当社グループの業績は国内製造業の設備投資と生産活動に依拠しておりますが、国内製造業は少子高齢化に伴う国内市場縮小を見越し、地産地消の考えに基づいて海外への生産移管をますます加速していることから、この変化への対応が最も重要な経営課題となっております。
当社グループは、2018年度より中期3ヵ年計画「戦略ビジョン2020」を下記の通り策定し、経営課題の解決と経営目標の達成に全社一丸となって取り組んでまいります。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループの主力商品である高圧液圧応用機器を中心とした産業用機械及び部品の販売については、販売先企業の設備投資動向に影響を受けます。設備投資動向は、販売先企業個々の経営状況並びに当該企業が属する業界個々の経済環境に左右される可能性があり、それら様々な変動要因が、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に間接的に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に当社グループの主要顧客業界である鉄鋼、自動車、電子・半導体の業界動向によっては、当社グループに、より大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、日本国外においても販売及び生産活動を行っておりますが、現時点においてその事業リスクは軽微なものと考えております。当社グループの中期事業計画では、海外事業の拡大を重点戦略としており、為替動向及び進出した国・地域を含む国際情勢の急変等が、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、取引先の財務情報等を入手・分析し、販売先においては独自の与信枠設定を行い、仕入先・外注先においてはその取引の可否について判断を行うことによって、取引先の信用リスクに備えております。しかしながら、取引先の予期せぬ事態により債権回収に支障が発生した場合や、商品の仕入が出来ないことにより賠償責任が発生した場合等において、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製品の品質・安全に配慮した商品の開発・製造・販売に最善の努力を図っております。しかしながら、すべての製品・商品について欠陥がなく、将来において製品回収などの事態が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。よって、大規模な製品・商品の回収や製造物責任賠償につながるような製品・商品等の欠陥が発生した場合には、当社グループの社会的信頼性に重大な影響を与え、多額の費用又は損失の発生や売上高の減少により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、取引先との関係強化及び資金運用を目的として時価のある株式を保有しており、株式相場の動向によっては、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における世界経済は、米中間の通商問題を背景とした中国の景気減速がみられるものの、ユーロ圏の景気は緩やかに回復し、米国は着実に景気回復を継続するなど、全体としては緩やかに回復しました。
一方、日本経済は、昨夏に相次いだ自然災害に見舞われながらも雇用環境の大幅な改善を受けて個人消費が持ち直し、緩やかな回復基調が続きました。
このような経済環境のもと、当社グループでは当連結会計年度より新たに中期3ヵ年計画「戦略ビジョン2020」に基づく施策を推し進め、経営課題の解決と経営目標の達成に取り組んでまいりました。
この結果、2019年3月期の連結業績は、売上高421億35百万円(前年同期比9.7%増)、営業利益28億61百万円(同25.1%増)、経常利益30億17百万円(同23.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益21億16百万円(同25.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(鉄鋼業界)
同業界では、首都圏ビルの再開発や倉庫をはじめとする建設向けの鋼材需要が堅調を維持し、自動車向けの需要も底堅く推移し、全般的に好調を維持しました。
一方、海外では、米国の鉄鋼輸入制限による影響は限定的であるものの、中国の景気減速が強まるほか、アジアの鉄鋼市況が軟化を見せるなど、先行きは不透明な状況で推移しました。
当社グループにおきましては、顧客のニーズである安定操業に関する設備改善の案件に加え、安全・防災・自動化に関する案件が増えました。高炉設備装置や転炉本体設備、高炉操業装置整備や鋼片精製設備の補修などを受注したほか、ポンプや自社継手製品などが売上増に貢献しました。
この結果、鉄鋼業界向け全体としての売上高は133億21百万円(前年同期比13.8%増)となりました。
(自動車業界)
同業界では、中国や東南アジアの生産は順調に伸びをみせましたが、米国では日本勢が得意とするセダン系の不振が続きました。国内では消費税増税を前に駆け込み需要の動きがみられましたが、米中貿易摩擦を背景とした景況感の悪化や、日米通商問題のリスクなど、先行きは不透明な状況で推移しました。
工作機械は、米中貿易摩擦や設備過剰による緊縮策の影響で中国市場が大幅に減速しましたが、米国市場や欧州市場は堅調、内需も自動車や半導体向けは好調を維持し、全体としては底堅く推移しました。
当社グループにおきましては、自動車部品メーカー向け洗浄装置や検査装置の引き合いが好調であり、同じく自動車部品メーカー検査工程向け残渣測定装置や、フィルタなど消耗品の販売が大幅に伸長したほか、工作機械向けの自社製品の販売も好調を維持し、売上増に寄与しました。
この結果、自動車業界向け全体としての売上高は118億95百万円(前年同期比17.2%増)となりました。
(電子・半導体業界)
同業界では、メモリー価格の下落による収益性の悪化などの不透明感は残るものの、新型スマートフォン向け、自動車の電装化・電動化や産業機器の高機能化を背景とした電子部品・半導体の需要は堅調で、総じて緩やかに成長しました。
当社グループにおきましては、修理再生ビジネスを中心に、機器設備補修メンテナンスサービスや、ウエハー製造工場の改造工事、半導体後工程洗浄装置の引き合いが強かったほか、シール類の販売が伸長、自社継手製品の販売も好調を維持し、売上増に繋がりました。
この結果、電子・半導体業界向け全体としての売上高は42億97百万円(前年同期比1.6%増)となりました。
(ゴム・タイヤ業界)
同業界では、国内需要はやや堅調、海外需要も北米SUV向けの大口径タイヤは好調を維持、アジアの需要も堅調を維持するなど、総じて堅調に推移しました。
当社グループにおきましては、断熱板の減少は続くものの、混合工程設備を受注したほか、タイヤ加硫機用バルブの受注も好調を維持、自社継手製品やポンプ類の販売も伸長し、売上増に貢献しました。
この結果、ゴム・タイヤ業界向け全体としての売上高は29億92百万円(前年同期比4.5%増)となりました。
(高機能材業界)
同業界では、高機能金属の需要は航空機向けの生産が堅調であったほか、一般工業向けの需要も堅調でした。高機能材料も半導体や電池関連の需要が堅調に推移しました。
当社グループにおきましては、化学メーカー向け動力減速装置を受注したほか、シール部品、フィルタなどの消耗品が堅調のため、売上増となりました。
この結果、高機能材業界向け全体としての売上高は15億52百万円(前年同期比2.2%増)となりました。
(環境業界)
同業界では、製造業・非製造業・公共工事による需要が好調を維持、スクラップ関連の投資意欲も堅調を継続し、総じて好調に推移しました。
当社グループにおきましては、廃棄物処理設備用真空ポンプ、リサイクル施設散水設備工事、エネルギー産業設備向け集塵機や廃棄物処理施設用真空ポンプを受注したほか、リサイクル設備向けのフィルタ、下水施設向けの油圧部品などの販売が伸長し、前年同期の実績を上回る推移となりました。
この結果、環境業界向け全体としての売上高は18億30百万円(前年同期比6.5%増)となりました。
(紙パルプ業界)
同業界では、ネット通販の増加による段ボール需要は好調を継続しているものの、電子媒体への移行が進むチラシや雑誌、書籍向けの需要が底冷えし、引き続き厳しい状況が継続しています。
当社グループにおきましては、大型設備案件が乏しく、苛性化装置用部品などを受注したものの、ポンプ類の落ち込みは回復に至らず、前年同期を僅かに下回る推移となりました。
この結果、紙パルプ業界向け全体としての売上高は7億29百万円(前年同期比0.4%減)となりました。
各段階損益の分析は次のとおりであります。
売上原価率が前年同期より0.4ポイント改善したため、売上総利益は前年同期比で11.6%増加しました。一方で販売費及び一般管理費は、主に人件費や営業活動費が増加したため前年同期比で6.6%増加しましたが、営業利益は前年同期比25.1%増となりました。
営業外収支につきましては、持分法投資損益がマイナスに転じたことなどにより前年同期比でマイナス10百万円となり、経常利益は前年同期比23.0%増となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 当社グループの製品は、特定のセグメントに区分することが困難であるため、生産実績については一括して記載しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて9.3%増加し234億85百万円となりました。これは、主に現金及び預金が9億20百万円、売上債権が5億66百万円、たな卸資産が5億3百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて2.3%減少し68億円となりました。これは主に有形固定資産が1億71百万円増加し、一方で、投資有価証券が5億19百万円減少したことなどによるものです。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて6.4%増加し、302億86百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて4.3%増加し135億47百万円となりました。これは、主に仕入債務が3億72百万円、その他が1億14百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて1.8%増加し13億50百万円となりました。
これらの結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて4.0%増加し、148億98百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べて8.9%増加し153億87百万円となりました。これは、主に利益剰余金が16億41百万円増加し、一方で、その他有価証券評価差額金が3億20百万円減少したことなどによるものです。
なお、当社グループではセグメントに資産を配分していないため、セグメントごとの財政状態の状況に関する記載は行っておりません。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ9億4百万円増加し43億7百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、全体として18億39百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益30億1百万円、減価償却費3億20百万円、仕入債務の増加額3億84百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額5億68百万円、棚卸資産の増加額5億24百万円、法人税等の支払額8億45百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、全体として4億70百万円の支出となりました。収入の主な内訳は、投資有価証券の売却及び償還による収入1億63百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出4億30百万円、関係会社株式の取得による支出98百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、全体として4億21百万円の支出となりました。収入の主な内訳は、短期借入金の増加額88百万円であり、支出の主な内訳は、配当金の支払額4億74百万円であります。
資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
当連結会計年度末の長期借入金残高は3億35百万円であります。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計20億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、この契約による借入実行残高はありません。
当社グループは顧客業界ごとの販売体制を基礎とした業界別セグメントから構成されており、研究開発活動の内容及び金額を特定のセグメントに関連付けることができないため、一括して記載しております。
(研究開発費の金額)
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
(研究開発の内容)
当社グループにおける研究開発活動は、主に技術開発部門所属の10名で行っています。
トライボロジー、音響振動、解析分析技術、熱流体解析、微粒子化、装置化技術などのコア技術と、これまでに蓄積した実験データを元に、製品部門、営業部門、協力企業、研究機関と連携し、各事業の技術的課題の解決に取り組んでいます。
当連結会計年度での、研究開発活動の状況は次のとおりです。
湿式微粒子化装置につきましては、微粒子の分散能力向上、消失量の削減に取り組むほか、新規用途開発にも努めております。回転継手関係につきましては、シール部の新規材料開発と評価に、鋭意取り組んでおります。 FRP製ポンプ事業においては、品質を安定化する成形工法を開発し、サンプル生産を繰り返し、定常生産に向けて推進しております。金型用の断熱材、圧延機用のワイパーやライナーなどの耐摩耗板の事業においては、拡販に向けて新規用途開発や、新規材料による製品改良に取り組んでおります。