第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針及び経営戦略

当社グループは、「革新と創造」という経営理念のもとで、「顧客満足度の追求」を徹底することにより業容を拡大し、併せて業務の効率化を推進することによって収益力の強化・企業価値の増大を図ることを経営の基本方針としております。

「顧客満足度の追求」につきましては、より多様化するユーザーニーズにきめ細かく対応するために、魅力ある幅広い品揃え、カタログやインターネット等による様々な情報の提供に加え、商品のクイックデリバリーやサポートサービス等、お客様の利便性向上が重要であると考えております。

 

<目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略>

中期経営計画「PROJECT ONE」の推進

当社グループは、2020年度よりスタートした5年間の中期経営計画「PROJECT ONE」を2022年度より残り3年を「PROJECT ONE ver.2.0」としてバージョンアップさせています。この「PROJECT ONE ver.2.0」を基本方針とし、2024年度の達成すべき目標に向け活動していくとともに、その先の将来に向けても成長を継続することができるよう経営基盤の構築に邁進してまいります。

 

[中期経営計画 -Opportunity of Next Evolution-「PROJECT ONE ver.2.0」(2022年度~2024年度)]

①  経営ビジョン

「アズワンは、「科学」・「医療」を中心とした専門分野を主な事業領域とし、顧客が必要とする商品・サービス・情報を提供することで、社会に貢献する企業を目指します」

②  重点戦略

ⅰ.事業成長の加速化

ⅱ.経営基盤の構築

ⅲ.事業育成

ⅳ.資本の有効活用

ⅴ.企業価値の向上

③  目標とする経営指標

2024年度において、連結売上高1,066億円、連結営業利益率11.7%、ROE(株主資本利益率)11.6%を実現することを目標としております。

 

(2) 経営環境

当社を取り巻く環境としては、以下のような変化が見られます。

ユーザーサイドの発注管理の効率化やコンプライアンスの観点から取引の電子化を求めるニーズが高まってきております。また、電子購買に移行するにあたっても、専門的でかつワンストップで購買ができる品揃えの豊富さやスピーディーに納品できる高度な物流機能が重視されております。さらに、研究開発或いは製造プロセスにおいて機器類の品質を担保するニーズが高まっており、点検・校正などのアフターメンテナンスサービスを求められるケースが増えてきております。一方、利用する様々な機器メーカー毎に、個々に点検や校正を依頼する煩雑さから、管理を一括化したいというニーズが生じております。

海外においては、日本の2~3倍の研究開発費を使う米国や中国、或いはそれに追随する欧州などの広大な研究開発市場があります。また、国内ユーザー企業のグローバル化は伸展し、工場進出先の中国から東南アジアへのシフトや、欧米企業とのアライアンスなど多方面への拡大が見られます。一方、経済安全保障等から保護主義的な経済のブロック化への動きや、新型コロナウイルスによるパンデミック発生によりグローバルなサプライチェーンの寸断を経験し、国内回帰の機運も高まっております。

 

医療業界においては、中長期的に医療費抑制という国を挙げての方向性があります。病院の経営環境は引き続き厳しく、病院数、病床数は減少傾向にある一方、クリニックや介護施設は増加傾向にあります。一方、コロナ禍においては病床・医療器材・医療者の不足から医療崩壊の瀬戸際までの経験を経て、サプライチェーンの信頼性が重要度を増しました。新型コロナウイルス感染症は、2023年5月より感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律上の位置付けが5類感染症となり、これにより、政府の関与は緩和され、濃厚接触者やコロナ罹患者の隔離等厳密な感染対策が緩和できる一方、診療できる医療機関の拡大が見込まれます。政府や自治体の緊急の感染症対策に向けられた需要は減退すると思われますが、人員や病棟確保のために滞っていた一般診療や手術件数は回復していくものと思われます。

社会構造の変化として、人口の高齢化に伴い労働力人口は減少に転じております。また、労働の質という面からは働き方改革という言葉に象徴される効率的な働き方が推奨されております。こうした変化は、例えば物流業界で、人材確保難や労働環境の改善等から配送費等の上昇という形で表出しております。当社グループにおいても、運賃や倉庫作業料の上昇という形で少なからず影響を受けております。

また、シェアリングエコノミーという言葉に代表される、所有から利用へという流れも、研究プロセスにおいて実験機器の所有にこだわるより、機器の利用或いは委託によりアウトプットのみを求めるという形で当業界においても変化していくことが予想されます。

さらに、Society5.0時代のAI(人工知能)やIoT、ロボットなどの新しいデジタルテクノロジー、社会課題をバイオテクノロジーで解決していこうとするBX(バイオトランスフォーメーション)などが、社会に大きなパラダイムシフトをもたらすものと期待されており、気候変動や労働環境を含めたサステナビリティの観点からも、ますますこの変化を加速させております。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、「科学」・「医療」を中心とした専門分野を主な事業領域としており、研究の成果や医療の提供が持続可能な社会の創造につながると考えております。そのために、当社のプラットフォームを通じて人・モノ・情報・サービスを効率的に繋ぎ、研究者や医療者が様々な課題を乗り越え、目指す成果により早く到達できるようアシストすることで、社会に貢献してまいります。

 

ⅰ.事業成長の加速化

品揃えの強化

当社は、研究や医療などの専門的な領域において、品揃えの豊富さと物流力を強みにお客様の物品購入の効率化に貢献してまいりました。数年前まで7万点程度であった品揃えは、今では900万点を超えるまでに拡大しています。しかしながら、あらゆる領域に関係してくる研究開発領域では必要なモノの種類は無限であり、まだまだ品揃えを強化する必要があります。お客様が当社をハブにしてワンストップで必要なモノを調達できる環境をさらに強化し、当社の商品データベースを「業界のデータベース」としてご利用いただくべくさらなる品揃えの拡大を図ってまいります。

 

ECチャネルの強化

当社ではこの幅広い品揃えを、アナログ的に人を介した全国の販売店ネットワークと、デジタルの ECチャネルのハイブリッドで販売しております。特にECチャネルは、毎年2桁以上の成長を続けており、当社の成長を牽引しています。大企業を中心にご利用いただいている集中購買システム「ocean」はユーザー企業でアナログ的に分散購買されていた間接資材を社内ECで一括購買する仕組みです。研究用機器・消耗品において国内最大級の品揃えと在庫の確実性を強みに、期中に36社増加し、現在285社にご利用いただいております。

「Wave」は、当社が裏方として販売店様とユーザー様のお取引をEC化する購買WEBサイトです。当社が提供する900万点の商品や在庫の情報と販売店様独自商材の情報を併載でき、販売店様は膨大な品揃えを備え持つ自社ECサイトを簡単に手にすることができます。一方でユーザー様は、商品検索や発注を「Wave」で完結でき、利便性が高まります。登録ユーザー数は約1万4,000社と期中に約3,600社増加しております。

これらに加え自社WEBショップ「AXEL」を含めたECと品揃えの組み合わせを強化し、更にデータドリブンを掛け合わせた相乗効果を図ることで、さらなる売上拡大を追求してまいります。

 

 

ⅱ.経営基盤の構築

サプライチェーンの強化

当社は、卸売業としてグローバルに約4,100社のサプライヤー様とのお取引があり、当社の品揃えと各種ソリューションを提供する源泉でもあります。商品データベース「SHARE-DB」には現在900万点の仕様・画像・取扱説明書・荷姿情報等を収納しており、今後も効率的に拡充しつつ、情報の鮮度を維持していく必要があります。また、当社はサプライヤー様とデータ連携して自社在庫額の7倍にあたる在庫情報をバーチャル在庫として活用・開示しています。自社在庫は当日出荷、バーチャル在庫の8割は3日以内に出荷できるため、卸として販売店様やユーザー様に安心してご利用いただいています。その上で、強化すべき商品群の特定や、在庫量や配置の最適化にも取り組む必要があります。その為にも、RPAやAIの活用に加えデータドリブンを更に推進してサプライチェーンマネジメントを強化してまいります。

 

物流戦略

そして同時に業容の拡大に伴い物理的な物流能力の拡充も必要となってまいります。2023年度には既存の約7,000坪の大阪物流センターの近隣に約13,000坪の物流センター「阪神DC」を開設し、両センターの一体運用を開始します。既存の賃貸物流施設にサーキュラーエコノミーを体現する形で、従前設備を活用しながら入居するものであり、巨額の設備投資を回避し、低コストで物流能力の拡充を図れる見込みです。この開設により初年度は一時的なコストアップとはなりますが、一定の固定費のまま売上高は約1.4倍の1,300億円程度まで業容を拡大させることができます。

また、運送業界の2024年問題も間近にせまり、国内運送コストの上昇懸念がありますが、自社専用でエコ配送も可能な配達便の増便や、よりリーズナブルな配送手段の組み合わせを実施し、より確実で効率的な物流を目指してまいります。

 

ⅲ.事業育成

海外事業の強化

海外事業については、コロナ禍の制約から解放される見通しであり、営業活動を積極化いたします。中国においては、2022年度に中国語サイトである「ASONLINE」への商品掲載を1年で6万点から40万点まで増やしました。今後も掲載拡大や検索ヒット率の向上を図るとともに、現地オリジナル商品の開発を強化し、現地ECプレイヤーや企業集中購買への連携を強化してまいります。

中国以外の海外への輸出についても、238万点の多言語サイト「AXEL_GLOBAL」等の活用や海外市場向け商品の開発を促進するとともに、現地で当社商品を在庫する現地パートナーの育成、ECプレイヤーとの協業等を図ってまいります。

 

未来に向けた連続的進化

既に、レンタルや校正など物販以外のサービスに関わる事業を開始しておりますが、それら事業を拡大させていくとともに、メニューを広げていきます。これまでオープンイノベーション部署の設置、研究者向け情報サイト「Lab BRAINS」の開設などを実施済みであり、2023年度にも研究のITシフトを見越したシステムインテグレーション部署やCPC(細胞培養加工施設)を開設・維持するための再生医療施設コンサルテーション部署を立上げ、出資先との人事交流などフィールドを広げるタネ蒔きを開始しています。また、大阪市北区中之島に2024年春開業予定の未来医療国際拠点へも参画をいたします。その他、研究者・医療者の困りごとをワンストップで解決するため、出資を含めた各種提携、仲間づくりにも注力してまいります。

 

サステナビリティへの対応

2022年度にはサステナビリティ推進室を設け、当社の健康経営体系ASsisT(AS(ONE)_S(olution)_I(ntegrated)
S(upport)_T(echnology))を策定し、健康経営優良法人に認定されました。また、サステナブル調達基本方針を策定し、各サプライヤー様に周知し、啓蒙を目的としたアンケートを実施しました。今後も、持続可能な社会の実現のため、そして当社自身がサステナブルであるために取り組みを強化してまいります。

 

 

ⅳ.資本の有効活用

収益性の向上

データドリブンによる機動的で最適なプライシング、最適ロット調達、調達送料などを加味した原価の最適化にも取り組んでまいります。加えて、オリジナル商品の原価改善、付加価値の高い自社サービス事業の拡大等により粗利率の向上を目指してまいります。また、DX推進による社内オペレーションの自動化、運営効率の高いeコマースの拡大、物流オペレーションの効率化などにより、間接コストの低減にも努めてまいります。これらにより、高い収益水準を維持しつつ、中長期的な収益性の向上を目指してまいります。

 

保有資産の効率化

2021年度には遊休不動産の売却を行い、2022年度には発行済株式の約3%の自己株式の買付を行いましたように資産・資本の効率性に目を配った運営をしております。また既述の通り、阪神DCの高額投資回避、バーチャル在庫の活用など、キャッシュコントロールしながらお客様満足度の追求を推進しております。今後も継続して保有資産の効率化を進め、資産効率の向上を目指してまいります。

 

ⅴ.企業価値の向上

株式市場と向き合う経営

当社は高水準の収益力を維持した上で、特別損益を除いた税引後利益の50%を配当とする配当方針を採用しています。今後も、資本コスト・資本効率を意識して資金配分・株主還元を検討し、効率的かつ積極的な成長投資を行うことで、1株当たりの利益、ROE(株主資本利益率)を高め、株主価値の向上に努めてまいります。

また当社は、ESGの観点では当社に関わった方々がその大切な人に薦めたくなるような働き甲斐のある「良い会社」になることを目指して事業運営を行っております。こうした、ESGに関わる非財務情報もさらに開示を充実させ、ご評価いただけるよう努めてまいります。

「革新と創造」という経営理念のもと、変化をチャンスと捉えて新しいことにチャレンジし、新しい仕組みを作り出すことにより、社会に価値を提供し続ける会社として発展させてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

①ガバナンス

当社グループは、「革新と創造」の経営理念のもと持続可能な社会の創造に貢献することを通じて、中長期的な企業価値の向上を目指すことを主眼に、サステナビリティ基本方針を作成しております。

 

サステナビリティ基本方針

 

ⅰ).研究者や医療従事者がその役割に専念できる環境を作っていくこと、また、業界のハブとなり流通を効率化していくことで安心・安全で豊かな社会の創造に貢献します。

 

ⅱ).地球の自然資源を間接的に利用する事業者として気候変動・生物多様性などの環境問題へ配慮し、リスクと機会を踏まえて人と地球にやさしい未来づくりに貢献します。

 

ⅲ).すべての人の人権を尊重し、公正・適切な処遇のもと多様な人材とともに個々人が成長し、健康で働きがいのある職場づくりに努めます。

 

ⅳ).取引先とともに高い倫理観と強い責任感をもって公正で誠実な経済活動を行い、経営の透明性を維持して社会の信頼と期待に応えられる企業を目指します。

 

ⅴ).ステークホルダーとのコミュニケーションを通じて協力関係を育み、社会に貢献していきます。

 

当社では、サステナビリティ経営をグループ全社で横断的に推進するため、代表取締役社長直下の組織として、サステナビリティ推進室を設置しております。

 

サステナビリティ推進室は、中期経営計画推進室メンバーを兼ねる取締役より室長を任命し、取締役会で定めたサステナビリティ基本方針に基づき、各部門と連携して、気候変動等に関するリスクと機会の分析評価、重要課題の特定、環境・人権等を含むサステナビリティ課題に関する対応を企画・立案し、目標を設定します。

 

担当取締役は、リスクマネジメント委員会等各種の重要会議に出席し、サステナビリティの観点からの意見を述べます。

取締役会は、担当取締役より適宜報告を受けるとともに、年に2回以上、サステナビリティの推進状況やリスクと機会に関する評価等について報告を受けます。

取締役会は報告に基づき、重要課題の特定や全社目標を承認するほか、重要な戦略等の審議の際にサステナビリティ推進の視点を考慮いたします。

サステナビリティに関するガバナンス体系図は以下のとおりです。

 


 

②リスク管理

当社グループの事業遂行を阻害する恐れのあるリスクの発生防止と発生したリスクへの対応等を定めた「リスク管理規程」を制定し、リスク管理に取り組んでいます。統括機関として代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を組織しており、緊急を要する場合は適宜、通常は毎月定期的に開催し、リスクマネジメントの推進体制の整備や部門から報告されるリスク管理状況を監督しております。また、気候変動や人的資本等のサステナビリティに関するリスクと機会については、主要部門の状況を集約しサステナビリティ推進室より年1回同委員会に報告を行います。同委員会は、リスク管理の状況について少なくとも3ヶ月に1度、重要な事案については速やかに取締役会に報告することとしています。

各部門においては、内在リスクを把握、分析、評価し、リスクの未然防止に努めております。「部門等のリスク管理要領」に基づき、経常利益計画値に対し一定係数を乗じた額を必須対応基準額とし、これを超える影響度のリスクについては、リスクマネジメント委員会の指示により対応することとしております。

 


 

(2)重要なサステナビリティ項目

上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける投資家の投資判断に資する重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。

 

①気候変動

当社は、気候変動を含む環境問題への対応を経営の重要な課題の一つとして位置づけています。気候変動に関する「ガバナンス」「戦略」「リスクと機会」「指標及び目標」の詳細は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づき当社ホームページ(https://www.as-1.co.jp/ir/及びhttps://www.as-1.co.jp/en/ir/))に掲載の2022年9月発行の統合報告書「AS ONE REPORT」より開示しております。2023年3月期に関する統合報告書は2023年9月から10月頃に掲載予定であります。

 

イ ガバナンス

「(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理」にて記載のガバナンス体制で気候変動対応に取り組んでいます。

 

ロ 戦略

当社は、気候関連のリスクと機会の重要性評価に向け、「移行リスク」、「物理リスク」、「機会」の区分で、各部門やサステナビリティ推進プロジェクトチームにて事業インパクトの項目出しを行い、シナリオ特定と評価を実施し、10の評価項目を選定しました。評価にあたっては、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した「4℃シナリオ」、「1.5℃シナリオ」などを考慮し、事業インパクトと財務影響度を検討しました。これら評価の詳細につきましては、上記「AS ONE REPORT」をご参照ください。

当社においては、お客様の需要に応じて様々なサプライヤー様から商品を調達し販売するビジネス形態であり、固定的な製造設備を殆ど有しないため、比較的フレキシブルに変化への対応が可能です。そのため、リスクと捉えた需要の変化も新たな機会と捉えることが可能です。物理リスクにおいては、事業の拡大と共に物流拠点等の多拠点化を更に進めていくことによりリスクの分散を図ってまいります。これらの分析を踏まえた戦略については、中期経営計画PROJECT ONE ver.2.0の事業戦略に一部組み込み(eコマースの拡大、配達便の拡大など)、対応を進めております。

 

ハ リスク管理

「(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理」にて記載のリスク管理体制で気候変動に関するリスク対応に取り組んでいます。

 

ニ 指標及び目標

当社では、自社で排出するスコープ1,2のうち、スコープ2の削減に向けて、遅くとも2050年迄に使用電力を100%再生可能エネルギーに転換することを目標に設定する枠組みである「再エネ100宣言 RE Action」への参加を表明し、中間目標として2030年度に42%、2050年度に100%の再生可能エネルギーとする目標を設定しております。これに従い、再生可能エネルギー利用率を高めるとともに、EV等の採用によりスコープ1,2ともCO2排出量を同率で削減してまいります。

2022年度には再生可能エネルギー由来の電力をグリーン電力証書により導入し、スコープ2における再生可能エネルギー利用率は0%から21%に進展しています。

指標

基準年度

実績

中間目標

最終目標

 

2020年度

2022年度

2030年度

2050年度

スコープ1及び2の基準年度比削減率

27%

42%

100%

 

スコープ3については、900万点の取扱商品の購買にかかるカテゴリ1が大半を占めるため、サプライチェーンとの協働を含め対応方法を検討中です。一方、サプライチェーン全体のペーパーレスを推進できるEC事業や梱包材などの廃棄物を削減できる配送方法である配達便数などの2024年度目標を中期経営計画PROJECT ONE ver.2.0にて開示しております。

 

②人的資本

イ ガバナンス

「(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理」にて記載のガバナンス体制で人的資本対応に取り組んでいます。

 

ロ 戦略

当社における人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりです。

 

(人材育成方針)

当社は、意欲と能力を持つ人材に幅広く教育の機会を提供し、仕事を通じて成長する活き活きと働きがいを持った人材を育成します。当社の教育研修プログラムである AS ONE Career Design Program では、全ての従業員を対象とした、階層別、課題別、及び自己啓発、そして幹部社員の育成を主眼に置いた選抜プログラム、さらには多様な人材の価値観を尊重できるダイバーシティプログラム等を制定しています。年度計画策定時には、課題解決に繋がるプログラムにブラッシュアップしながら人材育成に取り組んでいます。

特に新入社員に対しては、約5ヶ月間に及ぶ導入教育“ASONE On Boarding Program”により、社会人生活を安心してスタートできるよう強力に支援します。

 

当社が育成する人材の基本的な考え方は次のとおりです。

ⅰ) 人間力(人格・品格・仕事力)の魅力に溢れる人材

 ・真摯さ、誠実さ、志の高さ、粘り強さ

  ・関係するすべての皆様への尊敬、信頼、共感

ⅱ) 研究・産業・医療の事業分野にとどまらず、社会全般の課題を解決するプラットフォームを担う使命感を持つ人材

ⅲ) 独創的な発想を持って0から1を生み出す意欲に溢れる人材

 

(社内環境整備方針)

当社は、ハード及びソフトの両面から、魅力溢れる職場環境の充実を図っています。四半期に一度実施するエンゲージメントサーベイの結果、人事異動等の希望をタイムリーに登録可能な自己申告制度、そして定期的な人事面談等により、社員の意見や要望等をきめ細やかに把握しています。また、新しい制度等を立案する際には、都度実施する社員アンケートの結果を尊重しています。
 社員が働きやすい視点を大切にした「オフィスグランドデザイン(エントランス、ミーティングスペース、オフィススペース、昼食スペース)」、時と場合と場所に応じて勤務する服装を選択できる「スマートカジュアル」、時代のニーズにも対応した社内副業・自己啓発制度「ボーダレスワーク」、真面目な雑談や対話を促進する「アズ飲み」・“ASONE Café”、社内をよく知るための「社内報・mint」、「web社内報・min-me」、顔写真付きで社員のひととなりがよく分かるweb社員名簿“ASONE PEOPLE”等、社員の関係性の質を向上させながら、当社の職場環境をより良くするための取組を継続してまいります。

 

当社が構築する社内環境整備の基本的な考え方は次のとおりです。

ⅰ)多種多様な価値観を支援する独自性のある人事制度・福利厚生制度の構築

ⅱ)ひとの繋がり・関係性の質の向上に繋がる各種施策の実行

ⅲ)意欲と能力を持つ人材を惹きつける職場環境・オフィスレイアウトの提供

 

人的資本経営に関する取組内容及び各種指標は、下記「ニ 指標及び目標」において記載した項目に限らず、当社のホームページ「サステナビリティ」を通じてお知らせしてまいります。同サイトでは、社員の人物像も思い描いていただけるように、法定の開示内容にとどまらず、独自性を持った社内制度や指標等を開示しております。

 

ハ リスク管理

「(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理」にて記載のリスク管理体制で人的資本に関するリスク対応に取り組んでいます。

 

ニ 指標及び目標

当社グループでは、上記「ロ 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標について、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

指標

目標

実績(当事業年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2025年3月までに10%

5.5%

男性労働者の育児休業取得率

2025年3月までに100%

40.0%

平均残業時間数

2025年3月までに10時間/月

12.4時間/月

従業員全体の有給休暇取得率

2025年3月までに60%

62.0%

入社3年以内離職率

2025年3月時点で5%未満

4.3%

総合職に占める女性労働者の割合

2025年3月までに30%

16.3%

 

 

 

3 【事業等のリスク】

以下では、有価証券報告書提出日現在において当社が判断した、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループでコントロールできない外部要因や必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を十分に認識した上で、リスク回避の施策を実施し、また発生した場合には的確な対応を行うための努力を継続してまいる方針でありますが、当社株式に関する投資判断、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の事項及び本書中本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は、当社株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありません。

 

(事業リスク)

(1) 当社グループの事業内容に関するリスク

当社グループは、各種研究所、研究機関、生産施設、医療施設等において使用される科学機器、備品等の卸売を主たる事業としております。事業の形態といたしましては、国内約14,000拠点の科学機器や医療・介護関連機器の販売店様に対し商品カタログ等を提供し、販売店様がこのカタログをユーザー様に配布して営業を行い、販売店様が当社に注文を出し、当社から販売店様へ商品を届けるカタログ販売の形態をとっております。

商品の仕入は、当社グループ全体で約4,500社のサプライヤー様から仕入れ、一部商品については、当社ブランドの商品を生産委託しております。このように、当社グループの事業は販売店様、サプライヤー様等の多くの取引先の協力によって支えられております。従って、取引先の経営状況の変化等によって取引先から協力が得られない事態になった場合は、販売チャンスを逸したり商品の仕入に支障を来したりするなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、このような事態を回避するため、取引先の経営状況の把握に努め、特定取引先に依存することのないように多数の取引先に取引を分散しております。

 

(2) 競合に関するリスク

理化学機器や医療用品等を販売店に卸す当業界は、大小さまざまなメーカー、商社が激しい競争を行っております。当社グループといたしましても、カタログ及びWEBを通じた幅広い品揃え、「ビーカー1つ」でもすぐに納入できるクイックデリバリー体制の構築及び情報提供機能強化等を図り、競合他社との差別化に努め、売上の拡大を図っております。しかしながら、競合先も、価格、サービス等それぞれの得意分野を活かした業容拡大を図っており、当社グループが即応できないサービスを提供する競合先が現れる可能性があり、当社グループが対応できない速さでその支持が広がり、当社グループの提供する価値が極端に魅力を失った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、このような事態を回避するため、品揃えの拡充をはじめとして他社の追随を許さない利便性の向上に努めております。

 

(3) eコマースの推進に関するリスク

現在の当社グループの成長を最も牽引している施策はeコマースの推進です。しかしながら、通信やインターネット利用に関する何らかの技術革新やユーザー様の物品購買習慣の変容等により、価格競争に巻き込まれる、または利便性の高い流通の仕組みが開発される可能性があります。当社グループが対応できない速さでその支持が広がり、当社グループの提供する価値が極端に魅力を失った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、このような事態を回避するため、専門性の高い商品の業界随一の品揃えとIT力と物流力の融合で差別化を図り、ITや通信技術情報にアンテナを張り最新の技術動向を把握するとともに、サービスなどの人と人との関わりも兼ね備えた付加価値の高いeコマース事業としてのブランドを確立すべく努力しております。

 

 

(4) 海外展開に潜在するリスク

当社グループは、世界30ヶ国以上の国や地域から商品を調達し販売しております。また、中国や米国にて現地法人を設立し営業をしております。これらの海外への事業展開には以下に掲げるようなリスクが内在しております。

①  予期しない法律または規制の変更

②  予期しない不利な政治的または経済的要因の発生

③  人材の採用と確保の難しさ

④  未整備の技術インフラが、当社グループの商品やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性

⑤  為替相場の変動

⑥  災害、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱

これらにより、商品の供給等に支障が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、このような事態を回避するため、現地法人や専門部署における情報収集を図り対応をしております。為替リスクについては、必要に応じて為替予約により変動リスクを最小限にとどめる努力をしております。

また、当社グループにおける海外売上は連結売上高の5.3%程度です。当社単体売上高に占める海外直接仕入品の割合は19.7%程度です。国別では中国が5.7%、マレーシア4.1%、台湾2.4%、その他30ヶ国以上の国や地域に分散しリスクの低減に努めております。

 

(5) サービス事業推進に関するリスク

当社グループは、研究者に対する物販のみならずレンタルや校正などの研究にかかわる様々なサービスを提供する事業の強化を図っております。しかしながら、サービス分野における知名度の低さや既存のサービス提供者との競争により想定通りに事業拡大できない可能性があります。また、サービス事業の展開にはレンタル品や校正機器の購入などの先行投資が発生します。一部の投下資本の回収に想定以上の時間を要する可能性があります。

当社グループは、このような事態を回避するため、理化学機器の物販により培った顧客基盤をベースに、物販とともにワンストップでサービスを利用できるよう利便性を高めるほか、納期の短縮や価格競争力の強化などを図っております。また、レンタルについては、レンタル商品の拡充に際し価格と回転数を十分に考慮しながらレンタル品の拡大を図っております。

 

(財産リスク)

(6) 在庫リスク

当社グループは、2023年3月期連結貸借対照表において棚卸資産として110億7百万円を計上しており、総資産に対する比率は11.3%となっております。また、お客様の利便性を重視し高い受注即日出荷率を信条としており、受注後直ぐに出荷できるよう予め受注を予測して在庫を保持しております。しかしながら、販売状況が想定していたものと大きく異なる結果となった場合には、棚卸資産の評価減等を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、このような事態を回避するため、適正在庫水準の維持を図るべく、一定期間受注のない商品や過剰な量の商品について定期的に把握し不稼働在庫の圧縮に努めております。また、輸入商品やプライベートブランド商品など比較的まとまった量を仕入れる必要がある場合には慎重な検討を経て実施しております。

さらに、サプライヤー様と協働して、サプライヤー様の在庫量も一部開示しており、当社在庫が無くても安心してご注文いただける仕組みを取り入れ在庫リスクを抑えながら利便性の向上を図っております。

 

(7) 固定資産の減損リスク

当社グループは土地、建物及び投資不動産などの固定資産を保有しております。現時点で必要な減損等の処理は実施済みですが今後これら資産の時価の下落、収益性の低下が認められる場合には減損損失を認識する必要が生じます。

当社グループはこのような事態を回避するため、これらの取得に際し慎重な検討を行い、取得後は時価のあるものは時価を含めその収益性を継続的に確認しております。

 

 

(8) 有価証券等の価格の変動に関するリスク

当社グループは、他社との事業上の関係等を維持、促進する目的または資産運用の目的で、2023年3月期連結貸借対照表において有価証券及び投資有価証券を214億92百万円保有しており、総資産に対する比率は22.0%となっております。

しかし、かかる投資有価証券について、経済環境や金融市場環境の変化等により市場価格が大きく変動した場合または元本・利息の回収ができなくなった場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、このような事態を回避するため、事業上の関係等の維持・促進を目的とした有価証券は発行体とのコミュニケーションを密にして情報収集に努め、純投資における株式は長期的に減らしていく方針であり、運用目的の債券は一定の格付以上で業種や銘柄を分散して運用しております。

 

(9) 年金運用リスク

当社グループでは従業員の将来の退職給付に備え、毎月一定額を外部の運用機関に拠出し年金資産として運用を委託しております。運用成績については一定の期待収益率を見積もっておりますが金融市場の変動等によりその成績が急激に悪化する場合があります。

当社グループでは、このような事態を極力回避するため、運用委託先に対しボラティリティの低い商品群による運用を指示しております。

 

(外部要因リスク)

(10) 景気変動リスク

当社グループは日本国内での売上高がグループ売上高の95%程度を占めております。また、国内における研究費の70%前後が民間企業の拠出であり、当社グループの業績は、日本国内の景気変動の影響から切り離すことはできません。

特に、民間企業の生産現場向けの需要は、直接的に景気変動の影響を受けやすいフィールドとなります。但し、研究開発向け需要は大学や公的研究機関など産業界とは別の市場があることや、産業界においても一般的に景気に左右されず研究開発を続けることが競争力の維持につながることから生産現場ほど景気変動の影響を敏感に受けるわけではありません。しかしながら、民間の研究開発費が大幅に減退する事態になれば、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの売上高は概ね60%前後が大学の研究室や企業の研究開発部門向け、20%前後が民間企業の生産現場向けの理化学機器の売上であり、20%前後が医療機関や介護施設向けの医療・介護用品の売上で構成されております。景気変動と連動しない医療機関向けのフィールドを持つことで、景気変動の影響の軽減を図っております。

 

(11) 未知の感染症の拡大に関するリスク

新型コロナウイルス感染拡大当初の各国の対応に見られるように、ワクチンや特効薬がない感染症が拡大し、対応策として外出制限を含めた人と人との接触を断つことを最優先とせざるを得ない状況になった場合は、企業の生産活動や研究活動が制限される可能性があります。それらの活動が極端に抑制され長期間に及んだ場合は、ラボ・インダストリー部門の業績に影響を及ぼします。また、国内に限らず世界でも蔓延している場合は、一部の商品の世界的需要過多による供給不足の発生、サプライヤー様側の生産活動の抑制・停止や各国の輸出制限措置等により、商品の調達に支障を来たし、お客様に求められる商品の供給ができず、部門を問わず当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、このような事態においても、医療機関を下支えする卸売業としての社会的責任を負っており、物流センターの操業が許される限り、衛生管理の徹底を図りながらテレワーク体制によるBCPプランを実行し、医療機関への医療用品の供給を継続できる体制を敷いております。また、強固な財務体質を維持することで、有事においても企業体の存続を可能にできるよう努めております。

 

 

(12) 災害や停電に関するリスク

当社は、千葉市、大阪市、尼崎市、埼玉県北葛飾郡及び福岡県朝倉市に物流センターを設置しております。これらの施設において地震や津波等の災害、停電、その他の操業を中断する事象が生じた場合、商品の出荷能力が著しく低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、商品の調達に一部支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、このような事態が生じた際の影響を軽減するために、いずれかの施設の操業が不能になった際に他の施設でバックアップして出荷対応するBCPプランを作成しております。

 

(その他リスク)

(13) 商品に関するリスク

当社グループは、商社という特性から大半の取扱商品は他社ブランド品でありますが、当社グループが直接輸入する商品及びプライベートブランド商品も取扱っております。従って、予想外のリコールや製造物責任賠償につながるような問題が生じた場合は、賠償等の多額のコストの発生や、当社グループの社会的評価の低下を通じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、このような事態を回避するため、国内事業所においてISO9001の認証を取得し、品質マネジメント体制の構築に取り組んでおり、また、製造物責任賠償については、保険に加入しております。しかしながら、この保険が最終的に負担する賠償額を充分にカバーできない場合もございます。

 

(14) 情報システムに関するリスク

当社は、研究と医療のハブとして約4,100社のサプライヤー様と約14,000拠点の販売店、或いはAXEL会員やoceanユーザーである各研究者等との間での900万点超の商品の受発注や入出荷に瞬時に対応するためにITシステムを最大限活用しております。

しかしながら、情報システム関連の技術革新は著しく、基幹システムや通信ネットワークの障害及び情報の改ざん・破壊・漏洩等を完全に予防または回避することが困難な場合もあり、万が一かかる事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、このような事態を回避するため、情報セキュリティ規程を制定し取締役を委員長とする情報セキュリティ推進委員会のもと、情報セキュリティ対策を講じるとともに、情報システム関連の技術革新に適応すべく継続的に情報投資を実施しております。万一の事態に備え、耐震性等に優れたデータセンターを利用することに加え、サーバーの分散や通信ルートの冗長化、サイバー攻撃に対する二重三重の防御策を講じるほか、社員への啓発を重視しております。今後もゼロトラスト(どこにも安全な場所はない)を前提に、さらにセキュリティを強化してまいります。

 

(15) 法的規制等に関するリスク

当社グループは、事業運営において薬機法、建設業法、計量法、古物営業法、電気用品安全法、食品衛生法、毒物及び劇物取締法、貨物利用運送事業法、倉庫業法、外国為替及び外国貿易法、下請代金遅延等防止法、個人情報保護法、製造物責任法等関係諸法令により様々な法的規制等の適用を受けております。そのため、これらの法的規制等が変更または新設された場合や当社グループの活動がこれらの法的規制等に抵触した場合、当社グループの事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、このような事態を回避するため、各責任部門においてこれら法的規制等の情報収集を行い法令順守に努めるとともに、弁護士事務所と顧問契約を締結し、都度指導を仰いでおります。

 

 

<リスクの発生可能性・影響度>

事業内容に関するリスク

eコマースの推進に関するリスク

災害や停電に関するリスク

情報システムに関するリスク

 

景気変動リスク

海外展開に潜在するリスク

未知の感染症の拡大に関するリスク

競合に関するリスク

サービス事業推進に関するリスク

法的規制等に関するリスク

固定資産の減損リスク

有価証券等の価格の変動に関するリスク

年金運用リスク

在庫リスク

商品に関するリスク

 

 

 

 

発生可能性

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況は次のとおりであります。

なお、当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。

 

①財政状態及び経営成績の状況

イ.財政状態の状況

(資産の部)

当連結会計年度末の流動資産は、626億59百万円(前連結会計年度末比27億55百万円増)となりました。これは主として現金及び預金が11億5百万円減少した一方、棚卸資産が28億36百万円増加したこと、売上債権が5億4百万円増加したこと、有価証券が5億円増加したこと等によるものです。固定資産は、348億19百万円(同13億81百万円減)となりました。これは主として投資有価証券が時価評価等により13億18百万円減少し、物流機器の減価償却進行等により有形固定資産が3億96百万円減少した一方、差入保証金の増加等によりその他投資が3億24百万円増加したこと等によるものであります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の流動負債は、273億5百万円(同15億83百万円増)となりました。これは主として短期借入金が11億50百万円増加したこと、未払法人税等が6億85百万円増加したこと等によるものであります。また、固定負債は、62億6百万円(同19億76百万円増)となりました。これは主として長期借入金が19億37百万円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産は639億68百万円(同21億86百万円減)となりました。これは、主として純資産の減少要因となる自己株式の取得等により自己株式が38億83百万円増加した一方、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益等により22億12百万円増加したこと等によるものであります。

 

ロ.経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ第6波の収束期から始まり、第7波及び第8波を経たものの、経済活動については正常化が進んでまいりました。一方で、欧米における物価上昇やロシア・ウクライナ情勢に伴う資源高に加えて、急速な為替変動などの影響を受け、製品や部品、原材料等の調達コストやエネルギーコストが上昇し、国内の消費者物価上昇にも波及しました。また、当業界においては、コスト増に伴う年度予算逼迫を受けた一時的な支出調整などの動きが期末にかけてあり、先行き不透明な状況が続きました。

 

 

このような事業環境のもと、当社グループの連結売上高は、914億21百万円(前期比5.1%増)となりました。売上高増加の要因として、当社の主要なマーケットである研究や生産の現場において、前年度に引き続き需要が活発であることが挙げられます。さらに、当社のウェブ上で取り扱っている商品は900万点を超え、前期末比で約270万点増加しており、企業購買のDX潮流に沿ったeコマースチャネルとの相乗効果でロングテール商品の売上が拡大していることが、もう一つの重要な要因です。また、サプライチェーンにおける調達物資の値上がりに対応して柔軟なプライシングを実施してきたことや、サプライヤーとの連携により、サプライヤーの在庫情報などの開示情報を充実させるなどの利便性の強化が、奏功したものと考えられます。

 

 

 

中計売上施策-PROJECT ONE ver.2.0-における主要売上施策の進捗状況

中期経営計画で掲げる主要売上施策は以下のとおり推移しました。

 

2022年度の

期初目標

(百万円)

前連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

(百万円)

前年同期比

(%)

期初目標比

(%)

eコマース

23,300

20,338

24,075

118.4

103.3

海外事業 ※

4,755

4,585

4,887

106.6

102.8

合計

28,055

24,923

28,963

116.2

103.2

 

※海外事業の約7割は中国現地法人の売上ですが、現地法人事業年度が1~12月のため、現地における1~12月の売上高を連結しております。

 

eコマースについては、ネット通販事業者向けや「AXEL Shop」等のオープンサイト系ECチャネルで、特にネット通販事業者向けにおいて掲載商品の増加や各種連携により利便性を高めたことが奏功し、当連結会計年度の売上高は前期比21.3%の増収となりました。また、大手ユーザー向け集中購買システム「ocean」や販売店支援型ECシステム「Wave」といったクローズドサイト系ECチャネルにおいては、新規アカウントが増えていることや既存接続先の利用拠点拡大や掲載品の拡充が進んでいること等により、当連結会計年度の売上高は同15.7%の増収となりました。

海外事業のうち中国については、中国語で運営するサイト「ASONLINE」掲載品数を約6万点から約40万点に拡大し引き合いを増やしましたが、前期に大口受注を獲得した反動、4月~5月にかけての上海ロックダウン及び12月のゼロコロナ政策緩和に伴う感染急拡大の影響があり、現地通貨ベースで前期比7.0%の減収となりました。しかしながら、決算上は為替変動が寄与し円換算で同5.9%の増収となりました。一方、日本からの海外への輸出(中国を除く)は、多言語サイトの「AXEL_GLOBAL」や「Wave_GLOBAL」に海外仕様品の掲載の充実を図るなど掲載品数を240万点弱に拡大し、加えて渡航再開に伴い現地販売店とのコミュニケーション強化を図り、円換算ベースで同13.2%の増収となりました。

 

一方で収益性については、コロナ禍に伴う需給の混乱で採算性が悪化していた一部の感染対策品の在庫が適正化したこともあり、売上総利益率は前期を1.7ポイント上回り、概ねコロナ禍前の水準を回復しました。

 

販売費及び一般管理費については、170億53百万円(同5.3%増)となりました。増加要因は、人員増に加え、ベースアップ実施及びインフレ応援金支給等により人件費が前期比6.0%増と3億53百万円増加したほか、営業活動の再活性化にともなう広告宣伝費(含むカタログ費)や行動関連費(出張費等)の増加、物量に応じた運賃の増加、DX推進に絡めたシステム関連費用の増加等が挙げられます。一方で、経年で過年度のマテハン投資等の減価償却費が減少していることや、運用改善等により倉庫作業料も減少に転じていること等により、費用増加が抑制されました。

 

この結果、営業利益率は12.5%と株式公開以来の最高水準となり、営業利益は113億96百万円(同22.0%増)、経常利益は116億37百万円(同21.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は81億12百万円(同12.6%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、投資活動による資金支出及び財務活動による資金支出が営業活動による資金収入を上回り、前連結会計年度末に比べ6億5百万円減少し、138億22百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、69億69百万円の資金収入で、前連結会計年度に比べ収入が18億70百万円減少しました。これは、主として税金等調整前当期純利益が12億13百万円増加し、法人税等の支払額が5億83百万円減少する等により資金収入が増加した一方、棚卸資産の増減額による支出が36億81百万円増加したこと等により資金支出が増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、3億67百万円の資金支出(前連結会計年度は5億91百万円の資金収入)となりました。この支出の増加は、主として有形固定資産の売却による収入が9億51百万円減少したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、72億83百万円の資金支出で、前連結会計年度に比べ、支出が21億20百万円増加しました。これは、主として長期借入れによる収入が50億円増加した一方、自己株式の取得による支出が65億68百万円増加したこと、配当金の支払額が2億38百万円増加したこと等により資金支出が増加したことによるものであります。

 

  

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

自己資本比率(%)

67.5

69.2

66.5

68.7

65.5

時価ベースの自己資本比率(%)

208.5

218.0

275.9

281.7

208.3

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

0.4

0.4

0.9

0.4

0.9

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

198.7

339.7

529.3

3,033.1

2,532.6

 

a.各指標の算出方法は以下のとおりであります。

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

b.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

c.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(期末自己株式数控除後)により算出しております。

d.営業キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

e.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

f.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

③生産、受注及び販売の状況

当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。売上高における生産実績、部門別販売実績、品目別販売実績は以下のとおりです。

 

 

イ.生産実績

当連結会計年度の生産実績は、無塵化洗浄加工商品及びプラスチック容器の生産実績であり、8億12百万円(前期比4.4%減)となりました。

 

ロ.受注実績

当社グループの事業内容は、当日出荷を基本とする事業の性格上、受注実績と販売実績に特筆すべき差が生じないため、当該記載を省略しております。

 

ハ.部門別販売実績

当連結会計年度の販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。

 

 

部門

前連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

(百万円)

前年同期比

(%)

ラボ・インダストリー部門

68,036

72,259

106.2

 

ラボラトリー分野

51,236

54,094

105.6

 

インダストリー分野

16,799

18,165

108.1

メディカル部門

18,408

18,586

101.0

その他

509

575

113.1

合計

86,954

91,421

105.1

 

(注) その他は株式会社トライアンフ・ニジュウイチのシステム利用料売上であります。

 

a.ラボ・インダストリー部門

大学、研究機関及び企業の研究部門等を対象とするラボラトリー分野では、期末にかけて一時的な需要鈍化があったものの、実験工具、分析特殊機器のほか、安全保護用品やウェアを始めとした汎用器具・消耗品等が伸び、前年度から引き続き国内の研究開発需要の底堅さを見せました。また、チャネルとしては集中購買システム及びネット通販事業者向けの売上高が前期比17.7%増と当分野の成長を牽引しました。これらにより当分野の売上高は540億94百万円(同5.6%増)と堅調に推移しました。

また、製造現場等を対象とするインダストリー分野は、堅調な生産活動に支えられ、無塵対策品等のクリーンルーム用品やコネクターやワイパー等の汎用器具・消耗品等の需要が伸びました。チャネルとしては、同じく集中購買システム及びネット通販事業者向けの売上高が同24.5%増と当分野の成長を牽引しました。これらにより当分野の売上高は181億65百万円(同8.1%増)となりました。

この結果、当部門の売上高合計は722億59百万円(同6.2%増)となりました。

 

b.メディカル部門

医療機関や介護施設などを対象とするメディカル部門では、前年度のコロナ第4、第5、第6波に対し、当連結会計年度における第7及び第8波の流行月の違いにより、月次や四半期別の売上高前年比においてアップダウン激しく推移しました。前年度にはバイタル計測機器やワクチン接種関連を含む設備品などの需要が牽引しましたが、当連結会計年度では一巡したため一部調整の影響が生じました。一方で、ウィズコロナ政策下で、コロナ罹患が身近になる中、医療機関における感染対策品は常態的に需要がありました。また、災害時BCP対策や介護ロボットへの関心が高まっていることへの当社ラインナップでの対応や、当社ECシステムの採用が医療機関でも少しずつ浸透し始めたことなど、当社サービスの優位性が奏功し、当部門の売上高は185億86百万円(同1.0%増)となりました。

 

 

c.その他

子会社の株式会社トライアンフ・ニジュウイチは「OffSide」システム等により理化学機器・消耗品等のWEB購買業務代行サービスやシステム提供を行っております。主力である製薬企業における購買需要が堅調であること、物品購買だけでなく間接費用を含めた最適購買代行を提供する「C3-OffSide」システムについてサービス範囲を徐々に広げていること、個社向けの専用システム売上が生じたこと等から、当部門の売上高は5億75百万円(同13.1%増)となりました。

 

ニ.品目別販売実績

当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

2022年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

(百万円)

前年同期比

(%)

科学機器・装置

 

 

 

 

汎用科学機器・装置

9,491

9,894

104.3

 

分析、特殊機器・装置

17,040

18,119

106.3

 

物理、物性測定機器・装置

4,919

4,848

98.6

 

実験用設備機器

8,627

9,771

113.3

 

小計

40,078

42,634

106.4

科学器具・消耗品

 

 

 

 

汎用器具・消耗品

20,638

22,075

107.0

 

半導体関係特殊器具

8,642

8,926

103.3

 

小計

29,280

31,001

105.9

看護・介護用品

17,085

17,209

100.7

その他

509

575

113.1

合計

86,954

91,421

105.1

 

(注) その他は株式会社トライアンフ・ニジュウイチのシステム利用料売上であります。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在にて判断したものであります。

 

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当社グループの当連結会計年度の経営成績

当社グループの当連結会計年度の経営成績は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。当連結会計年度においては、ラボ・インダストリー部門が前期比6.2%増、メディカル部門が同1.0%増で推移し、連結売上高は同5.1%増の914億21百万円と13期連続の増収を達成いたしました。また、営業利益率は12.5%と株式公開以来の最高水準となり、利益額としても営業利益113億96百万円(同22.0%増)、経常利益116億37百万円(同21.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益81億12百万円(同12.6%増)と、過去最高を更新しました。

 

b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

ロシア・ウクライナ情勢は、直接的な影響はないものの、政情不安や資源高などが供給制約や物価上昇などで景気の下押しに作用すると間接的に当社業績に影響が生じることは考えられます。

ラボ・インダストリー部門においては、大学や公的研究機関の予算執行状況、民間企業の研究開発動向・設備投資・生産動向等の影響を受けます。当連結会計年度においては、期末において年度予算に厳密な上限のある大学等において、光熱費等の上昇のしわ寄せで物品購入を控える動きがみられたものの、全体としては研究開発活動や生産活動は比較的堅調に行われ売上の増加につながりました。当社グループ全体の仕組み(膨大な品揃え、バラ売り、当日発送、システム連携、EC連携等)は、リモート化やDX推進を求める時代の趨勢の中で、求められる一つのソリューションとして利用価値が増してきております。特に、他に類を見ない研究機器の品揃えと物流機能とIT力を持ち合わせる当社は、研究機器の集中購買システムでの提供について大きな強みを有しており、eコマース型の集中購買システム「ocean」や販売店向けEC支援システム「Wave」の新規連携ユーザーは順調に増加いたしました。DX化の潮流は今後も続くものと思われ、これらの仕組みは当社の業容拡大に今後も寄与していくものと考えております。

メディカル部門においては、コロナ禍3巡目となった当連結会計年度は、月によっては前年の反動減も見込まれましたが、コロナ禍の第7波8波で罹患者数が増加したことや品揃えや顧客基盤が広がっていることもあり前年の売上実績を僅かながら上回ることができました。

期末にかけては、第8波の収束に合わせ、新型コロナウイルス感染症は、2023年5月より感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律上の位置付けが5類感染症となることが発表され、これにより、政府の関与は緩和され、濃厚接触者やコロナ罹患者の隔離等厳密な感染対策が緩和できる一方、診療できる医療機関の拡大が見込まれます。政府や自治体の緊急の感染症対策に向けられた需要は減退すると思われますが、人員や病棟確保のために滞っていた一般診療や手術件数は回復していくものと思われます。

なお、上記の他、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2  事業の状況  3  事業等のリスク」に記載しております。

 

c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等

当社グループは中期経営計画のバージョンアップ版PROJECT ONE-ver.2.0-を公表しており、売上高、営業利益率、ROEの3項目を指標目標としております。同計画(2020年4月~2025年3月)の3年目である当連結会計年度の達成状況は以下のとおりです。

期間(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

指標

当初

中期経営計画

修正後

中期経営計画

期初年度計画

当連結会計年度

(実績)

自己評価

売上高

836億円

920億円

920億円

914億円

営業利益率

10.8%

10.9%

10.9%

12.5%

ROE(自己資本利益率)

10.0%

10.2%

10.2%

12.5%

 

売上高は計画に届きませんでしたが、資産効率を上げ、営業利益が計画を上回ったことで、営業利益率、ROEとも計画を上回り、過去最高を更新しました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度においては、建物付属設備、情報機器、レンタル品及びソフトウエア等の設備投資に12億円支出し、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載の配当方針の下、前連結会計年度の期末配当金及び当連結会計年度の中間配当金の支払として37億円及び自己株式の取得に65億円支出し長期借入金19億円を返済しました。

これらの資金は、営業キャッシュ・フロー69億円及び長期借入金50億円より賄い、現金及び現金同等物の期末残高は138億円で、前連結会計年度末比6億円減少しました。

 

b.当社グループの資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、情報機器や物流機器等の設備投資、システム投資、M&A等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することが重要と考えております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等に関しては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

当連結会計年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は63億円、現金及び預金の残高は176億円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、以下の事象については、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと認識しております。

 

・繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的に見積もっております。将来において、課税所得が予想を下回った場合は、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。

 

なお、新型コロナウイルス感染症は、2023年5月より感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律上の位置付けが5類感染症となることが発表され、企業活動の抑制、雇用情勢の悪化等の懸念は払拭される見込みですが、逆に、政府や自治体による関連需要の減退が見込まれます。しかしながら、医療機関をはじめとする感染予防・保護用品の需要は当面続くものと思われます。これらにより、繰延税金資産の回収可能性等の重要な会計上の見積りを行うにあたり新型コロナウイルス感染症による影響は限定的であると仮定しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

6 【研究開発活動】

(当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。)

当連結会計年度においては、新商品の開発を中心に研究開発活動のため25百万円を計上いたしました。

なお、当連結会計年度において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。