第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度(平成27年3月1日から平成28年2月29日まで)における事業環境は、中国の景気減速を始め、欧州経済の先行き不透明さ等から為替が円高に転じ始め、昨春の賃上げによる景況感の上昇が弱含んできております。国内消費においては、海外からの訪日観光客の増加等プラス要因もありますが、物価の相次ぐ上昇により、消費環境も一進一退の状況が続いております。

 シューズ業界におきましては、スニーカートレンドの継続により、都市部の商業施設や地方の観光地を中心に集客が高まっており、その結果、商品の平均単価も上昇傾向にあります。

 このような状況下において、当社グループは、テレビCMやファッション雑誌などの販促活動によりファッションとしてのスニーカー需要を高める取り組みを行い、スポーツシューズの販売強化に努めてまいりました。出店につきましては、国内外合わせて100店舗の新規出店を実施し、当社グループの店舗数は、1,057店舗となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高は前期比11.5%増の2,381億54百万円、営業利益は前期比4.7%増の415億14百万円、経常利益は前期比4.4%増の421億96百万円、当期純利益は前期比7.2%増の261億30百万円となりました。国内既存店の増収や海外子会社の増収等により、増収増益となりました。

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

イ.国内

商品につきましては、当連結会計年度は、スニーカートレンドにより高単価のファッションスニーカーやランニングシューズの需要が非常に高かったことから、ナショナルブランドのスポーツシューズの品揃えを拡充させ、メンズ、レディース、キッズともにスニーカーを中心とした販売戦略を実施しました。また、都市部とは異なる消費環境にある生活圏においては、訴求効果を高めるため、類似のトレンド商品を異素材で開発し、リーズナブルな価格設定で提案していく取り組みを行いました。

店舗展開につきましては、当連結会計年度においては積極的な出店を行い「ACE Shoes」「Charlotte」などの新業態店舗を含め74店舗の新規出店を実施しました。これにより、国内の期末店舗数は849店舗(9店舗閉店)となりました。

国内店舗の売上高増収率につきましては、全店で前期比9.2%増、既存店で前期比5.1%増となりました。客数客単価につきましては、商品の平均単価が上昇したことや高単価商品の購買が増したことなどから、全店既存店の客単価が前期比1割増となりました。

これらの結果、国内における売上高は前期比9.2%増の1,748億75百万円、営業利益は前期比2.9%増の371億60百万円となりました。

 

ロ.海外

 海外の店舗展開につきましては、韓国で19店舗、台湾で7店舗の新規出店を行いました。これにより、期末店舗数(平成27年12月31日時点)は、韓国172店舗、台湾32店舗、米国4店舗で、208店舗となりました。

 海外の業績につきましては、アジアにおいては日本と同様にスポーツ需要が高かったこと、また為替が前期より円安であったことなどから、韓国の売上高は前期比13.3%増の423億48百万円、台湾の売上高は前期比32.1%増の34億26百万円となりました。米国においては、工場の稼働率上昇により生産性が向上したことから、売上高が前期比28.4%増の184億89百万円となりました。海外連結子会社はいずれも12月決算であります。

 これらの結果、海外における売上高は前期比18.2%増の642億64百万円営業利益は前期比24.3%増の43億45百万円となりました。

 

(2)連結キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ46億94百万円増加し、1,005億1百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金収支は、225億52百万円の収入(前期比71億38百万円収入減)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益410億1百万円、減価償却費43億14百万円、仕入債務の減少額30億25百万円、たな卸資産の増加額56億78百万円、及び法人税等の支払額170億20百万円等を反映したものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金収支は、37億26百万円の支出(前期比58億42百万円支出減)となりました。この主な要因は、資産の効率化を目的とした有形固定資産の売却による収入101億92百万円、新規出店及び店舗改装等に伴う有形固定資産の取得による支出109億85百万円、及び敷金及び保証金の差入による支出26億45百万円等を反映したものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金収支は、135億67百万円の支出(前期比98億92百万円支出増)となりました。この主な要因は、借入金の純減少額41億55百万円及び配当金の支払による支出93億68百万円等を反映したものであります。

 

2【販売及び仕入の状況】

(1)販売実績

① 当連結会計年度における品目別販売実績は以下のとおりであります。

 品目別

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

前期比(%)

スポーツ

107,860

127,955

18.6

レザーカジュアル

41,503

43,775

5.5

レディース

23,122

21,174

△8.4

キッズ

11,955

13,545

13.3

ビジネス

11,121

11,431

2.8

サンダル

6,151

6,550

6.5

その他

11,869

13,721

15.6

合計

213,584

238,154

11.5

(注)1 上記金額には消費税等は含まれておりません。

   2 上記金額は、国内及び海外の合計で表示しております。

 

 

② 当連結会計年度における地域別店舗売上状況は以下のとおりであります。

地域別

売上高

店舗数

金額(百万円)

構成比(%)

開店(店)

閉店(店)

期末(店)

北海道

6,317

3.7

3

32

東北

7,114

4.2

2

47

東京

33,322

20.2

18

2

117

その他関東(東京除く)

44,558

27.1

10

234

中部

19,085

11.3

12

2

126

関西

29,000

17.5

13

3

133

中国四国

8,475

5.0

5

1

58

九州沖縄

18,563

11.0

11

1

102

国内店舗売上高合計

166,438

100.0

74

9

849

 その他 (注)2

7,707

 

 

 

 

国内合計

174,146

 

 

 

 

海外

64,008

 

 

 

 

売上高合計

238,154

 

 

 

 

 (注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2 「その他」の売上高の主なものは、通信販売及び卸売上等によるものであります。

 

③ 当連結会計年度における単位当たり店舗売上状況は以下のとおりであります。

項目

前連結会計年度

(自 平成26年3月1日

  至 平成27年2月28日)

当連結会計年度

(自 平成27年3月1日

  至 平成28年2月29日)

国内店舗売上高(百万円)

153,293

166,438

1㎡当たり売上高

平均売場面積(㎡)

210,751.04

223,590.55

1㎡当たり年間売上高

(千円)

727

744

1人当たり売上高

平均従業員数(人)

4,331

4,947

1人当たり年間売上高

(千円)

35,394

33,644

 (注)1 平均売場面積は、店舗の稼働日数を基礎として算出しております。

2 平均従業員数は、アルバイト・契約社員を含み、役員を除いております。なお、アルバイト・契約社員は期中加重平均(1日8時間換算)で算出し、加算しております。

3 上記金額には消費税等は含まれておりません。

(2)仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績は以下のとおりであります。

 区分

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

前期比(%)

仕入高

106,686

116,739

9.4

(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

   2 上記金額は、国内及び海外の合計で表示しております。

3【対処すべき課題】

 今後の当社グループを取り巻く経営環境を展望しますと、国内の人口減少が進み始め、量を追うビジネスは厳しい状況に追い込まれていくと予想します。また中国の景気減速を始め、世界経済の先行きも不透明さから円安を軸とした国内景気浮揚にも限界が見えてきております。半面、商品やサービスの「質」に関わる関心は、国内外とも高まっております。

 このような状況下、当社グループは、シューズ業界におけるトップ企業として、お客様の購買意欲を高めるための様々な商品提案を行い、新たなマーケットを開拓するべく諸施策の遂行に取り組んでまいります。また、より良い商品をお客様にご提案できる接客サービスの向上に努めてまいります。

 このことから、当社グループが対処すべき課題といたしましては、『店舗・商品・人材』という重要な戦略要素を強化していくことであると認識しております。

① 店舗戦略

 多店舗展開を推進するにあたり、多様な商圏、顧客層に応じた店舗形態を築いていく必要があります。特に、自店競合を起こさないよう地域の特性等も考慮に入れながら新業態の開発に取り組みます。また、商品の企画から構成(マーチャンダイジング)を店舗設計等の計画に組み入れ、収益重視の店舗開発を行うことが重要と考えます。これらを踏まえ、個別店舗の収益を最重要視し、全ての店舗が収益に貢献することを目指します。

 また、国内に留まらず、「ABC-MART」のグローバルな店舗展開を推進してまいります。

② 商品戦略

 スポーツシューズにつきましては、「走る」「歩く」「登る」などのパフォーマンス系スポーツユースと、ライフスタイルカジュアルとしてのタウンユースの商品の充実を強化してまいります。スポーツ分野においては、既存の「ABC-MART」にショップインショップの形態でナショナルブランドの「スペシャリティストア」を設置し、シューズのみならず、スポーツアパレルや小物等のアイテムを総合的にセレクトできる複合型店舗の拡大も進めてまいります。

 現在、180店舗程で取り扱いのあるスポーツアパレルにおきましては、さらに展開店舗の拡大を進めてまいります。

 レディース市場では、近年、ファッションとしてのスポーツシューズのニーズが高まっていることから、パンプスやブーツ等のレディース特化のアイテムに加え、レディーススニーカーの充実を図ってまいります。

 またメンズのビジネスシューズやレザーカジュアルシューズにつきましては、機能訴求や品質訴求の商品を増やすなど付加価値提案に注力してまいります。

 売上総利益率の向上につきましては、売上高に占める自社企画商品の構成比率を高めるとともに、メーカー各社との取引において、ナショナルブランド商品の共同企画をさらに推進し、他社との差別化を図ります。これらの取り組みにより、売上原価の低減と利益の向上に努めてまいります。

③ 販売力(人)の強化

  当社グループは、対面販売による営業活動を主軸に事業を展開しております。

お客様にとって魅力のある店づくり、商品づくりを心がけ、提供していくためには、スタッフ一人ひとりの販売力が重要であると考えます。『人の力』が最も大切であるということを充分理解し、小売業の基本といえる接客サービスを身に付け向上させる取り組みを進め、今後とも適切な指導を行ってまいります。また海外子会社の店舗とも人材交流を進め、グループ企業としての「接客の均一化」を図ってまいります。

④ 内部管理体制の強化

 企業規模が拡大していくなか、その社会的責任も一層増していることを強く認識しております。

 今後は国内外へのグローバルな活動が活発になっていくことが予想されることから、取締役会における経営判断の適正性を監視する機能をさらに高めていくため、また取締役会の監督機能の強化によるコーポレート・ガバナンスの充実という観点から、平成27年5月に監査等委員会設置会社へ移行しました。

 引き続き取締役の職務執行状況や経営活動全般における法令遵守についての内部監査を強化していくとともに、お客様の安心・信頼に繋がる店舗運営を実現するため、店舗監査を定期的に実施し、必要に応じて是正勧告等を行い、店舗運営の適正化に努めてまいります。また法令順守はもとより、役職員の健康管理の観点から、より一層働きやすい労働環境の整備に向けた取組みを積極的に行ってまいります。会計監査につきましては、監査等委員との相互連携により監査体制を充実させてまいります。その他法令・税務についての判断を要する案件につきましては、顧問弁護士、顧問税理士に依頼または相談し、適宜、指導や助言を受けてまいります

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があると考えられる重要な要因には、以下のようなものがあります。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避ならびに発生した場合の対応に努める所存であります。

 記載された事項で将来に関する事項につきましては、現時点で入手可能な情報から当社の経営判断や予測に基づくものであります。

① 販売動向

 当社グループが取り扱う靴等の販売動向は、個人消費の状況、トレンドの変化、天候不順による季節商品の販売状況等が影響を及ぼす可能性があります。

② 海外における政治、経済情勢等の変化

 当社グループの国内売上のおよそ4割が自社企画商品となっており、自社企画商品の9割以上を海外から輸入しております。当該輸入先国の政治、経済情勢に著しい変化が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 為替相場の変動

 当社グループの輸入商品の大半が米国ドル決済となっております。輸入為替につきましては、為替予約等により仕入コストの安定化を図っておりますが、為替レートが急激に変動した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 個人情報等の漏洩に関するリスク

 当社グループは、顧客情報保護について細心の注意を払っておりますが、万一何らかの理由により外部漏洩した場合は、社会的信用問題や個人への賠償問題等の発生から、業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 災害等の発生

 当社グループは、日本全国、韓国、台湾、米国に店舗を出店し、また日本及び米国に工場を所有しているため、これらの店舗・倉庫・工場に商品や仕掛品等の在庫を保管しております。大規模な自然災害等により店舗・倉庫・工場及び商品等が被害を受けた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

「1 業績等の概要 (1)業績」と「2 販売及び仕入の状況」をご参照ください。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

 流動資産合計は、前連結会計年度末に比べ89億50百万円増加し、1,692億49百万円となりました。主な要因は、当期純利益の増加等に伴う現金及び預金の増加42億54百万円、たな卸資産の増加51億36百万円等によるものであります。

 固定資産合計は、前連結会計年度末と比べ40億36百万円減少し、693億26百万円となりました。主な要因は、資産の効率化を目的とした有形固定資産の売却や減損損失の計上による減少、新規出店や改装による有形固定資産の取得による増加及び敷金及び保証金の増加等によるものであります。

 負債合計は、前連結会計年度末に比べ432億3百万円減少し、349億23百万円となりました。主な要因は、新株予約権の行使による社債の減少等によるものであります。

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ481億17百万円増加し、2,036億52百万円となりました。主な要因は、新株予約権の行使による資本金及び資本剰余金の増加、利益剰余金の当期純利益の計上による増加、及び配当金の支払による減少等によるものであります

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

「1 業績等の概要 (2)連結キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。