(1)業績
当連結会計年度(平成28年3月1日から平成29年2月28日まで)における事業環境は、中国を始め新興国の景気減速や英国のEU離脱問題等から一旦は円高に転じたものの、米国の新政権による経済政策を不安視する動きがあることから、先行きは不透明感が増しております。個人消費につきましては、実質所得の伸び悩み等で低価格志向が再び高まってきており、消費の回復に遅れが生じております。
シューズ業界におきましては、ブームに落ち着きが見られるものの、スニーカーを中心としたスポーツシューズの需要は依然として拡大傾向にあります。
このような状況下、当社グループは引き続き顧客ニーズに沿った商品開発と広告宣伝に注力いたしました。出店につきましては、国内外合わせて108店舗の新規出店を実施し、当社グループの店舗数は、1,141店舗となりました。
以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、海外子会社の収益が円高により縮少したことや、国内既存店の伸びが緩やかになったこと等から、売上高は前期比0.3%増の2,389億52百万円、営業利益は前期比0.8%増の418億60百万円、経常利益は前期比1.6%増の428億60百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税率の引下げ等により前期比8.6%増の283億65百万円となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
イ.国内
商品につきましては、昨年に続きファッションスニーカーを中心にスポーツシューズの販売を強化いたしました。他方、下期より女性客に向けた販売戦略を進め、テレビCMを中心とした宣伝により、履きやすいパンプスやブーツを提案してまいりました。またキッズシューズをお求めの女性客向けにカジュアルシューズを提案し、レディースシューズとキッズシューズの双方の需要を喚起させる取り組みを行いました。
店舗展開につきましては、69店舗の新規出店を行い、既存の「ABC-MART」の他、新業態の「ACE Shoes」、「Charlotte」、スポーツファッションショップ「ACE Shoes Studio」、キッズをメインにお母さん需要も同時に取り込む業態「ABC KIDS MART」を多数出店いたしました。これにより、国内の期末店舗数は906店舗(12店舗閉店)となりました。既存店においては、都市部の大型店の強化を図るため、既存の旗艦店を「Grand Stage」業態に変更するなど、業態変更を伴う大規模な改装を実施しました。
国内店舗の売上高増収率につきましては、全店で前期比3.1%増、既存店で前期比0.9%増となりました。上昇傾向にあった商品の平均単価が昨夏より横ばいとなり、客数に改善が見られるようになりました。その結果、客数客単価は前年並みの水準となりました。
これらの結果、国内における売上高は前期比3.0%増の1,801億1百万円、営業利益は前期比1.8%増の378億43百万円となりました。
ロ.海外
海外の店舗展開につきましては、韓国で32店舗、台湾で7店舗の新規出店を行いました。これにより、期末店舗数(平成28年12月31日現在)は、韓国193店舗、台湾38店舗、米国4店舗で、235店舗となりました。
海外の業績につきましては、為替が前期より1割程度円高であったことを背景に収益が減少しております。韓国の売上高は前期比3.5%減の408億60百万円、米国の売上高は前期比18.7%減の150億31百万円となりました。台湾は好調に推移しており、売上高は前期比12.9%増の38億67百万円となりました。海外連結子会社はいずれも12月決算であります。
これらの結果、海外における売上高は前期比7.0%減の597億59百万円、営業利益は前期比8.4%減の39億82百万円となりました。
(2)連結キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ165億87百万円増加し、1,170億89百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、328億47百万円の収入(前期比102億94百万円収入増)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益429億89百万円、減価償却費42億75百万円、仕入債務の増加額15億48百万円、及び法人税等の支払額148億11百万円等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、40億62百万円の支出(前期比3億36百万円支出増)となりました。この主な要因は、資産の効率化を目的とした有形固定資産の売却による収入53億9百万円、新規出店及び店舗改装等に伴う有形固定資産の取得による支出47億41百万円、敷金及び保証金の差入による支出25億70百万円、及び関係会社株式の取得による支出25億44百万円等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、120億19百万円の支出(前期比15億48百万円支出減)となりました。この主な要因は、借入金の純減少額21億14百万円及び配当金の支払による支出99億円等を反映したものであります。
(1)販売実績
① 当連結会計年度における品目別販売実績は以下のとおりであります。
|
品目別 |
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
前期比(%) |
|
スポーツ |
127,955 |
132,764 |
3.8 |
|
レザーカジュアル |
43,775 |
37,459 |
△14.4 |
|
レディース |
21,174 |
21,456 |
1.3 |
|
キッズ |
13,545 |
14,492 |
7.0 |
|
ビジネス |
11,431 |
10,795 |
△5.6 |
|
サンダル |
6,550 |
7,589 |
15.9 |
|
その他 |
13,721 |
14,394 |
4.9 |
|
合計 |
238,154 |
238,952 |
0.3 |
(注)1 上記金額には消費税等は含まれておりません。
2 上記金額は、国内及び海外の合計で表示しております。
② 当連結会計年度における地域別店舗売上状況は以下のとおりであります。
|
地域別 |
売上高 |
店舗数 |
|||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
開店(店) |
閉店(店) |
期末(店) |
|
|
北海道 |
6,332 |
3.7 |
1 |
- |
33 |
|
東北 |
7,278 |
4.3 |
4 |
- |
51 |
|
東京 |
33,668 |
19.8 |
9 |
3 |
123 |
|
その他関東(東京除く) |
45,068 |
26.6 |
17 |
5 |
246 |
|
中部 |
19,892 |
11.7 |
7 |
1 |
132 |
|
関西 |
30,145 |
17.8 |
17 |
- |
150 |
|
中国四国 |
8,647 |
5.1 |
5 |
- |
63 |
|
九州沖縄 |
18,682 |
11.0 |
9 |
3 |
108 |
|
国内店舗売上高合計 |
169,716 |
100.0 |
69 |
12 |
906 |
|
その他 (注)2 |
9,662 |
|
|
|
|
|
国内合計 |
179,379 |
|
|
|
|
|
海外 |
59,573 |
|
|
|
|
|
売上高合計 |
238,952 |
|
|
|
|
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 「その他」の売上高の主なものは、通信販売及び卸売上等によるものであります。
③ 当連結会計年度における単位当たり店舗売上状況は以下のとおりであります。
|
項目 |
前連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
当連結会計年度 (自 平成28年3月1日 至 平成29年2月28日) |
|
|
国内店舗売上高(百万円) |
166,438 |
169,716 |
|
|
1㎡当たり売上高 |
平均売場面積(㎡) |
223,590.55 |
235,513.45 |
|
1㎡当たり年間売上高 (千円) |
744 |
720 |
|
|
1人当たり売上高 |
平均従業員数(人) |
4,947 |
5,110 |
|
1人当たり年間売上高 (千円) |
33,644 |
33,212 |
|
(注)1 平均売場面積は、店舗の稼働日数を基礎として算出しております。
2 平均従業員数は、アルバイト・契約社員を含み、役員を除いております。なお、アルバイト・契約社員は期中加重平均(1日8時間換算)で算出し、加算しております。
3 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)仕入実績
当連結会計年度における仕入実績は以下のとおりであります。
|
区分 |
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
前期比(%) |
|
仕入高 |
116,739 |
110,932 |
△5.0 |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記金額は、国内及び海外の合計で表示しております。
今後の当社グループを取り巻く経営環境を展望しますと、国内の人口減少が進み始め、量を追うだけのビジネスは厳しい状況に追い込まれていくと予想します。また中国の景気減速を始め、世界経済の先行きも不透明さから円安を軸とした国内景気浮揚にも限界が見えてきております。半面、商品やサービスの「質」に関わる関心は、国内外とも高まっております。
このような状況下、当社グループは、シューズ業界におけるトップ企業として、お客様の購買意欲を高めるための様々な商品提案を行い、新たなマーケットを開拓するべく諸施策の遂行に取り組んでまいります。また、より良い商品をお客様にご提案できる接客サービスの向上に努めてまいります。
このことから、当社グループが対処すべき課題といたしましては、『店舗・商品・人材』という重要な戦略要素を強化していくことであると認識しております。
① 店舗戦略
多店舗展開を推進するにあたり、多様な商圏、顧客層に応じた店舗形態を築いていく必要があります。特に、自店競合を起こさないよう地域の特性等も考慮に入れながら新業態の開発に取り組みます。また、商品の企画から構成(マーチャンダイジング)を店舗設計等の計画に組み入れ、収益重視の店舗開発を行うことが重要と考えます。これらを踏まえ、個別店舗の収益を最重要視し、全ての店舗が収益に貢献することを目指します。
また、国内に留まらず、「ABC-MART」のグローバルな店舗展開を推進してまいります。
② 商品戦略
スポーツシューズにつきましては、「走る」「歩く」「登る」などのパフォーマンス系スポーツユースと、ライフスタイルカジュアルとしてのタウンユースの商品の充実を強化してまいります。スポーツ分野においては、既存の「ABC-MART」にショップインショップの形態でナショナルブランドの「スペシャリティストア」を設置し、シューズのみならず、スポーツアパレルや小物等のアイテムを総合的にセレクトできる複合型店舗の拡大も進めてまいります。
現在、190店舗程で取り扱いのあるスポーツアパレルにおきましては、さらに展開店舗の拡大を進めてまいります。
レディース市場では、近年、ファッションとしてのスポーツシューズのニーズが高まっていることから、パンプスやブーツ等のレディース特化のアイテムに加え、レディーススニーカーの充実を図ってまいります。
またメンズのビジネスシューズやレザーカジュアルシューズにつきましては、機能訴求や品質訴求の商品を増やすなど付加価値提案に注力してまいります。
売上総利益率の向上につきましては、売上高に占める自社企画商品の構成比率を維持向上することに努めながら、メーカー各社との取引において、ナショナルブランド商品の共同企画をさらに推進し、他社との差別化を図ります。これらの取り組みにより、売上原価の低減と利益の向上に努めてまいります。
③ 販売力(人)の強化
当社グループは、対面販売による営業活動を主軸に事業を展開しております。
お客様にとって魅力のある店づくり、商品づくりを心がけ、提供していくためには、スタッフ一人ひとりの販売力が重要であると考えます。『人の力』が最も大切であるということを充分理解し、小売業の基本といえる接客サービスを身に付け向上させる取り組みを進め、今後とも適切な指導を行ってまいります。また海外子会社の店舗とも人材交流を進め、グループ企業としての「接客の均一化」を図ってまいります。
また少子高齢化による採用難に対応し、スタッフの様々なライフスタイルに応じた「働き方改革」を推進してまいります。ショートタイム社員や地域限定社員など雇用形態の多様化を図り、中長期的な労働力の確保を図ってまいります。またスタッフの潜在能力を引き出し、最大限に活かせる場所への人材のアロケーションを含めたマネジメントを強化してまいります。
④ 内部管理体制の強化
企業規模が拡大していくなか、その社会的責任も一層増していることを強く認識しております。
今後は国内外へのグローバルな活動が活発になっていくことが予想されることから、取締役会における経営判断の適正性を監視する機能をさらに高めていくため、また取締役会の監督機能の強化によるコーポレート・ガバナンスの充実という観点から、平成27年5月に監査等委員会設置会社へ移行しました。
取締役の職務執行状況や経営活動全般における法令遵守についての内部監査を強化していくとともに、お客様の安心・信頼に繋がる店舗運営を実現するため、店舗監査を定期的に実施し、必要に応じて是正勧告等を行い、店舗運営の適正化に努めてまいります。また法令遵守はもとより、役職員の健康管理の観点から、より一層働きやすい労働環境の整備に向けた取り組みを積極的に行ってまいります。会計監査につきましては、監査等委員との相互連携により監査体制を充実させてまいります。その他法令・税務についての判断を要する案件につきましては、顧問弁護士、顧問税理士に依頼または相談し、適宜、指導や助言を受けてまいります。
当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があると考えられる重要な要因には、以下のようなものがあります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避ならびに発生した場合の対応に努める所存であります。
記載された事項で将来に関する事項につきましては、現時点で入手可能な情報から当社の経営判断や予測に基づくものであります。
① 販売動向
当社グループが取り扱う靴等の販売動向は、個人消費の状況、トレンドの変化、天候不順による季節商品の販売状況等が影響を及ぼす可能性があります。
② 海外における政治、経済情勢等の変化
当社グループの国内売上のおよそ4割が自社企画商品となっており、自社企画商品の9割以上を海外から輸入しております。当該輸入先国の政治、経済情勢に著しい変化が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替相場の変動
当社グループの輸入商品の大半が米国ドル決済となっております。輸入為替につきましては、為替予約等により仕入コストの安定化を図っておりますが、為替レートが急激に変動した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 個人情報等の漏洩に関するリスク
当社グループは、顧客情報保護について細心の注意を払っておりますが、万一何らかの理由により外部漏洩した場合は、社会的信用問題や個人への賠償問題等の発生から、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 災害等の発生
当社グループは、日本全国、韓国、台湾、米国に店舗を出店し、また日本及び米国に工場を所有しているため、これらの店舗・倉庫・工場に商品や仕掛品等の在庫を保管しております。大規模な自然災害等により店舗・倉庫・工場及び商品等が被害を受けた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
「1 業績等の概要 (1)業績」と「2 販売及び仕入の状況」をご参照ください。
(2) 当連結会計年度の財政状態の分析
流動資産合計は、前連結会計年度末に比べ179億9百万円増加し、1,871億58百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加等に伴う現金及び預金の増加165億13百万円等によるものであります。
固定資産合計は、前連結会計年度末と比べ25億68百万円減少し、667億57百万円となりました。主な要因は、固定資産の売却や減損損失の計上等によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ10億87百万円減少し、338億35百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ164億28百万円増加し、2,200億80百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加及び配当金の支払による減少等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
「1 業績等の概要 (2)連結キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。