これらの研究開発活動は一部社外の研究機関と共同で行い、早期に成果に結び付けられるよう推進しております。
当連結会計年度の主な研究開発成果:
貴金属回収技術の開発・改善を行い、効率向上と環境負荷低減に寄与いたしました。
顧客ニーズに対応した貴金属含有めっき薬品の開発を進め、一部導入されました。
産業廃棄物のリサイクル技術として、将来排出増加が見込まれるリチウムイオン電池のリサイクル・リ
ユース技術の開発を推進しました。
なお、当連結会計年度の研究開発費は