第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の金融財政政策による需要刺激効果に加え、円安・株高を背景に企業収益や所得・雇用環境も着実に改善するなど、緩やかながらも回復基調となりました。一方で、円安に伴う輸入品価格の上昇や、中国経済の減速等の懸念材料もあり、先行きは依然不透明な状況で推移しました。

当社グループが属する住宅業界におきましては、前半は消費増税の影響が依然として残り、リフォーム需要や新設住宅着工戸数も低調に推移するなど、後半には回復の兆しが見られたものの、引き続き厳しい経営環境となりました。

このような事業環境の下、当社グループは、住宅市場の縮小や企業間競争の激化が今後さらに促進すると予想される中、市場ニーズに沿った取扱い商材の拡充や、工事品質と施工能力の向上を重点課題とし、お客様のニーズに対応したサービスの提供に努めてまいりました。

また、新たな成長軌道の基盤を整備するため、サイディングプレカット工場の新設、外国人実習生の受入れ規模拡大、大阪ショールームの開設、サッシ販売強化に向けた関連企業の買収など、積極的に投資を進めてまいりました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は563億11百万円と前連結会計年度に比べ24億28百万円の減収(4.1%減)なりました。営業利益は15億95百万円と前連結会計年度に比べ3億円の減益(15.9%減)、経常利益は17億91百万円と前連結会計年度に比べ2億56百万円の減益(12.5%減)、当期純利益は11億21百万円と前連結会計年度に比べ42百万円の減益(3.7%減)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

①戸建住宅事業

建材及び関連商品販売につきましては、オリジナルタイルブランド「マリスト」において商品ラインナップの充実をはかり、関東エリアでのシェア拡大を進めるとともに、その他大都市圏における営業活動の強化に努めてまいりました。しかし、消費増税による反動減の影響は大きく、タイル工事店向けの販売が減少した結果、売上高は前期比5.6%の減少となりました。

外壁工事につきましては、市場規模の大きいサイディング工事のシェア拡大という方針に基づき、技能工の育成やサイディングのプレカット化に取り組みましたが、取り組み開始が予定より遅れたことや、住宅外壁向けのタイル工事が前年並みに推移したことにより、売上高は前期比0.6%の減少となりました。

住宅設備機器販売につきましては、既存の設備店やリフォーム店向けの販売は減少したものの、大口の太陽光発電システムの販売が寄与したことにより、売上高は前期比0.8%の増加となりました。

住宅設備工事につきましては、水回り商材と併せて木質建材やサッシなど、今まで当社にとって取扱いの少なかった商材の販売強化に努めるとともに、新規工務店開拓に取り組んだことにより、700件を超える新規取引を開始しました。しかし、市場環境は消費増税前の駆け込み需要までには至らず、売上高は前期比4.5%の減少となりました。

この結果、売上高は500億19百万円と前連結会計年度に比べ16億12百万円(3.1%)の減収、セグメント利益は19億47百万円と前連結会計年度に比べ2億15百万円(10.0%)の減益となりました。

 

②大型物件事業

タイル工事につきましては、新築マンション物件を中心に、予定の受注量及び利益率の確保は出来たものの、翌期以降に完成する物件が前年を上回ったため、売上高は前期比14.6%の減少となりました。

住宅設備工事につきましては、官公庁向け空調工事が順調に推移したものの、新築マンション向けユニットバス工事において、採算重視の受注体制を継続したことにより、売上高は前期比8.8%の減少となりました。

この結果、売上高は62億92百万円と前連結会計年度に比べ8億15百万円(11.5%)の減収、セグメント利益は3億44百万円と前連結会計年度に比べ1億22百万円(26.2%)の減益となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ5億73百万円増加し、77億71百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは10億47百万円増加(前連結会計年度は13億65百万円増加)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益17億86百万円の計上及び売上債権の減少額4億59百万円、仕入債務の減少額3億53百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは72百万円減少(前連結会計年度は74百万円減少)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出1億9百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは4億1百万円減少(前連結会計年度は7億84百万円減少)となりました。これは主として、配当金の支払額3億11百万円によるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1)大型物件事業

(イ)受注実績

当連結会計年度における受注実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

 

部門

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

 タイル工事

2,817,869

△6.9

1,708,913

+1.3

 住宅設備工事

3,203,361

△20.0

1,489,896

△16.4

 合計

6,021,230

△14.4

3,198,810

△7.8

 

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(ロ)完成工事実績

当連結会計年度における完成工事実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

 

部門

完成工事高(千円)

前年同期比(%)

 タイル工事

2,795,937

△14.6

 住宅設備工事

3,496,493

△8.8

 合計

6,292,430

△11.5

 

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)戸建住宅事業

(イ)受注実績

当連結会計年度における受注実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

 

部門

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

 外壁工事

11,881,868

△5.3

1,718,730

△8.7

 住宅設備工事

22,502,986

△5.0

2,685,755

△2.3

 合計

34,384,855

△5.1

4,404,485

△4.9

 

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(ロ)売上実績

当連結会計年度における売上実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

 

部門

売上高(千円)

前年同期比(%)

販売実績

 

 

 建材及び関連商品

8,750,959

△5.6

 住宅設備機器

6,656,096

+0.8

 合計

15,407,056

△2.9

完成工事実績

 

 

 外壁工事

12,045,457

△0.6

 住宅設備工事

22,567,030

△4.5

 合計

34,612,487

△3.2

総合計

50,019,543

△3.1

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

(ハ)商品仕入実績

 

部門

商品仕入高(千円)

前年同期比(%)

 建材及び関連商品

11,380,207

△4.4

 住宅設備機器

20,795,865

△2.2

 合計

32,176,072

△3.0

 

(注) 1 上記金額には消費税等は含まれておりません。

2 建材及び関連商品、住宅設備機器の商品仕入高の金額には、それぞれ完成工事原価又は未成工事支出金への振替高4,319,852千円、15,228,841千円が含まれております。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループでは、2016年9月期を最終年度とする中期経営計画「バリュー・イノベーション・カンパニーを目指す」を引き続き基本方針とし、新たな成長軌道の基盤を構築するため、次のような課題に取り組んでまいります。

戸建住宅事業につきましては、地域に密着した営業展開と施工力の充実を武器に引き続き新規工務店開拓を推進するとともに、サイディング工事の市場シェアの拡大、サッシや木質建材等の重点商材の拡販に取り組んでまいります。特にサイディング工事につきましては、現場作業の効率化を目的としたサイディング材のプレカット化を積極的に推進してまいります。また、サッシの取扱いについても、本年10月に買収した東京サッシ販売株式会社、株式会社ライフメタリックを活用することにより、積算や組立て業務の内製化を進め、販売強化に努めてまいります。当社グループにとって市場占有率の低い商材の拡充を図るためには、商品知識と提案力の向上が不可欠と考えており、その強化策として社員の業務レベルアップを目的としたOJT教育体制や階層別の研修の充実を図ってまいります。

大型物件事業につきましては、採算重視の受注体制を維持するとともに、中古住宅市場の拡大が予想される中、設備や内装のリノベーション工事、外壁や床のリニューアル工事に取り組んでまいります。また、タイル技能者の多能工化を目的とした、アパート物件等のサイディング工事にも取り組んでまいります。

今後の技能工不足に対処するため、多能工化の推進、及び外国人技能実習生の受け入れを継続するとともに、施工研修センターの活用を推進することで、新規技能工の育成や工事品質の強化に努めてまいります。

オリジナル商材とし取り組んでいるタイルや浴槽などについては、商品アイテムの拡充や高付加価値化を推進するとともに、それらを利用したBtoCチャネルの確立に積極的に着手してまいります。

現在当社グループの営業エリアは主に関東圏と中部圏ですが、市場の縮小とそれにともなう競争の激化が予想されるなか、生き残っていくためには営業エリアの拡大が必要と判断しており、より効果的に展開するためにM&Aや業務提携を積極的に進めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成27年12月18日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)特定の仕入先への依存について

平成27年9月期の当社グループの連結ベースにおける商品及び材料仕入額の41.9%が株式会社LIXILからの仕入となっております。今後何らかの要因により同社との取引が不能となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)当社グループの事業と業界及び市場の動向について

当社グループが属する業界は、いわゆる建設業界であり、そのなかでも当社グループは、タイル及び住宅設備機器・空調機器に関する「工事事業」及び「商品販売事業」を二つの柱としております。当連結会計年度において連結売上高に占める「完成工事高」は72.6%、「商品売上高」は27.4%であります。

このように当社グループは、建設業における専門工事を中核事業としております。このため業界の慣行等も併せて売上債権の回収管理を含む与信管理が経営上の重要な課題であります。当該課題に関して当社グループは、業界及び市場の動向にも絶えず注視し与信管理を徹底しておりますが、多額の不良債権が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に大きな影響を及ぼす可能性があります。

また、建設業界は、景気の変動及び政府の経済政策等の影響を強く受けやすい業界であり、市場のニーズに柔軟に対応できなければ当社グループの経営成績及び財政状態等に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)法規制について

当社グループは、会社法、金融商品取引法、法人税法、独占禁止法及び建設業法等の法規制を始め、品質に関する基準、環境に関する基準、会計基準等、事業展開している国内外のさまざまな法規制の適用を受けており、社会情勢の変化等により、将来において、改正や新たな法的規制が設けられる可能性があります。その場合には当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)減損会計に伴うリスクについて

当社グループは、事業用不動産として複数の土地及び建物を所有しております。固定資産に対する減損会計により、減損処理が必要となった場合につきましては、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)特約店契約

会社名

提携先

契約期間

主要取扱品目

契約内容

株式会社
アベルコ

(連結子会社)

株式会社LIXIL

昭和56年4月21日
以後1年ごとの自動更新

タイル及び住宅設備機器

特約店契約

株式会社
アベルコ

(連結子会社)

株式会社ハウステック

平成8年5月1日
以後1年ごとの自動更新

住宅機器製品

特約店契約

株式会社
アベルコ

(連結子会社)

TOTO株式会社

平成11年4月1日
以後1年ごとの自動更新

タイル及び住宅設備機器

特約店契約

 

 

(2)東京サッシ販売株式会社及び株式会社ライフメタリックを完全子会社化するための株式譲渡契約及び子会社の合併

当社の連結子会社である株式会社アベルコ(以下、「アベルコ」)は、平成27年7月29日付で締結いたしました「株式取得に関する基本合意書」のとおり、平成27年10月6日開催の取締役会において、東京サッシ販売株式会社(以下、「東京サッシ販売」)及び株式会社ライフメタリック(以下、「ライフメタリック」)の全株式を取得し、子会社化(当社の孫会社化)するための株式譲渡契約を締結することを決議し、同日付で締結いたしました。

また、アベルコ及び東京サッシ販売並びにライフメタリックは平成27年11月18日開催の取締役会において、合併を決議いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成27年12月18日)において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、貸倒引当金、完成工事補償引当金、退職給付に係る負債、工事損失引当金、有形・無形固定資産及び繰延税金資産の計上に関しましては重要な見積り及び判断を行っております。従いまして、実際の結果はこれらの見積り及び判断と異なる場合があり、業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 財政状態の分析

①資産

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億92百万円減少し、285億5百万円となりました。これは主として、現金及び預金が5億73百万円増加したものの、受取手形・完成工事未収入金等が5億1百万円、未成工事支出金が1億34百万円、未収入金(流動資産、その他)が2億91百万円減少したことによるものであります。

②負債

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ13億34百万円減少し、121億69百万円となりました。これは主として、未払法人税等が7億49百万円、ファクタリング未払金が3億8百万円減少したことによるものであります。

③純資産

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ9億42百万円増加し、163億36百万円となりました。これは主として、利益剰余金が9億3百万円増加したことによるものであります。

 

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

①売上高

売上高は、戸建住宅事業における増税後の反動減の影響及び大型物件事業における採算重視の選別受注の継続により、前連結会計年度の587億40百万円から24億28百万円減少して563億11百万円となりました。セグメントの内訳としましては、大型物件事業の売上高62億92百万円(前期比11.5%の減収)、戸建住宅事業の売上高500億19百万円(前期比3.1%減収)となりました。

②売上原価

売上原価は、前連結会計年度の503億5百万円から18億64百万円減少して484億40百万円となり、売上高に対する売上原価の比率は前連結会計年度に比べ0.4ポイント増加して86.0%となりました。

③売上総利益

売上総利益は、売上高の減少及び売上総利益率の低下により、前連結会計年度の84億34百万円から5億63百万円減少して78億71百万円となり、売上高に対する売上総利益の比率は前連結会計年度に比べ0.4ポイント減少して14.0%となりました。

④販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、人件費関連の減少が45百万円、及び貸倒引当金繰入の減少が1億59百万円となったことにより、前連結会計年度の65億37百万円から2億62百万円減少して62億75百万円となり、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は前連結会計年度と同様11.1%となりました。

⑤営業利益

営業利益は、売上高の減少等により、前連結会計年度の18億96百万円から3億円減少して15億95百万円となり、売上高に対する営業利益の比率は前連結会計年度に比べ0.4ポイント減少して2.8%となりました。

⑥営業外収益(費用)

営業外収益(費用)は、賃貸原価の減少が14百万円となったこと等により、前連結会計年度の1億51百万円の収益(純額)から1億95百万円の収益(純額)となりました。

⑦経常利益

経常利益は前連結会計年度の20億48百万円から2億56百万円減少して17億91百万円となり、売上高に対する経常利益の比率は前連結会計年度に比べ0.3ポイント減少して3.2%となりました。

⑧特別利益(損失)

特別利益(損失)は、保険解約金による利益が28百万円となったものの、物流拠点統廃合にともなう固定資産除却損による損失が34百万円となったことにより、前連結会計年度の22百万円の利益(純額)から4百万円の損失(純額)となりました。

⑨税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は前連結会計年度の20億70百万円から2億84百万円減少して17億86百万円となりました。

⑩法人税、住民税及び事業税・法人税等調整額

法人税、住民税及び事業税・法人税等調整額は前連結会計年度の9億6百万円から2億41百万円減少して6億65百万円となりました。

⑪当期純利益

当期純利益は前連結会計年度の11億64百万円から42百万円減少して11億21百万円となりました。

 

 

(4) 戦略的現状と見通し

次期以降の見通しにつきましては、引き続き企業収益の好調が見込まれ、雇用情勢や所得環境の改善が期待されることから、住宅需要も底堅く推移するものと想定されます。

しかしながら、海外景気の下振れにより国内景気を下降させ、住宅投資を減退させるリスクも残るなど、住宅市場を取り巻く環境は予断を許さない状況が続くことも予想されます。

また、中期的には消費税の再増税前の駆け込み需要などにより当面は住宅着工戸数の回復傾向は継続すると思われるものの、増税後の反動減やその後の世帯数の減少要因により住宅需要は年々縮小に向かうことが予想されます。

このような経済環境に対応するため、「3.対処すべき課題」に掲げた施策を推進することで、より強固な営業基盤の構築を目指してまいります。

以上の結果、次期通期連結会計年度の業績見通しは、売上高615億円、営業利益16億20百万円、経常利益18億円、当期純利益11億50百万円を見込んでおります。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ5億73百万円増加し、77億71百万円となりました。

詳細につきましては、「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。