第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(経営方針・経営戦略)

当社グループは、「お客の役に立て」を経営の基本理念として、株主の皆様、得意先や仕入先、社員とその家族、地域社会等全ての皆様が当社グループを支えて下さる「お客」であることを認識し、中長期に当社グループの果たす役割及び目指す姿について以下のように定めております。

<私たちの使命>

 誠実・真摯・高潔な姿勢で、電子部品を通じて人と技術をつなぎ、

安定供給と新たな価値創造で産業と社会の発展に貢献する。

<私たちが目指す姿>

 わくわくする挑戦を重ね、感謝と繁栄が循環する未来を創る。

<基本の心・行動指針>

「お客の役に立て」~信頼と挑戦で未来を切り拓く~

    素直な心:常に素直な姿勢で、時代や環境の変化に柔軟に対応し、新しい価値を創造する。

    奉仕の心:「私がします」の精神でお客様やチームと共に働き、新しい価値を共創する。

    約束を守る:誠実な行動を通じて、信頼関係を繋ぐ。

    時間を大切にする:時間を有効活用し、自己研鑽と貢献を通じて、未来を創る。

    持続可能な未来への挑戦:環境と社会への影響を意識し、次世代に向けた持続可能な発展を

                追求する。

(目標とする経営指標)

当社グループは、資本効率の視点を重視し、目標とする経営指標として営業利益率、ROIC(投下資本利益率)及びROE(自己資本利益率)の向上に取り組み、その結果としてのPBR(株価純資産倍率)1倍以上の達成を目指しております。
 (経営環境)

当社グループを取り巻く経営環境につきましては、主力市場である半導体製造装置関連業界において、AIの発展、自動車のEV化、自動運転技術の進展による半導体利用の拡大、IoT利用の進展に伴うデータセンター需要の増加などにより、中長期的に市場環境は一段と拡大していくものと予想されます。

このような環境のもと、当社グループは長期的な成長を見据え、2024年3月期より新たな成長フェーズへの移行に着手し、顧客基盤の多様化や安定的な収益基盤の確立といった重要課題に取り組んでおります。

もっとも、当社グループの売上は依然として半導体製造装置関連顧客への依存度が高く、顧客動向が業績に与える影響は大きい状況にあります。このため、中長期的な成長のためには、収益構造の強化に加え、顧客集中リスクの軽減、グループ営業体制の整備、さらには株主価値の向上に向けた取り組みが急務となっております。

(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等)

このような環境の下、持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、2026年3月期から2028年3月期を対象とする中期経営計画の基本方針を策定し、計画の実現に向けて取り組んで参ります。

中期経営計画基本方針及び取組の概要

●基本方針

  資本コストや株価を意識した経営により企業価値を高める

●数値目標(2028年3月期)

 ・連結売上高:150億円

 ・投下資本利益率(ROIC)・自己資本利益率(ROE) :8%以上

 ・株価純資産倍率(PBR):1倍以上

●取組みの概要

 1)収益力の向上

 ・顧客基盤の多様化を推進し、新規市場・販路の開拓やM&Aの活用により安定的な収益 

    源を確保

 ・国内拠点の選択と集中により、地域密着型の営業体制を構築

 ・東アジア圏を中心とした海外販路の拡大とグローバル展開の加速

 ・人材育成や健康経営の推進により、人的資本の強化と組織力向上を図る

 ・DX推進や業務プロセスの見直しを通じ、生産性の向上と収益性の改善を実現

 2)資本効率の向上

 ・資本コストを意識した経営と利益還元の強化

 ・連結配当性向20〜30%、株主資本配当率(DOE)2.0%以上を目標とする利益還元政

  策の実施

 ・株主優待制度を2025年3月期より導入し、株主還元の多様化を推進

3)IR活動の充実

 ・プレスリリースの多様化により、製品・サービス情報に加え、ESGや人的資本に関する

  情報を発信

 ・IRサイトのリニューアルを通じ、当社の強みや成長戦略をわかりやすく可視化

 ・非財務情報の開示充実により、持続可能な成長への取組を積極的に発信

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

様々な社会課題の顕在化や価値観の変容に伴い、環境・社会・ガバナンスを重視した経営や経済価値と社会価値の双方を創出するサステナビリティ経営がより一層求められており、当社グループも、持続的な社会の創造については、責任をもって取り組んでいくべきであると考えております。

当社グループにとってサステナビリティとは、事業を通して社会課題の解決に寄与することであり、当社グループの持続的な成長が、社会の持続的な発展に貢献できるよう目指すことであります。この実現にむけて、経営理念に掲げるとおり取引先、従業員、株主はもちろん、環境、社会などあらゆるステークホルダーの期待に応え、信頼され続けることを大切にサステナビリティを重視した経営を実践して参ります。

また、持続可能な成長による企業価値向上のためには、人的資本の充実が重要であると認識しております。人的資本への投資を強化し、働きやすい環境の整備、自己成長の機会の提供、組織の活性化に取り組むことで、今後の持続的な成長の基盤を構築して参ります。

ガバナンス

当社グループは、経営理念及び経営目的のもと、公正で透明性の高い経営に取り組むことを基本的な考えとしております。その実現のため、株主や取引先、地域社会、従業員等各ステークホルダーと良好な関係を築き、長期的視野の中でグループ企業価値の向上を目指すべく経営活動を推進しております。
 経営の基本方針や重要課題並びに法令で定められた重要事項を決定するための最高意思決定機関として取締役会を原則月1回開催する他、取締役及び部門責任者が出席する運営会議において、サステナビリティに関する課題や事業の中・長期戦略等に関する議論をしております。

また、地球環境保全への取組については、環境活動の指針となる「株式会社栄電子環境方針」のもと、ISO14001に基づいた環境マネジメントシステムを構築し、事業活動と環境マネジメントサイクルを連動させることで、全社員参加の環境活動を展開しております。さらに年1回のマネジメントレビューでは、その活動内容を報告し、経営トップコミットメントによる環境経営を推進しております。

戦略

当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

当社グループは、「誠実・真摯・高潔な姿勢で人と人をつなぎ、新しい部品・機器の発掘、商流・顧客の開拓・安定供給で、世界の産業発展に貢献する。」を経営目的として、これを実現するための人材育成及び社内環境整備を図って参ります。

具体的には、マネージャー・次世代リーダー・ステップアップ・新人の各階層が経営目的に添った役割認識と実践のためのスキル獲得を目的とした階層別研修制度の導入や、部門横断の社内交流の推進により実践を共有する場を設け、変革する文化の醸成を図って参ります。また、マネージャー・次世代リーダーなど中核人材の登用・候補者選定にあたっては、性別や国籍、新卒・中途を問わず人事評価制度の運用により成果や意欲等を評価した上で行っております。

さらに、育児や介護等と仕事の両立は、人材活躍促進に重要であると認識しており、制度整備をはじめ両立支援の促進を図って参ります。

リスク管理

当社グループは今後もより一層の事業拡大を目指しており、社会的責任を果たし、持続的な成長と企業価値の向上を図るために、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。そのため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んで参ります。具体的には、業務運営上のリスクの把握及び管理の実施、役職員に対する研修等による啓蒙活動の実施、定期的な内部監査の実施等によるコンプライアンス体制の強化等を図って参ります。

また、環境に関するリスク及び機会については、環境マネジメントシステムにおいて取組事項の決定及び計画の策定を行っており、定期的なレビューを実施しております。

 

目標及び指標

当社グループの2025年3月末時点における男女別人数は、男性50名、女性36名(臨時従業員数を除く)で女性従業員の割合は41.9%となっております。2025年3月末時点において女性管理職登用の実績は1名で、管理職に占める割合は12.5%となっております。2023年度より導入した階層別研修制度においては、男女別受講状況を指標として中核人材の多様性確保を目指しており、2024年度は受講対象を拡大し、社員のチャレンジと成長を支援して参りました。

指標

2024年度実績

2025年度計画

階層別社員研修の男女別受講

男性

女性

男性

女性

 マネージャー研修

4

1

4

1

 次世代リーダー研修

9

3

9

7

 ステップアップ研修

19

20

25

18

 新人研修

7

7

1

7

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(半導体業界の需要動向による影響について)

当社グループは、産業用電子部品を主体に半導体製造装置、医療機器、放送機器、通信機器等の分野における取引先を多数有しております。

特に半導体製造装置関連の取引高が多いため、半導体業界の需給動向が経営成績変動の主たる要因となり、半導体電子部品の市況如何によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(特定の取引先への依存度が高いことについて)

半導体製造装置関連の取引の中で、国内大手半導体製造装置メーカー各社との取引依存度が高くなっております。そのため、半導体市場や関連装置の需要動向の如何では、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

こうしたリスクに対し当社グループは、新市場・新規顧客の開拓、新製品の取扱い増加、既存顧客の潜在的需要の掘り起こしへと経営資源をシフトさせてゆくことにより、事業等のリスクを軽減させる方針であります。
 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する中で、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、欧米・中国経済の先行き不安、さらには物価上昇、中東をめぐる情勢、金融資本市場の変動などにより、先行きは依然として不透明な状況にあります。

当社の主力市場である半導体製造装置関連市場においては、生成AI関連を中心に半導体の需要が増加しており、市場環境は回復傾向にあります。しかし、主要顧客における生産部材の在庫消化や手配調整が続き、受注環境は依然として厳しい局面が続きました。

このような状況の中、当社グループでは下期において受注が一部回復したものの、前連結会計年度から続いた生産・在庫調整等の影響から、売上高・利益ともに減少し、減収減益の結果となりました。

当社グループといたしましては、「資本効率」「逆算思考」「成長主義」をキーワードに「栄電子KPI」(重要業績評価指標)を設定し、新規商材・新規市場の開拓ならびに既存顧客との関係強化に注力いたしました。また、展示会への出展やWEB広告等を活用して新たな顧客接点を創出し、台湾や韓国等東アジア圏を中心に取引メーカーや新規顧客の開拓を進め、商材及び販路の拡充を推進いたしました。

さらに人的資本経営の視点から人材の採用・育成や健康経営の推進にも取り組み、価値創造力向上を図るとともに、業務効率化、競争力強化を目的とした基幹システム構築を進め、業績向上に努めております。

当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高6,428百万円(前年同期比23.2%減)、営業利益63百万円(前年同期比80.1%減)、経常利益84百万円(前年同期比75.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益37百万円(前年同期比83.8%減)となりました。

なお、当社グループは単一セグメントのため、セグメント別の記載を行っておりません。

 

当連結会計年度末の総資産は6,692百万円で、前連結会計年度末より857百万円減少いたしました。
  流動資産は4,125百万円で、前連結会計年度末に比べ791百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金の減少444百万円、売掛金の減少106百万円、電子記録債権の減少241百万円等によるものです。
  固定資産は2,566百万円で、前連結会計年度末に比べ65百万円減少いたしました。主な要因は、投資有価証券の減少95百万円等によるものです。
  流動負債は1,974百万円で、前連結会計年度末に比べ760百万円減少いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少203百万円、電子記録債務の減少511百万円等によるものです。
  固定負債は243百万円で、前連結会計年度末に比べ8百万円減少いたしました。主な要因は、繰延税金負債の減少22百万円があった一方で、資産除去債務の増加10百万円があったことによるものです。
    純資産は4,473百万円で、前連結会計年度末に比べ87百万円減少いたしました。主な要因は、利益剰余金の減少13百万円、その他有価証券評価差額金の減少74百万円によるものです。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ444百万円減少し、1,156百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、325百万円の支出(前連結会計年度は192百万円の収入)となりました。主な要因は、売上債権の減少415百万円があった一方、仕入債務の減少714百万円等があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、67百万円の支出(前連結会計年度は25百万円の支出)となりました。主な要因は、無形固定資産の取得による支出67百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、50百万円の支出(前連結会計年度は60百万円の支出)となりました。主な要因は、配当金の支払額50百万円によるものです。

 

③生産、受注及び販売の状況

イ.生産実績

該当事項はありません。

 

ロ.受注状況

当社グループは、産業用一般電子部品・電子機器の販売を行っており、事業区分としては単一のセグメントであるため、セグメントの記載はしておりません。

品名別に示すと次のとおりです。

 

品   名

受 注 高

前年同期比

受注残高

前年同期比

商品

千円

千円

 一般電子部品

3,638,827

+40.8

1,099,945

△7.7

 電    源

830,309

△14.9

513,499

△49.9

 電子デバイス

135,184

△54.2

89,415

△62.5

  I o T 機 器

168,439

+31.4

47,061

+31.8

 セ ン サ ー

63,447

△4.3

28,302

+20.2

 そ  の  他

823,903

+30.2

268,442

△11.0

合   計

5,660,113

+20.9

2,046,667

△27.3

 

 

ハ.販売の状況

当社グループは、産業用一般電子部品・電子機器の販売を行っており、事業区分としては単一のセグメントであるため、セグメントの記載はしておりません。

品名別に示すと次のとおりです。

 

品     名

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比

商品

千円

 一般電子部品

3,730,260

△4.6

 電     源

1,341,210

△35.5

 電子デバイス

283,902

△49.6

 I o T 機 器

157,093

+30.8

 セ ン サ ー

58,691

△21.3

 そ  の  他

857,222

△47.1

合     計

6,428,380

△23.2

 

(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ株式会社

1,352,439

16.2

-

-

 

(注)当連結会計年の東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
 なお、新型コロナウィルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
 (繰延税金資産)
 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

(固定資産の減損処理)
 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する方針であります。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等の状況

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。

(売上状況)

当社の主力市場である半導体製造装置関連市場においては、生成AI関連を中心に半導体の需要が増加しており、市場環境は回復傾向にあります。しかし、主要顧客における生産部材の在庫消化や手配調整が続き、受注環境は依然として厳しい局面が続きました。

当社グループの売上高は、6,428百万円と、前連結会計年度に比べ23.2%減少いたしました。

(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の売上原価は5,372百万円と、売上の減少に伴い前連結会計年度に比べ24.7%減少し、売上原価率は83.6%と前連結会計年度に比べやや減少しました。この結果、当連結会計年度の売上総利益は、前期比14.5%減の1,055百万円となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、主として採用等による人件費の増加や物流業務の外部委託の進展による支払手数料の増加などから、当連結会計年度は992百万円と、前連結会計年度に比べ8.5%の増加となりました。売上高に対する比率は前連結会計年度の10.9%から15.4%と増加し、この結果、当連結会計年度の営業利益は前期比80.1%減の63百万円となりました。

(その他の損益及び当期純利益)

その他の損益について、営業外収益が前連結会計年度に比べ0.9%増加し、営業外費用は、前連結会計年度に比べ35.5%増加しております。この結果当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ75.3%減少し84百万円となりました。特別損失には、遊休不動産の処分を検討する中で、市場価格の下落していた資産について減損損失17百万円を計上いたしました。また、半導体価格が高騰した際、当社が委託する製品の製造に必要な部材価格が一時的に急騰しました。この影響で、製造コストが当社と合意していた取引価格を超過していたとして一部取引先から損失補填の要請を受け、社内で慎重に検討した結果、交渉の長期化が当社の事業に与える影響等を総合的に勘案し、当社が20百万円を追加負担することで合意いたしました。これを損失補填金として特別損失に計上しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ83.8%減少し37百万円となりました。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。

c.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ444百万円減少し、1,156百万円となりました。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、資金調達につきましては、銀行等金融機関からの借入により資金を調達しております。

なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、収益の基盤強化が、企業としての持続的成長、発展の基礎であるという認識のもと、売上高営業利益率の向上に取り組んで参りました。

当連結会計年度は、売上高7,560百万円、営業利益185百万円、経常利益200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益131百万円で、売上高営業利益率2.5%を計画しておりましたが、上記の結果となったことから売上高営業利益率は1.0%となり、計画値を大幅に下回りました。

今後、市場環境に左右されない収益基盤を構築するため、既存事業の深耕と事業領域の拡大を通じた収益源の多様化など収益力の向上に努めるとともに、ROIC・ROE等資本効率を意識した指標の改善に取り組み、企業価値向上に努めて参ります。

 

5 【重要な契約等】

 

相手方の名称

契約品目

契約内容

契約期間

TDKラムダ㈱

スイッチング電源、ノイズフィルタ

特約店契約(注)

自 2025年4月1日
至 2026年3月31日

TDK㈱

チップコンダクター、インダクター

特約店契約

自 2024年4月1日
至 2026年3月31日

山一電機㈱

ICソケット、コネクタ各種

特約店契約(注)

自 2025年4月1日
至 2026年3月31日

TT Electronics Asia Pte Ltd.

トリマー、抵抗ネットワーク

日本国内における販売代理店契約(注)

自 2024年11月1日

至 2025年10月31日

 

(注)契約期間については、自動更新する旨の条項が定められております。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。