第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社の社是には「何事にも無理なく、堅実に、しかも進取、独創、能率的に経営し、信用を第一におく」と謳っています。当社は、その「信用第一主義」の理念を守って、機械工具を取り扱う専門商社として日本の産業界の発展に貢献してまいりました。

近年、日本経済は激動の時代を迎えており、産業構造も大きく変化しております。産業構造の変化が進展するにつれて、各企業は構造変化に対応するために、自らの変革を求められております。当社は、いかなる経営環境下におきましても経営理念である「信用第一主義」を堅持し、経営の軸足は国内におきつつも、経済のグローバル化並びに市場のニーズの変化に対応する積極的な経営を進めてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、経営戦略の遂行にあたり、投資収益率として最も適切である自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標と考えております。いかなる経営環境下でもこの経営指標の達成ができる経営体質の強化をめざしております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、機械工具を販売する専門商社であります。戦後の激動期には“空気圧機器”販売を中心に展開し、近年では産業の製造現場における省力化・自動化の潜在的需要を先取し、産業用ロボット中心にFA機器に注力するとともに、最近では地球環境にも配慮した商品も提案することで、常に日本の産業界における設備投資効率の向上に貢献する“FAプランナー”としての地位を築いてまいりました。

これからも当社グループは、事業の継続的成長をめざし、“FAプランナー”としての優れた提案力を武器に、他社との差別化を図った付加価値の高い営業展開を進めてまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループを取り巻く経営環境を概観しますと、半導体市場は、世界的な半導体不足の解消の動きが加速していくとともに、5G関連や自動車業界等に用いられる幅広い半導体で、活発な設備投資が続いていくものと捉えております。また、車載用半導体の需給バランスが正常化するにつれ、自動車生産台数も回復していくものと予想しております。しかし、依然として新型コロナウイルス感染症の蔓延リスクを抱え、さらに、ロシアによるウクライナ侵攻や米中対立等、地政学的リスクの高まりによる経済活動の停滞から景気の下振れが懸念されております。

このような事業環境を踏まえ、当社グループが中期経営計画「Next Stage 2024」に基づき産業の発展と地球環境に貢献する企業として成長するために優先的な課題は以下のとおりであります。

① 技術革新が進む産業界において、当社業容の拡大できる新しい販売市場の開拓

② 同業他社と差別化できる環境負荷の低い高付加価値商品の発掘

③ 人への投資による既存人材の成長と将来を担う感性豊かな人材の確保

④ 基幹システムの更新等、新システム導入による業務効率及び顧客満足度の向上

⑤ 激動する社会情勢に対応するためのコーポレート・ガバナンスの強化

当社グループは以上の課題に取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済情勢の変化によるリスクについて

当社グループの得意先は、主としてデジタル機器、半導体、自動車・車載部品、医療機器、精密機器等の業界であります。当社グループはこれらの業界の設備投資向け機械工具等を供給しております。将来、経済情勢の変化によって同業界又は得意先の設備投資が激減する事態が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況は少なからざる影響を受ける可能性があります。当社グループは、収益基盤の強化のため、各種のコスト削減策を実施することにより、リスクの最小化に努めております。

 

(2) 信用リスクについて

当社グループは、得意先に対して信用供与を行っており、与信リスクを負っております。債権管理につきましては、取引開始時より、社内ノウハウ及び外部情報等を駆使して与信リスク回避に努めております。しかし、不測の事態により得意先の経営状況が悪化した場合には、保有する債権が回収不能となり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に少なからざる影響を与える可能性があります。

 

(3) カントリーリスクについて

当社グループは、海外において事業活動を行っております。当該事業活動を行う相手国及び当事国における政変や社会的混乱、又は予期しない政治・経済の制度変更等が起きた場合、事業活動そのものが出来なくなる可能性があり、当該事態が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に大きな影響を与える可能性があります。当社グループは、仕入先との連携強化を図るとともに、主要な海外拠点に現地法人を分散させて設立し、販売管理体制の強化を行うことにより、リスクの最小化に努めております。

 

(4) 環境に関するリスクについて

当社グループは、製造業の生産設備に必要となる制御機器、FA機器、産業機器を主軸にした機械工具及び装置を販売する専門商社です。利益創出型企業として、継続的に存在するために地球環境と調和のとれた企業活動の推進に努めています。また、環境に適合した企業活動を行うために、外部認証としてISO14001を取得するとともに、定期的に外部機関の監督を受けることによって、適合性の確保に取り組んでおります。将来、当社グループの事業活動を行った過程で、環境汚染等が発生した場合には、汚染除去費用や損害賠償責任の発生、社会的信用の失墜等が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 情報漏洩に関するリスクについて

当社グループは業務に関連して、多数の情報資産を保有しております。このため、当社グループは情報管理規程を体系的に整備、運用することによって情報漏洩防止を図っており、さらに、全てのシステムに情報漏洩防止を目的としたセキュリティ対策等を講じております。しかし、不測の事態により情報が漏洩した場合には、当社グループは損害賠償責任を負う可能性があります。

 

(6) 法的リスクについて

当社グループの主たる取扱商品である制御機器、FA機器、産業機器等に関する法的規制について、今後改廃又は新たな規制が制定されることで、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、各種業界団体への加盟等により、必要な情報を的確に収集することにより、リスクの最小化に努めております。

 

(7) 人材確保と人材育成に関するリスクについて

近年、産業界の技術革新のスピードは著しく速く、当社グループの所属する機械工具業界における取扱商品も高精度化・多品種となり、それらを取り扱うためには専門的な知識が要求されます。こうした業界のニーズに対応するため、「人材確保」「人材育成」は重要な課題であります。これらの課題をクリアするために、当社は新卒・中途を問わず優秀な人材の確保を図るとともに、社員に対して社内外で各種の研修等を実施することによって、市場環境の変化に対応してまいります。しかし、これらの「人材確保」「人材育成」への対応が遅れた場合、同業他社との競合に劣後して、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 事業上使用する資産に関するリスクについて

当社グループは事業の遂行上、保有する土地・建物等の不動産及び什器備品等の動産を本社及び全国の営業所で使用するだけではなく、リース契約によって使用している資産も多数あり、いずれの資産に対しても最良又は最適な状態で十分に活用できるよう、必要な保守管理を行っております。しかし、地震や水害等の自然災害及び感染症の流行等の不測の事故が発生した場合には、財産的な損害ばかりではなく、正常な業務処理や活発な営業活動ができなくなり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 新型コロナウイルス感染症等の異常事態リスクについて

当社グループは複数の事業拠点にて事業運営を行っており、新型コロナウイルス感染拡大や大規模な自然災害等の異常事態が発生し、事業運営が困難になった場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの所在する国・地域において外出制限や移動の制限(ロックダウン等)の規制が行われた場合、当社グループの事業活動に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、従業員の安否確認のシステム導入、災害時緊急マニュアルの策定や継続的な見直しを行うことによって、災害等発生時に事業が停滞することを回避する対応に努めております。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止における検温、マスク着用、手洗いの徹底、不要不急の出張の制限、不特定多数の人が集まるイベントの開催・参加の延期・中止の検討といった予防措置等によりリスクの最小化に努めております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における日本経済は、度重なる新型コロナウイルス感染症(以下、コロナという)の感染拡大によって経済活動の制限が断続的に継続したものの、コロナワクチン接種状況の進展が奏功し社会生活が平常化に近づいたことから、個人消費や企業の設備投資マインドは緩やかな回復基調で推移いたしました。また、世界経済は米国、中国を中心に順調に景気回復が進展してまいりましたが、原油・原材料費の高騰、米国の政策金利の引き上げ、ロシアによるウクライナ侵攻、中国政府のゼロコロナ政策におけるロックダウン等、依然として世界経済の先行きが不透明な状況が続いております。

このような経済環境下における当社グループの国内販売は、年間を通じた半導体需要の高まりから、半導体及び半導体・液晶製造装置や電子部品を製造する得意先への販売が好調を維持いたしました。加えて、あらゆる産業で生産性向上を目的とした自動化機器・装置類の設備投資が拡大したことから、電気・機械設備製造業に関する得意先への販売も前期を大きく上回る額で推移いたしました。一方で、半導体不足やサプライチェーンの混乱による部品の入手難により一部販売商品の需給がひっ迫し、各得意先への納期が長期化する等の影響を受けました。また、自動車生産台数の回復も遅れていることから、自動車・車載部品に関連する得意先への販売額は、前年を下回る水準で推移いたしました。なお、海外販売につきましては、スマートフォン向け電子部品に関連する得意先への産業用ロボットの販売が、前期に引き続き好調に推移いたしました。

以上の結果、売上高は297億30百万円(前年同期比18.7%増)、営業利益は19億71百万円(前年同期比55.0%増)、経常利益は20億61百万円(前年同期比48.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億24百万円(前年同期比50.1%増)となりました。

また、当連結会計年度末の資産合計は289億68百万円(前年同期比6.4%増)、負債合計は96億87百万円(前年同期比9.2%増)、純資産合計は192億80百万円(前年同期比5.0%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、96億円と前連結会計年度末に比べ72百万円(0.8%)の減少となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、13億60百万円と前年同期に比べ3億20百万円(30.8%)の増加となりました。資金の主な増加要因は、税金等調整前当期純利益の計上(20億65百万円)や仕入債務の増加(4億73百万円)であり、資金の主な減少要因は、売上債権の増加(9億53百万円)や法人税等の支払(5億22百万円)であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、7億52百万円と前年同期に比べ1億54百万円(25.8%)の増加となりました。資金の主な増加要因は、定期預金の払戻による収入(10億円)であり、資金の主な減少要因は、定期預金の預入による支出(15億円)や無形固定資産の取得による支出(1億88百万円)であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、7億51百万円と前年同期に比べ2億31百万円(44.6%)の増加となりました。資金の減少要因は、自己株式の取得による支出(3億34百万円)や配当金の支払額(4億33百万円)であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績

該当事項はありません。

 

b. 受注実績

受注実績と販売実績との差異は僅少なため、受注実績の記載は省略しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

機械工具器具等の販売

29,730,353

18.7

合計

29,730,353

18.7

 

 

d. 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

機械工具器具等の販売

25,286,875

17.8

合計

25,286,875

17.8

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについて、経営者は過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、新型コロナウィルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5[経理の状況]」の「1[連結財務諸表等]」「(1)[連結財務諸表]」「[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、半導体及び半導体・液晶製造装置や電子部品を製造する得意先への販売が好調に推移し、加えて、あらゆる産業で生産性向上を目的とした自動化機器・装置類の設備投資が拡大したことから、電気・機械設備製造業に関する得意先への販売も前期を大きく上回る額で推移し、前年同期比46億89百万円(18.7%)増の297億30百万円となりました。また、売上総利益は前年同期比9億62百万円(26.8%)増の45億54百万円となりました。なお、売上総利益率は1.0ポイント増加し、15.3%となっております。

販売費及び一般管理費においては、前年同期比2億62百万円(11.3%)増の25億83百万円となり、営業利益は前年同期比6億99百万円(55.0%)増の19億71百万円となりました。

営業外収益は、助成金の収入の減少などにより前年同期比3百万円(3.2%)減の1億20百万円となり、営業外費用は、為替差損の増加などにより前年同期比18百万円(160.5%)増の30百万円となったため、経常利益は前年同期比6億76百万円(48.9%)増の20億61百万円となりました。

以上の結果、税効果会計適用後の法人税等負担額は前年同期比2億5百万円(47.2%)増の6億40百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比4億75百万円(50.1%)増の14億24百万円となったことから、自己資本当期純利益率(ROE)は、前年同期比2.3ポイント増の7.6%となりました。

 

b. 財政状態の分析

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度末比9億74百万円(4.7%)増の217億61百万円となりましたが、受取手形及び売掛金の増加(10億88百万円)が主な要因となっております。

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度末比7億63百万円(11.8%)増の72億6百万円となりましたが、長期預金の増加(5億円)が主な要因となっております。

(流動負債)

流動負債は、前連結会計年度末比8億39百万円(10.0%)増の92億37百万円となりましたが、支払手形及び買掛金の増加(2億12百万円)、電子記録債務の増加(3億21百万円)、未払法人税等の増加(1億42百万円)が主な要因となっております。

(固定負債)

固定負債は、前連結会計年度末比21百万円(4.5%)減の4億50百万円であり、特記すべき事項はありません。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上(14億24百万円)、為替換算調整勘定の増加(1億52百万円)と前期決算の剰余金の配当(4億33百万円)による減少などにより、前連結会計年度末と比べ9億19百万円(5.0%)増の192億80百万円となりました。

 

c. キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2[事業の状況]」の「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]」「(1) 経営成績等の状況の概要」「② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d. 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2022年3月期の達成状況について、売上高は、計画比32億30百万円(12.2%)増の297億30百万円、経常利益は、計画比5億71百万円(38.3%)増の20億61百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、計画比4億4百万円(39.7%)増の14億24百万円、自己資本当期純利益率(ROE)は、計画比1.9ポイント増の7.6%となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金需要の主なものは、商品等の購入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用及び維持更新を目的とした設備投資等であります。これらの資金需要に対しては、営業活動から獲得する自己資金並びに金融機関からの借入による調達を基本としております。

なお、予定されている重要な資本的支出はありません。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。