第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績の分析

当中間会計期間に「好奇心事業」第1弾、世界共通の1歳の好奇心を満たすおもちゃシリーズ「1curiosity(ワンキュリオシティ)」をローンチいたしました。そもそも当社が新事業の立ち上げに取り組むことになった経緯をご説明しますと、当社の属する幼児用の玩具市場において市場規模の縮小が続いており、それは少子化も要因ではあるものの、最大の課題は、子育て世帯の価値観と行動に大きな変化が起きているにも関わらず、現在市場にある商品が消費者のニーズを捉え損ねていることに尽きます。当社においても厳しい環境が続き、足下では苦戦を余儀なくされております。

そこで改めて当社が長期的な視野に立って幼児にとって普遍的で本質的な商品を開発、提供することで、新たに市場創出できる成長機会ととらえ、子どもの好奇心という根源的なテーマを徹底的に追求することで付加価値を生み出し、持続的に提供する「好奇心事業」を2025年よりローンチする計画に取り組みました。

 

「1curiosity(ワンキュリオシティ)」シリーズは日本において2025年5月7日にローンチしました。発売直後よりSNSにおいて当該新商品情報がまたたく間に拡散し、当社初の自社販売サイトにて予想以上の売れ行きを見せ、好調なスタートをきり、SNS認知から店頭サンプル体験を経て購買に至るというオンラインとオフラインの相乗的な成果が現れております。

 

さらに特筆すべきは、一般的に乳幼児向け玩具は母親主導で選ばれることが多いとされる中で、当該シリーズの父親認知の高さは際立っております。商品仕様における機能的な合理性や構造の工夫といった、男性が関心を持ちやすい要素に加え、近年はコロナ禍以降の就業スタイルの変化を背景に、父親も育児に積極的に参加したいという意向が強まり、その結果、夫婦で協働して育児に取り組む家庭が増え、父親自身が玩具選びに関与する傾向が高まっていることが認知の広がりを後押ししております。

 

また日本に続きローンチした英国において、当該シリーズは早くも高い評価を得ており、英国の独立系玩具店が選定する「Independent Toy Awards2025」でGold Medalを受賞、さらに英国の育児誌「Absolutely Mama」主催の玩具部門アワードでBronze賞を受賞いたしました。ローンチ前の時点でも英国でのエキシビションでは当シリーズのコンセプトに共感する声を多く頂いていましたが、これらの受賞は「正解のない自由な遊び」というオープンエンドなコンセプトが世界共通で受け入れられることを裏付けました。

 

この好循環をチャンスとして当社のブランド価値を伝え、認知度を高めるべく、積極的な広報・IR活動により「好奇心事業」の共鳴の輪を広げていきます。

 

当中間会計期間の経営成績は、売上高6億38百万円(前年同期間比11.1%減)、営業損失1億76百万円(前年同期間は1億47百万円の営業損失)、経常損失は1億77百万円(前年同期間は1億44百万円の経常損失)、また特別利益として2025年3月18日付に公表いたしました投資有価証券売却益1億84百万円を計上し中間純利益は8百万円(前年同期間は1億5千万円の中間期純損失)となりました。

 

国内販売においてこの売上の柱となったのは、構成玩具のピタゴラス「ボールコースター」であり、さらに7月1日発売の「赤ちゃん観察シリーズ(全5品)」、「こども専用ICカード P♪siyoca(ピッしよか)」の初動好調な動きを見せております。「こども専用ICカード P♪siyoca(ピッしよか)」については通常の玩具店の他に鉄道博物館内ショップや鉄道グッズ専門店でもお取り扱い頂いております。

海外販売では、米国向け「Magna-Tiles」の販売先との契約変更に伴い、前期48期より当社IPが含まれるセット品に対するロイヤリティ収入に切り替わったことで4月の米国の通商政策の直接の影響はありませんでした。またアジア市場の内、台湾及びタイにおいて知育玩具・構成玩具・ベビー用品が堅調に推移しております。

 

 

(中期的な方針)

当2025年の好奇心事業ローンチを中心に、当社の取り組みを広く認知していただくことが、商品ブランド育成にとって重要と考え、広報活動を積極的に行ってまいります。

 PR TIMES STORY https://prtimes.jp/story/detail/qb6ovduOykB

 X(旧Twitter) https://twitter.com/PRTIMES_TV/status/1648884197648478209

これら中期を見据えた施策を行いつつ、短期的な収益性改善策として、以下のような活動を継続的に行って参ります。

① ロングセラー商品の順次値上げ

② ニーズのある商品を集中的にプロモーションし、お届けしていく活動

③ 潜在顧客に刺さるような新商品開発

④ 投資家の皆さまはじめ社会に向けた情報発信のためのIR活動

これらの最新の活動状況は、当社のnote「ピートラ」にて発信しております。

 (https://note.com/people.pr)

 

(カテゴリー別売上高)

中間会計期間売上高の前年同期間対比

(単位:千円)

カテゴリー名

2025年1月期

中間会計期間

(自 2024年1月21日

至 2024年7月20日)

2026年1月期

中間会計期間

(自 2025年1月21日

至 2025年7月20日)

前年同期比

(%)

乳児・知育・構成玩具

531,550

520,263

97.9

メイキングトイ

13,286

2,873

21.6

その他(遊具・乗り物・育児等)

75,916

25,659

33.8

海外販売・ロイヤリティ収入

96,887

89,196

92.1

合計

717,639

637,991

88.9

 

 

(2)資産、負債及び純資産の状況

(資産)

当中間会計期間末における資産合計は、前事業年度末から4億39百万円減少の18億61百万円となりました。

流動資産では、主に自己株式の取得や研究開発等の先行投資に伴う現金及び預金の減少等により、前事業年度末から3億13百万円減少の16億55百万円となりました。

固定資産では、主に2025年3月18日開催の取締役会決議に基づく保有株式売却による投資その他の資産の減少等により、前事業年度末から1億25百万円減少の2億6百万円となりました。

 

(負債)

当中間会計期間末における負債合計は、前事業年度末から62百万円減少の1億10百万円となりました。

流動負債では、主に買掛金の減少により、前事業年度末から27百万円減少の1億6百万円となりました。

固定負債では、前述の保有株式売却による繰延税金負債の減少により、前事業年度末から34百万円減少の4百万円となりました。

 

(純資産)

当中間会計期間末における純資産合計は、2025年3月18日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得による自己株式の増加、及び保有株式の売却によるその他有価証券評価差額金の減少等により、前事業年度末より3億77百万円減少して17億51百万円となり、その結果、自己資本比率は94.1%となりました。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間会計期間末における現金及び現金同等物は、前事業年度末より3億39百万円減少し11億1百万円となりました。主な要因は次の通りです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前中間純利益7百万円を計上したものの、主に投資有価証券売却益の計上と棚卸資産の増加の結果、2億1百万円の支出となりました(前中間会計期間は2億16百万円の支出)。

投資活動によるキャッシュ・フローは、主に投資有価証券の売却により1億65百万円の収入となりました(前中間会計期間は14百万円の支出)。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に自己株式の取得により3億4百万円の支出となりました(前中間会計期間は2億8百万円の支出)。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間会計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当中間会計期間の研究開発費の総額は、116,053千円です。

 

3 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。