文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「限りある地球資源を有効活用し、業を通じて社会に貢献する」という企業理念を持ち、限りある資源の貴金属をリサイクルによって有効活用し、サーキュラーエコノミーに寄与する「貴金属関連事業」と、地球の豊かな恵みである食資源を安全・安心な品質で安定的に供給し、人の豊かさに繋げる「食品関連事業」を柱に事業展開を図っております。
当社グループは、企業理念を実践し持続的成長と企業価値の向上を図るために、経営上の基本方針として「顧客重視」「株主重視」「人間尊重」を掲げております。
① 経営環境
地球温暖化、天災の増加及び激甚化、感染症拡大等の地球規模で発生する自然・環境問題や、ウクライナ情勢を始めとする地政学リスク等が複雑に絡み合い、安定的な資源の生産や流通等に不安が生じて、より不確実性が高まる状況の中で、テクノロジーの進化に伴い急速に進んでいるデジタル化への変革は、社会や経済への中長期的な期待に繋がっております。
このような経営環境の中で、当社グループは、デジタル化の進展によって重要性が増している電子デバイス等の生産において欠かすことのできない金属資源を、温室効果ガス等の環境負荷の低減にも繋がるリサイクルによって有効活用し、循環型経済に貢献してまいります。また、食の豊かさにとって必要不可欠な資源である多種・多様な食品原材料を、安全・安心を確保して安定的に調達及び提供し、社会に貢献してまいります。
当社グループでは、サプライチェーンにおけるパートナーシップの強化も行い、金属資源や食資源の有効活用によって持続可能な環境・社会・経済に貢献し、中長期的に企業価値を向上してまいります。
② 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2023年3月期からスタートし、2026年3月期までの4カ年にわたり取り組む経営戦略として、「中期経営計画(2022-2025年度)」を策定し、目指す姿としました「社会変化に適応し、進化し続ける、お客様・社会から常に必要とされる企業へ」の実現に向けて、資源の有効活用&持続可能な資源確保・お客様や社会の課題解決に資する高い付加価値の提供に取り組んでおります。
2019年度から取り組みました「中期経営計画(2019-2021年度)」では、新型コロナウイルス感染症拡大という未知のリスクにも対処し、事業戦略の推進及び経営基盤の強化等を進めた結果、貴金属関連事業・食品関連事業の両事業ともに総じて好調に推移し、目標としました経営指標の連結売上高、連結営業利益、連結営業利益率、連結ROEを、いずれも達成することが出来ました。
「中期経営計画(2022-2025年度)」では、「積極投資の継続で収益基盤強化と新規収益源の創出」・「持続的成長を支え、加速させる経営基盤の強化」・「ESG経営の推進で企業価値向上」を基本方針とし、成長戦略に取り組んでまいります。
■成長戦略の概要
<収益基盤強化と新規収益源の創出>
<経営基盤の強化>
持続的成長を支え、加速させる経営基盤(企業文化/人財/お客様/財務基盤/IT/ガバナンス)を強化するた
めに、経営人財の創出、多様な人財活躍、職場環境作り、生産性の向上、DXの推進、ガバナンス・リスク
管理の強化等の課題に取り組んでまいります。
(重点施策)
a 成長を牽引する経営人財の創出
b 適材適所で多様な人財(女性/中途/外国人/シニア等)が活躍できる働き甲斐と働きやすい職場環境作り
・挑戦機会の提供と計画的育成の推進
・キャリア開発支援の拡充
c ITを活用したDXの推進と生産性の向上
・ERP刷新とトレンド技術の積極導入
・自動化/省力化の推進
d ガバナンス強化と多岐にわたるリスク管理の徹底(安全/遵法/事業リスク)
・三線ディフェンスの強化
・グループガバナンスの強化
・デジタル社会の浸透に伴う情報セキュリティリスクへの対処
<ESG経営の推進(サステナビリティ課題への取り組み)>
当社グループでは、企業理念のもと、事業拡大を通じて循環型社会の構築や資源の安定供給等の社会課題
に応え、お客様や社会に貢献しておりますが、さらなる企業価値の向上に向け、持続可能な社会の実現と事
業成長の両立を目指し、取締役会が監督するサステナビリティ委員会を中心とした全社的推進体制のもと、
以下のマテリアリティ(重要課題)を認識し、温室効果ガス排出量の削減、ダイバーシティ及び人権デュー
デリジェンスを始めとするサプライヤー管理等への取り組みを優先的に推進してまいります。
(マテリアリティ)
・環境負荷低減と事業成長の両立
-エネルギー消費及び温室効果ガスの排出、大気への排出、有害物質、固形廃棄物、汚染防止と資源削
減、水の管理、生物多様性
・お客様満足の向上と社会の信用確保
-製品/サービスの正確な情報の提供、商品の安全・安心の確保
・多様な人財活躍による成長加速
-適材適所、ダイバーシティ&イノベーション、ワークライフバランス
当社グループは、「成長性を捉えた事業機会への最適資源配分、財務健全性の確保、株主還元のバランスを
考慮し、持続的に企業価値を向上させる」ことを資本政策の基本方針とし、企業価値を向上させるための重要
な課題として、資本収益性の向上に繋げる「将来への成長投資」と「サステナビリティ課題への取り組み」を
積極的に推し進めつつ、「株主還元」のさらなる充実に向けて具体的検討を進めてまいります。
将来への成長投資では、中期経営計画(2022-2025年度)において、収益基盤の強化・新規事業展開・脱炭
素への取り組み・経営基盤の強化などに、持続的成長と企業価値向上のための経営資源配分として、4カ年累
計で総額300億円規模の投資を計画し、積極的に進めております。
株主還元については、「安定且つ持続的な配当の実施」の方針のもと株主資本配当率(DOE)1.5%以上を
目安とした配当の実施と、市場環境を勘案した機動的な自己株式取得等による充実を検討してまいります。
当社グループは、中期経営計画(2022-2025年度)において、計画の最終年度となる2025年度(2026年3月期)の業績目標を連結売上高3,000億円、連結営業利益130億円、連結営業利益率4.3%、連結自己資本利益率(ROE)9.0%、連結総資産経常利益率10.0%としております。
当社グループは、企業理念のもと、事業拡大を通じて循環型社会の構築や資源の安定提供等の社会課題に応えると共に、中期経営計画(2022-2025年度)において「ESG経営の推進(サステナビリティ課題への取り組み)」を成長戦略に掲げ、持続可能な社会の実現と事業成長の両立を目指してまいります。
(1) ESG経営の推進
①マテリアリティ(重要課題)
当社グループは、「環境負荷低減と事業成長の両立」・「お客様満足の向上と社会の信用確保」・「多様な人財活躍による成長加速」をESG経営の推進におけるマテリアリティ(重要課題)とし、温室効果ガス排出量の削減、ダイバーシティ及び人権デューデリジェンスを始めとするサプライヤー管理等への取り組みを優先的に推進してまいります。
②ガバナンス
当社グループは、持続可能な環境・社会・経済の実現と当社グループの企業価値の向上の両立を目指すため、ESG経営の推進における重要事項の決定及び取り組みの円滑な推進を目的として、取締役会が直接監督するサステナビリティ委員会を設置しております。
サステナビリティ委員会は、取締役(社外取締役を含む)及び執行役員の中から取締役会が指名する委員で構成し、代表取締役社長が委員長を務めます。サステナビリティ委員会は、全体方針の策定・対処すべき重要事項の決定・リスクと機会に関する評価・目標の設定・行動に関する計画の策定及び体制の整備・取り組みのモニタリングを役割として、原則4回/年度の定例委員会を開催し、その内容は取締役会並びに監査等委員会に報告されます。
取締役会は、国際イニシアティブによる提言や国内外の政策等を中心とした社会情勢の動向と、当社グループの事業成長との両立を踏まえて、サステナビリティ委員会が決定した重要事項等についてプロセスを含め確認し監督しております。
③リスク管理
当社グループは、事業及び企業経営に重大な影響を与えるリスクの顕在化を特定し、全社リスクとして管理することを目的として、取締役会が直接監督するTRM(トータルリスクマネジメント)委員会を設置しております。
TRM委員会は、潜在的なリスクの評価、全社リスクの一元的管理、対応の促進、管理状況のモニタリング等を実施し、その内容は取締役会並びに監査等委員会に報告されます。
リスク評価の基準は、関連する法規制や国際基準等を参照し、気候変動関連リスクについては、国際エネルギー機関「世界エネルギー展望2021」・IPCC(1998)「1.5℃特別報告書」等を参照し、事業ごと、展開地域ごとに潜在リスクの発生確率と影響度を評価して優先的に対処すべき全社リスクを特定して事業リスクを総合的に評価し、優先順位の高いリスクへの対応方針を策定しております。
気候変動関連リスクについては、2つのシナリオ(1.5℃シナリオ、4℃シナリオ)を想定し、当社グループにとってのキードライバーの選定、リスクと機会の抽出、評価を行い、サステナビリティ委員会において確認の上、リスクを特定し、事業及び企業経営にとって重要と認識したリスクを管理する目的でTRM委員会に設置する専門部会において、対応等の促進及び進捗のモニタリングを行っております。
(2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)
当社グループは、中期経営計画(2022-2025年度)において「環境負荷低減と事業成長の両立」をサステナビリテイ対応の重要課題として掲げ、特に温室効果ガスの排出量削減を重要テーマとして認識し、気候シナリオ分析や科学と整合した排出量削減目標(SBT:Science-Based Targets)の考え方に即した目標設定と目標達成に向けた取り組み内容の検討を行い、サステナビリティ委員会において協議・決定しております。
①気候関連のリスクと機会の分析・評価
②指標と目標
当社グループは、2022年7月に当社グループを対象とする温室効果ガス排出量削減の目標を以下の通り設定しております。
温室効果ガス排出量実績及び削減目標
(単位:t-CO2/年)
③削減に向けた主な対策
・エネルギー使用効率の削減
・再生可能エネルギーの導入拡大
・製造及び処理プロセスの見直し、改善(燃料転換、CO2回収含む)
・高効率設備の導入、更新
・物流効率化、モーダルシフト
・環境負荷低減製商品/サービスの提供
・サプライチェーンとのエンゲージメントを通じた協働
(3) 人的資本
当社グループは、次代に向けた目指す姿である「社会変化に適応し、進化し続ける、お客様・社会から常に必要とされる企業へ」を実現するために、改めて当社グループの現状(収益構造、組織固有の強み等)を再認識し、未来に向けた施策として人財の育成と組織強化への取り組みを実施していく必要があると考えています。この取り組みを中期経営計画と繋げて推進するために、人財育成方針及び社内環境整備方針を定めています。
①人財育成方針
中期経営計画(2022-2025年度)で定めた成長戦略のもとで「貴金属関連事業」「食品関連事業」を推進し、それぞれが独立した異種混成型の事業形態がお互いに補充し合うことで、「安定性」と「成長性」のある企業作りを実現し、変化の激しい現代においても収益を上げ、企業価値を向上し続けるための人財を育成します。目指す姿を実現するため、経営人財の育成及び事業の根幹を支える「営業」「生産/技術」「物流」「管理/システム」からなる“4つの機能”の連携を、組織横断で強化することが必要だと考えております。
そのため当社では、「人的資本」を中心に据える経営を志向し、「人への投資」を持続的に拡大させています。本年以降、以下を中期経営計画実現のための重点施策として、計画的かつ持続的に「人への投資」を拡大してまいります。
■経営人財の育成
「経営人財」の育成のために、人財要件の可視化に着手して参ります。また、階層別研修等の人財と組織を成長させるための施策をさらに充実させていきます。
階層別研修以外には、管理職及び管理職候補人財向けに、組織マネジメント力向上のために具備すべき知識とスキル習得を目的としたMBA通信教育を行っております。
さらに、自律的なキャリア開発を通じて個人の成長と組織の活性化に繋げていくことを目的として、20歳代から50歳代までの各世代を対象とした「年代別キャリア研修」と、キャリアカウンセラー国家資格認定者による「キャリア面談」を実施しております。
■知と経験の多様性の推進
当社には幾つかの部門を横断したプロジェクト活動があります。プロジェクトに参加するメンバーは本活動に参画することで、通常の業務では経験できない多様な知見と経験を得ることができ、飛躍的に成長します。当社では国籍、性別、年齢、職責、職制を問わず、適材な社員に参画してもらうことで、本活動を組織力強化と人財育成を同時に実現する機会としております。今後も活動を充実させていく予定です。
②社内環境整備方針
当社は「人間尊重・人間の能力は無限である」という基本理念を根本に据え、基本理念と経営ビジョンに共感している全ての社員が、活き活きと、安全に、健康で長く働くことができる職場環境の整備を進めております。経営基盤を強化するため、攻めと守りの両面から以下の施策を実施しております。
■企業理念の浸透
当社は創業以来大切にしている企業理念、基本理念と行動規範を纏めた冊子を整備しております。日々の活動において実践、実現できるよう、人事考課における行動評価に盛り込んでおります。また、浸透活動として、社内で実施される階層別、専門研修等において、各々の立場や業務内容に沿って、企業理念の理解を深めております。
■多様な働き方に対応できる環境・各種制度の整備
当社の管理職に占める女性労働者の割合(以下、女性管理職比率)は平均よりも低い水準にある一方、当社の男女の賃金の格差は平均的な水準にあります。現時点で同一等級内においては、賃金に男女差はないことから、女性管理職比率の増加に伴い、男女の賃金の格差は縮小すると考えております。女性管理職比率を増やす課題として、女性管理職候補人財を増やすことを優先課題とし、当社では以下を指標及び目標として定めました。
女性管理職比率増加のための指標及び目標
(注)1 男性の平均勤続年数に対する女性の平均勤続年数の差異:女性の平均継続勤務年数/男性の
平均継続勤務年数×100(%)
この目標を達成するための施策として、女性活躍推進プログラムを導入し、女性メンバーを適正にマネジメントするための所属長への研修、女性へのキャリア開発支援を行っています。
また、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づき、育児時短勤務制度、介護時短勤務制度を整える等、女性従業員を含む全ての従業員が安心して仕事と生活の調和が取れた働き方を実現できる職場環境づくりをこれからも進めてまいります。
定年退職以降も継続して活躍できる環境を整備し、当社における60歳の定年退職以降の就労者比率は90%を超え、その大半が65歳まで就労しております。65歳以降の就労についても、会社と本人の希望がある限り継続しております。
■「知と経験の多様性」を醸成するための取り組み
組織における知と経験の多様性を醸成するために、高い専門性、知見と経験を有する「経験者採用」の強化に力を入れております。過去には採用数に占める経験者の比率は20%を下回っておりましたが、近年では60%以上にまで増加しております。
■「健康経営」への取り組み
当社は従業員の健康管理を戦略的に実践することが、従業員の生産性や活力向上等の組織活性化と業績向上や組織としての価値の向上に結び付くと考え、2021年度に「健康宣言」を制定しました。従業員一人ひとりが健康で活き活きと業務に取り組むことができるよう、様々な施策を実施しております。
<からだの健康>
35歳以上の従業員に対しては、人間ドックの受診を推奨し、会社補助の下で受診いただいております。女性に対しては、女性特有の病気への検診について会社補助を実施し、様々な病気の早期発見・早期治療に繋げております。
<こころの健康>
全ての従業員に対して、個人別ストレスチェックを実施し、この結果から集団分析を行うことで、可視化しづらい職場課題を洗い出し、職場環境の改善に繋げております。また、EAPサービス(従業員支援プログラム「心身の健康に関する相談窓口」)を導入し、一人一人の悩みや相談をきめ細かく対応できる体制を整えております。
上記の取り組みを進めた結果、2022年に経済産業省が認定する「健康経営優良法人(大規模法人部門)」を取得し、以降も認定取得を継続しております。
これらの施策に加え、「社員を支える家族も従業員同様に大切である」という考えから、福利厚生として、保険料全額会社負担にて生命保険に加入しております。
今後も、全ての従業員が心身共に健康を保ちながら活躍できる環境づくりを進めてまいります。
■エンゲージメント向上への取り組み
エンゲージメント向上のための施策として、2020年度より入社前のアセスメントの実施に加え、主に新入社員、若手社員を対象に、キャリア開発のための面談を実施しております。その結果、新規大卒採用者の3年以内離職率が大幅に減少しました。新規大卒採用者の3年以内離職率は、2016年度は22%でしたが、2020年度は10%まで減少しました。今後、さらなる定着率向上に向け、効果的な施策を実施していくために、エンゲージメントサーベイを実施する予定でございます。
■働き方改革への取り組み
働き方改革として育児や介護等、従業員一人ひとりがさまざまな家庭の事情を抱えていることを考慮し、在宅勤務やシフト勤務を制度化しました。あわせて育児・介護休業(休暇)制度、傷病休職制度の運用を通じて、従業員の個別の事情も考慮し、働きやすい環境の整備に努めております。
また育児・介護休業法の改正に基づき、男女ともに仕事と育児が両立できるように、「育児休業規程」を改定し、出生時育児休業制度を導入しました。今後も子育て世代が意欲をもって働ける環境の整備を進めてまいります。
■人権方針
全ての従業員の人権を守るために、当社グループの全ての事業活動における基盤となる「松田産業グループ人権方針」を2022年12月16日に制定しました。多様な人財が安心して当社で活躍できるよう「松田産業グループ グローバル行動規範」において人権の尊重を規定し、当社グループの役職員等にその遵守を徹底させております。
当社グループにとって特に重要な人権課題については、人権デューデリジェンスのプロセスやステークホルダーとのエンゲージメントを通じて特定します。そして、特定した課題に対して対策を講じるとともに、定期的に対策を見直してまいります。
■コンプライアンスへの取り組み
あらゆるハラスメントの防止のために、ハラスメント研修の実施や通報窓口を設置して相談体制を整える等、ハラスメント防止に積極的に取り組んでおります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、以下に記載のリスクマネジメント体制の下で、リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に努めております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は、当社グループの事業活動等に関する各種のリスクを管理し所管する組織として、TRM(トータルリスクマネジメント)委員会を設置し、リスク管理体制の構築・運用及び評価・教育及び訓練等を行い、その結果を取締役会に報告しております。TRM(トータルリスクマネジメント)委員会では、リスクの認識について発生頻度・経済的損失影響度・検知度の各要素をそれぞれ5段階で評価し、評価結果の乗数をリスク度評価として定量化し、重要なリスクを識別しております。
①主要製品・商品の価格変動
当社グループの貴金属関連事業が取り扱う製品の生産に用いられる主要原材料は、主に金、銀、白金、パラジウム等の貴金属元素を含有するリサイクル原材料であり、その仕入価格及び販売価格は原則として貴金属地金の市場価格に基づいており、国際商品市況及び為替相場の変動による影響を受けております。当社グループは、価格変動に伴う相場リスクを回避する目的で商品先渡取引を行っておりますが、全量に対する回避は困難であるため、製造及び在庫期間における貴金属価格の動向によっては、価格変動が業績に影響を与える可能性があります。当社グループの食品関連事業が取り扱う商品である水産品、畜産品、農産品等の食品加工原材料は、取扱品の大部分が外国産品であり、その価格は、仕入・販売いずれも商品市況、為替相場の変動による影響を受けます。当社グループは、先物為替予約を行い、販売価格への転嫁によりこれらの変動に対応しておりますが、商品の需給バランス等により販売価格が下落した場合は、棚卸資産の評価損等の損失が発生する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。
②食品関連事業に関わる品質問題等
当社グループの食品関連事業は、すりみ、エビ、イカ、カニ、タコ等を中心とした水産品加工原料、生鮮野菜、乾燥野菜、冷凍野菜等を中心とした農産品加工原料、鶏肉、豚肉、牛肉等の各種素材肉、鶏卵を中心とした畜産品加工原料を輸入し、水産練製品、冷凍食品、食肉加工、惣菜、製菓等の食品メーカー等へ販売しております。当社グループでは、法令に基づく食品表示の徹底はもとより、海外産地の品質管理指導や異物混入対策の強化などに万全を尽くしておりますが、食品の安全性等に係る問題が発生し、輸入禁止措置等がとられた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③法的規制
環境問題についての社会的関心の高まりから、環境関連の法的規制は強化される方向にあります。当社グループの貴金属関連事業に関連する法的規制が強化された場合においては、それに対処するために、追加の設備投資負担が必要になることがあります。また、当社及び当社グループの一部は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく事業者として、産業廃棄物の収集運搬、処理等の事業を行っており、各種法令の遵守が事業継続の大前提となっております。当社グループでは、事業活動及びその他の社会的活動における最高位の社内基準として「松田産業グループ グローバル行動規範」を制定するとともに、コンプライアンスの実現のための取扱いを定めた「コンプライアンス規程」を制定し、経営活動全般にわたるコンプライアンスの実現に取り組んでおります。
④廃棄物等の管理
当社グループでは、製造過程において毒物や劇物を使用しており、廃液や大気への排出物に対して、環境に配慮した適切な処理を行っております。しかしながら、工場の事故等により、これらの管理に何らかの問題が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤カントリーリスク
当社グループは、貴金属関連事業・食品関連事業ともに、海外の様々な国や地域において事業活動を行っており、これらの国や地域の政治・経済・社会情勢等の環境変化に起因し予期せぬ事態が生じた場合には、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥自然災害・気候変動及び感染症拡大等
当社グループが事業活動を行う国や地域において、地震・洪水等の自然災害が発生した場合には、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。当社グループでは、大規模災害の発生に備え、安否確認システムの導入、防災訓練の実施及び事業継続のための各種対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動等による異常気象が発生した場合には、当社グループの食品関連事業が取り扱う商品の生産等に影響する可能性があり、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、未知の感染症等が拡大した場合には、生産活動等の中断により事業に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、感染症等の大流行に備え在宅勤務等のテレワーク、時差出勤及びシフト勤務等により社員等の感染予防に努めるとともに、製商品及び役務の供給体制整備を図っておりますが、社内外での感染拡大に伴う調達や事業活動の停滞・停止により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦情報セキュリティ
当社グループが行う事業活動の多くは、コンピュータシステム及び通信ネットワークを利用しており、コンピュータシステム及び通信ネットワークに生じる障害や不具合・欠陥や、データセンターの機能停止などにより、事業活動に支障が出る可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客情報をはじめとする各種の個人情報がサイバー攻撃を含む不測の事態により遺漏が発生した場合は、社会的信頼の失墜や多額の費用負担が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ13,410百万円増加し、129,208百万円となりました。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,182百万円増加し、44,560百万円となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ10,228百万円増加し、84,648百万円となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、インフレの加速に伴い金融政策が引き締めに方向転換する等の懸念要素がある中で、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され正常化に向かい、全体的には緩やかな持ち直しの傾向が見られました。我が国経済においても、原材料価格の上昇、生活必需品の高騰等もあり、一部に弱さは見られたものの、緩やかな持ち直しが見られました。しかしながら、世界的な金融引き締めが続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスク等もあり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の中で、当社グループの貴金属関連事業においては、貴金属リサイクルへの多様化するニーズに対し、資源リサイクルの総合力及び高機能電子材料の開発等により差別化し、貴金属原料の確保、化成品等の製商品販売及び産業廃棄物処理受託の拡大に取り組みました。また、食品関連事業においては、世界的な食資源の供給不安や仕入価格の上昇等にも調達力の強みを活かして柔軟に対処し、顧客ニーズに応えた商品の開拓と安全安心な商品の安定提供により、販売量の拡大に取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は351,028百万円(前連結会計年度比28.9%増)、営業利益は13,818百万円(前連結会計年度比9.0%増)となりました。持分法利益等の営業外損益を加えた経常利益は13,843百万円(前連結会計年度比0.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,696百万円(前連結会計年度比1.4%増)となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりであります。
(貴金属関連事業)
当事業の主力顧客であるエレクトロニクス業界の半導体・電子デバイス分野は、個人向けの電子機器需要は低迷したものの、自動車や産業機器用途の需要に支えられ、第2四半期までの生産活動は堅調に推移しましたが、第3四半期以降は、需要の減少に伴い生産活動の低下が続いております。
このような状況の中で、当事業においては、白金族の一部で貴金属相場下落の影響を受けたものの、貴金属リサイクルの取扱量及び産業廃棄物の処理受託は増加し、金製品、銀製品及び白金族製品等の販売量も増加した結果、売上高及び営業利益は前連結会計年度に比べ増加しました。
これらの結果、当該事業の売上高は246,578百万円(前連結会計年度比27.8%増)、営業利益は12,043百万円(前連結会計年度比16.4%増)となりました。
(食品関連事業)
当事業の主力顧客である食品製造業界は、新型コロナウイルス感染症による巣ごもり需要は落ち着きを見せる一方、経済再開の動きにより業務用食品の需要は増加傾向となりましたが、原材料価格の高騰の影響により、総じて厳しい状況が続いております。
このような状況の中で、当事業においては、水産品、畜産品、農産品の販売量は増加し、販売価格も総じて上昇したことから、売上高は前連結会計年度に比べ増加しましたが、運送費及び保管料の増加や仕入価格上昇の影響により営業利益は前連結会計年度に比べ減少しました。
これらの結果、当該事業の売上高は104,530百万円(前連結会計年度比31.6%増)、営業利益は1,774百万円(前連結会計年度比23.9%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は11,761百万円となり、前連結会計年度末に比べ382百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により増加した資金は10,646百万円となりました。これは主として税金等調整前当期純利益、減価償却費等による資金の増加と、棚卸資産の増加及び法人税等の支払いによる資金の減少の差引によるものです。なお、前連結会計年度の7,032百万円の資金の増加に比べ3,613百万円資金が増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動に使用した資金は12,194百万円となりました。これは主として土地・建物等の有形固定資産及びソフトウェア等の無形固定資産取得の支出によるものです。なお、前連結会計年度の2,521百万円の支出に比べ9,673百万円支出が増加しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により増加した資金は1,382百万円となりました。これは主として借入金の増加による資金の増加と、配当金の支払による資金の減少との差し引きによるものです。なお、前連結会計年度の2,261百万円の資金の減少に比べ3,644百万円資金が増加しました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 1 自己資本比率:自己資本/総資産
2 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
4 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに算出しております。
※ キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用
しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※ 第71期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
④ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 当社グループにおける生産活動は、貴金属関連事業においてのみ行われております。
2 金額は、販売価格によっております。
(仕入実績)
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、仕入価格によっております。
(受注実績)
見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(注)2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(注)前連結会計年度の三井物産株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第一部[企業情報] 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] [注記事項] (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に退職給付会計、賞与引当金、税効果会計、貸倒引当金、減損会計、棚卸資産の評価であり、継続して評価を行っております。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第一部 [企業情報] 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、見積り及び判断・評価につきましては、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 財政状態の分析
a 資産の部
流動資産は、棚卸資産が3,812百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ3,254百万円増加しました。固定資産は、土地・建物等の増加により有形固定資産が8,427百万円増加したことに加え、投資その他の資産が1,159百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ10,156百万円増加しました。これらの結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ13,410百万円増加し、129,208百万円となりました。
b 負債の部
流動負債は、短期借入金が7,378百万円減少し、1年内返済長期借入金が1,514百万円増加したこと等の差引により、前連結会計年度末に比べ5,699百万円減少しました。固定負債は、長期借入金が8,784百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ8,882百万円増加しました。これらの結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,182百万円増加し、44,560百万円となりました。
c 純資産の部
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益が9,696百万円と、配当金の支払い1,278百万円、自己株式の消却2,418百万円等の差引により、利益剰余金は5,999百万円増加しました。これらの結果、前連結会計年度末に比べ10,228百万円増加し、84,648百万円となりました。なお、2022年8月10日開催の取締役会決議に基づき、2022年8月22日付で自己株式の消却を行った結果、利益剰余金と自己株式がそれぞれ2,418百万円減少しております。
ロ 経営成績の分析
a 売上高
当連結会計年度における売上高は351,028百万円(前連結会計年度比28.9%増)となり、前連結会計年度に比べ78,735百万円増加しました。セグメント別の売上高につきましては、「第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりですが、主要な分析は以下のとおりであります。
(貴金属関連事業)
金製品の売上高は、前連結会計年度に比べ42,569百万円増加し、143,994百万円(前連結会計年度比42.0%増)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ16.6%上昇しました。
銀製品の売上高は、前連結会計年度に比べ918百万円増加し、16,614百万円(前連結会計年度比5.9%増)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ4.4%上昇しました。
白金族製品の売上高は、前連結会計年度に比べ10,171百万円増加し、63,438百万円(前連結会計年度比19.1%増)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ17.9%上昇しました。
(食品関連事業)
水産品の売上高は、前連結会計年度に比べ9,336百万円増加し、42,253百万円(前連結会計年度比28.4%増)と
なり、売上単価は前連結会計年度に比べ22.8%上昇しました。
畜産品の売上高は、前連結会計年度に比べ9,769百万円増加し、41,548百万円(前連結会計年度比30.7%増)と
なり、売上単価は前連結会計年度に比べ25.1%上昇しました。
農産品の売上高は、前連結会計年度に比べ4,055百万円増加し、13,185百万円(前連結会計年度比44.4%増)と
なり、売上単価は前連結会計年度に比べ18.6%上昇しました。
b 売上総利益
当連結会計年度における売上総利益は33,299百万円(前連結会計年度比11.2%増)となり、前連結会計年度に比べ3,346百万円増加しました。売上総利益率は9.5%となり前連結会計年度比1.5ポイント低下しましたが、この主な要因は、仕入価格の上昇等による売上総利益率の低下によるものです。
c 営業利益
当連結会計年度における営業利益は13,818百万円(前連結会計年度比9.0%増)となり、前連結会計年度に比べ1,137百万円増加しました。営業利益率は3.9%となり前連結会計年度比0.8ポイント低下しましたが、この主な要因は、売上総利益率の低下に加え、運送費及び保管料等をはじめとする販売費及び一般管理費が2,209百万円増加したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
イ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、貴金属関連事業におけるリサイクル原材料及び食品関連事業における食品加工原材料の仕入れ等の事業運営上必要となる資金の確保に加え、急激な環境変化にも備え流動性を維持する考えの下で、運転資金については営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの短期借入を、設備投資については営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当社は資金調達の機動性を高めるため、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとする計4行の金融機関との間に3,000百万円の借入枠(コミットメントライン)を設定しております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は、前連結会計年度末に比べ2,848百万円増加し19,237百万円となりました。売上高の増加等に伴う資金の需要増大に対し流動性の確保を図ると共に、資金調達コストの低減にも努め、金利変動リスクに対してもヘッジ手段として金利スワップ等を活用しております。「第一部[企業情報]第3[設備の状況] 3[設備の新設、除却等の計画] (1)重要な設備の新設等」に記載の設備投資につきまして、必要資金は営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入により賄う予定であります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第一部[企業情報]第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、中期経営計画(2022-2025年度)では、計画の最終年度となる2025年度(2026年3月期)の業績目標を連結売上高3,000億円、連結営業利益130億円、連結営業利益率4.3%、連結自己資本利益率(ROE)9.0%、総資産経常利益率10.0%としております。
なお、中期経営計画(2022年-2025年度)の初年度である当連結会計年度において、連結営業利益率を除き目標を達成しておりますが、世界的な金融不安やインフレ圧力による経済への影響が懸念される等、先行き不透明な状況が続いていることから、経営上の指標とする業績目標は変更しておりません。
当社グループにおける研究開発活動は、永年培ってきた貴金属製錬技術・産業廃棄物処理技術・精密洗浄技術・めっき薬品製造技術を基礎に「資源の有効活用」・「環境保全」・「高純度」・「高性能」をテーマとし、広く社会に貢献することを理念として、長期的視野に立った活動を推進しております。従いまして、当社グループにおける研究開発活動は、当社の貴金属関連事業を中心に行われております。
a 半導体・電子部品業界や宝飾品業界など幅広い分野より発生する貴金属含有スクラップに対し、濃縮・分離といった操作により効率良く貴金属を回収し、随伴する非鉄金属等も可能な限り有効活用する技術開発、環境規制が強化されている硝酸を用いない手法の開発など地球環境に配慮した貴金属製錬技術開発、高純度製品製造技術開発などに注力しております。
b 製品性能の向上に伴い複雑化する半導体製造工程で使用される特殊合金の洗浄・剥離技術開発を行い新規設備の導入を行っております。
c 電子・半導体部品の製造に寄与する貴金属含有めっき薬品や有機物合成用に用いられる触媒用の貴金属化合物などの貴金属化成品の製品開発を行っております。また、真空蒸着やスパッタリングに用いられる高純度貴金属加工品の開発を進めております。
d 「資源循環」に主眼を置き、廃棄物中の有用物を資源として再利用する技術、並びに変化する廃棄物の処理難易度や厳格化する環境規制に対応した無害化処理技術の開発に鋭意取り組んでおります。
その他サンプリング技術及び分析の精度向上を探求しております。
(研究テーマ)
1 貴金属リサイクル技術の研究
2 貴金属含有めっき薬品及び貴金属化成品製造技術の研究
3 貴金属高純度加工品製造技術の研究
4 半導体製造装置の洗浄及びメンテナンス技術の研究
5 産業廃棄物のリサイクル技術の研究
6 産業廃棄物の無害化処理技術の研究
7 上記の研究を支える分析技術の向上
また、これらの研究開発活動は一部社外の研究機関と共同で行い、早期に成果に結び付けられるよう推進しております。
(当連結会計年度の主な研究開発成果)
・貴金属回収技術の開発・改善を行い、効率向上と環境負荷低減に寄与いたしました。
・顧客ニーズに対応した貴金属含有めっき薬品や高純度真空蒸着材の製品開発を進め、一部導入されまし
た。
・資源循環のための技術開発として、将来排出増加が見込まれるリチウムイオン電池のリサイクル・リユー
ス技術の開発を推進しました。
・カーボンニュートラルに向け、資源循環におけるGHG削減技術の開発に着手しました。
なお、当連結会計年度の研究開発費は