文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念として「新たな価値を創造し、世界のお客様に信頼される会社を実現する」ことを掲げ、真に市場から必要とされ、お客様にとって無くてはならないサプライヤーになることを目指し、以下の経営方針を定めて事業活動を進めてまいりました。
① グローバル企業としてさらなる発展をめざす
② ファクトリー&ファブレス機能を強化し卓越した強みを創造する
③ 企業の成長を通し、社員の幸福と社会貢献を実現する
当社は、2021年4月に創業70周年を迎えたのを機に、お客様に対して果たすべき使命を定義し、当社グループが目指すべき姿を「ミッション・ステートメント」として以下のとおり制定しました。
もっといい車を作ろうとしている人に
もっといい部品をお届けします
車づくりに欠かせない会社を目指して
当社グループは、ミッション・ステートメントを追求する事業活動を推進するため、2022年度に4カ年の「中期経営計画~Mission2025~」をスタートしました。その後2024年に計画期間を2年延長し、2027年度を最終年度とする「中期経営計画~Mission2025+2~」に取り組んでおります。
この中期経営計画では、自動車業界の発展と当社の業績拡大に資する「経済的価値の追求」と、社会や環境課題への積極的な取り組みによる「社会的価値の創造」を両立することにより、「ミッション・ステートメント」の実現を目指すことを基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標及びその推移
当社グループが目標とする経営指標(連結)につきましては、以下を掲げております。
① 売上高、売上高総利益率、営業利益、営業利益率
② ROE(自己資本当期純利益率)について8%以上を目標としております。
③ ROA(総資産経常利益率)について10%以上を目標としております。
④ DOE(純資産配当率)について2.8%以上を目標としております。
(2024年11月に目標を2.5%以上から2.8%以上に上方修正)
⑤ 配当性向について35%以上を目標としております。
なお、各経営指標の達成状況は以下のとおりです。
(注)1.71期(2023年3月)の目標(期首予想)は、2022年5月に公表した数値を記載(2023年2月に売上高34,500百万円、営業利益2,000百万円に下方修正)
2.72期(2024年3月)の目標(期首予想)は、2023年5月に公表した数値を記載(2024年2月に売上高39,000百万円に上方修正、営業利益1,500百万円に下方修正)
3.73期(2025年3月)の目標(期初予想)は、2024年5月に公表した数値を記載(2025年2月に売上高39,800百万円、営業利益1,720百万円に下方修正)
(3) 経営環境
当社グループの事業分野であります自動車業界におきましては、2024年度は北米においては引続き販売が好調に推移しましたが、中国においては地場EV車メーカーの更なるシェア拡大や、東南アジア地域においては景気停滞により乗用車・商用車需要が低迷した影響を受け、日系自動車メーカー全体の生産台数は、国内では760万台、グローバルでは1,790万台に留まり、前年度比減少しました。(国内生産台数:前年度比97.9%、グローバル生産台数[当社グループの事業拠点がある地域・国での生産台数合計]:同93.8%)
(4) 中長期的な経営戦略
当社グループは2022年度より「中期経営計画~Mission2025~」を展開してきましたが、事業環境の大幅な変化に伴い、2024年度にその計画期間を2年延長し、2027年度を最終年度とする「中期経営計画~Mission2025+2~」を展開しております。その最終年度である2027年度には、連結売上高450億円、連結営業利益41億5千万円の達成を目指しております。併せて環境問題、社会的課題、ガバナンス強化に積極的に取り組むESG経営を推進し、企業価値向上とサステナブルな社会の実現に向け貢献してまいります。

また、これらの戦略を遂行するための投資については、中期経営計画期間の延長に合わせて、6年間で設備投資95億円、研究開発費9億円、ESG関連投資7億円を計画しています。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 経済的価値の追求のため、当社の「四つの基本機能」を強化し、更なる事業拡大を図る
(a) 開発機能の強化
幅広いマーケティング活動に基づき、新たな加工技術を開発し、市場創造型ビジネスを展開するとともに、既存の当社独自技術の進化により、市場地位の向上を図ることを目指します。
そのための専門部署として「商品開発部」を設置しており、EV車e-Axle減速機ユニット、モーターユニット、HEV車エンジンユニット等、電動車搭載部品を中心に、精密塑性加工技術、精密プレス加工技術や接合技術等の高度化に取組んでまいりました。これらの取組みは当社の競争力の強化のみならず、各自動車メーカーがCO2削減目標を掲げて開発・投入を進めているHEV車やEV車等に当社の独自加工技術を用いた部品が採用されることにより、結果的に環境問題への対応として貢献できると考えております。
また、当社独自の加工技術である「圧入プロジェクション接合技術」は、部品の「高強度化・大口径対応」「高精度化」「軽量・コンパクト化」を実現するものであり、電動車搭載部品として大手自動車メーカー各社での採用が拡大しております。今後も本接合技術をより幅広い領域の部品の製造に適用するための開発に一層注力してまいります。
(b) 製造機能の強化
積極的な設備投資による生産対応力の拡大により競争力の強化を図るとともに、技術力の向上を図り、高い生産性の実現を目指します。
長期的には世界の自動車生産台数の増加が見込まれており、お客様が求めるニーズもさらに多様化、高度化していくものと考えています。こうした需要をカバーし、多種多様な品揃えで差別化を図っていくため、各製造拠点の生産対応能力を拡大し、当社グループ内製率拡大のための設備投資計画を推進するとともに、調達先の生産能力拡大にも協業して生産体制の強化を図ります。
また、競争力強化のための生産技術の向上と自動化・省人化を追求すること、さらに生産体制整備のための人的資産への積極的な投資を実行してまいります。
具体的な施策の一例としては、進行中の米国子会社における工場拡張工事や、当社国内製造子会社のオーハシ技研工業株式会社鈴鹿工場の第2工場建設計画等があります。これらを積極的に推進し、中期的な目処として、売上高に占めるグループ製造部門の比率を現状の26%から40%に引き上げることを目指します。
(c) 調達機能の強化
主要調達先との関係強化により、新たなファブレス機能を創造することとともに、戦略的な関係を構築できる新たな調達先の開拓も推進してまいります。
お客様のニーズは多様化しており、そのニーズに対応するためには、自社の開発・製造機能の強化と併せ、高い技術力を有する調達先企業との連携をさらに強化し、事業活動を行うことが不可欠と考えております。具体的には、新たな資本提携・M&Aの検討とその実現に向けた協議・条件整備を進めるとともに、主要調達先との設備投資の協業、共同特許出願を念頭に置いた独自加工技術の共同開発を目指します。また、新たな強みの構築と弱みの補完に資する調達先の発掘活動にも取り組んでまいります。
(d) グローバル機能の強化
グローバルファクトリー機能を強化することと、当社グループのネットワーク(14拠点)を活かしたグローバル部品供給活動を推進するものです。具体的には、日本、北米、中国、タイの4極において、圧造・プレス・切削の3つの加工技術に対応できる生産体制を確立すること、及びお客様のグローバル生産に対応した世界ベストQCD(品質・コスト・納期)体制を確立することを目指します。
② 社会的価値創造のため、ESG経営を推進し、企業価値向上とサステナブル社会の実現に貢献する
当社グループが持続的成長を遂げるためには、経済的価値を追求するとともに、企業としての社会的責任を積極的に果たし、事業を通じた社会課題の解決に取組み、社会に利益を還元していくことが不可欠であると考えております。この考えのもと、多様な角度から社内外の課題を改めて整理し、ステークホルダーにとって、また当社グループにとっての重要性の2軸で優先順位を付け、地球環境課題・社会的課題・ガバナンス強化の3つの側面から社会とともに持続的な成長を遂げるための重要課題(マテリアリティ)を特定しました。また、ステークホルダーへの皆様への還元についても、重要な経営課題の一つとしてさらに積極的に検討してまいります。
当社グループは、ESG経営を推進し、これらの課題解決に向けた取り組みを実践してまいります。そしてSDGsの達成、すなわち持続可能な社会の実現に貢献し、すべてのステークホルダーの皆さまから信頼され、評価される企業グループの実現を目指してまいります。



文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ共通の取組
当社グループは、環境問題や社会問題などサステナビリティを巡る課題への対応、即ちESGへの対応を重要な経営課題の一つとして位置付け、2021年9月に制定した「ESGポリシー」に則して引き続き積極的な取組みを推進しています。
① ガバナンス
当社グループのサステナビリティ関連業務の推進、実行、管理等を行うための会議体として取締役会の直下に「ESG推進会議」を設置するとともに、ESG関連業務の専門部署として「ESG推進室」を設置しています。
また、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)関連事項の推進、審議、決定等を行う「D&I推進委員会」を設置しています。
当社グループは、ESG推進会議において、サステナビリティ関連のリスク・機会の定期的なモニタリングと評価を行っており、その中でも経営への影響が大きいと判断され、対応の強化が必要なリスク等は、取締役会及び内部統制委員会に適時に報告しており、取締役会による実効性のある監督を可能としております。取締役会は、これらの報告を踏まえ、当社グループ全体の戦略を検討し、中期経営計画やリスクマネジメント方針、事業戦略等に反映する体制を整えております。
<ガバナンス体制図>

② リスク管理
当社グループは、委員長を社長、委員を関係部門長で構成する内部統制委員会を設置し、当社グループの内部統制全般、コンプライアンス、リスク管理及び内部通報に関する重要案件についての報告・審議・決定を行う体制をとっています。同委員会では、経営視点及びオペレーショナル視点から各種のリスクを俯瞰し、全社的に対応すべき重要リスクを定め、優先的に対応しています。
中でも「環境(気候変動)」と「人的投資、多様性」は、中長期的な企業価値向上に影響を与えうる経営視点の重要リスクとして認識しています。
詳細については、
③ 戦略及び指標と目標
当社グループは、持続的な成長を遂げるための重要課題(マテリアリティ)をリスクと収益機会の両面で特定した上で、目標を設定して活動計画を策定し、具体的な取組みを推進・改善しています。
マテリアリティの特定プロセス及び特定したマテリアリティは以下の通りです。また、当社が特に重要であると判断した「環境(気候変動)」と「人的投資、多様性」の具体的な取組及び指標と目標は、後述の「(2)気候変動に対する取組」及び「(3)人的投資、多様性に関する取組」をご参照ください。その他のマテリアリティについては、

(2) 気候変動に対する取組(TCFD提言が推奨する4つの開示項目に沿った情報開示)
TCFD提言は、世界共通の気候関連情報開示の枠組みであり、すべての企業に対し、「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の4つの項目に沿った開示を推奨しています。その枠組みに沿った気候関連情報は以下のとおりです。
当社グループでは、ESG推進会議にて全社レベルでESGに関する方針・目標・実行計画の策定、及びリスク・機会の特定、ESG目標(KPI)に対する推進管理や評価、個別施策の審議、重点課題の策定と推進を実施しています。
気候関連リスクについては、環境マネジメントシステムと、ESG推進室によるCO2排出量施策推進管理を通じて毎月、モニタリングしており、主要なモニタリング項目については、四半期ごとに、施策・拠点・部門ごとの進捗状況をESG推進室から取締役会に報告しています。取締役会ではリスク・機会、ESG目標のモニタリングを実施し、気候関連リスクを、経営上重大な影響を与える可能性がある「主要なリスク」と統合した上で本リスクの低減策について審議し、決定を行っております。
当社グループでは、気候変動が自社の事業活動に及ぼすリスク・機会に関して、外部環境の変化や様々な状況下におけるリスクや機会を考慮するため、IEA(国際エネルギー機関)の「World Energy Outlook」や政府や国際機関が発行した将来予測に関するレポートなどを参考に、「脱炭素シナリオ(1.5℃~2℃)」と、「温暖化進行シナリオ(4℃)」の2つのシナリオを設定し、双方のシナリオにおいて、政策や市場動向の移行(移行リスク・機会)に関する分析、災害などによる物理的変化(物理リスク・機会)に関する分析及び対応策の立案を実施しました。
当社グループのリスク・機会の概要と事業への影響
(影響度の定義)大:売上の1%以上の影響、中:売上の0.1%~1%の影響、小:売上の0.1%未満の影響
(時間軸の定義)短期:~1年、中期:1年~4年、長期:4年~26年
③ 指標と目標
当社グループでは、気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、温室効果ガス排出量を指標と捉え、GHGプロトコルに基づき算定を実施しております。気候変動問題への取組みとなる「地球環境課題への対応」では、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたCO2排出削減活動の推進のため、2018年度のScope1,2排出量実績7,200tを基準として、「2030年度にScope1,2の排出量の50%削減」、「2050年度にScope1,2を100%削減」と脱炭素シナリオに沿った長期目標を策定しております。当社グループは引き続き各国の法規制、自動車市場の環境、顧客動向等を踏まえて対応策の検討・見直しを行いつつ、2050年カーボンニュートラルに向けCO2削減の取組みを着実に実施してまいります。
当社グループの温室効果ガス排出量 削減目標
(t-CO2)
当社グループの温室効果ガス排出量
(t-CO2)
・2024年度の温室効果ガス排出量は、Scope1が前年度比11t-CO2の増加、Scope2が前年度比32t-CO2の減少、Scope3は前年度比3,932t-CO2の増加となりました。
・特にScope2は、年間平均気温が史上最高を記録する状況の中で、前年に実行した照明器具LED化(国内全拠点の工事完了)の効果やFIT非化石証書の購入により、昨年に続き、国内排出分を「実質的にゼロ」としました。
・また、子会社であるオーハシ技研工業株式会社鈴鹿工場において太陽光発電設備の設置が完了し、2025年4月12日に稼働を開始しました。当該設備により2025年度以降の温室効果ガス排出量は毎年257t-CO2が削減される見込みです。
※ 算定基準
Scope1:各燃料の年間使用量×各燃料のCO2排出原単位(「地球温暖化対策の推進に関する法律」の「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」に基づく原単位を使用)
Scope2:国内はマーケット基準、海外はロケーション基準で算定
Scope3:環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン (ver.2.5)」に基づき算定したカテゴリ1~7の合計値を記載
※ 当社グループでは、2025年6月に「オーハシテクニカグループ TCFD提言の枠組みに沿った情報開示」を作成し、より詳細な情報開示を行っています。当社WEBサイトをご参照ください。
(3) 人的投資、多様性に関する取組
<人材の多様性確保を含む人材育成に関する方針、及び社内環境整備に関する方針>
自動車業界は大きな構造変化とカーボンニュートラル等の社会的課題に直面しており、その中において当社グループの更なる成長を支える人材の育成は経営の最重要課題の一つです。当社グループは2024年4月に「ダイバーシティ&インクルージョン ポリシー」を制定し、多様な価値観や才能、経験を持つ人材が安心して能力を発揮できる職場環境を構築することで、イノベーションや新たな価値を創出し成長し続ける企業を目指す取組みをこれまで以上に積極的に推進しています。
また、成果が公正に評価され、適切に処遇に反映される仕組みを作るとともに、役職員の成長をサポートする教育・研修システムのレベルアップに取組んでいます。
① ガバナンス及びリスク管理
「(1)サステナビリティ共通の取組 ①ガバナンス、②リスク管理」をご参照ください。
② 戦略
社内における人材の多様性を確保し、多様性による組織内活力の創造を図るべく、性別・国籍・社歴等に係わらない人材登用を行う方針を明確にしています。そしてそれら多様な人材が働きがいを感じ、長期間にわたり勤務できるよう以下の環境整備に取組んでいます。
(a)能力・成果の公正な評価と評価に見合う処遇の実施
・人事制度、評価制度の再構築
・報酬体系の見直し(退職金制度改定を含む)
(b)ダイバーシティ(多様性)の推進
・中核人材登用における多様性の確保(女性、中途入社社員、現地社員等)
・シニア人材の活躍の推進(65歳への定年延長、65歳以上の嘱託制度設置)
・障がい者雇用の推進
・働き方改革の推進(有給休暇の取得推進、時間外勤務の削減、ITを活用した業務の効率化等)
(c)役職員の成長サポート、人材投資
・経営人材の育成、次世代管理職の育成、専門性向上、ITスキル等の新たな時代の変化に対応できる能力の開発を図るための教育・研修プログラムのレベルアップ
③ 指標と目標
上記の方針に基づく多様性確保の進捗状況を端的に示す指標、及びその目標と実績を以下の通り設定しました。
なお、以下の指標、及び目標と実績は、女性活躍推進法に基づき公表している会社のみを記載しております。
(a)管理職に占める女性労働者の割合(提出会社、オーハシ技研工業㈱)
2025年3月31日現在
海外では女性社員の管理職登用は相応に進んでおり、特に中国、アセアン(タイ)では既に多くの女性管理職が重要な地位を占めています。地域別、グローバルでの女性の管理職への登用状況は次の通りです。
今後ともグループ全体において性別に係わらない管理職への登用を積極的に進めてまいります。
2025年3月31日現在
(b)採用者に占める女性労働者の割合(提出会社)
採用者に占める女性労働者の割合は現段階では低位に留まっていますが、新卒採用、中途採用において女性社員の採用に積極的に取組んでおります。
(c)管理職に占める中途社員の割合(提出会社)
当社の管理職における中途社員の割合は、ライン部門(営業、調達、品質保証)で42.1%、管理部門で90.9%、合計で60.0%を占めており、中核社員登用において社歴に係わらない登用が定着しています。
(d)有給休暇取得率(提出会社)
全社で期初に有給休暇取得計画を策定し、期中にその計画的消化を図ることで、引続き積極的な取得推進に努めてまいります。
(e)男性の育児休業等と育児目的休暇取得率(提出会社)
2024年度に配偶者が出産した男性従業員のうち、育児休業等を取得した男性従業員数の比率は80.0%でした。今後も男性社員の育児休暇取得の定着に努め、2026年以降は100%の取得を目指します。
④ その他取組事項、実績
役職員の成長サポート(教育体制)、人材投資
a. 当社では、社内教育を担う推進母体である「教育推進委員会」が独自の社内教育システムを運営しています。具体的には、部門長向けの「経営管理者教育」を始め、「管理者教育」「リーダー教育」「中堅教育」「基礎教育」「新入社員研修」からなる集合教育とOJTを実施しています。
b. さらに技術知識試験制度として「見積技能・商品知識試験」、自己啓発による応募論文制度として「研修論文制度」を長く運営しており、社員の技術知識水準の向上、自己啓発意識の醸成に努めています。
c. これら教育研修費用、新卒・中途の採用費用・入社後研修費用、人事制度改定等に伴う投資等を「人的資本投資」と捉え、今後も積極的な投資を行ってまいります。
当社グループでは、各部門ごとのリスク管理の状況につき、月次で開催する主管業務報告会で、主要部門からの報告を行い、取締役による監督を受けております。また、内部監査部門による監査結果報告も受け、内部統制委員会において、各種リスクに関する現状認識とその低減策について協議する体制としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 内外経済動向に係るリスク
当社グループが事業を展開する日本国内並びに海外各地域における景気、金融などの経済動向の変動や、これらの影響を受ける自動車メーカーの生産動向、個人消費動向の変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替相場の変動に伴う円貨換算リスク
当社グループは、現在、海外では米州、中国、アセアン、欧州及び台湾において生産、販売活動を展開しているため、為替の変動によって当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。海外子会社の資産・負債については円高が進行すると、それらの子会社に係る為替換算差額が生じ、純資産が減少するリスクがあります。また、海外子会社の収益は主に現地通貨をはじめとする外貨建てであり、円高が進むと当社グループの連結純利益にマイナスの影響が生じます。
(3) 特定の産業への依存リスク
当社グループは、国内外において、自社の生産拠点で行う「ファクトリー機能」と、部品製造を国内で調達先企業と共同して行う「ファブレス機能」を併せ持つ部品サプライヤーであります。
事業の内容は、「自動車関連部品事業」「その他関連部品事業」の2つに区分しておりますが、「自動車関連部品事業」の比重が圧倒的に高くなっており、自動車産業の生産動向が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 価格競争リスク
得意先からの値下げ要請、海外市場での現地競合先の価格・品質面での競争力向上等により、価格競争が激化し、結果として、販売単価値下げによる収益率低下、失注等をもたらし、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、製造部門及び調達先との協業による原価改善を通じ、価格面での競争力維持向上のための施策を推進しておりますが、加えて、品質、デリバリー、加工技術開発力等も含めた総合力での優位性・競争力の維持向上を図ることにより、価格競争の影響を最小限とするよう努めております。
(5) 原材料価格又は為替等の変動により調達に係るコストが上昇するリスク
原材料価格・エネルギーコスト・労務費等の上昇、又は輸入品における為替・海上物流費用・関税等の変動により当社グループにおける材料・部品等の調達価格、又は調達に係るコストが上昇する場合において、価格・コスト上昇分を販売価格に転嫁できない場合に、収益率低下等をもたらし当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、調達価格の上昇分について、得意先と販売価格への転嫁を協議し、損失を最小化するよう努めております。
また、輸入品における海上物流費用や為替、関税等の変動の影響を最小限に抑えるため、グループ各社における現地調達品や内製品の取扱比率の拡大を図るべく、取組みを進めております。
(6) 在庫リスク
当社グループは、得意先からの注文・内示・生産計画等の情報を受けて、製造又は調達先への部品等の手配を行いますが、得意先の急激な減産や生産終了等の情報に適時に対応できなかった場合に、過剰在庫を抱えるリスクがあります。かかる場合に、得意先による在庫の買取り、補償等が得られない場合は、商品廃棄損の計上を余儀なくされ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、逆に得意先からの増産の要請に対しても適時に対応しなければ、得意先に欠品を生じさせてしまうリスクがあります。
当社グループでは得意先からの増減産、生産終了、設計変更等の情報をタイムリーに入手し、製造部門や調達先にも展開した上で、適正な在庫を維持できるよう、手配及び在庫の管理体制を整備しております。
(7) 与信リスク
当社グループでは、得意先に対する取引金額の上限である与信枠の設定を行い、不良債権発生の未然防止に努めております。しかしながら、得意先の急激な業績悪化等により、債権が回収不能となった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、取引金額が与信限度額の一定比率(アラームポイント)に達した時点で、営業と出荷担当部門に注意喚起(アラーム)を発信し、与信限度内での取引への調整及び対策を促しております。また、毎年一回、与信限度額の見直し時に取引状況、業績、財務内容の定期的チェックを行うとともに、業績が悪化している得意先については随時業績と支払状況の確認を行い、債権回収に滞りが発生しないよう管理しております。
(8) 海外事業における規制等リスク
当社グループが事業を展開している各国において、関税、輸入規制、労働を含む法令・制度等に変化があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業に係る各国の法律・規制変更の情報をタイムリーに入手し、本社と変更内容及び対応方針を共有することで、法令・規制等の変更リスクに的確に対処するようグループ内で徹底しております。
(9) 災害等、サプライチェーンのリスク
当社グループは、大規模な自然災害の発生時に事業への影響を最小化するため、事業継続計画(BCP)の構築を行っています。しかしながら、想定を超える災害等の発生により、自社の事業所又は調達先における事業活動の遅延・停止等、サプライチェーンの寸断が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、まず社員の人命安全確保を最優先とした災害時安否確認システム、基幹システムのバックアップ体制を整備している他、地震・水害のシナリオを想定し、重要業務の早期復旧のための対策を進めております。特定調達先に依存している調達部品への対応も含め、サプライチェーン情報を常にアップデートするとともに主要部品に関する代替調達先の検討を進め、サプライチェーンの寸断によるリスクを最小限とするよう努めております。
(10) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループでは、事業活動を通じ取引先や当社グループの機密情報・重要情報等を保有しており、これらの情報管理体制を整備しておりますが、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染等により、情報システム障害及び情報の漏洩等につながる場合、当社グループの信用低下を通じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、これらのリスクを回避するため、情報システムの可用性の向上を図るとともに、ハード・ソフト両面のセキュリティ対策を実施しています。また、サイバー攻撃による被害を想定した復旧対策を含め、事業継続計画(BCP)の見直しを進めております。
(11) 品質管理におけるリスク
当社グループでは、「私たち、オーハシテクニカの社員は優れた品質で世界のお客様に最高の満足を提供します」とする品質理念を掲げ、厳格な品質保証体制を整備しております。しかしながら、万一、当社グループの製品の欠陥・不良等が原因となって得意先における製品の欠陥等を生じさせた場合に補償を求められる可能性があります。
当社グループでは、品質管理に影響を与える過去事例を分析し、未然防止を徹底することで、製造部門・調達先における品質管理体制の維持向上を図るとともに、重大なトラブルの発生時に備えて製造物賠償責任保険に加入し、これらのリスクを最小限とするよう努めております。
(12) 環境に関するリスク
当社グループでは、環境関連法令・諸規制を遵守し、環境管理体制の整備、継続的改善と汚染の予防に努めております。また、グリーン調達を推進するガイドラインを制定し、調達先にも展開することにより、環境活動を推進しております。
今後、当社グループが事業を展開する地域における規制・法令の変更がある場合に、対応が求められる可能性がありますが、これら諸規制の動向を注視し、変更時に的確に対処するよう徹底しております。
また、当社グループでは、地球温暖化に伴う気候変動のリスクを、中長期にわたり自社の事業活動に影響を与える可能性のあるリスクと捉え、ESG経営推進の大きな柱である「地球環境課題への対応」として、CO2排出削減活動の推進等、気候変動への対応に係る取組方針を掲げています。気候変動が当社グループに与えるリスクとその対応策に関しては、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組(2)気候変動に対する取組」に記載のとおりです。
(13) 人材確保におけるリスク
当社グループは日本の他、世界6か国で操業しており、ビジネスモデルとしての商社機能の他、グループ内で製造機能、物流機能を有しており、相応の人員を確保する必要があります。そのため各部門にて業務の効率化、機械化、IT化等を積極的に進めるものの、国内では少子高齢化の進展、海外では各国における労働力不足等の労働市場の変化に伴い、人件費の上昇、採用難易度の上昇、採用コスト増大のリスクがあります。
また、当社グループの事業分野である自動車業界の変革が進む中で、新たな価値を創出し得る「専門性を有する人材や様々な価値観を有する多様な人材」を十分に確保できなかった場合、当社グループの持続的な成長に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、人材獲得については大学等の学校との関係強化、人材紹介会社の活用強化、同業種企業からの採用情報ルートの拡充に努める等、積極的に取り組んでおります。また、国内では既に定年を65歳に延長し、その後も70歳まで働ける嘱託制度も設け、シニア層の活躍の場の拡充に努めております。
人的投資、多様性に関する方針や対応策に関しては、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的投資、多様性に関する取組」に記載のとおりです。
(14) 感染症に関するリスク
当社グループでは、日本を含め世界7か国で操業しており、グローバル化が進展した今日、各国、及び全世界の拠点にて役職員の感染リスク、或いは感染拡大により事業継続が困難となるリスクがあります。
当社グループでは、役職員及びその家族の安全と健康維持を最優先事項と捉え、事業を展開する各国の保健・衛生当局の指針に沿った防疫対策を行うことを徹底し、マスク、消毒液等の衛生用品の備蓄を行っております。また社員が出社できない状況となった場合にも業務継続が可能となるよう、不可欠な業務についてテレワークを可能とする体制を構築しています。
また、グループ共通の「感染症対応要領」を制定し、各国で保健・衛生当局の指導内容に準拠した各職場での感染症対策を徹底するとともに、感染状況に応じて出社抑制、在宅勤務、一時休業等の勤務対応を実施し、感染による業務への影響を最小限に抑制する対応策を整備しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、全体として底堅い景気回復が続いた一方、ウクライナでの戦争や中東での紛争の継続、中国経済の減速、米国新政権の関税をはじめとする政策への懸念等、先行き不透明な情勢が続きました。
当社グループの事業分野であります自動車業界におきましては、北米では引続き販売が堅調に推移しましたが、中国での地場メーカーによるEV車の更なるシェア拡大、タイでの内需不振、日本での一部メーカーの減産の影響もあり、日系自動車メーカーのグローバル生産台数は前年を下回りました。
このような環境下、当社グループは前々期からスタートした4カ年の「中期経営計画~Mission2025~」の計画期間を2年延長して「中期経営計画~Mission2025+2~」とし、「経済的価値の追求」と「社会的価値の創造」を引続き推進することと併せ、資本コストをより意識した効率的な経営の実現に向け取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度の連結売上高は、国内での一部乗用車メーカーの減産や、中国及びアセアンでの乗用車・商用車の減産の影響があったものの、日本及び北米での新規受注品の売上寄与や円安による為替換算のプラス影響もあり、40,017百万円(前年同期比2.1%増)となりました。一方、連結営業利益については、仕入価格・原材料価格の高騰と中国事業の影響が続いたものの、全体での売上増加と価格改定による売上総利益率の改善等により、1,782百万円(前年同期比8.6%増)となりました。また経常利益は2,362百万円(同18.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,522百万円(同51.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(セグメント売上高は、外部顧客に対するものであり、セグメント利益は、当期連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。)
〔日本〕
新規受注品の売上寄与はあったものの、主要得意先自動車メーカーの減産の影響があり、売上高は19,303百万円(前年同期比0.0%減)となりました。セグメント利益は、価格改定による売上総利益率の改善等により、972百万円(前年同期比17.5%増)となりました。
〔米州〕
主要得意先自動車メーカーの生産が概ね堅調に推移し、新規受注品の売上寄与や円安に伴う為替換算のプラス影響も併せ、売上高は13,630百万円(前年同期比15.4%増)となりました。セグメント利益は、売上増加により547百万円(前年同期比84.1%増)となりました。
〔中国〕
地場メーカーがEV車シェアをさらに拡大する一方、日系自動車メーカーの生産減少が続いており、売上高は2,722百万円(前年同期比24.5%減)となりました。セグメント損失は、売上減少と事業再構築等に伴う一時費用の計上もあり、232百万円(前年同期はセグメント損失72百万円)となりました。
〔アセアン〕
タイ経済の減速や自動車ローン取扱いの厳格化による自動車販売の低迷を受け、主要得意先自動車メーカーの減産が続いており、売上高は2,938百万円(前年同期比5.8%減)となりました。セグメント利益は、売上減少により370百万円(前年同期比5.4%減)となりました。
〔欧州〕
主要得意先自動車メーカーの減産はあったものの、新規受注品の売上寄与や円安に伴う為替換算のプラス影響により、売上高は1,422百万円(前年同期比4.1%増)となりました。セグメント利益は、価格改定や仕入原価の改善等により70百万円(前年同期比68.1%増)となりました。
〔台湾〕
台灣大橋精密股份有限公司は、グループ間取引のみのため、外部顧客への売上高はありません。
グループ会社向けの輸出が増加し、セグメント利益は42百万円(前年同期比38.9%増)となりました。
当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末比2,161百万円増加し、48,683百万円となりました。これは主として、受取手形、売掛金及び契約資産の減少がありましたが、現金及び預金、商品及び製品、有形固定資産が増加したことによるものであります
負債の残高は、前連結会計年度末比232百万円減少し、9,029百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金、電子記録債務が減少したことによるものであります。
純資産の残高は、前連結会計年度末比2,393百万円増加し、39,653百万円となりました。これは主として、配当金の支払や自己株式の取得がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や為替換算調整勘定が増加したことによるものであります。なお、自己株式は、既存保有分の消却により499百万円減少しましたが、取得により560百万円増加し、477百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ639百万円増加し、17,015百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、2,761百万円の資金の増加(前連結会計年度は2,654百万円の増加)となりました。
これは主に、仕入債務の減少878百万円や法人税等の支払額が660百万円ありましたが、税金等調整前当期純利益を2,288百万円計上したこと、また売上債権の減少1,064百万円や、減価償却費を983百万円計上したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、1,383百万円の資金の減少(前連結会計年度は5,546百万円の減少)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得1,415百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、1,568百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,362百万円の減少)となりました。
これは主に、配当金の支払846百万円及び自己株式の取得559百万円によるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は実際原価によっております。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は仕入価格によっております。
(c) 受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(d) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は40,017百万円(前年同期比2.1%増)となりました。国内では、新規受注品の売上寄与はあったものの、主要得意先自動車メーカーの減産の影響があり、売上高は19,303百万円(同0.0%減)となりました。海外では、中国及びアセアンでの乗用車・商用車の減産の影響があったものの、米州での新規受注品の売上寄与や円安による為替換算のプラス影響により、米州は13,630百万円(同15.4%増)、中国は2,722百万円(同24.5%減)、アセアンは2,938百万円(同5.8%減)、欧州は1,422百万円(同4.1%増)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、仕入価格・原材料価格の高騰と中国事業の影響が続いたものの、全体での売上増加と価格改定による売上総利益率の改善等により、8,384百万円(同7.2%増)、売上総利益率は21.0%(同1.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、主に人的投資等のESG関連費用の増加、及び海上輸送運賃の高騰により、6,601百万円(同6.8%増)となりました。また、売上高販管費比率は16.5%(同0.7%増)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、上記の売上増加と売上総利益率の改善により、1,782百万円(前連結会計年度比8.6%増)、営業利益率は4.5%(同0.3%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、主に営業利益の増加により2,362百万円(同18.5%増)、経常利益率は5.9%(同0.8%増)となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別損失は、中国事業の再編に伴い発生した事業構造改革費用の計上等により、74百万円となりました。
当連結会計年度における当期純利益は1,542百万円(同51.2%増)となりました。主な増加要因は、経常利益の増加と特別損失の減少によるものです。
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1,522百万円(同51.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益率は3.8%(同1.2%増)となりました。
なお、報告セグメント別の業績は「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
・財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比2,161百万円増加し、48,683百万円となりました。これは主として、各製造拠点における製造機能の強化を目的とした設備投資による有形固定資産の増加、為替換算による現金及び預金の増加等によるものであります。
セグメント別では、国内では、設備投資における固定資産の増加がありましたが、配当金の支払いや自己株式の取得による現金の減少により、前連結会計年度末比635百万円減少し、28,434百万円となりました。海外では、米州で前連結会計年度末比1,837百万円増加し13,428百万円、中国で前連結会計年度末比506百万円増加し6,994百万円、アセアンで前連結会計年度末比477百万円増加し5,608百万円、欧州で前連結会計年度末比245百万円増加し1,432百万円、台湾で前連結会計年度末比50百万円増加し、580百万円となりました。
(負債)
負債は、前連結会計年度末比232百万円減少し、9,029百万円となりました。これは主に、仕入債務の減少によるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末比2,393百万円増加し、39,653百万円となりました。これは主に、配当金の支払、自己株式の取得がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に加え、為替換算調整勘定の増加によるものであります。なお、自己株式は、既存保有分の消却により499百万円減少しましたが、取得により560百万円増加し477百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。
当社グループの主要な資金需要は、販売のための商品仕入、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備、改修等に係る投資であります。
当社グループの持続的な成長・企業価値の向上を図るためには、グローバル事業体制の拡充、強みのある製造基盤の構築を実現するための資本投下、製造設備の強化、M&Aを含めた投資等の検討が不可欠と考えております。
中長期的な経営戦略に沿った開発・製造機能の強化、特にグループ製造拠点の生産能力拡大のための設備投資と主要調達先との戦略的資本提携に資金の投入を行う方針です。また、安定的な還元と積極的な資本政策についても引続き取り組んでまいります。
これらの資金需要につきましては、自己資金を中心に対応していくこととしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
この連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直され、会計上の見積りの変更による影響は、その見積りが変更された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」、個別財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものは「第5 経理の状況 2.財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループは、独自技術である圧入プロジェクション接合技術に加え、子会社の保有する精密冷間鍛造技術をはじめとする各種技術、さらには調達先企業との協業により、当社独自の強みの創造を目指して研究開発活動に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発費の金額は、日本国内を中心に、総額