第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

当社グループは、『食を通じて地域の皆様の健康で豊かな生活に貢献します』を企業理念に掲げ、「食」の楽しみや喜びを通じて、健康で豊かな地域社会の実現に貢献してまいります。また、『より新鮮でより美味しく安全な商品をお値打ち価格でお届けします』を経営理念とし、新鮮で美味しく、安全・安心な食材の提供が必要であるという信念に基づき、お客さまの期待を裏切ることのない品質と価格を追求してまいります。

 

(2)経営環境及び経営戦略等

今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が世界的に拡大する中、世界経済の減速や地政学的リスクの高まりで株式相場や為替相場等が変動し、原材料及び商品価格の上昇に影響を与えるほか、東京オリンピック・パラリンピックの開催延期、失業率上昇や社会不安等に起因する個人消費の低迷等により、国内消費が低下する懸念から先行きが不透明となっております。

小売業界の中で特に食品スーパーマーケットにおきましては、消費者の節約志向、業種業態を超えた競争の激化、働き方の変化、人員不足、物流コストの上昇、キャッシュレス消費者還元事業における対象事業者間の競争等、厳しい経営環境が続いております。

このような経営環境を前提として、当社グループの経営戦略は、既存店の収益力の向上、収益力のある店舗の確実な出店、M&Aによる外部成長の取込み等により事業を成長させ、企業価値を向上させることであります。

当社グループは、中長期的な企業価値の向上に向けて、2019年度から3年間(2020年3月期から2022年3月期まで)の目標を定めた「第二次中期経営計画」を実行しております。

第二次中期経営計画では、中期経営方針を「地域に根ざした一番店を創る~地域の食文化を守りお客様を一番大事にするお店~」とし、第一次中期経営計画(2017年3月期から2019年3月期まで)で構築したインフラ(基幹システム、アルビスプロセスセンター等)を最大限に活用したチェーンオペレーションの確立と、ローカルスーパーマーケットとして特色ある店づくりを進めております。

第二次中期経営計画の経営方針を達成する基本的施策として、「お客様に満足していただける店づくり」「自立して考え行動できる従業員の育成」「バックシステムを活用した生産性の向上と業務改革」と定め、次の取組みを行っております。

①お客様に満足していただける店づくり

・販売力の強化

・商品開発の強化

・安心・安全への対応

・マーケティング機能の強化

・積極的な出店とニーズに対応した改装の実施

②自立して考え行動できる従業員の育成

・お客様視点で考えることのできる人材の育成

・店を支える人材の育成

・働きがいのある職場の実現

③バックシステムを活用した生産性の向上と業務改革

・店舗オペレーションの再構築

・プロセスセンター、新基幹システムの活用

・新センター構想の着手

経営計画の推進と合わせ、当社グループの3年後にありたいお店の姿として、「地域の食文化にこだわり、明日の元気につながる“食”を提案する店になる」、「“おいしい”を合言葉に、お客様・従業員の未来へつなぐ、健康とあたたかく幸せな食卓を応援する店になる」ことを目指し、ブランドスローガン「おいしい!を明日のちからに」で表現しております。

当社グループは、今後もお客様との信頼を大切に誠実な企業を目指すとともに、事業の成長と新規事業の開発による企業価値の向上に取り組んでまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年4月以降、お客様の来店頻度は低下しましたが、買い上げ点数が増加したことで売上高は増加しております。このような環境の中、当社グループは、食のライフラインを守るために店舗の営業継続を最優先と捉え、感染者発生による店舗休業やプロセスセンター生産停止等のリスクを想定し、感染症対策を強化しております。「新しい生活様式」の実践が求められる中、従来の営業方法の見直しを行っておりますが、現在のところ、経営方針や経営戦略等の見直しは必要ないと判断しております。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①事業上の課題

当社グループの対処すべき事業上の課題は、第二次中期経営計画の基本的施策(「(2)経営環境及び経営戦略等」を参照)にまとめられ、各項目は担当部門の目標へ細分化し、進捗を管理することとしております。

 

a.お客様に満足していただける店づくり

当社グループは、食のライフラインを守るため、安心・安全な商品の提供を通じ、お客様に満足していただける店づくりを課題としております。地元の旬の食材を中心に鮮度の高い生鮮食品を提供するとともに、トレンドやお客様のニーズを捉えた惣菜の品揃えを行うことにより、店舗の販売力を高める施策を行っております。また、第一次中期経営計画で導入した会員カード(アルビスPontaカード)の購買データを分析し、お客様のニーズに合った品揃えや販売促進を行い、お客様満足度の向上に取り組んでおります。

次年度の新たな取組みとして、移動販売事業(とくし丸事業)と新たな販売促進ツール「アルビスアプリ」を2020年6月より開始しております。移動販売事業は、移動手段がない等の理由で、普段のお買物に不便を感じているお客様の元へ移動販売車で訪問し、当社店舗と同様にお買い物を楽しんでいただくことを目的としております。また、「アルビスアプリ」は、これまでの紙媒体のチラシ広告に加え、デジタルによる広告やクーポンの配信、またはレシピ動画でのメニュー提案等の販売促進策を通じ、お客様が求めている情報を適時にお伝えすることで、お客様満足度の向上に寄与することを目的としております。

出店につきましては、計画的かつ確実な出店へ取り組むこととし、2020年4月に石川県小松市に「小松幸町店」の建替えオープン、2020年12月に福井県鯖江市に新規出店を計画しており、さらに、中部地区への新規出店も計画しております。

 

b.自立して考え行動できる従業員の育成

競争環境が厳しくなる中で、地域のお客様のニーズに合わせた店づくりが重要な課題となっております。その中心的役割を果たす管理職社員には、スピード感を持った課題解決力が求められ、実践的な課題解決研修を実施しております。

 

c.バックシステムを活用した生産性の向上と業務改革

プロセスセンターにつきましては、生鮮食品の品質と安全性のさらなる向上を目的とし、2019年4月に稼働いたしました。当該プロセスセンターは、80店舗、売上高1,200億円の運営規模に対応できる生産設備として新設したものであり、同センターを有効活用して店舗業務負担の軽減等、グループ全体の生産性を向上させることを計画しております。

また、第一次中期経営計画で導入した新基幹システムは、店舗の経営状態を可視化し、業務の効率化と売場の改善を進めるとともに、販売計画の効率的な運用や数値管理の精度向上等を目的として導入したものであります。今後、新基幹システムを有効活用し、業務効率を高め収益性を向上させる計画であります。

 

d.SDGs達成への取組み

国連から「持続可能な開発目標(SDGs)」が2015年に公表され、人権の尊重と保護、法令遵守、安全・安心な労働環境、地球環境の保全、適切な情報管理等へ責任をもって取り組むことが企業の社会的使命として求められています。当社グループは、事業活動において社会課題解決と企業価値向上の両立を図り、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に取り組んでおります。

 

e.新型コロナウイルス感染症拡大への対応について

新型コロナウイルス感染症が拡大する中、当社グループは、食のライフラインを守るために店舗の営業継続を最優先と捉えております。当社グループで感染者が発生した場合、店舗休業やプロセスセンター生産停止等により商品が提供できず、ライフラインとしての機能を果たせなくなるため、全社で感染症対策を強化しております。新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、販売方法、販促方法及び店舗オペレーションを変更し、継続的かつ適切に対応していく方針であります。

 

②財務上の課題

当社グループでは、事業の成長に必要な資金を安定的に確保するとともに、財務健全性を維持することを財務上の課題としております。店舗の出店及び改装に必要な設備投資は、営業キャッシュ・フローの範囲内に抑えることを原則としており、過度に投資を行い有利子負債が増加しないよう配慮しております。

新型コロナウイルス感染症が当社グループで発生した場合に備えて、事業継続に必要な資金を確保するため、手元資金を厚くするとともに金融機関からの融資枠を確保しております。

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、営業収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益であります。

第二次中期経営計画の2年目である2021年3月期の目標値は、営業収益911億円、営業利益12億円、経常利益17億円、親会社株主に帰属する当期純利益10億円であります。

また、財務指標として同業他社のROAやROE等を意識しておりますが、プロセスセンターへの先行投資の影響を考慮し、当面は売上高経常利益率3%を目標としております。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の判断に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)店舗運営に関するリスク

①食品の安全性について

 当社グループは、主として食料品を取り扱っており、安全・安心な商品の調達・製造・販売に努めておりますが、食中毒や社会全般の食の安全に対し信頼感を損ねるような問題等が発生した場合、店舗売上高が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、「より新鮮で より美味しく 安全な商品をお値打ち価格でお届けします」という経営理念の下、食品安全方針を定め、商品調達時の品質確認、店舗での衛生管理の徹底、製造子会社におけるISO規格に基づいた食品安全管理体制の運用等、グループ全体で安全・衛生管理レベルの向上に取り組んでおります。万一食中毒が発生した場合には、お客様の健康を最優先に配慮しつつ保健所と連携し、当該原因調査と再発防止策の策定を速やかに行い、各報告及び従業員への教育を再徹底いたします。

 

②競争激化について

 当社グループは、地域に密着した食品スーパーマーケットを北陸3県及び岐阜県に店舗展開しております。その商圏内において、同業他社の食品スーパーマーケットのほか、コンビニエンスストアやドラッグストアなど異業態の参入が相次いでおり、業種・業態を超えた企業間競争が激化した場合、店舗売上高の減少や競争に係るコストが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、地元の旬の食材を中心に鮮度の高い生鮮食品を強化し、他社よりも高い競争力を保持するほか、お客様ニーズに即した販売促進を実施することにより、業績の維持・向上を図っております。

 

③人材育成・確保について

 当社グループは、店舗の積極的な出店やM&Aにより事業を成長させる方針であります。店舗の増加に対して人員の確保と人材の育成が不十分な場合、事業成長戦略に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 出店やM&Aにより増加した店舗を早期に安定軌道へ乗せるためには、専門性の高い人材の確保と、経験豊かな店長や部門チーフ等を育成する必要があります。当社グループは、新卒社員の定期採用、一定のキャリアを有する中途社員の採用等により積極的に人材を確保するとともに、知識・経験の異なる等級別に適正な業務配置と教育研修を通じ、人材育成に努めております。

 

④コンプライアンスについて

 当社グループの事業活動は、食品衛生法、食品表示法、独占禁止法、JAS法、労働基準法及び働き方改革関連法等の法令・規制の適用、行政の許認可等を受けております。これらの法令に違反する事由が生じた場合や許認可等が取り消され又はそれらの更新が認められない場合には、事業活動が制限され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループとしては、コンプライアンスを企業行動指針に定め、定期的に研修を行いコンプライアンスの徹底に努めております。また、社内に法務担当部署とコンプライアンス委員会を設置し、随時コンプライアンスの状況を確認するほか、コンプライアンス違反が発生した場合には、速やかにコンプライアンス委員会を開催し、当該調査報告と再発防止策を講ずるとともに、従業員への教育を再徹底いたします。

 

⑤個人情報の保護について

 当社グループは、お客様へのサービス向上を図るために会員カードを発行し、カード会員の個人情報を保有しております。また、贈答品や販売促進、イベント企画において、申し込みの際の個人情報を一定期間保有しております。万一個人情報の流出が発生した場合、当社グループの信用が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 個人情報の管理につきましては、個人情報保護法に基づき、個人情報に関する規定の整備、個人情報を取り扱う部門の施設環境の確認、従業員への教育等を徹底しております。また、個人情報を保持する機会を減らすために、会員入会時に個人情報を電子化して申込用紙を廃止し、アクセス管理の厳格化等、情報システムのセキュリティ強化を図っております。

 

⑥情報システムのトラブルについて

 当社グループは、自然災害や事故等により情報システムに被害が生じた場合や、不正アクセス等によりシステム障害が生じた場合、業務遂行に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、自然災害や事故等のリスクへの対応として、バックアップ体制を整備するとともに、重要な情報システムの管理については安全性を確認した上で専門業者に業務委託しております。また、不正アクセス等のリスクへの対応として、日常における運用管理を強化するとともに、適切なセキュリティ対策を実施しております。

 

(2)出店戦略に関するリスク

①出店に関する法的規制について

 当社グループは、店舗の積極的な出店により事業を成長させる方針であります。当社グループの単独店舗及びショッピングモールの開発・運営に際しては、関連する法律や条例等の規制を受けることとなります。特に、規制対象となる場所・店舗規模の出店においては、各規制対応に一定期間を要するため、出店手続きが遅延した場合、事業成長の進捗に遅れが生じる可能性があります。

 当社グループでは、店舗開発体制の強化を行い、立地条件や商圏分析の調査と合わせて、法規制の内容を詳細に検討し、計画通りに出店するためのリスク管理と進捗管理を適切に実行しております。

 

②固定資産の減損について

 当社グループでは、店舗の収益性が悪化、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により減損処理が必要となった場合、減損損失の計上により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 店舗の収益性が悪化する要因には、出店計画時の需要予測誤りや出店後の競争環境の影響等があり、当社グループでは、当該原因把握を早期に行い、改善計画を策定・実行しております。改善計画の策定時において、各施策を講じても改善が見込めないと判断した場合、回収可能見込額まで固定資産の帳簿価額を減損処理しております。

 

③敷金及び保証金について

 当社グループは、店舗の出店にあたり、敷金及び保証金の差入れを行っております。差入れ先の倒産等により、敷金及び保証金の全部又は一部が回収不能となった場合、貸倒損失の計上により、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、敷金及び保証金の残高が大きい差入れ先について、定期的な財政状態の調査や担保等の保全を行うほか、回収不能額を見積もり貸倒引当金の設定を行っております。

 

(3)外的要因に関するリスク

①金利変動による影響について

 当社グループは、継続的に店舗の出店等に係る設備投資を行っており、主に金融機関から資金調達を行っております。そのため、資金調達において、景気動向、金融政策、海外情勢等により為替相場や海外金利の影響で、急激に金利が上昇した場合、支払利息が多額に計上され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、金利変動リスクを回避するために、長期借入金は店舗に係る設備資金のみとし、金利動向を見ながら有利な条件で調達する方針としております。また、設備投資計画において、有利子負債が過度にならないよう配慮し、金利変動リスクが業績に与える影響を低減しております。

 

②自然災害による影響について

 店舗、本社及びプロセスセンターの各所在地で大規模地震や風水害などの自然災害が発生し、被害を受けた場合、当社グループの事業活動に著しい支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、危機管理マニュアル、防災マニュアル及び事業継続計画を策定し、発生時の経営管理体制、現場でのお客様及び従業員の安全を最優先に確保するための措置、発生後の店舗営業再開に向けたプロセス等を規定しております。また、定期的に避難訓練やモバイルを使用した安全確認テストを実施するなど、災害時の機能不全リスクを低減する取組みを行っております。

 

③新型コロナウイルス感染症について

 当社グループでは、お客様及び従業員の安全を最優先に考え、新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでおりますが、店舗、プロセスセンター、本社及び取引先等において感染者が発生し、店舗の営業や商品の供給に支障をきたした場合、また、テナント企業の営業継続が困難となり契約解除・賃料減免等の要請を受けた場合等、店舗売上高や賃貸等不動産収入が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 新型コロナウイルス感染症対策として、店舗では、お客様の安全に配慮し、従業員の健康管理、レジ周りやイートインコーナーにおける3密を回避する措置、各箇所の除菌、営業時間の短縮等の対応を徹底しております。また、本社では、従業員の健康管理、執務場所の分散化、出張や不要不急の外出を原則禁止、社内研修の延期、商談等をテレビ会議や電話、メール等で行う等の感染症対策を徹底しております。さらに、従業員に感染者等が発生した場合の対応をマニュアル化するとともに、店舗及び従業員の情報を一元管理し、随時モニタリングする体制を構築・運用しております。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次の通りであります。

 

① 経営成績等

当連結会計年度におけるわが国経済は、景気の緩やかな回復が続いておりましたが、長期化する米中貿易摩擦の問題、消費税率引上げ後の景気低迷、新型コロナウイルス感染症の発生・拡大等により、先行きが不透明な状況となっております。

食品小売業界におきましては、人口減少や消費者マインドが低迷する中、業種業態を超えた競争の激化、法改正や労働環境の変化による人件費の上昇や物流コストの上昇等、各経費が上昇し、厳しい経営環境が続いております。特に、2019年10月より開始されましたキャッシュレス消費者還元事業により、対象事業者との間で厳しい競争格差が生じております。

このような環境の中、当社グループは、「地域に根ざした一番店を創る」を第二次中期経営計画(第53期~第55期)の経営方針とし、「お客様に満足していただける店づくり」「自立して考え行動できる従業員の育成」「バックシステムを活用した生産性の向上と業務改革」を重点施策に掲げ、今後の成長拡大に向け取り組んでおります。

お客様に満足していただける店づくりへの取組みとして、地元商品の取扱いを増やすとともに、販売促進策として「アルビスの日」等を企画し、ワンランク上の商品や当社が薦める商品の販売を強化しました。また、2019年10月以降のキャッシュレス消費者還元事業への対応策として、毎週水曜日は全品5%値引や週末利用できるお買物券を配布し、土・日曜日はポイント付与率をアップする等、お客様の来店動機と購買意欲を高める取組みを実施しました。

店舗の出店につきましては、2019年4月、岐阜県美濃加茂市に「美濃加茂店」をオープン、2019年10月、石川県金沢市に「笠舞店」を建替えオープン、石川県白山市に「北安田店」をオープンしました。

美濃加茂店は、北陸3県以外への初出店として地域の食文化を取り入れた品揃えを行い、北陸の鮮魚を使用した寿司や魚惣菜、ます寿司やお菓子等の北陸の名産品を数多く取り揃え、昨年末には、想定を大幅に超えた寿司の注文をいただく等、好評をいただいております。

笠舞店は、旧パレット店の跡地に売り場面積を1.7倍に拡張し、建替えオープンしました。また、北安田店は、自社商業施設イータウン白山のキーテナントとしてオープンしました。2店舗ともに、イートインコーナーの設置と、地域のお客様がコミュニティの場として利用いただける「多目的スペース」を新設しました。さらに、地元市場の鮮魚や野菜の品揃えを充実させ、出来立て商品や即食商品など、お客様のニーズの変化に対応しております。

出店のほか、2019年4月より㈱オレンジマートがアルビスグループとなり、新たに4店舗増加しました。同社は、当社が出店していない地域(富山市南部)を地盤としており、当社グループのシェア拡大に寄与しております。

自立して考え行動できる従業員の育成への取組みとして、店長及び本社課長の教育プログラムを実行しているほか、従業員に健康で働いてもらうため、健康診断時のカウンセリング受講と特定保健指導の受診を徹底し、健康に対する意識改革に取り組んでおります。

生産性の向上と業務改革の取組みとして、2019年4月にアルビスプロセスセンターが稼動しました。同センターは、80店舗、売上1,200億円体制に対応できる生産設備として新設し、惣菜、精肉商品の原材料調達・加工・出荷に至る業務を集中化させ、全店舗への安定的な商品供給体制を整えたことで、店舗業務の軽減による人員配置の適正化や労働力不足の解消、品揃え拡充や鮮度向上による店舗売上の増加等に貢献しております。また、ISO規格に基づいた食品安全管理体制を構築し、更なる安全・衛生管理レベルの向上に取り組んでおります。稼動当初は、商品レベル向上と生産能力の拡大を最優先課題として取り組んでまいりましたが、下期からは製造の効率化と歩留り向上に力を入れ、生産性を向上させております。さらに、同センター稼動に伴い、新商品の開発や商品リニューアルを強化しており、新発売したメンチカツや炒飯、炊き方を進化させた白ご飯等、お客様に好評をいただき、店舗の販売力向上に寄与しております。現在、精肉工場では平均55千パック/日、惣菜工場では平均37千パック/日の生産を行っており、予定店舗への供給を計画通りに実施しております。

以上の結果、営業収益面におきましては、消費者マインドの低迷、天候不順及びキャッシュレス消費者還元事業等の影響により既存店の売上高が減少したものの、前期出店の2店舗が通期営業したこと、当期に出店した3店舗及び㈱オレンジマート4店舗が増加したことにより、売上高は増加し、営業収益は87,321百万円(前年同期比6.2%増)となりました。また、利益面におきましては、既存店の売上高減少とプロセスセンターの製造原価増加、キャッシュレス消費者還元事業に対応した値引等の影響で売上総利益の増加幅が小さかったこと、販売費及び一般管理費において、人件費や物流コストが上昇傾向にある中、店舗数の増加でコストが増加したこと、販売促進強化策を実行したこと等により、営業利益1,089百万円(前年同期比58.5%減)、経常利益1,534百万円(前年同期比49.8%減)となりました。さらに、投資有価証券評価損58百万円及び減損損失173百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益928百万円(前年同期比57.3%減)となりました。

なお、当社グループは、全セグメントに占める「スーパーマーケット事業」の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいことから、セグメント情報の記載を省略しております。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,820百万円増加し、46,128百万円となりました。

この主な要因は、現金及び預金の減少額1,675百万円、売掛金の増加額463百万円、建物及び構築物(純額)の増加額4,751百万円、機械装置及び運搬具(純額)の増加額871百万円、リース資産(純額)の増加額318百万円、建設仮勘定の減少額3,714百万円、のれんの増加額186百万円、敷金及び保証金の減少額362百万円、繰延税金資産の増加額289百万円等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ2,802百万円増加し、19,046百万円となりました。

この主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加額293百万円、未払法人税等の減少額209百万円、長期借入金の増加額2,057百万円、固定負債リース債務の増加額385百万円等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ982百万円減少し、27,082百万円となりました。

この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益928百万円、配当金632百万円、自己株式の増加額1,232百万円、その他有価証券評価差額金の減少額46百万円等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,675百万円減少し、4,651百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は2,189百万円(前連結会計年度は3,108百万円)となりました。

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの内訳は、税金等調整前当期純利益が1,302百万円、減価償却費2,095百万円、減損損失173百万円、未払消費税等の増加額370百万円等による資金の増加と、売上債権の増加額438百万円、たな卸資産の増加額179百万円、支払債務の減少額445百万円、法人税等の支払額759百万円等による資金の減少であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は2,916百万円(前連結会計年度は6,281百万円)となりました。

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローの内訳は、有形固定資産の取得による支出3,429百万円、無形固定資産の取得による支出109百万円等による資金の減少と、敷金及び保証金の回収による収入481百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入166百万円等による資金の増加であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は948百万円(前連結会計年度は1,987百万円)となりました。

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローの内訳は、長期借入れによる収入4,800百万円による資金の増加と、長期借入金の返済による支出3,582百万円、リース債務の返済による支出333百万円、自己株式の取得による支出1,200百万円、配当金の支払額632百万円等による資金の減少であります。

④ 販売及び仕入の実績

 a.販売実績

当連結会計年度における販売実績を部門ごとに示すと、次のとおりであります。

部門別

金額(千円)

前年同期比(%)

生鮮食品

42,865,481

106.4

非生鮮食品

43,056,220

106.4

スーパーマーケット部門売上高計

85,921,702

106.4

その他

343,707

82.2

売上高合計

86,265,410

106.3

(注)1.生鮮食品は、青果・海産・精肉・惣菜等を含みます。

2.非生鮮食品は、日配・グロサリー等を含みます。

3.その他は、外販部門売上高等であります。

4.売上高合計には、不動産賃貸収入を含めておりません。

5.金額については、消費税等は含めておりません。

 

 

 b.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績を部門ごとに示すと、次のとおりであります。

部門別

金額(千円)

前年同期比(%)

生鮮食品

26,721,162

106.7

非生鮮食品

32,682,248

105.8

スーパーマーケット部門仕入高計

59,403,411

106.2

その他

166,853

57.8

仕入高合計

59,570,265

105.9

(注)1.生鮮食品は、青果・海産・精肉・惣菜等を含みます。

2.非生鮮食品は、日配・グロサリー等を含みます。

3.その他は、外販部門仕入高等であります。

4.惣菜・日配の金額には、原材料仕入高が含まれております。

5.金額については、消費税等は含めておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、営業収益面におきましては、消費者マインドの低迷、天候不順及びキャッシュレス消費者還元事業等の影響により既存店の売上高が減少したものの、前期出店の2店舗が通期営業したこと、当期に出店した3店舗及び㈱オレンジマート4店舗が増加したことにより、売上高は増加し、営業収益は87,321百万円(前年同期比6.2%増)となりました。また、利益面におきましては、既存店の売上高減少とプロセスセンターの製造原価増加、キャッシュレス消費者還元事業に対応した値引等の影響で売上総利益の増加幅が小さかったこと、販売費及び一般管理費において、人件費や物流コストが上昇傾向にある中、店舗数の増加でコストが増加したこと、販売促進強化策を実行したこと等により、営業利益1,089百万円(前年同期比58.5%減)、経常利益1,534百万円(前年同期比49.8%減)となりました。さらに、投資有価証券評価損58百万円及び減損損失173百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益928百万円(前年同期比57.3%減)となりました。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える経営環境としては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び経営戦略等」に記載のとおりですが、経営者の視点による認識及び分析等は次のとおりであります。

 

a.お客様に満足していただける店づくり

 食品小売業界においては、個人所得が伸び悩む中での社会保障費の上昇や社会不安等により、個人消費が大きく好転することはないものと考えております。市場拡大が見込めない環境において、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ホームセンター等が食品の取扱いを増やし、業種業態を超えて競争が激化しております。当社グループでは競合他社との差別化を図るため、鮮度の高い生鮮食品や地元の旬の食材、地元で親しまれている食材等を多く取り揃えております。

 当社グループは新たな取組みとして、移動販売事業(とくし丸事業)と新たな販売促進ツール「アルビスアプリ」を開始いたしました。具体的内容につきましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」を参照して下さい。

 

b.自立して考え行動できる従業員の育成

 競争環境が厳しさを増す中で、経営課題を解決するスピードを高めるため、管理職社員に対し、課題解決力を高める研修を実施する等の人材育成に取り組んでおります。

 人材を育成することにより、各店舗では地域のニーズに合わせ、お客様視点で課題解決に取り組むことで販売力を強化するとともに、本社では全社的な課題の解決に向けた変革を、スピード感をもって実行することで店舗をバックアップしてまいります。

 

c.バックシステムを活用した生産性の向上と業務改革

 プロセスセンターの運営につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績等」に記載したとおり、稼動が安定しました。今後、同センターを積極活用し、店舗の販売力を強化するとともに、既存店舗の生産性向上をバックアップし、企業価値を向上させてまいります。

 また、2018年より導入している新基幹システムを活用し、店舗の経営状態を可視化し、業務の効率化と売場の改善を進め、販売力の強化と収益性の向上を図ってまいります。

 

d.出店について

 当社グループは、持続的な企業価値の向上を実現するため、事業の成長を優先的課題としており、北陸3県及び中部地区への出店を進めております。出店の意思決定に当たり、当該地域の交通、経済環境等に基づいた適切な需要予測、出店に係るリスクの評価、投資回収の基準等、各工程における精度の高い出店計画の策定が求められます。そこで、出店計画の適切な意思決定を行うため、専門知識のある人材を補強し店舗開発体制を強化しました。

 

e.新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、営業時間の短縮、来店客数平準化のための施策の実施、バラ販売からパッケージ販売への変更、その他オペレーションの変更等を行いました。また、新たに開始した移動販売事業(とくし丸事業)は、外出を控えているお客様にもお役に立てるものと考えております。

 新型コロナウイルス感染症の影響は当面続くものと予想され、リスクを適切に管理しながら各防止対策を継続し、食のライフラインを守るため店舗の営業継続に取り組んでまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が前期より著しく減少したことを主要因として営業活動によるキャッシュ・フローが2,189百万円(前連結会計年度は3,108百万円)の収入となりましたが、プロセスセンターへの投資支出が概ね前連結会計年度に実行しているため、投資活動によるキャッシュ・フローが2,916百万円(前連結会計年度は6,281百万円)の支出となり、2020年4月にオープンした小松幸町店の資金調達を前倒しに行ったこと及び自己株式の取得により、財務活動によるキャッシュ・フローは948百万円(前連結会計年度は1,987百万円)の支出となりました。

 この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末現在は、前連結会計年度末より1,675百万円減少し、4,651百万円となっております。

 

b. 財務に関する基本的な考え方

 当社グループは、事業の成長を重要な戦略として位置づけており、当該基盤となる財務健全性を維持することを基本方針としております。

 当社グループは、食品スーパーマーケットを多店舗展開しており、回収した売上金を日々蓄積することにより手元資金の流動性が確保されています。一方で、当該流動性を高め多くの資金を確保するためには、店舗数増加による事業の成長が重要と考え、積極的に店舗へ投資してまいります。

 店舗の出店及び改装に必要な設備投資は、営業キャッシュ・フローの範囲内で借入金による資金調達を基本としております。財務健全性に関する具体的な目標指標は設定しておりませんが、当連結会計年度末の総資産借入金比率が17.1%、売上高借入金比率9.1%であり、同業他社と比較して財務健全性は確保されているものと判断しております。

 財務基盤の安定化は、安定した株主還元を維持するために重要と考えており、適切な設備投資と資金調達のバランスを保ち、今後も資本コストの低減に努めてまいります。

 

c. 資金需要の主な内容

 当社グループの運転資金の需要は、商品代金、人件費、販売費、設備費、その他店舗経費等であり、日々蓄積している売上金回収額から支払っているため、資金の手元流動性は十分に確保されております。一方で、キャッシュレス比率の高まりによる現金回収の遅れや、納税資金、賞与資金等の一時金の支払いにおいて資金需要が生じております。

 また、当社グループは事業の成長のため継続的に出店及び改装に係る設備資金需要が生じております。

 新型コロナウイルス感染症を起因とする事業の一部停止が生じる場合には、資金需要が生じる可能性がありますが、現在のところ、当該資金需要は生じておりません。

 

d. 資金調達

 当社グループの事業活動のために必要な資金は、運転資金は内部資金または短期借入金で行い、出店及び改装等の設備資金は、内部資金または長期借入金による資金調達を基本としております。設備資金の調達に際し、金利動向を見ながら有利な条件で調達する方針としております。

 また、緊急の資金需要が生じる場合を想定し、複数の金融機関に対して当座貸越契約を締結しております。新型コロナウイルス感染症による資金需要が生じた場合も、金融機関より調達可能である旨の連絡を受けております。

 今後の事業拡大に伴う、店舗運営に必要な運転資金、設備資金の調達に関して、問題なく調達可能と認識しております。なお、投資案件によっては、営業キャッシュ・フローを上回る場合も想定されますが、この場合は、財務健全性の維持を優先にし、種々の方法を検討してまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示並びに報告期間の損益に影響を与える見積りを行っています。そのうち特に重要なものと考えているのは、固定資産の減損であり、競争による業績悪化や土地の時価が急激に下落した時には減損損失の計上が必要となる場合があります。

店舗資産に減損の兆候があると判定された場合、減損を認識するかどうか及び認識した場合の回収可能額は、当該店舗の将来キャッシュ・フローの見積額を使用しております。将来キャッシュ・フローの見積額は、当該店舗に係る需要予測の見直し、競争環境の変化、施策方針の変更、品揃え、販売費、人員配置等の改善策を織り込んで策定した中期計画に基づき算定しております。なお、将来キャッシュ・フローの見積りに際し、使用する回収可能期間は、原則として店舗の残耐用年数を使用しておりますが、契約内容により短期間となる場合のほか、所有土地の場合は20年を上限としております。店舗の固定資産につき減損を認識した場合には、当該店舗の将来キャッシュ・フローの見積額まで帳簿価額を減額し、減損損失を計上しております。

新型コロナウイルス感染症による影響により、一部の店舗で来店動向等に変化がみられます。当社グループでは、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき、固定資産の減損等に係る会計上の見積りに大きな影響を与えるものではないと判断しております。

保有する土地の時価については、近隣の取引実勢価格、路線価、公示価格、固定資産税評価額等に基づいて算定しております。当該土地に減損の兆候があると判定された場合、減損を認識するかどうか及び認識した場合における回収可能額は、不動産鑑定評価額に基づいて行っております。保有する土地につき減損を認識した場合には、不動産鑑定評価額に基づく回収可能額まで帳簿価額を減額し、減損損失を計上しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 特記事項はありません。