(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「もっと音楽を世に もっとサービスを世に」を社是とし、「カラオケを通じた音楽文化の振
興」、「楽しいコミュニケーションの場の提供」を基本方針としております。この方針のもと、当社グループは、創業以来培ったノウハウと蓄積したコンテンツをベースに、カラオケ事業を核として、一層の事業拡大とより高い収益を確保し、当社グループのステークホルダーの期待に応え、社会貢献に資する企業を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、継続的・安定的な成長と企業価値の向上を図るため、自己資本当期純利益率(ROE)及び各事業の営業利益率を重視するとともに、1株当たり利益(EPS)の増加を目指してまいります。
(3)会社の対処すべき課題
今後の経済見通しにつきましては、新型コロナウイルスの感染拡大について、国内でのワクチン接種が開始されたものの、依然として収束を見通すことが難しいことから、引続き先行き不透明な状況で推移するものと予想されます。
当カラオケ業界におきましては、感染拡大防止のための外出自粛や行政からの各種要請の影響により、主力市場であるナイト市場、カラオケボックス市場ともしばらくは厳しい経営環境が継続するものと予想されます。
当社グループにおきましても、業務用カラオケ事業では、新型コロナウイルスの影響によって当期に減少した稼働台数の回復には、ある程度の時間を要することが見込まれます。カラオケ・飲食店舗事業においては、感染拡大防止とお客様及び従業員の安全確保の観点から、カラオケルーム内の消毒や入室人数の制限など、基本オペレーションを徹底し、お客様が安心・安全にカラオケを楽しんで頂ける環境づくりに努めておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響は2022年3月期を通じて継続すると予想されます。
このような状況において、当期より「出を抑え、入りを増やす」という方針のもと、手元資金の流動性確保に留意しつつ、店舗家賃の減免交渉など、固定費の低減を図る一方で、パーキング事業の拡大やデリバリー業態の開発など、新たな収益源の開拓に努めており、今後においてもこれを継続してまいります。
中期的な見通しとしては、カラオケは広い世代に支持される身近なレジャーとして定着しており、特に近年では超高齢社会と言われる中で、健康寿命の延伸にも寄与すると考えられていることから、カラオケの需要はコロナ禍以前の水準を回復するものと考えております。
厳しい事業環境下ではありますが、当社グループの中核事業である業務用カラオケ事業及びカラオケ・飲食店舗事業においては、カラオケの楽しさをより高めるための投資を継続し、市場での競争力及び収益力を強化することにより、コロナ収束後の躍進を目指してまいります。また、パーキング事業をはじめとした新規事業の育成にも注力し、持続的な成長を目指してまいります。
当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びこれに対応する主要な取り組みを、以下において記載しております。また、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、様々な要因によって実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの事業は、①「業務用カラオケ事業」、②「カラオケ・飲食店舗事業」、③「音楽ソフト事業」、④「その他の事業」の4事業により構成されておりますが、以下のような要因により当社グループの業績及び事業展開が影響を受ける可能性があります。
a.スナック、クラブ等やカラオケボックス店舗の閉店による業務用カラオケ市場の縮小により、業務用カラオケ機器の出荷台数や設置台数が減少し、業務用カラオケ事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
b.新商品の投入及びこれに対する市場の支持の程度により、業務用カラオケ機器の出荷台数や設置台数が変動し、業務用カラオケ事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
c.同業者との競争の激化に伴う販売量の減少及び販売価格の下落により、業務用カラオケ事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
業務用カラオケ市場の縮小や販売量の減少に備え、機器賃貸の比重を高めるとともに機器の入替えを計画的に実施することで、長期的な安定収益基盤の構築に努めております。
また、成長が期待される分野として、高齢者層の介護予防や健康増進を目的としたエルダー事業に経営資源を積極的に投入し、導入施設数の拡大に努めております。
a.出店計画に対する店舗候補物件の確保の程度により、出店数が変動し、カラオケ・飲食店舗事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
b.ユーザーニーズの変化による市場の支持の程度により、カラオケ・飲食店舗事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
c.店舗間の競争の激化に伴う客数の減少及び客単価の下落により、カラオケ・飲食店舗事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
d.社会保険や労働条件などに係る制度等の変更により、アルバイト従業員の人件費が増加し、カラオケ・飲食店舗事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
カラオケ店舗と飲食店舗の複合店舗化によりコスト削減を図り、効率的な集客確保が可能な立地を中心に出店計画を立てております。
また、安易に価格競争に走らず、ブランドごとに付加価値や特色を持たせ顧客満足を追求することで、競争力のある店舗展開を推進しております。
効率的な運営を行うため、飲食のオーダーや決済手段など、可能な限りIT化を進めております。
働きやすい環境の整備と共に、従業員からの紹介等により、人員の確保に努めております。
a.市場に支持される音楽CD、DVD等の発売の状況により、販売数量が変動し、音楽ソフト事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
b.媒体の変化による音楽CD、DVD等の販売量の減少及びインターネット等他の媒体による販売量の増加により、音楽ソフト事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
c.音楽CDの著作物は、独占禁止法で法定再販物として再販売価格維持制度(再販制度)が認められておりますが、今後独占禁止法の見直しが行われ、再販制度が廃止されると、価格競争が激化し、販売価格の低下により、音楽ソフト事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
d.上記の再販制度によって、小売店は音楽CDの販売価格を自由に設定できないことから、一定の範囲内で音楽CDを返品できる商慣行があり、販売不振のCDについては将来返品されるものがあります。当社グループは過去の返品実績などを基に適正に返品調整引当金の計上を行い、これに備えておりますが、予想外の返品が発生した場合には、音楽ソフト事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
当社グループは、演歌や歌謡曲から創出されたヒット曲の音源資産を多く保有しており、これらはカラオケの歌唱度数に貢献しております。また、カラオケでの人気からヒット曲に繋がることもあるため、音楽ソフト事業と各事業セグメントとの連携を強化することにより、当社グループの相乗効果を上げる施策を積極的に行っております。
a.駐車場の出店計画に対する候補物件の確保の程度により、出店数が変動し、パーキング事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
b.競争の激化に伴う施設数の減少及び車室単価の下落により、パーキング事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
c.放送事業者の事業の中止又は事業方針の変更により、BGM放送事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
d.有線放送等類似サービスとの競争の激化に伴う契約者数の減少及び視聴料金の下落により、BGM放送事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
パーキング事業は、認知度と利便性を追求することで他社との差別化を図り、収益性の見込める投資を行っております。また、駐車場の出店に際しては全国に広がる営業網を活かし、駅前や繁華街等の一等地への出店により、安定収益事業として確立すべく注力しております。
BGM放送事業は、様々な環境に合わせた商品構成が求められる中、衛星放送・光回線・モバイル回線を利用した業務用BGMサービスを提供し、導入する店舗・施設を拡充しております。
① 災害などによる影響
当社グループの店舗や支店所在地を含む地域で大規模な地震や洪水、台風等の自然災害が生じたり、新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が流行した場合、被災・感染状況によっては正常な事業活動が困難となり、当社グループを取り巻く市場において長期の臨時休業や営業時間短縮などにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
当社グループのリスク管理の基本方針及び管理体制を「グループリスク管理基本規程」において定め、その基本方針及び管理体制に基づき、代表取締役社長を議長とするグループリスク・コンプライアンス委員会で、事業を取り巻く様々なリスクに対する適切な対応と未然防止に努めております。
また、重大な損害の発生が予測される場合には必要に応じて「グループ危機管理規程」を発動し、代表取締役社長を本部長とする対策本部を設置しております。
② 法的規制
将来において会社法、金融商品取引法、著作権法、労働基準法、道路交通法、建築基準法、消防法、食品衛生法、未成年者飲酒禁止法ほか、様々な関連法規や規則等が改正又は変更され、新たに事業活動が制約を受けることとなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
関連法規や規則等の改正に伴い、当社グループにおける重要リスクとなり得る事象に関しては、事業セグメントごとに内部統制水準を向上させるための課題を掲げ、定期的に点検を実施しております。
また、常にカラオケ業界団体との連携を図り、関連法規や規則等の改正に伴い事業活動に支障が生じる場合には、事前に業界団体を通して関係行政機関に十分な説明を行い、理解が得られるよう努めております。
当社グループは「業務用カラオケ事業」において、商品やサービスが市場からの支持を得てきたことによりトップシェアを獲得してまいりました。しかしながら将来においても、当社グループが提供する商品やサービスが常に市場に受け入れられる保証はなく、また競争的な事業環境においてこれまでどおり優位に事業が進められない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
カラオケ商品は、豊富な楽曲数や魅力ある映像コンテンツにより優位性が保たれているため、レコードレーベルや様々なコンテンツホルダーとの強固な関係を維持することで、コンテンツの拡充に努めております。
また、提供するカラオケサービスについては全国に展開する営業体制の中で、スナック、クラブ等やカラオケボックス店舗に対し、きめ細やかな対応に徹することで顧客からの評価を得ており、更なる信頼を構築するべく体制を強化しております。
当社が取り扱う商品は一定の品質管理基準に従って製造又は提供しております。しかし、全ての商品に欠陥が無いという保証はありません。また、生産物賠償責任保険には加入しておりますが、この保険が負担する賠償額等を十分にカバーできるという保証はありません。商品の欠陥に伴い、多額のコストや賠償金が発生した場合には、当社の商品が信頼性を損ない、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
海外生産品については、日本メーカーと同等の品質基準を課しており、開発部門に所属する社員の派遣や生産時の現地立ち合い及び指導を徹底するなど品質の維持に注力しております。
当社グループが属する業界では、いずれも技術革新が急速に進んでおり、これに対応した新商品の開発や新サービスの迅速な提供が必要であります。しかしながら新商品と新サービスが成功するか否かは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。
・新商品の開発や新サービスの提供に必要な資金と資源を、今後十分に充当できる保証はありません。
・長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新商品又は新サービスの創造につながる保証はありません。
・ユーザーニーズの多様化や変化に伴い、当社グループが提供する新商品又は新サービスが市場に受け入れられない可能性があります。
・新たに開発した商品又は技術が、独自の知的財産として保護される保証はありません。
・新商品の商品化遅延により、市場ニーズに対応できなくなる可能性があり、さらには同業者が当社グループより先行して商品化した場合、この商品の市場における大きなシェアを確保できない場合があります。
上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新商品又は新サービスを提供できない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
新商品や新サービスについては、マーケティングリサーチを活用した上で、各事業セグメントへの波及効果を最大限に引き出すことを前提に市場への投下を決定しております。
当社グループは、各事業セグメントにおいて、新サービスの提供及び新商品の開発並びに競争力の強化のため、外部企業の買収や合弁及び戦略的事業提携等を実施することがあります。このような施策は、事業遂行、技術、サービス、商品及び人事上の統合等において時間と費用がかかるなどの課題を含む場合があり、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。またこれら施策による事業の成否は、当社グループがコントロールできない提携先の決定や能力又は市場の動向によって影響を受けます。さらにこれらの施策に関連して計画以上の費用が当社グループに発生した場合や、当社グループが施策を通じて当初の目的の全部又は一部を達成できない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
業務用カラオケ事業においては、カラオケ事業の安定的な収益基盤を確保する観点から、後継者不足などで経営困難な代理店・事業者に対し、その収益性を十分に吟味した上で営業資産の買い取りや企業買収等を実施しております。
またカラオケ・飲食店舗事業においては、競争力の強化を図る上で「立地の優位性」、「収益力」、「成長性」等を十分に検証した上で、時間を買う観点から有効と判断された場合に、買収や合弁及び戦略的事業提携等を実施しております。
当社グループの販売する業務用カラオケ機器「DAM」は、当社が企画開発を行い、その生産をヤマハ㈱をはじめとするグループ外企業に委託(OEM生産)しており、これらグループ外企業と1年更新の「技術の提携」及び「仕入の提携」に関する契約を締結しております。将来的にこれらグループ外企業との契約条件が変更になったり、契約解除になった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
グループ外企業への依存については、1社に集中することがないように、可能な範囲において取引先の分散化を進めております。
当社グループが提供する商品は様々な知的財産権を取得しております。一方で新たに企画開発する商品についても、第三者の知的財産権を侵害しないよう常に留意し、調査を行っておりますが、当社の調査範囲が十分かつ妥当である保証はありません。万一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より、損害賠償請求及び使用差し止め請求等の訴えを起こされる可能性並びに当該知的財産権に関する対価の支払い等が発生する可能性があります。一方、当社が所有する知的財産権につきましても第三者に侵害される可能性は存在いたします。このような場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
当社が所有する知的財産については、当社ブランドの信用性保持、他社との差別化による市場優位性を確保するため、積極的に権利取得を行っております。
また、知的財産権の取得を強化することにより他社の権利保有状況の把握にも繋がっており、特に新商品開発に際しては、第三者の権利侵害とされぬよう調査を徹底しております。
当社グループが提供するサービスは電話回線、携帯電話、インターネットさらには衛星放送等の様々なネットワークを通じて音源や映像等のコンテンツを配信又は送信しております。このため自然災害や事故等によりこれらネットワークが切断された場合、一時的にサービスの停止を招くこととなります。また、当社のハードウエアやソフトウエアの欠陥や外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入、さらに当社担当者の過誤等によって、システムダウンが発生し正常な情報の発信が行われない可能性があります。このような場合、当社グループが提供するサービスの信頼性が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
カラオケ配信について、配信センターの重要な部分は冗長化するなど、障害発生時に直接お客様の利用に支障をきたすことがないようにシステムを構成しております。
サイバー攻撃への対策として、ファイアウォールの設置、メールセキュリティサービスやウィルス対策ソフトの導入などにより、最大限の注意を払っております。
当社は、顧客個人情報をはじめとして通信カラオケにおける楽曲歌唱情報など様々な情報を有しております。また、一部事業においては個人情報を利用したサービスも展開しておりますが、当社では、従来より、個人情報をはじめとする重要情報の管理には十分に留意しております。しかしながら、今後、何らかの要因により個人情報ほかこれら重要情報が漏洩等した場合には、責任追及など社会的な問題に発展し社会的信用を失う可能性が存在いたします。このような場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
個人情報は、社内規程により利用することが可能な端末を限定した上で、アクセス権限の管理を厳格に行っております。
また、前項にて説明した通りサイバー攻撃に備えた対策も整え、最大限の注意を払っております。
当社グループが今後成長していくためには、規模の拡大に見合った人材の確保と育成が必要であります。これら人材の確保又は育成ができなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な取り組み)
定期的な人員募集を行い、当社グループの事業活動について相互理解を深めた中で、魅力的な人材を採用しております。
また、従業員の安全と衛生を確保し働きやすい職場環境を整えると共に、個人が能力を最大限に発揮できるよう教育・研修の充実に努めております。
当社は、カラオケルーム「ビッグエコー」をはじめとする様々な商標を保有し、ブランド力の向上及び価値の保護に努めております。これら商標を当社以外の者が営業等を目的に使用する場合には、原則として当社の子会社を含め「商標使用許諾契約」を締結しその使用を認めております。一方、創業以来の長年に亘る取引関係に基づき当社社名の使用を認めている取引先が1社存在するほか、過去からの取引と一定の契約に基づき「ビッグエコー」の商標使用を認めている取引先が存在いたします。これらの取引先に不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
現時点において、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす恐れのある訴訟事件等はありません。しかしながら、当社グループの営業活動等が何らかの重大な訴訟・紛争事件等に巻き込まれた場合、その経過又は結果によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。なお、文中の分析に関する事項は、当連結会計年度末現在における当社経営者の認識に基づいております。
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による外出自粛や休業・時短要請等により、景気が急速に悪化いたしました。政府による各種政策の実施等により、個人消費持ち直しの兆しも見られたものの、1月には2度目の緊急事態宣言が発出されるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当カラオケ業界におきましても、緊急事態宣言とそれに伴う休業・時短要請等により、ナイト市場・カラオケボックス市場ともに多くの店舗が長期間の休業あるいは時短営業を余儀なくされるなど、コロナ禍の影響が長期化しており、厳しい経営環境が継続しております。
このような状況のなか、当社グループにおきましても、感染拡大防止とお客様及び従業員の安全確保の観点から、4月にはカラオケ・飲食店舗事業において1か月以上にわたり全店舗を休業としたほか、一時的に営業部門や本社業務を縮小するなどの対応を行いました。6月中旬以降は店舗も含め概ね通常通りの営業体制となり、秋口には回復基調も見られたものの、いわゆる第2波、第3波といった感染拡大に加え、1月には2度目の緊急事態宣言が発出されるなど、中核事業である業務用カラオケ事業及びカラオケ・飲食店舗事業のいずれにおいても、年度を通じて新型コロナウイルス感染拡大のマイナス影響が継続したことから、手元資金の流動性を確保し財務基盤強化を図るとともに、コスト削減等、収益の改善に努めました。
なお、コロナ禍における緊急事態宣言や各種要請を受け、こうした対応に起因する費用を「新型コロナウイルス関連損失」として、8,883百万円を特別損失に計上したほか、店舗の固定資産及びのれん等の減損損失として12,606百万円を特別損失に計上しております。
また、雇用調整助成金や時短協力金をはじめとする各種給付金を「助成金収入」として、3,781百万円を特別利益に計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は93,316百万円(前年同期比36.2%減)、営業損失は2,693百万円(前年同期は19,058百万円の利益)、経常損失は1,194百万円(前年同期は20,133百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、18,782百万円(前年同期は12,555百万円の利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当事業におきましては、コロナ禍の影響により顧客店舗であるスナック・バーなどのナイト店舗やカラオケボックス店舗の多くが長期間の休業や時短営業を余儀なくされ、緊急事態宣言解除後においても集客に苦戦を強いられたことから、機器賃貸料収入及び情報提供料収入において、事業者支援の観点から一部減免の施策などを実施いたしました。また、顧客店舗に対しては、感染予防関連商品の提案・販売など、集客支援の一助となるべく取組みを実施しております。介護施設等のエルダー市場では施設への出入りが制限されるなかで、高齢者の機能訓練に対するカラオケ活用のニーズは高まっており、YouTubeチャンネルの開設やリモート営業など、現状に対応したサービスの提供に努めました。
以上の結果、コロナ禍の影響により、2019年10月に発売した「LIVE DAM Ai(ライブダムアイ)」を含め商品出荷が軟調に推移したほか、顧客店舗の休業や減免対応による機器賃貸料収入及び情報提供料収入の一時的な減少、及び閉店や減室に伴う稼働台数減少などの影響により、売上高は前年同期比20.9%の減収となり、営業利益は前年同期比20.4%の減益となりました。
なお、減免施策に係る固定費1,887百万円を「新型コロナウイルス関連損失」に振替え計上しております。
(カラオケ・飲食店舗)
当事業におきましては、4月から5月にかけて1か月以上にわたり全店舗の臨時休業を行い、グループ共通の感染予防対策を実施のうえ、6月中旬には概ね全店で営業を再開いたしました。その後、感染第2波の影響で一旦状況は後退したものの、9月から11月にはGo To Eatキャンペーンの後押しもあって回復基調で推移いたしました。
しかしながら、11月後半からの感染再拡大の影響により、最大の繁忙期となる12月においては企業をはじめとした忘年会自粛の動きが顕著となったほか、1月には首都圏を中心に2度目の緊急事態宣言が発出されたことにより、多くの店舗において時短営業あるいは休業の対応が期末まで継続いたしました。
このような状況を受け、当事業ではコストの削減と新たな収入の獲得に注力しております。コスト削減に向けては、店舗家賃の減免交渉など固定費の低減に努めるとともに、コロナ収束後における各店舗の収益性を検討し、カラオケ43店舗、飲食25店舗の閉店を行いました。一方で新たな収入の獲得に向け、学生・若年層をターゲットとした「メガビッグカラオケ」や、東京・丸の内エリア初の大型エンターテインメントスペースとなる「MARUNOUCHI BASE」など厳選のうえ、カラオケ16店舗、飲食8店舗を出店いたしました。また、カラオケルームをテレワークスペースとしてご活用いただくテレワークプランの推進や、既存の飲食店舗のキッチンを活用したデリバリー専門業態として「壱の釜飯」ほか13業態を立ち上げるなど、新業態の開発及び新規顧客の開拓に努めております。
以上の結果、売上高は前年同期比59.6%の減収となり、12,088百万円の営業損失となりました。
なお、休業期間中の店舗の固定費6,935百万円を「新型コロナウイルス関連損失」に振替え計上しております。
当事業におきましては、新型コロナウイルスの影響による新曲の発売延期などの影響を受けるなか、販売費等のコストコントロールに努めました。
以上の結果、売上高は前年同期比14.4%の減収となったものの、営業費用が減少したことにより、営業利益は前年同期比45.3%の増益となりました。
当事業におきましては、外出自粛に伴う巣ごもり需要により、家庭用カラオケサービス「カラオケ@DAM」は好調に推移したものの、飲食店・カラオケ店への設置が多いBGM事業などにおいてはコロナ禍のマイナス影響を受けております。
新規事業として「ザ・パーク」ブランドで推進しておりますパーキング事業におきましては、感染拡大時には外出機会減少による稼働の低下が見られたものの、駐車場の新規開設が好調に推移しており、当期末においては1,200施設、14,000車室を超える規模にまで拡大しております。
以上の結果、売上高は前年同期比2.3%の減収となり、営業利益におきましては、前年同期比64.2%の減益となりました。
営業外損益及び特別損益等の主な内訳は、次のとおりであります。
営業外費用は、当連結会計年度559百万円となり、前連結会計年度344百万円から214百万円増加いたしました。この主な理由は、借入金の増加に伴い「支払利息」が93百万円増加し、また、自己株式の取得により「支払手数料」が76百万円増加したことによるものであります。
特別損失は、当連結会計年度21,722百万円となり、前連結会計年度1,658百万円から20,064百万円増加いたしました。この主な理由は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、「減損損失」が11,355百万円増加し、「新型コロナウイルス関連損失」を8,883百万円計上したことによるものであります。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ5,228百万円増加し、186,795百万円となりました。
増減の主なものとしては、流動資産では、現金及び預金が20,516百万円増加しております。
固定資産では、カラオケ賃貸機器が3,108百万円、カラオケルーム及び飲食店舗設備が8,433百万円及びのれんが2,807百万円それぞれ減少しております。
負債の部につきましては、前連結会計年度末に比べ35,403百万円増加し、80,765百万円となりました。
これは主に、流動負債の短期借入金が15,209百万円、固定負債の長期借入金が21,040百万円それぞれ増加したことによるものであります。
純資産の部につきましては、前連結会計年度末に比べ30,174百万円減少し、106,030百万円となりました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失による利益剰余金の減少18,782百万円、剰余金の配当による利益剰余金の減少6,325百万円及び自己株式の取得による減少6,368百万円によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ20,447百万円増加し、67,680百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの概況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、税金等調整前当期純損失が18,604百万円、減価償却実施額が15,057百万円、減損損失が12,606百万円及び法人税等の支払額が2,007百万円等により、前連結会計年度に比べ20,399百万円減少し、7,755百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、有形固定資産の取得による支出が5,797百万円、無形固定資産の取得による支出が3,139百万円及び映像使用許諾権の取得による支出が924百万円等により、前連結会計年度に比べ11,890百万円減少し、9,539百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、長期借入れによる収入が31,850百万円、配当金の支払額が6,363百万円及び自己株式の取得による支出が6,368百万円等により、22,174百万円(前連結会計年度は15,872百万円の使用)となりました。
(4) 経営指標の状況
当社グループは、経営指標として具体的な数値目標は設けておりませんが、自己資本当期純利益率(ROE)と各事業の営業利益率を重視するとともに、1株当たり当期純利益(EPS)の増加を目指しております。
(注) %ptはパーセントポイントを表しております。
当連結会計年度における各経営指標の増減要因は、次のとおりであります。
(自己資本当期純利益率(ROE))
自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度から25.2%pt減少し、△15.7%となりました。その主な要因は、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、カラオケ・飲食店舗事業において売上が大幅に減少し、営業損失となったことに加え、店舗設備及びのれん等の減損損失を計上したこと及び2度の緊急事態宣言に伴う休業・時短要請等への対応に起因した費用を「新型コロナウイルス関連損失」として特別損失に計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益が前連結会計年度は12,555百万円の利益であったのに対し、当連結会計年度は18,782百万円の損失となったことによるものであります。
(各事業の営業利益率)
各事業の営業利益率の増減要因については、「(1)経営成績の状況」におけるセグメントごとの経営成績に関する記載をご参照ください。
(1株当たり当期純利益(EPS))
1株当たり当期純利益(EPS)は、前連結会計年度から560円41銭減少し、△338円54銭となりました。その主な要因は、自己資本当期純利益率(ROE)の減少要因と同様であります。
(5) 生産、仕入、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.無形固定資産「音源映像ソフトウエア」の制作状況は次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.業務用カラオケにおきまして、音源映像ソフトウエアの制作状況に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、生産が減少したことによるものであります。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額は仕入価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2.各セグメントにおきまして、仕入実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、販売実績が減少したことによるものであります。
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.いずれの相手先に対する販売実績も総販売実績の100分の10未満であるため、主要な販売先の記載は省略しております。
3.各セグメントにおきまして、販売実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染拡大の影響によるものであります。詳細につきましては、「(1)経営成績の状況」に記載しております。
① 主要な資金需要及び財源の状況
当社グループの主な運転資金需要は、商品や食材等の仕入、通信カラオケ等へのコンテンツ配信サービスの維持コスト、店舗の運営費用並びに販売費及び一般管理費などであります。また、主要な設備資金需要は、カラオケ賃貸機器や音楽・映像コンテンツの取得、店舗の出店及び改修などであります。
当社グループの主な自己資金の源泉は、代金を毎月回収する通信カラオケの機器賃貸及び情報提供の収入に加え、現金売上が大半を占めるカラオケルーム及び飲食店舗の収入であり、これら営業活動によるキャッシュ・フローから安定的に供給される資金により、経常的な資金需要は賄われております。また、自己資金では賄えない資金需要については、金融機関からの借入及び社債発行により資金調達を行っております。
② 資金の流動性に係る分析
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、カラオケ・飲食店舗事業において長期間の休業あるいは時短営業を余儀なくされたほか、業務用カラオケ事業において事業者支援の観点から機器賃貸収入及び情報提供収入の一部減免を実施するなど、各事業の業績に年度を通じてマイナスの影響が継続したものの、資金面においては、「出を抑え、入りを増やす」という方針のもと、業務用カラオケ事業の底堅い収入を背景に、コスト削減と新たな収入の獲得に注力した結果、営業活動によるキャッシュ・フローでは手元資金の増加を維持しており、設備投資資金についても、その大半を営業活動によるキャッシュ・フローで賄えております。
また、新型コロナウイルス感染拡大による業績影響を鑑み、グループ経営の安定化を図るべく手元資金を厚くすることを目的として、2020年5月に300億円の借入を実施いたしました。これにより、現金及び現金同等物の期末残高はコロナ禍以前より高い水準にあり、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。
なお、当社グループでは、手元資金の有効活用を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、各社の余剰資金を当社へ集約することで一元管理を行っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるよう、金融機関とコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
5.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を2019年3月期の期首から適用しており、2017年3月期及び2018年3月期の自己資本比率(時価ベース含む)については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値となっております。
(7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)に基づき、各資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画を考慮して見積っております。また、減損損失の金額の算定に使用する回収可能価額は、主に使用価値により算定しておりますが、その際に用いられる割引率は、貨幣の時間価値と将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離するリスクを反映したものであり、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっております。
当該見積り及び当該見積りに用いた仮定について、将来の不確実な経済情勢の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)に基づき見積っております。
当該見積り及び当該見積りに用いた仮定について、将来の不確実な経済情勢の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社は、下記のとおり技術の提携に関する契約を締結しております。
当社は、下記のとおり仕入の提携に関する契約を締結しております。
当社グループは、カラオケに対するユーザーニーズを把握することを原点とし、それを分析し、映像・音源の基礎・応用技術などカラオケシステムの開発及び改良を行っており、これらの活動は当社の商品開発部及び開発管理部(当連結会計年度末人員37名)の一部が担当しております。
なお、上記は、「研究開発費等に係る会計基準」(企業会計審議会 平成10年3月13日)の「研究及び開発」に該当する活動ではありません。