第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

  当事業年度におけるわが国経済は、中国経済の減速に端を発し、原油安、米国金利の上昇、日銀による

マイナス金利の導入等により、世界的な株式市場の下落、円の主要通貨に対する相場も乱高下し、不透明さが

更に増した1年でした。原材料の高騰と慢性的な人手不足による人件費の高騰は、企業の業績を厳しいものと

しました。

  当社の主要取引先であります外食業界におきましても、一部の業態(ファミリーレストラン、焼肉店等)では

来店客数増により、売上回復が見られましたが、消費者の可処分所得の減少は、節約志向に繋がり、低価格化へと

より厳しい競争を余儀なくされています。特に、居酒屋、専門店(パスタ、ラーメン等)では昨年同期と比較し、

苦戦を強いられました。

  明るい話題としては、円安を受けて昨年は、訪日外国人が1,973万人と過去最高を記録し、ホテル、デパート

関係では、その恩恵に浴しました。

 このような経済環境の下、当社は長期的目標であります「いい会社をつくろう」を目指し、平成25年4月より

第二次3ヶ年中期経営計画「チャレンジ!!スマイルOne」を実行してまいりました。最終年度の当事業年度

は、基本方針として「営業力の強化」「適正利益の確保」「明るい職場」を掲げ、全社を挙げて計画達成に向けて

取組みました。

 営業政策としましては、既存のお得意先様との取組みを深化させ、並行して新規得意先開拓に努力いたし

ました。

 平成27年5月から6月にかけて病院、高齢者施設等を対象に「やさしいメニューセミナー&提案会」を大阪、

東京、高松、京都で開催し、ヘルスケアフード事業の売上も計画を大きく上回る103億円を達成いたしました。

 また、8月から9月には秋季提案会を、平成28年1月から3月には春季提案会をそれぞれ全国15会場で開催

しました。出展メーカーと当社の社員が一体となった提案内容は、お客様に高い評価をいただき、メニューや

新商品の採用につながりました。

  更に各地区では業種・業態を絞った「ミニ提案会」を開催し、当社独自のOSP(OIE 店舗STUDY&

PROPOSE:社員がお客様の店舗で食事をして、メニューや商品を提案、接客態度等について報告すること)

を実施することにより、お客様のお役に立てる業務用卸として提案型営業に努めました。

  そして12月から1月末まで、恒例の「第9回大感謝セール」を主要メーカーのご協力により実施し、お客様に

1年分の感謝の気持ちとして利益を還元いたしました。

 商品政策としましては、お客様のニーズにマッチした安心・安全・環境・健康とヘルスケアフード(病院、

高齢者向けの商品)に配慮した商品開発を進め、当事業年度中のプライベートブランド(PB:自主企画商品)の

新商品は16品、リニューアルは16品、合計32品でした。価格面、品質面、機能面でお客様に満足して

いただくために、これからも開発に注力してまいります。

 物流政策としましては、物流業務の効率化と労働環境の改善を図るために、岡山営業所と姫路営業所を、

それぞれ平成27年4月及び同5月に新築移転いたしました。平成28年秋以降7ヶ所の新築移転計画を進めて

おります。平成28年3月末現在、全国46事業所(11支店、33営業所、サンプラザ2店(業務用食品スーパー))

となり、前事業年度末と変更はございません。

 また、物流業務(倉庫内作業)の精度向上とスピードアップを図るために、「ボイスシステム(音声による

入出庫作業と在庫管理システム)」の導入を進め、平成28年3月末現在合計23ヶ所となりました。

 営業用車両の安全運転と燃費向上を目指し新たに「無事故プログラムDR(DRIVE RECORDER)」

を約100台に設置をいたしました。効果が認められたので、翌事業年度は、全車両に設置いたします。

 

 以上の結果、当事業年度の業績につきましては、売上高871億60百万円(前期比12.0%増)、営業利益

8億78百万円(前期比17.0%増)、経常利益9億45百万円(前期比16.9%増)、当期純利益5億61百万円(前期比

38.4%増)と増収増益となりました。

 なお、当社は食品卸売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は53億83百万円(前期比2.4%減)となり、前事業年度末と比較して

1億31百万円減少いたしました。

各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金収支は、3億59百万円の収入(事業年度は16億29百万円の収入)となりました。

 これは、税引前当期純利益が10億13百万円であったこと、仕入債務の増加が15億31百万円であったこと、

減価償却費が3億4百万円であったことに対し、売上債権の増加が16億44百万円であったこと、法人税等の

支払額が4億38百万円であったこと、たな卸資産の増加が2億67百万円であったことが主たる要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金収支は、2億20百万円の支出事業年度は1億48百万円の支出)となりました。

 これは、定期預金の預入による支出が23億10百万円であったこと、有形固定資産の取得による支出が

1億39百万円であったこと、敷金及び保証金の差入による支出が84百万円であったことに対し、定期預金の払戻に

よる収入が22億10百万円であったこと、敷金及び保証金の回収による収入が89百万円であったことが主たる要因であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金収支は、2億69百万円の支出事業年度は2億81百万円の支出)となりました。

 これは、配当金の支払が1億62百万円であったこと、リース債務の返済による支出が1億6百万円であったことが主たる要因であります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

  当社は、食品卸売事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績については

セグメント情報を記載しておりません。

(1)商品別売上高

商品別

第56期

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

前期比(%)

常温食品

32,850,808

106.9

冷蔵食品

8,010,053

111.7

冷凍食品

43,928,913

116.4

酒類

793,160

99.9

非食品

1,577,605

112.6

合計

87,160,541

112.0

 (注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

    2 地域別売上高は、次のとおりであります。

地域別

第56期

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

前期比(%)

東北・北海道地区

2,572,821

111.7

関東・甲信越地区

27,027,450

113.0

東海地区

7,926,188

111.3

近畿地区

34,844,491

110.9

中国・四国地区

8,795,382

113.5

九州・沖縄地区

5,994,206

112.4

合計

87,160,541

112.0

(2)商品別仕入高

商品別

第56期

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

前期比(%)

常温食品

28,116,465

107.9

冷蔵食品

6,764,529

112.8

冷凍食品

37,227,118

117.6

酒類

673,492

99.9

非食品

1,228,568

111.7

合計

74,010,174

113.1

 (注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

①市場環境への対応

 農産物・畜産物・水産物については、慢性的な需給逼迫と為替の変動により、今後、仕入価格の恒常的な高騰

が懸念されます。

 当社といたしましては、お客様の要望に応えるべく、お得な商品の開発や調達、供給に努める一方、新たな

価値を付加した自社ブランド商品(「やさしいメニュー」:ヘルスケアフード事業向けを含む)や、新メニュー

の開発、提案により、需要の喚起を図ります。

②安心・安全の確保

 食の安心・安全を求める社会の声は日増しに大きくなってきましたが、食品偽装、食品の表示など、食品の

安心・安全への脅威はいまだに続いています。当社は、食品規格書の整備を進め、データベースの充実化を推進

してまいります。また、翌事業年度の基本方針の一つに「安心・安全の徹底」を掲げ、業務用食品卸のプロ

として、お客様に安心して取引いただけるよう取組んでおります。

 自社ブランド商品の製造委託工場の定期的な点検と指導により、商品の安心・安全の確保を図ります。

 

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす

可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

当社の事業内容及び業績の変動要因について

 当社は、全国を商圏として外食産業等に対する飲食材料の卸売業を営んでおります。

業種柄、当社の取扱品目は多岐にわたっており、特定品目または特定取引先に依存している事実はありませんが、

景気動向、個人消費動向の変化による外食産業界の業況等により当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 また、当社の主要取扱品目である飲食材料の一部においては、国際価格の変動並びに為替変動により仕入価格が

大きく変動する場合があり、当該仕入価格の上昇を販売価格へ転嫁できない場合には、利益率が低下する等、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 更に、当社の取扱う商品が、天災地変、地震、津波等により被害を受けた場合、自社倉庫・委託倉庫の保管を

問わず、当社がそのリスクを負担しなければなりません。その結果、被災商品の廃棄損が業績に影響を

及ぼすことも否定できません。

 当社への投資に当たりましては、今後とも外食産業の競争激化、為替変動により当社の業績が変動する可能性が

あることについて留意する必要があります。

食品衛生について

 当社が取扱う「食」に関する商品については、その性格上、細心の品質管理、食品衛生管理体制の確立が

求められます。当社におきましても、商品の保管・配送・納品については冷凍設備と常温設備を備えた倉庫、

及び配送車を全事業所に配置するなど、品質保持に対応しており、また、製造委託工場の品質管理体制に

ついては、現地工場に赴き、当社独自の品質管理チェックシートによる厳正審査を実施しており、品質管理並びに

食品衛生管理には万全の注意を払っております。

 当社では、過去において食品の安全・衛生管理上の重大な問題が発生した事例はありませんが、当社が管理し

取扱う食品において、今後何らかの問題が発生した場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものです。

 (1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。

(2)当事業年度の経営成績の分析

①資産、負債、純資産の状況

(資産)

当事業年度末の総資産は、287億72百万円となり前事業年度末と比較して19億9百万円の増加となりました。

主な要因は、売掛金が16億37百万円増加したこと、商品が2億67百万円増加したこと及び未収入金が

1億59百万円増加したものの、固定資産が1億24百万円減少したことによります。

 

(負債)

負債は、171億62百万円となり前事業年度末と比較して15億8百万円の増加となりました。

 主な要因は、買掛金が15億31百万円増加したこと、未払費用が98百万円増加したこと及び賞与引当金が

54百万円増加したものの、未払金が2億11百万円減少したことによります。

 

(純資産)

純資産は、116億9百万円となり前事業年度末と比較して4億円の増加となりました。

主な要因は、繰越利益剰余金が4億1百万円増加したことによります。

 

②経営成績の分析

 当事業年度の売上高は871億60百万円(前期比12.0%増)と93億5百万円の増収となりました。

 また、営業利益8億78百万円(前期比17.0%増)、経常利益9億45百万円(前期比16.9%増)、

当期純利益5億61百万円(前期比38.4%増)と増益となりました。

 

(3)経営戦略の現状と今後の方針

 翌事業年度につきましては、国内外の景気は依然として不透明であり、外食費の節約等、外食業界を取巻く

経営環境は引き続き厳しい状況が続くものと予想されます。

 このような市場環境下、当社といたしましては、企業の安定成長のために、収益基盤の強化と拡大を図ることを

最重要課題と捉え、当社の「経営理念」に基づき、有効な施策を推進してまいります。

 営業基盤の強化・物流の効率化・労働環境改善及び地域密着型営業を推進するために、今後も事業所の

新築移転並びに設備強化を検討してまいります。また、取組先との関係を更に深化させ、顧客満足の向上と

新規取引先開拓に、一層注力してまいります。

 翌事業年度の基本方針は、「安心・安全の徹底」「利益創出」「人財の育成」を掲げ、全社一丸となって

目標達成に向けて邁進いたします。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

 当事業年度における現金及び現金同等物は前事業年度末より1億31百万円減少し、53億83百万円(前期比

2.4%減)となりました。

 これは、営業活動によるキャッシュ・フローで3億59百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローで

2億20百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローで2億69百万円の支出であったことが主たる要因で

あります。