第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.経営理念

誠実(Sincerity)に生き

情熱(Passion)を持って仕事をし

親切(Kindness)な対応ができる

企業人の集団

 

2.経営方針

(1)持続可能な収益力の維持、伸長

①最重要経営指標は売上高営業利益率(連結)であると捉え、4.5%を安定的に上回ることを目標にします(当期は5.0%です)。

②自動車業界の変革の波(EV化/CASE)に対して、SPKの経営理念の下、しっかりと対応できる人材の育成と新しいビジネスモデルや商品の開発、販路の深掘りにチャレンジしてまいります。

 

(2)積極的な株主還元の実施

①ステークホルダーへの感謝の気持ちを念頭に、「理念経営」を実践して、業績に連動した積極的な株主還元を実施します。

②当期(2022年度)末配当は24円配当となり、通期では44円配当になります。

 過去の実績は以下のとおりです。

   年 度

00

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

 配当(円)

26

28

30

32

34

37

40

43

47

49

51

53

55

57

59

61

63

65

67

72

37

40

44

 当社は、2020年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割を実施しております。2019年度末以前の配当については当該株式分割前の実際の配当金の額を記載しております。

③次期(2023年度)の配当は中間3円、期末3円増配し、通期で6円増配の50円の配当を予定しております。これが実現しますと実質26期連続の増配となります。

 

(3)経営の先進性の追求

①監査等委員会を設置することにより、取締役会の監督機能の強化によるコーポレートガバナンスの一層の充実を図り、一元的で分かり易い機関設計を実現しております。

②取締役(監査等委員であるものを除く。)の任期を1年とするとともに、すでに役員退職金制度を廃止して、緊張感をもって職務にあたっております。

③環境、社会貢献、ガバナンスへの取組みを通じて、SDGsへの貢献を果たしてまいります。

 

3.経営環境

当社グループの経営環境は、国内、海外ともに、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に落ち着きを見せる一方で、半導体を始めとした部材不足や価格高騰、物流の混乱などが重なり、更にはウクライナ情勢の長期化が懸念されるなど、当社の事業領域である自動車アフターマーケット市場や建機・産業車輌市場においても依然予断を許さない状況が続いております。

しかしながら、当社グループは100年を超える歴史を有しており、その中で培ってきた下記のような経営資源や競合他社にはない競争優位を活用し、当該経営環境を乗り越えてまいります。

 

その経営資源や競争優位ですが、国内営業本部は全国1,000社の自動車部品商を通じ、メーカー・モデルを問わず、あらゆる国産車・輸入車を対象に、補修部品・用品を供給しており、そのために、札幌から沖縄まで全国19箇所の営業拠点を配置し、国産だけでも3万点を超える部品の在庫品揃えをもって、お客様の要望には即時に応えられる体制を整えています。また、輸入車部品に関しては大阪・東京のグローバルアフターマーケットセンターを軸に、海外調達部品の流通を行なっています。

また、日々変貌するアフターマーケットの環境に適応し、市場に新たな付加価値をもたらすために、商品開発に特に積極的に取り組んでいます。開発は機能部品を中核に据えつつも、付加価値の高い電子部品や、車載コンピューター診断機等、整備市場の発展に不可欠な製品・システムも合わせて販売しております。

 

海外営業本部は世界の日本車市場に向けて自動車部品の輸出を行っております。創業以来培った自動車整備・補修部品販売のノウハウを生かし、80か国・350社以上の顧客に高品質な製品・サービスの提供しています。また、シンガポール・マレーシア・タイ・中国広州・オランダ・米国に現地法人を構え、より地域に密着したサポートや商品開発を積極的に推進し、多様な市場ニーズへの対応を実現しています。

カーメーカーの生産拠点のグローバル化に伴い、世界の日本車市場は拡大の一途をたどっておりますが、この時代の変化に適応すべく、独自のグローバルネットワークを生かして更なるサービス向上に邁進しています。

 

工機営業本部は建設車輌をはじめ農業車輌やフォークリフト等の産業車輌を生産する大手製造メーカー様向けに生産材・部品を供給しています。

主たる取扱商品は、多機能ディスプレイ等電装部品、統合スイッチ・ダイヤル等機構部品から各種ランプ・フィルターまで幅広い商品群を備えるとともに、特に環境と安心分野に注力し、パートナー企業と電動化、コネクト、自動省人化商品の提案・開発を推進しております。

グローバルに展開するビジネスに歩調を合わせ、グローバル調達比率を増やしながら提案営業を実践し、環境負荷の低減、作業環境の高効率化、事故の無い安心安全社会の実現に向け邁進しております。

 

CUSPA営業本部はカスタマイズドパーツ、モータースポーツ関連の商品を中心に、自動車メーカー、カスタマイズブランドメーカー、自動車用品卸商、自動車用品量販店、カーディーラー、専門店等へPB品、NB品、及びOEM品を供給しています。

難しい市場環境下ではありますが、総輸入権や独占代理権の獲得、新規事業の立ち上げ、新規商材の投入など強みを磨きつつ市場の環境変化に柔軟に対応、取扱商品・販路の拡大や新規チャレンジを絶えず継続しながら事業推進しています。

 

4.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループでは、新型コロナウイルス感染症が収束に向かう一方で、半導体を始めとした部材不足や価格高騰、物流の混乱などに加え、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化懸念は引き続き課題として捉えております。

国内営業本部では、車検整備による消耗部品の交換需要が一定量見込める一方、世界的な半導体供給不足による新車販売台数の減少やそれに伴う中古車販売台数の減少、また自動車業界の100年に1度と言われる大変革なども、売上減少につながる可能性があります。

海外営業本部は約80ヵ国の取引先と商売をしており、各国において新型コロナウイルス感染症の影響が収束し始めて受注が大きく回復してきましたが、一方でロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー価格の高騰は混迷を深め、それが各国の経済を直撃することで外貨取引規制に繋がり日本からの輸出に影響を及ぼすことが懸念されます。

工機営業本部では、取引している多くの国・地域の顧客車輛メーカーが、新型コロナウイルス感染症の影響による停滞から脱し、欧米市場中心に大幅な回復がみられる一方、世界的な物流の混乱や半導体・他部材不足は収束しておらず、それが顧客・取引先生産に影響を与え、業績悪化に繋がるリスクがあります。

CUSPA営業本部では、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い各種イベントに注力したことで販売機会・プロモーション機会も回復してきましたが、半導体不足や為替変動のリスクは継続しており、商材の不足や輸入商材や輸入コスト高騰が業績に影響を与える可能性があります。

 

このような状況下における当社グループの課題は、自動車補修部品・建機・産業車輌部品の供給というライフラインを守ることであり、この不透明な環境の中での財務上の課題は手元流動性と経営の安定性を高めることです。そのため当社では、2020年5月に邦銀5行と当座貸越契約を締結し、合計25億円の資金調達枠を確保しております。またこの資金調達枠とは別に、2023年3月には邦銀4行より合計13億円を借り入れております。

 

5.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループにおいて重要と位置付ける経営指標は、売上高営業利益率であると捉え、4.5%を目標としております。当連結会計年度の売上高営業利益率は5.0%(前年同期比0.7ポイント増加)でした。引き続き、これらの指標が改善されるよう取り組んでまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

①リスク及び機会に対するガバナンス体制

リスク及び機会に対するガバナンス体制としては、取締役会が意思決定機関となります。当社の取締役会は社外取締役3名を含めた9名で構成されており、原則月1回程度開催しています。取締役会では気候変動問題や人的資本を含む、経営に関わる重要事項を協議・決定するとともに、各取締役から職務執行状況の報告を受けることで、取締役相互の職務執行の監督を行っています。環境、脱炭素社会への適応や人材育成、多様性の確保等、気候変動問題や人的資本に対する計画と実績は、各営業本部毎の定例会議や経営会議等の各種会議体を通じて管理し、最終的に取締役会にて監督しています。

②リスク及び機会に対する経営の役割、責任、モニタリング(レポーティング)方法

社長は取締役会議長として、取締役会にて経営に関する重要事項を協議・決定するとともに業務執行状況の報告を受けます。自動車部品の専門商社としてグローバルに事業展開をする当社にとって、気候変動問題や人的資本は事業に多大な影響を与える可能性があるとの認識のもと、取締役会での協議・決定事項については社長が最終責任を負います。

具体的な意思決定事例としては、環境、脱炭素社会への適応を明記した、中期経営計画「LAUNCH FOR THE FUTURE!」の策定や人事制度改革(MBOの導入等)、今年度計画している賃金引上げ(ベースアップ・管理職手当)等が挙げられます。

また取締役副社長管理本部長は気候関連問題や人的資本に関する対応策の推進と進捗管理の責任を負っており、主に中期経営計画に基づいてモニタリングを実施し、四半期に1回程度、各種会議体等で報告をしています。

 

(2)戦略

①気候関連シナリオ

当社グループでは、移行シナリオとして1.5℃シナリオであるIEA NZE2050を参照しています。TCFD提言の要請に基づき、外部専門家の助言も踏まえたうえで、気候変動が当社グループに与えるリスク・機会および2050年時点の戦略のレジリエンスの必要性を検討することを目的に実施しました。

なお、世界のGHG排出量が現在より増加する4℃シナリオについては、今後の世界的なGHG排出量の推移を見つつ、情勢に応じて検討していく必要があると考えております。

②戦略のレジリエンス

気候関連問題は、自動車部品商社である当社にとって大きな影響が及ぶもので、今後自動車のEV化やCASEの進展に繋がり、部品の点数が半数以下に減ることや部品それ自体が大きく変化することが想定されます。このことは、国産車だけでも3万点を超える部品在庫を有する当社にとっては、大変大きな事象です。更に炭素税やカーボンプライシングの問題がそれを加速させる可能性もあります。ついては、当社は事業再編等を通じて、EV化やCASEに適応できるようにしていくことやリビルトやリサイクル部品等にも精通できるよう努めております。また温暖化の進展が緩やかとなるように、シナリオ分析を通じて脱炭素に取り組み、影響を低減できるように努めてまいります。一例としては大型拠点を主体とした太陽光発電システムの導入と合せ、各拠点へのEV・畜充電設備の導入や再生可能エネルギー由来電力の活用を、ノウハウを有する伊藤忠商事とともに推進。最終的にはカーボンニュートラル実現を目指していきます。

 

また、当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下の通りであります。

(a)人材育成方針

当社グループは、企業の存続、成長にとって最も重要なものの一つとして「人材」を掲げています。会社のロゴでもある「誠実(Sincerity)に生き、情熱(Passion)を持って仕事をし、親切(Kindness)な対応ができる企業人の集団」という経営理念のもと、多様な社員一人ひとりが個性や能力を発揮し、働きがいをもって活躍できる人材育成に取り組んでいます。

(b)社内環境整備方針

当社グループは、人材を持続的な成長を支える基盤と捉えています。そのためには、人種、国籍、性別、年齢などに関わらず、ジェンダーフリーで、事業を支える人材一人ひとりの価値観や個性を認め、多様性を尊重していくことが大切であると考えています。

 

(c)概要及び考え方

自動車部品商社である当社において、人材戦略は他社との差別化を図り、企業価値の最大化に繋げる最重要項目の一つと捉えております。具体的には、個の力の最大化を図る“人材育成”、社員のモチベーションや定着率アップへと繋がる“従業員エンゲージメント”、多様性を活かし公正な評価を実現する“ダイバーシティ”、従業員やその家族が安心でき、労働生産性の向上に繋がる“健康・安全”の4項目を掲げ、それぞれに指標となる項目を定め、中長期のスパンで着実に向上させていきたいと考えております。

 

(3)リスク管理

気候変動並びに人的資本を含むすべてのリスクと機会については、月1回程度開催される取締役会や経営会議、各営業本部毎の定例会議等の各種会議体を通じて、把握・評価しています。地域別、組織別、商品別等のリスクと機会は、各部門で抽出し、影響を考慮して各種会議体に報告のうえ、対応方針を検討・決定しています。その後、本社管理本部と各部門が相互に連携し、迅速な対応を実施します。また、管理本部が中心となって、短期・中期・長期の気候関連や人的資本のリスクと機会を特定・評価し、社長並びに各営業本部と連携して対策を検討しています。対応状況は、管理本部および関係する各営業本部の本部長(役員)が、当社ビジネスの上流・下流も含めて、報告、議論によりモニタリング・レビューしています。なお、迅速な対応を必要とする重要なリスクと機会については、社長に報告し、取締役会を経て、対応策を決定しています。これらのプロセスは多専門的全社的なリスク管理プロセスに気候変動問題や人的資本のリスクを統合したもので、このプロセスを通じてリスクを年に複数回評価しています。取り組むべきと決定したリスクと機会は、年に1回開催する「経営方針発表会」、3年に1度策定する「中期経営計画」、およそ10年タームの「長期ビジョン」に統合し、各担当部門で対策を実施します。実際に環境・気候変動関連のリスク対応として、R&D室の創設(2024年度)やPL保険の見直し、作業現場での熱中症対策などがあり、人的資本においては人事制度改革や賃金改定(2023年度)、研修制度の整備等が挙げられます。

 

当社グループのリスク・機会の概要と事業及び財務への影響は以下の通りです。

 

リスク・機会

概要

時間的視点(注)

事業及び財務への影響

リスク

国内及び海外の炭素税導入やカーボンプライシングへの取組強化

中期

直接・間接的にコスト増

欧米を始めとするガソリン車の販売規制によりEV化への加速が想定されるが、それに伴い部品点数の大幅減や既存品からEV/CASE商品へのシフトを迫られる可能性がある

中期から長期

売上減や研究開発費など経費増に繋がるリスク

市場

排出ガス抑制への活動が投資家などに不十分と捉えられた際のレピュテーショナルリスク等

中期

マーケット対策費などのコスト増

気候変動に起因する自然災害による倉庫・事業所の損害、商品毀損

短期

商品に対しての保険による毀損額カバーなど

気候変動に起因する夏場の熱中症等のリスクや感染症の罹患による倉庫・事業所の機能不全

中期

熱中症や感染症への対策費等

機会

グローバルな事業展開の下で、EV/CASE用の商品・サービスやリビルト・リサイクル部品の活用の需要が高まることが想定される

中期

新たな分野の開拓のための研究開発費やアライアンス費用の増大等

リスク

 

労働力人口減少に伴い、人材確保が難しくなり、採用費など人材の維持・確保にかかる費用の上昇や人員不足に陥ってしまう可能性がある。

中期から長期

直接・間接的にコスト増。また人員不足になるとビジネスモデルにも影響。

若年層を含む多様な人材の維持・確保に向けて、公平で多様な人材に適応した人事制度や育成の仕組作り、従業員のエンゲージメント向上や健康・安全に資する取組などへの注力(経営資源の投入)が必要となる。

中期

人事制度や育成などの仕組作りのため直接・間接的にコスト増。

機会

人材確保や育成のためのインフラ整備を整えることにより、モチベーションの高い優秀な人材の採用や定着化が可能となる。また働き方改革等を進めていくことにより企業ブランドの構築にも資することができる。

中期から長期

仕組作りのため直接・間接的にコスト増になるが、成功すれば競争力強化に繋がる。

(注)短期1年、中期3年、長期5年以上。

 

(4)指標及び目標

①気候関連リスク・機会の管理に用いる指標及び目標について

a.Scope1,2のGHG排出量削減目標

当社は1.5℃シナリオの実現に向け、目標年である2050年度に連結ベースでのGHG排出量(Scope1,2)の実質ゼロを目標として掲げております。また、中間目標として2030年度には2021年度(基準年)のGHG排出量1,326.02t-CO2の22.5%に当たる298.35t-CO2の削減を目指しています。

b.実績並びにその他の指標

Scope1,2のGHG排出量実績並びに事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー使用実績および比率

 

 

 

(単位:CO2換算トン)

基準年

2021年度(*1)

実績

2022年度(*1)

再生可能エネルギー使用実績

2021年度

2022年度

1,326.02

1,311.60

4.29MWh

(0.31%)(*2)

18.79MWh

(1.38%)(*2)

(*1)数値は概算値。連結対象の海外現地法人5社(売上比率16%)については、データ収集困難なため、同じ卸売業を行う提出会社単体の使用量から推計して連結ベースとして算出しております。

(*2)グループ消費電力量 2021年度:1,393.57MWh 2022年度:1,361.23MWh

 

②排出量削減に向けての主な取組状況と今後の課題

a.主な取組状況

・2021年11月 近畿営業所の新築移転に伴い、太陽光パネル設置。また営業車としてEV1台導入

・2022年5月 東京営業所にEV2台導入。蓄電設備等を整えるとともに2023年2月に太陽光パネルを設置(伊藤忠商事との協業による実証実験)

・2022年9月 名古屋営業所に太陽光パネル設置。同営業所は本件によりNearly ZEBの認証を取得

・2023年9月 竣工予定の新本社ビルについては、省エネ設備を駆使しZEB READYを取得予定

今後、他の営業所等において、営業車をHV/EVへと入替を進めるとともに、効果を検証しつつ太陽光パネルの設置や省エネルギー化を推進していき、更には再生可能エネルギー由来の電力購入などについても検討を進めて参ります。

b.Scope3の取組等について

リビルト、リサイクル事業者とのM&Aやアライアンス、協業等を進め、商品ライフサイクルにおけるGHG排出量削減を目指します。また一部商品で用いられているプラスチックボトルの削減、代替品の活用等についても検討を進めて参ります。

なお、上記以外のScope3の取組や算定等については今後の検討課題と致します。

 

また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。(*1)

目的

指標

(項目)

目標

実績

2023年度

2021年度

2022年度

人材育成

次世代幹部研修

12名

21時間/人

11名

24時間/人

総研修費用

5,500千円

4,502千円

4,987千円

従業員エンゲージメント

社員持株会入会比率

73.3%

87.8%

離職率(*2)

10.0%以下

11.5%

10.1%

ダイバーシティ

女性社員比率(*3)

30%

17.6%

19.7%

外国人社員比率

1.9%

2.2%

障がい者雇用率(*4)

2.30%

0.85%

2.19%

健康・安全

平均残業時間(*5)

15.0時間

20.0時間

21.2時間

ストレスチェック

受診率

100.0%

95.2%

99.9%

(*1)当該指標及び目標、実績などについては、連結グループ内で主体的に取り組んでおり、主要な事業を営む提出会社(グループ売上の78.9%を占める)を対象として開示しています。

(*2)離職率は常用労働者を対象とし、厚生労働省の定義を参考に下記の算定式を適用しています。

常用労働者の年間離職者数÷1月1日現在の常用労働者数×100(%)

(*3)女性社員比率は、女性活躍推進法で定めた目標時期に合せ2026年度目標を記載しています。

(*4)障がい者雇用率は厚生労働省宛の「障がい者雇用報告書」に基づく実績(6月1日時点)を記載しています。

(*5)平均残業時間は管理職を除く正社員を対象にしています。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断しております。

1.輸出に伴うリスクについて

当社グループの売上高に占める輸出割合は、2022年3月期33.9%、2023年3月期36.1%であり、アジア、中南米、中近東等、日本車の保有台数が多い発展途上国の輸入業者を主な販売対象としております。これらの地域では、これまでに政治的、経済的な混乱による市場環境の悪化や現地通貨の下落が何度も発生しており、これに伴い当社の海外営業本部の業績は影響を受けております。

当社グループは、このような不安定な輸出環境に伴うリスクを完全に回避することは不可能と考えており、輸出取引は原則として円建てとしておりますが、外貨建取引の場合には為替変動リスクを軽減する目的で包括的な先物為替予約を行っております。

 

2.完成車メーカーの海外現地生産台数増加による影響について

当社グループは海外の日本車市場に向けて日本から補修用自動車部品等を輸出しておりますが、日本の完成車メーカーの海外での現地生産化が進むことで現地での部品調達や部品メーカーの現地生産が増加する半面、日本からの輸出市場が縮小し、当社グループの業績が影響を受けるリスクがあります。

このリスクを回避するため、当社グループでは海外現地法人を活用し、現地での調達・供給網を構築しております。

 

3.自動車保有台数の減少による影響について

当社グループの主要取り扱い商品である補修用自動車部品の需要動向は、自動車部品が使用と経年により消耗・劣化することから、自動車保有台数の動向に影響を受けていると考えております。

自動車保有台数は、2012年からの10年間で約300万台増加しておりますが、何らかの理由により自動車の保有台数が減少に転じた場合や自動車保有台数の増加率が鈍化した場合には、補修用自動車部品の需要が減少し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

この自動車保有台数の減少等による影響を軽減するために、当社グループでは付加価値の高い商品やニーズに合った新規商材の開発、新規事業領域の開拓を行っております。

 

4.自動車の電動化による影響について

現在、環境問題への対応のための自動車の電動化が世界的な課題となっております。この電動車は、従来のガソリンエンジン車・ディーゼルエンジン車といったレシプロエンジンの自動車に比べて部品点数が減少すると言われております。従って電動車が普及することにより、当社グループが取り扱う補修用自動車部品等の市場が縮小し、当社グループの業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。

このリスクを軽減するため、当社では自社ブランドの開発や、メーカーとの共同開発によって、より付加価値の高い商品の開発を行っております。

 

5.取引先の減産による影響について

工機営業本部では建設車輌をはじめ、フォークリフト、トラクター等の産業車輌を生産する大手製造メーカー向けに組付け用の部品・部材を供給しています。そのため、これら建設車輌・産業車輌製造メーカーの生産計画による影響を受けやすく、建設車輌・産業車輌製造メーカーが減産に転じた際には当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

この影響を軽減するため、当社グループでは取引先メーカーの先のエンドユーザーを視野に入れて、そのニーズにあった車輌・部品を幅広く開拓しております。

 

6.原材料価格等の高騰

当社グループは自動車部品と産業機械車輌部品の国内販売および輸出入を主な事業内容としておりますが、原材料価格等が高騰した場合、仕入先メーカーからの商品調達コスト増大が想定されます。またそのコストを販売先に転嫁できない場合には収益力の低下も想定されます。

従来より特定の商品の価格上昇の影響を軽減するために、ユーザーのニーズに合った幅広い商品群を心掛けて調達しておりますが、同時に「4.自動車の電動化による影響について」でも述べた、自社ブランドの開発やメーカーとの共同開発による、より付加価値の高い商品の開発も、この原材料価格等の高騰リスクの影響を軽減することに繋がります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的な高インフレや金融引き締め等が続く中、緩やかに持ち直しの動きが出てきております。しかし、ウィズコロナの下で、先行きについては、地政学的なリスクに加え、物価上昇や供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響が海外景気の下振れリスクとなっていることに十分注意することが必要です。一方、当社グループにおきましては、急激な円安及び原材料の高騰による仕入価格の上昇や物流費の高騰等により一部に苦戦を強いられましたが、好調な輸出に加え、販売価格の見直しなどの効果が着実に表れ、当連結会計年度後半より業績は総じて順調に推移いたしました。

このような経済状況のもとで、当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度の経営成績は売上高546億95百万円(前期比14.7%増)、経常利益29億10百万円(同27.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益20億59百万円(同26.7%増)となりました。

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 

(国内営業本部)

国内営業本部は、世界的な原材料価格の高騰や供給不足による仕入価格の上昇、物流費高騰などコスト高の影響が続いたものの、サプライチェーン全体での販売価格の見直しなどの効果により業績は堅調に推移しております。また、依然続いている新車の供給不足により保有車両の使用年数が延びたことにより、補修部品の需要が高まりました。その結果、売上高は272億87百万円となり、前年同期比9.9%の増収となりました。世界的な経済動向・政治動向は予測が難しい状況が続いていますが、補修部品の安定供給を最優先に取引先と共に引き続き対応してまいります。また、自社ブランド商品の開発と新規商材への取組みを積極的に進め、取引先やグループ会社との連携を強化して相乗効果を高めてバリューチェーンの構築に取り組んでまいります。

 

(海外営業本部)

海外営業本部は、アジア・中近東アフリカ・中南米の一部地域の受注がスローダウンしてきており、全体としても受注額が前年をやや下回る結果となりました。一方、売上は、外貨不足問題で輸出が一時中断していた中近東地域向けの船積みが進み、ほぼ前年並みを堅持できました。一方で、サプライヤーの納期長期化は未だ改善されず、バックオーダーが依然として増加傾向にあります。また、サプライヤーからの値上げも継続しており、今後の受注への影響が懸念されますが、海外主要顧客とのコミュニケーションを密にするため、これまでのオンライン会議に加え海外出張も再開し、適時に必要な対策を講じてまいります。一方、海外連結子会社の業績は堅調に推移し過去最高の売上高を記録いたしました。その結果、売上高は181億95百万円となり前年同期比23.2%の増収となりました。

 

(工機営業本部)

工機営業本部は、主要顧客である建機・農機・産業車輛メーカーの生産が部材調達難と材料・部材コスト高騰の影響で安定しないものの、昨年来から続く受注残を背景に顧客生産が回復傾向にあり、その結果、売上高は60億1百万円となり、前年同期比10.9%の増収となりました。引き続き、取引先と密に協働し安定調達を維持しながら、ますます高まる環境性能向上や安全性能向上に関わる市場・顧客の需要に応えるため、電動化や先進作業支援システムの商品開発に取組み、脱炭素、自動運転社会に向け貢献してまいります。

 

(CUSPA営業本部)

CUSPA営業本部は、主要取扱商品において半導体を中心とした部材の供給不足や世界的な原材料価格の高騰、円安による製品価格高騰などの影響が継続したものの、引き続き自社ブランドや総輸入権、総代理店権等を有して強みを持つブランド・商品に注力して継続したことが、売上高に寄与しました。また、ダイハツ工業株式会社とモータースポーツを中心とした連携や、トヨタ自動車株式会社の”TOYOTA GAZOO Racing ”とのパートナー契約を継続するなど『モータースポーツを起点としたモノづくり・コトづくり』を推進してまいりました。その結果、売上高は32億10百万円となり、前年同期比20.1%の増収となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は期首に比べ4億66百万円増加(前連結会計年度は12億7百万円減少)し、当連結会計年度末には65億13百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果、獲得した資金は8億38百万円(前連結会計年度は5億36百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益29億68百万円と、棚卸資産の増加16億39百万円、仕入債務の増加3億7百万円、および法人税等の支払額7億63百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果、支出した資金は8億79百万円(前連結会計年度は5億92百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出5億9百万円、無形固定資産の取得による支出1億68百万円、および貸付けによる支出2億74百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果、獲得した資金は4億26百万円(前連結会計年度は11億94百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入13億円、長期借入金の返済による支出4億64百万円、および配当金の支払による支出4億21百万円によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績・受注実績

該当事項はありません。

 

b.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

国内営業本部(千円)

22,467,302

110.0

海外営業本部(千円)

16,496,893

120.7

工機営業本部(千円)

5,304,571

110.5

CUSPA営業本部(千円)

2,483,077

116.8

合計(千円)

46,751,845

114.0

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

国内営業本部(千円)

27,287,372

109.9

海外営業本部(千円)

18,195,978

123.2

工機営業本部(千円)

6,001,918

110.9

CUSPA営業本部(千円)

3,210,367

120.1

合計(千円)

54,695,637

114.7

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態

流動資産は276億76百万円となり、前連結会計年度末と比較して35億76百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金の増加4億66百万円、受取手形及び売掛金の増加9億64百万円、および棚卸資産の増加19億8百万円によるものです。

固定資産は66億75百万円となり、前連結会計年度末と比較して7億60百万円の増加となりました。これは主に建設仮勘定の増加3億73百万円によるものです。

この結果、総資産は343億51百万円となり、前連結会計年度末と比較して43億37百万円増加いたしました。

流動負債は97億50百万円となり、前連結会計年度末と比較して18億30百万円の増加となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加3億53百万円、短期借入金の増加2億49百万円、および1年内返済予定の長期借入金の増加3億33百万円によるものです。

固定負債は24億25百万円となり、前連結会計年度末と比較して5億54百万円の増加となりました。これは主に長期借入金の増加5億2百万円によるものです。この結果、負債合計は121億76百万円となり、前連結会計年度末と比較して23億85百万円増加いたしました。

純資産の部は221億75百万円となり、前連結会計年度末と比較して19億51百万円の増加となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益20億59百万円及び剰余金の配当4億21百万円によるものです。この結果、自己資本比率は64.6%(前連結会計年度末は67.4%)となりました。

 

2)経営成績

売上高は、前連結会計年度に比べて70億8百万円増加(14.7%増)し、546億95百万円となりました。

「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している要因により、国内営業本部は24億52百万円増加(9.9%増)、海外営業本部は34億27百万円増加(23.2%増)、工機営業本部は5億91百万円増加(10.9%増)、CUSPA営業本部は5億37百万円増加(20.1%増)となりました。

営業利益は、前連結会計年度に比べて6億85百万円増加(33.7%増)し、27億20百万円となりました。売上高販管費率は前期比0.4ポイント増加し12.7%となりましたが、売上総利益率が前期比1.1ポイント増加し17.7%となったため、売上高営業利益率は前期比0.7ポイント増加し5.0%となりました。

経常利益は、前連結会計年度に比べて6億23百万円増加(27.3%増)し、29億10百万円となりました。

特別損益は、57百万円の利益(前連結会計年度は62百万円の利益)となりました。

法人税等(法人税等調整額を含む)は、前連結会計年度に比べて1億84百万円増加(25.5%増)し、9億8百万円となりました。

その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて4億34百万円増加(26.7%増)して20億59百万円となり、自己資本当期純利益率は(ROE)は9.7%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

キャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金は内部資金の活用を基本としておりますが、設備資金を中心とする事業の維持拡大のための資金として金融機関からの借入による調達も行っております。また、事業環境等の不測の変化に備え、流動性の確保のために金融機関には十分な借入枠を有しております。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績は売上高546億95百万円(前連結会計年度比14.7%増)、営業利益27億20百万円(同33.7%増)と増収減益となりました。新型コロナウイルス感染症の影響もありましたが、売上については海外営業本部や工機営業本部が大きく牽引し、従来の増収基調に戻ってきております。また、利益面につきましては経常利益、当期純利益とも増益となりました。しかしながら自動車補修部品市場は、車輌のIT化・自動運転化・HV/EV化による大きな変革が訪れつつあり、引き続き当社グループは進取の気性を持って柔軟に対応していくことができる人材の育成に注力してまいります。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループにおいて重要と位置付ける経営指標は、売上高営業利益率であると捉え、4.5%を目標としております。当連結会計年度の売上高営業利益率は5.0%(前年同期比0.7ポイント増加)でした。引き続き、これらの指標が改善されるよう取り組んでまいります。

 

⑤セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

⑥重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。