当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、
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『設備商品の流通とサービスを通じて、快適な暮らしを実現する』 |
を企業理念として掲げ、今後共、社会に貢献できる企業を目指してまいります。
そのために以下のビジョンを掲げ、3つのベストの追求「7つのステークホルダーのみなさま(当社グループに関心を持って頂ける方々)」から「ありがとう」と言って頂ける企業を目指してまいります。
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・設備のベストコーディネーター |
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-施主様、工事業者様に、ベストな設備をご提案 |
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・流通としてベストパートナー |
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-得意先様、仕入先様、当社で3位1体のベストなしくみの構築 |
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・会社としてベストカンパニー |
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-株主様、社員、社会からベストと言われる会社作り |
(2)経営戦略等
当社グループを取り巻く環境トレンドは、下記のとおりと考えております。
(建設経済研究所資料より当社推定)
当社グループは、中期に目指す姿として
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・3つのフル - フルカバー、フルライン、フル機能 |
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・みらい会活動- みらい会、みらい市、みらいサービス |
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・進化活動 - しくみ作り、ひと作り、しかけ作り |
を掲げております。
そして、中期的な経営戦略では以下の基本戦略に具体的に取り組んでまいります。
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1.3つのフルの追求 - 成長への取組み ①フルカバー - (どこでも)県別営業体制で全国需要に対応、ハブ+サテライト整備 ②フルライン - (何でも)お客様が望む商品をワンストップで対応 ③フル機能 - (どんなことでも)基本7機能、工程9機能、ソリューション9機能の充実 |
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2.みらい会活動 - 業界最大、最良のネットワークへの取組み ①みらい会 - (みんなの会に)4位1体で県別(支店別)に展開 ②みらい市 - (みんなの市に)会員相互の販促の場に ③みらいサービス - (みんなのサービスに)各種サービスを別会社化で展開 |
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3.進化活動 - 生産性向上への取組み ①しくみ作り - (みらいプラン)商流(一貫化)、物流(共同化)、情報(共有化) ②ひと作り - (みらいアカデミー)業界のプロの人材育成(リアル+オンデマンド研修) ③しかけ作り - (会社の質の向上)デジタル化、ITの活用、5S、見える化、チーム活動 |
また、みらい活動としてHSDGCG活動に取り組んでまいります。
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HSDGCG活動 |
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Health |
健康 |
ホワイト500(健康企業、医療、スポーツ) |
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Society |
社会 |
社会貢献(地域貢献、産官学連携、業界活動) |
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Digital |
デジタル |
DXカンパニー(社内DX、取引先連携、業界プラットフォーム) |
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Green |
グリーン |
GXカンパニー(エネルギー活用、水、ゴミ) |
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Comfortable |
快適 |
快適生活創造企業(生活、企業、社会) |
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Global |
グローバル |
HATタイ、積算センター、設計センター |
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、目標とする経営指標として前期対比売上高成長率2.5%以上、前期対比経常利益成長率3.0%以上を掲げております。これらを重要な指標として認識し、今後も事業の効率化や販売促進策等の推進により、目標の達成に努めてまいります。
(4)経営環境
わが国経済は、激動が続く国際政治、物価と金融政策の間で揺れ動く市場、激しい変動と進化が共存する混沌とした状況にあります。当建設業界においては、民間住宅投資、民間非住宅投資、公共投資すべてにおいて、前年比プラスで推移すると予想され、業界全体として未だ予断を許さない状況は続くと思われます。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
激動を続ける国際政治、地球環境の変動と待ったなしのエネルギー革命、為替市場や政策・制度改正に揺れ動く経済・業界など、当社を取り囲む変化は激しさを増す一途にあります。一方で、AI・DXに代表される21世紀の産業革命は、新たな企業、業界、社会、そして働き方の創造を求めています。
当社グループは、「7つのみらい」をチャンスととらえ、具体的テーマ(商材)に取組んでまいります。
<7つのみらい>
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分野 |
キーワード |
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①社会変化への対応 |
技術革新とDX、法制度の変化と対応、グローバル経済の変化と対応 |
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②環境・エネルギー |
省エネ、蓄エネ、創エネ(再生エネルギー) |
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③リフォーム需要 |
ストック活用、空き家問題、中古住宅市場 |
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④健康、快適(GX) |
高齢化対応、社会保障、健康寿命(食事、運動、医療) |
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⑤安全、安心 |
国土強靭化、公共投資、防災、緊急時対応 |
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⑥地域活性化 |
インバウンド、グローバル化、産官学が総力で、防災、復興、観光立国 |
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⑦DX デジタル化 |
ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、AI活用 |
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社は1890年に創業し、2020年10月で130周年を迎えました。創業以来、水道材料の販売を行ってまいりました。当社の歴史は水道事業の歴史でもあります。当社は、「環境・設備商品の流通とサービスを通じて、快適な暮らしを実現する」 をミッションとしており、この延長線上に社会への貢献も視野に入れる必要があると認識しております。
この考えのもと、「人と企業と社会のサステナビリティ」に向けて具体的に取組んでまいります。
(2)具体的な取組み
当社はサステナビリティ活動の一環として、独自に定めた「みらい活動」(HSDGCG活動)を具体的に推進しております。
①ガバナンス
当社は、「環境・設備商品の流通とサービスを通じて、快適な暮らしを提供する」というミッションを掲げ、それに向けて日々努力を続けることで社会貢献できる企業を目指しております。「設備のベストコーディネーター」、「流通としてのベストパートナー」、「会社としてのベストカンパニー」という3つのベストを推進し、株主・施主・工事業者・得意先・仕入先・社会・社員という7つのステークホルダーの皆様に貢献できるよう、今後も一層の努力を重ねてまいります。 上記実現に向け、経営の健全性・透明性・効率性を確保するために、監査役会制度を基礎として、独立役員を含む社外役員の選任により経営監督機能を強化する等、コーポレートガバナンスの継続的強化を経営上の重要課題と位置付け、体制の構築に努めております。
取締役会では、法令で取締役会の専決事項とされている事項、定款、取締役規則で取締役会決議事項としている事項を決議しております。それ以外の事項につきましては、職務権限規程、職務分掌規程に基づき、代表取締役をはじめとする各取締役に権限を委譲しており、各取締役の権限・役割・責務の明確化を図っております。これにより、迅速・果断な意思決定の実現を図ると共に、適切なリスクテイクを支える環境整備を行っております。
当社は、みらい活動推進するために「みらい進捗会議」を行っております。みらい進捗会議では、代表取締役社長が議長を務め、サステナビリティに関する各項目の担当役員を構成員とし、課題の状況と必要な対応について調査・検討することで、各項目の取組み方針の策定等を支援しております。また、外部有識者の視点や最新の動向を取り込み、サステナビリティへの対応向上を図っております。
取締役12名(提出日現在)のうち社外取締役7名、監査役4名(提出日現在)のうち社外監査役3名となっております。取締役会は、経営方針や経営戦略の決定を行う機関と位置づけ、さらに取締役会の意思決定に基づき、各エリアの統轄責任者であるブロック長が責任を持って業務を遂行し、執行役員会議で進捗状況を確認する体制をとっております。また、監査役は定められた基準に従い、取締役会及び重要な会議等への出席や財産、取引の調査等を通じ、取締役の職務遂行の監査を行っております。さらに、必要に応じて開催される経営会議は各本部の担当役員で構成され、取締役会に付議する事項、取締役会から委任された事項等、経営の重要事項について審議しております。
②戦略
人的資本への取組み
当社グループは、人的資本への対応が喫緊の課題であると考えております。
とくに、自ら決定し行動できる人材の育成が不可欠であり、人的資本への投資は最も重要な投資と位置づけます。人的資本経営(人材の価値を最大限引き出す経営)の充実に関して、人の価値を高めるための投資に関する指標、人権尊重・人権リスク認識の徹底、ワークライフバランスの追求も含めた人の価値を最大限に発揮するための環境づくりを取り組む事項として考えております。
当社および当社の連結子会社である橋本総業株式会社では「健康経営宣言」を掲げ、社員が健康で安心して、やりがいを持って働くことができる職場を実現するため、健康保持・増進に取り組んでいます。健康経営推進体制を整備し、健康リテラシー向上の研修や福利厚生サービスの導入、2025年5月より、勤務時間中の全日禁煙の実施等により、非喫煙者率や高ストレス者率等の改善につながっております。また、「健康経営優良法人認定制度」に基づく「健康経営優良法人2025(ホワイト500)」に3年連続で認定されております。
なお、当社の健康経営の推進目的と主な取り組みにつきましては、当社ウェブサイトよりご確認ください。
③リスク管理
当社は、気候変動やサステナビリティ関連のグループ経営に関するリスクを審議するため、主要なリスクの状況について定期的にモニタリング、評価・分析し、グループ各社に必要な指示、監督を行うとともに、その内容を定期的に取締役会に報告する体制を整えています。
また、グループ各社において、日々の業務の中で新たに発見された重要なリスクについては、当社へ報告を行う体制としております。また、当社グループ全体のリスク管理も統括するコンプライアンス委員会が対応、協議し、その内容を必要に応じて取締役会に報告することで、グループ全社での対応策を水平展開しております。
④指標と目標
従業員の健康・安全、職場環境、人材育成への取組み
当社の連結子会社である橋本総業株式会社では、2025年度を中期目標とし、下記の目標を設定しております。
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指標 |
目標値 ( |
実績 (当連結会計年度) |
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有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.建設投資動向の影響について
当社グループが卸販売を行っている鋼管、継手、バルブなどの管工機材、衛生陶器、住宅機器等は、民間住宅設備投資を中心とする建設投資に関連して需要が発生します。このため、当社グループの業績はこれら建設投資動向の変動により影響を受ける可能性があります。
2.新型コロナウイルス感染症等の異常事態リスク
当社グループは、複数の事業拠点、物流施設等を使用し事業運営をしております。新型コロナウイルス感染症拡大のようなパンデミックや大規模な自然災害等の異常事態が当社の想定を超える規模で発生し、事業運営が困難になった場合、当社グループの財政状態や経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループでは、事業復旧の早期化・省力化を図るため、事業運営機能やオフィスの分散化、物流拠点の多拠点化を実施しております。また、有事の際には管理方針の発信により、テレワーク等勤務体制の変更、従業員の行動基準の策定、異常事態発生時の対応マニュアル発動等、BCPの策定や事業リスクの最小化に向けた施策を推進します。
3.仕入価格の変動について
当社グループの取扱う商品の仕入価格は、仕入先のメーカーにおける原材料仕入価格の変動等により、変動する可能性があります。
当社グループでは仕入価格の変動に対し迅速かつ柔軟に対応していく所存でありますが、仕入価格が短期間に大きく変動した場合、仕入価格の変動を販売価格に転嫁するまでに一定の期間を要するため、充分な価格転嫁ができない期間が生じることから、売上総利益率の低下を招き、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
4.取引先の信用リスクについて
(1)貸付金について
当社グループでは、営業上重要性が高いと判断した特定の得意先に対して、長・短期の貸付を行っております。担保または保証が付されている貸付金について、貸付金の額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額について債務者の財政状態及び経営成績を考慮して貸倒引当金を計上しております。
なお、貸付方針としては営業上の観点から、個別に精査し、原則として期中の短期運転資金のみに限定しております。
これら貸付先企業の中には、債務超過となっている企業、あるいは直近期において赤字を計上している企業があり、当社グループは今後も取引先への貸付について、慎重な信用調査により対応していく所存でおりますが、取引先の経営状態が想定以上に悪化した場合などに、債権回収が滞ることにより、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(2)手形割引について
当社は、2003年9月に東京都より貸金業者の登録を受け、取引先に対する当該業務を実施しております。これは当社が取引先の資金繰りを支援し、取引先が営業活動に専念することが当社グループの業績に対してもプラスとなる面が大きいとの判断によるものですが、当該業務におきまして、手形振出先企業の経営状態の悪化等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
5.特定仕入先への依存について
当連結会計年度の当社グループの連結ベースにおける仕入総額の30%程度が、TOTO㈱からの仕入となっております。当社の取扱う衛生陶器部門の大部分の商品が同社からの仕入によるものであり、今後何らかの要因により同社との取引が不能となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
6.法的規制等について
当社グループを取り巻く環境は、「改正省エネルギー法」や「低炭素法」等の法的規制の強化・緩和・改正等により、今後、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況
2024年度のわが国経済は、激動が続く国際政治、物価と金融政策の間で揺れ動く市場、AI・DX化で進む産業革命など、激しい変動と進化が共存する混沌とした状況にあります。当建設業界においては、2024年度は、民間住宅投資、民間非住宅投資、公共投資すべてにおいて、前年比プラスで推移すると予想され、業界全体としてプラスの中で推移すると見込まれておりました。
(建設経済研究所資料より当社推定)
このような状況下、当社グループは一層のシェアアップと新規開拓を目指し、以下の基本戦略の下、具体的展開に取組んでまいりました。
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1.3つのフルの追求 - 成長への取組み ①フルカバー - (どこでも)県別営業体制で全国需要に対応、ハブ+サテライト整備 ②フルライン - (何でも)お客様が望む商品は何でもワンストップで対応 ③フル機能 - (どんなことでも)基本7機能、工程9機能、ソリューション9機能の充実 |
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2.みらい会活動 - 業界最大、最良のネットワークへの取組み ①みらい会 - (みんなの会)4位1体で県別(支店別)に展開 ②みらい市 - (みんなの市)会員相互の販促の場に、ハイブリッド化 ③みらいサービス - (みんなのサービス)各種サービスを別会社で展開 |
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3.進化活動 - 生産性向上への取組み ①しくみ作り - (みらいプラン)商流(一貫化)、物流(共同化)、情報(共有化) ②ひと作り - (みらいアカデミー)業界プロの人材育成(リアル+オンデマンド研修) ③しかけ作り - (みらいステージ)デジタル化、ITの活用、5S、見える化、チーム活動 |
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,503百万円増加し、85,500百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,405百万円増加し、53,182百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,098百万円増加し、32,317百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は165,339百万円(前年同期比+6.2%)、売上総利益は17,443百万円(同+6.2%)となりました。販売費及び一般管理費は14,999百万円(同+6.2%)で営業利益は2,444百万円(同+5.8%)、経常利益は3,472百万円(同+3.1%)となりました。
特別損益は、投資有価証券売却益等を特別利益に、また出資金評価損を特別損失に計上し、その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,890百万円(同+10.7%)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります。
管材類
住宅分野は、戸建新築需要が低迷した一方で、賃貸住宅向けの需要が好調に推移したことにより、昨年並みとなりました。非住宅分野は、第3四半期以降、半導体関連、倉庫、データセンター等の設備投資の需要が減少いたしました。その結果、管材類は、金属管材類の需要が減少したものの、樹脂管材類の需要が増加し、全体としてやや増加いたしました。その中で当社グループといたしましては、商品の即納体制への強化を図るため、在庫商材の拡充、物流機能の効率化、商材の拡大に注力いたしました。
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主要な商品 |
市場動向 |
当社の対応 |
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パイプ |
・設備案件の減少、プラント系などの物件需要は端境期 ・人手不足によりプレハブ化、加工管への需要高まる ・樹脂化領域への拡大スピードアップ |
・発注から納品までのリードタイム削減への取組み ・在庫管理精度を高め即納体制の強化 ・鋼管類の加工対応拡大によるCS強化 |
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継手 |
・重量ベースでの微減が進む中、市況は安定 |
・在庫拡充による即納体制の強化 ・パイプ・バルブと合わせて総合的に受注 |
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・防災設備向け継手は安定需要 |
・省施工化商材の在庫化 |
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・ステンレス製メカニカル継手を採用する物件が増加傾向 |
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バルブ |
・汎用バルブの需要は減少も、特殊バルブは伸長 ・プラント、工場関連の需要が大幅減少 ・設備現場の遅延、減少により需要は低迷 |
・市況価格対応の販売体制 ・在庫商材の種類と数量の拡充 ・自動弁の組立て機能の活用 |
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化成品 |
・住宅着工件数の減少により樹脂管の需要は減少 ・職人不足で省施工化商材への切替進む ・原材料の高値推移で市況価格は安定 |
・汎用品市況対応でシェア拡大 ・在庫アイテム拡充で即納体制強化 ・戸建向け樹脂管のプレハブ加工体制の構築 |
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土木・ その他 |
・耐震化、老朽管更新での需要が増加 ・ポリエチレン管、GX管の採用エリア拡大 ・上下水一体化により、対応の迅速化が見込まれる |
・地方の支店を中心に販売エリアを拡張 ・樹脂化対応に向け即納体制の構築 ・災害復旧などに向け各組合との災害協定の締結 |
以上の結果、当部門全体の売上高は46,685百万円(前年同期比+2.5%)となりました。
衛生陶器・金具類
持家における新設着工戸数は、減少となった一方で、住宅のリフォーム需要が増加したことにより、やや増加致しました。非住宅分野では新築の大規模及び中小規模案件の需要が減少したことおよび、リニューアルでは、大規模の更新物件が減少致しました。衛生陶器・金具類全体として、高付加価値商品の需要が増加致しました。その中で当社グループと致しましては、商品の即納体制への強化を図るため、在庫商材の拡充、物流機能の活用、商材の拡大に注力致しました。
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主要な商品 |
市場動向 |
当社の対応 |
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トイレ・ 水栓金具 |
・住宅は新築需要の減少、リフォーム需要はやや増加 ・非住宅は新築は減少・リニューアル需要は微減 ・高付加価値商品の需要が増加 |
・物件情報を早期に入手し受注活動の強化 ・中高級商品を重点商材と位置付け提案・受注の強化 ・在庫機能を生かした商品供給の強化 |
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洗面・ 浴室設備 |
・戸建住宅向けは減少、集合住宅向け新築、リニュ-アルは増加 ・洗面化粧台の新築需要は減少、リフォーム需要は高級機種減少 ・非住宅向けの新築及びリフォ-ム取替需要は減少 |
・ショールームイベントを定期開催し、受注活動の強化 ・ショ-ル-ム活用し中高級機種の提案活動の強化 ・商品研修会の企画実施 現場調査、選定、見積り対応の強化 |
以上の結果、当部門全体の売上高は47,219百万円(同+3.4%)となりました。
住宅設備機器類
給湯機器類は、主力商品であるガス・石油給湯器の取替需要が増加したことおよび、高付加価値商材の需要が増加致しました。エコキュートは補助金の影響により取替需要が増加し、ランニングコストの削減を目的に石油からエコキュートへの取替需要も増加致しました。キッチン設備は、高価格帯商品は増加した一方で、中・低価格帯商品はリフォーム需要の減少に伴い、減少致しました。その中で当社グループと致しましては、地域需要に合った在庫商材拡充、即納体制の強化、ショールーム商談会を実施し、受注活動の強化に注力致しました。
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主要な商品 |
市場動向 |
当社の対応 |
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給湯機器 |
・ガス、石油、電気機器類の取替需要拡大 ・省エネ補助金活用でエコキュート、ハイブリットが出荷増 ・商業用、業務用給湯器の取替需要は減少傾向 |
・即納体制の強化、地域毎の需要に合ったアイテム拡充 ・補助金提案、高付加価値商材、省エネ商材への切替提案 ・物件情報の獲得と後追い追及の強化 |
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キッチン設備 |
・各社システムキッチンは高価格帯商品が好調 ・出荷台数は、新築、リフォームとも減少傾向で台数減 ・シュールーム来館は前年並も未確定物件の増加 |
・各支店毎ショールームイベント企画、実施、需要獲得 ・普及品の取替需要獲得、給湯分野とのセット提案、潜在需要獲得 ・情報発信、SNS等の活用、需要喚起活動 |
以上の結果、当部門全体の売上高は29,414百万円(同+9.2%)となりました。
空調機器、ポンプ
空調機器類は、2025年4月より、業務用空調機の新設用ビル用マルチエアコンに低GWP冷媒の使用が義務付けられることから、駆け込み需要が増加したことおよび、家庭用換気、空調機器類は電気代高騰の影響により、省エネ機器類の需要が増加致しました。標準ポンプ類は、都市部の給水ユニット類の需要が減少した一方で産業用ポンプの需要が増加致しました。この状況の中で当社グループと致しましては、仕入先との情報共有を密にし、案件ごとの対応に注力致しました。
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主要な商品 |
市場動向 |
当社の対応 |
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空調・換気機器 |
・住宅用は省エネ機器類および暖房機器としての需要が増加 ・業務用は新設ビル用マルチエアコンの冷媒規制による駆け込み需要の増加 |
・全国的に仕入先との情報共有および関係の強化 ・新冷媒機の配管、インストール情報の徹底 ・受注機能の強化、機能別提案へ向けての体制強化 |
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ポンプ・水槽 |
・給水用ユニットhq化が進み、水槽は減少傾向 ・建築・産業用は更新需要が堅調、納期遅延もほぼ解消 ・家庭用はPFAS問題の影響により需要が減少 |
・地域接点強化、物件情報の早期収集、代替提案 ・農水、産機、土木関連分野への取組み強化 ・家庭用ポンプの販売シェア拡大 |
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エネルギー 関連 |
・省エネ、蓄エネ、創エネ需要に対応した製品の増加 ・産業用太陽光発電の需要は減少 ・太陽光発電は売電から自家消費へ |
・省エネ、蓄エネ、創エネ商材の拡販 ・断熱含め省エネリフォームの推進 ・補助金の活用、おひさまエコキュートの拡大 |
以上の結果、当部門全体の売上高は40,598百万円(同+12.2%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ685百万円減少し、4,810百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、2,471百万円(前連結会計年度は3,680百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の増加(当連結会計年度は4,073百万円の増加、前年同期は4,459百万円の増加)、仕入債務の減少(当連結会計年度は562百万円の減少、前年同期は2,157百万円の増加)、法人税等の支払い(当連結会計年度は1,232百万円の減少、前年同期は1,533百万円の減少)等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、7,269百万円(前連結会計年度は316百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出(当連結会計年度は6,686百万円の減少、前年同期は858百万円の減少)等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、4,112百万円(前連結会計年度は1,315百万円の減少)となりました。これは主に短期借入金の増加(当連結会計年度は2,985百万円の増加、前年同期は332百万円の減少)等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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管材類 (管類、継手類、バルブ類、化成品類、工具関連機材) |
41,248 |
102.5 |
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衛生陶器・金具類 |
43,396 |
103.3 |
|
住宅設備機器類 (給湯、厨房関連等) |
27,850 |
109.6 |
|
空調機器・ポンプ (空調関連、ポンプ類) |
37,119 |
111.1 |
|
その他 |
1,375 |
97.5 |
|
合計 |
150,991 |
106.0 |
(注)金額は、実際仕入価格によっております。
b.販売実績
当連結会計年度の商品販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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管材類 (管類、継手類、バルブ類、化成品類、工具関連機材) |
46,685 |
102.5 |
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衛生陶器・金具類 |
47,219 |
103.4 |
|
住宅設備機器類 (給湯、厨房関連等) |
29,414 |
109.2 |
|
空調機器・ポンプ (空調関連、ポンプ類) |
40,598 |
112.2 |
|
その他 |
1,421 |
110.5 |
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合計 |
165,339 |
106.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産)
資産合計は、前連結会計年度末に比べて、5,503百万円増加(+6.9%)し、85,500百万円となりました。
これは主に、建物及び構築物が増加したこと等によるものです。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べて、4,405百万円増加(+9.0%)し、53,182百万円となりました。
これは主に、短期借入金が増加したこと等によるものです。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、1,098百万円増加(+3.5%)し、32,317百万円となりました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、利益剰余金が増加したことによるものです。
b.経営成績の分析
当社グループの経営成績は、建設投資(民間住宅投資・民間非住宅投資・公共投資)動向に影響され、当連結会計年度の売上高は165,339百万円(前期比+6.2%)となりました。
売上高
管材類の売上高は、前連結会計年度に比べ、1,118百万円の増加(+2.5%)、衛生陶器・金具類の売上高は、前連結会計年度に比べ、1,561百万円増加(+3.4%)、住宅設備機器類の売上高は、前連結会計年度に比べ、2,478百万円増加(+9.2%)、空調機器・ポンプの売上高は、前連結会計年度に比べ、4,412百万円増加(+12.2%)となりました。
売上総利益
売上総利益は、前連結会計年度に比べ、1,011百万円増加(+6.2%)となりました。また、売上総利益率は前連結会計年度に比べ、0.1ポイント減少し、10.5%となりました。
販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、給与手当の増加等により、前連結会計年度に比べ、876百万円増加(+6.2%)となりました。
営業利益
営業利益は、前連結会計年度に比べ、134百万円増加(+5.8%)となりました。
経常利益
経常利益は、前連結会計年度に比べ、105百万円増加(+3.1%)となりました。
特別損益
特別損益は、投資有価証券売却益、出資金評価損などにより601百万円の利益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ、280百万円増加(+10.7%)となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因
2021年3月期の特別利益は、投資有価証券売却益、また特別損失は創業130周年記念関連費用などによるものです。
2022年3月期の特別利益は、固定資産売却益、また特別損失は投資有価証券評価損などによるものです。
2023年3月期の特別利益は、投資有価証券売却益、また特別損失は投資有価証券売却損などによるものです。
2024年3月期の特別利益は、固定資産売却益、また特別損失は固定資産解体費用などによるものです。
2025年3月期の特別利益は、投資有価証券売却益、また特別損失は出資金評価損などによるものです。
以上のような要因が発生した場合、経営成績に影響を与える可能性があります。
その他の要因につきましては、「第2 事業の状況」の「3.事業等のリスク」をご参照ください。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2025年3月期の達成状況は以下のとおりです。
売上高は建設投資(民間住宅投資・民間非住宅投資・公共投資)が業界全体としてプラスの中で推移した状況下で、当社グループは一層のシェアアップと新規開拓をすすめた結果、前期比9,706百万円増加(+6.2%)となりました。その結果、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、それぞれ前期比105百万円増加(+3.1%)、前期比280百万円増加(+10.7%)となりました。RОE(自己資本利益率)は、9.1%となりました。
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指標 |
2024年3月期 (前期) |
2025年3月期 (実績) |
2025年3月期 (前期比) |
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売上高 |
155,633百万円 |
165,339百万円 |
9,706百万円増加 (+6.2%) |
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経常利益 |
3,366百万円 |
3,472百万円 |
105百万円増加 (+3.1%) |
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親会社株主に帰属する 当期純利益 |
2,609百万円 |
2,890百万円 |
280百万円増加 (+10.7%) |
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RОE (自己資本利益率) |
8.8% |
9.1% |
0.3ポイント増加 |
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループのキャッシュ・フロー指標は下記のとおりであります。
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2024年3月期 |
2025年3月期 |
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自己資本比率(%) |
39.0 |
37.7 |
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時価ベースの株主資本比率(%) |
34.7 |
27.3 |
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キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
2.6 |
6.1 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
58.7 |
11.4 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの株主資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
*キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち借入金を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資の調達につきましては、自己資金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債の残高は15,599百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,810百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
棚卸資産
商品は主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)により評価しており、第2四半期連結会計期間末日、連結決算日を基準日として、実地棚卸を行っております。また、陳腐化等した商品に関しては、毎期評価損を計上しております。
貸倒引当金
債権の貸倒による損失に備えるため、債権種別毎に分類し、一般債権については貸倒実績率等により、貸倒懸念債権等については担保または保証が付されている債権について、債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額について債務者の財政状態及び経営成績を考慮して貸倒見積高を算定しております。このため貸倒実績率の増加や個別相手先の財務状況等が悪化した場合は、貸倒引当金を積み増すこととなるため、損益にマイナスの影響を与える可能性があります。
繰延税金資産
繰延税金資産から控除する金額の決定に当たっては、当該資産の回収可能性について十分検討し、慎重に決定しております。繰延税金資産の回収可能性は、収益力に基づく課税所得の十分性、タックスプランニングの存在及び将来加算一時差異の十分性により判断しております。このため、繰延税金資産及び法人税等調整額に影響を与える可能性があります。
投資有価証券
その他有価証券で市場価格のない株式等以外のものは、決算日の市場価格等(以下、時価という。)により時価評価し、評価差額を純資産の部に計上しております。このため、時価が下落した場合には、純資産にマイナスの影響を与える可能性があります。また、期末における時価が取得原価に比べて50%程度以上下落した場合には全て減損処理を行い、30%~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。この場合は、損益にマイナスの影響を与える可能性があります。
また、その他有価証券で市場価格のない株式等は、移動平均法による原価法で評価しております。ただし、当該株式の実質価額が取得原価に比べて50%程度以上下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。この場合も、損益にマイナスの影響を与える可能性があります。
退職給付に係る負債
当社グループは、確定給付型の制度として確定給付年金制度及び退職一時金制度、また確定拠出型の制度として確定拠出年金制度及び中小企業退職金共済制度を設けております。
退職給付に係る負債の計算に用いられる基礎率(割引率等)に重要な変動が生じた場合には、これを見直すことがあります。この場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
また、役員の退職慰労金の支出に備えるため、一部の連結子会社は、内規に基づき、連結会計年度末要支給額の100%を計上しております。
当社は、財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結しております。
当該契約の内容等は、「第5経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項」の(追加情報)に記載しているため、記載を省略しております。
該当事項はありません。