第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、『食を通じて地域の皆様の健康で豊かな生活に貢献します』を企業理念に掲げ、「食」の楽しみや喜びを通じて、健康で豊かな地域社会の実現に貢献してまいります。また、『より新鮮でより美味しく安全な商品をお値打ち価格でお届けします』を経営理念とし、新鮮で美味しく、安全・安心な食材の提供が必要であるという信念に基づき、お客さまの期待を裏切ることのない品質と価格を追求してまいります。

 

(2) 経営環境及び経営戦略等

今後のわが国経済は、原材料価格・電気料等の高騰の影響を受けつつも、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行されるなど、社会活動の正常化に伴い、徐々に景気が回復していくことが期待されます。一方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化による原材料価格の高騰や、金融資本市場の変動、原油・天然ガス、穀物や半導体等供給面での制約等により製品への価格転嫁・値上げ等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

食品小売業界におきましては、コロナ禍でのライフスタイルの変化に加え、消費者の節約志向、業種業態を超えた競争の激化、働き方の変化、電気料・物流費等の高留まりなど、厳しい経営環境が続くものと予想されます。

当社グループは、「第三次中期経営計画」の最終年にあたる3年目となり、中期経営方針「地域一番のお客さま満足の実現」、重点施策「お客様の多様なニーズへの対応」「従業員が挑戦できる環境の実現」「業務基盤の活用による生産性の向上」「事業を通じた地域社会の課題解決」の取り組みをさらに進めてまいります。

「お客様の多様なニーズへの対応」につきましては、地元商品や健康志向商品、簡便即食商品の拡充を図るとともに、PB商品や名物商品を中心に高利益商品の販売強化を行い、収益構造の改善に取り組みます。また、ネットスーパーの拡大や「LINEミニアプリ」などデジタル媒体による発信力の強化と広告の効率化を図り、お客様との新たな接点を拡大してまいります。加えて、昨年から続く食料品の度重なる値上げや電気料等の高騰に対し、当社の新たな食卓応援企画として、お客様のご利用頻度の高いPB商品を中心に価格を引き下げて提供し、来店客数を増やす販売促進策を実施してまいります。

「従業員が挑戦できる環境の実現」につきましては、新入社員から経営幹部候補までの各階層に応じた教育プログラムを継続的に実施していくとともに、DX人材の育成に向けた研修プログラムを実施してまいります。また、従業員が自らの意思で学べる場としてカフェテリア研修制度を導入するなど、従業員の教育体制を拡充してまいります。

「業務基盤の活用による生産性の向上」につきましては、店舗業務における改善策を継続的に実施していくとともに、当事業年度に試験導入した電子棚札(ESL)やキャッシュレスセルフレジの導入を拡大するなど、店舗業務における生産性向上につながる投資を積極的に実施してまいります。

「事業を通じた地域社会の課題解決」につきましては、「つなぐアルビス」をコミュニケーションメッセージに掲げ、お客様、行政、生産者、従業員等との連携を図り、地域社会の課題解決を進めるとともに、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めてまいります。特に食品スーパーマーケットの事業特性から食品廃棄物の削減への取り組みを継続するほか、2050年の脱炭素社会実現の一環として、温室効果ガス(GHG)の測定のほか、SDGs目標達成へ向けた環境保全への活動を「albis Green Action」と総称し取り組んでまいります。従来からのトレー・ペットボトル回収などのリサイクル事業に加え、太陽光パネルの設置店舗を拡大するなどGHG削減目標達成のための具体策を実施してまいります。

次期の新店につきましては、2023年11月に愛知県名古屋市において中部エリア3店舗目となる新規出店「北区金田店」を予定しております。

当社グループは、今後もお客様との信頼を大切に誠実な企業を目指すとともに、事業の成長と新規事業の開発による企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①事業上の課題

当社グループの対処すべき事業上の課題は、以下の第三次中期経営計画の重点施策にまとめられます。さらに、各項目は担当部門の目標へ細分化し、進捗を管理することとしております。

 

a.お客様の多様なニーズへの対応

 (a) 販売戦略

   ・旬の生鮮品や名物商品等の販売強化

   ・ニーズの高い主力商品の価格政策

   ・商品開発の強化

 (b) デジタルマーケティングの本格化

   ・スマートフォンを活用したお客様への情報提供

 (c) 新規事業の拡大

   ・ネットスーパー実施店舗の拡大

b.従業員が挑戦できる環境の実現

 (a) 次世代を担うマネジメント層の育成

   ・問題発見、課題解決型の研修

   ・事業創出の計画を提言するプログラム

 (b) 新たな人事制度

   ・若手社員の積極登用

  ・目標管理と評価制度の改定

c.業務基盤の活用による生産性の向上

 (a) 店舗オペレーションの標準化による生産性向上

 (b) 物流体制の最適化とプロセスセンターの活用推進

 (c) デジタル活用によるコミュニケーションの迅速化と生産性の向上

d.事業を通じた地域社会の課題解決

 (a) コミュニケーションメッセージの設定

   ・「つなぐアルビス」をコミュニケーションメッセージとして設定

 (b) 地域行政との連携強化

   ・包括連携協定をはじめとした各種協定の提供(富山県、射水市など)

 (c) 買い物困難者への対応

   ・移動販売事業の対象エリア拡大

   ・高齢者、子育て世代に優しい店舗づくり

 (d) 環境への取組み

   ・食品ロス削減への取組み

   ・プラスチック削減

   ・リサイクル活動への取組み

 

 

a.お客様の多様なニーズへの対応

当社グループは、食のライフラインを守るため、安全・安心な商品の提供を通じ、お客様に満足していただける店づくりを課題としております。地元の旬の食材を中心に鮮度の高い生鮮食品を提供するとともに、トレンドやお客様のニーズを捉えた惣菜の品揃えを行うことにより、店舗の販売力を高める施策を行っております。また、多様化するお客様のニーズに対して、デジタルマーケティングの活用や新規事業を展開することで対応し、お客様満足度の向上に取り組んでおります。

次年度の取組みとして、お買い物時間の短縮を目的としたネットスーパー事業の拡大や「LINEミニアプリ」などデジタル媒体による発信力の強化と広告の効率化を図り、お客さまとの新たな接点を拡大することに加えて、新たな食卓応援企画として、お客様のご利用頻度の高いPB商品を中心に価格を引き下げて提供し、来店客数を増やす販売促進策を実施してまいります。

新店につきましては、愛知県名古屋市に「北区金田店」の出店を予定しており、中期経営計画に掲げるエリア、店舗数に基づき出店を継続してまいります。

 

b.従業員が挑戦できる環境の実現

競争環境が厳しくなる中で、地域のお客様のニーズに合わせた店づくりが重要な課題となっております。その中心的役割を果たす管理職社員には、次世代を担う経営者候補としてより高い視座を持って課題解決を進めていく能力が求められます。そのような人材を育成するための教育プログラムを実施してまいります。

詳細につきましては、2. サステナビリティに関する考え方及び取組 に記載しております。

 

c.業務基盤の活用による生産性の向上

プロセスセンターにおいては、商品供給の安定化と業務の可視化による原価改善に努めております。店舗においては、新基幹システムを活用し、業務の効率化と売場の改善、販売計画から売場展開に至る効率的な運用や数値管理の精度向上を図っております。

また、全社的にデジタルを活用し、オペレーションの標準化とコミュニケーションの迅速化を図ることで、業務の効率化を推進してまいります。

 

d.SDGs達成への取組み

国連から「持続可能な開発目標(SDGs)」が2015年に公表され、人権の尊重と保護、法令遵守、安全・安心な労働環境、地球環境の保全、適切な情報管理等へ責任をもって取り組むことが企業の社会的使命として求められています。当社グループは、事業活動において社会課題解決と企業価値向上の両立を図り、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に取り組んでおります。

詳細につきましては、2. サステナビリティに関する考え方及び取組 に記載しております。

 

e.新型コロナウイルス感染症への対応について

新型コロナウイルス感染症が第5類へ移行されるなど、社会活動は正常化していく動きが見られますが、当社グループは、食のライフラインを守るために店舗の営業継続を最優先と捉えております。当社グループで多数の感染者が特定の店舗や部門で発生した場合、店舗休業やプロセスセンター生産停止等により商品が提供できず、ライフラインとしての機能を果たせなくなるため、全社で感染症対策を強化しております。

 

②財務上の課題

当社グループでは、事業の成長に必要な資金を安定的に確保するとともに、財務健全性を維持することを財務上の課題としております。店舗の出店及び改装に必要な設備投資は、営業キャッシュ・フローの範囲内に抑えることを原則としており、過度に投資を行い有利子負債が増加しないよう配慮しております。

また、事業継続に必要な資金を確保するため、手元資金を厚くするとともに金融機関からの融資枠を確保しております。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、営業収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益であります。

第三次中期経営計画において、最終年度であります2024年3月期には、店舗数72店舗、営業収益1,051億円、営業利益26億円、経常利益32億円を計画しております。

また、財務指標として同業他社のROAやROE等を意識しておりますが、プロセスセンターへの先行投資の影響を考慮し、電気料高騰など一過性の影響を除き、当面は売上高経常利益率3%を目標としております。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ基本方針

 当社グループは、「食を通じて、地域の皆様の健康で豊かな生活に貢献します」という企業理念のもと、現在、そして未来の人々に健康で豊かな生活を送っていただくため、サステナブルな社会(持続可能な社会)の実現を目指しております。「社会貢献」と「環境保全」を重点分野に掲げ、社員一人ひとりが日々の事業活動の中で取り組んでおります。

 当社グループの事業目的は、鮮度・品質・美味しさで、暮らしをより豊かにする食品の提供と食卓への提案です。お客さまの信頼を事業活動の原点におき、時代や地域のニーズを把握し、それに応える商品やサービスを提供することが、社会のサステナビリティへの貢献につながると考え活動を推進しております。

 

(2) 具体的な取り組み

 世界的に環境負荷軽減に対する意識が高まる中、人と社会、地球環境、地域にやさしい活動を行う「SDGsプロジェクト~つなぐアルビス~」をコミュニケーションメッセージに掲げ、お客様、行政、生産者、従業員等との連携を図り、地域社会の課題解決を進めるとともに、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めてまいります。

 

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特に、食品スーパーマーケットの事業特性から食品廃棄物の削減への取り組みを継続するほか、2022年12月には、新たにSDGs目標達成や2050の脱炭素社会実現などの環境保全への貢献を目指す一環として、「albis Green Action」プロジェクトを発足いたしました。本活動は、環境負荷軽減に向けた意識を共有し、地域の皆さまと当社グループとの協働によって、地球環境を維持し、限りある資源を未来へつなぐ施策を実施するものです。サステナブルな生活提案や環境に配慮して作られた商品を通じて環境負荷軽減に寄与してまいります。具体的には、従来からのトレー・ペットボトル回収などのリサイクル事業に加え、プラスチック使用量削減、GHG(温室効果ガス)排出量削減の取り組みを推進していきます。

 

プロジェクト開始に際し、新たに取り組み始めた施策は以下のとおりです。

 ①太陽光発電パネル設置の推進

 店舗に太陽光パネルを設置し、再生可能エネルギーの導入に取り組みます。

 ②レジ袋のバイオマス配合率を50%に引き上げ

 バイオマス配合率を10%から50%へ変更することにより、年間約20tのプラスチック削減、CO2排出量年間約90tの削減を目指します。

 ③ペットボトルキャップの回収

 全店舗で回収しております。回収したペットボトルキャップは「パレット(荷役台)」等に再利用しております。

 

(3) TCFD提言に沿った情報開示

当社は、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言」に基づき、気候変動が当社事業に与える潜在的な影響の評価について開示いたします。当社は、今後もTCFD提言に沿った情報開示を進めてまいります。

 

①ガバナンス

当社は、気候変動の重要性を認識しております。TCFD提言に沿ったガバナンス体制の早期確立に向けて検討・構築中ですが、現状、気候変動の課題は経営戦略推進部が経営会議を通じて経営陣に報告を行っており、その中でも重要な方針や事項については、取締役会への報告・審議を実施し、監督を受けております。

 

②戦略

TCFD提言に沿って当社事業とバリューチェーン全体にわたる潜在的な気候変動のリスク・機会を評価しております。

 

・気候変動リスクと機会の特定:

 当社のバリューチェーンに及ぼす影響について定性的なシナリオ分析を実施いたしました。評価対象のリスク・機会の抽出方法については、「リスク管理」 の項目をご参照下さい。

 

・定性的シナリオ分析:

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)等の国際機関が設定した温暖化のシナリオに基づき、抽出された合計16の物理的リスク(5つの大項目)および移行リスク・機会(5つの大項目)を対象に、2030年および2050年での当社事業への影響を定性的に評価いたしました。

 

 

a.シナリオ分析の結果

(a)物理的リスク

当社の事業が日本国内に集中していることから、当社の物理的リスクの評価は国内のみを対象としております。

IPCCによって提供されているシナリオから「気温が2℃上昇するシナリオ」および「気温が4℃上昇するシナリオ」の2つを用い、2030年および2050年時点の影響について評価を行いました。

 

 

リスク評価

 

非常に高い

 

 

 

 

不確実

 

 

リスク

リスク
区分

気候変動リスクおよび
当社事業への潜在的影響

4℃シナリオ

2℃シナリオ

2030

2050

2030

2050

熱波

急性

熱波とそれに伴う冷房/冷却需要の増加により、冷房/冷却コストの増加、停電等により、休業等の発生

非常に
高い

豪雨

急性

豪雨とそれに伴う浸水、土砂崩れの発生により、サプライチェーン/流通経路の分断、休業等の発生

河川

氾濫

急性

河川氾濫により店舗の設備等が損傷し、休業等の発生

台風

急性

強力な台風の発生により、商品の調達に支障や遅延が生じたり、店舗が被害を受ける事で、休業等の発生

不確実

不確実

豪雪

急性

豪雪により、商品の調達に支障や遅延が生じたり、店舗が被害を受ける事で、休業等の発生

 

(b)移行リスクと機会

 移行リスクと機会に関しては、世界の動向と日本固有の動きの両面を考慮し、IEAが提供している「1.5℃シナリオ」および「各国表明済みの具体的政策を反映し、現行の取り組みから大きな変化がない

STEPS(2.8℃)シナリオ」を用いてそれぞれのシナリオ評価を行いました。

 

 

リスク評価

機会評価

 

非常に高い

 

非常に高い

 

 

 

 

 

 

 

不確実

 

 

移行リスク

/機会

リスク・機会の

分類

(TCFD区分)

気候変動リスク/機会および
当社事業への潜在的影響

2.8℃

(STEPS)

1.5℃

2030

2050

2030

2050

包装技術への投資

エネルギー源

環境負荷のより低い包装技術、消費者志向、政策の急速な普及

省エネ技術への投資

エネルギー源

エネルギー効率の高い技術の急速な普及は、エネルギー関連コストとGHG排出量低減の機会を創出

エネルギー
関連法制

政策・法規制

エネルギー関連法制の急速な強化による、省エネ関連の課税とその対応によるコスト増加

不確実

不確実

炭素価格
関連法制

政策・法規制

炭素価格の上昇と対象範囲の拡大によるコスト増加

非常に
高い

非常に
高い

GHG報告
関連法制

政策・法規制

GHG報告関連法制の強化による、対応コスト増加

不確実

不確実

 

b.分析の前提条件

 TCFD提言に基づき、当社はシナリオ分析に当たって以下の前提条件を用いました。

    (a)シナリオ:物理的リスクを評価する為のシナリオと、移行リスク・機会を評価する為のシナリオをそれぞれ2つ設定し、評価しました。

物理的リスク

IPCCによって提供されているSSP(共通社会経済経路)およびRCP(代表的濃縮経路)を組み合わせた以下2つのシナリオです。

 

RCP 8.5(4℃シナリオ)

物理的な気候変動の観点から最も「極端な」シナリオであり、気候変動の緩和措置がほとんど取られず、排出量が現在のペースで増加し続け、世界の平均気温が産業革命前と比較して今世紀末までに4℃以上上昇する前提です。

 

RCP 4.5(2℃シナリオ)

強力な気候変動の緩和措置が取られ、世界の平均気温が産業革命前と比較して今世紀末までに約2℃程度上昇する前提です。

移行リスク

IEAによって提供されている以下2つのシナリオです。

 

2050年CO2排出量実質ゼロ(NZE) (1.5℃シナリオ)

世界のエネルギー部門のCO2排出量が2050年までに実質ゼロに達すると同時に、エネルギーへの普遍的なアクセスや大気汚染の改善など、他の持続可能な開発目標も考慮されています。このシナリオでは、2100年までに地球の気温は産業革命前と比較して1.5℃しか上昇しない前提です。

 

STEPS(現行の温暖化対策に大きな変化が起きないと想定した2.8℃シナリオ)

BAUシナリオでは、現況の対策から大きな変化がない前提のシナリオで、日本政府が表明している政策からの強化や弱体化は無い前提で評価しております。

 

       (b)評価の時間軸:2030年(中期)および2050年(長期)を用いております。

               物理的リスクの影響は、中期よりも長期でより顕著となることが予想されます。一方で、移行リスク・機会は中期よりも長期の見通しの不確実性が高くなります。

 

③リスク管理

当社は、当社事業に影響を与える可能性のある物理的および移行リスク・機会を網羅的に洗い出し、社内関係者の知見に基づき、過去に実際に事業に影響を与えたもの、および今後影響を与える可能性が高いと思われるリスク・機会を抽出しました。

抽出された各リスク・機会を、2030年と2050年の時間軸に基づき、「戦略」セクションで記載の前提条件を参照して、各リスク・機会の潜在的変化の程度を定性的に評価しました。評価結果は、気候変動が当社事業に及ぼす潜在的な影響を洗い出し、リスク低減・機会活用の方法を検討するための基礎情報として今後活用します。

 

④指標と目標

TCFD提言に従い、下記通り当社グループのGHG排出量に関する指標と目標を設定しております。

 

a.スコープ1と2 GHG排出量

2021年度の当社グループのGHG排出量については、国際的に認められた企業の排出量算定基準であるGHGプロトコルに沿って今回初めてスコープ1と2 GHG排出量を算出いたしました。GHGプロトコルでは、排出量を「直接」排出と「間接」排出に分けており、前者は事業者が所有または管理する排出源から、後者は事業活動の結果として他の事業者から排出されたものを適用しております。各スコープの排出量は、使用されたエネルギー量にGHGプロトコルで規定された排出係数を乗じて算定しております。

スコープ

排出量 (t CO2 e)

(注1)

割合 (%)

スコープ1

固定燃焼

1,769

 3

冷媒の漏洩

8,317

 15

輸送用燃料

318

  1

スコープ2

マーケットベース (注2)

45,129

 81

スコープ2

ロケーションベース (注3)

39,477

合計 (注4)

55,534

100

(注)1.四捨五入の関係上、記載されている数値の合計と一致しない場合があります。

   2.マーケットベースは、企業が電力事業者より購入している契約内容を反映して算定しております。

   3.ロケーションベースは、平均的な発電排出係数(グリッド平均排出係数)に基づいて算定しております。

   4.合計は、スコープ1と2(マーケットベース)GHG排出量を合算して算定しております。

 

b.気候関連の目標

当社は、パリ協定が目指す1.5℃目標に合わせ、スコープ1と2 GHG排出量の短期排出削減目標を設定いたしました。最新の気候科学に基づき、2021年度を基準に、2030年度までにスコープ1と2 GHG排出量46.2%削減することを目標としております。

 

c.気候関連の指標

当社では、GHG排出量削減を進めるに際し、その進捗管理のための気候関連の指標を検討しています。今まで当社が取り組んできた環境・サステナビリティ関連の活動は、ペットボトル、缶、食品トレー、牛乳パックなどのリサイクルです。リサイクルは、持続可能な社会に向けて当社のお客様との関係を維持する為に重要な取組領域であり、以下のグラフに示すように回収率は年々向上しております。また、レジ袋削減のために再利用可能な袋やかごの持参を推奨しています。2009年より、使い捨てレジ袋の無料配布を廃止し、50%植物由来のバイオマスポリエチレン袋(1袋6円で販売)に切り替えております。

加えて、商品運搬時に流通容器として使用されている発泡スチロール箱を当社内で再資源化加工処理をしており、断熱材として再利用されています。他にも、当社内で発生する廃油、肉脂、魚の残渣(骨等)、段ボールを回収しており、廃油や肉脂は、主に石鹸等の油脂製品として、魚の残渣は肥料飼料として、それぞれ再利用されています。

 

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県別マイバッグ・マイバスケット持参率(2022年度)

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(4) 人的資本、多様性に関する取り組み

 当社グループの持続的な成長には、従業員個々の成長が必須であり、そのためには、問題意識をもって業務に取り組み、その中で課題を発見し、自ら解決できる人材の育成が必要であると考えております。

 そのため、第三次中期経営計画の重点施策の一つとして「従業員が挑戦できる環境の実現」を掲げ、人材育成の取り組みを進めております。

 当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

 

①人材育成に関する取り組み

a.階層別教育プログラムの実施

 当社グループでは、新卒入社時から数年間の技術的なスキルを身につけることに特化した育成プログラムを継続的に実施しております。また、マネジメント層に対しては、問題解決プログラムなど管理職に必要な教育プログラムを実施しております。

 加えて、中途採用者に対しても、専門スタッフが技術スキル習得を支援する個別研修を実施しております。

 

b.DX人材育成プログラムの実施

 当社グループの成長には、DXを利用した機械化、省人化の検討が必要であると考えており、DX人材の育成に向けたカリキュラムを導入しております。

 

c.カフェテリア研修制度の導入

 従業員が自らの意思で研修を受けるような場を提供するため、カフェテリア研修制度を導入しております。

 

②多様性に関する取り組み

a.女性活躍に向けた取り組み

 当社グループでは、女性が職業生活で活躍できる環境を整備することを目的として、女性が就業を継続し、能力開発・キャリア形成ができるよう女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しております。

 一般事業主行動計画において、2024年3月31日までに女性管理職の人数を15名以上にすること(2023年3月31日時点:14名)を目標としております。

 

b.障がい者雇用の推進

 当社グループでは、障がい者の方が長期安定的に活躍できる職場づくりに取り組んでいます。2011年11月に特例子会社「アルビスクリーンサポート(株)」を設立し、地域のハローワークとの連携を強化しながら、障がい者雇用を進めております。

 当社の第三次中期経営計画において、2024年3月31日までに障がい者雇用率4.0%を目標としております。

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c.外国人人材の状況

 当社グループには、プロセスセンターや一部店舗において外国人実習生の受け入れを行っており、2023年3月31日時点において、43名が就労しております。

 

d.65歳定年制の実施

 当社グループの定年は65歳であり、その後も本人が希望すれば最大75歳まで勤務することが可能な制度を取り入れております。

 健康寿命が長くなる中、当社において十分経験を積まれた従業員の方をシニア世代になっても活躍していただけるような取り組みを実施しております。

 

③組織風土作りに関する取り組み

a.育児や介護など従業員が働きやすい制度

 当社グループでは、従業員が、病気や介護などさまざまな理由によりフルタイムで就労することが難しい状況になった際、自分の状況に応じた働き方を選択できる制度を取り入れております。2022年度については、この制度を40名が利用(うち男性 7名 女性 33名)しております。

 

b.育児支援制度

 当社グループでは、男女問わず育児休業を実施できる制度を取り入れており、従業員教育を通じて男性従業員も積極的な育児休業を取得するよう取り組んでおります。これにより、男性従業員の育児休業取得率は18.2%(提出会社)となっております。

 

c.ハラスメント窓口の設置

 当社グループでは、従業員がハラスメント行為を発見したときやハラスメントを受けたときの報告先として、通常の職制ルートとは異なるルートで報告・相談ができるような窓口を複数設置しております。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の判断に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 店舗運営に関するリスク

①食品の安全性について

 当社グループは、主として食料品を取り扱っており、安全・安心な商品の調達・製造・販売に努めておりますが、食中毒や社会全般の食の安全に対し信頼感を損ねるような問題等が発生した場合、店舗売上高が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、「より新鮮で より美味しく 安全な商品をお値打ち価格でお届けします」という経営理念の下、食品安全方針を定め、商品調達時の品質確認、店舗での衛生管理の徹底、製造子会社におけるISO規格に基づいた食品安全管理体制の運用等、グループ全体で安全・衛生管理レベルの向上に取り組んでおります。万一食中毒が発生した場合には、お客様の健康を最優先に配慮しつつ保健所と連携し、当該原因調査と再発防止策の策定を速やかに行い、各報告及び従業員への教育を再徹底いたします。

 

②競争激化について

 当社グループは、地域に密着した食品スーパーマーケットを北陸3県、岐阜県及び愛知県に店舗展開しております。その商圏内において、同業他社の食品スーパーマーケットのほか、コンビニエンスストアやドラッグストアなど異業態の参入が相次いでおり、業種・業態を超えた企業間競争が激化した場合、店舗売上高の減少や競争に係るコストが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、地元の旬の食材を中心に鮮度の高い生鮮食品を強化し、他社よりも高い競争力を保持するほか、お客様ニーズに即した販売促進を実施することにより、業績の維持・向上を図っております。

 

③人材育成・確保について

 当社グループは、店舗の積極的な出店やM&Aにより事業を成長させる方針であります。店舗の増加に対して人員の確保と人材の育成が不十分な場合、事業成長戦略に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 出店やM&Aにより増加した店舗を早期に安定軌道へ乗せるためには、専門性の高い人材の確保と、経験豊かな店長や部門チーフ等を育成する必要があります。当社グループは、新卒社員の定期採用、一定のキャリアを有する中途社員の採用等により積極的に人材を確保するとともに、知識・経験の異なる等級別に適正な業務配置と教育研修を通じ、人材育成に努めております。

 

④コンプライアンスについて

 当社グループの事業活動は、食品衛生法、食品表示法、独占禁止法、JAS法、労働基準法及び働き方改革関連法等の法令・規制の適用、行政の許認可等を受けております。これらの法令に違反する事由が生じた場合や許認可等が取り消され又はそれらの更新が認められない場合には、事業活動が制限され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループとしては、コンプライアンスを企業行動指針に定め、定期的に研修を行いコンプライアンスの徹底に努めております。また、社内に法務担当部署とコンプライアンス委員会を設置し、随時コンプライアンスの状況を確認するほか、コンプライアンス違反が発生した場合には、速やかにコンプライアンス委員会を開催し、当該調査報告と再発防止策を講ずるとともに、従業員への教育を再徹底いたします。

 

⑤個人情報の保護について

 当社グループは、お客様へのサービス向上を図るために会員カードを発行し、カード会員の個人情報を保有しております。また、贈答品や販売促進、イベント企画において、申し込みの際の個人情報を一定期間保有しております。万一個人情報の流出が発生した場合、当社グループの信用が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 個人情報の管理につきましては、個人情報保護法に基づき、個人情報に関する規定の整備、個人情報を取り扱う部門の施設環境の確認、従業員への教育等を徹底しております。また、個人情報を保持する機会を減らすために、会員入会時に個人情報を電子化して申込用紙を廃止し、アクセス管理の厳格化等、情報システムのセキュリティ強化を図っております。

 

⑥情報システムのトラブルについて

 当社グループは、自然災害や事故等により情報システムに被害が生じた場合や、不正アクセス等によりシステム障害が生じた場合、業務遂行に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、自然災害や事故等のリスクへの対応として、バックアップ体制を整備するとともに、重要な情報システムの管理については安全性を確認した上で専門業者に業務委託しております。また、不正アクセス等のリスクへの対応として、日常における運用管理を強化するとともに、適切なセキュリティ対策を実施しております。

 

(2) 出店戦略に関するリスク

①出店に関する法的規制について

 当社グループは、店舗の積極的な出店により事業を成長させる方針であります。当社グループの単独店舗及びショッピングモールの開発・運営に際しては、関連する法律や条例等の規制を受けることとなります。特に、規制対象となる場所・店舗規模の出店においては、各規制対応に一定期間を要するため、出店手続きが遅延した場合、事業成長の進捗に遅れが生じる可能性があります。

 当社グループでは、店舗開発体制の強化を行い、立地条件や商圏分析の調査と合わせて、法規制の内容を詳細に検討し、計画通りに出店するためのリスク管理と進捗管理を適切に実行しております。

 

②固定資産の減損について

 当社グループでは、店舗の収益性が悪化、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により減損処理が必要となった場合、減損損失の計上により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 店舗の収益性が悪化する要因には、出店計画時の需要予測誤りや出店後の競争環境の影響等があり、当社グループでは、当該原因把握を早期に行い、改善計画を策定・実行しております。改善計画の策定時において、各施策を講じても改善が見込めないと判断した場合、回収可能見込額まで固定資産の帳簿価額を減損処理しております。

 

③敷金及び保証金について

 当社グループは、店舗の出店にあたり、敷金及び保証金の差入れを行っております。差入れ先の倒産等により、敷金及び保証金の全部又は一部が回収不能となった場合、貸倒損失の計上により、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、敷金及び保証金の残高が大きい差入れ先について、定期的な財政状態の調査や担保等の保全を行うほか、回収不能額を見積もり貸倒引当金の設定を行っております。

 

(3) 外的要因に関するリスク

①原油及び電気料の高騰について

 当社グループでは、トレー、フィルム等に石油製品を使用しております。また、各店舗及び物流・プロセスセンターにおいて電力を使用しておりますが、原油価格の上昇や円安による為替変動により、想定以上の石油製品や電気料金の高騰が見られた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 ロシアによるウクライナ侵攻の長期化による昨年度からの電気料金の高留まりを受け、当社グループでは、店舗における電力使用量の見える化や設定温度の適正化を進める一方、LED照明の導入等、様々な節電の対応を一層進めております。

 

②金利変動による影響について

 当社グループは、継続的に店舗の出店等に係る設備投資を行っており、主に金融機関から資金調達を行っております。そのため、資金調達において、景気動向、金融政策、海外情勢等により為替相場や海外金利の影響で、急激に金利が上昇した場合、支払利息が多額に計上され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、金利変動リスクを回避するために、長期借入金は店舗に係る設備資金のみとし、金利動向を見ながら有利な条件で調達する方針としております。また、設備投資計画において、有利子負債が過度にならないよう配慮し、金利変動リスクが業績に与える影響を低減しております。

 

③自然災害による影響について

 店舗、本社及びプロセスセンターの各所在地で大規模地震や風水害などの自然災害が発生し、被害を受けた場合、当社グループの事業活動に著しい支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、危機管理マニュアル、防災マニュアル及び事業継続計画を策定し、発生時の経営管理体制、現場でのお客様及び従業員の安全を最優先に確保するための措置、発生後の店舗営業再開に向けたプロセス等を規定しております。また、定期的に避難訓練やモバイルを使用した安全確認テストを実施するなど、災害時の機能不全リスクを低減する取組みを行っております。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次の通りであります。

 

① 経営成績等

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響がある中、各種政策の効果もあり、社会経済活動は正常化に向かう動きが見られました。一方、ウクライナ情勢の長期化、資源価格・原材料価格の高留まり等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 食品小売業界におきましては、物価高騰による生活防衛的な節約志向はますます強まっており、これに加え、業種業態を超えた競争激化や人件費上昇、原材料価格・電気料等の高騰により、厳しい経営環境が続いております。

 このような環境の中、当社グループはスーパーマーケットとして食のライフラインを守るという使命を果たすため、継続して新型コロナウイルス感染拡大防止策を徹底しながら、お客様ニーズに細やかに対応し、店舗の営業継続に取り組んでまいりました。

 昨年度よりスタートしております「第三次中期経営計画(第55期~第57期)」は、「地域一番のお客様満足の実現」を中期経営方針に掲げ、「お客様の多様なニーズへの対応」「従業員が挑戦できる環境の実現」「業務基盤の活用による生産性の向上」「事業を通じた地域社会の課題解決」を重点課題とし、以下の施策に取り組んでおります。

 「お客様の多様なニーズへの対応」については、ニーズの高い旬の生鮮品や健康志向・簡便即食商品等の販売強化を図るとともに、当社のPB商品や名物商品など付加価値の高い商品を拡充し、売上総利益率を改善いたしました。また、現在5店舗で展開している来店受取型のネットスーパーに加え、「大島店(富山県射水市)」 「笠舞店(石川県金沢市)」ではご購入された商品をご指定の場所へ配送する「アルビスらくらく当日宅配サービス」を開始いたしました。さらに、新たなお客様との接点を広げるため「LINEミニアプリ」を導入し(2022年10月)、デジタル媒体による発信力の強化と広告の効率化を図るとともに、アルビスPontaカードIDとの連携によるOne to Oneマーケティングに取り組みました。

 「従業員が挑戦できる環境の実現」の取り組みとして、新入社員から経営幹部候補までの各階層に応じた教育プログラムの実施に加え、店長が最新の店舗運営を習得するオンサイトプログラムを導入いたしました。また、地域社会を見守る認知症サポーター、熱中症対策アドバイザーの資格取得を推進しております。

 「業務基盤の活用による生産性の向上」については、店舗業務における有効な改善施策を各店で共有・展開することにより、さらなる生産性向上につなげるとともに、電子棚札(ESL)やキャッシュレスセルフレジを試験的に導入するなど、生産性向上に向けた投資を実施いたしました。一方、プロセスセンターでは、継続的に製造工程を見直し原価率の改善に努めており、物流面では、運行管理システムの導入により配送状況の見える化を実現し、積載効率の改善により運行数を減少させるなど、コスト削減に努めました。

 「事業を通じた地域社会の課題解決」については、「つなぐアルビス」をコミュニケーションメッセージに掲げ、地域・行政と連携し、課題解決に取り組んでおります。当社は「リレーフードドライブ」活動に積極的に取り組んでおり、新たに店舗常設型無人フードドライブボックスを2店舗に設置するとともに、当活動の認知を高めるため地域の小学校などと共同で開催するなど、食品ロス削減の理解を広げる活動に注力しております。また、お買物支援と地域の見守りに取り組む「移動スーパー」は、当期中に5台増え18台での運行となっております。

 2050年の脱炭素社会実現の一環として、温室効果ガスの測定のほか、SDGs目標達成へ向けた環境保全への活動を「albis Green Action」と総称し取り組んでおります。従来からのトレー・ペットボトル回収などのリサイクル事業に加え、レジ袋をバイオマス50%使用に変更するなど、サステナブルな生活提案や環境負荷軽減に寄与しております。また、「美濃加茂店(岐阜県美濃加茂市)」では太陽光パネルを設置するなどCO2削減を推進しております。

 新店につきましては、「いするぎ駅店」(2022年4月)、「黒部店」(2022年7月)の2店舗を出店いたしました。既存店につきましては、「羽根店」の全面改装を実施し、簡便即食商品および高品質商品を拡充するなど、お客様の利便性向上を図りました。

 

 以上の結果、当連結会計年度は、前期新店3店舗と当期新店2店舗による売上増加により、営業収益94,593百万円(前年同期比2.7%増)となりました。利益面につきましては、高利益商品であるPB商品などの販売拡大とプロセスセンターの原価改善等により売上総利益率が改善(前年同期比0.7%増)したものの、各種資材・電気料等の価格高騰により、営業利益1,938百万円(前年同期比20.9%減)、経常利益2,455百万円(前年同期比19.4%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、1,684百万円(前年同期比20.0%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ458百万円減少し、48,004百万円となりました。

この主な要因は、現金及び預金の減少額784百万円、売掛金の増加額129百万円、商品の増加額344百万円、建物及び構築物(純額)の増加額414百万円、機械装置及び運搬具(純額)の減少額133百万円等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ1,578百万円減少し、17,434百万円となりました。

この主な要因は、買掛金の増加額256百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少額463百万円、未払法人税等の増加額111百万円、長期借入金の減少額1,731百万円、受入敷金保証金の増加額123百万円等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1,119百万円増加し、30,569百万円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,684百万円、配当金612百万円等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ784百万円減少し、6,144百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は4,029百万円(前連結会計年度は4,210百万円)となりました。

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの内訳は、税金等調整前当期純利益2,455百万円、減価償却費2,078百万円、支払債務の増加額284百万円等による資金の増加と、売上債権の増加額129百万円、棚卸資産の増加額350百万円、未払消費税等の減少額111百万円、法人税等の支払額604百万円等による資金の減少であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,591百万円(前連結会計年度は2,147百万円)となりました。

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローの内訳は、有形固定資産の取得による支出1,791百万円、敷金及び保証金の差入による支出99百万円等による資金の減少と、敷金及び保証金の回収による収入144百万円等による資金の増加であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は3,221百万円(前連結会計年度は1,060百万円)となりました。

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローの内訳は、長期借入金の返済による支出2,195百万円、リース債務の返済による支出415百万円、配当金の支払額611百万円等による資金の減少であります。

 

④ 販売及び仕入の実績

 a.販売実績

当連結会計年度における販売実績を部門ごとに示すと、次のとおりであります。

部門別

金額(千円)

前年同期比(%)

生鮮食品

46,571,297

101.8

非生鮮食品

46,495,640

103.6

スーパーマーケット部門売上高計

93,066,938

102.7

その他

425,739

118.5

売上高合計

93,492,677

102.8

(注)1.生鮮食品は、青果・海産・精肉・惣菜等を含みます。

2.非生鮮食品は、日配・グロサリー等を含みます。

3.その他は、外販部門売上高等であります。

4.売上高合計には、不動産賃貸収入を含めておりません。

 

 

 b.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績を部門ごとに示すと、次のとおりであります。

部門別

金額(千円)

前年同期比(%)

生鮮食品

28,669,233

100.1

非生鮮食品

35,121,392

103.2

スーパーマーケット部門仕入高計

63,790,625

101.8

その他

162,431

96.5

仕入高合計

63,953,057

101.8

(注)1.生鮮食品は、青果・海産・精肉・惣菜等を含みます。

2.非生鮮食品は、日配・グロサリー等を含みます。

3.その他は、外販部門仕入高等であります。

4.惣菜・日配の金額には、原材料仕入高が含まれております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、営業収益94,593百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益1,938百万円(前年同期比20.9%減)、経常利益2,455百万円(前年同月比19.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,684百万円(前年同期比20.0%減)となりました。

 営業収益の増加(前年比2,525百万円)の主な要因は、前期に出店した新店の売上高が前期比1,392百万円増加したこと、当期に出店した新店の売上高が1,782百万円増加したこと、既存店の売上高が718百万円減少したことなどであります。

 営業利益の減少(前期比513百万円)の主な要因は、売上総利益は、プロセスセンターの原価改善やPB商品等を中心とした高利益商品の販売拡大の取り組みにより1,409百万円増加しましたが、販売費及び一般管理費が、新店等の費用及び各種資材・電気料等の価格高騰により1,925百万円増加したことなどであります。

 経常利益の減少(前期比590百万円)の主な要因は、営業利益の減少513百万円、営業外収益の助成金収入50百万円の減少等であります。

 親会社株主に帰属する当期純利益の減少(前期比421百万円)の主な要因は、経常利益の減少590百万円のほか、法人税等調整額が減少(前期比142百万円)したことであります。なお、この結果、自己資本利益率は前期7.33%から当期5.61%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 a. キャッシュ・フローの状況

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが4,029百万円(前連結会計年度は4,210百万円)の収入となり、前連結会計年度と比較して181百万円の減少となりました。減少の主な要因は、税金等調整前当期純利益の減少604百万円、棚卸資産の増減額の増加200百万円、支払債務の増減額の減少197百万円等であります。

 店舗の出店や改装等により投資活動によるキャッシュ・フローは1,591百万円(前連結会計年度は2,147百万円)の支出となり、借入金の返済が進んだことなどにより財務活動によるキャッシュ・フローは3,221百万円(前連結会計年度は1,060百万円)の支出となりました。

 この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末より784百万円減少し、6,144百万円となっております。

 

 b. 財務に関する基本的な考え方

 当社グループは、事業の成長を重要な戦略として位置付けており、当該基盤となる財務健全性を維持することを基本方針としております。

 当社グループは、食品スーパーマーケットを多店舗展開しており、回収した売上金を日々蓄積することにより手元資金の流動性が確保されております。一方で、当該流動性を高め多くの資金を確保するためには、店舗数増加による事業の成長が重要と考え、積極的に店舗へ投資してまいります。

 財務健全性に関する具体的な目標指標は設定しておりませんが、当連結会計年度末の総資産借入金比率8.8%、売上高借入金比率4.5%であり、同業他社と比較して財務健全性は確保されているものと判断しております。

 財務基盤の安定化は、安定した株主還元を維持するために重要と考えており、適切な設備投資と資金調達のバランスを保ち、今後も資本コストの低減に努めてまいります。

 

 c. 資金需要の主な内容

 当社グループの運転資金の需要は、商品代金、人件費、販売費、設備費、その他店舗経費等であり、日々蓄積している売上金回収額から支払っているため、資金の手元流動性は十分に確保されております。一方で、キャッシュレス比率の高まりによる現金回収の遅れや、納税資金、賞与資金等の一時金の支払いにおいて資金需要が生じております。

 また、当社グループは事業の成長のため継続的に出店及び改装に係る設備資金需要が生じております。

 なお、新型コロナウイルス感染症を起因とする事業の一部停止が生じる場合には、資金需要が生じる可能性がありますが、現在のところ、当該資金需要は生じておりません。

 

 

 d. 資金調達

 当社グループの事業活動のために必要な資金は、運転資金については内部資金または短期借入金で行い、出店及び改装等の設備資金については、内部資金または長期借入金による資金調達を基本としております。設備資金の調達に際しては、金利動向を見ながら有利な条件で調達する方針としております。

 また、緊急の資金需要が生じる場合を想定し、複数の金融機関に対して当座貸越契約を締結しております。

 今後の事業拡大に伴う、店舗運営に必要な運転資金、設備資金の調達に関して、問題なく調達可能と認識しております。なお、投資案件によっては、営業キャッシュ・フローを上回る場合も想定されますが、この場合は、財務健全性の維持を優先にし、種々の方法を検討してまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 特記事項はありません。