(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、前年度4月に実施された消費税率引き上げの影響も薄れ、上半期は順調な伸びを示しました。しかし、下半期になると、中国を始めとした新興国経済の減速など状況が悪化してきました。アメリカの堅調な個人消費を除き好材料は少なく、景気の先行きに不透明感が強まったと考えられます。
花き業界におきましては、農業従事者の高齢化等による生産の減少により、1年を通じて切花・鉢物ともに単価高となりました。特に8月のお盆の需要期には、予定より開花時期が早まったことも重なり、菊類が必要なタイミングに不足し、相場は高騰しました。国内生産だけではなく、輸入品も円安により数量が減少し、上半期は高値が続きました。
しかし、下半期を迎えると、法人需要・個人需要とも景気の減速に伴って、花の購入は手控えられ、相場は落ち込みました。年度末になると花と緑の需要が高まり、価格は再び高騰しました。
このような状況のもと当社グループは、それぞれの地域の花き園芸文化の担い手である各地の花き卸売市場との売買を通じて、順調に実績を伸ばしました。生産量の減少から、お盆やお彼岸の需要期、冠婚葬祭など人生の通過儀式に必要とされる品目・品種が供給不足となることが多数ありましたが、当社グループでは各子会社・関連会社とも連携し、地域の生活者が欲している花を供給することを一義に業務に取り組みました。
また、当社グループでは大田市場敷地内に新施設の建設を進めており、大規模工事が2年間続く予定でおります。当連結会計年度はその1年目で、工事により市場内で業務に使用する場所が減少し、近隣に仮の荷扱い場所を借りるなど新たな経費が増加しました。しかし卸売市場としての総合的な機能を高めてきており、それが流通・情報サービスなど付帯業務料収益の伸びにつながりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高27,316,854千円、営業利益184,416千円、経常利益226,993千円、親会社株主に帰属する当期純利益117,100千円となりました。
なお、当社は当連結会計年度から連結財務諸表を作成しているため、前年同期との比較分析は行っておりません。
また、当社グループは花き卸売事業単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、2,034,423千円となっております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、234,176千円となりました。主な増加要因は、仕入債務の増加247,916千円、税金等調整前当期純利益226,993千円、減価償却費187,800千円によるものです。主な減少要因は、売上債権の増加318,531千円、法人税等の支払額51,847千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、2,391,900千円となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出2,410,599千円、貸付けによる支出142,200千円によるものです。増加要因は、貸付金の回収による収入116,915千円、定期預金の払戻による収入100,000千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、1,567,369千円となりました。増加要因は、長期借入れによる収入1,520,000千円、短期借入れによる収入150,000千円によるものです。主な減少要因は配当金の支払額60,213千円及びリース債務の返済による支出20,939千円、長期借入金の返済による支出20,650千円によるものです。
(1)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を取扱品目別に示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは花き卸売事業の単一セグメントであります。
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品目 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比 (%) |
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受託品(千円) |
23,417,178 |
- |
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買付品(千円) |
1,222,116 |
- |
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その他(千円) |
32,874 |
- |
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合計(千円) |
24,672,169 |
- |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比については記載しておりません。
(2)受注状況
該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績を取扱品目別に示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは花き卸売事業の単一セグメントであります。
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品目 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比 (%) |
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受託品(千円) |
25,875,338 |
- |
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買付品(千円) |
1,303,567 |
- |
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その他(千円) |
137,948 |
- |
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合計(千円) |
27,316,854 |
- |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比については記載しておりません。
3.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
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販売高(千円) |
割合(%) |
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株式会社大森花卉 |
2,859,122 |
10.5 |
(1)現状の認識について
花き業界は、卸売市場制度の規制緩和、花き生産の減少等により、一層優勝劣敗の傾向が強まっております。当社グループとしましても利益率の向上、収入の多角化策そしてグローバル化への対応を行ってまいります。あわせて業界の構造改革、再編に進んで取り組んでいくことが重要になってまいります。
また新たな需要を掘り起こすべく、消費活動を牽引する取り組みも行なってまいります。
これらを実現するためにも一層のコーポレート・ガバナンスを徹底し同時に品質、情報、流通の管理ビジョン「確実なパスワーク」を明確にし、経営機能を強化してまいります。
(2)当面の対処すべき課題の内容
①市場法改正を鑑み事業効率のアップと取引拡大
②生活者の求める商品の提供
③取引先との信用強化
④投資判断の明確化と投資コストの早期回収
⑤競争力を高める情報システムの強化
(3)対処方針
方針としまして、全社ベースでの情報の共有・共用を強化してまいります。加えまして、取引先関係者との取組により生活者の求める商品の研究・開発をサポートします。
また、事業の拡大とともに発生する債権管理問題も全社を挙げて強化しております。
あわせて取引拡大に対応するための情報システムの強化を含めた投資案件に対し、慎重に判断してまいります。
(4)具体的な取組状況等
①全社でプロジェクトをそれぞれ立ち上げ取り組んでまいります。
②グループ会社にて取引先に有効と考えます商品に関わる事の調査・研究を行なっております。
③取引条件も含め、再度見直し調整に入っております。
④投資案件に対し、充分にメリットとデメリットの議論を行なうようにしてまいります。
⑤情報システム本部を中心に各本部とプロジェクト的に調整を行なっております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な判断を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、ここで記載する内容は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループを取り巻く経済環境
花きは嗜好性が高い商品なので少子化や高齢化社会におきまして、各年齢層ごとにどのような消費動向になるか予測できない面があります。花き購買層の中心である中高年層の消費意欲の継続性も含め当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)天候による影響
花きの商品価値は供給・需要双方で天候の影響を受けます。供給面では生産段階から花店が一般の消費者へ販売する時点まで品質・物の良し悪しに影響し、需要面では、購入時点における嗜好に影響いたします。したがって、温暖化も含め天候により供給と需要のバランスがくずれ取引量や取引価額に影響する場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)債権回収リスク
花きは“フレッシュ”であることが求められ、在庫期間が短いという商品特性があるため、他の業界に比べ取引約定が短いものとなっております。したがって花店の経営においては、花きの売れ行き次第で在庫リスクが直ちに損失として実現する可能性があります。これにより花店の経営・資金繰りが悪化し、当社グループへの支払の遅延となり、結果、債権に対する貸倒引当金の計上が必要となる場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制について
当社は、東京都が開設した東京都中央卸売市場の大田市場において花き卸売業を営んでおりますが、当業界は生鮮食料品等の取引の適正化等を目的としました「卸売市場法(昭和46年法律第35号)」及び卸売市場法に基づく「東京都中央卸売市場条例・同施行規則」その他関係諸法令による規制の対象になっております。このことは花き卸売事業を花き流通の要と捉えている当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は平成27年9月4日開催の取締役会において、連結子会社における建物建設に係る資金に充当することを目的に金融機関3行から29億円の資金借入を行うことを決議し、平成27年9月25日にその一部につき金融機関と実行可能期間付タームローン契約を締結いたしました。当該契約の概要は次のとおりであります。
(1)資金の使徒 連結子会社における建物建設資金
(2)借入先の名称 株式会社三菱東京UFJ銀行
(3)借入限度額 12億円
(4)コミットメント期間 平成27年9月30日から平成28年9月30日まで
(5)実行した借入金の返済期日 平成38年9月30日
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。なお、この作成には経営者による見積りを行わなければなりません。経営者はこの見積りにつきまして、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産の残高は、9,280,714千円となりました。主な内訳は現金及び預金2,036,423千円、売掛金2,132,496千円、建物及び構築物2,139,793千円であります。
負債の残高は、4,603,931千円となりました。主な内訳は受託販売未払金1,513,279千円、長期借入金1,339,390千円であります。
純資産の残高は、4,676,783千円となりました。主な内訳は利益剰余金4,072,269千円であります。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は27,316,854千円となりました。これは「第2 事業の状況 1業績等の概要」にも記載したとおり、国内生産の減少などにより、全国的に年間を通して供給不足となり、単価高で推移したこと、そのような中で、子会社・関連会社などと連携し、集散機能を発揮できたことなどによります。
当連結会計年度の営業利益は184,416千円となりました。子会社による新施設の建設に伴い、代替場所代、横持運賃など新たに発生する経費が増加しました。また経常利益は226,993千円となりました。
以上の結果から、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は117,100千円となりました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4事業等のリスク」をご参照ください。
(5) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の見通しにつきましては、「第2 事業の状況 3対処すべき課題」をご参照ください。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によって234,176千円、財務活動によって1,567,369千円の資金を得て、投資活動によって2,391,900千円の資金を使用しました。
運転資金需要のうち主なものは、商品仕入資金、販売費及び一般管理費の営業費用であり、また、当社の事業の特性上、回収、支払サイトが他業種に比べて短く、流動性は極めて高くなっております。
(7)経営者の問題意識と今後の方針について
次期のわが国経済の見通しは、2020年東京オリンピック・パラリンピックへ向けた取り組み、インバウンド消費、中国を始めとした新興国経済の成長減速、熊本・大分での地震、予定されている消費税率引き上げによる消費マインドの悪化など様々な要素がありますが、トータルではマイナスにならず、どうにかプラスを維持して落ち着くものと考えています。
花き業界は、天候や自然災害、為替による影響を受けますが、国内外の花の出荷量は前年並みとなる見込みです。消費面では全体的に量販店での販売シェアが増し、生活者の低価格志向が強まると考えられます。専門店は法人需要や、花が好きな個人により、品質の高い花や観葉植物などグリーンの需要が高まる見込みです。
当社グループにおきましては、卸売市場を通じた地域の生活者のためのサプライチェーンを構築し、欲しい時に欲しいものを供給する総合サービスを展開します。
また、新たな需要の掘り起こし策として、業界団体が推奨する「フラワービズ(月曜日に職場に花を飾り、働く人の心のサポートを促す取り組み、法人需要の活性化)」と「ウィークエンドフラワー(週末に家庭に花を飾り、家族と花のある時間を楽しんでもらおうとする取り組み、個人消費の活性化)」に賛同し、その取り組みを支援していきます。
一方で、新施設建設の建設工事が12月まで続くため、代替場所や横持運賃などの経費がかさむとともに、減価償却費や設備に対する投資原資として融資を受けた分の支払利息などの発生が見込まれます。グループをあげて、より一層業務の効率化・コスト削減に取り組んで参ります。