第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、新興国経済の減速、英国のEU離脱問題や米国の政権交代など、不安定な国際情勢のなか為替が乱高下するなど、先行き不透明な状況で推移いたしました。

当カラオケ業界におきましては、ナイト市場は依然として漸減傾向で推移しておりますが、カラオケボックス市場では、大手事業者間の競争激化の動きはあったものの、緩やかながら増加傾向が継続しております。また、成長が期待されるエルダー市場の堅調な拡大による下支えもあり、市場規模は横ばいで推移しております。

この様ななか、各事業におきまして諸施策を実施した結果、当連結会計年度の売上高は、カラオケ・飲食店舗事業及びその他事業が増収となったものの、業務用カラオケ事業及び音楽ソフト事業が減収となったことから、140,640百万円(前年同期比0.5%減)となりました。利益面におきましては、業務用カラオケ事業及びカラオケ・飲食店舗事業の増益が寄与したことから、営業利益は20,694百万円(同4.1%増)となりました。経常利益は保有資産のポートフォリオを見直したことにより営業外収益が増加したことから、22,539百万円(同6.7%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、為替変動の影響を受け時価が著しく下落した外国債の評価損や、コンテンツ制作部門の新ビル移転に伴う関連費用等を特別損失に計上したことにより11,115百万円(同11.8%減)となりました。なお、営業利益及び経常利益は過去最高となっております。

 

(百万円)

 

前期

当期

対前期増減

増減率

売  上  高

141,310

140,640

△669

△0.5

営 業 利 益

19,886

20,694

808

4.1

経 常 利 益

21,127

22,539

1,411

6.7

親会社株主に帰属する当期純利益

12,599

11,115

△1,483

△11.8

 

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(業務用カラオケ)

当事業におきましては、前期発売の「 LIVE DAM STADIUM 」が引き続き市場での高い評価を得ていることに加え、昨年10月にはナイト市場向け新商品「 Cyber DAM HD 」及びエルダー市場向け新商品「 FREE DAM HD 」の2機種を発売し、商品ラインアップの強化と拡販に注力いたしました。その結果、機器賃貸件数及びDAM稼働台数は順調に増加いたしました。また、成長分野として注力しているエルダー市場においては、民間介護施設等での導入に加え、自治体の各種施設等での導入も着実に伸長しております。

以上の結果、前期発売した新商品の初期需要が一巡した影響により、売上高は前年同期比2.2%の減少となりましたが、利益面におきましては、昨年発生しました「平成28年熊本地震」に伴う復旧支援費用に加え、営業資産の買取りコストなどの一時費用が増加したものの、安定的な収益基盤として注力している機器賃貸及び情報提供料収入の増加と販売費等の低減が奏功し、営業利益は前年同期比5.1%の増加となりました。

 

(百万円)

 

前期

当期

対前期増減

増減率

売  上  高

68,557

67,076

△1,480

△2.2

営 業 利 益

14,145

14,860

714

5.1

 

 

 

(カラオケ・飲食店舗)

当事業におけるカラオケルームにおきましては、大手事業者間の競争が激化するなか、引き続き既存店の活性化や従業員教育の強化に取組み、顧客満足度の向上による収益基盤の強化に努めました。飲食店舗におきましては、ブランド変更等により既存店の強化に努めるほか、カラオケルームのリソースを活かした新業態店舗等の出店を展開いたしました。また、昨年11月には顧客のインセンティブを高めた予約サイトを立ち上げるなど、集客力の向上に注力いたしました。

以上の結果、カラオケルームの既存店が昨年の夏場以降から回復基調で推移するなか、最大の商戦期である12月及び第4四半期にその兆候がより鮮明となり、売上高は前年同期比0.8%の増加となり、営業利益は前年同期比5.3%の増加となりました。

 

(百万円)

 

前期

当期

対前期増減

増減率

売  上  高

56,759

57,227

468

0.8

営 業 利 益

7,158

7,536

378

5.3

 

 

(音楽ソフト)

当事業におきましては、当社グループが強みとする演歌作品の主力アーティストである「三山ひろし」や「水森かおり」に加え、芸道55周年を迎えた「北島三郎」などの作品が貢献いたしました。また、J-POPアーティストである「浜田麻里」や「BAND-MAID」などの作品が収益に貢献したものの、当事業環境は依然厳しい状況で推移いたしました。

以上の結果、売上高が前年同期比3.4%減少したことにより、営業利益は前年同期比89.0%の減少となりました。

 

(百万円)

 

前期

当期

対前期増減

増減率

売  上  高

9,027

8,718

△308

△3.4

営 業 利 益

189

20

△168

△89.0

 

 

(その他)

当事業におきましては、BGM放送事業において光回線を活用したBGM放送サービス「スターデジオ光」とコンシューマー向けストリーミングカラオケサービスの拡販に努めるほか、不動産賃貸、パーキング事業などが堅調に推移いたしました。

以上の結果、売上高は不動産賃貸収入やパーキング事業収入等の増加により前年同期比9.4%増加したものの、パーキング事業等の初期投資などの増加により、営業利益は前年同期比6.0%の減少となりました。

 

(百万円)

 

前期

当期

対前期増減

増減率

売  上  高

6,966

7,618

651

9.4

営 業 利 益

1,517

1,426

△90

△6.0

 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ9,007百万円増加し、61,254百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、税金等調整前当期純利益が17,723百万円、減価償却実施額が16,187百万円、投資有価証券評価損が3,365百万円及び法人税等の支払額が6,885百万円等により、前連結会計年度に比べ5,975百万円増加し、33,076百万円となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、有形固定資産の取得による支出が16,831百万円、無形固定資産の取得による支出が3,592百万円、映像使用許諾権の取得による支出が1,764百万円及び投資有価証券の売却による収入が6,135百万円等により前連結会計年度に比べ11,103百万円減少し、16,331百万円となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、配当金の支払額が6,214百万円、自己株式の取得による支出が2,166百万円、長期借入金の返済による支出が2,467百万円及び長期借入れによる収入が2,385百万円等により、前連結会計年度に比べ1,247百万円増加し、8,546百万円となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成28年4月1日
  至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

音楽ソフト

(百万円)

3,073

102.3

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.無形固定資産「音源映像ソフトウェア」の制作状況は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成28年4月1日
  至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

業務用カラオケ

(百万円)

2,496

79.6

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成28年4月1日
  至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

業務用カラオケ

(百万円)

15,234

78.8

カラオケ・飲食店舗

(百万円)

7,838

96.0

音楽ソフト

(百万円)

660

103.0

報告セグメント計

(百万円)

23,733

84.4

その他

(百万円)

606

125.1

合計

(百万円)

24,339

85.1

 

(注) 上記の金額は仕入価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注状況

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成28年4月1日
  至 平成29年3月31日)

構成比(%)

前年同期比(%)

業務用カラオケ

(百万円)

67,076

47.7

97.8

カラオケ・飲食店舗

(百万円)

57,227

40.7

100.8

音楽ソフト

(百万円)

8,718

6.2

96.6

報告セグメント計

(百万円)

133,022

94.6

99.0

その他

(百万円)

7,618

5.4

109.4

合計

(百万円)

140,640

100.0

99.5

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.いずれの相手先に対する販売実績も総販売実績の100分の10未満であるため、主要な販売先の記載は省略しております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「もっと音楽を世に もっとサービスを世に」を社是とし、「カラオケを通じた音楽文化の振
興」、「楽しいコミュニケーションの場の提供」を基本方針としております。この方針のもと、当社グループは、創業以来培ったノウハウと蓄積したコンテンツをベースに、カラオケ事業を核として、一層の事業拡大とより高い収益を確保し、当社グループのステークホルダーの期待に応え、社会貢献に資する企業を目指してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、継続的・安定的な成長と企業価値の向上を図るため、自己資本当期純利益率(ROE)及び各事業の営業利益率を重視するとともに、1株当たり利益(EPS)の増加を目指してまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは会社の経営の基本方針に則り、強みであるカラオケ事業を軸に更なる発展を目指すため、質の高いカラオケ機器やコンテンツとカラオケを楽しむ場の提供、さらにはカラオケを活用した介護予防や健康増進への対応など、社会貢献に資する事業の展開を行ってまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

業務用カラオケ事業におきましては、機器賃貸のウェイトを高めた拡販により、カラオケ機器稼働台数の増加を図り、安定収益の拡大に努めてまいります。また、社会的課題である高齢者の介護予防や健康増進への注目が集まるなか、民間施設に加え自治体施設等への導入を強化するなど、エルダー市場への拡販に努めてまいります。

カラオケ・飲食店舗事業におきましては、既存店の活性化を図るため、提供するサービスの品質向上に向けた人材確保と教育制度の充実による人材育成の強化に努めるほか、店舗リニューアルなどの諸施策に取り組んでまいります。また、好立地への出店にも引続き注力してまいります。

音楽ソフト事業におきましては、当事業の経営基盤の強化を図るため、当社グループの音楽関連事業部門を拠点集約し、あわせて業務用カラオケ事業をはじめとしたグループネットワークの活用、連携強化による相乗効果と業務の効率化に注力してまいります。また、新人アーティストの発掘とヒット曲の創出に努めてまいります。

上記主要事業を含むすべての事業において、“わかりやすく、使いやすい”サービスを基本として、ご利用者皆様の歓びと楽しみを提供し続けることで、広く社会に貢献する事業展開を目指してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を、以下において記載しております。また、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、様々な要因によって実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1) 各事業セグメントにおける業績変動要因

当社グループの事業は、①「業務用カラオケ事業」、②「カラオケ・飲食店舗事業」、③「音楽ソフト事業」、④「その他の事業」の4事業により構成されておりますが、以下のような要因により当社グループの業績及び事業展開が影響を受ける可能性があります。

① 業務用カラオケ事業

a.スナック、クラブ等やカラオケボックス店舗の閉店による業務用カラオケ市場の縮小により、業務用カラオケ機器の出荷台数や設置台数が減少し、業務用カラオケ事業の売上高が減少する可能性があります。

b.新商品の投入及びこれに対する市場の支持の程度により、業務用カラオケ機器の出荷台数や設置台数が変動し、業務用カラオケ事業の売上高に影響を与える可能性があります。

c.同業者との競争の激化に伴う販売量の減少及び販売価格の下落により、業務用カラオケ事業の売上高が減少する可能性があります。

② カラオケ・飲食店舗事業

a.出店計画に対する店舗候補物件の確保の程度により、出店数が変動し、カラオケ・飲食店舗事業の売上高に影響を与える可能性があります。

b.ユーザーニーズの変化による市場の支持の程度により、カラオケ・飲食店舗事業の売上高が変動する可能性があります。

c.店舗間の競争の激化に伴う客数の減少及び客単価の下落により、カラオケ・飲食店舗事業の売上高が減少する可能性があります。

③ 音楽ソフト事業

a.市場に支持される音楽CD、DVD等の発売の程度により、販売数量が変動し、音楽ソフト事業の売上高に影響を与える可能性があります。

b.媒体の変化による音楽CD、DVD等の販売量の減少及びインターネット等他の媒体による販売量の増加により、音楽ソフト事業の売上高及び損益が変動する可能性があります。

c.音楽CDの著作物は、独占禁止法で法定再販物として再販売価格維持制度(再販制度)が認められておりますが、今後独占禁止法の見直しが行われ、再販制度が廃止されると、価格競争が激化し、販売価格の低下により、音楽ソフト事業の売上高及び損益が減少する可能性があります。

d.上記の再販制度によって、小売店は音楽CDの販売価格を自由に設定できないことから、一定の範囲内で音楽CDを返品できる商慣行があり、販売不振のCDについては将来返品されるものがあります。当社グループは過去の返品実績などを基に適正に返品調整引当金の計上を行い、これに備えておりますが、予想外の返品が発生した場合には、音楽ソフト事業の売上高及び損益が減少する可能性があります。

④ その他の事業

a.放送事業者の事業の中止又は事業方針の変更により、BGM事業の売上高及び損益が急速に変動する可能性があります。

b.有線放送等類似サービスとの競争の激化に伴う契約者数の減少及び視聴料金の下落により、BGM事業の売上高が減少する可能性があります。

c.その他、新規事業に対する市場の支持の程度により、当該事業の売上高及び事業展開方針が変動する可能性があります。

 

 

(2) 法的規制

将来において著作権法、食品衛生法ほか、様々な関連法規や規則等が改正又は変更され、新たに事業活動が制約を受けることとなった場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(3) 競争

当社グループは「業務用カラオケ事業」において、商品やサービスが市場からの支持を得てきたことによりトップシェアを獲得してまいりました。しかしながら将来においても、当社グループが提供する商品やサービスが常に市場に受け入れられる保証はなく、また競争的な事業環境においてこれまでどおり優位に事業が進められない場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(4) 品質管理

当社が取り扱う商品は一定の品質管理基準に従って製造又は提供しております。しかし、全ての商品に欠陥が無いという保証はありません。また、生産物賠償責任保険には加入しておりますが、この保険が負担する賠償額等を十分にカバーできるという保証はありません。商品の欠陥に伴い、多額のコストや賠償金が発生した場合には、当社の商品が信頼性を損ない、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(5) 新商品及び新サービスの提供

当社グループが属する業界では、いずれも技術革新が急速に進んでおり、これに対応した新商品の開発や新サービスの迅速な提供が必要であります。しかしながら新商品と新サービスが成功するか否かは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。

・新商品の開発や新サービスの提供に必要な資金と資源を、今後十分に充当できる保証はありません。

・長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新商品又は新サービスの創造につながる保証はありません。

・ユーザーニーズの多様化や変化に伴い、当社グループが提供する新商品又は新サービスが市場に受け入れられない可能性があります。

・新たに開発した商品又は技術が、独自の知的財産として保護される保証はありません。

・新商品の商品化遅延により、市場ニーズに対応できなくなる可能性があり、さらには同業者が当社グループより先行して商品化した場合、この商品の市場における大きなシェアを確保できない場合があります。

上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新商品又は新サービスを提供できない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(6) 企業買収、合弁事業及び戦略的事業提携等

当社グループは、各事業分野において、新サービスの提供及び新商品の開発並びに競争力の強化のため、外部企業の買収や合弁及び戦略的事業提携等を実施することがあります。このような施策は、事業遂行、技術、サービス、商品及び人事上の統合等において時間と費用がかかるなどの課題を含む場合があり、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。またこれら施策による事業の成否は、当社グループがコントロールできない提携先の決定や能力又は市場の動向によって影響を受けます。さらにこれらの施策に関連して計画以上の費用が当社グループに発生した場合や、当社グループが施策を通じて当初の目的の全部又は一部を達成できない場合、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(7) グループ外企業への依存

当社グループの販売する業務用カラオケ機器「DAM」は、当社が企画開発を行い、その生産をヤマハ㈱をはじめとするグループ外企業に委託(OEM生産)しており、これらグループ外企業と1年更新の「技術の提携」及び「仕入の提携」に関する契約を締結しております。将来的にこれらグループ外企業との契約条件が変更になったり、契約解除になった場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

 

(8) 知的財産

当社グループが提供する商品は様々な知的財産権を取得しております。一方で新たに企画開発する商品についても、第三者の知的財産権を侵害しないよう常に留意し、調査を行っておりますが、当社の調査範囲が十分かつ妥当である保証はありません。万一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より、損害賠償請求及び使用差し止め請求等の訴えを起こされる可能性並びに当該知的財産権に関する対価の支払い等が発生する可能性があります。一方、当社が所有する知的財産権につきましても第三者に侵害される可能性は存在いたします。このような場合、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(9) システムダウン

当社グループが提供するサービスは電話回線、携帯電話、インターネットさらには衛星放送等の様々なネットワークを通じて音源や映像等のコンテンツを配信又は送信しております。このため自然災害や事故等によりこれらネットワークが切断された場合、一時的にサービスの停止を招くこととなります。また、当社のハードウエアやソフトウエアの欠陥や外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入、さらに当社担当者の過誤等によって、システムダウンが発生し正常な情報の発信が行われない可能性があります。このような場合、当社グループが提供するサービスの信頼性が低下し、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(10) 情報管理

当社は、顧客個人情報をはじめとして通信カラオケにおける楽曲歌唱情報など様々な情報を有しております。また、一部事業においては個人情報を利用したサービスも展開しておりますが、当社では、従来より、個人情報をはじめとする重要情報の管理には十分に留意しております。しかしながら、今後、何らかの要因により個人情報ほかこれら重要情報が漏洩等した場合には、責任追及など社会的な問題に発展し社会的信用を失う可能性が存在いたします。このような場合、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(11) 人材の確保や育成

当社グループが今後成長していくためには、規模の拡大に見合った人材の確保と育成が必要であります。これら人材の確保又は育成ができなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(12) 固定資産及び投資の減損損失

当社グループが所有する固定資産につきましては、今後、当社グループの収益の変動によっては「固定資産の減損に係る会計基準」により損失を計上する可能性があります。 

また、当社グループが保有する有価証券及び投資有価証券については、その価格変動によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 商標等の貸与

当社は、カラオケルーム「ビッグエコー」をはじめとする様々な商標を保有し、ブランド力の向上及び価値の保護に努めております。これら商標を当社以外の者が営業等を目的に使用する場合には、原則として当社の子会社含め「商標使用許諾契約」を締結しその使用を認めております。一方、創業以来の長年に亘る取引関係に基づき当社社名の使用を認めている取引先が1社存在するほか、過去からの取引と一定の契約に基づき「ビッグエコー」の商標使用を認めている取引先が存在いたします。これらの取引先に不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。 

 

 

(14) コンプライアンス・内部統制

当社は、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に係る法令等の遵守並びに資産の保全という観点から内部統制システムの充実に努めております。またコンプライアンスについては、グループ共通の行動規範として「第一興商グループ行動規範」を制定し、経営層のみならず従業員一人ひとりがこの行動規範を遵守し、法令・社会規範・倫理に則した行動を行うよう、周知徹底に取り組んでおります。また、「グループリスク管理委員会」を設置し、この委員会の統括下でグループ会社のコンプライアンス及びリスク管理の徹底にグループ一体となって取り組んでおります。しかしながら、コンプライアンスを始めとした内部統制システムには一定の限界があるため、その目的の達成を完全に保障するものではありません。このため、将来において法令違反等が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。 

 

(15) 訴訟事件等

現時点において、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす恐れのある訴訟事件等はありません。しかしながら、当社グループの営業活動等が何らかの重大な訴訟・紛争事件等に巻き込まれた場合、その経過又は結果によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 災害などによる影響

当社グループの店舗や支店所在地を含む地域で大規模な地震や洪水、台風等の自然災害が生じた場合、被災状況によっては正常な事業活動が困難となり、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 技術の提携

当社は、下記のとおり技術の提携に関する契約を締結しております。

 

提携先

提携内容

契約期間

ヤマハ㈱

業務用音源カラオケシステムの製品開発

平成5年1月30日より1年間、以後書面による異議申し出がない限り1年毎の自動延長

 

 

(2) 仕入の提携

当社は、下記のとおり仕入の提携に関する契約を締結しております。

 

提携先

提携内容

契約期間

ヤマハ㈱

商品供給に関する契約

平成5年6月1日より1年間、以後書面による異議申し出がない限り1年毎の自動延長

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、カラオケに対するユーザーニーズを把握することを原点とし、それを分析し、映像・音源の基礎・応用技術などカラオケシステムの開発及び改良を行っており、これらの活動は当社の商品開発部及び開発管理部(当連結会計年度末人員31名)の一部が担当しております。

なお、上記は、「研究開発費等に係る会計基準」(企業会計審議会 平成10年3月13日)の「研究及び開発」に該当する活動ではありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

以下に記載しております財政状態及び経営成績の分析は、当連結会計年度末現在における当社経営陣の認識に基づいております。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、連結会計年度末における資産・負債の報告数値及び連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。

当社は、特に次の重要な会計方針が、当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)の連結財務諸表の作成において使用される見積り及び判断に対して重要な影響を及ぼすと考えております。

① 貸倒引当金

当社グループは、顧客債権(貸付金を含む。)の貸倒れによる損失の発生に備えるため、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

② たな卸資産

当社グループは、市場状況の変化により陳腐化した商品等に対してたな卸資産評価損(売上原価)を計上しております。将来において市場状況が見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。

③ 固定資産の減損損失

当社グループは、当社グループが所有する固定資産につきまして、「固定資産の減損に係る会計基準」により減損損失を計上しております。減損損失の認識におきましては、将来キャッシュ・フロー及び割引率の見積り等が必要となり、今後、固定資産の収益性が見積りより低下した場合には、追加の減損損失が必要となる可能性があります。 

④ 投資の減損

当社グループは、投資有価証券や会員権等に対して金融商品に係る会計基準に基づき減損を計上しております。将来の市況悪化や投資先の業績不振により、追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。 

 

 

(2) 業績概況

① 概況

 

セグメントの名称

平成28年3月期
(百万円)

平成29年3月期
(百万円)

増減額(百万円)

増減率(%)

売上高(外部顧客)

 

 

 

 

業務用カラオケ

68,557

67,076

△1,480

△2.2

カラオケ・飲食店舗

56,759

57,227

468

0.8

音楽ソフト

9,027

8,718

△308

△3.4

報告セグメント計

134,344

133,022

△1,321

△1.0

その他

6,966

7,618

651

9.4

連結合計

141,310

140,640

△669

△0.5

 

 

セグメントの名称

平成28年3月期
(百万円)

平成29年3月期
(百万円)

増減額(百万円)

増減率(%)

営業利益(又は営業損失)

 

 

 

 

業務用カラオケ

14,145

14,860

714

5.1

カラオケ・飲食店舗

7,158

7,536

378

5.3

音楽ソフト

189

20

△168

△89.0

報告セグメント計

21,492

22,417

924

4.3

その他

1,517

1,426

△90

△6.0

調整額

△3,123

△3,149

△25

0.8

連結合計

19,886

20,694

808

4.1

 

当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、新興国経済の減速、英国のEU離脱問題や米国の政権交代など、不安定な国際情勢のなか為替が乱高下するなど、先行き不透明な状況で推移いたしました。

当カラオケ業界におきましては、ナイト市場は依然として漸減傾向で推移しておりますが、カラオケボックス市場では、大手事業者間の競争激化の動きはあったものの、緩やかながら増加傾向が継続しております。また、成長が期待されるエルダー市場の堅調な拡大による下支えもあり、市場規模は横ばいで推移しております。

この様ななか、各事業におきまして諸施策を実施した結果、当連結会計年度の売上高は、カラオケ・飲食店舗事業及びその他事業が増収となったものの、業務用カラオケ事業及び音楽ソフト事業が減収となったことから、140,640百万円(前年同期比0.5%減)となりました。利益面におきましては、業務用カラオケ事業及びカラオケ・飲食店舗事業の増益が寄与したことから、営業利益は20,694百万円(同4.1%増)となりました。経常利益は保有資産のポートフォリオを見直したことにより営業外収益が増加したことから、22,539百万円(同6.7%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、為替変動の影響を受け時価が著しく下落した外国債の評価損や、コンテンツ制作部門の新ビル移転に伴う関連費用等を特別損失に計上したことにより11,115百万円(同11.8%減)となりました。なお、営業利益及び経常利益は過去最高となっております。

 

 

② 売上高

売上高は、前連結会計年度に比べ0.5%減少の、140,640百万円となりました。

 

(業務用カラオケ)

当事業におきましては、前期発売の「 LIVE DAM STADIUM 」が引き続き市場での高い評価を得ていることに加え、昨年10月にはナイト市場向け新商品「 Cyber DAM HD 」及びエルダー市場向け新商品「 FREE DAM HD 」の2機種を発売し、商品ラインアップの強化と拡販に注力いたしました。その結果、機器賃貸件数及びDAM稼働台数は順調に増加いたしました。また、成長分野として注力しているエルダー市場においては、民間介護施設等での導入に加え、自治体の各種施設等での導入も着実に伸長しております。

以上の結果、前期発売した新商品の初期需要が一巡した影響により、売上高は前年同期比2.2%減少し、67,076百万円となりました。

 

(カラオケ・飲食店舗)

当事業におけるカラオケルームにおきましては、大手事業者間の競争が激化するなか、引き続き既存店の活性化や従業員教育の強化に取組み、顧客満足度の向上による収益基盤の強化に努めました。飲食店舗におきましては、ブランド変更等により既存店の強化に努めるほか、カラオケルームのリソースを活かした新業態店舗等の出店を展開いたしました。また、昨年11月には顧客のインセンティブを高めた予約サイトを立ち上げるなど、集客力の向上に注力いたしました。

以上の結果、カラオケルームの既存店が昨年の夏場以降から回復基調で推移するなか、最大の商戦期である12月及び第4四半期にその兆候がより鮮明となり、売上高は前年同期比0.8%増加し、57,227百万円となりました。

 

(音楽ソフト)

当事業におきましては、当社グループが強みとする演歌作品の主力アーティストである「三山ひろし」や「水森かおり」に加え、芸道55周年を迎えた「北島三郎」などの作品が貢献いたしました。また、J-POPアーティストである「浜田麻里」や「BAND-MAID」などの作品が収益に貢献したものの、当事業環境は依然厳しい状況で推移いたしました。

以上の結果、売上高が前年同期比3.4%減少し、8,718百万円となりました。

 

(その他)

当事業におきましては、BGM放送事業において光回線を活用したBGM放送サービス「スターデジオ光」とコンシューマー向けストリーミングカラオケサービスの拡販に努めるほか、不動産賃貸、パーキング事業などが堅調に推移いたしました。

以上の結果、売上高は不動産賃貸収入やパーキング事業収入等の増加により前年同期比9.4%増加し、7,618百万円となりました。

 

③ 売上原価

売上原価は、前連結会計年度に比べ0.8%減少し、86,210百万円となりました。売上原価率は61.5%から61.3%と横ばいで推移いたしました。売上原価減少の主な理由は、業務用カラオケ事業において前期に発売した新商品の初期需要が一巡し、先行コストなどが減少したためであります。

 

④ 販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2.2%減少し、33,736百万円となりました。この主な理由は、新商品にかかる販売促進費や広告宣伝費などが減少したためであります。

 

 

⑤ 営業利益

営業利益は、前連結会計年度に比べ4.1%増加し、20,694百万円となりました。

業務用カラオケ事業の営業利益は、昨年発生しました「平成28年熊本地震」に伴う復旧支援費用に加え、営業資産の買取りコストなどの一時費用が増加したものの、安定的な収益基盤として注力している機器賃貸及び情報提供料収入の増加と販売費等の低減が奏功し、前連結会計年度の14,145百万円から14,860百万円に増加いたしました。

カラオケ・飲食店舗事業の営業利益は、新規出店や事業買収等による先行コストの減少や、新商品の償却負担減少もあり、前連結会計年度の7,158百万円から7,536百万円に増加いたしました。

音楽ソフト事業の営業利益は、前連結会計年度の189百万円から20百万円に減少いたしました。
その他の事業の営業利益は、パーキング事業等の初期投資などの増加により、前連結会計年度の1,517百万円から1,426百万円に減少いたしました。

 

⑥ 営業外損益(営業外収益及び営業外費用)

営業外収益は、前連結会計年度の2,018百万円から2,372百万円に増加いたしました。この主な理由は、保有資産のポートフォリオを見直したことにより、受取利息は482百万円減少しましたが、為替差益が766百万円増加したことによるものであります。

営業外費用は、前連結会計年度の777百万円から528百万円に減少いたしました。この主な理由は、為替差損が228百万円減少したことによるものであります。

 

⑦ 特別損益(特別利益及び特別損失)

特別利益は、前連結会計年度の25百万円から408百万円に増加いたしました。この主な理由は、固定資産譲受益が370百万円増加したことによるものであります。

特別損失は、前連結会計年度の910百万円から5,224百万円に増加いたしました。この主な理由は、減損損失が828百万円、投資有価証券評価損が3,365百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 

⑧ 税金等調整前当期純利益

これらの結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の20,242百万円から2,519百万円減少し、17,723百万円となりました。

 

⑨ 法人税等(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)

法人税等は、前連結会計年度の7,576百万円から1,033百万円減少し、6,542百万円となりました。この主な理由は、税制改正による法人税率の引き下げ及び、課税所得の減少によるものであります。

 

⑩ 非支配株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の66百万円から1百万円減少し、65百万円となりました。この主な理由は、対象となる子会社の当期純利益が減少したためであります。

 

⑪ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の12,599百万円から1,483百万円減少し、11,115百万円となりました。これに伴い、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の218.25円から193.53円となりました。

 

 

(3) 流動性及び資金の源泉

① キャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は、税金等調整前当期純利益が17,723百万円、減価償却実施額が16,187百万円、投資有価証券評価損が3,365百万円及び法人税等の支払額が6,885百万円等により、前連結会計年度に比べ5,975百万円増加し、33,076百万円となりました。

投資活動の結果使用した資金は、有形固定資産の取得による支出が16,831百万円、無形固定資産の取得による支出が3,592百万円、映像使用許諾権の取得による支出が1,764百万円及び投資有価証券の売却による収入が6,135百万円等により前連結会計年度に比べ11,103百万円減少し、16,331百万円となりました。

財務活動の結果使用した資金は、配当金の支払額が6,214百万円、自己株式の取得による支出が2,166百万円、長期借入金の返済による支出が2,467百万円及び長期借入れによる収入が2,385百万円等により、前連結会計年度に比べ1,247百万円増加し、8,546百万円となりました。

② 財務政策(資金需要及び資本の源泉)

当社グループの資金需要は、主にカラオケ賃貸機器や音楽・映像コンテンツの取得、及び店舗出店における設備資金などであります。これらの資金需要は概ねフリー・キャッシュ・フローによりまかなわれております。

また、フリー・キャッシュ・フローではまかなえない部分については、金融機関からの借入及び社債発行にて調達を行っております。

今後見込まれる資金需要に対応するため、直接・間接による資金調達の検討を行い、安定的かつ効率的な資金調達を図りたいと考えております。

 

③ 契約債務及び偶発債務

当連結会計年度末現在の契約債務の主な内容は以下のとおりであります。

 

契約債務

年度別要支払額(百万円)

合計

1年以内

1年超~3年以内

3年超~5年以内

5年超

短期借入金

2,002

2,002

1年以内に返済予定の長期借入金

12,161

12,161

長期借入金

13,268

2,562

10,706

社債

10,000

3,500

6,500

リース債務

27

16

10

0

 

これらのほか、当連結会計年度において以下の債務保証を行っております。

 

内容

金額(百万円)

販売特約店の借入債務の保証

23

合計

23

 

上記保証については、保証した債務が履行されない場合、当社グループが代わって弁済する債務を負うことになります。