文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念として「新たな価値を創造し、世界のお客様に信頼される会社を実現する」ことを掲げ、真に市場から必要とされ、お客様にとって無くてはならないサプライヤーになることを目指して、事業活動を進めております。その経営理念の下、以下の経営方針を定めており、その実現が企業価値の増大につながるものと考えております。
① グローバル企業としてさらなる発展をめざす
② ファクトリー&ファブレス機能を強化し卓越した強みを創造する
③ 企業の成長を通し、社員の幸福と社会貢献を実現する
(2) 目標とする経営指標及びその推移
当社グループが目標とする経営指標(連結)につきましては、以下を掲げております。
① 売上高、売上高総利益率、営業利益、営業利益率
② ROE(自己資本当期純利益率)について8%以上維持を目標としております。
③ ROA(総資産経常利益率)について10%以上維持を目標としております。
④ DOE(純資産配当率)について2.3%を目標としております。
⑤ 配当性向について30%以上を目標としております。
なお、各経営指標の達成状況は以下のとおりです。
(注)68期(2020年3月)の目標数値は、下方修正前の数値を記載(2019年11月に売上高36,000百万円に下方修正)
(3) 経営環境
今後の自動車市場は、中長期的には新興国を中心とした自動車需要の伸長もあり、緩やかに拡大していくものと考えております。その一方で、環境問題など社会的課題への対応や、電動化、自動運転、コネクティッド、シェア&サービスなどの技術革新の急速な進行などにより、自動車業界は100年に一度の変革期に直面しています。
このような経営環境の中、当社グループは、市場の変化をお客様への更なる貢献のチャンスと捉え、新たな価値の創造とグローバルな対応力の強化に積極的に取り組んでいきます。
新たな価値の創造に関しては、当社の独自技術である「圧入プロジェクション接合技術」を活用した自動運転関連部品・電動化部品が大手自動車メーカー数社に新規採用されるなど既に成果に至っており、今後の更なる拡大を見込んでいます。
グローバルな対応力の強化に関しては、お客様の現地調達ニーズの拡大に対応するために米国、中国、タイの主要海外拠点で冷間圧造、精密プレス、精密切削など国内と同様の生産体制の整備等を推進しております。
一方、短期的な経営環境は、米中貿易摩擦による両国経済の減速や欧州の景気の低迷等、世界経済の成長率鈍化、これらを背景にしてわが国経済も低成長が継続、さらに世界的な新型コロナウイルスの感染拡大も影響を及ぼしており自動車業界は深刻な状況にあります。特に新型コロナウイルスの影響は甚大であり、現在、当社グループの主要得意先は当該ウイルス感染拡大防止のため国内外で工場の稼働停止、生産活動の縮小を行っており、その再開時期、正常化までの期間が流動的で見通せない状況にあり、今後、正常化した場合でも自動車需要の減退等が懸念されています。
このような状況を踏まえ、当社グループの2021年3月期の連結業績予想も合理的な算定が困難であることから未定としております。
当社グループといたしましては、早期に業績を回復基調に戻すべく、開発検討段階から新加工技術や幅広く最適な調達機能を提案できる当社の強みを発揮して、経営の基本方針に沿った各種戦略や、対処すべき課題に掲げた基本戦略をぶれることなく推し進めてまいります。
(4) 中長期的な経営戦略
当社グループは、今後5年以内のグループ連結売上高500億達成を目標とし、以下の戦略を推進しています。
① 開発・製造機能の強化による強みの構築
② グローバル事業体制の強化、拡充
③ 戦略的調達活動の推進
④ 企業価値向上への取組み継続
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 開発・製造機能の強化による強みの構築に関する事項
(a) 幅広いマーケティング活動に基づき、新たな加工技術を開発し競争力を強化する
当社グループは独自の新たな加工技術の開発と、既存保有技術の進化活動を積極的に進めております。
当社独自の加工技術である「圧入プロジェクション接合技術」は、「高強度化」「高精度化」「軽量・コンパクト化」を実現するものであり、今後の拡大が期待される自動運転関連部品や電動化部品として既に大手自動車メーカー数社に採用されております。今後もその技術を幅広い部品の製造に活用する等の開発活動を進めます。
また、新たな加工技術の開発については、市場調査の専門組織を立ち上げ、減速機ユニット、モーターユニット、HV用エンジンユニット等、次世代自動車への採用が見込まれる部品を中心に、精密塑性加工技術や接合技術等の高度化を調査・研究中です。これらの取組みは当社の強みを増していくだけではなく、各自動車メーカーがCO2削減目標を掲げて開発・投入を進めているHVやEV等に、当社の独自加工技術を用いた部品が採用されることにより、結果的に環境問題への対応として貢献できると考えており、今後、更に加速してまいります。
(b) 各製造拠点の生産対応能力を拡大し、ファクトリー機能を強化する
長期的には世界の自動車生産台数の増加が見込まれており、お客様が求めるニーズも更に多様化、高度化していくものと考えています。こうした需要をカバーし、多種多様な品揃えで差別化を図っていくためには、当社グループ内の生産対応能力の拡大が必要と考えています。
具体的な施策の一例として現在、当社国内製造子会社のオーハシ技研工業株式会社の製造工場集約を推進中であります。これは、人材、設備、各種業務、拠点間運賃、インフラ整備等の重複コストを改善することに加え、新技術開発の強化等、同社製造機能の強化を図り、国内における切削加工事業の再構築を目指したものであり、本年7月にはこの新体制をスタートする予定です。
さらに同子会社鈴鹿工場の第2工場建設も検討しており、これらを積極的に推進し、中期的な目処として、売上高に占めるグループ製造部門の比率を現状の25%から40%に引き上げることを目指します。
(c) 主要調達先との資本提携を推進し、グループ内製造機能を強化する
高い加工技術力、独自の加工技術を有する主要調達先との資本提携を推進し、グループ内の製造機能を強化します。現行の資本提携先においては、株式会社テーケーで戦略商品製造ラインの増設と製造環境のインフラ整備を行ったほか、株式会社ナカヒョウでは大型溶接機等の新規設備導入を行う等、生産体制の整備を進めています。
② グローバル事業体制の強化、拡充
(a) 新事業拠点展開と既存拠点の機能を強化し、グローバル対応力の向上を図る
当社のお客様の海外現地調達ニーズは今後も更に増加していくものと想定され、こうしたニーズに対応するための当社グループ海外拠点の機能を更に強化していきます。一例としては、2019年度に米国の製造子会社における切削加工の新規設備の導入、タイの製造子会社における切削加工の新規設備の導入を実施したほか、中国の製造子会社においては工場拡張と圧造加工の新規大型設備を導入する計画が現在進行中であるなど、積極的に施策を実行しています。
(b) 各海外子会社の組織体制の強化とローカル社員の経営管理力の向上を図る
継続課題として積極的に取り組みます。
③ 戦略的調達活動の推進
(a) ファブレス機能の更なる強化のために、主要調達先企業との戦略的関係を構築する
(b) グローバル調達体制を強化する
ファクトリー機能と併せ、当社のもう一つの事業の柱であるファブレス機能の更なる強化について継続課題として取り組んでおります。お客様のニーズは多様化しており、そのニーズに対応するためには、自社での開発機能の強化と併せ、高い技術力を持つ調達先企業との連携を強化し、事業活動を行うことが不可欠と考えております。
高い技術力を有する主要調達先企業とは資本提携を含めた戦略的関係を構築すべく、現在も候補先を選定し交渉を進めておりますが、それと同時に新たな調達先の発掘にもグローバルに取り組んでいます。
④ 企業価値向上への取組み継続
(a) ESG(環境・社会・企業統治)を重視した企業活動を推進し、持続的成長を図る
当社グループは、ESGを重視した企業活動を重視しており、環境問題への対応として電動化部品について積極的な研究開発を進めているほか、社会貢献活動として、地域の清掃活動、寄付活動などにも積極的に取り組んでいます。
また、株主をはじめステークホルダーから信頼されるため、企業倫理に基づき法令、社会規範を遵守し、健全かつ透明性の高い、経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できる経営体制を構築し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っていきます。その取組みの一環として、当事業年度には、指名・報酬委員会を設置し、活動をスタートいたしました。
(b) ステークホルダーへの安定的な還元を実行する
継続して企業価値の向上を図り、ステークホルダーの信頼向上に努めることを重視しており、その実現のために、強固な経営基盤と財務体質を維持し、株主様に対しては安定的な還元と積極的な資本政策を実施してまいります。
なお、当事業年度は年間で1株当たり52円と8期連続の増配を決議しており、また、2020年5月には、株主還元の充実及び資本効率の向上を図ることを目的として、上限3億円(21万株)の自己株式の取得を決定し、併せて、従来保有していた自己株式全株の消却を実施しました。
当社グループでは、各部門ごとのリスク管理の状況につき、月次で開催する主管業務報告会で、主要部門からの報告を行い、取締役による監督を受けております。また、内部監査部門による監査結果報告も受け、内部統制委員会において、各種リスクに関する現状認識とその低減策について協議する体制としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 内外経済動向に係るリスク
当社グループが事業を展開する日本国内並びに海外各地域における景気、金融などの経済動向の変動や、これらの影響を受ける自動車メーカーの生産動向、個人消費動向の変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替相場の変動に伴う円貨換算リスク
当社グループは、現在、海外では米州、中国、アセアン、欧州及び台湾において生産、販売活動を展開しているため、為替の変動によって当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。海外子会社の資産・負債については円高が進行すると、それらの子会社に係る為替換算差額が生じ、純資産が減少するリスクがあります。また、海外子会社の収益は主に現地通貨をはじめとする外貨建であり、円高が進むと当社グループの連結純利益にマイナスの影響が生じます。
(3) 特定の産業への依存リスク
当社グループは、国内外において、自社の生産拠点で行う「ファクトリー機能」と、部品製造を国内で調達先企業と共同して行う「ファブレス機能」を併せ持つ部品サプライヤーであります。
事業の内容は、「自動車関連部品事業」「その他関連部品事業」の2つに区分しておりますが、「自動車関連部品事業」の比重が圧倒的に高くなっており、自動車産業の生産動向が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 価格競争リスク
得意先からの値下げ要請、海外市場での現地競合先の価格・品質面での競争力向上等により、価格競争が激化し、結果として、販売単価値下げによる収益率低下、失注等をもたらし、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、製造部門及び調達先との協業による原価改善を通じ、価格面での競争力維持向上のための施策を推進しておりますが、加えて、品質、デリバリー、加工技術開発力等も含めた総合力での優位性・競争力の維持向上を図ることにより、価格競争の影響を最小限とするよう努めております。
(5) 原材料価格又は為替等の市場変動により調達価格が上昇するリスク
原材料価格の高騰、又は輸入品における為替変動等により当社グループにおける材料・部品等の調達価格が上昇する場合において、価格上昇分を販売価格に転嫁できない場合に、収益率低下等をもたらし当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは原材料価格の変動については、得意先及び調達先と極力同期化を図ることで、その変動リスクを最小化するよう努めております。また、本社・子会社間における外貨建債務の支払いについては原則として為替予約を行い、為替相場の変動リスクを一定とする対応を行っております。
(6) 在庫リスク
当社グループは、得意先からの注文・内示・生産計画等の情報を受けて、製造または、調達先への部品等の手配を行いますが、得意先の急激な減産や生産終了等の情報に適時に対応できなかった場合に、過剰在庫を抱えるリスクがあります。かかる場合に、得意先による在庫の買取り、補償等が得られない場合は、商品廃棄損の計上を余儀なくされ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、逆に得意先からの増産の要請に対しても適時に対応しなければ、得意先に欠品を生じさせてしまうリスクがあります。
当社グループでは得意先からの増減産、生産終了、設計変更等の情報をタイムリーに入手し、製造部門や調達先にも展開した上で、適正な在庫を維持できるよう、手配及び在庫の管理体制を整備しております。
(7) 与信リスク
当社グループでは、得意先に対する取引金額の上限である与信枠の設定を行い、不良債権発生の未然防止に努めております。しかしながら、得意先の急激な業績悪化等により、債権が回収不能となった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、取引金額が与信限度額の一定比率(アラームポイント)に達した時点で、営業と出荷担当部門に注意喚起(アラーム)を発信し、与信限度内での取引への調整及び対策を促しております。また、毎年一回、与信限度額の見直し時に取引状況、業績、財務内容の定期的チェックを行うとともに、業績が悪化している得意先については随時業績と支払状況の確認を行い、債権回収に滞りが発生しないよう管理しております。
(8) 海外事業における規制等リスク
当社グループが事業を展開している各国において、関税、輸入規制、労働を含む法令・制度等に変化があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業に係る各国の法律・規制変更の情報をタイムリーに入手し、本社と変更内容及び対応方針を共有することで、法令・規制等の変更リスクに的確に対処するようグループ内で徹底しております。
(9) 災害等、サプライチェーンのリスク
当社グループは、大規模な自然災害の発生時に事業への影響を最小化するため、事業継続計画(BCP)の構築を行っています。しかしながら、想定を超える災害等の発生により、自社の事業所または調達先における事業活動の遅延・停止等、サプライチェーンの寸断が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、まず社員の人命安全確保を最優先とした災害時安否確認システム、基幹システムのバックアップ体制を整備している他、重要業務の早期復旧のための対策を進めております。特定調達先に依存している調達部品への対応も含め、サプライチェーン情報を常にアップデートすると共に主要部品に関する代替調達先の検討を進め、サプライチェーンの寸断によるリスクを最小限とするよう努めております。
(10) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループでは、事業活動を通じ取引先や当社グループの機密情報・重要情報等を保有しており、これらの情報管理体制を整備しておりますが、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染等により、情報システム障害及び情報の漏洩等につながる場合、当社グループの信用低下を通じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、これらのリスクを回避するため、情報システムの可用性の向上を図るとともに、ハード・ソフト両面のセキュリティ対策を実施しています。
(11) 品質管理におけるリスク
当社グループでは、「私たち、オーハシテクニカの社員は優れた品質で世界のお客様に最高の満足を提供します」とする品質理念を掲げ、厳格な品質保証体制を整備しております。しかしながら、万一、当社グループの製品の欠陥・不良等が原因となって得意先における製品の欠陥等を生じさせた場合に補償を求められる可能性があります。
当社グループでは、品質管理に影響を与える過去事例を分析し、未然防止を徹底することで、製造部門・調達先における品質管理体制の維持向上を図るとともに、重大なトラブルの発生時に備えて製造物賠償責任保険に加入し、これらのリスクを最小限とするよう努めております。
(12) 環境に関するリスク
当社グループでは、環境関連法令・諸規制を遵守し、環境管理体制の整備、継続的改善と汚染の予防に努めております。また、グリーン調達を推進するガイドラインを制定し、調達先にも展開することにより、環境活動を推進しております。
今後、当社グループが事業を展開する地域における規制・法令の変更がある場合に、対応が求められる可能性がありますが、これら諸規制の動向を注視し、変更時に的確に対処するよう徹底しております。
(13) 人材確保におけるリスク
当社グループは日本の他、世界6か国で操業しており、ビジネスモデルとしての商社機能の他、グループ内で製造機能、物流機能を有しており、相応の人員を確保する必要があります。そのため各部門にて業務の効率化、機械化、IT化等を積極的に進めるものの、国内では今後更に進行する労働人口の減少に伴い、有能な人材を十分確保できないリスクがあります。
当社グループでは、人材獲得については大学等の学校との関係強化、人材紹介会社の活用強化、同業種企業からの採用情報ルートの拡充に努めると共に、国内では再雇用制度の拡充によるシニア層の活躍の場の拡充に努めております。
(14) 感染症に関するリスク
当社グループでは、日本を含め世界7か国で操業しており、グローバル化が進展した今日、各国、及び全世界の拠点にて役職員の感染リスク、或いは感染拡大により事業継続が困難となるリスクがあります。
当社グループでは、役職員及びその家族の安全と健康維持を最優先事項と捉え、事業を展開する各国の保健・衛生当局の指針に沿った防疫対策を行うことを徹底し、マスク、消毒液等の衛生用品の備蓄を行っております。また社員が出社できない状況となった場合にも業務継続が可能となるよう、不可欠な業務についてテレワークを可能とする体制を構築しています。
[新型コロナウイルス感染拡大の影響と対応について]
現在、世界各国に拡大している新型コロナウイルス感染症については、当社グループでは、以上の方針に基づき、各国の保健・衛生当局の指針に従い防疫対策を徹底すると共に、出社抑制、テレワーク、一時休業等の対応を実施しております。
今後、この事態が長期化した場合、得意先の生産活動の正常化が遅れ、当社グループの業績及び財務状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては国内部門、海外部門共に固定費の一層の削減による収益性の改善に努め、感染長期化による本リスク顕在化を最小限とすべく努めております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦の長期化による両国経済の減速と英国のEU離脱問題、欧州における景気の低迷などにより、全体として成長率は鈍化しました。また、わが国経済も世界経済の減速を背景に低成長が継続しました。
さらに、本年1月以降は新型コロナウイルス感染症が拡大し、世界各国における外出規制、生産活動の停止や物流の停滞、個人消費の低迷が経済活動に深刻な影響を及ぼしており、厳しい状況が現在も続いております。
当社グループの事業分野であります自動車業界におきましては、国内外において一部の完成車メーカーを除き販売減となり、全体の生産台数は減少しました。
このような状況下、当社グループでは積極的な事業展開により業績の拡大に取り組んでまいりましたが、連結売上高は、国内では当社の主要得意先である商用車メーカーのアジア市場での需要減による減産や特定部品の生産終了、海外では米州、欧州での日系自動車メーカーの販売減による減産と為替換算の影響により、前年比減収となりました。また、連結営業利益においても、各地域における売上減少及び米州における鉄鋼関税引上げを含む原材料費の上昇や中国及び英国での現地通貨安による仕入コスト上昇の影響もあり、前年を下回る業績となりました。
当連結会計年度の売上高は35,905百万円(前年同期比9.0%減)、営業利益は3,265百万円(同19.9%減)、経常利益は3,401百万円(同18.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,460百万円(同16.8%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(セグメント利益は、当期連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。)
(a) 日本
売上高は20,093百万円(前年同期比9.6%減)、セグメント利益は1,732百万円(同13.9%減)となりました。
(b) 米州
売上高は7,406百万円(同6.6%減)、セグメント利益は605百万円(同30.0%減)となりました。
(c) 中国
売上高は4,305百万円(同4.8%減)、セグメント利益は497百万円(同17.8%減)となりました。
(d) アセアン
売上高は2,803百万円(同4.4%減)、セグメント利益は395百万円(同15.2%減)となりました。
(e) 欧州
売上高は1,297百万円(同29.8%減)、セグメント損失は79百万円(前年同期はセグメント利益62百万円)となりました。
(f) 台湾
台灣大橋精密股份有限公司は、グループ間取引のみのため、外部顧客への売上高はありません。
なお、セグメント利益は43百万円(前年同期比20.0%減)となりました。
当連結会計年度末における資産の残高は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末比448百万円増加し、42,360百万円となりました。
負債の残高は、支払手形及び買掛金や電子記録債務の減少等により、前連結会計年度末比795百万円減少し、10,435百万円となりました。
純資産の残高は、その他有価証券評価差額金の減少がありましたが、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末比1,243百万円増加し、31,925百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,874百万円増加し、21,843百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロ-の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロ-)
営業活動の結果、3,297百万円の資金の増加(前連結会計年度は4,003百万円の増加)となりました。
これは主に、法人税等の支払額が1,144百万円ありましたが、税金等調整前当期純利益を3,501百万円計上したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロ-)
投資活動の結果、544百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,189百万円の減少)となりました。
これは主に、投資有価証券の売却200百万円がありましたが、有形固定資産の取得827百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロ-)
財務活動の結果、845百万円の資金の減少(前連結会計年度は833百万円の減少)となりました。
これは主に、配当金の支払752百万円によるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は実際原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(c) 受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(d) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は35,905百万円(前連結会計年度比9.0%減)となりました。国内では、主要得意先の減産や特定部品の生産終了により、売上高は20,093百万円(同9.6%減)となりました。海外では、米州・欧州での日系自動車メーカーの減産と為替換算の影響により、米州は7,406百万円(同6.6%減)、中国は4,305百万円(同4.8%減)、アセアンは2,803百万円(同4.4%減)、欧州は1,297百万円(同29.8%減)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、主に海外における売上高の減少により、8,648百万円(同11.8%減)、売上総利益率は24.1%(同0.8%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は主に人件費と物流費で減少し、5,382百万円(同6.1%減)となりました。また、売上高販管費比率は15.0%(同0.5%増)となりました。
(営業利益)
国内では受注減少による売上の減少により、営業利益は減少しました。また、海外では、主に米州と欧州、アセアンでの売上減少や原材料の値上げと販売価格の値下げに伴う営業利益の減少により、当連結会計年度の営業利益は3,265百万円(前連結会計年度比19.9%減)、営業利益率は9.1%(同1.2%減)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、主に受取配当金と補助金収入の増加により3,401百万円(同18.9%減)、経常利益率は9.5%(同1.1%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における当期純利益は2,480百万円(同16.7%減)となりました。主な減少要因は営業利益の減少と事業所移転費用によるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は2,460百万円(同16.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益率は6.9%(同0.6%減)となりました。
報告セグメント別の業績は次のとおりです。
〔日本〕
・当連結会計年度は、新規受注の増加及び開発品の販売が増加したものの、得意先メーカーの生産減少、特定部品の生産終了等の影響が大きく、売上高は前年同期比減収となりました。収益面では売上減少の影響が大きく、前年同期比減益となりました。
・この結果、日本の売上高は20,093百万円(前年同期比9.6%減)、セグメント利益は1,732百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
〔米州〕
・アメリカは主力得意先の日系自動車メーカーの生産減少により、減収となりました。メキシコは前年の得意先メーカーの工場浸水からの生産回復や北米市場向けの生産増加等により、増収となりました。米州全体では、アメリカの減収の影響が大きく、前年比減収となりました。収益面では、売上増加と経費削減によりメキシコの利益は増加しましたが、アメリカでの減収、米国の鉄鋼関税引上げを含む製造コストの増加と販売価格の値下げの影響が大きく、米州全体では前年同期比減益となりました。
・この結果、米州の売上高は7,406百万円(前年同期比6.6%減)、セグメント利益は605百万円(前年同期比30.0%減)となりました。
〔中国〕
・中国全体の自動車販売台数が前年比減少する中でも、主要得意先である日系自動車メーカーは堅調に市場シェアを伸ばしたことに支えられ、中国での売上高は増収となりました。しかしながら円高による為替影響により、円貨換算では前年比減収となりました。収益面では材料値上げ、販売価格の値下げに加え、元安に伴う輸入品の仕入コストが増加し、減益となりました。
・この結果、中国の売上高は4,305百万円(前年同期比4.8%減)、セグメント利益は497百万円(前年同期比17.8%減)となりました。
〔アセアン〕
・主力市場であるタイ、インドネシアでの自動車販売の不振及びタイ・バーツ高による輸出競争力の低下から、タイでの国内売上、輸出売上ともに前年同期比減収となりました。収益面では売上減収の影響が大きく、減益となりました。
・この結果、アセアンの売上高は2,803百万円(前年同期比4.4%減)、セグメント利益は395百万円(前年同期比15.2%減)となりました。
〔欧州〕
・主要得意先での一部車種の生産終了を含む生産減少により、売上高は前年同期比減収となりました。収益面では売上減少、販売価格の値下げ、ポンド安に伴う輸入品の仕入コストの上昇により減益となったことに加えて、事務所移転費用が発生したことで、損失計上となりました。
・この結果、欧州の売上高は1,297百万円(前年同期比29.8%減)、セグメント損失は79百万円(前年同期はセグメント利益62百万円)となりました。
〔台湾〕
・英国のグループ会社向けの輸出が減少し、売上高は減少しました。これに伴いセグメント利益は43百万円(前年同期比20.0%減)となりました。
・財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比448百万円増加し、42,360百万円となりました。これは主に現金及び預金と有形固定資産は増加しましたが、受取手形及び売掛金と投資有価証券が減少したことによるものです。
セグメント別では、国内では現金及び預金は増加しましたが、売掛金と投資有価証券の減少により、前連結会計年度末比243百万円減少し、33,217百万円となりました。海外では、米州で前連結会計年度末比91百万円増加し8,060百万円、中国で前連結会計年度末比184百万円増加し5,417百万円、アセアンで前連結会計年度末比127百万円増加し3,649百万円、欧州で前連結会計年度末比17百万円減少し1,155百万円、台湾で前連結会計年度末比20百万円増加し、386百万円となりました。
(負債)
負債の合計は、前連結会計年度末比795百万円減少し、10,435百万円となりました。主な減少要因は、支払手形及び買掛金、電子記録債務の減少等によるものであります。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末比1,243百万円増加し、31,925百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の減少がありましたが、利益剰余金の増加等によるものであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。
当社グループの主要な資金需要は、販売のための商品仕入、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備、改修等に係る投資であります。
当社グループの持続的な成長・企業価値の向上を図るためには、グローバル事業体制の拡充、強みのある製造基盤の構築を実現するための資本投下、製造設備の強化、M&Aを含めた投資等の検討が不可欠と考えております。
中長期的な経営戦略に沿った開発・製造機能の強化、特にグループ製造拠点の生産能力拡大のための設備投資と主要調達先との戦略的資本提携に資金の投入を行う方針です。また、安定的な還元と積極的な資本政策についても引続き取り組んでまいります。
これらの資金需要につきましては、自己資金を中心に対応していくこととしております。
③ 新型コロナウイルス感染症による当社グループ事業への今後の影響
翌連結会計年度における新型コロナウイルス感染拡大は、地域によってその影響や程度は異なるものの、長期的な生産活動の停滞、自動車需要の低迷を引き起こし、売上高と収益に大きな影響を与える可能性があると考えております。
日本では、完成車メーカーの生産活動は再開されましたが正常化までにはまだ時間を要すると見込まれます。米州、アセアン、欧州では3月の後半からほぼ生産活動が停止し、5月以降一部再開されつつあります。また、中国では新型コロナウイルス問題が年初に発生したため、2月に生産活動が停止となりましたが、その後、他の地域に先駆けて回復基調にあります。
このような状況下、今後の対処方針は、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。当社グループとしましては、早期に業績を回復し、拡大基調に戻すべく、対処すべき課題に記載した基本戦略を強力に推進してまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(追加情報)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたり、当社グループは主に貸倒引当金、退職給付債務及び費用、繰延税金資産等について継続して評価を行っております。これらについて会計上の見積りを行う必要がありますが、新型コロナウイルス感染症の終息時期や当社事業への影響を見通せない状況下、特に以下の繰延税金資産の回収可能性及び固定資産の減損に係る会計上の見積りにつきましては、状況の変化に伴う仮定等の見直しが、財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると考えております。
(繰延税金資産)
当社グループは繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提として設定した仮定に変更が生じ、減少となった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響による業績見通しの悪化等の要因により、今後、減損損失が計上される可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、独自技術である圧入プロジェクション接合技術に加え、子会社の保有する精密冷間鍛造技術をはじめとする各種技術、さらには調達先企業との協業により、当社独自の強みの創造を目指して研究開発活動に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発費の金額は、日本国内を中心に、総額