文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループでは、会社の経営の基本方針として「社員憲章」を定めています。この「社員憲章」は、①事業のあり方、②組織のあり方、③メンバーのあり方、の3項目から構成され、当社グループのメンバーがよって立つべき企業理念を体現したものにもなっています。
また、国連の採択したSDGs(持続可能な開発目標)はこうした当社の経営方針と非常に親和性が高いため、その17項目のうち、「3. すべての人に健康と福祉を」「9. 産業と技術革新の基盤をつくろう」「17. パートナーシップで目標を達成しよう」の3つを実現するように努めています。
当社グループは、絶えずサービスのイノベーションを図り、グループ会社間でのノウハウ共有とインフラ統合を進めていくとともに、新技術や独自のノウハウを持つ企業と幅広く連携・提携を進めていきます。
(2)目標とする経営指標
当社は、企業集団の成長、並びに業務プロセスの効率性を測定するうえで、売上高と営業利益を重視しています。こうした観点から、2022年6月期に連結売上高1,200億円、連結営業利益20億円を目標としておりましたが、輸入販売事業において取り組んできた呼気による乳がん検査装置の国内導入が難しくなったこと、また、2019年10月の償還価格改定の影響が大きかったことによって、所期の目標達成が難しくなりました。
今回、これらの背景を十分に吟味して2021年6月期を初年度とする新たな中期経営計画を策定し、2023年6月期に連結売上高1,200億円、連結営業利益19億円を目標とします。
(3)中長期的な会社の経営戦略
厚生労働省が示した「地域医療構想」においては、団塊の世代が75歳以上となる2025年を念頭においた新たな医療提供体制の構築が提唱されています。新型コロナウイルス感染症の影響によってその動きは多少緩むことも想定されますが、急性期医療を提供する医療機関の集約は不可避であろうと思われます。その一方で、ロボットを使用した手術や、がんゲノム等の遺伝子解析による個別化医療が一部で実現されるなど医療技術は目覚ましく進歩しています。
したがいまして私どもは、従前より得意としてきた整形外科領域や循環器領域(循環器内科・心臓血管外科)といった大市場においては、各種デジタルツールの導入や人員配置の適正化などを通じて高効率なサービス提供に磨きをかけてまいります。また、最先端領域においては技術・学術情報をいち早くお客様にお届けすることによって、医療の発展に貢献してまいります。あわせて、これまで十分に営業活動ができていなかったクリニック(診療所)についても、オンライン診療の支援などビジネス展開の可能性を探ってまいります。
医療を取り巻く環境の変化は、医療機関に最も近い存在である私ども医療商社にとって、顧客ニーズに適したサービスを開発するチャンスとなります。社内研修のweb講義へ移行や、e-learning整備などを通じて、これらに必要な人材育成への投資を惜しまず、また、社員一人ひとりが健康で生き生きと働けるように「働き方改革」と「健康経営」に取り組みながら、社会にいっそう貢献し、国民の健康長寿に寄与してまいります。
以上を踏まえ、中長期的な方針として以下の8つを掲げています。
①高いシェアを有する整形外科ビジネスにおいて、顧客、仕入先、そして当社が三方良しとなるような業務プロセスの再構築
②RPA(Robotic Process Automation:定型業務の自動化技術)の導入やQC活動(業務品質の改善活動)による社内業務の合理化・効率化
③医療器材事業全体での仕入交渉力の強化
④ICTを活用した営業活動のDX(Digital transformation:デジタル化によるビジネスモデル等の再構築)による、顧客提供価値の最大化
⑤新規事業開発を通じた収益源の多角化により、様々なヘルスケアの課題に持続的に対応できる体制の構築
⑥ものづくり企業との医工連携による、ヘルスケアの課題解決に資するような製品の開発
⑦働き方改革の一環としてのテレワーク導入、ならびに健康経営の推進
⑧当社グループの企業理念である「社員憲章」の浸透による組織力の向上
なお当連結会計年度においては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」に記載のとおり、医療器材事業において新型コロナウイルス感染症による業績への影響がありましたが、医療機関の手術件数抑制の解消に伴い、当該影響は次期以降は徐々に緩和されることを前提に上記の計画を策定しています。
これらを踏まえて、2023年6月期を最終年度とする中期経営計画の骨子は以下の図のようにまとめられます。

※インサイドセールス:顧客先へ訪問する営業社員(フィールドセールス)を、社内でサポートする内勤型の営業を指します。
尚、中期経営計画は毎年見直し、常に最新の中期計画による目標管理を行ってまいります。
(4)会社の対処すべき課題
当社は、「会社の経営の基本方針」に基づき、グループ各社に対する資金・人材・インフラ事業政策等をサポートすることで企業価値の向上に努めていきます。
また、コンプライアンスの徹底、適切なリスク管理並びに適正な情報の開示を行い、グループの社会的価値を高めていきます。
(5)その他、会社の経営上重要な事項
該当事項はありません。
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
なお、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。
健康保険法第76条第2項の規定に基づき厚生労働大臣が告示する診療報酬点数表の中に特定保険医療材料及びその材料価格基準(償還価格)が示されています。
医療制度改革の一環として、償還価格はおよそ2年ごとに見直しが行われていますが、実勢販売価格をもとに引き下げられる傾向にあります。これに連動して、当社グループの主な顧客である医療機関への販売単価も下落傾向にあり、収益性を圧迫する要因となっています。これに対処するため当社グループでは、仕入先との価格交渉力を高めたり、より付加価値の高い製品の取扱いを拡大したりなど収益改善に努めています。
当社グループは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」といいます。)をはじめとして、関連法規に基づく許可等を得て事業を継続しています。しかし、法令違反等により当該許可等が取り消された場合、当社グループの業績及び事業継続について重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは統括部門を設置し、法令の遵守、適切な運用が行われるよう管理体制を整えています。また、定期的に役職員に対する教育研修を行うことで遵法意識の向上を図っています。
当社グループが取得している主な許可等とその内容は以下のとおりです。
当社グループは医療機器や医薬品の販売業として医薬品医療機器等法の規制を受けており、所在地都道府県知事の許可等が必要となります。
当社グループ各社の取扱商品には高度管理医療機器が含まれていますので、医薬品医療機器等法に定められた要件に準拠して管理者の設置やシステムの整備を進め、高度管理医療機器を取り扱っている全ての事業所で各都道府県知事より許可を取得しました。
当該許可は6年ごとに更新をする必要があります。また医療の安全は国民国家にとって重要な課題であるため、今後、医療機器に対する新たな法規制や許認可制度が制定される可能性もあります。
(注)高度管理医療機器
多種多様な医療機器につき人体に与えるリスクに対応した安全対策を講ずるため、国際分類を踏まえ、医療機器は3つの類型(高度管理医療機器、管理医療機器、一般医療機器)に分類されています。このうち、高度管理医療機器を取り扱う販売業者については、都道府県知事の許可を得ることが必要です。なお高度管理医療機器とは、適正な使用目的にしたがって適正に使用したにもかかわらず、副作用又は機能障害が生じた場合に、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある医療機器と定義されており、当社グループの取扱商品においては、人工呼吸器、人工関節、ステント、ペースメーカー等がこれに該当します。
当社グループは医療機器の製造販売業者として「医薬品医療機器等法」の規制を受けており、所在地都道府県知事の許可が必要となります。
当社グループでは管理医療機器の製造・販売を行うため「医薬品医療機器等法」に定められた要件に準拠して管理者の設置や品質管理ならびに製造販売後安全管理について体制を整備し、第二種医療機器製造販売業許可を受けています。
当該許可は5年ごとに更新をする必要があります。また医療の安全は国民や国家にとって重要な課題であるため、今後、医療機器に対する新たな法規制や許認可制度が制定される可能性もあります。
(注)管理医療機器
多種多様な医療機器につき人体に与えるリスクに対応した安全対策を講ずるため、国際分類を踏まえ、医療機器は3つの類型(高度管理医療機器、管理医療機器、一般医療機器)に分類されています。このうち、管理医療機器を取り扱う製造販売業者については、都道府県知事の許可を得ることが必要です。なお管理医療機器とは、高度管理医療機器以外の医療機器で、副作用又は機能の障害が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医療機器と定義されています。
当社グループは医療機器に付帯する薬品、試薬、体外診断用検査薬等(以下、医薬品等という)を卸売販売しています。当社グループにおいては、医薬品医療機器等法に基づき卸売販売業の管理者を設置し、保管設備等の整備を行い、医薬品等を取り扱っている全ての事業所で各都道府県知事より許可を取得しています。今後、何らかの理由により医薬品医療機器等法の基準に適合しなくなった場合は、その事業所は医薬品の卸売販売業の許可を取り消される可能性があります。
当社グループが販売している医薬品等の一部には、毒物及び劇物取締法に基づき毒物又は劇物の指定を受けている製品があります。当社グループにおいては、毒物及び劇物取締法に基づく取扱責任者の設置、保管場所等の整備を行い、毒物又は劇物を取り扱っている全ての事業所で各都道府県知事の登録を受けています。今後、何らかの理由により毒物及び劇物取締法の基準に適合しなくなった場合、その事業所は登録を取り消される可能性があります。
手術室等に係る工事を受注するため、建設業法第3条に基づき福島県知事より一般建設業の許可を受けています。今後、法的規制の新設や適用基準の変更等があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
介護保険法では、居宅介護福祉用具購入費の支給対象となる特定福祉用具(注1)は、都道府県知事より指定を受けた特定福祉用具販売事業者(注2)又は特定介護予防福祉用具販売事業者(注3)から購入されたものであると定められています。株式会社ライフケアでは、特定福祉用具の販売に当たり、全営業拠点に管理者及び福祉用具専門相談員を設置し安全管理体制を整備して、各都道府県知事より特定福祉用具販売事業者及び特定介護予防福祉用具販売事業者の指定を受けています。今後、何らかの理由により当該要件が満たせなくなった場合、その事業所に対し指定取り消し処分等が下されることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注1)居宅介護福祉用具購入費の支給対象となる特定福祉用具とは、腰掛便座、特殊尿器、入浴補助具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具の部分の5種目をいいます。
(注2)特定福祉用具販売事業者とは、介護保険法の要介護度1~5の要介護者を対象に特定福祉用具を販売する事業者をいいます。
(注3)特定介護予防福祉用具販売事業者とは、介護保険法の要支援度1~2の要支援者を対象に特定福祉用具を販売する事業者をいいます。
介護保険法では、介護保険法の支給対象となる福祉用具を貸与する事業者は、都道府県知事より福祉用具貸与事業者(注1)又は介護予防福祉用具貸与事業者(注2)の指定を受けることが義務付けられています。株式会社ライフケアでは、福祉用具の貸与に当たり、全営業拠点に管理者及び福祉用具専門相談員を設置し安全管理体制を整備して、各都道府県知事より福祉用具貸与事業者及び介護予防福祉用具貸与事業者の指定を受けています。今後、何らかの理由により当該要件が満たせなくなった場合、指定取り消し処分等が下されることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注1)福祉用具貸与事業者とは、介護保険法の要介護度1~5の要介護者を対象に福祉用具を貸与する事業者をいいます。
(注2)介護予防福祉用具貸与事業者とは、介護保険法の要支援度1~2の要支援者を対象に福祉用具を貸与する事業者をいいます。
当社グループでは、医薬品医療機器等法の規制を受ける商品の取り扱いが高い割合を占めているため、当該法規制に違反するなどして当社グループの商品の供給体制が機能しなくなった場合、業績及び事業継続について重大な影響を及ぼす可能性があります。想定される内容は以下のとおりです。
当社グループの販売する医療機器及び医薬品の一部は、使用期限が設定されています。これは医療機器等が保健衛生上の危険を生じないように安全に使用出来る期限を定めたものです。
この使用期限を経過した医療機器等を販売することは医薬品医療機器等法に違反することとなり、この場合には、保健所等により医療機器販売業等の業務の停止などの処分を受ける可能性があります。
そのため当社グループでは、統括部門を設置し、使用期限を経過した医療機器等が流通しないよう手順を定め、適切な運用が行われるよう管理体制を整えています。また、定期的に役職員に対する教育研修を行うことで使用期限管理の徹底を図っています。
医薬品医療機器等法により、生物由来製品の販売業者は、生物由来製品を販売した際、販売先の住所・氏名その他厚生労働省令で定める事項に関する情報を、当該生物由来製品の製造承認取得者等に提供することが義務付けられています。そのため、上記法令に従って、生物由来製品の販売情報を製造承認取得者等に通知しています。
(注)生物由来製品
人その他の生物(植物を除く)に由来するものを原料又は材料として製造(小分けも含む)される医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものを言います。当社グループの取扱商品の中には、生物由来成分を使用しているものがあるため、当該製品は生物由来製品に指定されています。
医療機器及び医薬品は、医薬品医療機器等法の定めにより、その使用において保健衛生上の危害が発生し、又は拡大する恐れがあることを知った場合は、これを防止するために廃棄、回収、販売の停止、情報の提供等の措置を講じなければならないとされています。
株式会社エクソーラメディカルが製造販売する商品が不具合等により回収、販売の停止等の事態になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、グループ外部の医療機器製造販売業者より仕入れた商品を販売する場合、直接的にはこれらの義務を負うことはありませんが、間接的には、販売する商品が不具合等により回収、販売の停止等の事態になった場合には、販売業者である当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループでは、特定の商品が販売不能になった場合でも代替可能な商品を供給できるよう、多様な仕入先との取引関係を維持することに努めています。
医療機器業公正競争規約は、1998年11月に公正取引委員会の認定を受け、1999年4月に施行された、景品類提供の制限に関する公正競争規約です。事業者団体(医療機器業公正取引協議会)の自主規制ルールではありますが、不当景品類及び不当表示防止法(以下、景品表示法という)に基づいて制定されており、医療機器業公正競争規約に違反することは、そのまま景品表示法違反となります。
当社グループでは、営業活動において医療機器業公正競争規約を遵守し、社員への教育啓発にも努めていますが、今後当局との間で認識の違いが生じ、医療機器業公正競争規約に違反した場合は、景品表示法違反に問われ、違約金が課される等の罰則を受ける場合があります。
当社グループでは、個人情報の管理の徹底を図っており、現在まで個人情報の流出による問題は発生していませんが、今後個人情報の流出により問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や信用低下等により、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは今後も事業の拡大や統廃合に際して、関係会社の設立や売却、合併・分割・買収・提携の手法を用いる可能性があります。そのため、これらにかかる費用等が、一時的に当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。
また、当該事業が当初の計画通りに進捗しない場合、投資価値の減損損失を行う必要が生じるなど、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが保有する、土地・建物等の事業用資産や投資有価証券等について、価格下落等による資産価値の低下、外部環境の変化による事業収益・キャッシュ・フローの悪化等によって減損損失が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは国内の数多くの仕入先から医療機器等の商品を仕入れ、各地域の医療機関等へ販売をしています。大規模な地震、風水害等の自然災害が発生した場合、国内各地の物流網に影響が生じることで当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、感染症の拡大に対し、医療機関において当該感染症への対応のため、緊急性の低い治療、手術の見送り、延期などの対策が取られた場合、当該治療、手術において使用が見込まれていた医療機器などの販売機会が失われ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは事業継続計画(BCP計画)の策定・見直しを進め、これらの自然災害等が発生した際に速やかに行動が出来るように対策をとっています。
なお、新型コロナウイルス感染症により当連結会計年度に発生した影響につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」に記載のとおりであり、これらの影響は徐々に解消されることを前提に目標を設定して取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)経営成績
新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の猛威は、世界経済に深刻な打撃を与えています。日本においては、初期の拡大に一定の歯止めをかけることに成功しましたが、その後第2波が訪れるなど予断を許しません。当社グループも、「感染拡大防止」「医療機関や介護施設の支援」「社員の安全確保」の観点から、医療機関への感染防止製品の提案、不要不急の営業活動の自粛、テレワークの推進といった対応を行ってきました。特に医療機関への感染防止製品の提案は、当社グループが社員憲章に謳う「国民の健康長寿に寄与する」という観点から、最重点課題として取り組んでいます。感染拡大初期にはマスク・ガウン・フェイスシールドなどの個人用防護具が不足するなど様々な問題が発生しましたが、グループ内で最新の供給状況を迅速に共有し、顧客毎に異なる個人用感染防護具のニーズに可能な限り対応しながら供給を行ってきました。
一方、当第4四半期連結会計期間における新型コロナの状況下で、医療器材事業の業績に影響を与える手術件数は減少しました。これは主に医療機関が感染病床を確保するために手術を抑制したことが原因です。その対象となったのは主として慢性疾患であり、具体的には整形外科領域における人工関節置換術や、循環器領域における一部のカテーテル治療などが挙げられます。また、新型コロナの影響で患者がクリニックでの受診を控えるようになり、クリニックから医療機関への患者の紹介が減ったことも、手術件数減少のひとつの要因と言われています。これらのことから当第4四半期連結会計期間においては、新型コロナの影響によって医療器材事業の売上高は約19億円引き下げられたと試算しており、当第3四半期連結累計期間までは消耗品を中心に順調に売上を伸ばしてきたものの、第4四半期連結会計期間で増収基調にブレーキがかかることとなりました。
また輸入販売事業において、当初想定していた検査性能が得られず、今後国内導入に向けての事業活動を継続することが難しいと判断し、金融資産に対する貸倒引当金繰入額を販売費及び一般管理費に計上したことが、営業利益に大きく影響を与えました。加えて、固定資産の減損損失により多額の特別損失が発生したことが、親会社株主に帰属する当期純利益の減少要因となりました。
その結果、当期の連結売上高は1,078億96百万円(前期比0.4%増)、連結営業利益9億27百万円(前期比28.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3億26百万円(前期比57.9%減)となりました。
事業セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
医療器材事業の商品分類別・地域別の売上高は下記の通りです。
<医療器材事業 商品分類別・地域別売上高> 単位:百万円
※1 表の売上高は事業会社の単純合算値であり、医療器材事業の売上高とは一致しません。
※2 上段は2020年6月期における売上高を、下段は前期比を示しています。
成長の軸となる消耗品売上高は、新型コロナの感染拡大に伴う製品の不足や手術件数の減少があったものの、前期比1.0%増を確保しました。その内訳は以下のとおりです。
手術関連消耗品は、糖尿病関連製品の売上高が前期比10.3%増、消化器内視鏡関連製品は前期比7.9%増、眼科関連製品は前期比6.8%増、滅菌関連製品は前期比5.3%増などと業績を牽引しました。その結果、手術関連消耗品の売上高は前期比2.5%増となりました。
整形消耗品は、新型コロナによる医療機関の手術抑制により、当第4四半期連結会計期間において前期比で大阪20.1%減、福島19.0%減、兵庫18.6%減などとなりました。しかし、前期において新規に獲得した施設の影響などにより、前期比で徳島25.0%増、宮城22.3%増、広島8.1%増など売上高を伸ばしたため、整形消耗品の売上高は前期比1.0%減にとどまりました。
循環器消耗品は、全エリアで新型コロナの影響があり、当第4四半期連結会計期間の売上高は前期比約15%減となりました。また、昨年10月に実施された国が定める材料価格である償還価格の引き下げの影響も大きく、当期の循環器消耗品利益率は前年比約1.0ポイント減の影響を受けました。しかしながら、TAVI(経カテーテル大動脈弁置換)等の心臓に対する新たな治療デバイスは前期比27.6%増、カテーテルアブレーション(頻脈の原因となる心筋組織を焼灼もしくは凝固する治療)に関連する消耗品は前期比3.3%増と引き続き堅調であり、循環器消耗品の売上高は前期比0.2%減にとどまりました。
設備・備品の売上高は、ほぼ当初の見込みとなりましたが、前年の医療機関の建替え・移転等の大型案件の影響が大きく前期比12.6%減となりました。
その結果、医療器材事業は、売上高941億87百万円(前期比0.9%減)、営業利益12億53百万円(前期比8.3%減)となりました。
<SPD事業>
SPD事業は、前期に新規で受託した施設が順調に稼働し、業績を後押ししました。また物品管理サービス料金の見直しも継続した結果、売上高179億44百万円(前期比8.4%増)、営業利益は86百万円(前期比11.7%増)となりました。
介護用品事業は、主力の介護用品レンタル売上高が前期比6.4%増と安定して推移しました。
その結果、売上高21億84百万円(前期比4.1%増)、営業利益1億19百万円(前期比28.7%増)となりました。
輸入販売事業は、呼気による乳がん検査装置の国内導入に向けて準備を継続してきました。しかし、当初想定していた検査性能が得られず、今後国内導入に向けての事業活動を継続することが難しいと判断し、計上していた金融資産について、3億53百万円の貸倒引当金を計上し、販売費及び一般管理費に同額の貸倒引当金繰入額を計上しました。
その結果、輸入販売事業は、営業損失3億96百万円(前期 営業損失91百万円)となりました。
これにより、輸入販売事業については、その事業を大幅に縮小します。
(注) 1 金額には、消費税等は含まれていません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注) 1 金額には、消費税等は含まれていません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しています。
当連結会計年度末の総資産は336億83百万円となり、前連結会計年度末と比べ88百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金が8億6百万円、商品が7億61百万円、有形固定資産が7億73百万円それぞれ増加した一方で、受取手形及び売掛金が23億89百万円減少したことによるものです。
また、負債は264億1百万円となり、前連結会計年度末と比べ5億99百万円減少しました。主な要因は、電子記録債務が1億17百万円、短期借入金が8億円、リース債務が9億30百万円それぞれ増加した一方で、支払手形及び買掛金が19億81百万円、長期借入金(1年内返済予定含む)が4億46百万円それぞれ減少したことによるものです。
純資産は72億81百万円となり、前連結会計年度末と比べ5億10百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益により3億26百万円、自己株式の処分による入金により4億67百万円それぞれ増加した一方で、配当金により2億29百万円減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、1.8ポイント増加し、21.6%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は前連結会計年度末に比べ8億6百万円増加し、18億77百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
営業活動による資金の増加は、8億62百万円(前期は1億36百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益により7億22百万円、減価償却費により4億10百万円、減損損失により1億91百万円、貸倒引当金の増加により3億57百万円、売上債権の減少により22億46百万円それぞれ増加した一方で、たな卸資産の増加により7億61百万円、仕入債務の減少により18億64百万円、法人税等の支払により4億35百万円それぞれ減少したことによるものです。
投資活動による資金の減少は、4億96百万円(前期は3億61百万円の減少)となりました。主な要因は、投資有価証券の売却による収入により42百万円増加した一方で、有形固定資産の取得による支出により3億13百万円、無形固定資産の取得による支出により1億42百万円、投資有価証券の取得により91百万円それぞれ減少したことによるものです。
財務活動による資金の増加は、4億39百万円(前期は62百万円の減少)となりました。主な要因は、短期借入による収入により8億円、自己株式の処分による収入により4億67百万円それぞれ増加した一方で、長期借入金の返済による支出により4億46百万円、当社の配当金の支払により2億28百万円それぞれ減少したことによるものです。
また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりです。
当社グループの事業活動における運転資金需要は、商品仕入代金並びに販売費及び一般管理費の支払など、日常の運転資金が主なものです。これに対する資金は、顧客への販売代金の回収及び金融機関からの短期借入金で賄います。また運転資金に加えて、設備・システム・M&A等の投資資金需要が随時発生します。これに対する資金は、上記の方法に加えて、金融機関からの長期借入金により賄います。これらの資金調達方法により、毎月末のグループ全体の現預金残高は、概ね20億円程度確保することを方針としています。
(4) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に記載しています。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りを合理的な基準に基づいて実施していますが、実際の結果は見積もり特有の不確実性があることから、これらの見積りと異なる場合があります。特に以下の事項については、経営者の会計上の見積りの判断が経営成績等に重要な影響を及ぼすと考えています。
(貸倒引当金)
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。将来、取引先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合は、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響は「「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しています。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しています。
これらのリスクに対して継続的にモニタリングを行って現状把握に努めるとともに、平時から対応策を検討し、リスクの最小化・分散化を図っていきます。
該当事項はありません。
該当事項はありません。