文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)企業理念体系について
当社グループは、長期的視点に基づく「パーパス」「ビジョン」「ミッション」「バリュー」を経営の基本的な考え方として定義し、株主、取引先、社員などすべてのステークホルダーのご期待に応えるよう企業価値の向上に努めるとともに、社会に貢献することを目指しております。
<丸文パーパス>
テクノロジーで、よりよい未来の実現に貢献する
<丸文ビジョン>
独自の価値を提供するオンリーワンのエレクトロニクス商社として最も信頼される存在となる
<丸文ミッション>
「先見」と「先取」の精神のもと、人と技術とサービスで社会とお客様の課題を解決する
<丸文バリュー>
「誠実で透明な経営」「健全な経営活動の実践」「社会との調和」「環境保全への貢献」「お客様の満足の向上」「企業リスクの適切な管理」「人権の尊重」「働きやすい職場作り」
「パーパス」は当社グループの存在意義、「ビジョン」は当社グループの目指す姿、「ミッション」は当社グループの日々の取組み、「バリュー」は当社グループが大切にしている信条・価値観を表しています。
(2)当社グループを取り巻く環境
当社グループが属するエレクトロニクス業界は、新しい技術や社会課題に対応しながら、進化を続けております。AIやIoT、ロボットが社会生活に普及するとともに、自動車のEV化や電装化、通信の高速化、半導体・電子部品の高集積化、再生可能エネルギーの活用などに伴う需要の増加が見込まれます。また今後も新たな技術革新の到来により、市場は広がっていくものと見込まれます。
① 企業構造
当社グループはデバイス事業、システム事業、アントレプレナ事業の3事業セグメントにおいて、当社を中心に機能別の事業会社によって構成されております。各事業会社は経営の基本方針に則りグループ間で連携した事業運営を行っておりますが、取り扱い商材や地域の特性に合わせ、主体的に事業管理を行い運営しております。
現在の企業体系は、業績の状況、事業運営の状況等から判断し、良好に機能していると認識しております。
② 市場環境
当社グループが属するエレクトロニクス市場は、技術の高度化に伴って応用製品が広がり、市場拡大を続けています。一方で、企業の生産活動と生活のあらゆる場面で利用されているため、景気の変動や企業の設備投資の動向に影響を受けやすく、変動の大きな市場であります。
製品・技術面では、自動車のEV化やAI/IoT、ロボティクス、次世代通信など新たなテクノロジーの活用が進んでおりますが、物価上昇や米国の政策動向、金融資本市場の変動などにより、市場の不確実性が高まってくるものと予測しております。当社グループはこうした状況下でも成長を図るため、付加価値の高い商品・サービスの開発・強化に取り組んでおります。
③ 顧客動向
当社グループは、民生機器・産業機器・自動車関連・医療機器メーカーや医療機関、通信関連企業など多くの顧客と長年にわたり取引を継続しております。当社グループでは、これまでに培った信頼と信用をさらに深化させるため、顧客密着型の営業活動と拠点展開を推進するとともに、取引先評価による自社の取り組み改善を実施しており、全体としては顧客との良好な関係を構築できていると認識しております。
また現在は、自動車のEV化や生産現場のスマートファクトリー化といったインダストリアルDXの取り組みなど、社会基盤の変化も進んでおります。これまでとは異なった市場・分野での顧客層が広がりをみせていることから、当社グループでは品揃えの拡充と技術サポート力の強化により顧客基盤の拡大を図っております。
④ 仕入先動向
当社グループは多くの仕入先と代理店契約を締結しております。近年は半導体メーカーの代理店政策の変更により、代理店を担うエレクトロニクス商社の数は減少傾向にあり、今後も当面は同様の傾向が続くものとみています。
当社グループはデジタルマーケティングの強化やソリューション提案力の向上に取り組み、仕入先とのパートナーシップの強化に努めるとともに、新規仕入先の開拓を行い、関係強化のために必要な場合は投融資やM&A、アライアンスを実施しております。
⑤ 競合他社動向
仕入先のM&Aや代理店政策の変更を背景に、近年は半導体商社間でも事業統合や買収など業界再編が進んでおり、業界全体の競争が激化しております。
当社グループは長年培ったサプライチェーンのノウハウや専門性の高い技術サポート力、グローバルサポート力により独自のポジションを築いていると認識していますが、他社とのさらなる差別化を図るべく、サービスと機能の拡充に取り組んでおります。
(3)中期経営計画「丸文 Nextage 2027」
このような事業環境の下、当社グループは、今後も成長が期待されるエレクトロニクス市場の動向を捉え、商権拡大と収益力の一層強化を目指すとともに、成長戦略を積極的に推進します。そのための指針として、新たな中期経営計画「丸文 Nextage 2027」(新中計)を策定いたしました。新中計を通じて、“独自の価値を提供するオンリーワンのエレクトロニクス商社”としてさらなる成長を図るとともに、「レスポンシブル・ビジネス」(社会・環境への影響や広範なステークホルダーの利害を考慮しつつ、持続可能な事業成長を目指す経営姿勢)の追求を通じて、社会価値と経済価値を創出し社会に貢献します。
(中期経営計画「丸文 Nextage 2027」基本方針)
■ 「レスポンシブル・ビジネス」の追求
当社のマテリアリティに関わる取り組みの強化と、サステナビリティ経営の深化を図り、“よりよい未来” の実現に向けた事業運営を志向します
■ 新規事業における収益化実現
新規事業の立ち上げに向け、挑戦心と執着心をもって臨み、早期に収益基盤を確立します。また、戦略的な提携や投資の機会も積極的に探究します
■ 既存事業における基盤拡充
顧客基盤拡大、仕入先連携強化、オペレーショナル・エクセレンス向上、生産性・効率性改善により、レジリエンスを高めつつ事業基盤を固めます
■ グループ・シナジーの強化
国内外グループ会社連携、事業セグメント間のソリューション開発・クロスセル推進を通じ、独自の付加価値を提供することで顧客と社会のニーズに応えます
■ 価値創造モデル推進のための戦略管理高度化
戦略・施策管理の強化と統合リスク管理の高度化を通じ「丸文バリューサイクル」の効果的循環を促進させ、事業の成長基盤を整えます
■ 人的資本戦略の展開
企業理念・経営戦略に整合する人的資本戦略を展開し、「失敗を怖れない革新と挑戦の企業風土」を築き、専門性と高度なスキルを持つプロフェッショナル集団を志向します
(中期経営計画「丸文 Nextage 2027」における各事業セグメントの取り組み)
当社は、半導体・電子部品のディストリビューションを担う「デバイス事業」、電子機器及びシステムの販売・保守サービスを取り扱う「システム事業」に加え、先端ソリューションの開発・販売・保守サービスを提供する「アントレプレナ事業」の3事業セグメントで経営しております。
■ デバイス事業:『基盤強化事業』
イ.成長分野への選択/集中
・成長市場の深堀りと有力サプライヤーとの関係強化
ロ.商流の拡大・維持/再構築支援
・高度な専門性を通じた商社機能の介在価値の発揮
ハ.新技術・商材の開拓/受動部品の拡販
・アジア系商材の拡充、新規商材の探求
ニ.グループ・シナジーの発揮
・米・アローエレクトロニクス社との協働推進強化
ホ.マスマーケットにおける販売チャネルの拡大
・販売パートナーとの連携構築・強化
■ システム事業:『成長牽引事業』
イ.新規事業の開発/新規商材の開拓
・代替エネルギーや産業用ロボティクスへの展開を推進
ロ.既存事業の領域/規模拡大
・インダストリアルDX、医療・理化学領域の商材拡充
ハ.国家推進施策の関連ビジネス取り込み
・宇宙・防衛関連市場での事業拡大
ニ.グループ経営強化/事業基盤拡充
・連携シナジー実現による競争優位性の確保
ホ.海外オペレーションの確立
・海外事業展開の促進と現地オペレーションの確立
■ アントレプレナ事業:『価値創出事業』
イ.新規事業の開発
・注力領域における新たなソリューション技術、商材の拡充
ロ.提供価値の独自性発揮
・複数商材/サービスを組み合わせたソリューション開発
ハ.AI関連商材の開拓・拡販
・革新的なAIソリューションの発掘と実用化・商業化
ニ.戦略的な協業機会の追求
・事業提携機会・ベンチャー投資活用、投融資機会の検討
■ 経営基盤の強化
・パーパスと融合する人的資本戦略の高度化
・盤石なグループガバナンスの構築と運営
・効果的かつ安定的なITシステム/インフラの開発と運営
(目標とする経営指標)
2025年度から3ヶ年の中期経営計画「丸文 Nextage 2027」では、最終年度である2027年度に以下の目標値の達成を目指しております。
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経常利益 |
80億円 以上 |
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ROE |
9.0% 以上 |
(4)対処すべき課題
当社が属するエレクトロニクス業界は、当面、半導体の在庫調整が続くものと予想されておりますが、一方でAI活用の広まりやデジタル化の進展、自動車・産業・インフラ分野を始めとした各市場でのグリーン化への取り組みなどにより、今後も市場拡大が続くものと見込まれます。
このような環境の中、当社グループは、中期経営計画「丸文 Nextage 2027」において、『世界と、かなえる。』を企業スローガンに掲げ、「レスポンシブル・ビジネス」の追求及び新規事業における収益化実現に注力するとともに、既存事業においても基盤拡充を進めております。また各事業セグメント間ならびに国内外のグループ企業間の連携強化によるシナジー創出を図りながら、戦略・施策管理や人的資本戦略の強化に取り組んでまいります。
各事業セグメントの取り組み状況は次の通りであります。
(デバイス事業)
デバイス事業は、成長が見込まれる「産業機器」「車載機器」「民生機器」分野に注力し、集中的な拡販活動を推進しております。そのためにリソースを強化し、デマンドクリエーションの向上を図ります。特に、グループシナジーを発揮することで参入障壁が高い「医療ヘルスケア」や「宇宙防衛」といったニッチ市場を深掘りしてまいります。また、販売パートナーとの緊密な連携を通じて、成長分野での市場シェア拡大と、ニッチ市場における確固たる地位の確立を目指します。
(システム事業)
システム事業は、スマートXやヘルステック・高度医療をテーマに新規事業の開発、新規商材の開拓を推進し、成長を目指しております。既存の領域では、不確実性の高い時代となり、お客様のニーズは多様化・複雑化していくことが想定されるため、先見・先取の精神で先手を打って新たなビジネスチャンスを確実に獲得してまいります。とくに「航空宇宙」分野では、日本の防衛・宇宙予算の増額および予算の執行が進んでいることもあり、システム事業で長年にわたって築いてきた信頼関係を基に積極的にビジネスを取り込んでまいります。またグループ企業独自の強みを先鋭化し、成長牽引に向けた活動を着実に進行してまいります。
(アントレプレナ事業)
アントレプレナ事業は、当社独自サービスであるネットワーク監視サービス「Net Predy」や「イーリス顧客ポータル」の提供やAIコミュニケーションロボットの取り扱いを開始しており、今後も拡充に取り組んでいく方針です。また、2024年度よりスタートさせたベンチャーファンド出資を通して、最先端技術の情報獲得やベンチャー企業の発掘を行い、継続的に事業化の可能性を探ってまいります。
金融資本市場の変動や物価上昇、米中貿易摩擦の先行き懸念など、予断を許さない状況が続くものと予想されますが、当社グループは安定して利益を創出する企業を目指すべく、中期経営計画の取り組みを着実に進めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ基本方針
当社は、「テクノロジーで、よりよい未来の実現に貢献する」というパーパスのもと、エレクトロニクス分野を通じて、社会課題の解決に取り組んでおります。最新の製品や技術を世界中から発掘し、当社ならではのサービスやソリューションを付加して提供することで、お客様の満足度向上とより良い社会の実現を目指します。
(2)ガバナンス
当社では、気候変動への対応を含むサステナビリティに関わる方針や計画の策定、取り組みのモニタリングなどを、取締役会の監督の下で協議・審議を行う体制として、サステナビリティ委員会を設置しています。 サステナビリティ委員会は代表取締役社長を委員長とし、業務執行取締役及び関係する部門長によって構成されています。
(3)戦略
当社は気候変動への対応も踏まえ、以下の事業戦略に基づき、事業開発と事業拡大の機会を追求しております。
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デバイス事業 |
・成長分野への選択/集中 ・商流の拡大・維持/再構築支援 ・新技術・商材の開拓/受動部品の拡販 ・グループ・シナジーの発揮 ・マスマーケットにおける販売チャネルの拡大 |
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システム事業 |
・新規事業の開発/新規商材の開拓 ・既存事業の領域/規模拡大 ・国家推進施策の関連ビジネス取り込み ・グループ経営強化/事業基盤拡充 ・海外オペレーションの確立 |
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アントレプレナ事業 |
・新規事業の開発 ・提供価値の独自性発揮 ・AI関連商材の開拓・拡販 ・戦略的な協業機会の追求 |
(1.5℃シナリオ)
エネルギー政策の変更や炭素税導入により、コスト(経費/原価)の増加が想定されます。一方で、当社が対象とする市場においては、多くの低炭素化技術が次々に実用化されていく中、低炭素化関連分野やエレクトロニクスの進展につながるEVや産業機器、通信機器などに、従来以上に電子機器や半導体・電子部品などが採用され、需要拡大が期待されます。炭素税などに伴い増加が想定されているコストの転嫁・回収ができれば、市場拡大に伴う相応の収益の増加が見込まれます。
(4℃シナリオ)
コスト(経費/原価)の増加は1.5℃シナリオほど大きくありませんが、自然災害の発生頻度や激甚化が想定されます。一方市場では、1.5℃シナリオに対してエレクトロニクスの進展による大きな成長は見込めませんが、経済規模の拡大による一定の成長の継続が期待されます。自然災害や温度上昇などへの適切な対応を取ることが出来れば、市場成長に応じた一定の収益の増加が見込まれます。
また当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、次のとおりであります。
(多様性の確保についての考え方)
当社では、多様性、人格、個性を尊重し、いかなる差別も行わないことを企業行動憲章として定め、心理的安全性の確保と向上を図りながら、社員一人ひとりが喜びと誇り、活力をもって働ける環境づくりに取り組んでいます。チームワークを土台にしながら、性別や国籍を問わず、また新卒採用だけではなく、第2新卒採用や経験者採用などにより採用した多様な人材の登用を継続して行うことで、お互いが刺激し合い、共に成長し、会社としての強みにつなげていきたいと考えています。また障がい者採用にも注力し、障がいを有している方が自身の強みや持ち味を活かしながら、仕事に従事できる環境としくみを用意するように努めています。
(人材育成方針)
当社は、「経営目標の達成に必要な職務責任を遂行する社員の能力を養成すること」を目的に、本人・上司・会社が一体となって組織的・計画的に育成カリキュラムを推進することで効果的な人材育成を実践しています。
育成カリキュラムは、日常業務の遂行を通じて育成を行う「現場主導の人材育成」を基本とし、人事部門が主催する資格・職位別の研修及び財務や語学などの目的別研修の受講により、成長課題の把握やキャリア形成に向けた動機付けを行うなど、経営目標の達成に必要な職務責任を遂行するための能力を身につけるための様々なカリキュラムを整備し、充実に努めています。また社員本人が学びたいテーマを自由に選択し学ぶことができるよう、通信教育やeラーニングのカリキュラムも用意し、自律的な学びの仕組みづくりを進めるとともにリスキリングを推進しています。
(社内環境整備についての方針)
当社は、健幸経営の維持・向上をめざし、社員一人ひとりが個性を発揮でき働き甲斐のある職場環境の維持・向上に向けても取り組んでいます。執務室の照明の明るさへの配慮、快適な執務スペースの確保等基本的な対策をはじめとし、フリーアドレスの導入やプライバシーが確保できる執務スペース、リフレッシュや会議等も兼ね備えた多目的フロアーを用意するなど、快適な環境で業務に取り組めるよう社内環境の整備を進めています。またテレワークや時差勤務制度を始め、短時間勤務や時間単位休暇の導入、エンゲージメントサーベイの実施など、多面的な取り組みを進めることで、多様な社員が活き活きと働くことができる環境を整えていく方針です。
(女性の活躍推進)
当社は、ライフステージのイベントに関わらず、女性がキャリア形成を断念することなく活躍できる環境の整備を進めており、勤務地の限定や職掌転換、旧姓使用などの諸制度を導入しています。また女性がより前向きに働き続けられるよう、育児・介護支援する制度やテレワーク及び時差勤務制度など柔軟な働き方の提供にも取り組んでいます。さらに女性の管理職候補者に対しては、組織運営におけるマネジメントに必要となる基礎知識を学ぶ研修を実施するなど、女性一人ひとりの意思を尊重し、ワークライフバランスの充実を図り、キャリア形成についても幅広く支援しています。
(4)リスク管理
気候変動に関わるリスクについては、サステナビリティ委員会が気候変動のリスクと機会を網羅的に評価いたします。気候関連リスクの優先順位付けは、リスク/機会が財務状況に与えるインパクトの内容や大きさ、複数シナリオでの影響度などにより重要度を設定しています。 その結果を全社のリスク管理計画に組み込んで、代表取締役社長が委員長を務める内部統制委員会の承認を受け、取締役会に報告しています。
(5)指標及び目標
当社では気候変動への取り組みを評価するため、Scope1~3の温室効果ガス排出量を指標といたします。
(2024年度グループ実績)(注)1.
Scope1
Scope2
Scope3
(注)1. グループ実績は、当社単体と国内連結子会社3社の合計値
2. Scope3は、カテゴリ1~7の合計値
(2030年度グループ目標) Scope1+Scope2 50%削減(2019年度比)
(2050年度グループ目標) Scope1+Scope2 カーボンニュートラル
当社事業においてはサプライチェーンにおける取り組みも重要と考え、主要な仕入先に対し、温室効果ガス排出量削減の取り組みについて、年1回定期的に確認いたします。その他の上位の仕入先に対しては、年1回定期的に、温室効果ガス排出削減を含むCSR調達についての当社の考えや取り組みを提示し、理解促進に努めます。
また当社は、上記「(3)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関して、当社は2027年度までに10.0%の達成を目指しています。
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指標 |
目標 |
実績(当事業年度) |
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(注)人材育成はグループ各社で行われていますが、指標につきましては各社の状況に応じて管理しているため、連結グループにおける主要な事業を営む当社単体について指標及び目標を開示しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業務関連リスク
① 半導体の需要動向及び企業の設備動向による影響について
当社グループは半導体や電子部品、電子応用機器等の国内外のエレクトロニクス商品の仕入販売を主な事業とする商社であります。主な販売先は民生機器、産業機器、自動車関連、医療機器メーカーであり、顧客企業やエレクトロニクス市場全体の需要が大きく変動した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、安定的なビジネスの維持・拡大のため、販売先の拡大や付加価値の高い商品の開発拡充に取り組んでおりますが、当社の施策を以て当該リスクを完全に回避できるものではなく、市場が急変した場合には、大きな影響を受ける可能性があります。
② 技術革新・顧客ニーズへの対応について
当社グループが属するエレクトロニクス業界は、技術革新や事業環境の変化のスピードが極めて速く、顧客が当社グループに求める機能も年々、多様化・複雑化しております。
当社グループが提供する商品が陳腐化した場合や顧客ニーズへの対応遅れなどが発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また商品やサービスに不具合や欠陥が生じた場合、その補償費用や追加コストが発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、技術革新・顧客ニーズへの対応のため、商品ラインナップの拡充や技術サポート力の強化、品質管理体制の整備などに取り組んでおります。加えて、商品・サービスの不具合等による補償費用や追加コストが発生する場合に備え、保険を付保するなどリスクの移転を図り対応しておりますが、顕在化の時期や影響度を事前に予測することは困難であると認識しております。
③ 特定の仕入先への依存度が高いことについて
当社グループの主要な仕入先は、インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社であります。2025年3月期における総仕入実績に対する割合は、16.0%となっております。
当社グループでは各仕入先との良好な関係の維持に努めるとともに、継続的に新規仕入先や新規商材の開発に取り組んでおりますが、仕入先の代理店政策の見直しにより契約内容に変更が生じた場合や契約が解除された場合には当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクについては顕在化の時期を事前に予測することは困難でありますが、リスクが顕在化した場合、当該仕入先との取引額によっては大きな影響を受ける可能性があると認識しております。
④ 在庫の廃棄や評価の影響について
当社グループが取り扱う半導体や電子部品は、お客様からの要求納期にジャストインタイムで所要量を提供できるよう常に一定量の在庫を確保、保有しております。
当社グループでは、顧客の需要動向ならびに仕入先の供給状況の把握に努め、在庫が滞留しないよう在庫管理を徹底しておりますが、当初見込んでいた所要量に差異が生じた場合には、在庫の評価損や廃棄損が生じる可能性があります。当該リスクの顕在化に備え、当社グループは事業計画の策定に当たっては直近の在庫保有状況や回転期間に応じて一定額の引当を行っておりますが、その時期や影響額等の影響度を予め正確に見積もることは困難であると認識しております。
(2)財務関連リスク
① 為替及び金利変動の影響について
当社グループの事業では、外貨建ての輸出入取引の割合が高く、また経済のグローバル化に伴い、国内取引であっても外貨建てでの取引が経常的に発生しております。
外貨建取引において、当社グループの大部分が仕入と売上が同一外貨取引であることから、仕入と売上の通貨が同一の場合には外貨ベースでの「ナチュラルヘッジ」、仕入と売上の通貨が異なる場合には取引毎に「為替予約ヘッジ」を行うことで、為替変動リスクに対応しております。しかしながら、為替相場が著しく変動した場合には、円建て換算での売上高や売上総利益額、棚卸資産等の評価において大きな影響を及ぼすことがあり、その結果、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、海外連結子会社の財務諸表を円換算する場合にも影響を及ぼします。
また当社グループは、事業運営に必要な運転資金の調達を金融機関からの借入を通じても行い、調達手段の多様化や金利スワップ取引など様々な手段を用いて金利変動等によるリスクを軽減するよう努めております。しかしながら、借入通貨の金利変動が大きい時には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
為替相場や金利の変動リスクについては、当社グループの施策を以て当該リスクを完全に回避できるものではなく、その時期や影響度を事前に見積もることは困難であると認識しております。
② 投融資リスクについて
当社グループは、新規商材の販売権の確保や関係強化を目的として、仕入先への出資や開発資金の貸付などの投融資を行う場合があります。投融資にあたっては、その金額に応じて取締役会などで審議した上で決定し、また投融資先の経営状態や事業の進捗などを定期的にモニタリングしております。投融資先のビジネスプランや業績が投融資時点における想定と大きく乖離し、減損処理が必要となった場合や貸付金の回収が困難になった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの顕在化の時期や影響額を予測することは困難でありますが、顕在化した場合には各投融資先の投融資額に応じた影響を受けることになります。
③ 退職給付債務について
当社グループの退職給付費用及び年金債務は、割引率等の数理計算上で設定する前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されますが、実際の年金資産の運用利回りが低下した場合や数理計算上の前提条件に変動が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。数理計算上の差異は、年1回実施している退職給付見込額の再計算や年金資産の運用実績により発生するため、毎年度一定の影響を被ることは不可避と認識しております。
(3)基盤関連リスク
① 法的規制について
当社グループは、わが国をはじめ、事業を展開する諸外国の国家安全保障に関する規制や輸出入に関する規制、製造物責任、独占禁止、特許、環境規制など様々な法令・規制の下で事業活動を展開しております。
当社グループでは、各種法令・規制の最新情報の入手に努めるとともに、全社員へのコンプライアンス教育や関係者へのセミナー等を通じて啓蒙活動を行い、法令・規制の遵守に取り組んでおります。これらの法令・規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限され、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクの顕在化の時期や影響度については予め見積もることは困難でありますが、顕在化の可能性は現時点では高くないと認識しております。
② 優秀な人材の確保について
当社グループの競争力を維持、向上していくためには、優秀な人材の確保と育成が重要と考えております。当社グループでは新卒採用や通年での経験者採用、全社横断的な教育研修ならびにOJTによる育成、本人の能力を活かした適材適所の人材配置などを実施しておりますが、人材の確保や育成ができない場合、当社グループの将来の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクの顕在化の時期や影響度については予め見積もることは困難でありますが、顕在化の可能性は現時点では高くないと認識しております。
③ 自然災害などのリスクについて
当社の基幹コンピュータシステムは東京都内に、物流拠点は千葉県山武郡に設置し、大規模地震被災や台風などの自然災害に備え、事業継続計画を策定、BCP体制を構築し、定期的に訓練を実施するとともに、電力や通信回線などのライフラインの多重化や基幹業務システムのバックアップを確保しております。加えて、当社グループでは外部からの不正アクセスやサイバー攻撃、コンピュータウイルスの感染等に対する保全策を講じておりますが、災害や感染症などが発生した場合のリスク全てを回避することは困難であり、昨今の気候変動などに伴う災害の大規模化や感染症の拡大などにより、想定していない規模でのリスクの顕在化も考えられます。その場合には、事業活動の縮小など当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性がありますが、かかるリスクが顕在化する時期や影響度を予め見積もることは困難であると認識しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)におけるわが国の経済は、設備投資持ち直しの動きが見られ
るとともに、企業収益や雇用・所得環境で改善の動きがみられ、景気は緩やかに回復いたしました。一方で、物価
上昇や米国の政策動向、金融資本市場の変動など、依然として先行き不透明な状況が続きました。
当社グループが属するエレクトロニクス業界におきましては、生成AIの普及拡大に伴い、データセンター向けの
AI半導体が総じて堅調に推移いたしました。一方、一部市場では在庫調整の進捗に伴い需要の増加が見られました
が、産業機器分野においては在庫調整の局面が続く状況となりました。
こうした状況の下、当連結会計年度における当社グループの売上高は、システム事業において航空宇宙機器の需要が伸長したものの、デバイス事業において半導体需要が総じて低調に推移した結果、前年同期比10.8%減の210,837百万円となりました。利益面では、売上の減少および販売管理費の増加により、営業利益は前年同期比31.0%減の8,958百万円となりました。一方、期中の円安進行から当連結会計年度末に向け円高方向に転じたことにより、798百万円の為替差益を計上し、経常利益は前年同期比12.7%増の6,344百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比25.6%増の4,272百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(デバイス事業)
(単位:百万円)
|
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
179,011 |
151,011 |
△28,000 |
△15.6% |
|
営業利益 |
10,510 |
5,886 |
△4,623 |
△44.0% |
デバイス事業は、在庫調整の局面が続く中、自動車向けやPC周辺機器向け半導体の需要が減少いたしました。その結果、売上高は前年同期比15.6%減の151,011百万円となりました。営業利益は売上の減少により、前年同期比44.0%減の5,886百万円となりました。
(システム事業)
(単位:百万円)
|
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
54,941 |
57,336 |
2,394 |
4.4% |
|
営業利益 |
2,507 |
3,249 |
741 |
29.6% |
システム事業は、防衛・宇宙関連市場の拡大を背景に、航空宇宙機器分野が伸長いたしました。またレーザー機器分野の需要も回復した結果、売上高は前年同期比4.4%増の57,336百万円となりました。営業利益は売上の増加により前年同期比29.6%増の3,249百万円となりました。
(ソリューション事業)
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
2,536 |
2,489 |
△47 |
△1.9% |
|
営業損失(△) |
△28 |
△171 |
△142 |
- |
ソリューション事業は、ICTソリューション分野でネットワークシミュレーションツールの需要減により、売上高は前年同期比1.9%減の2,489百万円となりました。営業利益は新規商材の販売体制強化に伴う人件費の増加により171百万円の営業損失(前年同期は28百万円の営業損失)となりました。
当連結会計年度末(2025年3月31日)の総資産は、前連結会計年度末(2024年3月31日)に比べ29,354百万円減少し、144,765百万円となりました。このうち、流動資産が32,416百万円減少の130,199百万円、固定資産が3,061百万円増加の14,566百万円となりました。
流動資産が減少した主な要因は、受取手形及び売掛金が1,385百万円増加した一方で、未収入金が32,299百万円、商品及び製品が2,165百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定資産が増加した主な要因は、無形固定資産が927百万円、退職給付に係る資産が567百万円、土地が537百万円、投資有価証券が424百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ33,421百万円減少の84,266百万円となりました。このうち、流動負債が37,447百万円減少の79,222百万円、固定負債が4,025百万円増加の5,044百万円となりました。
流動負債が減少した主な要因は、未払金が17,610百万円、短期借入金が13,146百万円、1年内返済予定の長期借入金が5,000百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債が増加した主な要因は、長期借入金が4,000百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,066百万円増加の60,499百万円となりました。これは主に利益剰余金が2,912百万円、為替換算調整勘定が881百万円、非支配株主持分が239百万円それぞれ増加したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の29.1%から8.6ポイント増加し、37.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、未払金の減少、売上債権の増加等があったものの、未収入金の減少、税金等調整前当期純利益、長期借入による収入等により、前連結会計年度末に比べ506百万円増加(前年同期比2.2%増)し、当連結会計年度末には23,532百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は18,617百万円(前年同期は22,694百万円の収入)となりました。これは主に未払金の減少額が17,627百万円あった一方で、未収入金の減少額が32,299百万円、税金等調整前当期純利益が6,584百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は2,146百万円(前年同期は1,424百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が1,433百万円、無形固定資産の取得による支出が1,018百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は16,405百万円(前年同期は20,050百万円の支出)となりました。これは主に長期借入による収入が4,000百万円あった一方で、短期借入による純減少額が13,399百万円、長期借入金の返済による支出が5,000百万円、配当金の支払額が1,360百万円あったこと等によるものであります。
③ 仕入、受注及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
デバイス事業 |
134,454 |
86.2 |
|
システム事業 |
47,490 |
103.7 |
|
ソリューション事業 |
1,402 |
81.7 |
|
合計 |
183,348 |
90.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の仕入実績及び総仕入実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社 |
41,702 |
20.5 |
29,368 |
16.0 |
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
デバイス事業 |
136,810 |
86.8 |
75,641 |
84.2 |
|
システム事業 |
65,057 |
110.0 |
37,983 |
125.5 |
|
ソリューション事業 |
2,017 |
96.4 |
622 |
56.9 |
|
合計 |
203,885 |
93.1 |
114,247 |
94.3 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
デバイス事業 |
151,011 |
84.4 |
|
システム事業 |
57,336 |
104.4 |
|
ソリューション事業 |
2,489 |
98.1 |
|
合計 |
210,837 |
89.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
任天堂株式会社 |
33,395 |
14.1 |
33,185 |
15.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や当該事象の状況等に照らして合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績等の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績等の分析は以下のとおりであります。
売上高は、半導体需要が総じて低調に推移したことにより、前年同期に比べ25,653百万円減少の210,837百万円となりました。
売上総利益は、売上が減少したことにより、前年同期に比べ3,580百万円減少し26,026百万円となりました。売上総利益率は前年と同水準の12.3%となりました。
販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ445百万円増加の17,068百万円となりました。
営業利益は、売上総利益の減少及び販売管理費の増加により、前年同期に比べ4,025百万円減少し8,958百万円となりました。
営業外収益は、期中からの円高進行に伴い、798百万円の為替差益が発生し、前年同期に比べ641百万円増加し1,193百万円となりました。営業外費用は、前年同期に計上した為替差損3,438百万円が減少したことにより、4,101百万円減少の3,807百万円となりました。
以上の結果、経常利益は前年同期に比べ716百万円増加し6,344百万円となりました。
特別利益は、前年同期に比べ252百万円増加し253百万円となり、特別損失は、前年同期に比べ7百万円増加し13百万円となりました。
法人税、住民税及び事業税は前年同期に比べ449百万円増加し2,132百万円、法人税等調整額は前年同期に比べ21百万円減少し34百万円となりました。また非支配株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べ337百万円減少の144百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べ871百万円増加し、4,272百万円となりました。
ロ.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動に必要な運転資金需要の主なものは、商品の仕入代金及び人件費や販売諸掛、業務委託費、旅費交通費などの販売費及び一般管理費であります。投資を目的とした資金需要は設備投資や取引先への投融資であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金や設備投資、投融資に関わる資金の調達は、自己資金及び金融機関からの借入れを基本としております。
なお当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は50,534百万円となっております。また当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は23,532百万円となっております。
ハ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、ROE及び経常利益を重要な経営指標と位置づけ、2027年度にROE9.0%以上、経常利益80億円以上の達成を目標とし、収益性と効率性の向上に取り組んでおります。
直近3事業年度のROE及び経常利益の推移は次のとおりであります。
|
|
2023年3月 |
2024年3月 |
2025年3月 |
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ROE (自己資本利益率) |
11.5% |
6.9% |
8.1% |
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経常利益 |
7,909百万円 |
5,627百万円 |
6,344百万円 |
(注)ROE:親会社株主に帰属する当期純利益/期首・期末平均自己資本
(1)仕入先との販売代理店・特約店契約
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契約会社の名称 |
相手先の名称 |
契約品目 |
契約内容 |
契約発効日 |
|
丸文株式会社 |
Infineon Technologies Japan K.K. |
半導体及び 関連製品 |
販売代理店契約 |
2020年10月1日 |
(2)合弁会社設立に関する契約
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契約会社の名称 |
相手先の名称 |
契約内容 |
契約発効日 |
|
丸文株式会社 |
Arrow Electronics, Inc. |
アジア及び北米地域における合弁会社の設立、運営 |
1998年8月27日 |
特記すべき事項はありません。