第3 【第三者割当の場合の特記事項】
1 【割当予定先の状況】
注1.「割当予定先の概要」欄及び「提出者と割当予定先との間の関係」の欄は、本届出書提出日現在におけるものであります。
注1.「割当予定先の概要欄」及び「提出者と割当予定先との間の関係」欄は本届出書提出日現在におけるものです。
Seacastle Singapore Pte.Ltd(以下、「Seacastle」といいます。)は、海運業及びファイナンス業を行っているシンガポールの会社です。これまで日本上場企業への投資、資金調達に寄与した実績があり、GFAにも投資した実績があります。2023年12月28日付で発行した第1回無担保転換社債型新株予約権付社債(転換価額修正条項付)並びに行使価額修正条項付き第12回新株予約権及び第14回新株予約権発行の引受先であります。その後、2025年1月8日開催の取締役会決議に基づく第三者割当により発行した新株式及び、第16回新株予約権及び第17回新株予約権の割当先として、既に引受及び払込実績を有しております。SeacastleがGFAの第三者割当を引き受けた具体的な経緯ですが、2022年12月頃に株式会社Day one partners(以下、「Day one partners」といいます。)(所在地:東京都千代田区神田和泉町一丁目6番16号 事業内容:セールスコンサルティング事業・メディア事業等)の当時の代表取締役の伊東快氏(以下「伊東氏」といいます。)からGFAの当時の代表取締役で、専務取締役である片田朋希氏(以下「片田氏」といいます。)がSeacastleの紹介を受けております。2023年6月頃にGFAの財務状況から第三者割当の検討を始めるにあたり、片田氏が伊東氏に対して割当先を探している旨を相談したところ、Seacastleの代表者であるTang Koon Heng氏(以下「Tang氏」といいます。)とのミーティングのセッティングを受け、その後、片田氏がGFAの経営方針及び資金ニーズおよび新株予約権付社債及び新株予約権のスキームを2023年7月中旬に説明したところ、2023年7月下旬に賛同を得て、2023年12月28日付で発行した新株予約権付社債並びに行使価額修正条項付き新株予約権及び新株予約権による第三者割当の引受先に選定となりました。
2025年1月8日付で発行した第三者割当についても、GFAがDay one partners経由でSeacastleに再度相談し、2024年9月下旬に賛同を得て、新株式及び新株予約権による第三者割当の引受先に選定となりました。
後述のとおり、本第三者割当の引受先の1社であるGFAの専務取締役である片田氏より2025年1月上旬にファンドマネージャーであるTang氏と調整いただき、2025年2月に同社からの紹介により接点を持つようになりました。2025年2月上旬にTang氏が国外におられることからZOOMによるミーティングのセッティングを受けました。このミーティングでは当社の経営方針・経営戦略、当社事業の将来性等について説明をし、その後のZOOMによるミーティングでは当社の資金ニーズや成長戦略について説明を行い、2025年2月中旬に賛同を得て、新株予約権による本第三者割当の引受に応じていただきました。本第三者割当による本新株予約権については割当予定先が純投資を目的としていることから、当社の経営に参加し、また当社を子会社化又は系列化する意向がないことが明らかであることを口頭で確認していることから、同社を割当予定先として適切と判断し選定しております。
当社は、当社取引先である東京フィナンシャル・アドバイザーズ(所在地:東京都千代田区永田町一丁目11番28号)の代表取締役である能勢元氏の紹介により、2024年8月にGFA専務取締役である片田氏の紹介を受け、2024年10月に当社代表取締役である川倉歩(以下「川倉」といいます。)との面談を実施し、当社の経営方針・経営戦略、当社事業の将来性等について説明をし、2025年1月に当社から片田氏に対して新株式及び新株予約権の引受に係る打診を行いました。打診する前に社内では、資金調達の目的と必要額の明確化、事業計画・成長戦略の精査、出資を受けた後の経営への影響等を検討しており、その後、数度の電話等による話し合いを経て片田氏に応諾を頂き、2025年2月に当社は片田氏より新株式及び新株予約権発行の提案を受け、この時にSeacastleも割当先とする旨の提案を受けております。なお、話し合いの中では当社の資金ニーズや成長戦略について説明を行い、片田氏にご理解をいただいております。当社としては、成長戦略において有益な協力関係が築け、当社の企業価値向上に資する可能性があることから、割当先として適切と考えておりますし、GFAにおいては、東京証券取引所スタンダード市場に上場する会社であり、傘下に子会社を10数社持ち多様な事業に投資を実行していること等を総合的に勘案し、同社を割当予定先として適切と判断し選定しております。
割当予定先であるSeacastleは、新株予約権の発行により取得する当社普通株式について当社の株式価値向上を目指した純投資であり、本新株予約権の行使により交付を受けることとなる当社普通株式については、保有期間は短期でありますが、市場に過度な影響がないよう市場動向を勘案しながら適時適切に売却する方針であることを、当社の代表取締役である川倉が、Seacastleの代表取締役であるTang氏にZOOMによるミーティングで、口頭により確認しております。
割当予定先であるGFAは、基本的に純投資を目的としており、割当予定先も本第三者割当により自身が受けることとなる当社普通株式については、市場動向を勘案しながら売却する方針である旨を、当社の代表取締役である川倉が、GFAの専務取締役である片田氏に口頭で確認しております。また、当社は割当予定先から、本新株式の払込期日から2年以内に本新株式の全部又は一部を譲渡した場合には、その内容を当社に対して書面により報告すること、当社が当該報告内容を東京証券取引所に報告すること、及び当該報告内容が公衆の縦覧に供されることに同意することにつき、確約書を払込期日までに取得する予定であります。また、新株予約権の発行により取得する当社普通株式について当社の株式価値向上を目指した純投資であり、本新株予約権の行使により交付を受けることとなる当社普通株式については、保有期間は短期でありますが、市場に過度な影響がないよう市場動向を勘案しながら適時適切に売却する方針であることを、当社の代表取締役である川倉が、GFAの専務取締役である片田氏に口頭で確認しております。
当社は、本第三者割当の引受に係る払込みについて、割当予定先を名義とする銀行口座の写し(2025年7月8日付)及び証券口座の写し(2025年7月8日付)により、Seacastleとしての運用資金が合計189百万円を超える残高を現時点で保有していることを確認しております。
なお、Seacastleにおける運用資金は流動性が高く、即時売却可能な上場株式等の金融資産を保有していることから、本新株予約権の発行に際して、また本新株予約権の行使にあたっても即時に動かせる運用資金であることをファンドマネージャーであるTang氏より伺っております。本新株予約権の行使資金につきましては、割当予定先は一度に当該行使金額の総額の行使を行うだけの資金を保有しておりません。しかしながら、本新株予約権の行使については、本第三者割当による取得した本新株予約権の行使により取得した当社普通株式を市場で売却し、売却資金をもって、権利行使を繰り返す方針であることの説明をTang氏より当社の代表取締役である川倉が口頭にて確認しております。
当社は、割当予定先から提出を受けた2024年12月25日~2025年7月16日までの取引履歴の写し、同年1月14日~同年7月16日までの取引履歴の写し、同年6月9日~同年7月16日までの取引履歴の写し、同年4月1日~同年7月16日までの取引履歴の写しの受領により、割当予定先が現預金832百万円を保有していることを確認しました。これにより、本新株式の引き受け及び本新株予約権の払込みに要する資金が確保されていることを確認しております。資金原資の内、430百万円については借入金であり、借入先はバイオセラミック株式会社(住所:東京都港区六本木二丁目2番7号クレール六本木304、代表取締役 櫻井重彰 以下、「バイオ」といいます。)になります。GFAとバイオとの関係についてですが、GFAの専務取締役である片田氏は、GFAの代表取締役に就任する以前、複数の証券会社に所属しており、当時の顧客であった方の一人がバイオの代表取締役である櫻井氏であります。2025年5月初旬頃、別案件でミーティングをした際に、片田氏から櫻井氏に、第三者割当増資の引き受けに関して相談したところ、櫻井氏より引き受けではなく、1年程度の短期間の貸付が可能という内容で回答を受領しました。今回、改めて櫻井氏に借入について打診したところ快諾をいただきを借入を行っており、GFAとバイオは初めての取引となります。また、当該借入契約は二契約となり、契約条件については契約①が(金額:80百万円、利息:年1%、担保:無し、返済期日:2025年12月25日)、契約②が(金額:350百万円、利息:年15%、担保:無し、返済期日:2025年12月25日)となります。2025年7月16日以降の支出により、現預金残高が減少した場合には、割当予定先は、借入により得られる資金を原資として充当する意向である旨を、口頭にて確認しております。また本新株予約権の行使に係る資金が2025年7月16日の時点では確保されておりませんが、短期間での売却を目標とし、本新株予約権の行使及び売却により資金を確保する意向である旨をGFAの専務取締役である片田氏より口頭にて確認しております。
当社は、割当予定先であるシンガポール法人(以下、「割当予定先等」といいます。)について、暴力団等の反社会的勢力であるか否かについて、独自に専門の第三者調査機関であるリスクプロ株式会社(住所:東京都千代田区九段南二丁目3番14号、代表取締役 小板橋仁)に調査を依頼し、同社より調査報告書を受領しました。当該調査報告書において、当該割当予定先等の関係者が反社会的勢力とは何ら関係がない旨の報告を受けております。なお、Seacastle Asset Management Pte.Ltd.が運用を行うファンドにおいては、ファンドの出資者はファンド側の守秘義務契約により非開示であるため、把握できておりませんが、出資者が反社会勢力でない旨は、ファンド独自のコンプライアンスにて確認をしており、その結果を経てシンガポールの金融庁に登録をしていることから確認をしております。上記のとおり割当予定先等、割当予定先等の役員又は主要株主(主な出資者)が反社会勢力とは一切関係がないことを確認しており、別途その旨の確認書を株式会社東京証券取引所に提出しています。
当社は、割当予定先であるGFA株式会社が、2025年7月4日付のコーポレートガバナンス報告書 Ⅳ内部統制システム等に関する事項 2.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況において、「反社会的勢力排除に向けた体制を構築し、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力とは一切関わりを持たず、また不当な要求に対しては、断固としてこれを拒否します。また、新規取引先については、原則として日経テレコンを用いて情報収集を行い、反社会的勢力との関係の有無を調査しております。」との記載を確認しております。また、当社は、割当予定先が「反社会的勢力に対する基本方針」に基づき、反社会的勢力との関係遮断に関する組織的な対応を推進するための統括部署を設置する等、反社会的勢力排除のための取組みを行っていることを割当予定先からのヒアリング等により確認しております。
割当予定先であるGFAは、株式会社ユニ・ロット及び株式会社ジェンスとの間で株式貸借に関する契約を締結しています。
株式会社ユニ・ロット:貸借株数(上限)745,000株、契約期間 2025年6月4日~2026年6月3日
株式会社ジェンス :貸借株数(上限)368,700株、契約期間 2025年6月4日~2026年6月3日
GFAは、本新株予約権の行使を円滑に進める目的で、当社普通株式の貸株を活用する予定です。ただし、本新株予約権の行使によって取得する予定の当社普通株式の数量の範囲を超えて、空売りを目的として当社普通株式の貸株を使用することはありません。
2 【株券等の譲渡制限】
本新株予約権は、会社法第236条第1項第6号に定める新株予約権の譲渡制限はありませんが、本割当契約における制限として、割当予定先が本新株予約権を第三者に譲渡する場合には、当社取締役会の決議による当社の承認を要する旨の制限が付されております。ただし、割当予定先が、本新株予約権の行使により交付された株式を第三者に譲渡することを妨げません。
3 【発行条件に関する事項】
当社は、割当予定先との間で本新株式における発行価額は、割当予定先との協議の結果、本新株式に係る取締役会決議日の直前取引日(2025年7月16日)の株式会社東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値248円を基準とし、直前取引日の終値である248円から9.68%ディスカウントした224円といたしました。
上記発行価額は、直近の市場価額に基づくものが合理的であると判断したこと及び、日本証券業協会「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(2010年4月1日付 以下、「日証協指針」といいます。)によれば、第三者割当により株式の発行を行う場合には、その払込金額は原則として株式の発行に係る取締役会決議の直前日の価額(直前日における売買がない場合は、当該直前日から遡った直近日の価額)を基準として決定することとされているため、本第三者割当の発行価額を決定する際にも、本第三者割当に係る取締役会決議の直前営業日の終値を基準といたしました。
また、発行価額のディスカウント率を9.68%といたしました。ヘルスケアソリューション事業においては、当社が以前より手掛けている医療IT商材について、新規需要が減少傾向にある中で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による販売減少も重なり、業績に影響を及ぼしました。地球環境ソリューション事業では、ドローン関連製品等の拡販については堅調であるものの、太陽光発電所の売買等の再生可能エネルギー関連の案件は個別性が高く、案件の発生タイミングを見通しづらいことから、事業全体として安定的な収益確保には至っておりません。また、一部の新規事業では想定通りの成果が得られず、不採算事業の見直し等にも取り組んでおりますが、一定の費用負担を伴っております。こうした要因が重なった結果、2019年9月期以降、継続して営業損失を計上しており、2023年9月期には、営業損失661,782千円、当期純損失659,130千円を計上し、2024年9月期においても引き続き営業損失844,815千円、当期純損失889,625千円を計上する結果となったこと、2025年9月期半期においても引き続き営業損失160,132千円、当期純損失249,017千円を計上する結果となったこと、さらにこのような状況により継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象や状況が存在していることを勘案し、割当予定先からの発行価額における10%程度のディスカウントの打診を受け、日証協指針に準拠する10%を超えない範囲で、相応の率をディスカウントすることはやむを得ないと判断し、発行価額について割当予定先のディスカウントに対する要望を受け入れた結果によるものとなります。
当該発行価額は、本第三者割当に関する取締役会決議日の当該直近営業日までの1カ月間の終値平均である265.14円から15.52%のディスカウント、当該直近営業日までの3カ月間の終値平均である243.52円から8.01%のディスカウント、当該直近営業日までの6か月間の終値平均である258.93円から13.49%のディスカウントとなっております。
本新株式の発行価額は、日本証券業協会の定める「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(平成22年4月1日付)に照らせば、会社法第199条第3項に定める特に有利な金額による発行に該当することはないことから、1株当たりの払込金額を224円として、第三者割当による本新株式の発行を行うことといたしました。
なお、本日開催の当社取締役会に出席した当社監査等委員3名全員(うち社外取締役である監査等委員の数:3名)から本新株式の発行価額については、取締役会決議日の直前取引日の終値に基づくものであることから、既存株主の利益保護の観点からも合理的なものであり、日証協指針も勘案されていることから、有利発行に該当せず、適法である旨の意見が述べられております。
本新株予約権の発行価額の公正価値の算定には、上場企業の第三者割当増資における公正価値の算定実績をもとに選定した第三者機関であるエースターコンサルティング株式会社(所在地:東京都港区西麻布三丁目19番13号、代表者:代表取締役 三平慎吾)(以下、「エースター」といいます。)に依頼し、本新株予約権の評価報告書を取得いたしました。当該機関は、割当予定先の権利行使行動及び株式売却動向並びに当社の本新株予約権取得動向について合理的に想定される仮定を置くとともに、当社の株価248円(2025年7月16日の終値)、行使価額(248円※直前取引日の終値である248円と同額)当社株式の市場流動性、配当率(0%)、割引率(リスクフリーレート0.844%)、ボラティリティ(42.48%)、クレジット・コスト(22.86%)及び1日当たりの売却可能株式数(直近3年間にわたる発行会社普通株式の1日当たり日次売買高の中央値(215,900株)の10%)等の諸条件等について一定の前提を置いて、権利行使期間(2025年8月5日から2028年8月4日まで)その他の発行条件の下、一般的な株式オプション価値算定モデルであるモンテカルロ・シミュレーションを用いて公正価値の算定を実施した結果、本新株予約権1個の払込金額を322円(1株当たり3.22円)と算定いたしました。割当予定先の権利行使行動に関しては、株価が行使価額を超過し行使が可能な場合には割当予定先は、1日当たりの売却可能株式数(直近3年間にわたる発行会社普通株式の1日当たり日次売買高の中央値(215,900株)の10%)を目途に直ちに権利行使を実施することを想定しています。
当社は、当該機関が上記前提条件を基に算定した評価額を参考に、割当予定先との間での協議を経て本新株予約権の1個の発行価額を当該評価額と同額の322円としました。
なお、本新株予約権の行使価額は本第三者割当増資に関する取締役会決議日の直前取引日までの1カ月間の終値平均である265.14円から6.46%のディスカウント、当該直近取引日までの3カ月間の終値平均である243.52円から1.84%のプレミアム、当該直近取引日までの6か月間の終値平均である258.93円から4.22%のディスカウントとなっております。
なお、本日開催の当社取締役会に出席した本日開催の当社取締役会に出席した当社監査等委員3名全員(うち社外取締役である監査等委員の数:3名)全員から、エースターは、本新株予約権に係る有価証券届出書の作成支援を行っておりますが、当社と継続的な取引関係は無いことから当社経営陣から一定程度独立していると認められること、割当予定先からも独立した立場で評価を行っていること、また、本新株予約権の価額算定方法としては市場慣行に従った一般的な方法で行われている同社の新株予約権算定報告書において報告された公正価値評価額と同等額の払込金額を決定していることから、有利発行でないことについて異論がない旨の意見が述べられております。
本新株式の発行により増加する株式数及び本新株予約権に係る潜在株式数は、それぞれ2,232,100株(議決権数22,321個)及び10,080,500株(議決権数100,805個)の合計12,312,600株(議決権数123,126個)となり、2025年3月31日現在の発行済株式総数10,803,600株(議決権数107,290個)に対して、本新株式の発行により20.66%(議決権比率20.80%)、本新株予約権の発行により93.31%(議決権比率93.96%)の合計113.97%(議決権比率114.76%)の希薄化が生じます。したがって、希薄化率が25%以上となることが見込まれることから、東京証券取引所の有価証券上場規程第432条に基づき、独立した第三者からの意見の入手又は株主の意思確認のいずれかの手続きを要することとなります。しかしながら、当社は、本資金調達により調達した資金を「5.新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の具体的な使途」の資金使途に充てることにより、当社企業価値の向上に資するものと考えており、本資金調達はそれに伴う希薄化を考慮しても既存株主の皆様にも十分な利益をもたらすことができると考えていることから、本資金調達に係る株式の発行数量及び希薄化の規模は合理的であると判断しました。
また、本新株式の発行及び本新株予約権全てが行使された場合の最大交付株式数12,312,600株を行使期間である3年間(245日/年営業日で計算)で売却するとした場合の1日当たりの数量は16,752株となり、当社株式の過去6ヵ月間における1日当たりの平均出来高376,233株の4.45%であり、これらの売却が市場内にて短期間で行われた場合には、当社の株価に影響を与える恐れがありますが、当社は割当予定先に対して当社株式を売却する場合には可能な限り市場動向に配慮しながら行うことを書面にて確認していることから、本資金調達が及ぼす株価への影響は限定的となるよう引受先からも配慮されているものと考えております。また、交付した株式が適時適切に市場で売却されることにより、当社株式の流動性向上に資することが期待されます。
これらを踏まえ、当社は、本第三者割当によって、当社グループの事業拡大を推進していくことが、早期に収益を拡大するための最良の選択であるとともに、中長期的に安定した経営基盤を構築することにつながり、ひいては当社グループの企業価値向上及び既存株主の株式価値向上につながるものと考えており、流通株式数の増加が見込まれるものと判断しております。
4 【大規模な第三者割当に関する事項】
本新株式の発行により増加する株式数及び本新株予約権に係る潜在株式数は、それぞれ2,232,100株及び10,080,500株の合計12,312,600株(議決権数123,126個)となり、当社の総議決権数107,290 個(2025年3月31日現在)に占める割合が114.76%と25%以上となることから、「企業内容等の開示に関する内閣府令 第2号様式 記載上の注意(23-6)」に規定する大規模な第三者割当に該当いたします。
したがって、希薄化率が25%以上となることが見込まれることから、東京証券取引所の有価証券上場規程第432条に基づき、独立した第三者からの意見の入手又は株主の意思確認のいずれかの手続きを要することとなります。しかしながら、当社は、本資金調達により調達した資金を「5.新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の具体的な使途」の資金使途に充てることにより、当社企業価値の向上に資するものと考えており、本資金調達はそれに伴う希薄化を考慮しても既存株主の皆様にも十分な利益をもたらすことができると考えていることから、本資金調達に係る株式の発行数量及び希薄化の規模は合理的であると判断しました。
また、本新株式の発行及び本新株予約権全てが行使された場合の最大交付株式数12,312,600株を行使期間である3年間(245日/年営業日で計算)で売却するとした場合の1日当たりの数量は16,752株となり、当社株式の過去6ヵ月間における1日当たりの平均出来高376,233株の4.45%であり、これらの売却が市場内にて短期間で行われた場合には、当社の株価に影響を与える恐れがありますが、当社は割当予定先に対して当社株式を売却する場合には可能な限り市場動向に配慮しながら行うことを書面にて確認していることから、本資金調達が及ぼす株価への影響は限定的となるよう引受先からも配慮されているものと考えております。また、交付した株式が適時適切に市場で売却されることにより、当社株式の流動性向上に資することが期待されます。
これらを踏まえ、当社は、本第三者割当によって、当社グループの事業拡大を推進していくことが、早期に収益を拡大するための最良の選択であるとともに、中長期的に安定した経営基盤を構築することにつながり、ひいては当社グループの企業価値向上及び既存株主の株式価値向上につながるものと考えており、流通株式数の増加が見込まれるものと判断しております。
5 【第三者割当後の大株主の状況】
(注) 1.2025年3月31日現在の株主名簿を基準とし、本届出書提出日(2025年7月17日)までに提出された大量保有報告書並びに変更報告書の内容を反映させ、記載をしております。
2.割当後の所有株式数及び割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合は、本第三者割当で交付される株式数及び本新株予約権に係る潜在株式数の合計12,312,600株(議決権数は123,126個)を加算して計算しております。
3.上記の割合は、所有議決権数の小数点以下第3位を四捨五入して算出しております。
6 【大規模な第三者割当の必要性】
当社は、前記「第1 募集要項 5 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途」に記載のとおり、本第三者割当増資により調達した資金は、運転資金等へ充当する予定であります。これらは早期に持続的な経営の安定化を行い、財務体質の改善を行うため、資金調達は必要不可欠であると考えております。
本第三者割当増資以外の方法による資金調達手法のうち、前記「第1 募集要項 5 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途〈本資金調達方法を選択した理由〉」記載のとおり、他の資金調達方法について検討した結果、他の手法と比較しても本第三者割当増資による資金調達は、現時点においては、当社として最適な資金調達方法であると判断しております。
また、本第三者割当増資は、自己資本の充実に伴う財務体質の健全化を図ることも可能となることから、持続的な経営の安定化を行い、自己資本比率の改善が期待できることから、本第三者割当による資金調達を実行することといたしました。
当社が本新株式の発行により増加する株式数及び本新株予約権に係る潜在株式数は、それぞれ2,232,100株(議決権数22,321個)及び10,080,500株(議決権数100,805個)の合計12,312,600株(議決権数123,126個)となり、2025年3月31日現在の発行済株式総数10,803,600 株(議決権数107,290個)に対して、本新株式の発行により20.66%(議決権比率20.80%)、本新株予約権の発行により93.31%(議決権比率93.96%)の合計113.97%(議決権比率114.76%)の希薄化が生じます。
しかしながら、当社は、大規模な希薄化を伴ってでも、前記「第1 募集要項 5 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途」に記載のとおり、本第三者割当増資により調達した資金は、当社グループの事業資金並びに運転資金に充当する予定であり、これらは持続的な経営の安定化を行い、財務体質の改善を実現するためには、必要不可欠であると考えていることから、既存株主の皆様にとっても有益であり、発行数量及び株式の希薄化規模は合理的であると当社取締役会においても判断しております。
上述のとおり、本第三者割当増資に係る希薄化率が25%以上となることから、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第432条の規定に基づき、①経営者から一定程度独立した者による当該割当の必要性及び相当性に関する意見の入手又は②当該割当に係る株主総会決議などによる株主の意思確認手続のいずれかが必要となります。
当社は、本第三者割当による資金調達について、株式の発行を伴うものの、現在の当社の財務状況及び迅速に本第三者割当による資金調達を実施する必要があることを鑑みると、本第三者割当に係る株主総会決議による株主の意思確認の手続きを経る場合には、臨時株主総会決議を経るまでに日数を要すること、また、臨時株主総会の開催に伴う費用についても相応のコストを伴うことから、総合的に勘案した結果、経営者から一定程度独立した第三者委員会による本第三者割当の必要性及び相当性に関する意見を入手することといたしました。
当社は、当社及び割当予定先との間に利害関係のない社外有識者である大谷龍生(日比谷見附法律事務所 弁護士)、市橋卓氏(当社社外監査等委員 弁護士)、杉原悠介氏(当社社外監査等委員 弁護士)、大原多鶴氏(当社社外監査等委員 公認会計士)の4名によって構成される第三者委員会(以下「本第三者委員会」といいます。)に、本第三者割当の必要性及び相当性に関する客観的な意見を求め、以下の内容の意見書を2025年7月16日に入手しております。
なお、本第三者委員会の意見の概要は以下の通りです。
(本第三者委員会の意見の概要)
第1 結論
本第三者割当には必要性及び相当性いずれも認められる。
第2 結論に至る理由
1 資金調達の必要性
(1) 貴社の状況
貴社は、ヘルスケアソリューション事業、地球環境ソリューション事業を主な事業として取り組んでいる。
貴社は、新規事業として、ヘルスケアソリューション事業では、2024年10月より、医療経営管理システム「ONE Viewer」と支払代行サービス「ONE Payment」の販売を開始しており、また、地球環境ソリューション事業では、貴社と販売代理店契約を締結しているマッハコーポレーション株式会社製の耐放射線カメラの販売台数増大や、貴社と独占販売代理店契約を締結している一般社団法人新生福島先端技術振興機構のトリチウム連続計測器の実証化に向けた取り組みをしている。また、貴社は、既存事業として、地球環境ソリューション事業では、GEOソリューション分野において、既存取引先と親和性の高い新たな商材として、株式会社マップフォーが開発した、低コストで高精度な地図作成を行うことが可能な3次元データ計測システム「SEAMS」の販売を開始している。さらに、貴社は、既存事業のうち、将来の事業進捗等を鑑みて、手元資金も考慮した検証と見直しを行っており、現在の経営資源の選択と集中を図るため、収益を生み出すまでの事業に至っていないと判断されるものについては、撤退や事業売却も視野に入れて検討を進める予定である。しかし、いずれについても、いまだ貴社の収益力を安定化させる状況に至っているとはいい難い状況にある。
また、貴社は、2019年9月期以降、継続して営業損失を計上しており、2023年9月期には、営業損失661,782千円、当期純損失659,130千円を、2024年9月期には、営業損失844,815千円、当期純損失889,625千円を計上している。当期(2025年9月期)の2025年3月31日時点の半期においても、依然として営業損失160,132千円、中間純損失249,017千円を計上している一方、現預金残高は291,593千円、有利子負債残高11,200千円である。こうした状況から、貴社においては、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような財務状況が依然として存在している。
このように、貴社では、事業の選択と集中を意識して既存事業に経営資源を集中させつつ、新規事業による収益の拡大を模索しているところではあるが、これによる収益によって貴社の収益力の安定化はもちろん、運転資金の確保自体も確実にできているとはいい難く、財務体質及び資金繰りに不安定な状況が継続している状況にある。
このような状況下において、貴社が、資金調達を行うことなく、既存事業や新規事業を推進し、財務状況を健全化させる体制を構築することは極めて困難であるといえる。
(2) 小括
したがって、貴社は、運転資金を確保しつつ、収益力を安定化させための事業資金を確保し、財務状況を健全化させるために新たな資金調達を行う必要性が極めて高いというべきである。
よって、当委員会として検討した結果、本第三者割当に関する貴社の説明に不合理な点は見当たらず、本第三者割当による資金調達は、貴社にとって必要であると認められる。
2 本第三者割当の相当性
(1) 他の手法との比較
ア まず、そもそも、銀行借入等の間接金融による資金調達については、現状の貴社の財務状況では、金融機関等からの間接金融によって貴社の資金需要に応じた資金調達を実施することは困難であると考えられる。
また、間接金融による資金調達は、一時的に資金を調達できる反面、調達金額が全額負債として計上されるため、財務健全性指標が低下し、今後の借入余地が縮小する可能性があるのであり、間接金融による資金調達は相当ではないと思料される。
イ 次に、直接金融による資金調達に関し、株主割当増資の方法については、既存株主の参加率が不透明であり、全ての株主等から資金を調達することは容易ではない。
また、公募増資の方法については、一般投資家の参加率が不透明であり、調達金額が不透明となるおそれがある。また、貴社の必要資金の調達規模と現在の貴社の経営成績、株価動向、株式流動性等から引受証券会社を見つけることは困難であるという貴社の説明が不合理であるとはいえない。さらに、1株当たりの利益の希薄化が一度に発生して本第三者割当と比べて株価への影響が大きくなる可能性がある。
そのため、株主割当及び公募増資の方法では、貴社が希望し、かつ必要性の認められる資金調達の方法として相当ではないと考えられる。
ウ 一方で、本第三者割当は、協議を経た上での特定の第三者への割当であるため、資金調達の実現性が比較的高い。
また、本第三者割当は、本新株式と本新株予約権の発行を組み合わせたスキームである。そのため、本株式を発行することにより、迅速かつ確実に、運転資金を確保しつつ、事業の維持及び成長を図るとともに財務体質の強化を図るための一定額を調達することができる。その上で、本新株予約権の発行は、割当予定先の要請と協議に基づき、割当予定先が貴社に対して段階的に投資を行うことができるように配慮されたものであり、また、貴社及び貴社既存株主としても、資金調達を全て新株式により行う場合に比べて、希薄化が段階的に進む点において一定の配慮がなされているものといえる。
エ 以上から、本第三者割当による資金調達は、他の手法と比較しても、相当であると認められる。
(2) 資金使途の合理性(増資金額の妥当性)
ア ①貴社の運転資金について
上記のとおり、貴社の直近の財務状況は、2024年9月期には、営業損失844,815千円、当期純損失889,625千円を計上している。当期(2025年9月期)の2025年3月31日時点の半期においても、依然として営業損失160,132千円、中間純損失249,017千円を計上している一方、現預金残高は291,593千円、有利子負債残高11,200千円である。
また、上記のとおり、貴社では、事業の選択と集中を意識して既存事業に経営資源を集中させつつ、新規事業による収益の拡大を模索しているところではあるが、これによる収益によって貴社の収益力の安定化はもちろん、運転資金の確保自体も確実にできているとはいい難い。
したがって、本新株式の発行により調達する資金500百万円、並びに本新株予約権の発行及び本新株予約権の行使により調達する資金のうち200百万円を、貴社の販売費及び一般管理費(人件費、本社家賃、システム改修費等)に必要な運転資金に充当することは合理的であると認められる。
イ ②ヘルスケアソリューション関連システム開発資金について
貴社の説明によれば、貴社は、経営状況のリアルタイムでの把握が困難であり、人的なリソースにも限界がある医療機関に対し、貴社が開発し、2024年10月より販売開始した医療機関向け経営管理システム(ONE Viewer)により、レセプト請求データと会計データを連携させることによって、経営管理体制の見える化を実現させ、また、タイムリーに経営管理体制を把握できるようになったところ、貴社は、医療機関の健全経営に役立つシステムやサービスを提供するため、医療経営管理システム(ONE Viewer)に纏わるシステムである医療機関向け物流管理システム(SPD)について、2025年中を目標として開発を行う予定であるとのことである。
また、貴社は、収入源である治療費収入の多くを占める保険診療の入金時期のタイムラグがあることから資金繰りが困難な状況にある医療機関に対し、貴社が開発した医療機関向け経営管理システムにより、医療機関の経営管理を実現するだけでなく資金繰りの手助けとなる医療経営支援にも着目し、医療用商材の資金の流動加速化を実現するとのことである。
さらに、貴社の主軸である医療画像データシステム(PACS)及び放射線部門情報システム(RIS)は、オン
プレミスによるシステムが主要になっているが、今後、政府の指針により推進されていることからもクラウドを推進し、更に利便性を向上させて売上拡大を目指すとのことである。
そして、当該開発等の資金として164百万円が予定されているとのことである。
当該各説明について不自然、不合理な点は見当たらない上、当該開発等について発注先及びが具体的に見込まれている。
したがって、本新株予約権の発行及び本新株予約権の行使により調達する資金のうち140百万円を、当該開発等の資金に充当することは合理的であると認められる。
ウ ③アリスタゴラVCイスラエル・テクノロジーL.P.(ファンド)への出資資金について
貴社の説明によれば、貴社は、2023年1月31日にアリスタゴラVCイスラエル・テクノロジーL.P.(ファンド)(以下「本ファンド」という。)と出資契約を締結したところ、本ファンドはキャピタルコール方式をとっており、貴社の出資コミットは3,000,000米ドルである中、貴社はこれまでに1,980,000米ドルを出資しているとのことである。
本ファンドは主としてイスラエルのスタートアップ企業(医療、企業向けソフトウェア、Eコマース、AI関連企業等)と日本企業との連携ニーズ拡大を背景に、イスラエルの先端テクノロジー(医療技術、サイバーセキュリティ、AI等)に投資を行うケイマン籍のリミテッドパートナーシップ形態のファンドである。貴社は本ファンドに出資することで、本ファンドの出資先・出資候補先だけでなく、本ファンドのジェネラル・パートナーが接した全ての企業の情報を効率的かつ費用をかけずに得られることになり、さらに必要に応じて、その中から貴社グループの事業領域であるヘルスケア事業において、適合する優良な企業との協業検討が可能になる。
一方で、仮にこれらの情報を現地に駐在員事務所を開設して収集しようとすれば、毎年数千万円単位で費用が発生するとのことである。
本ファンドのキャピタルコールの未実行額1,020,000米ドルの実行時期については未定だが、これまでのキャピタルコールの実績(金額と期間)を考慮すると、今後約2年間で実行される可能性があり、その時期が2025年8月から2027年8月と見込まれているため、これに対する追加の出資を行なうとのことである。
当該各説明について不自然、不合理な点は見当たらない上、当該追加出資について金額が具体的に見込まれている。
したがって、本新株予約権の発行及び本新株予約権の行使により調達する資金のうち160百万円(1,020,000米ドル)を、当該追加出資の資金に充当することは合理的であると認められる。
エ ④原子力産業関連分野開発資金について
貴社の説明によれば、東京電力ホールディングス株式会社(以下「東京電力」という。)がALPS 処理水に関 して公募している「多核種除去設備等で浄化処理した水からトリチウムを分離する技術」に関し、貴社は、創イノベーション株式会社及び慶應義塾大学理工学部大村研究室と当該公募に取り組んでいるところ、東京電力から、貴社との「フィージビリティスタディ」(具体的な条件を踏まえた実地適合性の検証)を開始するとの連絡を受けたことから、今後、「フィージビリティスタディ」に本格的かつ継続に取り組むための開発資金を要するとのことである。
また、貴社と独占販売代理店契約を締結している一般社団法人新生福島先端技術振興機構(本社:福島県安達郡大玉村大山字東78、代表理事 齋藤 雄一郎 以下「新生福島」という。)は、これまでALPS 処理水中に含まれているトリチウム計測の技術開発を継続し、昨年、個体シンチレータを利用したトリチウム連続計測器(以下「本システム」という。)の開発に成功した。本システムはトリチウム以外のβ線核種の計測も可能であり、今後も他核種の連続計測器の開発を続けていく予定である。そこで、貴社は、ALPS処理水の安心・安全を確保するためには、本システムが必要であると考えており、新生福島が開発・製造した本システムの販売を前提とし、本システムの実証機(試作で製造されているものとなり、ALPS汚染水の海洋放出基準6万Bq/Lのスクリーニング装置)を1台約320百万円で製造し、海水に耐えうる配管などの制作設置などのスペック向上を目指し実用化させ、販売に繋げる予定であり、これにより、この先端技術を国内のみならず国外にも広く提案及び提供していくことで、放射線管理や環境保護のニーズに応え、より持続可能な社会の実現に貢献することができるといえる。そして、本システムの開発資金として300百万円(着手金、中間金、納品時の三分割を想定)が予定されているとのことである。
当該各説明について不自然、不合理な点は見当たらない上、当該開発について発注先及び発注金額が具体的に見込まれている。
したがって、本新株予約権の発行及び本新株予約権の行使により調達する資金のうち300百万円を、当該開発等の資金に充当することは合理的であると認められる。
オ ⑤M&A資金について
貴社の説明によれば、貴社は、現在のプロダクト(医療画像データシステムPACS及び経営管理システムONE Viewer)を最大限に有効活用し、事業シナジーの拡大に向けて、積極的なM&Aを推進するとのことである。すなわち、貴社は、ヘルスケアソリューション事業分野で画像データシステムの開発、経営状態を可視化するシステムの開発などの自社においてシステムを開発してきた強みがあると考えており、より強固なものとするべく物流関連業界などの他業界にも精通したシステム開発会社の買収、主力のヘルスケアソリューション事業の取扱い品目を増やし、貴社取引先への新たな商材の販売促進を行うべく医療機器販売卸事業者等の買収を進めるとのことである。
候補先のソーシングについては初期的には貴社役員陣の人的つながりを優先的に検討しているが、必要に応じては仲介会社の利用も検討しており、現時点で決定した案件はないものの具体的に検討を進めている買収候補が2~3社程度あり、各社につき総額5億円~10億円の買収を想定しているとのことである。
当該各説明について不自然、不合理な点は見当たらない上、当該検討については複数の案件毎に対象企業及び金額が具体的に見込まれている。
また、M&Aは案件の発生タイミングが不確実であるため、即応可能な資金をあらかじめ確保しておくことが重要であり、また、資金を事前に有していることで、競合他社に先駆けた交渉や買収対象企業・金融機関等からの信頼獲得にもつながり、結果として案件成約の可能性を高める効果が期待され、さらに、案件の検討段階においても、デューデリジェンス費用、外部専門家(FAや弁護士)への報酬、社内体制整備費用など、初期投資が必要となるため、現時点での資金調達が必要であるとの貴社の説明についても、不自然、不合理な点は見当たらない。
したがって、本新株予約権の発行及び本新株予約権の行使により調達する資金のうち1,713百万円を、当該M&Aの資金に充当することは合理的であると認められる。
カ 小括
よって、各資金使途は合理的なものであると認められる。
なお、本第三者割当により調達する資金のうちその余の18,756,567円は、その発行に要する諸費用に充当されるとのことであり、この点で不合理であるとは認められない。
(3) 割当予定先の相当性
ア GFA株式会社について
本新株及び本新株予約権の割当予定先であるGFA株式会社(以下「GFA」という。)は、東京証券取引所スダンダード市場に上場しており、金融サービス事業などを行っている。
GFAを割当予定先として選定した経緯については、貴社取引先である東京フィナンシャル・アドバイザーズ(所在地:東京都千代田区永田町一丁目11番28号)の代表取締役である能勢元氏の紹介により、2024年8月にGFAの当時の代表取締役で、現在の専務取締役である片田朋希氏(以下「片田氏」という。)の紹介を受け、2024年10月に貴社代表取締役である川倉歩氏(以下「川倉氏」という。)が片田氏と面談した上、2025年1月に貴社が片田氏に対し新株式及び新株予約権の引受に係る打診を行い、その後、数度の電話等による話し合いを経て、貴社の資金ニーズや成長戦略について片田氏の理解を得た上で、2025年2月に片田氏から、新株式及び新株予約権の発行による資金調達について応諾を得たとのことである。このような割当先の選定理由に不自然な点は見当たらない。
GFAの保有方針については、同社は、本第三者割当について基本的に純投資を目的としているとのことであり、本第三者割当により受けることとなる貴社普通株式について、保有期間は短期であるが、市場に過度な影響がないよう市場動向を勘案しながら適時適切に売却する方針である旨を、川倉氏が片田氏から口頭で確認しているとのことである。また、貴社は、GFAから、本新株式の払込期日から2年以内に本新株式の全部又は一部を譲渡した場合には、その内容を貴社に対して書面により報告すること、貴社が当該報告内容を東京証券取引所に報告すること、及び当該報告内容が公衆の縦覧に供されることに同意することにつき、確約書を払込期日までに取得する予定であるとのことである。そのため、GFAを割当予定先とすることが不合理であるとは認められない。
GFAが反社会的勢力等に該当するかについては、貴社は、独自に専門の第三者調査機関であるリスクプロ株式会社(住所:東京都千代田区九段南二丁目3番14号、代表取締役 小板橋仁。以下「リスクプロ」という。)に調査を依頼し、同社から、GFA、その役員、関係企業、その役員、法人組合員役員について、反社会的勢力との関連を確定する情報は確認されなかった旨の調査報告書を受領している。また、GFAは、2025年7月4日付のコーポレートガバナンス報告書 「Ⅳ内部統制システム等に関する事項 2.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況」において、「反社会的勢力排除に向けた体制を構築し、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力とは一切関わりを持たず、また不当な要求に対しては、断固としてこれを拒否します。また、新規取引先については、原則として日経テレコンを用いて情報収集を行い、反社会的勢力との関係の有無を調査しております。」と記載して公表している。さらに、貴社は、GFAが「反社会的勢力に対する基本方針」に基づき、反社会的勢力との関係遮断に関する組織的な対応を推進するための統括部署を設置する等、反社会的勢力排除のための取組みを行っていることをGFAからのヒアリング等により確認しているとのことである。
以上から、GFAは、本第三者割当の割当予定先として相当であると認められる。
イ Seacastle Singapore Pte.Ltdについて
本新株予約権の割当予定先であるSeacastle Singapore Pte.Ltd(以下「Seacastle社」という。)は、海運業やファイナンス業を行っているシンガポール法人である。
Seacastle社は、これまで日本上場企業への投資、資金調達に寄与した実績があることである。また、GFAにも投資した実績があり、具体的には、2023年12月28日付で発行した第1回無担保転換社債型新株予約権付社債(転換価額修正条項付)並びに行使価額修正条項付き第12回新株予約権及び第14回新株予約権発行の引受先であり、また、2025年1月8日開催の取締役会決議に基づく第三者割当により発行した新株式及び、第16回新株予約権及び第17回新株予約権の割当先として、既に引受及び払込実績を有しているとのことである。
Seacastle社を割当予定先として選定した経緯については、GFAの片田氏が2025年1月上旬にファンドマネージャーであるTang氏と調整し、同年2月にGFAからの紹介によりTang氏と貴社とが接点を持つようになり、同年2月上旬にTang氏が国外にいることからZOOMによるミーティングを行い、貴社の経営方針・経営戦略、貴社事業の将来性、貴社の資金ニーズや成長戦略についてTang氏の理解を得た上で、同年2月中旬にTang氏の賛同を得て、新株予約権の引受の承諾を得たとのことである。このような割当先の選定理由に不自然な点は見当たらない。
Seacastle社の保有方針については、同社は、本第三者割当について純投資を目的としており、本新株予約権の行使により受けることとなる貴社普通株式について、保有期間は短期であるが、市場に過度な影響がないよう市場動向を勘案しながら適時適切に売却する方針である旨を、川倉氏がSeacastle社の代表取締役であるTang氏からZOOMによるミーティングで口頭により確認しているとのことである。そのため、Seacastle社を割当予定先とすることが不合理であるとは認められない。
Seacastle社が反社会的勢力等に該当するかについては、貴社は、独自に専門の第三者調査機関であるリスクプロに調査を依頼し、同社から、Seacastle社、その役員、関係企業、その役員等について、反社会的勢力との関連を確定する情報は確認されなかった旨の調査報告書を受領している。一方で、Seacastle Asset Management Pte.Ltd.が運用を行うファンドにおいての出資者については、ファンド側の守秘義務契約により非開示であるため、把握できていないが、出資者が反社会勢力でない旨は、ファンド独自のコンプライアンスにて確認をしており、その結果を経てシンガポールの金融庁に登録をしているとのことである。そこで、貴社は、これらの結果についての確認書を株式会社東京証券取引所に提出しているとのことである。
以上から、Seacastle社は、本第三者割当の割当予定先として相当であると認められる。
(4) 払込みの確実性
ア GFAについて
GFAから提出を受けた2025年7月16日時点の同社名義の各銀行口座の入出金明細の写しによれば、同社は同日時点で預金残高832百万円を保有している。このうち430百万円については、GFAを当事者とする各金銭消費貸借契約書の写しによれば、借入金であり、貸主はバイオセラミック株式会社(以下「バイオ」という。)であり、バイオがGFAの株式について株主として権利行使を行う権限若しくはその指図権限又は投資権限を実質的に有する旨の条項は存在しない。また、GFAとバイオとの関係については、GFAの片田氏の説明によれば、片田氏はGFAの代表取締役に就任する以前は複数の証券会社に所属しており、当時の顧客の1人がバイオの代表取締役である櫻井氏であったところ、片田氏は、櫻井氏に対し、2025年5月初旬頃に別案件でミーティングをした際、第三者割当増資の引き受けに関して相談したところ、櫻井氏より、引き受けではなく1年程度の短期間の貸付が可能という内容で回答を受領していた上、今回改めて櫻井氏に対し借入について打診したところ、櫻井氏から快諾を得て、バイオから借入を受けたとのことである。当該説明に不自然な点は見当たらない。
そのため、GFAにおいて本新株式の引受け及び本新株予約権の発行に要する全額の資金が確保されている。一方で、本新株予約権の行使に係る資金の全ては確保されていないが、上記のとおり、同社は、本第三者割当により受けることとなる貴社普通株式について、短期間での売却を目標としているところ、その売却代金により当該資金を確保する意向である旨を片田氏より口頭にて確認しているとのことであり、当該方針につき不自然な点は見当たらない。
イ Seacastle社について
Seacastle社から提出を受けた2025年7月8日時点の同社名義の銀行口座情報の写しによれば、同社は預金残高189百万円(一部日本円換算)を保有している。
なお、Seacastle社における運用資金は流動性が高く、本新株予約権の発行に際して、また本新株予約権の行使にあたっても即時に動かせる運用資金であることをファンドマネージャーであるTang氏より確認しているとのことである。
以上のとおり、Seacastle社において本新株予約権の発行に要する金額の資金が確保されている一方で、その行使に係る資金の全てには足りないが、上記のとおり、同社は、本第三者割当により受けることとなる貴社普通株式について、短期間での売却を目標としているところ、その売却代金により当該資金を確保して権利行使を繰り返す方針である旨を、川倉氏がSeacastle社の代表取締役であるTang氏から口頭により確認しているとのことであり、当該方針につき不自然な点は見当たらない。
ウ 小括
したがって、割当予定先であるGFA 及びSeacastle社から提出された資料、及び貴社が当該二者に対して行った確認内容により、本新株式及び本新株予約権における払込みに必要な資金を拠出できる十分な預金が存することが確認されているものであり、当該払込みについては問題ないものと思料される。
(5) 発行条件の相当性
ア 本新株式の発行金額について
本新株式の発行金額は、割当予定先との協議の結果、本新株式の発行に係る取締役会決議日の直前取引日(2025年7月16日)の株式会社東京証券取引所スタンダード市場における貴社株式の終値248円を基準とし、そこから9.68%ディスカウントした224円とされている。
この点に関し、日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(以下「日証協指針」という。)によれば、「払込金額は、株式の発行に係る取締役会決議の直前日の価額(直前日における売買がない場合は、当該直前日からさかのぼった直近日の価額)に0.9を乗じた額以上の価額であること。」とされているところ、上記発行価額の算定にあたっては直前日の終値が基準とされており、日証協指針に適合しているのであるから、当該基準に不合理な点は認められない。
また、発行価額のディスカウント率を9.68%とした経緯については、貴社が2019年9月期以降、継続して営業損失を計上しており、2023年9月期には、営業損失661,782千円、当期純損失659,130千円を、2024年9月期には、営業損失844,815千円、当期純損失889,625千円を計上し、当期(2025年9月期)の同年3月31日時点の半期においても引き続き、営業損失160,132千円、中間純損失249,017千円を計上する結果となったこと、さらにこのような状況により継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象や状況が存在していることを勘案し、割当予定先からの発行価額における10%程度のディスカウントの打診を受け、日証協指針に準拠する10%を超えない範囲で、相応の率をディスカウントすることはやむを得ないと判断し、発行価額について割当予定先のディスカウントに対する要望を受け入れた結果によるものとのことである。かかる経緯や日証協指針に適合していることからすれば、当該ディスカウント率に不合理な点は認められない。
したがって、本新株式の発行における発行価額は相当なものと認められる。
イ 本新株予約権の発行価額及び行使価額について
本新株予約権の発行価額(新株予約権1個当たり322円。なお、新株予約権1個につき100株。)について、貴社は、上場企業の第三者割当増資における公正価値の算定実績をもとに選定した第三者機関であるエースターコンサルティング株式会社(所在地:東京都港区西麻布三丁目19番13号、代表者:代表取締役 三平慎吾)(以下「エースター」という。)に依頼し、本新株予約権の公正価値査定書を取得したところ、同社は、貴社の株価248円(2025年7月16日の終値)、行使価額(248円)、リスクフリーレート(0.844%)、市場リスクプレミアム(9.0%)、ボラティリティ(42.48%)、対指数β(1.097)、クレジット・コスト(22.86%)及び1営業日当たりの売却可能株式数21,590株(2022年7月17日から2025年7月16日までの日次売買高の中央値215,900株の10%)等の諸条件等について一定の前提を置いて、権利行使期間(2025年8月5日から2028年8月4日まで)その他の発行条件の下、一般的な株式オプション価値算定モデルであるモンテカルロ・シミュレーションを用いた結果、2025年7月16日を算定基準日とする本新株予約権1個当たりの合理的な公正価値評価額を322円(1株当たり3.22円)と算定した。当該算定は、貴社との取引関係のない独立した外部の第三者算定機関であるエースターが公正な評価額に影響を及ぼす可能性のある上記前提等を考慮して、新株予約権の公正価値評価額の算定手法として一般的に用いられているモンテカルロ・シミュレーションを用いていることから、当該算定の結果は合理的な公正価格と考えられる。なお、エースターは、本新株予約権に係る有価証券届出書の作成支援を行っているものの、貴社と継続的な取引関係にはないことから、貴社経営陣からの一定程度の独立性を損なうものではないといえる。
本新株予約権の行使価額(1株当たり248円)については、東京証券取引所における本第三者割当に係る取締役会決議日の直前営業日(2025年7月16日)の貴社普通株式の終値と同額であり、同日までの1か月間の終値平均値265.14円に対して6.46%のディカウント、同3か月間の終値平均値243.52円に対して1.84%のプレミアム、同6か月間の終値平均値258.93円に対して4.22%のディスカウントとなっている。この点に関し、日証協指針によれば、「払込金額は、株式の発行に係る取締役会決議の直前日の価額(直前日における売買がない場合は、当該直前日からさかのぼった直近日の価額)に0.9を乗じた額以上の価額であること。ただし、直近日又は直前日までの価額又は売買高の状況等を勘案し、当該決議の日から払込金額を決定するために適当な期間(最長6か月)をさかのぼった日から当該決議の直前日までの間の平均の価額に0.9を乗じた額以上の価額とすることができる。」とされているところ、上記行使価額は、取締役会決議日の直前日の終値と同額されている上、同日までの適当な期間における各平均値との関係でも、内1つがプレミアムとなっており、残2つのディスカウントも10%以内に留まり、当該指針に適合している。また、貴社の財務状況は、当期(2025年9月期)の2025年3月31日時点の半期においても、営業損失160,132千円、中間純損失249,017千円であり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような財務状況が依然として存在していることからすれば、相応の率をディスカウントすることはやむを得ない面がある。そのため、当該行使価額が不合理であるとは認められない。
以上から、本新株予約権の発行価額及び行使価額は発行条件として相当であると認められる。
(6) 既存株主への影響
上記のとおり、本新株式の発行により増加する株式数及び本新株予約権に係る潜在株式に係る議決権数は、それぞれ議決権数22,321個(2,232,100株)及び議決権数100,805個(10,080,500株)の合計議決権数123,126個(12,312,600株)となり、本日現在の発行済株式に係る議決権数107,290個(10,803,600株(自己株式を含む))に対して、本新株式の発行により議決権比率20.80%、本新株予約権の発行により議決権比率93.96%の合計議決権比率114.76%の希薄化となる。
このように、株式が希薄化すること自体は、既存株主の保有する株式の価値を低下させる面があることは否定できない。
しかしながら、本第三者割当は、上記のとおり、いずれも相当な発行価額で行われるものであって既存株主への経済的な損失を伴うものではない。また、上記のとおり、本第三者割当により調達した資金を課徴金の支払い、運転資金等という使途に充てることにより、貴社におけるキャッシュ・フローの状況改善・資金繰りへの懸念を解消しつつ、貴社企業価値の向上のための資金に充てることにより、財政基盤の安定化や貴社企業価値の向上に資する可能性があるものといえる。
また、本新株式の発行及び本新株予約権の全てが行使された場合の最大交付株式数12,312,600株を行使期間である3年間(245日/年営業日で計算)で売却するとした場合の1日当たりの数量は、16,752株となり、貴社株式の過去6か月間における1日当たりの平均出来高376,233株の4.45%であり、これらの売却が市場内にて短期間で行われた場合には、貴社の株価に影響を与えるおそれがあるものの、貴社は、割当予定先から、市場に過度な影響がないよう市場動向を勘案しながら適時適切に売却する方針であることを書面にて確認しているとのことである。そうであるとすれば、本第三者割当が及ぼす株価への影響は限定的となるよう、割当予定先からも配慮されているものと思料される。また、交付した株式が適時適切に市場で売却されることにより、貴社株式の流動性向上に資することも期待できるといえる。
そのため、本第三者割当は、それに伴う希薄化を考慮しても、既存株主にも十分な利益をもたらすことができる可能性があることから、本第三者割当に係る株式の発行数量及び希薄化の規模が不合理なものであるとはいえない。
したがって、希薄化の影響を考慮しても、本第三者割当は既存株式の価値を維持し向上するために有効な手段であり、かつ、適切な手続きを踏んだ上で実施される予定であることから、相当性を有すると考える。
(7) 小括
以上のような点を踏まえ、当委員会が慎重に検討した結果、本第三者割当という資金調達手段は、相当であると認められる。
3 結語
よって、当委員会が慎重に検討した結果、本第三者割当による資金調達は、必要性、相当性いずれも認められる。
7 【株式併合等の予定の有無及び内容】
該当事項はありません。
8 【その他参考になる事項】
該当事項はありません。