第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、「社会への貢献」、「企業の永続」、「社員の幸せ」の三つを企業理念として、お客様、仕入先様、当社の三者が共に生成発展する三位一体経営の実践を社業の基本としております。

経営の基本理念としては、「人と環境に優しい住まい方の創造と提案で社会貢献します」を企業コンセプトとして、堅実な経営による安定した財務体質の維持に注力してまいります。

グループ会社間においては、各社の機能を十分に発揮してグループ総合力の強化を図り、経営の効率化を進めてまいります。

(2)経営環境

当社を取り巻く経営環境は、卸売事業の営業基盤であります住宅業界におきまして、新設住宅着工戸数については全体として減少傾向が続いております。円安基調による資源・原材料価格の高騰に伴う物価上昇に加え、職人不足や建築資材価格の高騰による住宅価格の上昇が消費者マインドを低下させているものと考えております。

小売事業においては、電気代や生活必需品などの物価上昇による消費者の生活防衛意識の高まりもあり、厳しい状況が続いております。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、企業価値の向上のために収益性を重視するとともに、財務基盤の安定に注力しております。このため、売上総利益を常に意識した営業活動を行っております。自己資本の充実を図りながら、売上高経常利益率及びROEを重要な指標として、その向上に取り組んでおります。

(4)経営戦略等

① 新商品開発と販売促進

卸売事業においては、創業より北海道を営業基盤とした事業展開を行ってまいりましたが、近年ではオリジナル商品の売上拡大等により本州における基盤づくりを推進しております。ダクトレス全熱交換換気システム「Air save」などの換気関連商品の販売強化に努めております。

② お客様に愛される店舗づくり

小売事業においては、お客様の満足度向上が最大のテーマと考えております。大型店経営による品揃えと接客力強化による他店との差別化により、お客様の利便性を追求してまいります。ペット部門、DIY部門においては特色あるイベントの実施により、消費の掘り起こしに努めてまいります。リアル店舗の強みを生かすことで、ファンづくりの拡大を図ってまいります。

③ グループ戦略の強化

サッシ・ガラス施工事業を行う東洋ガラス工業㈱、足場レンタル事業を行う㈱キムラリースなどの関連会社と共に、取引先・お客様のご要望により幅広く対応することで、当社グループ全体でのシナジー効果を高め収益基盤の拡大を目指しております。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 卸売事業

営業基盤である北海道においては、きめ細かな営業展開とボリュームゾーンに対する提案型営業を行い、事業規模の拡大を図ってまいります。また、商品の安定供給と取扱商品増加による提案力強化により確固たる基盤の維持に努めます。本州方面においては、換気に特化した製品の販売拡大と商品ラインナップの定期更新により収益基盤の確立を図ってまいります。

② 小売事業

当社の属するホームセンター業界は、同業他社や業態を超えた販売競争もあり、厳しい経営環境が続いております。このような環境の下、当社は「お客様の喜びが、私達の喜びです」を基本理念として、よりお客様のお役に立つ店舗営業戦略を推し進めてまいります。お客様満足度向上への接遇改善、適正価格による販売と在庫戦略による仕入れ価格の引き下げ、新部門の開発と展開、各事業部の経営基盤強化により収益力の向上を目指します。テナント誘致による集客力向上、ペット専門店の多店舗展開などを行い、持続的な成長が可能となる経営体質の構築を進めてまいります。また、リアル店舗の強みを一層強化して、体感・体験・実感から感動を提供する店舗を目指してまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

当社は、「サステナビリティの基本方針」を推進するため、代表取締役社長がサステナビリティ推進に関する経営判断の最終責任者として、経営会議において環境問題、働き方改革、ダイバーシティの推進、人材育成及び社会貢献といったサステナビリティに関する課題を中長期的な視野に立って方針を決定し、実行するよう進めております。また、経営会議で決定した方針は、取締役会とも情報共有し、取締役会の指揮監督のもとサステナビリティ推進体制の強化に努めております。

サステナビリティを追求することは当社グループにとって大きな課題であり、かつ社会にとっても大きな課題であると考えております。「社会への貢献」・「企業の永続」・「社員の幸せ」の企業理念に沿った経営を推進するとともに、長期的な視点で持続的に社会貢献と経済価値を創出できるよう、様々なサステナビリティに関する取り組みを全ての事業で横断的に継続し、リスク管理・コンプライアンスの強化を含むサステナビリティマネジメントをより一層強化してまいります。

(2)戦略

当社グループは、「安心で快適な暮らしへの貢献」を目指して住環境の整備に力を入れております。高気密・高断熱・好換気・好環境の住宅づくりをお手伝いすることで省エネルギー・高性能住宅の普及に努め、持続可能な社会の実現に寄与したいと考えております。また、自然素材のプライベートブランド商品の販売により居住者が快適で健康的に暮らせる住環境を整えてまいります。

当社グループのサステナビリティとは、「全社員がいきいきと働き、事業を通して社会に貢献すること」と考えております。社会、人、環境の調和と、持続可能な社会を目指し、ステークホルダーの皆さまから信頼される企業であるために、法令を遵守するとともに誠実・公正でサステナビリティを重視した事業活動に取り組んでおります。

子会社の㈱ジョイフルエーケーでは、さまざまな省エネに取り組みながら環境負荷の少ない店舗づくりを進めております。2025年夏のオープンに向けて釧路市において建設中のジョイフル―エーケー釧路店(仮称)は建築物省エネ法に基づく「ZEB Ready」の認証を取得しました。SDGs取り組みの一環とカーボンニュートラル実現への貢献のため、新店舗のZEB化を実現いたしました。また、屋上には太陽光発電設備を設置し、大規模停電が発生した際でも概ね3日程度の店舗営業が可能な電源を確保することが可能となり、万が一の災害発生時には多少なりとも地域の皆様のお役に立てるものと考えております。こうした取り組みをグループ一丸となって進めてまいります。

また、当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、次のとおりであります。

 

当社グループは「自律型社員の育成」を人材開発の基本方針としており、従業員一人ひとりが経営基本理念と企業使命感を理解し、自ら行動に移し、成果を出すことができる姿を目指しております。

会社と従業員の関係は、

1 従業員の持つ多様性の尊重

2 従業員による様々な能力の発揮

3 チャレンジできる仕事の提供

を重視しています。人材育成と関連制度の充実を図ることが、従業員の長期にわたるスキル発揮に結び付くと考えており、育成環境の整備と研修体制の構築を行っております。近年、ワークライフマネジメントといった、個人が主体的に自己を管理して仕事と生活の両方を充実させる、という考え方が広がってきております。従業員が自ら働き方を管理できるように労働環境の整備に取り組み、時差出勤制度の導入により多様な人材が活躍できる組織づくりを行っています。また、ビジネスカジュアルを導入することにより、従業員の個性や価値観を尊重し、社員の自由な発想による活気ある職場づくりを目指しております。

 

 

その他の取り組みとしてあげられるものは以下になります。

・即戦力強化のため、中途採用を強化し専門性の高い職種を積極的に採用することで、社内人材の活性化と多様性を確保します。

・職場環境の整備や社員の意識醸成、役割と成果に基づく公正な評価を徹底し、エンゲージメント向上、生産性の最大化を目指しています。

・社員の声を経営や職場環境の改善に活かすための仕組みとして、社員意識調査を行っております。経営層への結果報告に加え、各職場へのフィードバックを実施し、組織風土の現状を確認・分析するとともに、具体的な行動計画と目標値を設定し、各職場での活動につなげています。

・社員に対して自社株式の購入を奨励する「社員持株会」制度を設けており、各自の拠出金に会社が奨励金を付与しています。これにより、従業員の経営参画の意識向上に寄与するとともに、従業員の長期資産形成を支援しています。

・人材の育成と定着率の向上で提供するサービスの質のばらつきを無くし、質の高いサービスを提供するために全社員が成長できる環境と教育制度の整備を行っています。

(3)リスク管理

当社グループは、リスク管理規定により社長を委員長とするリスク管理委員会の設置を定めております。サステナビリティリスクについては、①正確な予想が不可能であり、長期または不確実な時間軸で顕在化する可能性がある、②環境・社会課題などの外部環境に起因して発生するためリスクの見積もりが困難である、③人類共通の課題であり、関係するステークホルダーが多岐にわたる、といった点で従来のリスク管理とは異なっていると考えております。

当社グループは、持続可能な成長と企業価値の向上を追求するために、サステナビリティ関連の「リスク」と「機会」を体系的に識別、評価、および管理するプロセスを以下のとおり進めてまいります。

① リスクの識別、評価および管理

a.リスクの識別

・顧客、従業員、投資家、地域社会など主要なステークホルダーとの対話を通じて、潜在的なリスクを特定します。

・各部門による自己評価と内部監査を行い、運営上のリスクを洗い出します。

・規制の強化、市場トレンド、気候変動等の外部要因をモニタリングし、関連リスクを把握します。

b.リスクの評価

・リスクの影響度(財務的、環境的、社会的)及び発生頻度を数値化して評価します。

・異なる状況下でのリスクの影響をシミュレーションし、最悪ケースの想定及び対策を検討します。

・重要性評価を実施し、当社にとって特に重大なリスクを想定します。

c.リスクの管理

・リスク削減、転嫁、受容、回避の戦略を組み合わせた対策プランを立案します。

・リスク発生時に迅速に対応できるよう、緊急対応計画とバックアップ体制を整備します。

・リスク管理の進捗と有効性を定期的にチェックし、必要に応じて対策を見直します。

② 機会の識別・評価および管理

a.機会の識別

・顧客、従業員、投資家、地域社会などのステークホルダーとの対話から、新たな機会を探ります。

・業界動向、技術革新、規制の変化を継続的にモニタリングし、潜在的な機会を特定します。

・各部門から提案の新規事業や改善活動を検討し、サステナビリティ強化の機会を抽出します。

b.機会の評価

・機会がもたらす環境保全や社会貢献の程度を評価します。

・投資対効果、コスト削減、売上増加などの経済的インパクトを分析します。

・技術的、組織的に実現可能かどうかを検証し、関連リスクを併せて評価します。

c.機会の管理

・影響度や実現可能性に基づき、取り組むべき機会の優先順位を決定します。

・必要に応じて達成目標と期限を明確に設定した行動計画を策定、関係部門で共有します。

・計画の進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて修正や調整を行います。また、成果をステークホルダーに報告しフィードバックを得ます。

これらのプロセスを通じて、当社グループは持続可能な価値創造を推進し、長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

社員がいきいきと働く職場環境を実現し、事業の持続的な成長を支える優秀な人材の定着を図るため、総実労働時間の削減及び離職の防止に重点を置き、これらを具体的に示す指標をKPIとすることを検討しております。リスクマネジメントとサステナビリティの目指すべき姿・方向性・課題解決への取組方針を設定した上で的確なリスクマネジメントを行ってまいります。

(4)指標及び目標

当社グループは、温室効果ガス排出量の削減目標、達成時期などを具体的に定めておりませんが、今後検討してまいります。

また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次のKPIを用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

 

指標

目標

実績

管理職に占める女性労働者の割合

2030年まで10

4.9

男性労働者の育児休業取得率

2030年まで100

0.0

労働者の男女の賃金の差異

2030年まで75

60.7

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、経営成績に与える影響を合理的に見積ることはいずれも困難であるため、記載を省略しております。

(1)業種的リスク

① 卸売事業

当社グループは主たる事業として、建築資材の卸売を行っております。当社の取扱商品の品目は多岐にわたっておりますが、その大半が住宅関連資材であり、それら商品の販売は、新設住宅着工戸数の増減等の住宅市場の動向に左右されるため、今後の人口減少、国内経済の停滞などにより、住宅関連資材の需要が低迷した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、卸売事業の売上高10,210,544千円のうち直送取引が5,103,289千円を占めております。商品である建築資材が当社を経由せずに、仕入先から販売先へ直送される取引であり、商品の発送等を当社が直接行わないため、売上に関する事実確認が相対的に難しい取引でありますが、仕入先が発行した納品書等の外部証憑との突合及び売上先に対して、売上計上の妥当性を検討するため売掛金の残高確認を実施することにより当該リスクの低減に努めております。

② 小売事業

当社グループは4店舗の大型ホームセンター、5店舗のペット専門店及び2店舗の資材関連の専門店を運営しております。なお、大型ホームセンターにつきましては、2025年夏に釧路市での新規出店を予定しております。近年ホームセンター業界では同業他社、他業種との競争激化、ネット販売など消費行動の多様化が進んでおり、また再編による寡占化が進行しております。今後、運営している店舗近隣に同業他社の出店や他業種からの参入があった場合、また、冷夏、暖冬等の天候不順による季節商品の需要低下が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。現在のところ、当該リスクが高まっているとの認識はありません。

(2)営業基盤の集中について

当社グループの事業は北海道地域を中心に展開しており、現状では北海道内における売上高の連結売上高全体に占める割合は約9割であり、当該地域への依存度が高くなっております。

このため、当社グループの事業は北海道固有の経済環境や建設需要等の動向に影響を受けております。また、北海道内における人口減少問題が深刻化するにつれ、卸売、小売事業ともに影響を受けることが予想されます。当社グループは、これからも地域集中リスク等を低減させるため、北海道内における事業基盤強化に加え、北海道地域外における事業展開の強化を推進しておりますが、当面は当該依存が継続されることが想定されます。これらの動向により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)取引先に対する信用リスクについて

当社グループの主要な取引先は、国内の建材販売店、工務店及び建築関連業者であります。当社グループは、取引先の経営状況に応じた与信枠設定及び継続的な経営状態の把握により売上債権に係る信用リスクの低減に努めております。しかしながら、外部環境の急激な変化や取引先における業績や資金繰りの悪化等により貸倒れ等が発生する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、取引先信用保険を設定しリスク分散に努めております。

(4)災害等のリスク

地震または火災等による災害により、当社グループの事業拠点、店舗等が損害を受ける可能性があります。当社グループはコンピューター・システムによる集中管理方式で情報処理を行っております。その設備の保全、安全対策については、充実した設備を有する専門的な施設において運用するなどの対策を講じておりますが、万一その設備または当社グループの事業拠点、店舗等が損害を被った場合、業務処理の停滞、遅延、商品の損害等が発生する可能性があります。また、インフラやサプライチェーンに大きな被害があった場合には商品の確保が困難になり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がありますが、災害発生の予測は現在のところ不可能であるため、災害発生時には迅速な情報収集によって適切な対応策を講じることとしております。

(5)固定資産の減損に関するリスク

当社グループは、保有する固定資産に対して減損会計基準に基づき適切な減損処理を実施しております。しかしながら、保有する固定資産の価値が著しく低下した場合には追加の減損処理が必要となります。このような場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性がありますが、提出日時点で減損リスクが高まっている固定資産はないものと認識しております。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用及び所得環境の改善を背景に個人消費が堅調に推移し、インバウンド需要の増加等により底堅い推移が見られたものの、ウクライナ紛争の長期化・中東情勢の緊迫化など地政学リスクの高まりに伴う原材料・エネルギー価格の高騰・高止まりなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。

住宅業界におきましては、新設住宅着工戸数が4号特例縮小前の駆け込み需要により前年度比プラスに転じたものの依然低水準で推移しており、持家も同様に前年度比プラスに転じたものの依然低水準で推移しております。職人不足や資材価格の高騰による住宅価格の上昇が消費マインドを低下させているものと考えております。

個人消費は、外食や旅行などのサービス消費が牽引して堅調に推移しておりますが、電気代や生活必需品などの物価上昇による消費者の生活防衛意識の高まりもあり、厳しい状況が続いております。

このような状況のもと、当社グループでは、卸売事業における新商品開発と販売強化、小売事業における各種サービスの拡充によるお客様満足度の向上に努めてまいりました。これらの結果、売上高362億49百万円(前連結会計年度比6.6%増)、営業利益19億48百万円(同7.4%増)、経常利益20億70百万円(同4.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11億84百万円(同14.8%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

卸売事業

2024年度3月累計の全国における住宅着工戸数は816,018戸(前年同月比2.0%増)、当社の主力市場である北海道では30,234戸(同6.2%増)と4号特例縮小前の駆け込み需要により前年度比プラスに転じたものの、依然低水準で推移しております。その中で当社の業績に大きく影響を及ぼす持家につきましても、全国で223,079戸(前年同月比1.6%増)、北海道では8,406戸(同2.9%増)と全国、北海道ともに前年度比プラスに転じたものの、依然低水準で推移しております。

このような状況のもと、ダクトレス全熱交換換気システム「Air save」などの換気関連商品の販売強化と適正価格による販売に努めてまいりました。一方で、システム投資等による経費の増加が利益を押し下げる要因となりました。これらの結果、売上高102億10百万円(前連結会計年度比1.4%増)、営業利益7億30百万円(同8.6%減)となりました。

 

 

商品分類別売上実績

(単位:百万円)

 

 

 

住宅金物

住宅資材

住器・EX

輸入商材

機械工具

ビル用資材

住宅その他

合計

2024年3月期

1,612

4,226

2,556

529

680

380

503

10,486

2025年3月期

1,689

4,075

2,583

633

686

482

468

10,616

前年同期比(%)

104.8%

96.4%

101.0%

119.5%

100.9%

126.9%

93.1%

101.2%

(注)上記の売上実績には、セグメント間の内部売上を含んでおります。

小売事業

ホームセンター業界においては、コロナ特需の反動もあり、個人の節約志向は根強く、同業他社、他業種との競争の激化が続いております。このような状況のもと、お客様満足度の向上、接客力の強化による他店との差別化に努めてまいりました。2024年度は苫小牧市に2店舗出店、2025年度夏には釧路市に大型店舗出店を予定しており、売上増加の一方で人件費・出店関連経費等の増加が利益を押し下げる要因となりました。これらの結果、売上高222億95百万円(前連結会計年度比3.2%増)、営業利益9億67百万円(同5.8%減)となりました。

部門別売上実績

(単位:百万円)

 

 

 

日用品

レジャー

資材

ガーデン

インテリア

その他

RE事業

合計

2024年3月期

4,931

6,119

6,663

1,203

1,457

143

1,090

21,609

2025年3月期

5,183

6,277

6,959

1,157

1,467

198

1,054

22,298

前年同期比(%)

105.1%

102.6%

104.4%

96.2%

100.7%

138.7%

96.7%

103.2%

(注)上記の売上実績には、セグメント間の内部売上を含んでおります。

不動産事業

賃貸資産の適切な管理と効率的な運用を心掛けておりますが、2024年度は分譲マンション「ザ・札幌タワーズ」の引渡し完了物件の計上により、売上高15億38百万円(前連結会計年度比263.9%増)、営業利益6億56百万円(同138.9%増)となりました。

足場レンタル事業

中・高層建築向け次世代足場資材の新規購入により受注が好調な中、業務の効率化と経費削減に努めましたが、資材購入経費の増加により、売上高7億61百万円(前連結会計年度比29.3%増)、営業損失20百万円(前連結会計年度は営業利益31百万円)となりました。

サッシ・ガラス施工事業

賃貸物件、大型施設等の受注が好調な中、工事現場での設計、監理、施工の基本を徹底することで業務の効率化に努め、売上高14億44百万円(前連結会計年度比10.7%増)、営業利益1億58百万円(同66.2%増)となりました。

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、当連結会計年度末には37億44百万円となり、前連結会計年度末より1億19百万円の減少となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果による資金の増加は14億8百万円(前連結会計年度は20億6百万円の獲得)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益が20億74百万円、減価償却費が10億55百万円、売上債権の増加が10億74百万円及び法人税等の支払額5億54百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果による資金の減少は39億28百万円(前連結会計年度は11億8百万円の使用)となりました。

これは主に、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出39億46百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果による資金の増加は24億円(前連結会計年度は4億1百万円の使用)となりました。

これは主に、短期借入金純増額11億48百万円、長期借入金による収入23億円、長期借入金の返済による支出7億87百万円、配当金の支払額2億7百万円等によるものであります。

③ 生産、受注及び販売の実績

a.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

卸売事業(千円)

8,473,430

101.3

小売事業(千円)

15,146,012

107.0

不動産事業(千円)

906,864

527.6

足場レンタル事業(千円)

443,186

176.4

サッシ・ガラス施工事業(千円)

948,506

107.5

合計(千円)

25,918,002

108.8

(注)1.上記の商品仕入実績は、セグメント間の取引高を消去した金額となっております。

2.足場レンタル事業については売上原価の金額を記載しております。

b.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

卸売事業(千円)

10,210,544

101.4

小売事業(千円)

22,295,748

103.2

不動産事業(千円)

1,538,452

363.9

足場レンタル事業(千円)

761,035

129.3

サッシ・ガラス施工事業(千円)

1,444,080

110.7

合計(千円)

36,249,862

106.6

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先がないため省略しております。

2.上記の販売実績は、セグメント間の取引高を消去した金額となっております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。

当連結会計年度は、新中期経営計画(2024~2026年度 3ヵ年計画)の初年度としてグループ全体の成長戦略を推進してまいりました。

a.新商品の開発と販売強化

卸売事業におきましては、ボリュームゾーン先に対する提案型営業の推進と、換気に特化したオリジナル商品の販売強化に努め、収益基盤の拡大を図ってまいります。

b.お客様に愛される店舗づくり

小売事業におきましては、お客様満足度の向上を目指し接客力の強化に努めております。リアル店舗の強みを活かし、お客様に満足して頂ける店づくりを心がけ、利便性の向上を追求してまいります。

c.グループ戦略の強化

事業間シナジーの創出と最大化を目指し、引き続きグループ全体での成長戦略の確立に努めてまいります。

経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ22億56百万円増加し、362億49百万円(前連結会計年度比6.6%増)となりました。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、卸売事業が28.2%、小売事業が61.5%、不動産事業が4.2%、足場レンタル事業が2.1%、サッシ・ガラス施工事業が4.0%となりました。

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ8億33百万円増加し、108億82百万円(前連結会計年度比8.3%増)となりました。また、売上高総利益率は、前連結会計年度に比べ0.4ポイント増加し、30.0%となりました。

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ1億34百万円増加し、19億48百万円(前連結会計年度比7.4%増)となりました。また、売上高営業利益率は、前連結会計年度に比べ0.1ポイント増加し、5.4%となりました。

(経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ31百万円減少し、1億57百万円(前連結会計年度比16.5%減)となりました。

営業外費用は、前連結会計年度に比べ16百万円増加し、35百万円(同83.8%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ86百万円増加し、20億70百万円(同4.4%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は前連結会計年度に比べ1百万円増加し、4百万円(前連結会計年度は3百万円)となりました。特別損失は、前連結会計年度と変わらず0百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、11億84百万円(同14.8%増)となりました。

財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、313億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ44億78百万円増加しました。これは主に売上債権が10億32百万円、商品が5億12百万円、有形固定資産が29億31百万円それぞれ増加したことによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末の負債は、122億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億69百万円増加しました。これは主に短期借入金が12億78百万円、買入債務が3億34百万円、未払法人税等が2億5百万円、長期借入金が13億82百万円、資産除去債務が1億73百万円、それぞれ増加したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、190億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億9百万円増加し、自己資本比率は、51.8%となりました。

経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、競合他社との競争激化等様々なリスク要因があると認識しております。

特に北海道地域への依存は連結売上高に占める割合が非常に高く、道内経済が停滞した場合、業績に与える影響は深刻になると懸念されます。

当社単独で道内外の売上比率の乖離を縮小する事を目標に、経営資源の分散に努めてまいります。

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。

売上高は計画比12億49百万円増(3.6%増)となりました。売上総利益は計画比4億82百万円増(4.6%増)となりました。経常利益は計画比40百万円増(2.0%増)となりました。売上高経常利益率は5.7%となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は計画比94百万円増(8.6%増)となりました。ROEは計画比0.7ポイント増の7.5%となりました。

指標

2025年3月期

(計画)

2025年3月期

(実績)

2025年3月期

(計画比)

売上高

35,000百万円

36,249百万円

1,249百万円増(3.6%増)

売上総利益

10,400百万円

10,882百万円

482百万円増(4.6%増)

経常利益

2,030百万円

2,070百万円

40百万円増(2.0%増)

売上高経常利益率

5.8%

5.7%

0.1ポイント減

親会社株主に帰属する

当期純利益

1,090百万円

1,184百万円

94百万円増(8.6%増)

ROE

(自己資本利益率)

6.8%

7.5%

0.7ポイント増

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

セグメントごとの財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。現在のところ、緊急での資金調達が必要な状況には無く、自己資金と従来からの借入金によって企業活動は円滑に行われております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は66億8百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は37億44百万円となっております。十分な流動資金を有しており、従来どおりの資金の配分を行っていく事を考えております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。

なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。