当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
会社の経営の基本方針
当社グループは、各社の特徴や強みを活かしたグループ経営により既存事業の強化を図るとともに、その周辺分野における新規事業の開拓と自社開発商品・サービスの拡充に積極的に取り組み、常に安定した業績を確保できる体制の確立を目指してまいります。
当社グループは、企業理念として「人とシステムの創造と調和を実現し、健全で信頼される企業を目指し続けます」を掲げています。"特長のある商社"であることを意識し、"システム"という言葉をキーワードに、ただ単に商品を提供するという機能ではなく、お客様の要望にあわせ、ソフトと先進の機器を組み合わせてシステムを創ります。そのシステムは付加価値を持った当社オリジナルの新しい商品となります。「システムの構築」、つまり価値を創造しお客様に提供することが、当社の役割であると認識しております。
(2)経営環境及び経営戦略
当社グループは、グループ一体としてのシステム構築力や提案力の強化を図る一方、新商品の開発や新規事業の開拓に注力し、収益力の向上と事業領域の拡大に積極的に取り組んでまいります。
(情報・産業システム機材)
文書のデジタル化事業は、官公庁・自治体において、行政のデジタル化推進により電子化需要が増加傾向にあり、採算性を確保しつつ大型案件の受注獲得に注力してまいります。また、民間企業においても電子化需要が増加する市場環境にあり、国内最大のイメージングセンターを活用した高い生産性などグループの特長を活かし、受注拡大に取り組んでまいります。
スキャナー等の電子化機器は、当社の強みであるAI-OCRを活用した運用などを付加価値として提供し、電子化業務を効率化し、需要を取り込んでまいります。
業務用ろ過フィルターは、半導体や電子部材向けの拡販と飲料向けの販売シェア拡大に加え、新規分野での採用を目指してまいります。
工業用検査機材は、インフラ設備の老朽化に伴い土木・橋梁分野及びガス・水道分野において需要が増加しており、デジタル検査機器による業務の効率化を訴求して、機器拡販に注力してまいります。
(印刷システム機材)
印刷業界全体として紙メディアの需要は減少傾向にあり、特に商業印刷、出版、事務用印刷の需要が減少しています。また、印刷材料を必要としないデジタル印刷機器の市場拡大により、機器・材料の販売ともに厳しい市場環境にあります。
このような環境のなか、収益性の向上を図るため、多目的インクジェットプリンターやデジタルダイカッターなど特徴ある商品や自社開発ソフトウェアの拡販に注力し、競合優位性を構築し、他社との差別化と直販力を強化してまいります。
併せて、競合の少ない特殊機能を持った機器の取り扱いを拡充することで、印刷業界以外への販路拡大と収益性の向上を目指します。
(金融汎用システム機材)
キャッシュレス決済の普及や主要顧客である金融機関の設備投資抑制、営業店舗削減などにより現金処理機器市場は縮小傾向にあります。今後は、金融機関の内部管理強化に寄与する管理機器の拡販に取り組んでまいります。
また、金融機関のオペレーションリスク回避や営業店業務のセンター処理ニーズの高まりから各種管理システムおよびその周辺業務におけるBPOサービスの提案強化を図ってまいります。
(選挙システム機材)
各自治体は増大する業務を少ない人員で行う必要があり、今後も選挙事務の効率化需要は益々高まっていくことが予想されます。これら市場環境に対応する投開票業務をはじめとする様々な事務を効率化する機器や業務管理システムなどの開発に注力し、選挙業務を総合的にサポートするオリジナル商品や各種サービスを提供することで事業規模のさらなる拡大を図ってまいります。また、自治体情報システム標準化に対して選挙用業務管理ソフトの対応を進めてまいります。
(紙・紙加工品)
紙の需要は、デジタル化の進行等に伴いこれからも需要減少が進むものと予想されます。
今後は、顧客ニーズに応えるオリジナル商品を提供することで、価格競争に巻き込まれない利益確保を優先した取引を増やしてまいります。
また、紙器用板紙については、医薬品向け高機能紙器用板紙の販売が伸長しており、さらなる顧客ニーズに対応した特殊機能・高付加価値を持つオリジナル商品の取り扱いを増やしてまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
情報・産業システム機材では、自治体、図書館、研究機関など利用団体に対しマイクロフィルムの保存方法や劣化対策、電子化の提案を進めてまいります。
印刷システム機材では、デジタル化による紙メディア需要減少の影響で機器・材料の需要が縮小傾向にあり、厳しい市場環境にあります。今後は、収益性の向上を図るため、多目的インクジェットプリンターやデジタルダイカッターなど特徴ある商品や自社開発ソフトウェアの拡販に注力し、競合優位性を構築し、他社との差別化と直販力を強化してまいります。
金融汎用システム機材では、顧客の課題解決に繋がる競争力ある商品開発に取り組み、新商品の市場投入を積極的に推進してまいります。また、新規市場開拓に向けた商品開発や販売チャネルの拡充にも取り組み、事業の拡大を図ってまいります。
選挙システム機材では、自治体情報システム標準化への対応を進めてまいります。
紙・紙加工品分野では、印刷用紙の需要減少が続いているため、市場変化の影響を受けにくい、特殊機能・高付加価値を持ったオリジナル商品を開発・商品化することにより、採算性重視の受注とコスト削減により、収益性の改善に取り組んでまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値向上の観点から、収益性の継続的かつ安定的な成長を実現することを目指しております。このため、売上高経常利益率を重要指標と位置づけており、国政選挙など特需の発生しない期における連結売上高経常利益率を3%以上とすることを目指しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、サステナビリティマネジメントを推進するにあたり、組織横断的なメンバーで構成される「サステナビリティ委員会」を設置しております。
「サステナビリティ委員会」は、グループ全体のサステナビリティに関する方針の策定や戦略立案、ESG課題の解決に向けたマネジメントを所管し、気候変動や人権、サプライチェーンマネジメントなどを含めたリスクや機会が議論され、重要事項は取締役会に報告され、監督・モニタリングを行います。
また、取締役会は定期的に「サステナビリティ委員会」から報告を受け、重要事項については取締役会で審議するなど、管理・監督を行います。
(2)リスク管理
「サステナビリティ委員会」において、気候変動や人権、サプライチェーンマネジメントなどを含めたリスクと機会の特定、対応部門への指示、対応計画の策定、進捗管理を行い、取締役会へ報告します。
取締役会は報告内容について承認もしくは改善指示を出し、適切なリスク管理が行われていることを監督し、事業の継続と安定的発展に悪影響を与えるリスクを把握し、そのリスクがもたらす損失や影響の極小化を中心に取り組んでまいります。
また、中長期視点でリスクを利益につながる機会としても捉え、経営戦略と連携するリスクマネジメント体制の構築を推進しています。
(3)人的資本に関する戦略並びに指標及び目標
①戦略
当社グループは、経営理念及び企業理念のもと、企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向け、自ら考え積極的に行動する人材の育成に取り組みます。また、多様な人材確保に向けて、働きやすい就業環境の整備、仕事と育児等の両立支援、従業員のメンタルヘルスケア体制を強化し、能力を発揮し活躍できる社内環境の整備を推進してまいります。
②指標及び目標
当社グループは、上記において記載した戦略について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
なお、目標及び実績の数値については提出会社のものであります。
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指標 |
目標 |
実績 |
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年間 |
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年間 |
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前回から1年以内の受診率 |
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前回から1年以内の受験率 |
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有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)情報セキュリティに関するリスク
当社グループでは、顧客企業情報及び個人情報を取り扱う際の運用管理につきましては、個人情報保護方針に則り厳重に取り扱うとともに、「プライバシーマーク」や「ISO9001」、「情報セキュリティマネジメントシステム」の認証取得を通じて的確に行っております。
また、社員のセキュリティに対する意識を高め、顧客から信頼される情報セキュリティマネジメントの実現に努めております。
しかしながら、万一何らかの原因により情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜や損害賠償請求等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク
当社グループは、製造、開発、調達の各段階や、各種ドキュメントのデジタル化等のサービス提供において品質管理強化を推進しておりますが、ソフトウエアを含む製品やサービス提供に関して欠陥・瑕疵等が発生する可能性は排除できません。製品やサービスの欠陥、瑕疵等が発生した場合、製品回収や補修、お客様への補償、機会損失が発生する可能性があります。
(3)市場環境変動のリスク
当社グループの印刷システム機材部門及び紙・紙加工品部門では、デジタル化に伴い印刷物や紙に対する需要縮小が長期にわたって続いており、この傾向は今後も続くものと予想されます。
これに対し印刷システム機材部門では、印刷後加工分野の機器販売に力を入れるとともに、自社開発ソフトウエアなどの拡販を強化し収益性の改善を図る一方、紙・紙加工品部門では、顧客ニーズに対応した特殊機能・高付加価値を持つオリジナル商品の取り扱いを増やすなど積極的に対応してまいります。しかしながら、これらの需要縮小が想定を超えて進んだ場合には、経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。
(4)原材料・部品調達に係るリスク
当社グループは製品の製造に必要な原材料及び部品の多くを外部の調達先から供給を受けております。また、一部の製品について調達先が限られる特殊な資材等を使用するものがあります。このため、天災や事故等により調達先の操業が停止することで、調達ができない状況が発生した場合や、各国の情勢悪化や輸出入規制による供給不足、需要拡大による原材料価格の高騰が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
特に、世界的に半導体の需給がひっ迫しており、納期通りに調達できないリスクが高まっております。これら不測の事態が発生した場合は、生産に影響が生じ、業績に影響を与える可能性があります。
(5)気候変動による自然災害等に伴う事業継続リスク
当社グループは、国内に製造工場を含む事業所を有しております。各事業所では、不慮の自然災害等に対する防災対策設備の導入等を施しておりますが、BCP(事業継続計画)の想定を超えた大規模な地震や津波、台風や洪水、火山の噴火等の自然災害やそれに起因する大規模停電、電力不足等によって大きな被害を受ける可能性があります。
それらの影響を受け、製造中断、輸送ルート寸断、情報通信インフラの障害もしくは、顧客自身に大きな被害が生じた場合など、経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。
(6)コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、商品やサービスの品質、取引関連、環境、労務、安全衛生、会計基準や税務など様々な法規制の適用を受けており、当社グループは、法規制を遵守し、社会倫理に従って企業活動を行うためのコンプライアンス体制の構築とその遵守に努めております。しかしながら、これら法規制等への違反が発見又は認定された場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)法的規制等に係るリスク
当社グループは、事業活動を行う上で、商取引、環境、安全、保安、品質保証、化学物質管理、労働、特許、会計基準及び租税等の様々な法規制の適用を受けており、法令遵守を基本として事業活動を行っております。
現行の法規制の変更や新たな法規制、事業領域の拡大により、遵守すべき法規制が追加された場合には、その対応のための投資や費用が必要になるなど、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)新型コロナウイルスを含む感染症拡大に係るリスク
当社グループでは新型コロナウイルスを含む感染症拡大リスクに対応するため、感染の予防及び拡散の防止を目的として、緊急対策室を継続して設置し、在宅勤務、時差通勤など、従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底を行っております。
当社グループの従業員に新型コロナウイルス等の感染が拡大した場合、当社グループの営業活動において、在宅勤務や移動範囲の限定、顧客との商談機会の減少などにより活動が大幅に制限され、既に決定した商談においても取引の実施が延期されるなどの影響により、経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。
(9)人材の確保・育成に係るリスク
当社グループが、将来にわたって継続的に企業価値の向上を図るためには、優れた人材を確保・育成する必要があります。そのため人材育成が重要であると考え、進化・成長を促す自由闊達な企業文化の醸成に力を入れております。また、業務プロセスの改革を推進し、仕事の無駄や長時間労働を無くし効率良く働く環境を整えることで、社員のモチベーションと充実感を高めるよう努めております。
しかしながら、常に優秀な人材を安定的に採用・確保できる保証はなく、優れた人材が多数離職した場合や育成が計画通りに進まない場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(10)知的財産権に係るリスク
当社グループは、独自技術等の知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保するとともに、不用意に他社の特許等を侵害しないよう情報収集を図り、知的財産権の管理をしておりますが、予期しない特許侵害警告、訴訟、損害賠償請求等に巻き込まれるリスクを完全に回避することは困難です。このような事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)企業買収・業務提携等に係るリスク
当社グループは、通常の営業活動によるシェア拡大に加え、事業拡大のためM&Aによる企業買収や資本提携等も推進しておりますが、それらを実施する場合は、慎重に検討を行っております。しかしながら、国内外の経済環境の変化等の理由から、M&Aや資本提携等を行った企業の経営、事業等に対して、十分なコントロールを行えない可能性があります。また、買収した企業の顧客基盤や人材が流出する可能性もあり、当初に期待したシナジーを得られない可能性もあります。これらの場合、当社グループが既に行った投資額を十分に回収できないリスクが存在し、当初の期待どおりに事業を展開できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、景気は緩やかに回復しているとされる一方で円安や資源高により物価の上昇基調が続いており、先行き一段の物価上昇圧力が強まるとともに、米国の今後の政策の不確実性や世界的な金融引締めによる景気への影響が懸念されるなど、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況のもと当社グループでは、文書のデジタル化事業や印刷機材、貨幣処理機器やセキュリティ機器及び紙・紙加工品などの販売に注力するほか、昨年10月に実施された衆議院選挙や各地方選挙向け選挙機材の販売を積極的に取り組んでまいりました。
この結果、当期の連結業績は、売上高373億91百万円(前年同期比12.8%増)、営業利益33億54百万円(前年同期比211.4%増)、経常利益47億38百万円(前年同期比321.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益34億32百万円(前年同期比347.0%増)となりました。
セグメントの業績は次の通りであります。
(情報・印刷・産業システム機材)
情報・産業システム機材は、工業用検査機材の販売が点検業務の需要増加やデジタル機器更新を取り込み増加しました。
業務用ろ過フィルターも半導体や精密電子機器向けの販売が順調に推移したほか、スキャナー等の電子化機器も好調に推移しました。
また、文書のデジタル化事業も概ね順調に推移しました。
印刷システム機材は、印刷機器の販売は多目的インクジェットプリンターやデジタルダイカッターの販売が伸長し概ね順調に推移しましたが、印刷材料の販売が需要減少の影響を受け低調に推移しました。
以上の結果、セグメント売上高は188億2百万円(前年同期比1.0%減)となりました。
また、利益面では高採算の電子化機器の伸長と、工業用検査機材や業務用ろ過フィルターの増収により、営業利益は8億30百万円(前年同期比53.3%増)となりました。
(金融汎用・選挙システム機材)
金融汎用システム機材は、貨幣処理機器の新貨幣対応や更新需要が金融機関や運輸業界向けに伸長しました。また、金融機関の集中部門向けシステム機器の販売も順調に推移しました。
選挙システム機材は、衆議院選挙や全国の地方選挙向けに投票用紙交付機や読取分類機などの機器の販売が好調だったほか、投開票管理システムの販売やサポート業務も伸長したため前年実績を大幅に上回りました。
以上の結果、セグメント売上高は94億9百万円(前年同期比101.3%増)となりました。
また、利益面でも選挙システム機材増収の影響により、営業利益は21億29百万円(前年同期は1億87百万円)となりました。
(紙・紙加工品)
紙・紙加工品は、医薬品や化粧品向け紙器用板紙などの販売は順調に推移しましたが、印刷用紙や情報用紙の販売が需要減少の影響を受け落ち込みました。
この結果、セグメント売上高は88億95百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益は1億76百万円(前年同期比7.0%減)となりました。
(不動産賃貸・リース事業等)
不動産賃貸・リース事業等の業績は概ね順調に推移し、売上高は6億13百万円(前年同期比6.1%増)、営業利益は2億15百万円(前年同期比38.3%増)となりました。
b.財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産の残高は348億43百万円となり、前連結会計年度末より24億6百万円増加いたしました。
増加の主な要因は、現金及び預金の増加(56億30百万円)、減少の主な要因は、関係会社短期貸付金の減少(30億円)であります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産の残高は149億67百万円となり、前連結会計年度末より23億73百万円増加いたしました。
増加の主な要因は、株価上昇等による投資有価証券の増加(10億20百万円)及び持分法適用関連会社の土地売却益計上に伴う関係会社株式の増加(12億71百万円)であります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債の残高は128億19百万円となり、前連結会計年度末より7億85百万円増加いたしました。
増加の主な要因は、未払法人税等の増加(10億43百万円)及び流動負債の「その他」の増加(3億42百万円)、減少の主な要因は、仕入債務(「支払手形及び買掛金」及び「電子記録債務」)の減少(6億9百万円)であります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債の残高は30億25百万円となり、前連結会計年度末より2億26百万円増加いたしました。
増加の主な要因は、繰延税金負債の増加(2億79百万円)であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は339億65百万円となり、前連結会計年度末より37億67百万円増加いたしました。
増加の要因は、親会社株主に帰属する当期純利益(34億32百万円)及びその他の包括利益累計額の増加(6億82百万円)、減少の要因は、剰余金の配当(3億47百万円)であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益47億38百万円(前年同期は税金等調整前当期純利益11億50百万円)、減価償却費3億95百万円、その他の流動負債の増加4億84百万円、貸付金の回収30億円等の収入要因がありましたが、持分法による投資利益12億76百万円、売上債権の増加2億41百万円、仕入債務の減少6億9百万円、法人税等の支払額2億67百万円、定期預金の預入・払戻純額4億円、有形固定資産の取得による支出2億9百万円、配当金の支払額3億47百万円等により相殺され、前連結会計年度末に比べ52億30百万円増加し、209億1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は33億31百万円となりました。(前年同期は3億22百万円の資金使用)
これは、税金等調整前当期純利益47億38百万円、減価償却費3億95百万円、その他の流動負債の増加4億84百万円等の収入要因がありましたが、持分法による投資利益12億76百万円、仕入債務の減少6億9百万円等の支出要因により相殺されたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は23億34百万円となりました。(前年同期は33億72百万円の資金使用)
これは、貸付金の回収30億円等の収入要因がありましたが、定期預金の預入・払戻純額4億円、有形固定資産の取得による支出2億9百万円等の支出要因により相殺されたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4億34百万円となりました。(前年同期は3億24百万円の資金使用)
これは、配当金の支払3億47百万円等の支出要因によるものであります。
③仕入及び販売の実績
a.仕入実績
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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情報・印刷・産業システム機材(百万円) |
14,119 |
96.8 |
|
金融汎用・選挙システム機材(百万円) |
3,618 |
156.1 |
|
紙・紙加工品(百万円) |
7,826 |
98.3 |
|
不動産賃貸・リース事業等(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
25,564 |
102.8 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.販売実績
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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情報・印刷・産業システム機材(百万円) |
18,786 |
99.0 |
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金融汎用・選挙システム機材(百万円) |
9,409 |
201.3 |
|
紙・紙加工品(百万円) |
8,895 |
96.5 |
|
不動産賃貸・リース事業等(百万円) |
299 |
112.3 |
|
合計(百万円) |
37,391 |
112.8 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
当連結会計年度における売上高は、373億91百万円となり、前連結会計年度に比べ42億51百万円の増加となりましたが、売上原価が16億60百万円増加したため、売上総利益は25億90百万円の増加となりました。
販売費及び一般管理費が前連結会計年度に比べ3億13百万円増加したため、営業利益は22億77百万円増加し、33億54百万円となりました。
営業外損益では、営業外収益は「持分法による投資利益」の増加等により13億25百万円増加し、営業外費用は「固定資産廃棄損」の減少等により13百万円減少したため、経常利益は前連結会計年度に比べ36億15百万円増加し、47億38百万円となりました。
以上により、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ35億87百万円増加し、47億38百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は26億64百万円増加し、34億32百万円となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループで製造販売している選挙システム機材につきましては、任期満了前に衆議院が解散されるなど全国レベルの選挙が実施されると需要が一時的に増加し、当社の業績に影響を与える場合があります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品購入費用、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、製造等に係る設備投資、営業拠点における設備投資によるものであります。当社グループは、資金調達については自己資金及び金融機関からの借入により調達する方針としております。
なお、当連結会計年度末における借入金残高は35億16百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は209億1百万円となっております。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・売上高及び営業利益
セグメントごとの売上高及び営業利益につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績」に記載しております。
・資産
(情報・印刷・産業システム機材)
セグメント資産は、現金及び預金及び関係会社株式等は増加し、関係会社短期貸付金等が減少したものの、前連結会計年度末に比べ17億96百万円増加の264億42百万円となりました。
(金融汎用・選挙システム機材)
セグメント資産は、現金及び預金等が増加し、前連結会計年度末に比べ29億87百万円増加の152億85百万円となりました。
(紙・紙加工品)
セグメント資産は、現金及び預金等は増加したものの、売掛債権等が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ3億73百万円減少の51億10百万円となりました。
(不動産賃貸・リース事業等)
セグメント資産は、現金及び預金等が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ1億69百万円増加の26億50百万円となりました。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
③経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高経常利益率を重要指標と位置づけており、国政選挙など特需の発生しない期における連結売上高経常利益率を3%以上とすることを目指しております。当連結会計年度の連結売上高経常利益率は、衆議院選挙による増益などにより12.7%となりました。
引き続き、国政選挙など特需の発生しない期における目標達成に向けて、セグメントごとの対処すべき課題に取り組んでまいります。
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相手先 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
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富士フイルム株式会社 |
1959年4月21日 |
販売特約店基本契約 |
自 1959年4月21日 至 1960年4月20日 以後1年毎自動延長 |
|
富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社 |
2003年4月1日 |
販売特約店基本契約 |
自 2003年4月1日 至 2004年3月31日 以後1年毎自動延長 |
当社グループの研究開発活動は、新商品の企画・開発と既存商品の改良・改善に重点を置き、顧客の業務環境やニーズを分析探求し、最適な機器やシステムを創り上げ提供することに取り組んでおります。
自社商品の企画・開発は、情報・印刷・産業システム機材セグメントにおける感熱式拡大プリンター、金融汎用・選挙システム機材セグメントにおける貨幣処理機器やセキュリティ機器及び選挙用機器、紙・紙加工品セグメントにおける感圧紙を中心に行っております。
このような研究開発活動を推進するため、営業本部、営業部門を中心とし、自社商品の設計・開発・製造を専門に行う武蔵エンジニアリング株式会社(子会社)、感熱式拡大プリンター・感圧紙の製造・販売を行うエム・ビー・エス株式会社(子会社)及びメンテナンスサービスをユーザーに提供するムサシ・フィールド・サポート株式会社(子会社)が密接な連携を図っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は