第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針及び経営戦略

当社グループは、「革新と創造」という経営理念のもとで、「顧客満足度の追求」を徹底することにより業容を拡大し、併せて業務の効率化を推進することによって収益力の強化・企業価値の増大を図ることを経営の基本方針といたしております。

「顧客満足度の追求」につきましては、より多様化するユーザーニーズにきめ細かく対応するために、魅力ある幅広い品揃え、カタログやインターネット等による様々な情報の提供に加え、商品のクイックデリバリーやサポートサービス等、お客様の利便性向上が重要であると考えております。

 

<目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略>

中期経営計画「Project -NANA-」の推進

当社グループは、平成27年度よりスタートした中期経営計画「Project -NANA-」を基本方針とし、平成31年度の達成すべき目標に向け活動していくとともに、その先の将来に向けても成長を続けることができる経営基盤の構築に邁進しております。

[中期経営計画New Action Next AS ONE 「Project -NANA-」(平成27年度~平成31年度)]

①  経営ビジョン

「アズワンは、「科学」・「医療」を中心とする専門分野を主な事業領域とし、顧客が必要と
する商品・サービス・情報を提供することで、社会に貢献する企業を目指します」

②  3つの目指すべき姿

ⅰ.成長への再加速

ⅱ.高収益性の追求

ⅲ.株主価値の最大化

③  目標とする経営指標

3つの軸となる成長戦略を推進し、平成31年度において、連結売上高700億円、連結営業利益率13.0%、ROE11.0%を実現することを目標としております。

 

(2) 経営環境

当社を取り巻く環境としては、以下のような変化が見られます。

ユーザーサイドの発注管理の効率化やコンプライアンスの観点から取引の電子化を求めるニーズが高まってきております。

また、研究開発或いは製造プロセスにおいて機器類の品質を担保するニーズが高まっており、点検・校正などのアフターメンテナンスサービスを求められるケースが増えてきております。

さらに、ユーザー企業のグローバル化は伸展し、進出先の中国から東南アジアへのシフトや、欧米企業とのアライアンスなど多方面への拡大が見られます。

医療業界においては、医療費抑制という国をあげての方向性があり病院の経営環境は引き続き厳しく、病院数、病床数は減少傾向にある一方、クリニックや介護施設は増加傾向にあります。

社会構造の変化として、人口の高齢化に伴い労働力人口はマイナスに転じております。また、労働の質という面からは働き方改革という言葉に象徴される効率的な働き方が推奨されております。こうした変化は、例えば物流業界で、人材確保難や労働環境の改善等から配送費等の上昇という形で表出しております。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

平成29年度にバージョンアップさせた中期経営計画「Project-NANA2.0-」で挑んだ取組みが、目に見える形で成果を上げ、まさに「成長への再加速」が現実のものとなってきました。残り2年、当社グループのリソースを最大限活用し、目標達成に尽力するとともに、さらに先を見据え、事業の裾野を拡大させてまいります。

 

 

<eコマース事業>

「Project -NANA-」のスタート以後、紙面に限りのある紙カタログにおいて取扱っていた7万点の商品は、インターネットを最大限に活用することで、取扱商品点数を200万点超に拡大することができました。さらに、専門的な絞込検索で瞬時に商品を探し出せる検索システム「AXEL」をリリースし、ワンストップで商品を探せるサイトとして販売店様やお客様にご愛用いただけるようになりました。今後は、品揃えの充実をさらに推進するとともに、在庫情報としてサプライヤー在庫の見える化や写真カットの詳細化など掲載情報の充実を図ることで他社の追随を許さないユーザビリティを追求してまいります。

 

また、電子的に購買業務等の効率化等を図る集中購買による取扱い、未開拓の小口ユーザーにインターネットでアプローチするネット通販業者様向けの取扱いについては、30~40%の成長率を示し、順調に推移しております。平成30年3月にはWEB購買代行業務を行う株式会社トライアンフ・ニジュウイチ(以下「トライアンフ21」という)を子会社化し、集中購買メニューの複合化を図りました。今後もこれらを有機的に融合し、お取引先数や売上高の拡大に邁進してまいります。

 

<海外事業>

海外事業は、中国を中心として展開し、東南アジアや北米、欧州へと世界4極への展開を考えております。中国では当連結会計年度末現在、上海、広州、蘇州、北京、大連、瀋陽を拠点に営業しており、上海及び北京の物流センターから中国全土への配送を行っております。今後は、現地販売店の開拓及びお取引の深耕を図るとともに、物流拠点を含めた面の拡大を図り、中国事業のさらなる発展に努めてまいります。

また、当社は海外向けに理化学機器専門の英文eコマースサイトである「AXEL_GLOBAL」を提供しております。特に東南アジアにつきましては、日系を含む海外拠点のディーラー様やそのユーザー様に「AXEL_GLOBAL」を浸透させ活用いただくことで、売上獲得につなげてまいります。

北米においては、米国現地法人が平成29年度より営業を開始し、北米製品の日本への輸出や欧米への販売を手掛けております。当面は、北米のバイオサイエンス機器や試薬等の先端製品の情報を収集し、日本へ輸出する調達業務を中心とした役割を担いますが、米国での日本製品の販売も将来の課題として、取引先の開拓等に力を入れてまいります。

欧州においては、共同仕入を行うLab Logistics Group(以下「LLG」という)との資本提携を活用し、欧州理化学商品の調達の効率化を図るとともに、日本製品をLLGの発行するカタログに掲載するほか、30社を超える欧州各地の組合企業への営業を強化して欧州向け輸出の拡大を図ってまいります。

 

<新規商材>

「Project -NANA-」で新たに取り組んだ新規商材としては、オリジナル医療機器や生産現場向けMRO品、試薬などの物販と、研究者へのサービスを強化する取組みを行っております。なかでも、品質やトレーサビリティへのニーズが高まっており、機器メンテナンスや校正・修理あるいはレンタルなどのサービスメニューの充実を図っております。また、ライフサイエンス研究機関が集積している川崎市殿町地区において、遺伝子解析等の受託を行う「殿町ソリューションリサーチラボ」を開設いたしました。

当社のメインのお客様である研究者の周辺には、研究機材というモノだけでなく、研究を実現するために解決しなければならない課題がたくさんあります。それら課題の解決策をワンストップで提供できる流通の要となり、本当に無くてはならないパートナーとしての地位を固めてまいります。

 

 

 

<高収益性の追求>

物流業界の労務費の上昇、在庫の拡充、事業拡大に伴う新たな物流センター設置など物流コストは当面増加が見込まれます。また、成長のための人材拡充や他社に先駆けたIT投資も積極的に行っていく予定です。当社グループは卸でありながら10%以上の営業利益率を確保してまいりましたが、こうした環境の中でも、さらなる収益性の向上を目指しております。生産性を高め売上成長の加速度を高めていくことが第一ですが、付加価値の高いサービスメニューやオリジナル商品の企画・販売の強化を図ること、働き方改革を含めた業務効率化を推進し、抜本的に販売管理費の抑制を図ることで、営業利益率の向上に努めてまいります。

本年4月に、ヒトが判断していたことやパソコン上での繰り返し作業などをAI(人工知能)や仮想ロボット、所謂デジタルレイバーに置き換えていくことを推進する「AI・RPA推進グループ」を発足しました。ITでできる業務はデジタルレイバーに任せ、ヒトはより創造性を発揮していくことを推進してまいります。それらにより、売上高の増加に伴うオペレーションの増加を抑えるとともに、より付加価値の高い事業を創造し、収益性を高めてまいります。

 

<株主価値の最大化>

当社グループは、資本効率を意識してさらなる成長への積極的な投資を行い、1株当たりの利益を高めてまいります。また、資本コストを意識し、ROE(株主資本利益率)を高めることで、企業価値の向上に努めてまいります。

 

「革新と創造」という経営理念のもと、常に新しいことにチャレンジし、新しい仕組みを作り出し、中期経営計画「Project -NANA-」を推進することにより、業容を拡大させてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

以下では、有価証券報告書提出日現在において当社が判断した、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループは当社グループでコントロールできない外部要因や必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスクの発生を十分に認識した上で、発生を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいる方針でありますが、当社株式に関する投資判断、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の事項及び本書中本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は、当社株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありません。

 

(1) 当社グループの事業内容について

当社グループは、各種研究所、研究機関、生産施設、医療施設等において使用される科学機器、備品等の卸売を主たる事業としております。事業の形態といたしましては、国内約11,000拠点の科学機器や医療・介護関連機器の販売店様に対し商品カタログ等を提供し、販売店様がこのカタログをユーザー様に配布して営業を行い、販売店様が当社に注文を出し、当社から販売店様へ商品を届けるカタログ販売の形態が主要な事業であります。

また、商品の仕入は、当社単体で約3,000社のサプライヤー様から仕入、一部商品については、当社ブランドの商品を生産委託しております。このように、当社グループの事業は販売店様、サプライヤー様等の多くの取引先様の協力によって支えられております。従って、取引先様の経営状況の変化等によって取引先様から協力が得られない事態になった場合は、販売チャンスを逸したり商品の仕入に支障を来たしたりするなど、当社グループの事業運営に影響を与える可能性があります。
 

 

(2) 情報システムについて

当社は、受注から出荷までを一連の情報システムによって運営しております。また、受注は主に販売店様経由で、その約7割がインターネットをはじめとする電磁的方法により注文を受け、受注業務の効率化を図っております。情報システム関連の技術革新は著しく、その変化に適応すべく、当社では継続的に投資を実施しております。また、万一の事態に備え、耐震性等に優れたデータセンターを利用するに加え、重要な設備の冗長化を図り、不正アクセスやコンピュータウィルスを防御するセキュリティー対策も講じております。

しかし、基幹システム、ネットワークの障害及び情報の改ざん・破壊・漏洩等を完全に予防または回避することが困難な場合もあり、万が一かかる事態が生じた場合、当社グループの事業運営に重大な支障を及ぼす可能性があります。

 

(3) 競合について

科学機器、備品等を取扱う当業界は、大小さまざまなメーカー、商社が激しい競争を行っております。当社グループといたしましても、カタログ及びWEBを通じた幅広い品揃え、「ビーカー1つ」でもすぐに納入できるクイックデリバリー体制の構築及び情報機能強化等を図り、競合他社との差別化に努め、売上の拡大を図っております。しかしながら、競合先も、価格、サービス等それぞれの得意分野を活かした業容拡大を図っており、当社グループが即応できないサービスを提供する競合先が現れる可能性があり、その場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 商品について

当社グループは、商社という特性から大半の取扱商品は他社ブランド品でありますが、当社グループが輸入した商品及び自社ブランド商品も取扱っております。当社は、国内事業所においてISO9001の認証を取得し、品質マネジメント体制の構築に取り組んでおり、また、製造物責任賠償については、保険に加入しております。しかしながら、予想外のリコールや製造物責任賠償につながるような問題が生じた場合は、この保険が最終的に負担する賠償額を充分にカバーできない場合もあり、多額のコストを発生させ、当社グループの評価に重大な影響を与えることにより売上高を低下させ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 災害や停電について

当社は、埼玉県北葛飾郡、大阪市及び福岡県朝倉市に物流センターを設置しております。これらの施設において災害、停電、その他の中断事象が生じた場合、その影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。仮にこれらの施設で地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、商品の出荷能力が著しく低下する可能性があります。また、商品の調達に一部支障が生ずる可能性があります。

 

(6) 海外展開に潜在するリスクについて

当社グループは、世界30ヶ国以上の国や地域から商品を調達し販売しております。また、中国や米国にて現地法人を設立し営業をしております。これらの海外への事業展開には以下に掲げるようなリスクが内在しております。

①  予想外の法律または規制の変更

②  予期しない不利な政治的または経済的要因の発生

③  人材の採用と確保の難しさ

④  未整備の技術インフラが、当社グループの商品やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性

⑤  為替相場の変動

⑥  テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱

これらにより、商品の供給等に支障が生じた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(7) 有価証券等の価格の変動について

当社グループは、他社との事業上の関係等を維持、促進する目的または資産運用の目的で、有価証券等を保有しております。

しかし、かかる有価証券等について、経済環境や金融市場環境の変化等により資産価値が減少し損失を計上した場合、元本・利息の回収ができなくなった場合等には、当社グループの業績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 法的規制等について

当社グループは、事業運営において薬機法、建設業法、計量法、古物営業法、電気用品安全法、食品衛生法、毒物及び劇物取締法、貨物利用運送事業法、倉庫業法、外国為替及び外国貿易法、下請代金遅延等防止法、個人情報保護法、製造物責任法等関係諸法令により様々な法的規制等の適用を受けております。そのため、これらの法的規制等が変更又は新設された場合や当社グループがこれらの法的規制等に抵触した場合、当社グループの事業運営や業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況は次の通りであります。

なお、当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する単一事業を営んでおり、セグメントは一つであります。従いまして、セグメント別の記載はしておりません。

 

①財政状態及び経営成績の状況

イ.財政状態の状況

(資産の部)

当連結会計年度末の流動資産は、503億4百万円(前連結会計年度末比52億21百万円増)となりました。これは、自己資金にて自己株式の取得等により現金及び預金が31億32百万円減少した一方、受取手形及び売掛金や電子記録債権が40億94百万円増加し、一年以内に償還期限を迎える有価証券が投資有価証券(固定資産)からの振替により32億円、たな卸資産の増加により8億70百万円増加したこと等によるものです。なお、連結子会社となったトライアンフ21の連結による影響は約43億円程度の増加となりました。

固定資産は、278億99百万円(同19億95百万円増)となりました。これは、トライアンフ21ののれん11億40百万円が計上されたこと、投資有価証券が8億92百万円増加したこと等によるものです。なお、トライアンフ21の連結による影響は約1億円程度の増加となりました。但し、取得原価の配分が完了していないため、暫定的な会計処理を行っております。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の流動負債は、215億3百万円(前連結会計年度末比47億31百万円増)となりました。これは、主として支払手形及び買掛金が46億9百万円増加したこと等によるものであります。なお、トライアンフ21の連結による影響は約39億円程度の増加となりました。

固定負債は、42億33百万円(同1億87百万円増)となりました。これは、主として長期借入金が4億75百万円減少した一方、繰延税金負債が6億10百万円増加したこと、株式給付引当金が57百万円計上されたこと等によるものであります。なお、トライアンフ21の連結による影響はありませんでした。以上により、負債合計は257億36百万円(同49億19百万円増)となりました。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産は、524億67百万円(前連結会計年度末比22億98百万円増)となりました。これは、主として純資産の減少要因となる自己株式の買付けにより自己株式が21億15百万円増加した一方、利益剰余金が25億49百万円増加したこと、その他有価証券評価差額金が14億75百万円増加したこと等によるものであります。なお、トライアンフ21の連結による影響は約3億円程度の増加となりました。

 

 ロ.経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、生産活動が緩やかに回復し、企業業績や雇用環境の改善が見られ比較的堅調に推移しました。一方世界経済は、成長を続けているものの、保護主義の台頭や地政学リスク等により先行き不透明な状況が続きました。

 

このような環境のもと、当社グループとしましては、平成27年度よりスタートした中期経営計画「Project -NANA-」に掲げる成長戦略であるeコマース事業、海外事業、新規商材の企画・開拓の推進等の諸施策を主軸とし、各種カタログの発刊、WEBサイトの充実、各種サービスの拡充などによる積極的な営業活動に注力いたしました。特にeコマース事業については、経営資源を集中的に投入したところ、当社電子カタログを顧客購買システムに直接接続して研究機材を購入いただくeコマース型集中購買の対象先が大幅に増え135社(前期比34社増)となりました。ネット通販業者向け売上も堅調に推移し、両チャネルを合わせたeコマース事業は前期比35.9%増と会社全体の成長を牽引しました。

 

 

(中期経営計画売上施策の進捗状況)

中期経営計画で掲げる売上促進3施策は以下の通り伸張しました。

 

平成31年度の最終目標

(百万円)

前連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

(百万円)

前年同期比

(%)

eコマース

11,000

6,212

8,440

135.9

海外事業

5,300

2,485

3,168

127.5

新規商材

4,600

1,310

2,138

163.2

 

※新規商材は、当連結会計年度に組み替えを行っており、上記前連結会計年度は組み替え後の集計をしております。

 

商品展開としては、英語や中国語版を含め8種類のカタログを発刊し、プライベートブランド商品を含めた新商品を多数投入ました。平成29年6月には、欧州各国の理化学機器販社で構成する理化学機器共同卸組合LLGに資本参加し、欧州製理化学機器の調達力を強化するとともに、欧州に対する販路としても活用できるようになりました。また、インターネットサイト「AXEL」においては、カタログに掲載しきれない専門的アイテムを多数掲載し、取扱商品点数を期初約140万点から期末約200万点を超えるまで拡大いたしました。

 

グループ展開としましては、期初より米国子会社AS ONE INTERNATIONAL, INC.が稼動を開始し、中国子会社亜速旺(上海)商貿有限公司では瀋陽に分公司を開設し、平成30年3月には国内でWEB購買代行システムを提供するトライアンフ21の株式51%を取得し子会社としました。

 

この結果、当連結会計年度の連結売上高は609億59百万円(前期比9.0%増)、営業利益は65億96百万円(同8.3%増)、経常利益は68億43百万円(同8.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は46億84百万円(同11.2%増)となりました。

 

なお、トライアンフ21の子会社化は当連結会計年度末に行われており、同社の平成30年3月期損益は経営成績に含まれておりません。

 

 

 ②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ17億69百万円増加し、65億51百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、30億37百万円の資金収入で前連結会計年度に比べ収入が16億93百万円減少いたしました。これは、主として前連結会計年度に比べ売上債権の増減額が16億10百万円増加し収入減となったこと等によるものであります

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、33億54百万円の資金収入(前連結会計年度は19億23百万円の資金支出)となりました。これは、主として投資有価証券の取得による支出が58億70百万円減少したこと等によるものです。なお、トライアンフ21の買収による現金の増加は13億円となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、46億26百万円の資金支出で、前連結会計年度に比べ支出が10億78百万円増加いたしました。これは、主として長期借入による収入が5億円あった一方、自己株式の取得による支出が16億38百万円増加したこと等によるものであります。

  

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

自己資本比率(%)

66.2

68.8

69.8

70.6

66.7

時価ベースの自己資本比率(%)

83.7

104.5

117.3

129.1

161.8

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

1.2

1.7

0.9

0.8

1.1

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

56.5

42.2

83.4

91.1

75.8

 

a.各指標の算出方法は以下のとおりであります。

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

b.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

c.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(期末自己株式数控除後)により算出しております。

d.営業キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

e.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

f.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

③生産、受注及び販売の状況

当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する単一事業を営んでおり、セグメントは一つであります。売上高における生産実績、部門別販売実績、品目別販売実績は以下のとおりです。

 

イ.生産実績

当連結会計年度の生産実績は、無塵化洗浄加工商品の生産実績であり、5億89百万円(前期比3.9%増)となりました。

 

ロ.受注実績

当社グループの事業内容は、当日出荷を基本とする事業の性格上、受注実績と販売実績に特筆すべき差が生じないため、当該記載を省略しております。

 

ハ.部門別販売実績

当連結会計年度の販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。

 

 

部門

前連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

(百万円)

前年同期比

(%)

研究産業機器部門

44,526

48,942

109.9

病院・介護部門

11,421

12,017

105.2

合計

55,947

60,959

109.0

 

(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

a.研究・産業機器部門

科学機器分野では、民間企業の積極的な研究開発需要に支えられたことに加え、eコマース型集中購買向けやネット通販業者向けの売上が大幅に伸長したこと、WEB掲載品の拡充によりカタログに掲載していないWEB単独掲載品の販売が倍増近い伸びを示したこと等により、売上高は352億93百万円(前期比9.1%増)となりました。

また、製造現場を対象とする産業機器分野は、電子部品業界をはじめとした広範な民間企業の旺盛な需要に支えられ、クリーンルーム向けの消耗品や汎用器具が好調に推移したことと共に、製造現場向けを主力とするネット通販業者向けも大幅に伸長し、売上高は136億49百万円(同12.2%増)と引続き好調に推移しました。

この結果、当部門の売上高合計は489億42百万円(同9.9%増)となりました。

  

b.病院・介護部門

病院・介護部門では、医療費抑制など医療機関を取り巻く厳しい経営環境が続いています。この環境のもと、当社は消耗品など低価格帯商品の販売に力を注ぎつつ、サプライヤー様との共同販促等も行い、病院向けの医療キャビネットや検査器具等の売上を伸ばしました。また、2017年11月には医療機関向け総合カタログ「Navis」のボリュームアップに着手し、3割増となる1,887頁、業界最大頁のカタログとしての発刊に踏み切りました。掲載品の拡充はもちろん、プライベートブランド商品の充実を図ったことで、当部門の売上高は120億17百万円(同5.2%増)となりました。

 

ニ.品目別販売実績

当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

(百万円)

前年同期比

(%)

科学機器・装置

 

 

 

 

汎用科学機器・装置

7,034

7,386

105.0

 

分析、特殊機器・装置

8,860

9,908

111.8

 

物理、物性測定機器・装置

3,683

3,852

104.6

 

実験用設備機器

4,157

4,915

118.2

 

小計

23,735

26,063

109.8

科学器具・消耗品

 

 

 

 

汎用器具・消耗品

15,016

16,241

108.2

 

半導体関係特殊器具

6,526

7,310

112.0

 

小計

21,543

23,551

109.3

看護・介護用品

10,669

11,344

106.3

合計

55,947

60,959

109.0

 

(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する単一事業を営んでおり、セグメントは一つであります。従いまして、セグメント別の記載はしておりません。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在にて判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果と異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当社グループの当連結会計年度の経営成績

当社グループの当連結会計年度の経営成績は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。中期経営計画「Project-NANA-」を平成27年4月にスタートさせ、特に「成長への再加速」に重点を置き取り組んでまいりました。売上高につきましては平成27年度2.9%増、平成28年度4.4%増と徐々に成長率を引上げ、当連結会計年度には9.0%増と目に見える形で成果が挙がってきております。営業利益につきましても、平成27年度は2.4%減と先行投資で微減でスタートしましたが、平成28年度4.3%増、当連結会計年度8.3%増と増益率も加速してまいりました。

5年計画である中期経営計画「Project-NANA-」で掲げた取組みが、成果に繋がってきている証左であり、現在の取組みを引き続き推し進めていく所存です。

 

b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

研究・産業機器部門においては、大学や公的研究機関の予算執行状況、民間企業の研究開発動向、民間企業の設備投資・生産動向等の影響を受けます。当連結会計年度においては、産業機器分野が前期比12.2%増と大幅に伸張したことに見られるように、科学機器分野も含めて、民間企業の旺盛な需要に当社グループ全体の仕組み(膨大な品揃え、バラ売り、当日発送、システム連携等)でお応えできたことが増収の要因と考えております。

また、企業間購買においてeコマース型の集中購買という購買形態が台頭してきております。他に類を見ない研究機器の品揃え量とシステムを持ち合わせる当社は、研究機器の集中購買での提供については大きな強みを有しており、集中購買を導入する企業・団体が増えることが、当社の経営成績にプラスに働きます。当連結会計年度においても、当社の集中購買システムとの新規連携先を34社増やすことができたことが、売上伸張の一つの要因と考えております。

病院・介護部門においては、医療機関の設備投資・医療用品の購買動向等の影響を受けます。超高齢化社会の到来に伴い持続可能な社会保障制度を確立するために、医療制度の改革や医療費の抑制などが国家的課題となっており、医療機関を取り巻く厳しい経営環境が続いています。こうした環境の中、如何にお客様の求める品揃えをご提供できるかが当社の経営成績を左右する要素になると考えております。

なお、上記の他、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2  事業の状況  2  事業等のリスク」に記載しております。

 

 

c.当社グループの資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、情報機器や物流機器等の設備投資、ソフトウエア投資、M&A等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することが重要と考えております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等に関しては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

平成32年度に関東地区において15,000坪超の物流センターの設置(賃貸)を計画しております。設備投資は30~50億円を予定しており、今後調達方法を検討してまいります。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は33億79百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は144億41百万円となっております。

 

d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等

当社グループは中期経営計画「Project-NANA-」を策定し、公表しております。同計画(平成27年4月~平成32年3月)の3年目である当連結会計年度の達成状況は以下の通りです。

売上高は中期経営計画比19億59百万円増(同3.3%増)となりました。これは中期経営計画の成長戦略の一つであるeコマース事業が期初計画74億円のところを84億円まで伸張したことが主な要因となります。営業利益は、売上高の伸張に加え、物流費などの経費を想定よりも抑制することができたこと等から同2億96百万円(同4.7%増)となりました。この結果営業利益率は同0.1ポイント増となりました。

また、ROEは9.2%(同0.5ポイント増)となりました。

平成27年度から当連結会計年度の3年間における平均総還元性向は、当連結会計年度に自己株式を19億99百万円取得し、期末配当予定を含めて目標の70%を達成する目処をつけることができました。

当連結会計年度はそれぞれの指標を達成できており、「第2  事業の状況  1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した課題に取組みつつ、現在の施策を推し進めてまいります。

指標

当連結会計年度(計画)

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

当連結会計年度(実績)

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

(計画比)

売上高

59,000百万円

60,959百万円

1,959百万円増(3.3%増)

営業利益

6,300百万円

6,596百万円

296百万円増(4.7%増)

営業利益率

10.7

10.8

0.1ポイント増

ROE(自己資本利益率)

8.7

9.2

0.5ポイント増

平成27年度~平成29年度
3年平均総還元性向

70.0

70.1%

0.1ポイント増

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

5 【研究開発活動】

(当社グループの報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載はしておりません)

当連結会計年度においては、新商品の開発を中心に研究開発活動のため24百万円を計上いたしました。

なお、当連結会計年度において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。