第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度において、世界経済は当初の想定よりも緩やかに拡大しました。先進国はおおむね堅調だったものの、中国の景気減速が原油価格・資源価格の下落を招いたことで新興国・資源国の経済成長に下押し圧力がかかり、その影響は世界的に波及しました。一方、日本経済の成長も海外経済の影響を受けて緩やかなものとなり、個人消費・設備投資ともに力強さを欠きました。なお、設備投資については、能力増強を目的とする投資の比重が下がり、合理化・省力化を目的とする投資の比重が高まってきました。このような経済環境のもと、当社グループでは中期3ヵ年計画「戦略ビジョン2017」に基づく施策を推し進め、経営課題の解決と経営目標の達成に取り組んでまいりました。
 この結果、平成28年3月期の連結業績は、売上高334億24百万円(前年同期比6.0%増)、営業利益17億76百万円(同29.1%増)、経常利益19億15百万円(同22.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11億26百万円(同44.5%増)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

(鉄鋼業界)

同業界では、鋼材の需要低迷と市況悪化が想定よりも長引いたことで在庫調整が進まず、国内粗鋼生産量は前年同期割れが続きました。また、世界全体の粗鋼生産量も前年同期を下回り続けました。
 当社グループにおきましては、粗鋼減産の影響を受けつつも、顧客の課題解決に注力し高付加価値な提案営業を行ったことにより、ベアリング再生の売上が伸び 、配管の耐食塗装で大口受注を獲得することができました。
 この結果、鉄鋼業界向け全体としての売上高は106億78百万円(前年同期比3.1%増)となりました。

 

(自動車業界)

同業界では、自動車生産台数が前年同期を下回ったものの、海外の現地生産は好調を維持し、前年同期を上回りました。一方、工作機械受注は、政府の補助金効果もあり内需が堅調だったのに対し、スマートフォン向け需要の急減で外需が縮小し、全体としては前年同期を下回りました。
 当社グループにおきましては、合理化・省力化に資する提案営業に努めたことで、自動車部品メーカー向け洗浄機 ・低高温検査機の売上が伸びたほか、工作機械メーカー向け自動洗浄機の販売に繋がりました。
 この結果、自動車業界向け全体としての売上高は80億38百万円(前年同期比17.7%増)となりました。

 

(電子・半導体業界)

同業界では、半導体製造装置の販売は前年同期を上回ったものの、スマートフォン市場の伸びが鈍化してきたことから平成27年12月以降は前年同期を割り込んでおり、電子部品の販売も同様に落ち込みが見られました。
 当社グループにおきましては、半導体メーカー向け洗浄装置の売上が伸長したほか、光学機器メーカーへ表面処理装置の導入を果たすことができました。
 この結果、電子・半導体業界向け全体としての売上高は33億9百万円(前年同期比3.5%増)となりました。

 

(ゴム・タイヤ業界)

同業界では、国内自動車生産が低迷したことにより、国内タイヤ生産も前年同期を下回る推移となりました。一方、海外タイヤ生産は堅調に推移したことが寄与し、国内タイヤメーカー大手の売上は伸長し、海外生産比率も上昇しました。
 当社グループにおきましては、中国の販売子会社にてタイヤ加硫機用バルブの販売が好調だったことから売上増となりました。
 この結果、ゴム・タイヤ業界向け全体としての売上高は32億14百万円(前年同期比3.0%増)となりました。

 

 

(高機能材業界)

同業界では、国内大手メーカー各社で自動車向け高機能樹脂や炭素繊維を含む高機能繊維が収益に寄与し、円安・原油安による採算改善も見られました。
 当社グループにおきましては、真空ポンプ等の販売が伸びたものの、前年同期に研究開発用で表面処理装置の大口受注があった分を補うまでに至りませんでした。
 この結果、高機能材業界向け全体としての売上高は12億27百万円(前年同期比4.4%減)となりました。

 

(環境業界)

同業界では、製造業向け環境装置受注はおおむね堅調に推移しました。
 当社グループにおきましては、焼却施設向け伸縮継手の売上が伸長したほか、足場板の洗浄機が売上増に貢献しました。
 この結果、環境業界向け全体としての売上高は16億27百万円(前年同期比19.5%増)となりました。

 

(紙パルプ業界)

同業界では、紙の国内出荷は前年同期割れが続き、製紙大手は海外事業や紙おむつ等の家庭紙事業を強化することで収益を確保しました。
 当社グループにおきましては、搬送用ポンプの売上が伸びたほか、バイオマス発電向けサイレンサーの販売が売上増に寄与しました。
 この結果、紙パルプ業界向け全体としての売上高は6億57百万円(前年同期比10.6%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5億15百万円増加し、26億87百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、全体として7億96百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益19億11百万円、減価償却費2億25百万円、仕入債務の増加額3億64百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額8億7百万円、たな卸資産の増加額2億34百万円、未払消費税等の減少額1億16百万円、法人税等の支払額6億25百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、全体として8億19百万円の支出となりました。収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入2億38百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出8億21百万円、投資有価証券の取得による支出1億44百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、全体として3億2百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、短期借入金の増加額4億96百万円、長期借入による収入4億円であり、支出の主な内訳は、自己株式の取得による支出2億83百万円、配当金の支払額2億86百万円であります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

全セグメント

4,133,796

120.2

 

(注) 1 当社グループの製品は、特定のセグメントに区分することが困難であるため、生産実績については一括して記載しております。

2 金額は販売価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

鉄鋼

10,633,069

100.8

1,214,974

96.4

自動車

7,927,681

115.8

265,083

70.6

電子・半導体

3,380,762

110.7

216,564

149.0

ゴム・タイヤ

3,224,877

107.5

241,451

104.5

高機能材

1,177,184

84.8

99,236

66.1

環境

1,675,954

114.5

355,787

115.9

紙パルプ

604,327

94.8

21,470

28.8

その他

4,798,880

101.5

595,543

127.3

合計

33,422,736

105.5

3,010,111

99.9

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

鉄鋼

10,678,986

103.1

自動車

8,038,195

117.7

電子・半導体

3,309,525

103.5

ゴム・タイヤ

3,214,441

103.0

高機能材

1,227,970

95.6

環境

1,627,270

119.5

紙パルプ

657,317

110.6

その他

4,671,135

97.6

合計

33,424,843

106.0

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

新日鐵住金㈱

4,799,088

15.2

5,185,801

15.5

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループの業績は国内製造業の設備投資と生産活動に依拠しておりますが、国内製造業は少子高齢化に伴う
国内市場縮小を見越し、地産地消の考えに基づいて海外への生産移管をますます加速していることから、この変化
への対応が最も重要な経営課題となっております。
 当社グループは、2015年度より中期3ヵ年計画「戦略ビジョン2017」を下記の通り策定し、経営課題の解決と経
営目標の達成に全社一丸となって取り組んでまいります。

 

戦略ビジョン2017(骨子)

Ⅰ.ビジョン

リックスは、メーカー商社のビジネスモデルを更に進化させ、より専門的なニッチ分野で、開発・メンテナンス等のメーカー機能をアップしながら、高付加価値を創り出し、各々の分野のナンバーワン企業顧客に、提供できるグローバルニッチトップのグローバル企業集団を目指します。

 

Ⅱ.目標

経常利益(連結)20億円の達成。

 

Ⅲ.方針

1.メーカー商社のビジネスモデルの進化

(1)営業プロセス改革・生産プロセス改革の継続

(2)顧客接点でのメーカー的対応能力の強化

(3)リックスグループ企業の協働を通じた結束の強化

(4)新事業開発・新製品開発・新市場開発の推進

2.海外事業展開の促進

(1)欧米を含むグローバルな拠点展開

(2)アジア地域における適正規模での黒字化

3.人と組織の能力向上

(1)企画機能の向上と全社的な統合

(2)社内制度・ルール・教育体系の根本的な見直し

(3)計画的・継続的な人材育成

 

 

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済環境の変化に関するリスク

当社グループの主力商品である高圧液圧応用機器を中心とした産業用機械及び部品の販売については、販売先企業の設備投資動向に影響を受けます。設備投資動向は、販売先企業個々の経営状況並びに当該企業が属する業界個々の経済環境に左右される可能性があり、それら様々な変動要因が、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に間接的に悪影響を及ぼす可能性があります。
 特に当社グループの主要顧客業界である鉄鋼、自動車、電子・半導体の業界動向によっては、当社グループに、より大きな悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 国外における事業リスク

当社グループは、日本国外においても販売及び生産活動を行っておりますが、現時点においてその事業リスクは軽微なものと考えております。当社グループの中期事業計画では、海外事業の拡大を重点戦略としており、為替動向及び進出した国・地域を含む国際情勢の急変等が、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 取引先の信用リスク

当社グループは、取引先の財務情報等を入手・分析し、販売先においては独自の与信枠設定を行い、仕入先・外注先においてはその取引の可否について判断を行うことによって、取引先の信用リスクに備えております。しかしながら、取引先の予期せぬ事態により債権回収に支障が発生した場合や、商品の仕入が出来ないことにより賠償責任が発生した場合等において、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 製品・商品の欠陥リスク

当社グループは、製品の品質・安全に配慮した商品の開発・製造・販売に最善の努力を図っております。しかしながら、すべての製品・商品について欠陥がなく、将来において製品回収などの事態が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。よって、大規模な製品・商品の回収や製造物責任賠償につながるような製品・商品等の欠陥が発生した場合には、当社グループの社会的信頼性に重大な影響を与え、多額の費用又は損失の発生や売上高の減少により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 株価の変動リスク

当社グループは、取引先との関係強化及び資金運用を目的として時価のある株式を保有しており、株式相場の動向によっては、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

販売代理店契約

契約会社名

相手先の名称

相手先の所在地

契約内容

契約期間

リックス㈱
(提出会社)

NOK㈱

日本

オイルシールなどNOK製品の販売に関する代理店契約

昭和18年6月28日から
昭和20年6月27日まで
(以後1年ごとの自動更新)

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは顧客業界ごとの販売体制を基礎とした業界別セグメントから構成されており、研究開発活動の内容及び金額を特定のセグメントに関連付けることができないため、一括して記載しております。

 

(研究開発費の金額)

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は1億44百万円であります。

 

(研究開発の内容)

当社グループにおける研究開発活動は、主に研究開発部門所属の13名で行っています。
 トライポロジー、熱流体技術、微粒子化技術、振動音響技術、解析・分析技術、装置化技術などのコア技術と、蓄積した実験データを元に、製品部門、営業部門、協力企業、研究機関と連携し、各事業の技術的課題の解決に取り組んでいます。
 当連結会計年度では、ナノ微粒子装置事業部にて、複合材料専用のナノ粒子製造装置を新たに開発し、高い評価を得ています。2015年度の国際電子回路産業展「JPCA Show」において、ナノ微粒化技術のメディアレス湿式分散方式が、独創性と時世の適合性を評価され、第11回JPCA賞(アワード)を受賞しました。
 また、技術開発部門と新商品企画部門との連携も強化しており、協力会社と遮音吸音材などを開発し、従来品より薄く遮音性能を向上させた、遮音吸音材(オトクイ5)を商品化しました。このような製品開発を通じて、新市場の開拓、既存市場の拡大にも取り組んでいます。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて11.6%増加し176億64百万円となりました。これは、主に現金及び預金が5億13百万円、売上債権が9億7百万円、有価証券が1億10百万円、たな卸資産が2億98百万円それぞれ増加したことなどによるものです。 
 固定資産は、前連結会計年度末に比べて9.2%減少し61億31百万円となりました。これは主に有形固定資産が7億26百万円増加し、一方で、投資その他の資産のうち投資有価証券が9億38百万円、その他が4億67百万円それぞれ減少したことなどによるものです。
 これらの結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて5.4%増加し、237億95百万円となりました。

 

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて9.3%増加し109億43百万円となりました。これは、仕入債務が4億46百万円、短期借入金が4億90百万円、未払法人税等が90百万円それぞれ増加し、一方で、未払消費税等が1億25百万円減少したことなどによるものです。
 固定負債は、前連結会計年度末に比べて23.4%増加し14億16百万円となりました。これは主に長期借入金が4億円増加したことなどによるものです。
 これらの結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて10.7%増加し、123億60百万円となりました。

 

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べて0.1%増加し114億34百万円となりました。これは、利益剰余金が7億55百万円、自己株式が2億83百万円それぞれ増加し、一方で、その他有価証券評価差額金が4億47百万円減少したことなどによるものです。

 

 

(3) 経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ18億96百万円増加し、334億24百万円となりました。売上原価率も1.5ポイント改善したため、売上総利益は、前年同期比13.7%増の71億38百万円となりました。
 販売費及び一般管理費も前年同期比9.4%増加したため、結果、営業利益は前年同期比29.1%増の17億76百万円となりました。
 営業外収支につきましては、為替差損益が当期、差損に転じた事などにより、前連結会計年度に比べマイナス46百万円となり、経常利益は前年同期比22.6%増の19億15百万円となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。