文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「ハピネス・ネットワーキングを展開し、エンタテインメント・スタイルの創造により人々に感動を提供し、夢のある明日をつくります。」をグループビジョンとして掲げ、企業活動を展開しております。
人々の幸福な人生(Happiness)の実現に大きく貢献することを事業コンセプトとし、あらゆる方々と積極的なコミュニケーションを図ること(Networking)により、お役に立てる機会を探し、タイムリーで付加価値のある提案を行ってまいります。また、商品を提供するだけにとどまらず、楽しみ方、ライフスタイルまでも提案する「エンタテインメント・スタイルの創造」によって人々に感動を提供し、夢のある明日をつくることを目指してまいります。
さらに、経営姿勢として環境変化を予見する努力を怠らず、自己革新をすすめ、新しいビジネスをきりひらくとともに、変化に対応した組織、制度づくりに積極的に取組んでまいります。
(2)経営環境
当社グループの関連業界におきましては、商業施設などの人流やインバウンド需要の拡大がみられる一方で、原材料価格・物価の上昇や、少子化、消費者ニーズの多様化、エンタテインメントのデジタル化が進むなど、依然先行きが不透明な状況で推移しております。
玩具事業につきましては、少子化が進む一方で、ハイターゲット向け商材は好調に推移するなど、購入層や商材の幅が拡大し、ニーズが多様化しております。
映像音楽事業につきましては、配信サービスの普及が加速するなど、パッケージ市場は厳しい環境で推移しておりますが、コンテンツビジネスやライブなどのコトビジネスは、引き続き市場の成長が見込まれます。
ビデオゲーム事業につきましては、コロナ禍の巣ごもり需要を経てユーザー層が拡大しており、グローバルでもゲーム市場は成長しているものの、中期的にはダウンロード販売の伸長によるパッケージ市場の縮小も見込まれ、先行きが不透明な状況で推移しております。
アミューズメント事業につきましては、カプセル玩具市場が消費者の購買動機、チャネル、コンテンツの多様化やインバウンド需要を取り込み、伸長しております。
このような環境を踏まえ、当社グループでは更なる成長・発展を目指すべく、各セグメントにおいて様々な施策に取り組んでまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは長期ビジョン及び2022年4月より3ヵ年の第9次中期経営計画を策定いたしました。
長期ビジョン
長期ビジョンは10年後の目指す姿として「エンタテインメントの可能性を追求し、“from”ハピネットで世界をワクワクさせるクリエイティブカンパニー」と設定いたしました。人々に感動を提供し、夢のある明日をつくるための「エンタテインメントの可能性を追求」し、業界や流通経路などの枠を超えた新しいエンタテインメント・スタイル(楽しみ方・ライフスタイル)を「“from”ハピネット」で発信していきます。
第9次中期経営計画
第9次中期経営計画では「エンタテインメントとプラットフォームのデュアルエンジンで挑む創造的成長」をテーマとして掲げ、エンタテインメント事業(=サービス・コンテンツの創造)とプラットフォーム事業(=サービス・コンテンツの発信)の2つをコアエンジンとして、創造的な成長を図ります。当社が持つ中間流通としての強みを活かしながら、クリエイティブ機能をさらに強化することにより、シナジーを発揮して事業の価値を高めていきます。
基本戦略としては下記の3つを推進いたします。
1.全事業での川上・川下領域施策の展開
消費者視点の体験的価値に着眼したサービスの創造とクリエイティブ機能強化によるコンテンツの創造に取り組んでいきます。
2.第5の柱となる新規事業への積極的な投資と海外展開への挑戦
新規事業への投資と、持続的にアイディアを生み出せる事業創出体制の構築を図ります。
また、海外における成長可能性を検証し、ポテンシャルのある領域へ挑戦します。
3.サステナブルな経営体制構築に向けた取り組み
持続性を意識した経営体制、事業・人材ポートフォリオマネジメント体制の構築を図ります。
以上の基本戦略を推進し、更なる成長・発展と企業価値の向上を目指してまいります。
(4)目標とする経営指標
当社グループは、企業価値向上のために、事業規模を拡大するとともに、収益性・効率性を高めることを当面の重要課題として取組んでいく方針です。従いまして、経常利益とROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として位置づけ、その向上に取り組んでまいります。
(5)会社の優先的に対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、エネルギー価格や原材料価格上昇などの不確実性がある中で、当社グループの関連業界におきましても、少子化、消費者ニーズの多様化、エンタテインメントのデジタル化など、経営環境が大きく変化しており、引き続き先行きが不透明な状況で推移すると予測しております。
2025年3月期においては、中期経営計画の最終年度として各事業領域でクリエイティブ・コト分野への挑戦を継続し、新たな収益基盤の確立を目指してまいります。併せて中間流通としての機能の拡充により付加価値を向上させ、さらなる事業の拡大を図ってまいります。さらに、海外展開に向けてはポテンシャルのある領域を特定し、テスト展開も含めた具体的な検証を進めてまいります。また、それらを支える人的資本を強化すべく、事業特性にあった教育の実施など人材への投資と、次期経営層育成のためのサクセッションプランを引き続き推進してまいります。
各セグメントにおける優先的に対処すべき課題は次のとおりであります。
玩具事業
玩具事業につきましては、少子化が進むなか、ハイターゲット向け商材である模型玩具の卸売部門においてサービスレベルの強化などによりインストアシェア・ストアカバレッジの向上を図り、中間流通シェアの拡大を目指してまいります。また、ライブイベント領域など、新規カテゴリーでの自社商品の展開拡大を図ってまいります。
映像音楽事業
映像音楽事業につきましては、配信サービスの普及などにより市場環境が変化していくなかで、中間流通業では運用体制を最適化させるとともに、パッケージ制作やグッズ企画など、事業領域の拡大を図ってまいります。また、メーカー業を強化すべく、映像部門では自社配給作品のヒット率の向上、音楽部門では音楽メーカー事業の確立を目指してまいります。
ビデオゲーム事業
ビデオゲーム事業につきましては、中間流通として引き続き需要へのタイムリーな対応や、営業や販売促進施策の強化による販売の最大化に取り組んでまいります。また、海外の優良なゲームをローカライズして販売するパブリッシング事業の強化を図ってまいります。
アミューズメント事業
アミューズメント事業につきましては、カプセル玩具市場の拡大を見据え、当社運営のカプセル玩具ショップ「ガシャココ」の出店を推進してまいります。また、設置場所のニーズにあった品揃えを実現させることで、新規流通の開拓にも取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、持続可能な社会の実現と当社グループの更なる企業価値の向上を一体として考え、「私たちはハピネス・ネットワーキングを展開し、エンタテインメント・スタイルの創造により人々に感動を提供し、夢のある明日をつくります。」というグループビジョンのもと、企業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献します。
(2)推進体制(ガバナンス)
当社グループは、代表取締役を議長とし、各部門責任者をメンバーとするサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティ課題について、当社グループにおける重要課題(マテリアリティ)の特定、行動計画の策定、各施策の推進、目標の状況に関するモニタリングを行っており、活動状況を原則年1回以上取締役会へ報告しております。取締役会は、サステナビリティ委員会の活動状況を適宜監督し、当社グループの課題の認識と対応についての指示を行っております。代表取締役や各部門責任者が取組を自ら推進することで、サステナビリティを意識した経営を実施できる体制を構築しております。
(3)当社グループにおける重要課題(マテリアリティ)
当社グループでは、IIRC、GRI、SASBなどの国際的なガイドライン、SDGs課題などをベースにサステナビリティ課題、リスク項目を洗い出し、経営層へのヒアリングや従業員アンケート、ステークホルダーの意向、外部機関の評価をもとに重要度を判定し、優先順位をつけて取組を行っております。社会における課題と、当社グループの持続的成長、長期・中期ビジョンを踏まえた課題を抽出し、その課題の中から、事業活動における「リスク」「機会」を踏まえたうえで、「自社への影響」と「社会への影響」を軸に重要性について検討した結果、6つのマテリアリティを特定しました。
<当社グループのマテリアリティ>

2024年3月期のマテリアリティごとの取組実績は、以下のとおりであります。
実績及び取組内容の詳細につきましては当社ウェブサイトに掲載しております。
URL https://www.happinet.co.jp/sustainability/
(4)リスク管理
全社的なリスク管理の詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
特定・評価・管理を含むサステナビリティ関連リスク・機会への取組はサステナビリティ委員会にて行動計画の策定、各施策の推進、モニタリングを行っております。サステナビリティ委員会の活動状況は、原則年1回以上取締役会に報告され、取締役会での管理をもって全社的なリスク管理プロセスに統合されております。
当社グループは、当社グループにおける重要課題(マテリアリティ)と併せて、気候変動問題を取り組むべき重要な社会課題の一つと捉え、気候変動問題に対応するための活動を行っております。
当社グループは、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)提言の枠組みを活用し、気候関連情報の開示を推進しております。TCFD提言に準じて特定したリスク管理及び機会の実現を通じて、気候変動問題に対して持続可能な社会の発展実現に貢献することを目指してまいります。
①ガバナンス
当社グループは、代表取締役を議長とし、各部門責任者をメンバーとするサステナビリティ委員会を設置し、気候変動関連のリスク・機会への取り組みを含むサステナビリティ課題について、当社グループにおける重要課題(マテリアリティ)の特定、行動計画の策定、各施策の推進、目標の状況に関するモニタリングを行っており、活動状況を原則年1回以上取締役会へ報告しております。取締役会は、サステナビリティ委員会の活動状況を適宜監督し、当社グループの課題の認識と対応についての指示を行っております。代表取締役や各部門責任者がサステナビリティへの取り組みを自ら推進することで、気候変動関連リスクも考慮した経営を実施できる体制を構築しております。
TCFDが提唱するフレームワークに則り、当社の「玩具事業」「映像音楽事業」「ビデオゲーム事業」「アミューズメント事業」を対象として、気候変動関連のリスク及び機会を特定いたしました。なお、気候変動関連のリスク及び機会の分析にあたっては、移行面での影響が顕在化する「2℃シナリオ」及び「1.5℃シナリオ」、物理面での影響が顕在化する「4℃シナリオ」を想定し、シナリオ分析を実施いたしました。

<当社グループにおける気候変動関連リスク>
<当社グループにおける気候変動関連機会>
③リスク管理
当社グループでは、IIRC、GRI、SASBなどの国際的なガイドライン、SDGs課題などをベースに気候変動への対応も含めたサステナビリティ課題、リスク・機会項目を洗い出し、経営層へのヒアリングや従業員アンケート、ステークホルダーの意向、外部機関の評価をもとにリスク・機会の重要度を判定し、優先順位をつけて取組を行っております。
気候変動関連リスク・機会の特定・評価・管理を含む気候変動への取組はサステナビリティ委員会にて行動計画の策定、各施策の推進、モニタリングを行っております。気候変動関連リスクの特定にあたっては、TCFDのフレームワークに準じ、政策及び規制リスク、市場リスク、物理リスク等を考慮し、抽出されたリスクについて、財務影響の大きさや、影響が及ぶ頻度などの指標から各リスクの重要度を評価しております。サステナビリティ委員会の活動状況は、原則年1回以上取締役会に報告され、取締役会での管理をもって全社的なリスク管理プロセスに統合されております。
④指標及び目標
当社グループでは、マテリアリティの一つとして「サプライチェーンにおける環境負荷低減」を掲げております。
また、気候変動関連リスクに関する対応策の推進度を管理するための指標として温室効果ガス排出量を指標として定め、削減に向けて取り組んでおります。
中期目標(~2030年):自社拠点における二酸化炭素排出量50%削減(2014年3月期比)
長期目標(~2050年):自社拠点における二酸化炭素排出量実質ゼロ
実績及び取組内容の詳細につきましては当社ウェブサイトに掲載しております。
URL https://www.happinet.co.jp/sustainability/
(6)人的資本への取組
当社グループは、「人」に対する根本理念や経営における「人」の位置付けとあり方について定めた「人事憲章」において、人材育成を重要な経営課題として位置づけております。
当社グループが成長・発展をとげるためには、参画する一人ひとりの役員、社員の成長・発展が根本であり、社員が自らの夢と幸福な未来の実現のために仕事をすることを真に望み、その実現のために最大限の支援をおこなうことを表明しております。
また、当社グループのサステナビリティに向けた取り組みの重要課題(マテリアリティ)として「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」を掲げております。
①戦略
当社グループにおける、人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
(人材育成方針)
当社グループは、「経営の主体は人材である。」とのスタンスに立ち、人材の活動を通して経営資源の最大活用を図ります。
社員の能力開発と人材育成を重視すると共に、能力を最大限に発揮できる機会と場を創ります。
(社内環境整備方針)
長期的・戦略的視点に立ち社員の専門形成を支援するべく、学習体系を確立し、社員が主体的・自主的に参加できる環境を整備しております。
社員の多様なキャリア形成をサポートする研修のほか、育成層に向けた集中的な基礎教育、管理職層に向けたリーダー研修、各種通信講座など、社員の自己啓発や能力向上を図るための様々な制度を設けております。
経歴、性別、年齢、国籍等に関わらず、多様な価値観を有する従業員がその能力を十分発揮できる体制を整備することを推進しており、管理職への登用等については、その能力、経験等を考慮し行っております。
②指標及び目標
当社グループでは、マテリアリティの一つとして「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」を掲げております。
また、人材育成方針、社内環境整備方針も踏まえ、人的資本に関する取り組みの推進度を管理するための指標として下記を定めております。(数値は連結ベース)
女性管理職比率:2026年3月末までに管理職に占める女性の割合:20%(2024年3月期実績 9.2%)
健康診断受診率:100%(2024年3月期実績 99.9%)
ストレスチェック回答率:100%(2024年3月期実績 99.9%)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクを記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)リスク管理体制
当社グループにおいては経営・事業環境の変化や長期ビジョン及び中期経営計画を踏まえた事業活動の拡大に伴ってリスクの多様化が進むことが予想されています。そのため、当社グループでは統括責任者を代表取締役としたリスク管理体制を整備し、当社グループのリスクを把握し、発生の未然防止及びリスクの低減に取り組んでおります。
具体的には、事業活動に影響を与える可能性のある様々なリスクについて洗い出し、影響度、発生頻度の観点から重要度について評価し、特に優先的に対処すべきリスクを「重要リスク」として選定しております。重要リスクについては、主管部門が主体となってリスク対策計画を立案、実施し、進捗状況に対するモニタリングを行って是正・改善に取り組んでおります。
また、これらのリスク管理の活動状況について、原則年1回以上取締役会へ報告しております。取締役会は、リスク管理の活動状況を適宜監督し、当社グループの課題の認識と対応についての指示を行っております。
(2)リスクの選定
重要リスクの選定にあたっては、まず、社内取締役・管理職層等に対するアンケート及び各事業部門責任者に対するヒアリングを実施し、当社グループに影響を与える可能性があるリスクを網羅的に洗い出しました。
洗い出したリスクに関しては、影響度及び発生頻度を軸としたリスクマトリクスを用いて重要度を評価し、特に優先的に取り組むべき重要リスクを選定しております。

※東京海上ディーアール株式会社資料に基づいて作成
<リスク評価>
S(シビア):第一優先で取り組むべきリスクで、定期的に取締役会等へ状況報告し、必要な指示に従って
リスク低減策を実施する必要のあるリスク。
H(ハイ) :第二優先で取り組むべきリスクで、定期的に取締役会等へ状況報告が必要なリスク。
M(ミドル):部門単位で定常的にリスク状況把握及び対策の進捗を確認しながら管理するリスク。
L(ロー) :日常業務において適切に状況を管理し、適宜進捗を確認しながら管理するリスク。
<重要リスク一覧>
(3)重要リスク項目と対応策
(A)成長戦略に関するリスク
①市場環境の変化に関するリスク(リスク評価:S)
②事業投資・企業買収に関するリスク(リスク評価:H)
(B)特定の仕入先・販売先への依存に関するリスク
③特定の仕入先・販売先への依存に関するリスク(リスク評価:H)
(C)棚卸資産に関するリスク
④過剰在庫の発生に関するリスク(リスク評価:H)
(D)外部委託先管理に関するリスク
⑤外部委託先管理に関するリスク(リスク評価:H)
(E)人材の確保と育成に関するリスク
⑥人材の確保と育成に関するリスク(リスク評価:H)
(F)IT・情報管理・デジタル対応に関するリスク
⑦システムの停止に関するリスク(リスク評価:S)
⑧情報管理に関するリスク(リスク評価:H)
(G)事故・災害対応、事業継続に関するリスク
⑨事故・災害対応、事業継続に関するリスク(リスク評価:S)
(H)広報対応に関するリスク
⑩広報対応に関するリスク(リスク評価:H)
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループの関連業界におきましては、商業施設などの人流やインバウンド需要の拡大がみられる一方で、原材料価格・物価の上昇や、少子化、消費者ニーズの多様化、エンタテインメントのデジタル化が進むなど、依然先行きが不透明な状況で推移しております。
このような状況の中、当社グループの経営成績につきましては、映像音楽事業で損失が発生したものの、ヒット商品があった玩具事業や、市場の拡大を取り込んだアミューズメント事業が引き続き好調に推移したことにより、売上高、利益面ともに前期を大幅に上回りました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は3,504億6千1百万円(前期比14.1%増)、営業利益は86億7千9百万円(同48.5%増)、経常利益は89億7千4百万円(同44.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は65億8千1百万円(同84.8%増)となりました。
なお、当社の持分法適用関連会社であった株式会社ブロッコリーの株式を追加取得し連結子会社化したことに伴い、第2四半期連結会計期間において段階取得に係る差益10億2千5百万円を特別利益として計上しております。また、同社のみなし取得日を2023年8月31日としているため、第2四半期連結会計期間においては貸借対照表のみを連結し、第3四半期連結会計期間より損益計算書を連結しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、経常利益とROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として位置づけております。
当連結会計年度においては比較的利益率の高い玩具事業やアミューズメント事業が好調だったことにより、経常利益は創業以来過去最高益となり、売上高経常利益率は2.6%(前期比0.6ポイント増)、ROEは13.8%(同5.7ポイント増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
玩具事業
玩具事業につきましては、BANDAI SPIRITSの「一番くじ」など主にコンビニエンスストア向けに販売しているくじ商品や、「ポケモンカードゲーム」「ONE PIECE カードゲーム」などのトレーディングカード、フィギュア・プラモデルをはじめとしたホビー商品など、ハイターゲット向けの商品が引き続き好調に推移したことにより、売上高、利益面ともに前期を大幅に上回りました。
この結果、売上高は1,500億9百万円(前期比20.1%増)、セグメント利益は68億5千9百万円(同51.0%増)となりました。
映像音楽事業
映像音楽事業につきましては、音楽パッケージの新譜の販売は好調に推移したものの、映像パッケージの販売が苦戦し、売上高は前期を下回りました。利益面につきましては、当社出資映像作品の作品投資損失が発生したものの、比較的利益率の高い自社企画グッズの販売が好調に推移したことなどにより、前期から改善がみられました。
この結果、売上高は648億8千4百万円(前期比3.4%減)、セグメント損失は1億2千8百万円(前期はセグメント損失3億9千6百万円)となりました。
ビデオゲーム事業
ビデオゲーム事業につきましては、「Nintendo Switch」や「PlayStation5」「Xbox Series X|S」のハードの販売が好調に推移したことに加え、ソフトで「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」や「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」などのヒット商品があったことにより、売上高、利益面ともに前期を上回りました。
この結果、売上高は939億2千2百万円(前期比12.7%増)、セグメント利益は15億1千4百万円(同1.1%増)となりました。
アミューズメント事業
アミューズメント事業につきましては、カプセル玩具市場がインバウンド需要の拡大も取り込み好調に推移していることに加え、当社が運営するカプセル玩具ショップ「ガシャココ」の出店やフランチャイズ店舗の増加、優良ロケーションの開発などにより、売上高、利益面ともに前期を大幅に上回りました。なお、「ガシャココ」は2024年3月末日時点で105店舗を出店しております。
この結果、売上高は416億4千3百万円(前期比30.8%増)、セグメント利益は22億3千6百万円(同22.7%増)となりました。
仕入及び販売の実績は次のとおりであります。
①仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は、仕入価格によっております。
②販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.金額は、販売価格によっております。
(2)財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ191億4千万円増加し、1,134億1千5百万円となりました。これは主に、株式会社ブロッコリーを連結子会社にしたことによる資産の増加84億8千5百万円、売掛金の増加76億2千9百万円及びのれんの増加26億2千8百万円によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ130億5千4百万円増加し、621億1千5百万円となりました。これは主に、株式会社ブロッコリーを連結子会社にしたことによる負債の増加14億1千2百万円、支払手形及び買掛金の増加60億4千9百万円、未払金の増加19億5千8百万円及び未払法人税等の増加17億1千9百万円によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ60億8千6百万円増加し、512億9千9百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益計上による利益剰余金の増加65億8千1百万円、その他有価証券評価差額金の増加9億5千9百万円及び剰余金の配当による利益剰余金の減少14億8千1百万円によるものであります。
セグメントごとの資産は次のとおりであります。
玩具事業
玩具事業におけるセグメント資産は、くじ関連商品や、トレーディングカード商品が依然好調に推移したことにより、電子記録債権及び売掛金が増加したことと、株式会社ブロッコリーを連結の範囲に含めたことにより資産が増加いたしました。
この結果、前連結会計年度に比べ129億9千1百万円増加し、353億7千3百万円となりました。
映像音楽事業
映像音楽事業におけるセグメント資産は、映画作品への積極的な投資を行ったことにより前渡金が増加いたしました。
この結果、前連結会計年度に比べ12億2百万円増加し、163億9千万円となりました。
ビデオゲーム事業
ビデオゲーム事業におけるセグメント資産は、「Nintendo Switch」等のハードの販売が好調に推移したことにより電子記録債権及び売掛金が増加いたしました。
この結果、前連結会計年度に比べ38億8千1百万円増加し、194億1百万円となりました。
アミューズメント事業
アミューズメント事業におけるセグメント資産は、当社が運営するカプセル玩具ショップ「ガシャココ」の出店やフランチャイズ店舗の増加、優良ロケーションの開発などにより、棚卸資産、建物及び構築物、差入保証金が増加いたしました。
この結果、前連結会計年度に比べ16億7千6百万円増加し、87億8千6百万円となりました。
当該要因への対応等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ18億5百万円増加し、296億5千2百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は83億6千1百万円(前期は67億4千4百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上99億1百万円、売上債権の増加による使用82億5千7百万円、仕入債務の増加による獲得60億5千5百万円及び未払金の増加による獲得19億9千万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は50億7千5百万円(前期は7億7千3百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入30億円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出66億4千4百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は14億8千1百万円(前期は14億5千4百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払14億8千1百万円によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性に係る情報は次のとおりであります。
当社グループは、健全な財務状況の維持に努めており、当社グループの成長に必要な資金を有していると認識しております。また、さらなる資金が必要となる場合においても金融機関からの借入等を行い調達できるものと考えております。
資金調達方法及び状況、資金の主要な使途を含む資金需要の動向につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金の他、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。資金の流動性につきましては、当社及び連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、グループ各社の資金を一元管理することで資金効率の向上を図っております。
株主還元につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(1) 取引契約(提出会社)
(2) 取引契約(連結子会社)
(3)当社と当社連結子会社との合併
当社は、2023年10月10日開催の取締役会において、2024年4月1日を効力発生日として、当社を吸収合併存続会社、当社の連結子会社である株式会社ハピネット・マーケティングを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。
当連結会計年度の研究開発活動は、自社ブランドによる玩具の商品開発や、トレーディングカードゲーム、ゲームソフト等のコンテンツの企画開発を行っており、当連結会計年度においては、研究開発費として