(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の立ち直りから、輸出関連業者を中心に業績が回復しているものの、設備投資・個人消費は慎重で低調でした。
このような経済状況のもとで、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)は、今日、社会的な要望である最適物流を志向し、品揃え・量に加え、「納期」「鮮度・花持ち」に力点をおき、投資・営業活動を行いました。子会社である株式会社大田ウィングスによる新施設が平成28年12月に完成し、これにより新施設の機能を活かした合理的かつ鮮度保持を可能とする最適物流の構築を本格化しました。
生鮮食料品花き業界は「作るに天候・売るに天候」で、天候リスクはつきものでありますが、今期は特に秋口の長雨により、日射量が不足したことで、花き類生産は質・量とも多大な影響を受けました。出荷量が著しく減少したことで、当初は高値で取引される品目もありましたが、天候悪化が長期化したことで出荷物の質も低下し、青果物など他の生鮮品も高値となったことで消費者の購買意識は花に向かわず、低調な取引が続きました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高26,995,849千円(前年同期比1.2%減)、営業利益16,591千円(同91.0%減)、経常利益62,673千円(同72.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益30,798千円(同73.7%減)となりました。
なお、当社グループは花き卸売事業単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して123,845千円増加し、2,158,269千円となっております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は462,824千円(前年同期は234,176千円の増加)となりました。主な増加要因は、減価償却費313,263千円、売上債権の減少227,173千円によるものです。主な減少要因は、仕入債務の減少260,117千円、法人税等の支払額83,614千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、1,525,902千円(前年同期は2,391,900千円の減少)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出1,539,554千円、貸付けによる支出80,300千円によるものです。増加要因は、貸付金の回収による収入103,643千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は1,186,924千円(前年同期は1,567,369千円の増加)となりました。増加要因は、新施設建設に伴う借入れによる収入1,767,000千円によるものです。主な減少要因は借入金の返済による支出502,648千円、配当金の支払額59,968千円によるものです。
(1)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を取扱品目別に示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは花き卸売事業の単一セグメントであります。
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品目 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比 (%) |
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受託品(千円) |
23,064,467 |
98.5 |
|
買付品(千円) |
1,303,944 |
106.7 |
|
その他(千円) |
- |
- |
|
合計(千円) |
24,368,411 |
98.8 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績を取扱品目別に示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは花き卸売事業の単一セグメントであります。
|
品目 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比 (%) |
|
受託品(千円) |
25,485,601 |
98.5 |
|
買付品(千円) |
1,371,587 |
105.2 |
|
その他(千円) |
138,659 |
100.5 |
|
合計(千円) |
26,995,849 |
98.8 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
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販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
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株式会社大森花卉 |
2,859,122 |
10.5 |
2,741,598 |
10.2 |
(1)経営方針
当社グループは「緑豊かな美しい日本」に住む「富国有徳」の実現を目指す日本の企業として「事業を通して暮らしに潤いを提供し、豊かな社会文化を創造」すべく努力を積み重ねております。花のビジネスは、成熟国家日本の「暮らし向き」を考えると今後とも拡大の可能性を秘めています。そこで当社グループでは、花き流通を担う企業集団として、主要な機能である①情報流②商流③物流④資金流を各社有機的に連動させ、株主の皆さまや顧客の期待に応えるべく努めております。このことにより事業が持続的に発展し、中長期的な企業価値向上につながると考えております。
①情報流 価格形成力のある拠点的な花の取引所である当社において、グループそして業界をリードする相場の形成に努めます。
②商流 グループ全体で花のサプライチェーンの構築を強化します。
③物流 コールドチェーンの強化など時代の要請に応えるきめの細かいサービスを実現し、取引先の利便性を高めてまいります。
④資金流 社会的役割のもと資金の効率活用を目指し、信頼される健全企業であることに努めます。
(2)経営戦略等
当社グループは収益力の基盤づくりと、各社の事業の強化を図るとともに長年にわたり蓄積してきましたノウハウ、経験を活かし事業の多様化を推し進めてまいります。
①日本最大の花きの取引所ビジネス
②鮮度保持機能の強化と効率的・合理的物流の実現
③サプライチェーンを通じて関係各社との相乗効果ビジネス
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をめざした経営戦略の遂行にあたり、3つの経営指標を目標として設定しております。
①(経常利益+減価償却費)/総資本
②自己資本比率
③売上高営業利益率
(4)経営環境
花き業界は、卸売市場制度の規制緩和、花き生産の減少等により、一層優勝劣敗の傾向が強まっております。当社グループとしましても利益率の向上、収入の多角化策そしてグローバル化への対応を行ってまいります。あわせて業界の構造改革、再編に進んで取り組んでいくことが重要になってまいります。
また新たな需要を掘り起こすべく、消費活動を牽引する取り組みも行なってまいります。
これらを実現するためにも一層のコーポレート・ガバナンスを徹底し同時に品質、情報、流通の管理ビジョン「確実なパスワーク」を明確にし、経営機能を強化してまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
①卸売市場法改正を鑑み事業効率のアップと取引拡大
②生活者の求める商品の提供
③取引先との信用強化
④投資判断の明確化と投資コストの早期回収
⑤競争力を高める情報システムの強化
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
今後の見通しにつきましては、天候不順に加え、高齢化・人口減により楽観を許さない経済状況が続くと考えております。今期のような天候リスクは今後とも起こりうることが想定されます。それに備えて、国内・海外産地とも広範囲の産地より花きを集荷し、リスクを低減させていくことをめざします。
また、国内生産者の高齢化による生産量の減少、花き小売商の高齢化による廃業、冠婚葬祭の規模縮小と件数の減少などは、特に地方都市において影響が強く出ています。
当社グループは数の調整局面にある花き卸売市場業界にあって、各地域の花き消費額がこれ以上減少しないように、品揃えの面で地方市場を積極的にサポートします。
また、地元である首都圏においては、主として花文化の普及・啓蒙活動に取り組み、消費を刺激するとともに、生花小売専門店・花束加工業者に対しては、リテールサポート体制を敷き、社業の発展に臨みます。
一方で、保冷機能を備えた物流施設「OTA花ステーション」を新設したため、減価償却費や設備に対する投資原資として融資を受けた分の支払利息などの発生が見込まれます。グループをあげて、より一層業務の効率化・コスト削減に取り組んで参ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な判断を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、ここで記載する内容は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループを取り巻く経済環境
花きは嗜好性が高い商品なので少子化や高齢化社会におきまして、各年齢層ごとにどのような消費動向になるか予測できない面があります。花き購買層の中心である中高年層の消費意欲の継続性も含め当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)天候による影響
花きの商品価値は供給・需要双方で天候の影響を受けます。供給面では生産段階から花店が一般の消費者へ販売する時点まで品質・物の良し悪しに影響し、需要面では、購入時点における嗜好に影響いたします。したがって、温暖化も含め天候により供給と需要のバランスがくずれ取引量や取引価額に影響する場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)債権回収リスク
花きは“フレッシュ”であることが求められ、在庫期間が短いという商品特性があるため、他の業界に比べ取引約定が短いものとなっております。したがって花店の経営においては、花きの売れ行き次第で在庫リスクが直ちに損失として実現する可能性があります。これにより花店の経営・資金繰りが悪化し、当社グループへの支払の遅延となり、結果、債権に対する貸倒引当金の計上が必要となる場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制について
当社は、東京都が開設した東京都中央卸売市場の大田市場において花き卸売業を営んでおりますが、当業界は生鮮食料品等の取引の適正化等を目的としました「卸売市場法(昭和46年法律第35号)」及び卸売市場法に基づく「東京都中央卸売市場条例・同施行規則」その他関係諸法令による規制の対象になっております。このことは花き卸売事業を花き流通の要と捉えている当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。なお、この作成には経営者による見積りを行わなければなりません。経営者はこの見積りにつきまして、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は9,999,721千円となり、前連結会計年度末に比べ719,007千円増加しました。
これは主に建物及び構築物が1,231,794千円、現金及び預金が123,845千円それぞれ増加したことによるものです。
負債は5,353,492千円となり、前連結会計年度末に比べ749,561千円増加しました。これは主に長短借入金が1,264,352千円増加し、未払金が290,406千円、受託販売未払金が250,675千円それぞれ減少したことによるものです。
純資産は4,646,228千円となり、前連結会計年度末に比べ30,554千円減少しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益30,798千円を計上する一方、剰余金の配当61,062千円を行ったことによるものです。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は26,995,849千円(前年同期比1.2%減)となりました。これは「第2 事業の状況 1業績等の概要」にも記載したとおり、天候不順の影響により秋口以降の供給不足により一時的には単価高となったものの、長雨・日照不足により品質も低下したため、品薄であるにも関わらず相場が下がったこと、他の生鮮品も高値となったことで嗜好品である花の購買意欲が減少したことなどによります。
当連結会計年度の営業利益は16,591千円(前年同期比91.0%)となりました。これは売上高の減少により売上総利益が17,246千円減少したこと、子会社による新物流施設の完成に伴い、減価償却費が151,548千円増加したことによります。また営業利益が減少したことで経常利益も62,673千円(前年同期比72.4%減)となりました。
以上の結果から、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は30,798千円(前年同期比73.7%減)となりました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4事業等のリスク」をご参照ください。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によって462,824千円、財務活動によって1,186,924千円の資金を得て、投資活動によって1,525,902千円の資金を使用しました。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて123,845千円増加し、2,158,269千円となりました。
運転資金需要のうち主なものは、商品仕入資金、販売費及び一般管理費の営業費用であり、また、当社の事業の特性上、回収、支払サイトが他業種に比べて短く、流動性は極めて高くなっております。