文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、創業以来「世界共通の品質を世界共通の価格で」を企業理念に掲げ、品質の良いファッショントレンドアイテムをリーズナブルな価格でお客様へお届けするために、「ライフスタイル創造企業」として、お客様にご満足いただき感動を与えられるような世界共通のサービスを提供することで、人々の幸せを実現していくことを基本方針としております。
そのために、世界のシューズストア「ABC-MART」を展開し、以下を実行してまいります。
① 「ABC-MART」の出店を拡大し、世界に通用するストアブランドに確立することを目指します。
② 「ABC-MART」では、ブランドを基調としたトレンドアイテムの充実を図ります。
③ 「ABC-MART」のマーチャンダイジングを強化するためにブランドポートフォリオを充実します。
④ 「ABC-MART」のリアル店舗とオンラインをつなぐデジタルコマースを強化します。
当社グループの経営指標としては、連結営業利益率を二桁水準で維持することを目標とします。
当社グループは、今後の中長期的な経営戦略として、①マーケットシェアの拡大、②積極的な店舗展開とデジタルコマースの推進、③世界マーケットへの発信、④既存ブランドの拡充と新規ブランドの取得・育成を掲げております。
国内のシューズマーケットは1兆3,000億円超といわれておりますが、当社はその1割超のシェアを誇るシューズカンパニーであり、国内においてはトップ企業であります。現在置かれているシューズ業界のみならず、スポーツ市場、スポーツアパレル市場、レディース市場など、シューズを取り巻く環境下において成長市場は多数あります。これらのマーケットを取り込んでいくことで、シューズ関連事業の拡大を模索してまいります。企業買収や異業種との業務提携、新商品の共同開発やコラボレーションなど、新たなビジネスチャンスも獲得してまいります。
成長への一番の原動力は新規出店であります。既存店のリニューアル出店や業態変更による新規出店を含め、年間50店舗程の出店を続けてまいります。
「ABC-MART」を中核に据えて、
第一に、大型旗艦店「ABC-MART GRAND STAGE」の出店を都心部や大型商業施設へ拡大します。
第二に、カテゴリー戦略に寄与する業態店舗の出店を進めてまいります。スポーツファッション専門店「ABC-MART SPORTS」、レディースシューズ専門店「Charlotte」、レザーブーツ専門店「Danner」、スポーツセレクトショップ「OSHMAN'S」など。
第三に、面積規模が100坪以上の地方郊外のショッピングセンターにおいては、2つ以上の屋号を併設して展開する複合業態店舗の出店を進めてまいります。
デジタル事業においては、自社オンラインサイトの利用促進と他社サイトでの販売を拡大し、デジタル売上を年率で20%以上成長させることを目指します。
オンライン販売における店舗受取サービスの提供やリアル店舗におけるネットを活用した取り組みを促進し、リアル店舗とオンラインの垣根を越えたサービスを提供し、顧客サービスの向上に努めてまいります。
当社は、世界各地の展示会や海外市場でのリサーチにより、世界の流行を商品企画に活かし、このようにしてつくられた商品を「ABC-MART」で販売することで、海外のトレンドを日本に定着させる役割を担っております。
一方で、日本の流行を海外へ送り込む手段として「ABC-MART」の海外展開を拡大しております。現在、海外子会社によって、韓国、台湾に「ABC-MART」の店舗網を拡充し、北米においてはレザーブーツ専門店「Danner」を展開しております。今後は、東南アジアなど他の海外市場への販路拡大も具現化してまいります。
当社グループは、商品の企画開発・製造から販売までを一貫して行う自社ブランドを保有しております。1995年に商標権を取得し主にレザーカジュアルシューズを中心に展開する「HAWKINS」ブランド、レディース商品のPBブランドとして自社開発した「NUOVO Collection」「ABC Select」「byA」等があります。2012年には米国の高品質ブーツブランド「Danner」「LaCrosse」を、2014年には「White's Boots」の商標権を取得いたしました。また「VANS」ブランドやライセンス契約を締結し販売している「saucony」ブランド等があります。
このようにして、ブランドの取得、PBブランドの開発育成、認知度の高いブランドとのライセンス契約等を行うことで高い収益性を実現し、またシューズ業界における競合他社との差別化を図っております。
今後も、様々なライフスタイルに応じた商品の開発、提供を行うとともに新規ブランドの取得も視野に入れ業容の拡大に努めてまいります。
今後の当社グループを取り巻く経営環境を展望しますと、インフレが長期化する見通しのため、物価の高騰による消費の減退や世界経済への影響が懸念されますが、国内海外ともに経済の正常化に向けた動きが加速し、インバウンドの更なる増加が見込まれると予想します。
このような状況下、当社グループは、お客様の購買意欲を高めるための様々な販売戦略を実施し、新たなマーケットを開拓するべく諸施策の遂行に取り組んでおります。またどのような状況下においても、より良い商品をお客様にご提案できる接客サービスの向上に努めております。
当社グループが対処すべき課題といたしましては、『店舗・商品・人材・IT』という重要な戦略要素を強化していくことであると認識しております。
店舗売上の最大化を目指すため、都市型大型旗艦店「ABC-MART GRAND STAGE」の出店を拡大してまいります。また異なる屋号、異なる業態の店舗を併設させた複合業態による出店を拡大することで、新たな顧客層の獲得とオペレーションの効率化を実現してまいります。
多店舗展開を推進するにあたり、多様な商圏、顧客層に応じた店舗形態を築いていく必要があります。特に、自店競合を起こさないよう地域の特性等も考慮に入れながら新業態の開発に取り組みます。また、商品の企画から構成(マーチャンダイジング)を店舗設計等の計画に組み入れ、収益重視の店舗開発を行うことが重要と考えます。これらを踏まえ、個別店舗の収益を最重要視し、全ての店舗が収益に貢献することを目指します。
海外においても、「ABC-MART」のグローバルな店舗展開を推進してまいります。
顧客ニーズの多様化とライフスタイルの変化に即応していくために、商品カテゴリー毎の戦略をより明確にし、店舗とオンラインへの商品供給を適時適切に行ってまいります。売れ筋商品の見極めと滞留在庫の取り扱いの早期判断・対処により、単品毎の在庫回転率の改善を図り、収益力を高めてまいります。
売上総利益率の向上を図るためには、売上高に占める自社企画商品の構成比率をあげる取り組みが必要となります。またメーカー各社との取引において、ナショナルブランドの共同企画による限定商品を展開していくことが、他社との差別化に繋がります。これらの取り組みを行うことで、売上原価の低減と利益率の向上に努めてまいります。
デジタル広告の積極的な利用を推進し、テレビなどの媒体活用を戦略的に使い分けて、ターゲット層に響く広告宣伝と販売促進活動を行ってまいります。
当社グループは、対面販売による営業活動を主軸に事業を展開しております。
お客様にとって魅力のある店づくり、商品づくりを心がけ、提供していくためには、スタッフ一人ひとりの販売力=『人の力』が重要であると認識しております。また、お客様への気配りや心遣いが次のご来店に繋がることから、接客サービスを向上させる取り組みを進めてまいります。また海外子会社の店舗とも人材交流を進め、グループ企業としての「接客の均一化」を図ってまいります。
またスタッフの様々なライフスタイルに応じた「働き方改革」を推進してまいります。ショートタイム社員や地域限定社員など雇用形態の多様化を図り、中長期的な労働力の確保を目指します。またスタッフの潜在能力を引き出し、最大限に活かせる場所への人材のアロケーションを含めたマネジメントを強化し、女性管理職比率の向上も図ります。
当社グループは、対面販売を基調とした直営店(リアル店舗)のほか、インターネットオンラインサイトを運営しております。当社グループの事業拡大には、デジタルコマースの成長は不可欠です。
リアルとネットを繋ぐためのオムニチャネル戦略を推進していくため、スマートフォンを活用した様々な取り組みを実施してまいります。ABCマートアプリによる新規会員の獲得、リアルとネットの相互利用が可能な電子ポイントシステム、会員向け情報発信サービスの提供や、キャッシュレス決済への対応など多岐にわたります。IT活用による顧客満足度の最大化と更なる業務の効率化を目指してまいります。
企業規模が拡大していくなか、国内外へのグローバルな活動が活発化しており、その社会的責任も一層増していることを強く認識しております。
2015年5月、取締役会における経営判断の適正性を監視する機能をさらに高めていくため、また取締役会の監督機能の強化によるコーポレート・ガバナンスの充実という観点から、監査等委員会設置会社へ移行しました。
取締役の職務執行状況や経営活動全般における法令遵守についての内部監査を強化していくとともに、お客様の安心・信頼に繋がる店舗運営を実現するため、店舗監査を定期的に実施し、必要に応じて是正勧告等を行い、店舗運営の適正化に努めてまいります。また法令遵守はもとより、役職員の健康管理の観点から、より一層働きやすい労働環境の整備に向けた取り組みを積極的に行ってまいります。会計監査につきましては、監査等委員との相互連携により監査体制を充実させてまいります。その他法令・税務についての判断を要する案件につきましては、顧問弁護士、顧問税理士に依頼または相談し、適宜、指導や助言を受けてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
・感染拡大防止のため、営業店舗の休業等を含めた営業制限
・当社グループ及び取引先企業の従業員等の感染
・取引先メーカーからの仕入商品の入荷遅延、海外生産工場の操業停止、物流遅延
当社グループの各社は、米国を除き、小売事業として多店舗展開を行っております。既存の感染症については、ワクチン、予防薬や治療薬の開発や普及により、感染拡大による営業制限のリスクは小さくなっておりますが、新たな感染症が発出し感染拡大により緊急事態宣言が発表される状況となった場合、売上高の著しい減少が想定されます。まず、世界的に感染拡大となった場合、インバウンド需要が見込めなくなります。2020年2月期決算における国内のインバウンド需要は、国内売上のおよそ1割程でした。店舗が一定期間一斉休業した場合を除き、特に大都市圏での移動制限や外出自粛により消費が1割から2割程減退すると予想します。特に、東京を含めた関東圏は全店舗の4割を占めるため、これらが一斉休業となった場合、国内売上高の過半に影響を与えると想定されます。海外については、連結売上高のおよそ2割を占める韓国において、ソウル特別市内及び京畿道において都市封鎖(ロックダウン)が生じた場合、過半の店舗で営業が困難な状況に陥ることから売上高の著しい減少が想定されます。利益については、国内外ともに、減収に応じて経費のうち人件費や地代家賃などの固定費に当たる部分が負担増となり減益の可能性があります。米国については、製造業であるため、サプライチェーンの混乱によるコンテナ不足や輸送費の上昇など仕入原価の増加が想定されます。
当社グループは、延べ人数で1万人を超える雇用をしております。感染症に限らず、これら不可抗力な事象の発生により、長期的に店舗運営が困難な状況となった場合、雇用の維持ができなくなる可能性があります。
当社グループの主な取り組みといたしましては、感染状況に応じて感染防止策(マスク・消毒・密を避ける)を実行に移すとともに、オンライン販売の強化、関東以外の地域への出店強化、都心部のみならず生活圏への出店拡充などを行うで売上減少のリスクを軽減してまいります。
・大地震や台風・豪雨などの自然災害
・火災、停電
当社グループの国内店舗は、全国各都道府県に1,000店舗以上あり、海外については、韓国に300店舗以上、台湾に60店舗以上あります。各社は、商品等を保管する倉庫を所有しております。また日本及び米国においては工場を所有しております。大規模な自然災害等により店舗・倉庫・工場が被災した場合、固定資産や商品等に損害が発生する可能性があります。日本における本社機能は東京、韓国においてはソウル特別市、台湾においては台北エリア(新北市)、ベトナムにおいてはホーチミン市、米国においてはオレゴン州にあります。自然災害等、不可抗力な事象の発生により本社機能が麻痺した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。中長期的には首都圏直下型地震や南海トラフ地震が予測されており、相当程度のリスクがあります。具体的な発生時期や影響の程度は不明です。
当社グループの主な取り組みといたしましては、予防的な措置として基幹業務を中心にクラウド運用を強化すること、事後対応としてSNS等を活用した緊急連絡網の整備、大型店にサテライトオフィスを設置するなど本社機能の一部分散等の対応をしてまいります。
・政治・経済情勢の変動
・テロ・紛争等による治安状態の悪化や社会的な混乱
当社グループの売上高のうちおよそ3割が海外売上高であり、そのうち韓国で2割を占めます。韓国においては、ソウル特別市内及び京畿道にドミナント出店しており、全体の過半の売上を占めております。新型コロナウイルス感染症の流行以外にも、過去においてSARSやMARSといった感染症の流行、日本製品の不買運動等により業績が悪化することがありましたが、政治・経済情勢の変動等により同様のことが起こる可能性があります。
当社グループの国内事業は売上の約3割を自社ブランド及びライセンスブランドで占めておりますが、これらの商品は海外の委託工場で生産し、日本に輸入しております。主な生産地域は、東南アジア(約5割)、中国(約5割)であります。ミャンマーのクーデターや感染症によるベトナムのロックダウンなど、少なからず影響がありましたが、これらの地域において政治・経済情勢が著しく悪化した場合、商品供給が滞る可能性があります。
当社グループの主な取り組みといたしましては、海外拠点を増やすこと、海外の他地域への進出を検討しております。海外生産においては生産国を分散することでリスク回避を行っております。
海外セグメントは、韓国、台湾、米国、ベトナムで構成されております。それぞれの現地通貨に対し円高になった場合、売上や利益が減少します。在外子会社の資産、負債は、当該子会社の決算日の直物為替相場により円貨に換算し、収益及び費用は、期中平均為替相場により円貨に換算しております。当社グループの売上のおよそ3割が海外売上のため、決算期末日時点の為替相場が大きく変動した場合、財務諸表に影響を与える可能性があります。
当社グループの国内売上のおよそ3割が自社企画商品であり、その9割を海外から輸入しております。これら輸入商品の大半が米ドル決済であり、年間2億ドル程の外貨需要があります。米ドルが1円円安になった場合、仕入原価がおよそ2億円増加します。輸入為替につきましては、仕入コストの安定化を図ることを目的として為替予約等を締結する場合がありますが、為替相場が大きく変動した場合、売上総利益に影響を与える可能性があります。
・シューズマーケットの縮小
・ファッショントレンドの変化
中長期的には、国内においては、人口減少と超高齢化社会によりシューズマーケットは縮小の可能性があります。シューズの需要が低下する場合、出店戦略や業績に影響を与える可能性があります。
世界的なカジュアル志向により、スニーカー需要が増し、レザーシューズやビジネスシューズの販売が低迷するなど、トレンドの変化により、商品の需要と供給が変わることから、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの主な取り組みといたしましては、シューズマーケットにおける国内シェアの拡大、またシューズ以外の分野、スポーツアパレル市場やアウトドア市場においてもシェア拡大を狙ってまいります。トレンドの変化への対応につきましては、商品カテゴリー毎の戦略を適宜見直してまいります。
・販売動向の変化
当社グループが置かれているシューズ業界は、ファッション業界と同様、売上高に季節変動があります。3月から5月(第一四半期)は就職・就学需要と春休みやGW等の春商戦があり、12月と1月は年末年始商戦があるため、売上が最も大きくなります。また出店が多くなる第一四半期と第三四半期に経費が多く計上されることから、営業利益は四半期会計期間毎に変動する傾向にあります。キャッシュ・フローにつきましては、納税時期である4月と10月、配当支払い時期である5月と11月は、現預金の支出が多く、また新規出店や改装によるリニューアル出店が多い時期でもあることから、第一四半期と第三四半期の財務活動と投資活動によるキャッシュ・フローは支出が増加します。
当社グループの主な取り組みといたしましては、シーズン毎に販売戦略を構築し、きめ細かな商材設定を行い、旬な商品を適時適切なタイミングで販売することで販売機会のロスを低減し、在庫回転率を高めてまいります。また季節感のある店舗運営を心掛けることで、お客様の再来店を促す取り組みを実施してまいります。そしてお客様にご満足いただける商品・サービスの提案を継続的に行ってまいります。
・採用状況の悪化
・離職率の上昇
当社グループの国内においては、毎年200名以上の新規採用を行っております。採用難や離職率が上昇した場合、出店戦略や店舗運営に影響を与える可能性があります。
当社グループの主な取り組みといたしましては、雇用形態の多様化(短時間労働正社員ほか)、地域密着型の人材登用を行い、人材の確保に努めております。また採用研修制度の充実を図り、人材の育成と能力開発を進めていくことで、将来を担う若手社員の離職を防ぐ取り組みを行っております。また様々な事情により退職した社員の再雇用を促す取り組みとして「ウェルカムバック制度」を活用しております。
当社グループは、取引先とディストリビューター契約及びライセンス契約を締結し、ブランド商品の製造販売、又はライセンス生産を行っております。取引先企業との関係は良好でありますが、契約条件の変更や契約が解除された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、デジタル事業を展開するうえで、顧客情報(個人情報を含む)や営業秘密等の機密情報を取り扱っております。万が一、機密情報の流出・消失が発生した場合、当該情報の回収や損害賠償の支払等の対処を要し、業績への悪影響や顧客の信用低下を招く可能性があります。
当社グループは、原則として各店舗を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位と捉え、減損会計を適用し、投資の回収可能性を適時に判断しております。事業環境の変化等により収益性が低下した場合や所有不動産の土地の価格が著しく下落した場合、土地や建物などの有形固定資産及びのれんや商標権などの無形固定資産について減損損失を計上する可能性があります。
当社グループは、現在、純投資目的である投資株式を保有しております。これらは市場価格(時価)により価格が変動するため、時価が下落した場合は、損失を被る可能性があります。
当連結会計年度(2022年3月1日から2023年2月28日まで)における事業環境は、新型コロナウイルス感染症の収束に向けた動きが加速し、国内においては、主要都市や観光地を中心に人出が増加し、また秋以降は急速にインバウンド需要も回復基調で推移しました。一方で、地政学的なリスクの高まりを背景に円安や物価の高騰が続いており、景気回復の減速が懸念されております。海外においても、消費環境は改善してきておりますが、インフレの長期化による金融不安等、世界経済への影響が懸念され、先行き不透明な状況が続いております。
シューズ業界におきましては、商品価格が上昇していくにつれ、お客様の価格志向は二極化(消耗品と嗜好品)が鮮明となってまいりました。商品トレンドは、新作スニーカーを中心としたスポーツ系カジュアルに加え、旅行やレジャーなどアウトドア系ファッションの需要が拡大しております。
これらのことから、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
このような状況下、当社グループは、デジタルコマースの活用、グランドステージと複合業態店舗の拡大、スポーツシューズやスポーツアパレルを含めたライフスタイルカジュアルの拡充に対応してまいりました。店舗展開につきましては、国内外合わせて88店舗の新規出店を行い、当社グループの店舗数は、1,457店舗となりました。
以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高は前期比18.9%増の2,900億77百万円となりました。利益面につきましては、営業利益は前期比54.1%増の423億1百万円、連結営業利益率は14.6%となりました。経常利益は前期比53.4%増の433億60百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比74.1%増の302億56百万円となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高は4億76百万円減少、営業利益は2億59百万円減少、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ2億91百万円減少しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
販売戦略につきましては、実店舗の売上が拡大していく中、デジタル広告やスマートフォン向けアプリの抽選機能を活用した施策等により、オンラインと実店舗の相互送客を実現し、トレンドアイテムを中心に実店舗への訴求効果を高める販売促進を実施してまいりました。これらトレンドアイテムの販売とセールアイテムの絞り込みにより、客単価の改善を図ってまいりました。商品展開においては、著名アーティストとのコラボレーション企画による新作スニーカーやアウトドア向けシューズ、レディースカジュアルシューズ、アパレルの販売に注力してまいりました。レジャーや旅行による需要が増したことから、レザーカジュアルシューズやレディースシューズの販売が好調となりました。
店舗展開におきましては、郊外のショッピングセンターを中心に47店舗の新規出店を行いました。施設の閉館に伴う閉店とスクラップアンドビルドの促進により、26店舗閉店し、期末の国内店舗数は1,074店舗となりました。既存店におきましては、増床改装を中心に53店舗の改装(うち33店舗は増床改装、29店舗は業態変更)を実施し、都市型旗艦店「GRAND STAGE」への業態変更と、「ABC-MART」や「ABC-MART SPORTS」など複数のバナーを一箇所に集めた複合業態店舗の出店拡大を積極的に進めてまいりました。これらの結果、当期末時点の「GRAND STAGE」は67店舗(複合業態含む。)、また複合業態店舗は82店舗となりました。
国内店舗の通期の売上高増収率(通販含む。)につきましては、全店で前期比17.2%増、既存店で前期比14.0%増となりました。下期以降、3年ぶりの行動規制の解除により市況が活発になり、またインバウンド需要が増してきたことから、売上が大きく伸長しました。新作スニーカーや高単価のブーツ類を中心にプロパー販売が好調だったことから、客単価の上昇が売上の更なる増加に繋がりました。
オンライン販売については、デジタル売上高(実店舗におけるEC在庫の販売分を含む。)が前期比13.4%増となりました。
これらの結果、国内における売上高は前期比16.6%増の1,979億81百万円、セグメント利益は前期比38.4%増の350億2百万円となりました。
海外の店舗展開につきましては、韓国に32店舗、台湾に8店舗、東南アジアで初の進出となったベトナムに1店舗、計41店舗の新規出店を行いました。期末店舗数(2022年12月31日現在)は、韓国308店舗、台湾67店舗、米国7店舗、ベトナム1店舗、計383店舗(閉店 韓国9店舗、台湾3店舗)となりました。
海外の業績につきましては、為替はいずれの通貨に対しても円安水準にあり、増収増益となりました。韓国につきましては、国内景気が回復基調で推移し、またインバウンド需要の増加により、売上高は前期比24.1%増の574億72百万円となりました。台湾につきましても、業況が大きく改善し、売上高は前期比31.2%増の98億92百万円となりました。米国につきましては、昨年夏よりサプライチェーンの物流停滞が解消され出荷が順調となったことから、売上高は前期比22.4%増の258億55百万円となりました。なお、いずれの国においても現地通貨ベースでも好調な結果となっております。ベトナムにつきましては、昨年10月に1号店をオープンしましたが、連結業績へ与える影響は軽微であります。海外連結子会社はいずれも12月決算であります。
これらの結果、海外における売上高は前期比24.3%増の932億51百万円、セグメント利益は前期比242.0%増の72億24百万円となりました。
(販売実績)
品目別販売実績
(注) 上記金額は、国内及び海外の合計で表示しております。
地域別店舗売上実績
(注) 1 「その他」の売上高の主なものは、通信販売及び卸売上等によるものであります。
2 単位当たり国内店舗売上実績は以下のとおりであります。
(注) 1 平均売場面積は、店舗の稼働日数を基礎として算出しております。
2 平均従業員数は、アルバイト・契約社員を含み、役員を除いております。なお、アルバイト・契約社員は期中加重平均(1日8時間換算)で算出し、加算しております。
(仕入実績)
(注) 上記金額は、国内及び海外の合計で表示しております。
流動資産合計は、前連結会計年度末に比べ344億67百万円増加し、2,613億91百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少28億49百万円、受取手形及び売掛金の増加40億5百万円、及び棚卸資産の増加287億36百万円等によるものであります。
固定資産合計は、前連結会計年度末と比べ36億62百万円増加し、944億59百万円となりました。主な要因は、投資有価証券の増加43億38百万円等によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ120億37百万円増加し、448億76百万円となりました。主な要因は、輸入仕入に係る短期借入金の増加46億9百万円、未払法人税等の増加44億46百万円、及び設備関係支払手形の増加30億40百万円等によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ260億92百万円増加し、3,109億74百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加162億24百万円、円安による為替換算調整勘定の増加55億3百万円、及びその他有価証券評価差額金の増加40億69百万円等によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ35億45百万円減少し、1,482億24百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、108億82百万円の収入(前期比142億74百万円収入減)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益426億61百万円、減価償却費58億1百万円、減損損失9億86百万円、仕入債務の増加額15億84百万円、売上債権の増加額29億38百万円、棚卸資産の増加額266億8百万円、及び法人税等の支払額85億72百万円等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、90億3百万円の支出(前期比15億45百万円支出増)となりました。この主な要因は、新規出店及び店舗改装等に伴う有形固定資産の取得による支出53億68百万円、無形固定資産の取得による支出15億1百万円、敷金及び保証金の差入による支出15億69百万円等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、93億58百万円の支出(前期比45億59百万円支出減)となりました。この主な要因は、輸入仕入に係る短期借入金の増加額46億5百万円及び配当金の支払による支出140億27百万円等を反映したものであります。
当社グループの運転資金及び設備投資は、主に自己資金により充当しております。当連結会計年度末現在、1,482億円の現金及び現金同等物の残高を保有しており、将来資金に対して十分な財源及び流動性を確保しております。
今後の資金使途については、販売体制を強化するためのITを含めた設備投資や海外事業の拡大への投資を目的といたします。また将来の企業買収や企業提携なども視野に入れて財源の確保をしてまいります。また株主様への利益還元として安定的な配当政策の実施は元より、配当性向を意識した増配が毎期実現できるよう努めてまいります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。